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検索結果 311 件

  • 男性不妊と物語 ―実証研究とメディア表象の異同に関する一考察

    倉橋, 耕平, KURAHASHI, Kohei 創価人間学論集 (17) 85-108, 2024-03-30

    ...その中心をなす男性不妊の当事者への聞き取り調査は、男性にとって男性不妊症がスティグマになること、不妊治療によって子どもを得ることでスティグマを解消できること、性的・生殖能力の問題である以上に「夫婦(家族)の問題」であることを解明してきた。 しかし、当事者の研究が中心であるため、物語(小説・映画・マンガなど)においてどのように表象されているのか、という点についての検討を行っていない。...

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  • <研究論文>恋闕へのまなざし : 『刀剣乱舞』と一九六〇年代三島由紀夫作品の比較研究

    渡部 宏樹 日本研究 68 75-97, 2024-03-29

    ...一方、三島の小説「英霊の聲」と小説ならびに映画「憂国」をまなざしという観点で検討すると、性的対象化の機構であるまなざしよりも、そのまなざしへのまなざし返しが重視されていることがわかる。三島の評論「文化防衛論」における「文化概念としての天皇」を補助線として利用することで、天皇との君臣合一という三島の美的理想にとっては、天皇という超越的な存在によってまなざし返されることが必要である。...

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  • Jane Austenの小説にみる品詞転換の文体的効果

    松谷, 緑 山口大学教育学部研究論叢 73 325-332, 2024-01-31

    ...本稿は、主に共時的観点から、小説の言語にみられる品詞転換の現象を記述し、それがどのような文体的効果をもたらすかを明らかにする。一語レベルにとどまらず、句や節が文中で果たす役割も含めて分析を試みるものである。...

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  • 読者をフロー状態に導くための拡散モデルを用いたVR空間生成手法

    瀧澤, 琴萌, 阿部, 広夢, 中村, 亮太 マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2023論文集 2023 1078-1083, 2023-06-28

    ...提案する.読書のフロー状態とは読書量が多い人ほど体験しやすい物語への没入体験のことを指す.普段読書をしない者にとって,(i) 周囲の音や視覚情報などによる集中力の欠如,(ii) 知らない言葉や表現を含む文章から状況をイメージしづらい,という 2 つの要因が読書のフロー状態への導きを妨げていると考えられる.そこでそれらの問題を解決するため VRHMD と拡散モデルを使用した疑似的な没入体験を繰り返し行...

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  • Toni MorrisonのHomeでたどるアフリカ系アメリカ人の旅

    三井, 美穂, Mitsui, Miho 拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究 49 113-131, 2023-03-25

    ...1950年代を舞台にした『ホーム』の背景には「忘れられた戦争」と呼ばれる朝鮮戦争や,アフリカ系アメリカ人を実験台とした医学的研究がエピソードのひとつとして取り上げられているが,本稿ではそれ以外にも「官製」の歴史に記載されなかった事柄や,現在徐々に明らかにされつつある事実が作品の中に示唆されていると考え,小説で描かれた地名に関連させながら,アフリカ系アメリカ人にとっての旅の意味を明らかにしていく。...

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  • 「愛らしき口もと目は緑」について

    持留, 浩二 文学部論集 107 45-61, 2023-03-01

    ...J・D・サリンジャーの「愛らしき口もと目は緑」という短編小説は、ほとんど全ての作品において若者ばかりを描いてきたサリンジャーにとっては、大人の男女の情事を扱っているという点で極めて異質な作品である。これまで多くの批評家は、サリンジャーがその作品中でずっと描き続けた「無垢と欺瞞」といったテーマからこの作品を解釈しているが、本論文ではそれ以外の解釈の可能性を追求している。...

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  • 戦闘少女とコンテンツツーリズム

    玉井, 建也 2023-03

    ...物語の展開では教養小説などと同じような成長物語が描かれているように捉えられる。しかし非日常から日常への回帰というパターンではなく、主人公たちにとっての日常から視聴者にとっての日常への希求であり、主人公の成長というよりはバディの関係性の変化が描かれている。この点はコンテンツツーリズムにも関係し、単に舞台となった現実世界の場所を訪れるだけでは、物語世界をトレースしたことにはならない。...

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  • 中日現代小説及びその翻訳文における明暗を表す語の対照研究

    劉 蓓 日中言語文化 16 (0), 51-, 2023

    ...人間にとって身体感覚は普遍的なものであるが、言葉や文化によって様々な感覚の表現がある。このうち、視覚における 明暗を表す言葉は、光の明暗を表すだけでなく、その明暗の特徴から派生した意味を表すこともできる。本論文は中国語 と日本語の明暗を表す語を研究対象にし、中日現代小説とその訳文を研究資料とし、明暗を表す語の多義性について、中 日両言語の対照研究を行う。...

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  • 地理総合・地理探究と探究学習の相互環流

    石橋 生 日本地理学会発表要旨集 2023a (0), 140-, 2023

    ...GISゼミでは2020年にNHKの映像コンテンツを利活用した防災教育,防災小説やクロスロードなどのRPG防災教育,ICT教材を利活用した防災教育の3つの新しい防災教育を考案した。生徒と一緒にみんなのBOSAIプランを策定し,産学官連携を行いながら,研究を行ってきた。...

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  • 探究的な読みを引き出す試み

    戸谷 順子 お茶の水女子大学附属中学校研究紀要 51 (0), 168-175, 2022-12-31

    ...菊池寛の短編小説『形』を読むにあたり、その元となった作品(原典)と読み比べることで、『形』という作品の魅力に迫っていくことをねらいとした授業実践である。この作品は中学2年生にとって時代設定や表現など難しいところもあるため、個人で読みを深めつつ、話し合い活動を通して仲間同士(学習班)で探究的な読みを深める活動も取り入れた。...

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  • Web小説のCGMにおける読者の読書行動についての一考察

    安田, 幸生, 植原, 啓介, 佐藤, 雅明 じんもんこん2022論文集 2022 151-158, 2022-12-02

    ...近年,様々なジャンルにおいてCGM(Consumer Generated Media) が台頭している.とりわけ,小説分野における投稿サイトでは,作者・読者の双方が年々増加傾向にある.これは,読者が読むべき対象を多数から選ぶことが困難であると共に,作者にとっても作品を読者に届ける競争が激化していることを意味する....

