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検索結果 8,131 件

  • ニューロンのゲノムインテグリティ

    井原 大, 勝山 裕 滋賀医科大学雑誌 38 (1), 1-13, 2024-05-22

    ...ニューロンは発生の限られた時期に大量に生み出され神経幹細胞および神経前駆細胞では急速な細胞分裂を行う。そのためDNA複製にエラーが生じ、ニューロンに染色体異常などが起こりうる。分化し神経ネットワーク内で機能を獲得したニューロンは電気的興奮や遺伝子発現変化など代謝が盛んであり、このようなニューロンの正常な活動は、自発的な二本鎖切断などの損傷を起こしたDNAが修復されることで維持される。...

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  • クローン病に伴う複雑痔瘻に対する新たな治療:ダルバドストロセル(脂肪組織由来間葉系幹細胞)の国内開発

    山口 貴義 日本薬理学雑誌 159 (3), 150-155, 2024-05-01

    ...慢性再発性炎症性腸疾患であり,日本人における有病率は増加している.クローン病の最も頻度の高い合併症の1つは肛門周囲病変であるが,なかでも肛門周囲の複雑痔瘻は激しい痛み,出血,腫脹,感染,排膿が生じることがある.内科的及び外科的治療法の進歩にもかかわらず,クローン病における複雑痔瘻の治療は依然として困難であると共に,痔瘻を有するクローン病患者のQOLは低い.ダルバドストロセルは,同種異系の脂肪組織由来間葉系幹細胞...

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  • J-TECが挑戦する再生医療の産業化

    井家 益和 日本薬理学雑誌 159 (3), 138-143, 2024-05-01

    ...外傷性軟骨欠損症を適応対象とした薬事承認を取得したが,その当時,再生医療製品がこの2品目しかなかったことから,わが国の再生医療の産業化の遅れが指摘された.2014年に再生医療を推進する法整備の一環として旧薬事法が薬機法に改正され,再生医療等製品の分類が新設されたたことによって国内の製品開発が加速した.われわれは,2020年に自家培養角膜上皮ネピック,2021年に自家培養口腔粘膜上皮オキュラルの角膜上皮幹細胞疲弊症...

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  • 加齢による嚢胞形成と線維化

    土屋 勇一, 関 崇生, 中野 裕康, 田中 稔, 髙橋 良哉 薬学雑誌 144 (4), 397-402, 2024-04-01

    <p>Cysts are abnormal fluid-filled sacs found in various human organs, including the liver. Liver cysts can be associated with known causes such as parasite infections and gene mutations, or simply …

    DOI Web Site PubMed 参考文献22件

  • オンチップセンシング技術

    栗田 僚二, 菅井 祥加, 冨田 峻介 電気学会誌 144 (4), 205-208, 2024-04-01

    ...<p>1.はじめに</p><p>幹細胞やゲノム編集技術の目覚ましい発展に伴い,従来の動物実験に代わる細胞培養システムが提案されている。例えばスフェロイドやオルガノイドなどの3次元培養,微細加工技術を駆使した潅流によるorgans-on-a-chipなどが進歩し,これらの基礎研究および産業利用が報告され</p>...

    DOI Web Site 参考文献10件

  • 脂肪移植の基礎知識 : 解剖, 生着機序, 幹細胞

    菅 浩隆 Oncoplastic Breast Surgery 9 (1), 26-30, 2024-03-30

    ...<p>脂肪移植を理解するために必要な基礎知識について, 解剖, 生着機序, 幹細胞に分けて概説する。脂肪組織は毛細血管に富んだ組織であり, その血管周囲に張り付く形で脂肪由来幹細胞 (CD31陰性 / CD34陽性) が存在している。移植する脂肪組織は, その採取の過程で一部の細胞が死滅していること, 移植後はさらに中心部が壊死に陥ることが知られている。...

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  • 口腔扁平上皮癌の多様性

    福本 正知, 内田 大亮, 川又 均 日本口腔外科学会雑誌 70 (3), 104-109, 2024-03-20

    <p>In this review article, we focus on the diversity of the origin of oral squamous cell carcinoma(OSCC), and discuss cancer stem cells(CSCs) as a key player to explain the malignancy of OSCC. CSCs …

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  • 敗血症性多臓器不全の分子機構

    松田 直之, 町田 拓自, 服部 裕一 日本薬理学雑誌 159 (2), 101-106, 2024-03-01

    ...molecular patterns(DAMPs)として,広く認識されるようになった.これらPAMPs/DAMPsは,パターン認識受容体であるToll様受容体,RAGE,NOD様受容体,C型レクチン受容体,cGAS,MDA-5,RIG-I様受容体などを介して,細胞内でNF-κB,AP-1,STAT-3などの転写因子を活性化させ,炎症性分子やサイトカインの産生を転写段階から高める.一方で敗血症では,組織の基幹細胞...

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  • MSCとCAR-T細胞療法の現状と課題

    内田 直之 日本輸血細胞治療学会誌 70 (1), 1-6, 2024-02-26

    ...<p>同種造血幹細胞移植は,難治性造血器悪性疾患を根治できる強力な抗腫瘍効果を有する一方,移植片対宿主病を始めとする同種免疫反応に関連する重篤な合併症を伴う.近年,細胞自体を培養・遺伝子導入して「製品」化した再生医療等製品の開発が進み,2015年に造血器疾患領域で初めてヒト骨髄由来間葉系幹細胞(テムセル™)が承認され,2019年~2021年にCAR-T細胞療法製品が5つ承認された.テムセル™は免疫修飾能...

    DOI Web Site 参考文献46件

  • ボリコナゾール長期内服中の免疫抑制患者に生じ,予後不良であった有棘細胞癌の 2 例

    中山 優香, 石倉 侑, 竹内 聡, 阿南 健太郎, 舟橋 ひとみ, 松本 大輔, 玉江 昭裕, 中原 剛士 西日本皮膚科 86 (1), 55-61, 2024-02-01

    ...当科初診 5 年前に骨髄異形成症候群に対し同種造血幹細胞移植をし,ボリコナゾール(VRCZ)を内服していた。4 カ 月前から頭頂部に生じた有棘細胞癌(SCC)に腫瘍切除と分層植皮,術後放射線照射を行ったが,右頚部リンパ節転移及び局所再発した。5 カ 月後に頭蓋骨外板含めた拡大切除,右側頚部リンパ節郭清と耳下腺を摘出し,皮弁形成と全層植皮で再建した。...

    DOI Web Site Web Site 参考文献12件

  • GPIアンカーとその欠損症

    村上 良子, 木下 タロウ Trends in Glycoscience and Glycotechnology 36 (209), J1-J5, 2024-01-25

    ...一方後天性のGPI欠損症として造血幹細胞の<i>PIGA</i>遺伝子の突然変異を原因とし、補体の活性化による溶血発作を主症状とする発作性夜間ヘモグロビン尿症が知られている。最近まれではあるが、<i>PIGT、PIGB、PIGV</i>の変異を原因とするPNHが見つかっており、特徴的な症状を示す。GPIアンカーの生合成とこれら欠損症について最近の知見を述べる。</p>...

