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検索結果 1,012 件

  • <研究論文>本居宣長の天文知識受容をめぐって : 国学的宇宙論の成立序説

    増田 友哉 日本研究 68 7-21, 2024-03-29

    ...弟子である服部中庸の『天地初発考』が創造したような、『古事記伝』と西洋天文学の宇宙像に基づく宇宙論が正しいという前提が宣長にあって、それを確固たるものとするために展開した批判だったのである。宣長は、中庸が国学的宇宙像を創造する際に多くの助言を与えている。しかし、自身の言葉で『古事記』の解釈から宇宙論を創造することはできなかった。...

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  • 『琴歌譜』所伝部の記述意識

    藤原, 享和 京都語文 31 129-151, 2024-02-29

    ...『琴歌譜』は『日本書紀』、『古事記』両方に同一歌があるものには『日本書紀』からのみ歌と適合する所伝を引用して記し、『古事記』にのみ同一歌があるものについては『古事記』を引用した所伝部と、より歌と適合する別の所伝部を記す。『古事記』の歌と所伝の結びつきが当然の所与でないことは近代の歌謡研究者の共通認識であるが、平安時代前期の大歌所は既にこの意識をもって歌と所伝の結びつきを追究していたのである。...

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  • 雌鳥皇女と女鳥王:記紀のイハノヒメ物語

    菊川, 恵三 京都語文 31 81-94, 2024-02-29

    ...一方、『古事記』は仁徳とイハノヒメに対する反発が、女鳥の積極性とつながり、誅伐に至る。しかし、最後の速総別の二つの歌は、一転二人の喜びを表現する。反逆者の幸福は意外だが、歌による交流によって慰められ和解がもたらされるのは、『古事記』イハノヒメ物語と同じなのだ。一方『書紀』の隼別の歌は、歌による和解や慰めを重視しない態度につながるように思う。...

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  • 大和言葉による人体内臓の名称

    野田  亨 びわこ健康科学 2 (0), 25-38, 2024

    ...の中で,上代では内臓は全て「キモ」と呼ばれていたと主張している.しかし平安時代に編まれた倭名類聚抄には,既にいくつかの臓器にそれぞれ異なる日本固有の大和言葉(和名)の名称があり,これらは「からぶみ(漢文)」由来とは考え難い.本稿では,こうした内臓に関する大和言葉による語彙を古事記,日本書紀,万葉集などを含む日本の多くの古典的文字資料から収集した.特に平安時代や鎌倉時代に編まれたいくつかの古辞書からの...

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  • 心理臨床における書くこと・描くことを巡って

    坂中, 尚哉 香川大学大学院医学系研究科臨床心理学専攻心理臨床相談室紀要 2 1-5, 2023-03-31

    ...この「書くこと」の行為は、眼前にいない他者(Cl.)の身ぶり、手ぶり、口ぶりを思い出しながら、何度となくクライエントと再会する営みであることを昭和の批評家である小林秀雄や江戸時代の国文学者の本居宣長の古事記伝を手がかりに論じた。次に、心理臨床における「描くこと」の行為について、風景構成法を考案した中井久夫の描画法への基本姿勢をなぞりながら、筆者自身の風景構成法事例の紹介を行った。...

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  • 團伊玖磨の歌劇《建・TAKERU》の推敲過程 : 自筆譜と諸稿の比較を通して

    竹内 伶奈 音楽研究 : 大学院研究年報 = Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 35 239-254, 2023-03-31

    ...團伊玖磨(1924-2001)の歌劇《建・TAKERU》(1997)は、古事記・日本書紀に綴られているヤマトタケルの生き様を團自らの手で台本にした、團の最後となるオペラである。作品は1997年10月10日に新国立劇場の開館記念委嘱作品として初演され、ダブルキャストで4回の公演が打たれたが、その後は一度も再演の機会に恵まれていない。...