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  • 聴覚失認者にとっての緊急災害放送のチャイムの意義

    三谷 雅純 福祉のまちづくり研究 24 (Paper), 25-35, 2022-08-31

    ...そのことを確かめるために、「小説の朗読」で新しく作った言語音課題と「視覚刺激と一桁の暗算」の視聴覚実験をチャイムのないことを除いては三谷(2019, 2021)と同じ条件で行った。結果を以前に実施したチャイムのある場合の結果と比べると、チャイムの有無で非障害者と中・重度障害者に有意な差が認められた。...

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  • 『ブッデンブローク家の人々』とプロテスタンティズム

    高山, 秀三 京都産業大学論集. 人文科学系列 55 57-89, 2022-03-31

    ...マンにとって,キリスト教はヨーロッパ文化の根底にあるものとして生涯をとおして大きな関心の対象だった。『ブッデンブローク家の人々』はプロテスタンティズムを精神的基盤とするドイツの市民社会を舞台とする小説であり,マンにとってはじめて本格的に宗教を取り扱うことになった作品である。この小説では,市民社会のなかでプロテスタンティズムが息づいている様相が,人々の具体的な生活を通して活写されている。...

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  • 沈従文小説における男性服に関する叙述描写について

    山内, 智恵美 語学教育研究論叢 39 151-165, 2022-03-01

    ...沈従文小説の服飾描写を扱った論文では4編目となる本論は、それ以前の3編と異なり、男性の服飾描写を扱う。沈従文小説の中で服飾をタイトルとして扱う2編の小説『棉鞋』と『一個体面的軍人』を中心に、彼の小説における男性服の服飾描写が単純な人物の身分や性格を表現するにとどまる原因を女性服の服飾描写と比較した上で分析詳述する。...

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  • ジョウゼフ・コンラッド『チャンス』における一貫性・結束性・社会的現実

    DAVIES Walter, ENOKIDA Kazumichi, FRASER Simon 広島外国語教育研究 25 91-107, 2022-03-01

    ...この小説に登場する架空の銀行スキャンダルと,銀行家ド・バラールを,本作の創作の元となったと思われる実際のスキャンダルと銀行家と対照させつつ論じる。最後の第三部では,『チャンス』を多読教材(graded readers)化することの可能性を考察する。マーロウを語り手とする物語群における『チャンス』の価値を概観すると同時に,21世紀の言語学習者にとっての問題点を指摘する。...

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  • 高橋和巳の文学にみる人間主義 : 「文学講座」と「人間にとって」を中心に

    田中, 寛 大東文化大学紀要. 人文科学 60 368(53)-353(68), 2022-02-28

    ...大江健三郎、三島由紀夫とともに一九六〇年代を代表する文学者、作家高橋和巳(1931-1971)は中国文学研究者でもあり、六朝文学論から人間の無常観を学ぶと同時に、戦後文学の批判的継承者として多くの長篇小説、評論、研究、翻訳という全方位的活動を展開した。本稿では高橋和巳の文学観の本質に迫るべく、彼の人間主義について初期と晩年の二回にわたる連続講演、講義・エッセイを通して再考した。...

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  • 詩人探偵の系譜を受け継ぐT・S・エリオット

    瀬古, 潤一 関東学院教養論集 32 13-30, 2022-01

    ...エリオットが探偵小説に強い関心を示したのは、この継承ということに関係するのではないか。本稿は主としてヴァルター・ベンヤミン(Walter Benjamin)のボードレール論やG・K・チェスタトン(G. K. Chesterton)の探偵小説擁護論に依拠しつつエリオットにとっての探偵小説の意味を探る。...

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  • 「そうしないほうがいいと思います」

    加田 謙一郎 木更津工業高等専門学校紀要 56 (0), 45-, 2022

    ...ハーマン・メルヴィルの短編小説「BARTLEBY, The Scrivener」をめぐる石堂と実相寺の対立も詳しく分析した。 石堂淑朗と実相寺昭雄の「知っていても止められない心」が、彼らにとっての「無明」の在り方であることを分析して明らかにした。 また「無明」という言葉が、バートルビーの「私はしたくない」という言葉につながる過程を詳しく分析した。 その過程で、石堂と実相寺の問題の本質を指摘した。...

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  • 増村保造の動物的身体

    中島 晋作 映画研究 16 (0), 28-51, 2021-12-04

    ...議論から、増村にとっての身体の「動物化」は、西洋の模倣としての「近代主義」を乗り越える新たな身体として現前したものであると結論する。...

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  • 『細雪』の計量テキスト分析

    小谷内, 郁宏, KOYAUCHI, Ikuhiro 環境と経営 : 静岡産業大学論集 27 (2), 65-71, 2021-12

    ...この長編小説の冒頭は、次女幸子が背後から来た四女妙子に「こいさん、頼むわ―」と化粧の手伝いを頼む場面に始まり、最終場面では三女雪子の縁談もまとまり、その準備のため東京に向かう車中、体調をくずし「下痢はとうとうその日も止まらず、汽車に乗ってからもまだ続いていた」と語られ、結局幸子と悦子に始まり、雪子で終わる。...

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  • 言葉をなくした男

    多田 蔵人 日本近代文学 105 (0), 1-15, 2021-11-15

    ...四章では太田がエリスと育んだ愛の言葉にとらわれながら別れの物語を綴る膠着状態にあることを指摘し、同時代小説論と比較しつつ、文章啓蒙の不可能性を示した作品として『舞姫』を評価している。</p>...

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  • 中国における江戸時代怪異小説についての研究

    李 杰玲 世界の日本研究 = JAPANESE STUDIES AROUND THE WORLD 2020 48-59, 2021-03-31

    ...本稿は、中国学術界における江戸時代の怪異小説に関する研究の現状と、その展望を述べたものである。怪異小説の研究は「迷信を排除し、科学を提唱する」という国のモットーにそぐわず、研究に必要な資料も十分ではない。まして、中国人の研究者にとって、江戸時代のくずし字は読みづらい。ゆえに、中国では大学院生の学位論文以外の江戸怪異小説の研究が少なく、大学院生が研究の主力になっている。...

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  • モダニズム/コロニアリズム

    崔 真碩 横光利一研究 2021 (19), 79-95, 2021

    ...それは、横光にとって「近代の超克」とは何だっ たのかを再考する試みになるだろうし、ひいては横光を現代に翻訳する作業になるだろう。...

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  • バルザックの未完作品とエディションについて

    鎌田, 隆行 信州大学人文科学論集 8 (1), 41-54, 2020-09-15

    ...テクストの永続的な変容可能性を問う生成論にとって未完の問題は本質的であり,一つの形に固着せず生成変化し続けるエクリチュールをめぐって理論的に考究すべき概念であると同時に実践的に検証すべき事象でもある。以下では,理論的な考察を視野に入れつつも,後者の観点からバルザックにおけるこの問題の総合的検証の足掛かりを模索する。...