    DOI Web Site 参考文献15件

  • 後天的なエピゲノムを介した老化制御と世界の動向

    早野 元詞 日本老年医学会雑誌 61 (1), 1-12, 2024-01-25

    ...</p><p>また近年,エピゲノム変動を標的とした老化の抑制(anti-aging)に加えて,治療する(Rejuvenation)研究や開発が世界的に着目されており,多くのバイオテックが誕生している.炎症,幹細胞,代謝,ゲノム不安定性,オートファジー等のAging Hallmarksは,エピゲノムと密に相互作用しており,山中因子(OKSMやOSK)をはじめとする様々な後天的かつ可逆的なエピゲノムを介...

    DOI Web Site PubMed 参考文献46件

  • Regulation of lymphoid-myeloid lineage bias through Regnase-1/3-mediated control of Nfkbiz

    植畑, 拓也, 山田, 信之輔, 織, 大祐, Vandenbon, Alexis, Giladi, Amir, Jelinski, Adam, 村川, 泰裕, 渡邊, 仁美, 竹内, 一博, 虎谷, 和則, 三野, 享史, 木立, 尚孝, Standley, Daron M., 辻村, 亨, 伊川, 友活, 近藤, 玄, Landthaler, Markus, 河本, 宏, Rodewald, Hans-Reimer, Amit, Ido, 山本, 玲, 宮崎, 正輝, 竹内, 理 Blood 143 (3), 243-257, 2024-01-18

    Regulation of lineage biases in hematopoietic stem and progenitor cells (HSPCs) is pivotal for balanced hematopoietic output. However, little is known about the mechanism behind lineage choice in …

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  • 胸壁巨大Ewing肉腫切除後の自家組織による再建

    大坪 巧育, 小島 史嗣, 北川 崇, 末吉 国誉, 矢田 圭吾, 板東 徹 日本呼吸器外科学会雑誌 38 (1), 16-22, 2024-01-15

    ...右胸壁原発限局型Ewing肉腫と診断.術前化学療法で腫瘍の縮小が得られ根治切除可能と判断,胸壁切除(第7~10肋骨全長切除,第6・11肋骨部分切除)及び横隔膜の一部,生検部位の皮膚・皮下組織を一塊に切除した.欠損部位は広範囲であったが,残存肋骨を寄せて胸壁の筋群を授動し胸壁欠損部を被覆することで人工物を使用せずに再建した.術後病理診断で切除断端は陰性であり根治切除が得られた.経過良好で術後1ヵ月より自家末梢血幹細胞移植...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献9件

  • 造血幹細胞移植における運動療法の意義と実際

    武清 孝弘, 市川 雄大, 木口 大輔, 中村 和司, 田仲 勝一, 青木 卓也, 名和 由一郎 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 13 (1), 21-32, 2024

    ...<p> 造血幹細胞移植(移植)患者は,移植治療に伴うさまざまな移植後合併症や活動性低下により,筋力や持久力などの身体機能低下,不安・抑うつなどの精神機能低下,倦怠感の出現,心理面への影響が生じる。これらが原因となり,日常生活活動能力や生活の質(QOL)は移植後大きく低下する。...

    DOI Web Site 参考文献42件

  • 多発髄外腫瘤を伴った<i>IgH::MYC</i>陽性多発性骨髄腫

    佐々木 勇杜, 市川 聡, 櫻井 一貴, 中村 嘉詞, 猪倉 恭子, 小野寺 晃一, 福原 規子, 大西 康, 横山 寿行, 張替 秀郎 臨床血液 65 (3), 147-152, 2024

    ...以後,大量化学療法・自家末梢血幹細胞移植の後,lenalidomide維持療法を施行しているが,1年以上完全寛解を維持している。<i>IgH::MYC</i>単独異常を呈する多発性骨髄腫は極めて稀で,高い腫瘍増殖能を示し予後不良と考えられるが,新規薬剤に加え従来型化学療法,放射線治療の有効性が示唆された。</p>...

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  • ヒト篩骨洞と下鼻甲介粘膜由来細胞における間葉系幹細胞マーカー発現と多分化能の観察

    大和 賢輔, 岡本 由香子, 竹野 幸夫, 川住 知弘, 竹本 浩太, 石川 智慧, 石野 岳志, 弓削 類, 黒瀬 智之, 寺西 正貴 日本鼻科学会会誌 63 (1), 94-102, 2024

    ...<p>体性幹細胞である間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells(MSCs))を用いた再生医療の研究は,主に脳梗塞,脊髄損傷などを対象にすでに国内外で臨床研究や治験が行われている。MSCsは腸骨,臍帯,脂肪から採取され,部位依存性的に分化能が異なることが知られている。今回我々は,正常ヒト鼻副鼻腔粘膜からのMSCs細胞の単離と培養を試みた。...

    DOI Web Site 参考文献18件

  • ミトコンドリア断片化による骨髄異形成症候群の発症機構

    林 嘉宏 臨床血液 65 (4), 249-254, 2024

    ...<p>骨髄異形成症候群(MDS)は,造血幹細胞に生じた遺伝子異常に起因して発症し,無効造血に伴う骨髄不全症を主病態とする難治性造血器腫瘍である。この10年ほどの間に,MDSクローンにおける自然免疫応答シグナル経路異常が同定され,それに伴う慢性炎症機構が,MDS病態形成において中心的役割を担うことがわかってきた。...

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  • 性別不一致移植におけるGVHD/GVLのエビデンス

    仲宗根 秀樹 臨床血液 65 (4), 265-271, 2024

    ...移植後後期に問題となる慢性GVHDは,末梢血幹細胞移植の他,女性ドナーと男性患者間(F→M)での性別不一致移植でもリスクが増加することが知られている。F→M移植の合併症は,男性患者のY染色体上のマイナー抗原(HY抗原)に対する同種免疫応答も一因と考えられる。...

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  • 同種造血幹細胞移植により長期寛解を得た<i>CLEC16A::IL2</i>融合遺伝子を有するT細胞前リンパ球性白血病

    百瀬 春佳, 栗田 尚樹, 錦井 秀和, 遊佐 希, 横山 和明, 清水 英吾, 井元 清哉, 南木 融, 丸山 ゆみ子, 坂本 竜弘, 横山 泰久, 加藤 貴康, 松岡 亮太, 小原 直, 坂田(柳元) 麻実子, 千葉 滋 臨床血液 65 (1), 35-40, 2024

    <p>64歳女性。両上肢の巧緻運動障害を契機に受診,頭部MRIで延髄に造影効果を伴う病変を指摘された。末梢血および骨髄にblebを伴う異常リンパ球を認め,フローサイトメトリーでCD4<sup>+</sup>/CD8<sup>+</sup>二重陽性T細胞集団を検出した。同細胞由来DNAを用いた全エクソンシークエンスで<i>CLEC16A::IL2</i>融合遺伝子を同定し,さらに異常リンパ球にTC…

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  • 慢性GVHDの口腔症状の診断,評価およびマネジメント

    曽我 賢彦 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 13 (2), 69-73, 2024

    ...<p> 口腔は,同種造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(chrnonic graft versus host disease,cGVHD)における代表的な標的臓器の一つである。症状としては,口腔粘膜の扁平苔癬様変化,疼痛,口腔乾燥そして味覚障害等が特徴的であり,口腔の健康状態の悪化,口腔機能の低下,ひいては経口摂取に支障を来すことで,生活の質の低下をもたらす。...