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  • 5、6世紀ころの紀伊水門について、歴史地理的一考察

    今井 俊夫, Imai Toshio 羽衣国際大学人間生活学部研究紀要 18 53-65, 2023-03

    ...『古事記』の「神武東征」に語られた紀国「男之水門(おのみなと)」は、和歌山市有田屋町に在り紀伊水門の一角を占めたと仮定すると、紀伊水門の中心部に男之水門・国懸(くにかかす)神宮・竈山(かまやま)神社・矢宮(やのみや)神社の四地点を角とする矩形の「結界」が現れる。その対角線の交点は、古代の大宅郷が置かれていた和歌山市手平にあたる。手平は紀伊水門結界の中心「神籬(ひもろぎ)」といえる。...

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  • 宝石としての玉とヒスイ(翡翠輝石)について

    林 政彦, 山﨑 淳司 宝石学会(日本)講演会要旨 45 (0), 8-8, 2023

    ...</p><p>「三種の神器」の一つになっている玉は,中国の「三国志」(280-297 年)には青玉と紹介されている.わが国の「古事記」 (712 年)や「日本書紀」 (720 年)に記述され,そして「万葉集」(759- 780 年)でも詠まれている玉は,その後の「延喜式」にも登場する.これらに書かれている玉が翡翠輝石であったのか不明であるが,わが国では,玉を宝石とみなしても異論はないであろう....

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  • [論文] 古代の政治空間のなかの女性 : 国家意志形成との関わりについて

    伊集院, 葉子 国立歴史民俗博物館研究報告 235 87-115, 2022-09-30

    ...『日本書紀』に菟狭国造の祖としての菟狭津媛が記され、『古事記』に荒河刀弁という「木国造」がみえる。八世紀には五人の女性国造任命が確認できるが、その背景には、令制以前の女性国造の存在と記憶があったのではないだろうか。 八世紀の女性の朝儀参列は、律令制下で制度化されたのではなく、令制前に遡り得ると判断できる。...

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  • 古事記』におけるウケヒの描写

    峯岸, 加奈 日本文学論集 46 1-16, 2022-03-15

    発表会名:大東文化大学大学院文学研究科日本文学専攻院生研究発表会、主催:大東文化大学大学院日本文学専攻院生会、開催場所:大東文化大学板橋キャンパス内、開催年月日:2021.11.13

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  • 古事記》雙音節漢字詞與古代漢語詞彙

    丁, 鋒, 藤本, 健一 語学教育研究論叢 39 1-12, 2022-03-01

    ...『古事記』は全書約46000字あり、字種は1486字である。本稿は先行研究に基づき『古事記』の二字漢語を2332語抽出し、それぞれの使用頻度を整理した。その上で日中同形語について、『漢語大詞典』が提示する典拠の初出時期に基づき4つの異なる時代に分類し、『古事記』に使用された二字漢語の時代的特徴を考察した。...

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  • 『日本書紀』に表れた畏怖・恐怖と倫理観

    古屋, 明子 日本文學研究 61 15-28, 2022-02-15

    ...最後に、『古事記』と似た話の内容に着目すると、『日本書紀』の話の方が「道」や『礼記』という儒教的世界を背景に状況や心情説明がより詳細に行われ、善悪の価値観が明確に書かれるとともに、天皇のあり方というものも問題視されている。『古事記』よりも儒教色がより濃いのが『日本書紀』であり、書紀編者が儒教的倫理観を明確に打ち出そうとしていることが分かる。...

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  • 本居宣長の死後観と妙理

    増田 友哉 倫理学年報 71 (0), 263-276, 2022

    The purpose of this paper is to reconsider Motoori Norinaga’s view of death from the basic principle(myō-ri)of his thought and the understanding of the world after death(yomi)in the Kojiki-Den. Many …

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  • 大和言葉による人体各部の骨の名称について

    野田 亨 びわこ健康科学 1 (0), 18-28, 2022

    ...<p>古代の中国大陸や朝鮮半島の漢方医学が当時の日本に持たらされた時,漢字表記の身体名称も受容された.このような本来外来語であった漢字表記の身体各部の表現に対して,古代のどのような日本語を対応させていたのかという観点から,人体の「骨」に関する大和言葉を収集した.日本におけるもっとも古い文字資料は古事記,日本書紀,万葉集などであるが,それらに身体各部の骨の名称はほとんど見いだすことはできない.漢方医学...