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  • 複合的構造を持つ物語の自動生成に向けて

    村井 源 情報知識学会誌 30 (2), 214-219, 2020-05-23

    ...<p> 物語の自動生成はこれまで基本的なプロットのパターン化とランダムな変形などの手法で行われてきた.しかし実際の物語作品の多くは基本的なプロット構造を複数組み合わせた複合的な形状をとっている.本研究では推理小説を例にとり,基本的な推理小説の物語パターンを動機に基づいて組み合わせ,連続殺人事件などの複合的な物語の構造を生成する手法を提案する.</p>...

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  • デザインアプローチの多様性に着目した新しい表現方法の試み

    稲垣 晴菜 日本デザイン学会研究発表大会概要集 67 (0), 400-, 2020

    ...</p><p>;今後、多様化する社会のニーズや問題に対して取り組んでいく学生にとって、個人の特色を活かしながら様々な手法のデザインを模索していくことは、自由で新しく個性に富んだ作品の可能性を広げる一助となると考えられる。</p>...

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  • 小説の文章理解における登場人物を指示する要素の読み誤り

    藤原 未雪 専門日本語教育研究 21 (0), 21-28, 2019-12-31

    ...人称詞について、英語(E)・韓国語(K)・中国語(C)母語話者各13名、計39名を対象に、小説を読みながら口頭で母語に翻訳する方法で調査した。その結果、KはE・Cに比べ誤読が少ない傾向にあった。EとCの誤読の傾向は類似するが、Eにとって連体修飾節が誤読の要因となりやすいと考えられた。...

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  • ある抄録者のためらい

    甘露 純規 日本近代文学 101 (0), 16-31, 2019-11-15

    ...こうした抄録は読者にとって単に文章表現を記憶するだけでなく、気の概念を媒介として、自らの作文のための想像を掻き立てた。本稿では、明治二一年の吉田香雨『小説文範』を手掛かりに、抄録物を生み出した文化的背景、具体的には明治期以前の記憶と想像の関係を明らかにした。また、こうした明治以前の記憶・想像についての言説が、明治期の心理学の移入の中でどのように解体されていくかを示した。</p>...

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  • 炭鉱労働者にとって「文学」とは何であったか

    坂田 勝彦 ソシオロジ 64 (2), 21-38, 2019-10-01

    ...<p>本稿は、ある詩人の半生と作品をもとに、炭鉱労働者にとって﹁文学﹂とはいかなる営みであったか検討することを目的としている。 一九五〇年代から六〇年代にかけて、日本各地では、労働運動と連動した多様なサークルや個人によって、詩や小説、うたごえなど、様々な表現が模索された。とりわけ詩は、労働者にとって当時、もっとも身近な﹁文学﹂であった。...

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  • 連載小説 二人のカリスマ:第13章 バブル④

    江上 剛 日経ビジネス = Nikkei business (1987) 94-97, 2019-04-15

    ...土地を担保に巨額の借り入れをしていたスーパーサカエやセイヨーにとっては逆風であり、銀行は巨額の不良債権を抱えた。米国では、アーリーバードを運営するサウスカントリー社が経営の多…...

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  • 宮沢賢治の科学と農村活動 : 農業をめぐる知識人の葛藤

    並松, 信久 京都産業大学論集. 人文科学系列 52 69-101, 2019-03-30

    ...本稿は,賢治の作品を通して,賢治が当時の農業や農村をどのようにとらえたのかを考察した。賢治の作品は,自然科学の用語が多く使用されていた。さらに人間が主役となる小説は全く書かれていなかった。物語は自然を対象としたものが多く,そこで描かれる人間もまた動植物の装いを帯びていた。この点で賢治の作品には,農業が色濃く反映されていた。...

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  • ダンヌンツィオにとってのペトラルカ : 桂冠詩人モデルの模倣と超克

    内田, 健一 京都産業大学論集. 人文科学系列 52 125-151, 2019-03-30

    ...ダンヌンツィオにとってのペトラルカに関する唯一の本格的な先行研究として,ジベッリーニの『ダンヌンツィオとペトラルカ』(2006)が挙げられる。この網羅的な調査は,詩,小説,評論などのジャンル別で,必ずしも年代順ではない。一方,本稿は,ダンヌンツィオのペトラルカに対する態度を,若い頃から晩年に至るまで通時的に分析し,屈折した微妙な関係の推移を明らかにする。  ...

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  • そこに生えたようなベンチで : The Witness に表された定着への願望

    久保田, 文 文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 50 73-77, 2019-01-31

    ...オザークスの地域研究に関わりを持った立場から、ノラ・ロバーツにとって記念すべき200 冊目の舞台としてオザークス地方が選ばれた点に着目した。森の香りやスミレの織りなす紫のカーペットといったものは、純文学における心象風景などとは異なり、オザークス地方そのものへの関心を掻き立てる。また同時に、本作品ではアメリカの大衆文学が果たす道義的役割についても垣間見ることができる。  ...

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  • 連載小説 二人のカリスマ:第8章 コンビニとの出会い⑤

    江上 剛 日経ビジネス = Nikkei business (1967) 89-91, 2018-11-19

    前回までのあらすじ 藤田俊雄率いるスーパーマーケット、フジタヨーシュウ堂は1972年、株式上場を果たす。だが国内では大型スーパー進出に反対する中小の店の声が強まり、共存共栄の道を探ることが課題になっていた。フジタヨーシュウ堂は新しい業態開発に取…

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  • 小島信夫「殉教」序論

    畑中 佳恵 日本近代文学 99 (0), 49-63, 2018-11-15

    ...対立のドラマによって非共約性が強調されるとともに、両者の認識が橋渡される可能性が示されることは、他者との共棲をめぐる今日的な課題にとって注目される。この側面を明らかにすることで、作品を多面的に評価するための序論とした。</p>...