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  • 3回の同種造血幹細胞移植後の末期腎不全に対し生体腎移植を施行したPhiladelphia染色体陽性急性リンパ芽球性白血病

    西島 暁彦, 新谷 直樹, 太田 哲人, 須田 潔子, 尾本 和也, 石田 信也, 吉岡 康介, 黒澤 修兵, 日野 裕太郎, 妹尾 寧, 五十嵐 愛子, 押川 学, 濵村 貴史, 遠矢 嵩, 清水 啓明, 名島 悠峰, 小林 武, 原口 京子, 奥山 美樹, 大橋 一輝, 土岐 典子 臨床血液 65 (1), 7-12, 2024

    <p>18歳男性。Ph染色体陽性急性リンパ性白血病の再発に対し,同種骨髄移植(BMT)を実施された。初回移植から3ヶ月後に再発し,2回目のBMTを施行された。2回目のBMTの4ヶ月後に再発し,20歳3ヶ月時に父からのHLA半合致(ハプロ)移植を実施された。ハプロ移植後day29には分子学的寛解を確認し,以後再発は認めていない。移植後3年2ヶ月に血栓性微小血管障害症に伴う末期腎不全で透析導入となっ…

    DOI Web Site PubMed ほか1件

  • 同種造血幹細胞移植後に真菌性脳動脈瘤破裂を認めた成人T細胞白血病・リンパ腫

    厚井 聡志, 清水 啓明, 貞賀 泰孝, 近藤 花織, 加藤 千賀, 酒井 知史, 神原 康弘, 小沼 亮介, 熱田 雄也, 島袋 将志, 神宮寺 敦史, 細田 譲, 尾内 大志, 濱村 貴史, 新谷 直樹, 遠矢 嵩, 名島 悠峰, 小林 武, 松澤 祐一, 新井 秀雄, 関谷 紀貴, 原口 京子, 奥山 美樹, 土岐 典子 臨床血液 65 (2), 84-89, 2024

    ...侵襲性肺アスペルギルス症は同種造血幹細胞移植後に発症するが,本症例のように血行性播種による真菌性脳動脈瘤を合併し,致死的な経過を辿る可能性があるため注意が必要と考えられた。</p>...

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  • 関節リウマチに対する治療経過中に発症した肝類洞閉塞症候群の1例

    矢野 花佳, 堀 明日香, 三橋 威志, 樫原 孝典, 田中 宏典, 友成 哲, 河野 豊, 岡本 耕一, 佐藤 康史, 宮本 弘志, 常山 幸一, 坂東 良美, 高山 哲治 四国医学雑誌 79 (5.6), 263-268, 2024

    ...肝類洞閉塞症候群は造血幹細胞移植後やオキサリプラチンなどの抗悪性腫瘍薬の投与,放射線治療により発症するとされている。関節リウマチの治療経過中に発症したという例は無く,まれな病態であると考え報告する。</p>...

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  • 急性骨髄性白血病における同種移植の適応:内科医の視点から

    宮尾 康太郎 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 13 (2), 61-68, 2024

    ...一方同種移植そのものの治療成績は向上し,臍帯血など代替幹細胞源を用いた移植が実施しやすくなっている。このように成人AMLの移植適応は予後予測と移植治療両面の進歩を反映しながら今日も更新され続けている。小児と成人のシームレスな移植適応を考えるとき,過渡期である思春期・若年成人(AYA)世代は重要な対象である。他の成人年代と比較しAYA世代は化学療法,同種移植ともに成績良好である。...

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  • VEXAS症候群に合併する骨髄異形成症候群の臨床的・遺伝的特性

    國本 博義 臨床血液 65 (4), 255-264, 2024

    <p>VEXAS症候群は血液細胞の細胞質空胞,E1ユビキチン活性化酵素をコードする<i>UBA1</i>遺伝子の体細胞変異,X連鎖性発症様式と自己炎症症状の存在を特徴とする新しい疾患概念であり,約30~50%の例にMDSを合併する。VEXAS症候群に合併するMDSの臨床的・遺伝的特性について我々は自験例を含めた解析を行い,芽球比率が低く白血病への移行が稀な低リスクMDSが多いこと,孤発性MDSに…

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  • 移植後cyclophosphamideを用いたGVHD予防法の新時代

    杉田 純一 臨床血液 65 (4), 272-281, 2024

    ...本邦では,HLA適合または1-2アレル不適合末梢血幹細胞移植後のGVHD予防にPTCyを使用する第II相試験が実施され,有効性と安全性が確認された。PTCyによるGVHDの効果的な抑制は,同種移植の安全性を高め,移植転帰を改善する可能性があり,移植分野におけるより良い患者ケアに希望を与えるものと期待される。</p>...

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  • P2X4受容体を介したATPによるマスト細胞の活性化の増強

    吉田 一貴, 伊藤 政明, 松岡 功 日本薬理学雑誌 159 (1), 39-43, 2024-01-01

    ...通貨であるが,様々な刺激に応じて細胞外に放出され,多様な受容体を介して認識される細胞間情報伝達物質としても重要である.ATPはシナプス小胞や分泌顆粒に蓄えられており,神経細胞や血小板の活性化によって細胞外へ放出され,神経伝達や血小板凝集で重要な役割を担っている.さらに,皮膚を擦るような機械刺激や炎症による細胞傷害によっても放出され,炎症反応を促進することが明らかになってきた.マスト細胞(MC)は造血幹細胞由来...

    DOI Web Site 参考文献30件

  • 耳鼻咽喉科領域の組織幹細胞研究

    大森 孝一, 大西 弘恵 耳鼻咽喉科臨床 117 (1), 1-6, 2024

    <p>The field of otorhinolaryngology covers the ear, nose, oral cavity, pharynx, larynx, trachea, esophagus, and neck. Each organ is composed of various tissues, such as bone, cartilage, muscle, …

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献36件

  • 再発時に<i>PTPN11</i>変異によるクローン交代を認めた<i>FLT3</i>-ITD変異陽性急性骨髄性白血病

    栗原 一也, 貞任 大地, 名島 悠峰, 平間 千津子, 原口 京子, 加藤 可那, 近藤 花織, 貞賀 泰孝, 加藤 千賀, 酒井 知史, 神原 康弘, 奈邊 愛美, 手島 航, 浅野 雄哉, 神宮寺 敦史, 島袋 将志, 大内 史彦, 稲井 一貴, 厚井 聡志, 新谷 直樹, 遠矢 嵩, 清水 啓明, 小林 武, 大保木 啓介, 原田 浩徳, 奥山 美樹, 原田 結花, 土岐 典子 臨床血液 65 (2), 63-68, 2024

    ...Gilteritinib投与を中止して救援化学療法により寛解を得たため血縁者間HLA半合致末梢血幹細胞移植を実施したが,移植後早期に再発を来し,病勢コントロールが出来ずに死亡した。ターゲットシーケンスによる遺伝子解析によって,FLT3変異陰性クローンへの交代とそれによる阻害薬の効果減弱を観察しえた症例となった。</p>...