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  • 古事記』の「神話」化

    髙瀬 航平 宗教学論集 41 (0), 61-88, 2022

    Hitherto, scholarship hag generally agreed that KOJIKI had been regarded as a chief foundation of the national polity since the Meiji era because the ability of modern studies of Japanese history to …

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  • 現代に生きる神話の立体的研究の枠組み

    濱 夏 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2021 (0), B06-, 2021

    ...本発表では特にクルアーンと古事記についての先行研究を継承し発展させながら、CLAMPの漫画を取り上げて図像(モチーフ)と音(セリフなどの反復やリズム)の観点から事例分析を試みる。...

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  • 出雲国造神賀詞の成りたちと神代紀 : 忌部子首の“しごと”

    榎本, 福寿 京都語文 28 61-102, 2020-11-28

    ...また神賀詞についても、その古事記との関連にまで説き及ぶことがあってさえ、それじたいの分析、検討を尽くしているとは認めがたい論考が少なくない。 本稿は、出雲国司の忌部子首に着目し、神賀詞そのものを的確に読み解くことに主眼を置く。主には神代紀や祝詞にもとづくその成りたち、さらに出雲国に所在する神戸との関連などを中心に解明を進め、それらに関与し、はたした子首の“しごと”の実相に迫る。 ...

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  • 古事記》中的創世婚姻

    崔, 小萍 名古屋大學/屏東大學文學交流暨論文發表會論文集 1 3-8, 2020-11-21

    ...《古事記》由太安萬侶奉元明天皇之命,於712年編撰成書。書中主要有《舊辭》與《帝紀》兩部分、由上、中、下三卷構成。《舊辭》主要為神話傳說,《帝紀》則記載了歷代天皇的歷史。創世婚姻是指創造天地萬物或解釋人類起源的婚姻,伊耶那岐命與伊耶那美命的創世婚姻是《舊辭》中上卷的開篇內容。伊耶那岐命與伊耶那美命雖為神,生活形態和思維方式更偏向於普通人類,是與日本民族的形成有著密切聯系、可稱之為祖先的神。...

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  • 草薙剣と天皇即位儀礼 : 『古語拾遺』の草薙剣をめぐって

    谷口, 潤 佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 48 111-126, 2020-03-01

    ...『古事記』・『日本書紀』に見える草薙剣は、従来三種の神器のうちの一つとして、受け継ぐことで王権の正統性を保証する神璽の剣であるとされてきた。しかし神野志隆光によってそうした草薙剣の姿は『記』・『紀』には見られないことが明らにされ、『古語拾遺』がそうした言説を生み出したことが示された。...

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  • 歴史叙述のなかの「継体」

    遠藤 慶太 史学雑誌 129 (10), 55-76, 2020

    ...<br> このように継体天皇のイメージは『古事記』『日本書紀』のような歴史叙述を枠組み(共通の認識)としながらも、大胆な読み替えや豊かな着想によって再構築され、時代ごとの要請に応じてさらなるイメージが築きあげられてきた。皇位継承の危機ではたびたび六世紀の「史実」が持ち出され、時には十九世紀の越前のように、国学者の実証研究を地域の側で受けいれ、地域の歴史像を確認する動きがみられたのである。...

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  • 同格のガ・対象を指し示すガ・特指のガ

    田中, みどり 京都語文 27 220-243, 2019-11-30

    ...上代のガには、古事記の「わが二人」に同格のガが認められる。記紀萬葉の「見が欲し」は「見ることが欲しい」、萬葉集の「妹が見まく欲し」は「妹を見たい」で、ガは願望の対象を指し示す。自発の「君が見ゆ」「妹が思ほゆ」のガは、「見える」「思われる」の対象を指し示す。不可能の「妹が見えぬ」のガも「見えぬ」の対象を指し示す。これらを<対象を指し示すガ>と名付ける。...

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  • 『万葉集』二六五番歌の考察 : 「狭野の渡り」を中心に

    安藤, 久瑠美 日本文学論集 43 12-29, 2019-03-15

    ...本稿は歌枕「狭野の渡り」に注目し、『古事記』『日本書紀』『万葉集』などの「渡り」について整理しながら、後の時代に本歌取りされた散文作品内の『万葉集』二六五番歌「苦しくも零り来る雨か神の埼狭野の渡りに家もあらなくに」を意識した場面を中心に考察していく。...