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  • 連載小説 二人のカリスマ:第8章 コンビニとの出会い④

    江上 剛 日経ビジネス = Nikkei business (1966) 100-102, 2018-11-12

    「場末なんていうと、社長が怒るぞ。まあ、それに関しては俺も同感だな。何を血迷ったんだって周囲からも言われるし、俺もそう思ったから。まさか上場にまでこぎつけるとは思わなかった」 車の中にはラジオからカントリーミュージックが流れている。

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  • 連載小説 二人のカリスマ:第8章 コンビニとの出会い③

    江上 剛 日経ビジネス = Nikkei business (1965) 58-61, 2018-11-05

    前回までのあらすじ 藤田俊雄が率いるスーパーマーケットチェーン、フジタヨーシュウ堂は関東地方に集中出店し、大きな成長を遂げた。事業拡大に貢献したのが、出版取次会社から転職してきた大木将史だった。 フジタヨーシュウ堂のライバル、スーパーサカエ…

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  • 連載小説 二人のカリスマ:第8章 コンビニとの出会い②

    江上 剛 日経ビジネス = Nikkei business (1964) 76-79, 2018-10-29

    前回までのあらすじ 藤田俊雄が率いるスーパーマーケットチェーン、フジタヨーシュウ堂は着々と出店を進め、売上高100億円を突破する規模へと成長する。躍進の一端を担ったのが、採用や出店、さらに宣伝などで大きな役割を果たした大木将史だった。慎重な性格…

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  • 連載小説 二人のカリスマ:第8章 コンビニとの出会い①

    江上 剛 日経ビジネス = Nikkei business (1963) 62-65, 2018-10-22

    前回までのあらすじ 戦後、米国の流通を視察した藤田俊雄は日本にもスーパーマーケットの時代が来ると確信。自らが率いるヨーシュウ堂のチェーンストア化を進める。人材確保を進める中、出版取次会社に勤める大木将史がヨーシュウ堂に入社する。

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  • 宣教師の書簡と伝承からみる初期潜伏キリシタン心性史

    小泉, 優莉菜 非文字資料研究 = The study of nonwritten cultural materials (16) 133-148, 2018-09-30

    ...宣教師たちが潜伏下のキリシタンとどのように向き合い、伝道を行ったのかを明らかにした本研究は、それゆえに、キリシタン研究という領域にとどまらず、今後のキリシタンに関する認識をより事実に即したものにするための第一歩であったといってよい。...

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  • 平田小六の農民小説に描かれた組合に関する法的考察

    頼松 瑞生 法制史研究 67 (0), 53-101,en5, 2018-03-30

    ...ただ、農民たちにとっては、農民組合の結成に代わる次善の策として、小作調停を利用するということも考えられたはずである。それにもかかわらず、小説では、これに関する記述はなく、あくまでも農民組合の結成の必要性が強調されるのである。しかし、当時、農民の中には、地主に対する遠慮などから、農民組合の結成に対して消極的な者も少なからずいた。平田の小説の中にも、そのことを記述した場面が見られる。...

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  • 映画『シン ・ゴジラ』に見る文脈分析 ー物語の内部構造と物語同士の関わり合いー

    浅野 竣祐 論文集 / 金沢大学人間社会学域経済学類社会言語学演習 [編] 13 33-49, 2018-03-22

    ...<概要> 2016年に国内で話題となった映画『シン・ゴジラ』を題材に、監督の庵野秀明氏が本作の制作に至るまでに関わった人物、作品、出来事等が作中の物語にも強く影響を及ぼしていることを分析し、「日本」「日本人」「第二次世界大戦」「原子力及び核」「東京」という現代を生きる我々にとっても重要な根底的テーマと、映画やアニメ、小説等の物語を作る文化とが寄り添って繋げてきた大きな文脈の現れとして、『シン ・ゴジラ...

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  • エクトール・マロとエミール・ゾラ : 精神病者に関する法(1838)と文学

    梅澤 礼 富山大学人文学部紀要 68 171-180, 2018-02-20

    ...サンドンは同僚の策略にはまり,いたって正常であったにもかかわらずモノマニーと診断され,精神病院に閉じ込められていたのである。この事件がきっかけとなり,1860年代後半にかけて,精神病者に関する法をめぐる論争が精神科医やジャーナリストの間で繰り広げられることとなった。 作家たちもこの論争に無関心ではなかった。...

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  • 病い研究とポリフォニー——ミハイル・バフチンから刺激を受けて——

    池田 光穂 保健医療社会学論集 28 (2), 11-19, 2018-01-31

    ...このような語りの不死=永続性を担保するもののひとつに、バフチンが指摘したドストエフスキーの小説にみられるポリフォニー概念がある。語りは死後の生をもつことで、それに耳を傾ける人の心を呪縛し、ポリフォニーという性格が病いの語りをひとつとして同じものとさせない構造的強度をもつのである。</p>...

    DOI Web Site 医中誌

  • ‘English’ Sensibility in Sense and Sensibility

    Minamoto, Tomomi 摂大人文科学 (25) 101-116, 2018-01

    ...本論文では次に同時代の代表的な小説、フランスのスタール 夫人の小説『コリンナ』に着目し、大陸女性コリンナと英国人ルシールの感情表現の差異に着 目しながら、『コリンナ』のパロディー小説『イングランドのコリンナ』がその構図をさらに露 骨な形で表していることを論じる。...

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  • アメリカと日本の架け橋に

    鈴木 紀子 International Journal of Human Culture Studies 2018 (28), 82-96, 2018-01-01

    ...Buck)原作の短編小説,『大津波』(<i>The Big Wave</i>, 1948)と日米両国の戦後の関係を追究する研究の初期報告である....

    DOI Web Site 参考文献1件

  • トーマス・マンの時間論

    田中 暁 欧米文化研究 24 75-92, 2017-12-27

    ...つまり、主人公が生きた第一次大戦勃発前の時代(Zeit)を描きながら、同時に小説のなかで時間(Zeit)というものについての議論が展開されるというわけである。一般に小説はある時代を描くものであるが、それにとどまらず時間そのものをテーマにしていることがこの小説の特徴となっている。...

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  • 村上春樹「青が消える(Losing Blue)」の文体

    坂田 , 達紀 四天王寺大学紀要 (64) 7-30, 2017-09-25

    ...⑴ 異様な冒頭表現に異化効果およびサスペンス効果が認められる  ⑵ 悪夢が説明抜きで叙述(描写)されている  ⑶ 非現実を現実化する仕掛け(「炭取が廻る」仕掛け)が仕組まれている  ⑷ 様々な意味(寓意)が読み取れるアレゴーリッシュな文体である  ⑸ ユーモアの要素が見られる  「自分のことを生まれつきの長編小説作家だと思っている」村上春樹にとって、短編小説は長編小説のいわばプロトタイプ(原型・試作品...

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  • 過去の行為を神聖化させるもの : 小川洋子「私の愛するノート」

    東海 義仁 富山大学日本文学研究 2 3-6, 2017-07-31

    ...このようにノートを中心に話題を進め、「私」が小説を書き始めるきっかけから、行き詰ったときに再び物語の世界に戻るまでの過程が描かれる。 しかし、本エッセイでは「私にとって物語の存在は、いつも神秘的だ」と語られ、また指導書ではその叙述をもとに、日常生活が神秘にあふれでいることを伝えようというねらいが立てられている。...