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  • 間葉系幹細胞由来細胞外小胞ネブライザー噴霧のARDSモデルへの薬効

    宇津 盛司 ファルマシア 60 (4), 344-344, 2024

    ...間葉系幹細胞(MSC)は免疫調節作用や創傷治癒効果,抗菌作用など複数の薬理作用を持ち,MSCの移植療法は急性呼吸窮迫症候群(ARDS)をはじめとするアンメットニーズの高い疾患の新たな治療法として注目されている.しかしMSC移植療法には多量のMSCの準備に加え凍結保存されているMSCを融解・培養する工程が必要など,実臨床使用における課題が多くある.一方,MSCが産生する細胞外小胞(EV)はmiRNAなどの...

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  • 造血幹細胞移植後長期フォローアップ外来における婦人科検診の臨床的有用性

    鴨井 千尋, 藤井 伸治, 松岡 敬典, 高橋 郁名代, 山本 晃, 清家 圭介, 藤原 英晃, 淺田 騰, 遠西 大輔, 西森 久和, 藤井 敬子, 松岡 賢市, 前田 嘉信 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 13 (2), 74-80, 2024

    ...<p> 同種造血幹細胞移植後の婦人科系疾患に関する報告は少ない。当科は移植後女性患者の婦人科定期検診(内診,経膣超音波検査,子宮頸部細胞診)を実施している。本研究では当施設の移植後患者37例(年齢中央値50歳,18-73歳)を後方視的に解析した。細胞診異常を認めたのは8例で,全例にbusulfan投与歴があった。高度扁平上皮内病変は4例で,そのうち1例は膣がんを発症し,放射線治療を受けた。...

    DOI Web Site 参考文献12件

  • 当院における小児再発難治性急性骨髄性白血病に対するvenetoclax/azacitidine併用療法の使用経験

    大井 遼, 山崎 夏維, 東 紗希子, 菊池 菜摘, 野口 真由子, 仁谷 千賀, 岡田 恵子, 藤崎 弘之, 原 純一 日本小児血液・がん学会雑誌 61 (1), 43-48, 2024

    ...<p>近年,急性骨髄性白血病に対するvenetoclax/azacitidine併用療法(VEN/AZA)の高い有効性・安全性の報告が成人では相次いでいるが,小児例に対する報告は少ない.今回,当院で治療を行った小児再発/難治AMLの4例について報告する.1例は初回寛解導入不能例で,3例は同種造血幹細胞移植後の再発だった.VEN/AZAのコース数の中央値は3(2–4コース)だった.血液学的完全寛解は1...

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  • 胸膜肺実質線維弾性症を伴う特発性間質性肺炎および二次性間質性肺炎の肺移植症例の臨床的・画像的・病理学的特徴

    池上 直弥, 中島 直樹, 吉澤 明彦, 半田 知宏, 芳川 豊史, 久保 武, 谷澤 公伸, 大角 明宏, 山田 義人, 濱路 正嗣, 中島 大輔, 豊 洋次郎, 田中 里奈, 渡邉 創, 中塚 賀也, 村瀬 裕子, 中西 智子, 庭本 崇史, 陳 和夫, 伊達 洋至, 平井 豊博 Tenri Medical Bulletin 26 (1), 56-57, 2023-12-25

    <p>【目的】本研究では,放射線画像での胸膜肺実質線維弾性症(pleuroparenchymal fibroelastosis; PPFE)様所見に対応する病理学的所見と,病理学的なPPFE 所見を認める症例の臨床的・形態的特徴を評価することを目的とした.</p><p>【方法】CT 画像でPPFE 様所見を有する肺移植レシピエント59 …

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  • 本邦における造血幹細胞採取等のアフェレーシスの実態調査

    藥師神 公和, 吉原 哲, 池本 純子, 池田 和彦, 石田 明, 大戸 斉, 小原 明, 梶原 道子, 菊田 敦, 原口 京子, 藤原 慎一郎, 藤原 実名美, 山崎 理絵, 長村 登紀子, 田野崎 隆二, 奥山 美樹, 藤盛 好啓, 上田 恭典 日本輸血細胞治療学会誌 69 (6), 641-647, 2023-12-20

    ...<p>同種および自家の末梢血幹細胞採取(PBSCH)はすでに一般診療として確立されたものであるが,近年の医学の進歩により,造血幹細胞移植,採取は多様化している.本邦の現状を把握し,問題点を抽出すべく,細胞治療に関する実態調査を行った.159施設(診療科)より回答を得た.自家PBSCH年間件数では48%の施設で11~25件,37%の施設で1~10件,血縁同種PBSCH年間件数では60%の施設で1~10...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献5件

  • 末梢血幹細胞採取における中間産物中CD34陽性細胞数測定の有用性に関する検討

    中林 咲織, 小島 稔, 竹岡 咲穂, 岩下 奈央, 坪倉 美里, 加瀬 由貴, 笠根 萌美, 髙橋 典子, 竹内 紗耶香, 林 智晶, 前澤 直樹, 福本 秀知, 武田 航, 伊豆津 宏二, 小川 千登世, 松下 弘道, 福田 隆浩 日本輸血細胞治療学会誌 69 (6), 634-640, 2023-12-20

    ...<p>末梢血幹細胞採取(PBSCH)では効率よく目標とする造血幹細胞を採取することが重要である.そこで我々はPBSCH中に産物中CD34陽性細胞濃度で処理量を調節することが最適な採取に繋がったかを後方視的に検討した.対象は同種PBSCH28件,自家PBSCH24件の計52件で,PBSCH中の産物中CD34陽性細胞濃度(中間値)と終了後の産物中CD34陽性細胞濃度(最終値)の相関は,全体(R=0.986...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献7件

  • 再生医療とナノテクノロジーを融合した技術開発と実用化

    東郷 智美, 田中 萌, 越智 綾香, 髙田 真穂, 笹井 愛子, 辻本 広行, 飯塚 翠, 山本 浩充 粉砕 67 (0), 61-69, 2023-12-15

    ...<p>再生医療や幹細胞研究で利用され始めたヒト幹細胞培養液は,様々な細胞成長因子や生理活性物質を含み,多様かつ多角的な作用機序によって細胞の機能活性化や構成成分の産生促進,並びに細胞の炎症抑制や損傷再生・修復に作用していることが解明されている。そのため近年では画期的な化粧品成分としても注目され,利用されだしている。...

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  • 国内外の消化器領域における再生医療の状況と,細胞シート医療の現在地

    金高 賢悟, 江口 晋 日本消化器病学会雑誌 120 (12), 949-963, 2023-12-10

    ...<p>再生医療の研究分野では,幹細胞移植,オルガノイド,細胞外小胞などさまざまなmodalityによる研究が進んでおり,細胞の力を借りたunmet medical needsの克服が現実のものとなっている.本稿では,細胞を用いた臨床試験について,登録状況に関してはClinicalTrials.govおよびjRCTより,報告された論文に関してはPubMed,Embaseなどの論文データベースより検索し...

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  • 再生医療の規制の状況

    青井 貴之 日本消化器病学会雑誌 120 (12), 987-992, 2023-12-10

    ...<p>再生医療は比較的新しいモダリティーであり,その要素となる技術や医療行為にともなう懸念事項などにおいて,従来から広く行われてきた医薬品や医療機器による医療とは異なる点も多い.また,人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来細胞や遺伝子改変細胞をはじめとするさまざまな新しい技術を基盤とした再生医療の研究開発は日進月歩で発展している.そこで,再生医療を適切に臨床現場に届けるための規制整備が行われてきた.本稿...