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  • 古事記』における「桃子」の力

    堀井, 瑞生 日本文学論集 43 1-11, 2019-03-15

    ...では、なぜ『古事記』は果実である「桃子」を用いて追っ手を追い払うのだろうか。本論文では、この問題について『日本書紀』にみえる類話との差異や漢籍における桃に関する記述を視野に入れ検討した。...

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  • 古事記』の中の神武天皇

    ANDASSOVA Maral Japan review : Journal of the International Research Center for Japanese Studies 32 5-15, 2019

    As an outcome of the Meiji Restoration, Shinto was established as national ritual system and the rule of the emperor was emphasized as absolutely sacred. Imperial authority was linked to the world …

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  • 感受性と思案

    加我 牧子 日本重症心身障害学会誌 44 (3), 509-510, 2019

    ...日本の障害児の元祖は古事記の水蛭子、日本書紀の蛭児だそうです。戦後ようやく動き出した重症心身障害児(者)の歴史を学び、かといって過去によりかかるのではなく、現在を考えることでしか、まっとうな未来は期待できないと素朴に思います。 とりあえず私は病棟にお住いの方々の笑顔をもっとたくさん発見しに行かなくちゃ、と思っているところです。...

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  • 古事記』におけるオケ王即位の正当性とイヒトヨ王

    壬生 幸子 共栄大学研究論集 (16) 201-214, 2018-03-31

    ...『古事記』は, ヲケとシビの歌垣と,それに続く二王によるシビ討伐のプロットを物語に組み込むことでこの狙いを達成し た。二王がシビを武力討伐し,さらにオケが王位継承を宣明することで,二王の即位の正当性とオケの正統 性を示している。また,二王の姨・イヒトヨ王の,二王の即位への関与は抑制的に記される。...

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  • 『日本書紀』のテキストと注釈書 : 明治以降を中心に

    荊木, 美行 皇學館大学紀要 = Bulletin of Kogakkan University 56 1-45, 2018-03

    ...『日本書紀』は『古事記』とならぶ貴重な古典として、古来、多くの研究者によって、その研究が進められてきた。そうした研究の成果は、校訂本・読み下し文・現代語訳の作成や注釈といった形で世に問われてきた。とりわけ、明治以降は、洋装本の普及と相俟って、『日本書紀』のテキストの出版が盛んにおこなわれ、昭和前期には複数のものが相次いで刊行され、大いに普及した。...

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  • 御肇国天皇と男女の調

    松田 浩 日本文学 67 (1), 2-12, 2018-01-10

    ...<p>『古事記』『日本書紀』の両書は崇神天皇を「〈ハツクニシラス〉天皇」の称辞を以て讃えている。両書の語る崇神天皇の事績は、いずれも大物主神を中心とする神祇祭祀の確立と諸国の平定、そして「男の弭の調・女の手末の調」と呼ばれる物納租税制度の成立の三要素によって構成されており、その要素自体は等しい。しかし、それらを語る記述には看過できない相違がある。...

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  • 古事記伝』の起源神話言説

    山下 久夫 日本文学 67 (1), 31-41, 2018-01-10

    ...<p>最近、『古事記伝』が必ずしも古事記の忠実な注釈書ではなく、宣長が作り出し語りだした新たな神話であることが注目されるようになった。ここではその流れを承けつつ、起源神話言説を創造することで一八世紀の時代思潮に切り込む宣長を浮かび上がらせたい。彼は、西洋天文学とのクロスによる地球学的な起源神話言説を創造したといえる。その営為は、「近世神話」と呼ぶべき知の運動体のあり方として意義づけるべきだろう。...