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  • 菊池寛『真珠夫人』における〈宿命の女〉 : 瑠璃子の人物造型を中心に

    荒屋 愛莉 富大比較文学 9 1-18, 2017-03-10

    ...『真珠夫人』は菊池寛が『東京日日新聞』及び『大阪毎日新聞』に一九二〇年の六月九日から十二月二十二日まで連載した菊池にとって初となる新聞連載小説である。『真珠夫人』の連載は成功し、劇化もされ、それまでは文壇にのみ知られていた菊池の名を世間一般に浸透させる作品となった。 『真珠夫人』のあらすじはこうである。...

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  • 森鷗外の人間存在論

    前田, 淳 比較文化 22 22-46, 2017

    ...本論は最後にあの有名な「遺言」にある「宮内省陸軍皆縁故アレドモ 生死別ルヽ瞬 間アラユル外形的取扱ヒヲ辭ス」の「外形的取扱ヒ」を取上げ、霊的な世界を真実のそれ と見た鷗外にとっては、物質の支配を受ける世界を虚妄と見ることは自然で、それ故鷗外 はあのように強い言葉をもってその「取扱い」を拒絶したのであると本論は考える。...

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  • 「映画のまち・尾道」の認知度と観光行動

    和田 崇 日本地理学会発表要旨集 2017s (0), 100011-, 2017

    ...また,それらが尾道でロケが行われたことを知っている者は35.9%にとどまった。 次に,尾道市で行われている映画関連活動の認知状況を尋ねると,いずれかの活動を知っている者は回答者全体の14.4%にとどまった。...

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  • Stephen King の The Body と恐怖を書くこと

    宮澤 優樹 研究論集 16 73-84, 2016-12-15

    ...冒頭で「言葉では語り尽くせないものだ」と述べられた体験は,事実プロット上で幼い語り手たちにとって決して口にしてはならない秘密となった。だが作家は,成長した語り手がそうするように,その秘密を語らなければ小説を執筆することができない。ホラー小説のクリシェの形にして語り尽くせぬ対象を暴露することが,King にとっての創作なのである。...

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  • 近代文学作品における継時的な文体の変化についての計量的な検討:自然主義文学について

    土山, 玄 じんもんこん2016論文集 2016 227-232, 2016-12-02

    ...分析において採り上げる作家は20 世紀の文豪の一人である夏目漱石、そして同時期の文壇の主流であった自然主義文学の作家とされる国木田独歩、田山花袋、島崎藤村、徳田秋声の小説である。自然主義とは修飾語句を避け無骨な文章が記述され、自然主義の作家にとって小説とは事実そのままの忠実な再生であり、真実を書くことを創作の目標とした。その一方、夏目漱石の文章、特に初期の作品は軽妙であったと言われる。...

    情報処理学会

  • 「羅生門」という世界観認識

    相沢 毅彦 日本文学 65 (4), 25-36, 2016-04-10

    ...そもそも「羅生門」を含む〈近代小説〉とは「世界観認識」、すなわち私たちにとっての世界の見え方や現れ方、また存在の仕方等が問題とされているのであり、その問題の射程は、〈自己〉の把握の仕方から「神々の闘争」といった事柄にまで及ぶものである。そのため、〈近代小説〉を考えることは、〈現在〉においても極めて差し迫った問題であり、その〈価値〉が問われ続けなければならないと考える。</p>...

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  • 「語彙習得研究の目指すもの」

    石井, 友子 明治学院大学教養教育センター付属研究所年報 : synthesis = The annual report of the MGU Institute for Liberal Arts 2015 12-13, 2016-03-31

    ...英語母語話者が知っているとされる2万語全てを学ぶことは、一般的な英語学習者にとって現実的な学習目標ではない。本発表では、約4000語の知識があれば、新聞や小説など様々なジャンルの読み物に使用される単語のうち98%をカバーできることなどを紹介した。これは、90年代後半以降のコンピュータの大衆化に伴って明らかにされてきたことである。...

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  • 莫言の作品『豊乳肥臀』における「母親像」分析

    Sun, Jiayu 西南学院大学大学院研究論集 2 135-146, 2016-02

    ...1996年、莫言の長篇小説『豊乳肥臀』が出版された。当作品の主人公である上官魯氏は、これまでの中国文学に度々登場してきた「母親像」とは異なり、中国封建社会の価値観や倫理観に大きく反抗している点がとくに注目された。莫言は、この作品において一連の不倫を始め、母親の出産や露骨な性愛場面などについて描いた。...

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  • <i>Work: A Story of Experience</i>における「作家業」の不在が意味するもの

    杉山 眞弓 International Journal of Human Culture Studies 2016 (26), 646-658, 2016

    ...である「作家業」は<i>Work: A Story of Experience</i> において取り上げられていない.本研究はオルコットにとって「作家」という仕事が複雑な性質を持っていたことに焦点を当て,<i>Work: A Story of Experience</i> における「作家業」の不在の意味を分析するものである.この小説が人間にとって理想的な仕事像を描いたものであるにもかかわらず,作家という...

    DOI Web Site 参考文献2件

  • 悲惨な生の方へ : ジョルジュ・バタイユ「モロイの沈黙」をめぐって

    井岡, 詩子 人間・環境学 24 93-104, 2015-12-20

    ...本稿の目的は, ジョルジュ・バタイユの著作に散見される悲惨さ, 窮乏, 凋落といったモチーフの重要性を指摘し, バタイユ思想におけるそれらの位置づけを明らかにすることにある.その際, サミュエル・ベケットの小説『モロイ』に寄せて書かれた書評「モロイの沈黙」(1951年)で描きだされるモロイや浮浪者という「悲惨な」形象を中心に, そのほかの近似する形象も考察の対象とした.バタイユが憧れと恐怖の感惰とともに...

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  • <論文>白蛇伝映画における女の表象 : 日本文化圏での開花

    今泉 容子 国際日本研究 7 47-62, 2015-03-02

    ...それは林房雄の小説『白夫人の妖術』であり、そこでは白蛇は塔に鎮められはしない。二つの原作に拠りながら、日本の白蛇伝映画における女(白蛇)の表象を分析し、そこに反映されたジェンダー観を明らかにしたい。そのさい、中国の白蛇伝映画を引用し、白蛇の表象の違いにも言及したい。...