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  • オルガノイド治療

    岡本 隆一, 水谷 知裕, 清水 寛路 日本消化器病学会雑誌 120 (12), 964-972, 2023-12-10

    ...<p>体外環境における培養技術が2次元から3次元に発展する中,“ミニ臓器”とも称されるオルガノイドの培養技術とその臨床応用が高い注目を集めている.オルガノイドは諸臓器・組織に備わる機能単位を体外でより忠実に再現することが可能であり,生理的な機能の解析だけでなく病態の再現や治療薬開発においても重要なプラットフォームとして活用が拡大している.また,オルガノイドに自ずと備わっている幹細胞機能を利用し,患者自身...

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  • 間葉系幹細胞,細胞外小胞,ペプチドを用いた肝線維化改善・再生療法を目指して

    土屋 淳紀, 寺井 崇二 日本消化器病学会雑誌 120 (12), 973-979, 2023-12-10

    ...<p>肝硬変は多くの場合は,肝障害とそれに引き続く線維化にともなって形成される.そして線維化にともなう門脈圧亢進と肝機能低下からさまざまな症状を引きおこす.本邦では患者数が40万人いる疾患であるが,線維化改善薬が承認されていない現状がある.われわれは,内在の線維化改善・肝再生誘導システムを導き出すことに主眼を置き,線維化改善・再生促進療法の開発に間葉系幹細胞やその細胞外小胞,そしてペプチド製剤を用いて...

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  • 神経伝導検査と免疫固定電気泳動法からPOEMS症候群と診断し得た59歳男性例

    時村 瞭, 原 涼, 久保田 暁, 石浦 浩之, 小玉 聡, 代田 悠一郎, 濱田 雅, 戸田 達史 臨床神経生理学 51 (6), 651-657, 2023-12-01

    ...サリドマイド・デキサメタゾン療法と自家末梢血幹細胞移植を行い,下肢筋力が僅かに改善した。神経遠位部より中間部に伝導速度の低下が目立ち,下肢にアクセントのある神経障害の合併はPOEMS症候群と他の脱髄性ニューロパチーとの鑑別に有用である。POEMS症候群を疑った場合は免疫固定電気泳動法によるM蛋白測定が必要である。</p>...

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  • 温度応答型生分解性インジェクタブルポリマーの細胞治療への展開

    大矢 裕一, 能﨑 優太 Drug Delivery System 38 (5), 356-364, 2023-11-25

    ...一方、遺伝的に改変された細胞や幹細胞そのものを、新しい医薬モダリティとして用いる治療法が台頭してきている。これまで治療の難しかった疾病を克服する方法として細胞治療が期待されている。本稿では筆者らが取り組んでいるIPを用いた細胞治療(心筋梗塞治療、がん免疫治療)に関して紹介する。...

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  • 再生医療製品の航空機搬送における放射線被ばくに関する検討

    青山 朋樹, 保田 浩志 RADIOISOTOPES 72 (3), 211-217, 2023-11-15

    ...<p>再生医療の活性化に伴い,幹細胞などの再生医療製品の国際搬送の必要性が高まっている。現状の国際搬送は航空機搬送が主体であるが,空港におけるセキュリティ検査のX線や宇宙放射線による被ばくの影響が懸念される。日本発着国際便による1回の輸送で宇宙放射線が細胞核にヒットする確率は高くはないが,細胞死や癌化といった問題だけでなく,幹細胞に求められる分化能に対する影響を否定することができない。...

    DOI Web Site 参考文献11件

  • カルシウム活性化カリウムチャネル阻害による抗がん薬耐性の克服

    大矢 進 日本薬理学雑誌 158 (6), 478-482, 2023-11-01

    ...重要な役割を果たしており,①細胞周期,遺伝子発現の制御,および②細胞分裂,細胞移動の制御に関与している.近年,イオンチャネル・トランスポーターのがんの発生・進行と悪性化への関与が注目され,各種K<sup>+</sup>チャネルもがん分子マーカーやがん治療標的分子として期待されている.3次元(3D)スフェロイド培養モデルは,がんの発生,転移,再燃,化学療法に対する耐性など,がんの悪性化の原因となるがん幹細胞...

    DOI Web Site 参考文献26件

  • 消化器がん幹細胞に発現するイオン輸送体の同定と新規標的治療の開発

    塩崎 敦, 工藤 道弘, 竹本 健一, 清水 浩紀, 小菅 敏幸, 大辻 英吾 日本薬理学雑誌 158 (6), 469-474, 2023-11-01

    ...<p>近年,イオン輸送体が細胞生命機能維持に重要な役割をもつことが報告され,がんの治療標的としても注目されている.一方,がん組織は幹細胞能力とがん形成能をあわせ持つ少数のがん幹細胞により形成・維持されることが解明され,がんの増大・転移・再発への関与が報告されている.我々は,がん幹細胞におけるイオンチャネルの特異的高発現を同定するため,種々の消化器がん細胞株からがん幹細胞を抽出培養後,遺伝子発現の網羅的解析...

    DOI Web Site 参考文献28件

  • 多能性幹細胞におけるグリコサミノグライカンの機能

    小倉 千佳, 西原 祥子 Trends in Glycoscience and Glycotechnology 35 (207), J78-J81, 2023-09-25

    ...</p><p>マウス/ヒトの多能性幹細胞は、身体の全ての細胞に分化することが可能であり、多くのシグナルや成長因子がその多能性維持と分化制御に機能している。我々や他の研究グループは、GAGがシグナル調節を介して多能性幹細胞の多能性および分化をコントロールすることを報告している。本稿では、これまでに明らかになった多能性幹細胞におけるGAGの機能について紹介する。</p>...

    DOI Web Site 参考文献43件

  • ミクログリアによる脳機能制御と病態時の変化

    和氣 弘明, 橋本 明香里, 加藤 大輔, 竹田 育子 日本薬理学雑誌 158 (5), 359-361, 2023-09-01

    ...<p>ミクログリアは中枢神経系唯一の免疫細胞である.これまで発達期及び成熟期において神経幹細胞の細胞死に関与することで,能動的に神経細胞の数を制御することが明らかにされている.さらに近年の光学技術を用いて,生体イメージングが可能となり,ミクログリアのシナプスに対する機能が明らかとなってきた.ミクログリアはシナプス活動を定期的にモニターし,脳梗塞などの障害時には異常な活動を示すシナプスを取り除く働きがある...