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  • 「神語(かむがたり)」と「天語歌(あまがたりうた)」

    吉田 修作 日本文学 66 (12), 1-11, 2017-12-10

    <p>「神語」の妻問婚により惹起された適后スセリビメの嫉妬は、仁徳記の大后イハノヒメの嫉妬の起源として導き出される。「神語」の最後ではスセリビメのヤチホコノ神への勧酒歌により、男女の神の仲直りと女神の嫉妬の怒りが鎮められる。雄略記の「天語歌」の二首目では大后ワカクサカベの天皇讃美と勧酒歌により天皇の怒りが鎮まる。「神語」と「天語歌」は「語り」として内容的にもつながり、前者が後者の起源をなす歌とし…

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  • 古事記における主語表示の型について

    伊土 耕平 岡山大学大学院教育学研究科研究集録 166 63-71, 2017-11-28

    ...古事記における主語の表示/省略の傾向を整理すると,①▽→φ→φ…,②φ→▽→φ…,③φ→φ→φ…,④▽→▽→▽…,という4つの型に整理できる(▽=表示,φ=省略)。①は,最初の文で主語を表示し,次の文以降は主語を省略するタイプである。オーソドックスな主語連続で,特別な表現効果は発揮しない。それに対して,②以下は特異な主語表示である。まず②は,最初の文では主語を省略し,次の文で主語を表示する。...

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  • 境界としての「坂」 : 神話的空間からの脱却

    後山, 智香 京都語文 25 197-209, 2017-11-25

    ...本稿では『古事記』における異界との間に存在する「坂」の意義を<国>作りという観点から見ていくことで、境界としての「坂」は、上巻の神話的空間から脱却し、後の「天下」を指向する『古事記』にとって必要不可欠な<国>作りの一部であったことを論じていく。...

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  • 「青人草」と「蒼生」 : 記紀神話と中国古典の関係

    堀井, 瑞生 日本文学論集 41 1-8, 2017-03-17

    ...本論文は『古事記』において人間を意味する「青人草」という表現について考察を加えたものである。これまでの研究では取り上げられてこなかった仏教関係の文献に散見される「蒼生」という言葉を視野に入れ、人間を「青人草」と表記する『古事記』の思考について分析を試みた。...

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  • 古事記』の「語り」と歌

    猪股 ときわ 日本文学 66 (1), 14-24, 2017-01-10

    <p>『記』の「語り」は『記』自身が音声言語として読むべく指示し、それ自体「かたり」でもある歌を抱えている。書かれてあるからこそ、『記』の「語り」は神話的叙事(歌)と説話文が語る出来事との、異質な声の重なりのなかにあることが見てとれるだろう。歌の叙事は時に王権神話の論理と相反する場合もあり、『記』の「語り」の声の重層(重奏)が不協和音を奏でることもあることにも注目したい。</p>

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  • 数学と言語表現について

    野口 潤次郎 数学教育学会誌 58 (3-4), 75-85, 2017

    “役に立つ”ことを判断する価値観は、どこから来るのかを言語の進展の観点から議論する。 言語進展の過程に日本とヨーロッパにおいて類似性があることを見出す。言語には日常言語、 社会言語、記述言語の3 種があり、これらが一致していることがイノべーションに必要不可欠 であることを古代の神話の形成、言語の形成、文字の導入にさかのぼり諸文明の情況を観察し …

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  • 上代の動詞語尾ス : 「菜摘ます児」のス

    田中, みどり 京都語文 24 185-228, 2016-12-20

    ...すでに古事記の時代にもキコスとキカスとが同じ意味のものと認識されていた。日本書紀ではア段音に接する「ス」も敬語をあらわすものと考えられ、萬葉集では、「ス」は親愛をあらわしたり、語調を整えるものとして使用された。後に存続をあらわすようになった「リ」が、現存を明確に示したように、「ス」は動詞の動作性を明確にする語尾であった。...

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  • The Japanese Analogues to Beowulf and Their Perspective

    多ヶ谷, 有子 関東学院大学人文学会紀要 134 71-92, 2016-07

    ...筆者はBeowulfと日本の古典文学との類似モチーフを多年論及して来たが、本稿では『古事記』の「国譲り譚」と『出雲国風土記』の「安木郷猪麻呂説話」を取りあげる。前者については、新来の神/英雄が在来の神/怪物と素手で闘い、相手の手/腕を害し、その結果在来の神/怪物は湖に逃走し、新来の神/英雄に追われて完敗し、国譲りが完成する/斃される、という類似がみられる。...

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