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  • Moby Dick: Quest for the Alien God

    Zion, Mark N. 紀要 7 123-152, 2015-03-01

    ...ハーマン・メルヴィルは、その崇高な小説『白鯨』で、アメリカの無法な精神的表現を詩的に表現し、アメリカの宗教がどのようになっていくのかを予言さえしている。共同体で共有された宗教信念において、個人的な精神的探求が行われるという奇妙なものになるというのである。アメリカの精神的生活の基本的な方向性は、白鯨が最初に出版された時からほとんど変わっていない。...

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  • ダンヌンツィオの言語崇拝 : マンゾーニおよびカルドゥッチとの関係を通して

    内田, 健一 京都産業大学論集. 人文科学系列 48 233-254, 2015-03

    ...1889年の小説『快楽』では,「詩こそ全て」と言葉の全能性を認め,トスカーナ語の伝統への愛着を表明する(第2章)。1894年の小説『死の勝利』の献辞で,ダンヌンツィオは自らを言葉の冒険者として描き,イタリアの威信を高める言葉の創出を目指す(第3章)。1895年の小説『岩窟の乙女たち』において,言葉と民族主義の深い結び付きを示す。ここで言葉は虚構の道具ではなく現実的な「武器」と見なされる(第4章)。...

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  • 彼自身によるフィリップ・ソレルス―著者による『「時間」の旅人たち』についての論評―

    小山, 尚之 東京海洋大学研究報告 11 70-81, 2015-02-28

    ...ソレルスの『「時間」の旅人たち』も二〇〇九年一月に出版されているので、この対談はこの小説が出版されて早々に行われたもののようである。この対談では、小説というジャンルについてや、何がソレルスにとって小説的であるのか、あるいは読むことと書くこと、四次元的時間とグノーシスについて、また「精神の闘い」としてのポエジ、などについて語られており、著者自身による自作の解説ともなっている。...

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  • エミエットマンとサイクル性 — ゾラの『生きる歓び』における海 —

    橋本, 政子 西南学院大学大学院文学研究論集 34 19-44, 2015-01

    ...1870年当時流行りつつあった湯治としての海水浴を妻のために行った以外,海との繋がりはなく,中学までいた故郷といえる南仏プロヴァンスの海景のみがゾラにとっての海であった。1875年に初めてノルマンディーの浜辺に滞在し,その滞在で受けた海の印象を,いつか小説に使いたいとノートにメモを残している。...

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  • コンテンツツーリズムの旅行者行動と地域振興についての考察

    中村 忠司 コンテンツツーリズム学会論文集 2 (0), 2-12, 2015

    ...地域にとっては「地域のファン」になって何度も訪れてもらい、地域との関係性を持続してもらうことが重要である。 本研究の目的は、コンテンツが誘発する旅行者行動がどのようなものであるかを明らかにすることである。研究手法は、一般消費者を対象にしたインターネットによる定量調査を採用した。...

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  • 大江健三郎の「自殺」する肉体

    北山 敏秀 日本文学 63 (9), 36-46, 2014-09-10

    ...<p>大江健三郎の小説「セヴンティーン」「政治少年死す」は、いわゆる「浅沼事件」とのモデル関係においてしばしば語られてきた。それに対して本稿では、そうした小説受容のあり方が大江自身による事後的な解説と関わっていることを指摘し、大江にとっての「事件」をめぐる思想的経験と小説を書くこととの関係を再検討した。...

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  • フィリップ・ソレルスとグノーシス

    小山, 尚之 東京海洋大学研究報告 10 102-112, 2014-02-28

    ...その小説『時間の旅人たち』(2009 年)でソレルスはナグ・ハマディ文書から多くを引用している。グノーシス派にとって「救済」はひとが「言葉」を聞き具肉化する時に訪れる。具肉した言葉、死、復活はキリストにのみ限定されておらず、「言葉」の呼びかけに応じたものすべてが繰り返し起こる体験なのである。フィリップ・ソレルスはその初期からみずからのエクリチュールにおいてたくさんの引用を実践してきている。...

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  • 〈郊外〉文学者・萩原朔太郎

    安 智史 日本文学 63 (2), 31-43, 2014-02-10

    ...彼にとっての「郊外」は、郷里前橋の郊外、東京東郊(田端)をへて、西郊(馬込、小田急線沿線)へと変遷する。それは遊歩空間であると同時に、都市消費社会の確立にともなう社会状況との緊張関係の渦中に、彼自身を投げ込む場所でもあった。その諸相を朔太郎の散文(散文詩、エッセイ、小説)および詩集『氷島』収録詩篇を中心に検証した。</p>...

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  • 月光を浴びるパリの庭,そして廃墟 : プルーストの小説におけるパリの一側面

    勝山, 祐子 文化学園大学紀要. 人文・社会科学研究 22 49-68, 2014-01-31

    ...ところで,小説の作者プルーストとその話者の生活圏は,モンソー公園のあるモンソー平原からシャン= ゼリゼを通ってボワ・ド・ブーローニュにいたる,オスマンが築いた「新しいパリ」である。このサン= トーギュスタン教会に象徴される「新しいパリ」は話者にとっては醜い街なのだが,ピラネージの古代ローマを想起する限りにおいて美しい。月光を浴びるモニュメントが古代都市を想起する限りにおいて美しい。...

    機関リポジトリ HANDLE

  • 「コーパスベース国語辞典」構築のための「古風な語」の分析と記述

    柏野 和佳子, 奥村 学 自然言語処理 21 (6), 1133-1161, 2014

    ...従来の紙版の国語辞典はコンパクトにまとめることが優先され,用例の記述は厳選され,必要最小限にとどめられていた.しかし,電子化編集が容易になり,電子化された国語辞典データや種々のコーパスが活用できるようになった今,豊富な用例を増補した電子化版国語辞典の構築が可能になった.そうした電子化版国語辞典は,人にも計算機にも有用性の高いものと期待される.著者らはその用例記述の際に見出し語のもつ文体的特徴を明記する...

    DOI Web Site Web Site 研究データあり 参考文献3件

  • コンピュータによるショートショートの自動生成の試みについて

    松原, 仁, 中島, 秀之, 佐藤, 理史, 赤石, 美奈, 角, 薫, 迎山, 和司, 村井, 源, 大塚, 裕子, 平田, 圭二, 瀬名, 秀明 エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集 2013 34-35, 2013-09-27

    ...可能性である.それらの作品はいわばワンパターンかもしれないが,そのワンパターンが好きな人にとっては自分の好きなときに安価で好きな小説が確実に入手できるのは非常にうれしいことである.本発表ではエンタテインメントコンピューティングの立場からこのプロジェクトについて考察する....