    DOI Web Site 参考文献20件

  • 採取バッグ中間サンプルCD34陽性細胞数を指標とした効率的な末梢血幹細胞採取

    板垣 浩行, 中塩屋 千絵, 今泉 満明, 吉川 千尋, 杉本 達哉, 豊﨑 誠子 日本輸血細胞治療学会誌 69 (4), 523-529, 2023-08-25

    ...<p>当院では末梢血幹細胞採取中に採取バッグ内CD34陽性細胞数(中間値)を1回測定し,以降同等の採取効率が得られると仮定し,目標CD34陽性細胞数を確保するための処理血液量を決定している.本研究は中間値による処理血液量決定が,適切な細胞採取と患者負担軽減に寄与しているかを検証した.対象は2019年1月から2020年12月までに実施した自家末梢血幹細胞採取75回で,中間値と採取後バッグ内CD34陽性細胞数...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献13件

  • 幹細胞からみた炎症性腸疾患の病態と治療

    岡本 隆一, 水谷 知裕, 清水 寛路 日本消化器病学会雑誌 120 (7), 562-570, 2023-07-10

    ...<p>炎症性腸疾患は消化管に原因不明の慢性炎症をきたす一方,同時に粘膜組織などの破壊・機能欠損が生じる.このため,治療の過程では破壊・損傷した粘膜組織を再生・修復し,正常な機能を回復することが重要であり,「粘膜治癒」を目標に掲げるT2Tの考え方に通じている.組織の再生・治癒の過程では当該組織に内在する幹細胞の機能が極めて重要な役割を果たす.このような観点から,炎症性腸疾患においても造血幹細胞・間葉系幹細胞...

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  • クロマチンアクセシビリティ解析による歯髄幹細胞分化における機能的転写因子/転写制御因子の探索

    鈴木 茂樹, 長谷川 龍, 佐藤 瞭子, 大道寺 美乃, 長﨑 果林, 根本 英二, 山田 聡 日本歯科保存学雑誌 66 (3), 179-191, 2023-06-30

    ...<p> 目的:局所クロマチンの「ゆるみ」によるクロマチンアクセシビリティの上昇は,転写複合体の結合を可能にすることで標的遺伝子発現を促すことから,エピジェネティクスな遺伝子発現調節機構の主体である.そこで本研究では,いまだ明らかになっていないヒト歯髄幹細胞(human dental pulp stem cells:hDPSC)の分化過程における全ゲノム的なクロマチンアクセシビリティの変化をATAC-seq...

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  • 日本赤十字社北海道さい帯血バンクにおける臍帯血提供者の増加を目指した普及啓発活動

    内藤 友紀, 秋野 光明, 清水 香織, 増子 和尚, 関本 達也, 生田 克哉, 紀野 修一 日本輸血細胞治療学会誌 69 (3), 484-490, 2023-06-26

    ...<p>非血縁者間造血幹細胞移植における臍帯血移植数は年々増加し,2020年は全体の約58%であった.一方,移植用臍帯血の公開登録数は低迷しており,原因として臍帯血バンクの認知度の低さが考えられる.我々は,産科医療機関,妊婦や子育て世代,一般市民の各々を対象とした普及啓発活動に取り組んだ.既に採取協力を得ている医療機関には定期訪問数を増して情報提供を強化し,未協力の産科施設には医師らと面談し新たに3施設...

    DOI Web Site 医中誌

  • 末梢血幹細胞採取にアフェレーシスナースが果たしている役割と人的支援のニーズに関するアンケート調査

    難波 寛子, 柴田 玲子, 吉田 琴恵, 池田 洋子, 國井 典子, 牧野 茂義, 武田 航, 小島 稔, 福田 隆浩, 上田 恭典, 日野 雅之 日本輸血細胞治療学会誌 69 (3), 464-469, 2023-06-26

    ...<p>学会認定・アフェレーシスナース(ApheNs)の末梢血幹細胞採取(PBSCH)への関与と,院外からの人的支援の必要性についてアンケート調査を行った.非血縁者間末梢血幹細胞採取認定施設に在籍しているApheNsの大多数がPBSCHに貢献していたが,7割弱の施設でApheNsが不在で,人的支援を希望する職種としてはApheNsが最多だった.人的支援の必要性は施設間で状況が異なることがわかった....

    DOI Web Site 医中誌

  • 脊髄再生医療に関する脊髄損傷者アンケート調査

    吉川 達也, 古澤 一成, 池田 篤志, 早田 美和, 岩井 泰俊, 田島 文博 The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 60 (6), 533-542, 2023-06-18

    ...18.2%であった.脊髄再生医療に対しておおいに関心があるが66.7%,おおいに期待しているが54.5%であった.37.4%が積極的に治療を受けてみたいと答えた.層別化した比較では65歳未満,家庭復帰前,重症例,頚髄損傷者で積極的に治療を受けたい割合が多かった.回復を期待する機能は多かった順に,歩行が45.5%,巧緻性が20.2%,排便障害が17.2%であった.再生医療の知名度は,iPS細胞,骨髄間葉系幹細胞...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献13件

  • COVID-19感染拡大期における不安を有する 同種造血幹細胞移植患者の身体機能

    小菅 友里加, 中橋 玲那, 橋田 直, 石川 淳, 田宮 大也 Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy 13 (1), 27-33, 2023-06-12

    ...<p>【目的】同種造血幹細胞移植(以下:移植)患者は身体機能低下が問題となる。新型コロナウィルス感染症(coronavirus disease 2019 : 以下,COVID-19)の感染拡大期において,感染に対する不安が大きいと活動時間が減少すると報告されているが,移植患者への関連は明らかになっていない。...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献4件

  • 急性放射線腸管障害の分子機構とその制御

    森田, 明典, 西山, 祐一, 坂井, 卓磨, 東, 優一 放射線生物研究 58 (2), 93-109, 2023-06

    ...高線量の放射線により腸組織が損傷を受けると腸上皮幹細胞の喪失を誘発するが、この過程はp53 によって制御される陰窩細胞死過程と炎症性の免疫応答による増悪過程の2 段階のプロセスからなることが明らかにされつつある。本総説では、それぞれの過程の分子機構について概説し、急性放射線腸管障害を効果的に制御する方法について考察する。...

    機関リポジトリ Web Site

  • 尿失禁手術で女性の健康長寿を目指す

    山本, 恭代, 高橋, 正幸, 金山, 博臣 西日本泌尿器科 85 (5), 277-283, 2023-06

    ...海外で認可されているシリコン粒子やポリアクリルアミドゲル,男性患者に承認がある自己皮下脂肪組織由来再生幹細胞の実用化が期待される。今後10年で尿失禁患者の治療の選択肢が増加し,さらに高齢女性の健康長寿に貢献できることを切に願っている。...

    機関リポジトリ

  • 培養自家脂肪組織由来幹細胞を用いたStep-CAL法による乳房切除術後の乳房再建に関する臨床研究

    辻 直子, 成田 圭吾, 波利井 清紀 日本形成外科学会会誌 43 (5), 245-254, 2023-05-20

    ...<p> 序論:脂肪由来幹細胞(ASCs)を付加した脂肪移植を複数回行う乳房再建術(Step-CAL)は,多量の脂肪が必要となるため適応範囲は狭かった。本研究では,培養自家ASCsを用いたStep-CALによる乳房再建の安全性と有効性を検討した。<br> 方法:乳房切除術後の5名の被験者を対象に単群非盲検試験を実施した。...

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  • 神経可塑性を調節する認知症治療薬開発

    福永 浩司 日本薬理学雑誌 158 (3), 218-222, 2023-05-01

    ...誘導は神経幹細胞の増殖と分化を促進した.これらの作用により,SAK3は抗うつ効果を示した.T型カルシウムチャネルサブタイプであるCav3.1欠損マウスでは海馬歯状回の神経幹細胞の増殖と分化が障害された.SAK3によるCaMKIIの活性化反応はADマウスで障害されるスパイン再生とタンパク質分解装置プロテアソーム活性低下を改善した.プロテアソーム活性の上昇は,ADマウスのアミロイドプラークサイズを縮小させる...

