木下 光弘

本稿は,モンゴル族出身の指導者ウランフが,文化大革命による失脚から政治的立場を回復させる背景を明らかにしようとする試みである。そのために,彼の「復活」を中国政治史の文脈の中で捉えなおそうとした。内モンゴル自治区における最高権力者として君臨したウランフは,文化大革命が始まると真っ先に批判の対象となり失脚する。ところが1973年になると,彼は中央において政治的立場を回復させる。このきわめて早い「復活」 …

中国研究月報 = Monthly journal of Chinese affairs 69(4), 21-34, 2015-04