    情報処理学会

  • 現代語版『小説神髄』(三)

    坪内, 逍遥, 坂井, 健 文学部論集 97 23-31, 2013-03-01

    ...そこで、いくらか無駄な仕事に属するかもしれないけれど、あえて『小説神髄』を現代語訳にすることにした。訳にまちがいや不適切な表現があるかもしれない。識者の叱正を乞う。なお、注は、日本近代文学大系『坪内逍遥集』(中村完注釈、角川書店、昭和四九年一〇月)に詳細な注があるので、ここでは、最小限にとどめた。この注には、さまざまに教えられるところがあったので、記して、感謝の意を表したい。...

    機関リポジトリ Web Site

  • メリメのスペイン演劇論四題

    稲本 健二 言語文化 15 (2-3), 195-220, 2013-01-20

    ...『カルメン』(1845年)で名高いフランスの小説家プロスペル・メリメ(1803-1870)が弱冠21歳の時に、自由主義派の小冊子『グローブ』紙に四回に渡って寄稿したスペイン演劇に関するエッセイの翻訳で、本邦初訳である。このエッセイはメリメにとって初めて活字になった作品であり、彼の作家活動の最初期からすでにスペインへの興味が明確に見られること、しかもそれが演劇に関する評論であったことは興味深い。...

    DOI 機関リポジトリ Web Site

  • 時間の夢,夢の時間 : プルーストにおけるユベール・ロベールの庭

    勝山, 祐子 文化学園大学紀要. 人文・社会科学研究 21 31-49, 2013-01

    ...プルーストにとってユベール・ロベールはまず第一に記憶の画家であるが,それ以上に重要なのは「逸話の語り部」であることであり,プルーストと画家は「崩壊の美」への感受性を共有している。そして,画家の作品は永遠にそこにあるかのような廃墟に「今」という瞬間を対比することで「永遠」と「儚さ」のはざま,という夢幻的な空間を生み出す。...

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  • 書物(テキスト)のリテラシー

    髙木 元 日本文学 62 (4), 10-22, 2013

    ...</p><p>しかし残念ながら、現代人にとって僅か百年以前に〈書かれ/読まれ〉てきた書物すら、まともに読めるだけの知識も技術も持っていないし、それらのスキルを修得できる唯一の場であった大学の日本文学科(国文学科)も風前の燈である。</p>...

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  • 臨床倫理学教育と国語科文学教育

    服部 健司 生命倫理 22 (1), 86-93, 2012

    ...本稿は、昨今趨勢となっている正解到達主義および分析コード主義に抗して、機微を重んじた主体的な読みをぶつけ合うことを志向する、問題発見的、反省的なあり方こそが臨床倫理学およびその教育にとって枢要であることを論じる。...

    DOI 医中誌

  • 風巻景次郎の方法は『外在批評』か?

    助川 幸逸郎 日本文学 61 (5), 44-54, 2012

    ...</p><p>理想の文学を創作するのではなく、それが生みだされるための制度設計をすること――風巻にとって、文学研究者が何をなすべきかは明確であった。しかし、「真の近代小説」こそが「理想の文学」だと、現在の文学研究者はナイーヴに信じられなくなっている。こうした状況下にあって、文学研究者の使命はどこにあるのかを考えてみたい。</p>...

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  • 三遊亭円朝の流通

    山田 俊治 日本文学 61 (11), 2-11, 2012

    ...<p>言文一致小説の成立は、同時代の表現が受容されて新たな文体を生成するという問題にとって欠かすことのできない課題である。口語体による書記言語の書物を実現した三遊亭円朝の速記本を受容することで、坪内逍遙以下によって通俗的な読み物を美術小説に転ずる努力がなされた。...

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  • ペン型電子辞書による英単語検索効率の一考察

    飯塚 潤一, 太田 智加子 視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集 21 (0), 129-129, 2012

    ...印刷版の英和辞書は小説などに比べ文字サイズが小さく、調べたい英単語を見つけるために頻繁にページをめくらなければならず、弱視の学生にとって辞書引きは苦手な作業である。また、電子辞書はそれを解決する機器として有望だが、正確にキー入力するためには印刷物と電子辞書との視線移動が多くなり時間がかかる。...

    DOI

  • ブルガーコフ文学における「住宅管理人」像

    秋月, 準也 研究論集 11 93-108, 2011-12-26

    ...ブルガーコフにとって「住宅管理人」は彼の文学を日常的主題である住居と強く結びつけると同時に,幻想世界への入口としての機能も果たすようなものであった。中編小説『犬の心臓』では,居住面積の調整をめぐってプレオブラジェンスキイ教授と激しく対立していた管理人シボンデルが,教授が 生み出してしまった人造人間シャリコフを積極的に援助し,彼に正式な身分証明書と教授宅に居住する権利を与える。...

    HANDLE Web Site

  • Identitatssuche in Lydia Mischkulnigs Roman "Umarmung"

    Masahiko, Tsuchiya 人間文化研究 15 169-177, 2011-06-30

    ...いわば形象の概念の乖離を描いた小説とも呼ぶことができるが、そこに見られるアイデンティティとは、身体と振る舞いとの亀裂によって規定され、分身的な他者の行動形式によって媒介され構造化される。そこにトランスパーソナルな自我が現れるのである。...

    機関リポジトリ Web Site

  • レールモントフ作品に不可欠な要素:馬

    山路,明日太 Japanese Slavic and East European studies 31 1-22, 2011-03-31

    ...いっぽうおなじ女性と馬との等価的な比喩や交換が、当時のロシア貴族の一典型にとって行動の契機になることもある。『現代の英雄』のペチョーリンはカフカ ス民族の生活背景である女性と馬との等価的比較を利用し、みずからの欲望を満たしている。そこでは馬の形象が主人公の性格を形づくる機能を果たしているといえる。このように馬の表象はレールモントフ作品を読み解くための不可欠な要素となっている。...

    NDLデジタルコレクション

  • 理想としての LydgateとDorothea の結婚 : George Eliot の Middlemarch

    平出, 昌嗣 千葉大学教育学部研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Education, Chiba University 59 207-212, 2011-03

    ...小説の理想として,リドゲイトとドロシアの結婚がある。なるほど,二人は別々の人生を生き,その結婚が描かれているわけではない。しかし,ドロシアにとってリドゲイトは,医療改革をしようとする理想への献身において彼女の理想の男性像であるし,またリドゲイトにとってもドロシアは,身を捨てて夫を助けようとする献身的な態度において理想の女性像である。...