    DOI Web Site PubMed 参考文献40件

  • 試験管内精子形成の現状と可能性

    小川, 毅彦, Ogawa, Takehiko 横浜医学 74 (2), 79-83, 2023-04-30

    ...生殖細胞の基礎研究は過去30年間に飛躍的に進歩・発展してきた.また,生殖細胞を培養する技術,精子形成を誘導する培養方法などの技術面での進展も目覚ましい.マウスにおいては精巣組織片を培養して精子幹細胞から精子産生も可能となった.さらには,ES/iPS細胞から培養下において精子を作ることさえ可能になっている.しかしながら,これらの技術のヒトへの応用はこれからの課題である.本章では,試験管内精子形成という...

    機関リポジトリ 医中誌

  • 3.毛包の基礎知識と毛包幹細胞を用いた再生医療の可能性

    天羽 康之 日本皮膚科学会雑誌 133 (4), 649-655, 2023-04-20

    ...は毛隆起の上部,毛脂腺付着部付近の神経終末部に分布していて,休止期から成長期に移行するのにしたがって,新しい外毛根鞘を形成し,毛包幹細胞の一部は毛母に移動して新しい毛包を形成する.薬剤性脱毛症,円形脱毛症,萎縮性脱毛症の毛包幹細胞から考えられる病態の解明と,近年の毛包幹細胞を用いた毛包や神経,心筋の再生医療に向けた研究について説明する....

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  • 徐脈性不整脈に対する遺伝子・細胞治療の現在

    吉田 聡, 李 鍾國 心電図 43 (1), 19-25, 2023-04-04

    ...<p>徐脈性不整脈の治療は人工ペースメーカ植込みがゴールドスタンダードであるが,感染症や非生理的ペーシングによる心不全増悪などの合併症を引き起こすことがあるため,新規治療法開発が期待されている.徐脈性不整脈に対する遺伝子治療や細胞治療の研究は現在も進められており,イオンチャネルを制御することで作業心筋の自動能を上昇させ,ペースメーカ機能をもつ細胞へと変化させる方法や,幹細胞由来拍動細胞を左心室に移植...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献15件

  • 二次元ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの収縮運動における陽性階段現象の表出法の確立

    中瀨古(泉) 寛子, 千葉 浩輝, 佐塚 文乃, 後藤 愛, 布井 啓雄, 神林 隆一, 松本 明郎, 武井 義則, 諫田 泰成, 内藤 篤彦, 杉山 篤 心電図 43 (1), 5-18, 2023-04-04

    ...<p>ヒト人工多能性幹細胞由来心筋細胞(ヒトiPS細胞由来心筋細胞)の単純二次元細胞シートを多電極プローブ上に作成し,電気ペーシング下で電気生理学的指標を連続記録した状態で薬物を曝露すると,催不整脈リスクおよび抗不整脈作用を検出できる.また同細胞シートの電気刺激位置を工夫すると,生理的な陽性階段現象,すなわち「正の収縮速度-頻度関係」を表出でき,薬物による収縮弛緩運動の変化の評価系としても利用可能である...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献22件

  • オルガノイド培養の課題と展望

    松井 伸祐, 坂口 恒介, 岩槻 健 化学と生物 61 (4), 179-187, 2023-04-01

    ...<p>内胚葉の三次元幹細胞培養系であるオルガノイド培養系が開発され,これまで不可能であった消化管,肝臓,膵臓,味蕾細胞の培養が可能となった.このことで,消化器機能の基礎的理解が一気に進むと同時に,オルガノイドを使った応用研究にも注目が集まっている.本稿では,オルガノイド研究の歴史から現段階での課題とその解決法について論じる.また,オルガノイドが今後どのような分野での活用が期待されているかを,オルガノイド...

    DOI Web Site 参考文献21件

  • 野生動物におけるiPS細胞の樹立および生殖細胞の体外作製

    清水 弘大, 黒坂 哲 近畿大学先端技術総合研究所紀要 (28) 15-27, 2023-03-31

    ...本稿では、多能性幹細胞から生殖細胞を作製することが域外保全の発展に貢献する可能性があると考え、iPS細胞の樹立および生殖細胞の体外作製について、先行研究を体系的にまとめることにより、遺伝的多様性の低下・人工繁殖の難航化・生殖細胞の回収が困難であることへの解決策を提案することを目的とする。...

    DOI 機関リポジトリ Web Site

  • POHaDの観点からみる神経発達症発症リスク

    舘花 美沙子, 大隅 典子 DOHaD研究 11 (2), 52-62, 2023-03-31

    ...とくに、卵子と異なり、膨大な回数の細胞分裂を経て一つの幹細胞から多くの精子が産生される精子形成では、加齢によるゲノムの変異やエピゲノムの変化が起きやすいとも考えられる。...

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  • 再生医療を“当たりまえ”の医療にするために

    望月 真衣, 中原 貴 THE JOURNAL OF THE ACADEMY OF CLINICAL DENTISTRY 42 (3), 323-330, 2023-03-31

    ...<p><b>我が国の医療において,世界的に見ても先進的に取り組まれているのが再生医療である.一方,歯科医療では,従来の修復・補綴治療に比べると,再生医療は近寄りがたいワードである.興味はあるのに敬遠されてきた理由は,次々と開発される再生医療の急速な発展と,それをとりまく法律の整備であろう.歯学部を卒業した私は,8 年間の歯科臨床を経て,母校の大学院博士課程に進学した.そこで幹細胞に魅せられて基礎研究...

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  • 特定時期のにおい入力の有無が新生した細胞の生死を決定する

    菊田 周 におい・かおり環境学会誌 54 (2), 127-131, 2023-03-25

    ...を受けても新しく生まれた嗅細胞が,嗅覚機能を補うことができれば嗅覚はいずれ元に戻り,嗅上皮の恒常性は維持される.しかし,におい入力が新生嗅神経の分化・成熟にどのように影響を与え,嗅上皮の恒常性維持に関わるのかについては十分に解明されていなかった.成体マウスの嗅上皮を傷害したあとに新生する嗅細胞に着目すると,嗅細胞の分化・成熟過程はにおい入力に強く依存しているのが観察できる.嗅上皮は傷害を受けても,幹細胞...

    DOI Web Site 参考文献22件

  • 神経リンパ腫症で再発した中枢神経系原発悪性リンパ腫の1症例

    NISHIMURA Rie, KUMODE Mina, ABE Kazuki, IWASA Masaki, FUJISHIRO Aya, KANEKO Shunya, OGAWA Nobuhiro, YOSHIMURA Yayoi, FUKAMI Tadateru, MINAMIGUCHI Hitoshi, URUSHITANI Makoto, MURATA Makoto, 西村 理恵, 口分田 美奈, 阿部 和樹, 岩佐 磨佐紀, 藤城 綾, 金子 隼也, 小川 暢弘, 吉村 弥生, 深見 忠輝, 南口 仁志, 漆谷 真, 村田 誠 滋賀医科大学雑誌 36 (1), 48-51, 2023-03-15

    ...中枢神経系原発悪性リンパ腫の再発としての末梢神経の神経リンパ腫症ついては確立された治療法はないことを考えると本症例はR-MVP療法とそれに続くBU/TT併用自己末梢血幹細胞移植の有用性を示唆するものである。...