    機関リポジトリ Web Site

  • 感性パラメータを用いた類似する小説の提示

    原田 隆史 情報知識学会誌 21 (2), 291-296, 2011

    ...しかし,子どもたちにとって,感性パラメータを設定することが困難であることも多く,感性キーワードを直接入力するのではなく既に読んだ図書を入力して類似する小説を提示することが望まれている。そこで,本研究では,指定した図書と感性パラメータの分布が類似する図書を提示するシステムを試作し,その評価を行った。...

    DOI Web Site 被引用文献1件 参考文献5件

  • 2108 PMは結果を出すための近道 : 「もしドラ」が「もしPM」なら(一般セッション)

    冨永 章 プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2011.Autumn (0), 74-75, 2011

    ...ベストセラー「もしドラ」のストーリーは,ドラッカーのマネジメントを用いることにより甲子園出場という目標を達成するというものである.PMの世界にいる者にとっては,そのやり方をPMと対比してみたくなる.なぜならPMこそが期限内に目標を達成するためのノウハウだからである.小説で扱われている組織の目的,顧客,マーケティングなどについて,それぞれPMではどんな知識としてまとめられているかを対比することで,マネジメント...

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  • <共同研究報告>再布置される文体ヒエラルキー : 正史と戯作の変体漢文

    佐藤 一樹 日本研究 42 171-186, 2010-09-30

    日本人にとって、修辞、典故を踏まえた正統的漢文を書くのは、実際のところ、容易なことではなく、明治初年代、中等教育から漢作文を排除する井上毅の方針は、教育関係者にすんなりと受け入れられた。しかしながら、長年にわたり文体ヒエラルキーの頂点に君臨していた漢文が、単なる教育課程の再編だけで、文化的、社会的役割が一挙に変化するわけでもない。本稿では、政府が力を入れた正史編纂事業の成果である『稿本国史眼』、…

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  • 美しい肖像画 : Oscar Wildeの1891年における審美主義

    森 彩香, MORI Ayaka 名古屋大学人文科学研究 39 55-59, 2010-03

    ...19世紀末の芸術家Oscar Wildeにとって、審美主義とは何であったのだろうか。Wildeは、芸術を通して美を追求した。しかし、Wildeが美を説明する箇所は作品にも評論にも殆ど無い、それに比べて個性を具体的に説明する箇所は評論に多い。...

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • 川端康成「化粧」の構造分析

    小埜, 裕二, Yuji, Ono 上越教育大学研究紀要 29 340-331, 2010-02

    ...物語がどのように組織されているかを, その体系性をふまえて明らかにする構造分析は, 文学テクスーの読解にとって, どのような意味をもつのか。本研究では,構造を明らかにする方法と, その成果をふまえて解釈へ向かう方法の有用性を考え, クロード・ブレモンとロラン・バルーの方法をもとに, 川端康成の小説「化粧」の構造を分析した。...

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  • 流行という媒体(メディア) : 第一次大戦前のモードとプルースト

    芳野, まい 文化女子大学紀要人文・社会科学研究 18 131-150, 2010-01-31

    ...作家を目指す主人公が自分の文体(スタイル)をみつけるまでの『失われた時を求めて』の物語はじつは,その物語にとってまさに脅威(リスク)である流行という媒体によって脅かされながら,運ばれていく。流行はプルーストにとって媒体(メディア)なのだ。そして流行は,社会の変容を促し物語を動かす他の要素と相互浸透的に結びつき,連動して,小説全体を一種の網目構造(ネットワーク)にする。...

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  • 「すきとほつたほんたうのたべもの」を「あなた」へ : 宮沢賢治『どんぐりと山猫』の深層批評

    田中 実 日本文学 59 (2), 32-42, 2010

    ...そのためには大森哲学の「知覚されたものがその人にとっての真実」であるという知見に立つ必要がある。この童話集がそれを要求しているというのが、私見である。また童話にもジャンル論が必要で、物語童話と小説童話とが峻別されなければならない。この作品は後者、プロットの末尾は作品の末尾ではない。深層批評が求められ、そこは絶対的なものの前で全てが相対の海に化すべく<仕掛け>られているのである。...

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  • アニメキャラクターを活用した観光まちづくり

    和田 崇 日本地理学会発表要旨集 2010f (0), 17-17, 2010

    ...しかし,こうした慎重な協議ときめ細かな指導は,北栄町にとって時間的・精神的な負担,迅速な観光プロモーションへの障害となっている面があることも否めない。...

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  • 特集 脚本家:実力以外で勝負する

    秦 建日子 日経ビジネスassocié 8 (24), 35-37, 2009-11-17

    ...歳の壁」は多くのビジネスパーソンにとって大きなものだ。目前に迫ってくると、あれこれ悩む。このまま会社に残るか。飛び出すなら30歳までじゃないか。いや、会社にいながら好きなことをした方が安全だろうか…。 ジェーシービー(JCB)に勤めていた秦建日子さんは、会社にいながら好きな芝居の活動を続けていくつもりだった。...

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  • Virginina Woolf のパーティー意識について

    水浪, 純 佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 37 153-163, 2009-03-01

    ...ただ彼女の小説において、パーティという場面設定はかなりの数を占めている。Woolfにとって、一体「パーティ」とはどのような意味を持っていたのか。Mrs Dalloway、The Waves、To the Light house、The Years、などの作品を通し、Virginia Woolfのパーティ意識を考察する。...

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  • ジョージ・コールマンの『ポリー・ハニコム』と観客反応の様相

    安田 比呂志 日本橋学館大学紀要 8 (0), 27-41, 2009

    ...この考察によって、これらふたつの愛情が、『ポリー・ハニコム』の中で嘲笑の対象として描き出されながらも、同時に、未来における実現の可能性を秘めていたことが浮き彫りになり、最終的に、この笑劇が、単なる感傷小説批判にとどまらない、よりダイナミックな反応を観客の中に喚起していたことが明らかになるはずである。...

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  • キャサリン・マンスフィールドの「生」の見方 : 「園遊会」と「蝿」を通して

    寺本, 明子, Teramoto, Akiko 東京農業大学農学集報 = Journal of agriculture science, Tokyo University of Agriculture 53 (1), 5-12, 2008-06

    ...このように「死」に関する話題を取り上げながら,彼女はまた,日常生活の中に「生」を発見し,その発見を感覚的に捉え,小説に描く。彼女にとって人生は,何か永遠なるものにつながる喜びの瞬間で成り立っているのだ。この論文では,上記の2つの作品を精読し,マンスフィールドの「生」に対する見方を研究する。...

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