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • COVID-19パンデミック第一波での診療制限が輸血製剤使用量に与えた影響

    藤野 恵子, 山口 恭子, 榎本 麻里, 堀田 多恵子, 平安山 知子, 國﨑 祐哉, 赤司 浩一 日本輸血細胞治療学会誌 69 (1), 20-26, 2023-02-25

    ...</p><p>当院全体の手術実施件数は診療制限期間に著減したが,その多くは同種血使用量の少ない診療科であった.延期または中止となった手術には貯血式自己血採取後の症例も多く,期限切れによる廃棄量が増加した.一方で当院における同種血使用量の多くを占めている心臓外科手術の件数に変動はなく,同種血使用量の減少は限定的であった.制限解除後には特に造血幹細胞移植に関連した赤血球・血小板製剤の使用量が著増し,制限前...

    DOI Web Site 医中誌

  • リツキシマブ投与下の生体腎移植後にPassenger Lymphocyte Syndromeを発症した1例

    祖父江 晃基, 奥田 誠, 栗林 智子, 日高 陽子, 遊佐 貴司, 藤原 ゆり, 石橋 瑞樹, 齋藤 光平, 鈴木 大夢, 岸 まい子, 佐瀬 千佳, 大野 眞由子, 樋口 絵莉香, 村松 真樹, 高橋 浩之, 酒井 謙, 塩野 則次 日本輸血細胞治療学会誌 69 (1), 15-19, 2023-02-25

    ...<p>Passenger lymphocyte syndrome(PLS)は造血幹細胞移植や臓器移植のあとに溶血性貧血の症状を呈する状態のことである.その発症機序は,移植によってドナー由来抗体産生細胞が移入され,増殖し抗体を産生することで溶血が起こる....

    DOI Web Site 医中誌 参考文献11件

  • タンパク質の翻訳後修飾を応用した骨再生療法の開発

    星川 聖良 小児歯科学雑誌 61 (1), 1-9, 2023-02-25

    ...</p><p>4. p38選択的阻害剤処理細胞,<i>Fbw7</i>ノックダウン間葉系幹細胞,<i>Fbw7</i>ノックアウトマウス由来骨芽前駆細胞において,Osxタンパク質の蓄積と細胞分化亢進が生じる。</p><p>5. <i>Osx</i>ノックアウト細胞でp38リン酸化部位不活化Osx変異体を発現させた場合,野生型Osxと比較し,有意な骨芽細胞分化亢進が生じる。...

    DOI 医中誌

  • 中耳真珠腫の発症機序に関する考察

    福田 智美, 穐山 直太郎, 小島 博己 耳鼻咽喉科展望 66 (1), 11-16, 2023-02-15

    ...<p>1829年にCruveilkierから中耳真珠腫が報告されて以来,約200年間にわたる長い間,病因論に関する研究がなされてきた.これまでにわれわれは,現在広く支持されている内陥基底細胞乳頭状増殖説に関する詳細な分子機構の解明を行ってきた.中耳真珠腫の構成細胞として,新しく上皮幹細胞/前駆細胞と神経堤由来細胞が同定された.中耳真珠腫発症起点と考えられている鼓膜弛緩部陥凹について,①中耳陰圧により...

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  • 成人T細胞白血病・リンパ腫の診療

    石塚 賢治 日本内科学会雑誌 112 (1), 89-93, 2023-01-10

    ...成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)により起こされる末梢性T細胞腫瘍である.indolent ATLとaggressive ATLに分類され,標準治療はindolent ATLに対してはaggressive ATLになるまで無治療経過観察,aggressive ATLに対しては多剤併用化学療法,臓器機能が良好な65歳~70歳以下の症例ではさらに同種造血幹細胞移植...

    DOI Web Site 参考文献9件

  • ヒトiPS細胞から誘導したミクログリアおよび脳領域特異的神経細胞を用いた神経変性疾患の再現

    西村 周泰, 高田 和幸 日本薬理学雑誌 158 (1), 52-56, 2023

    ...<p>神経変性を伴う脳疾患は一度発症すると治療することが困難であることから,超高齢社会に突入した日本社会にとっては神経変性の予防法および根治治療法の確立は患者本人のQOL向上や介助に携わる患者家族および医療従事者の負担軽減の観点からも喫緊の課題となっている.ヒト多能性幹細胞(iPS細胞)の登場は,このヒト特有の神経変性疾患の病態の理解,その理解に基づく予防・治療戦略の開発に大きな貢献を果たしている....

    DOI Web Site 参考文献24件

  • 異分野融合が切り拓く脳オルガノイド生物学

    小寺 知輝, 小坂田 文隆 日本薬理学雑誌 158 (1), 64-70, 2023

    ...の一部を模倣することができるため,より高度なin vitroのモデルとして利用可能である.しかし,その複雑さゆえに従来の幹細胞生物学の解析手法だけでは,オルガノイドの性能を十分に評価することができないという課題にも直面している.近年,幹細胞生物学に加えて様々な研究分野と融合することにより,従来よりもはるかに多様かつ複雑な生命現象をオルガノイドを用いて解き明かすことが可能になりつつある.本稿では主に脳...

    DOI Web Site 参考文献35件

  • 同種造血幹細胞移植後キメリズム解析の意義と解析法

    池田 和彦 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 12 (1), 1-11, 2023

    ...<p> 同種造血幹細胞移植後のキメリズム解析は生着の確認,移植後再発や生着不全などの診断に必須である。レシピエントキメリズムの増加傾向を認める例では,移植片拒絶による生着不全や再発に備え,再移植やドナーリンパ球輸注を検討する。一方,完全ドナー型キメラにもかかわらず血球回復が不十分な場合には移植片機能低下が示唆される。...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献64件

  • 栄養パスを用いた造血幹細胞移植の生着における栄養介入の実際

    青山 高 日本栄養士会雑誌 66 (3), 139-147, 2023

    ...<p>本研究では、栄養パスを用いた造血幹細胞移植(Hematopoietic Stem Cell Transplantation;HSCT)の生着における関連因子を調査し、栄養介入の意義を探索した。静岡県立静岡がんセンター血液・幹細胞移植科において2019年1月から9月までにHSCTを受け(移植日:Day0)栄養パスを適用した症例を対象とした。...

    DOI 医中誌

  • 難治性食道狭窄を来した同種造血幹細胞移植後の食道粘膜類天疱瘡

    藤田 菜々子, 山下 鷹也, 阿部 史人, 奈良 美保, 吉岡 智子, 古賀 浩嗣, 石井 文人, 高橋 直人 臨床血液 64 (2), 107-112, 2023

    <p>40代女性。AML再発に対し血縁者間HLA半合致移植を施行。移植後day59に食道狭窄症を発症した。GVHDと診断し免疫抑制療法中は定期的な食道拡張術で安定していたが,AML再々発に伴い免疫抑制剤を中止すると食道狭窄の増悪を認めた。食道粘膜は易出血性・易剥離性であり,生検組織で剥脱した重層扁平上皮と上皮下の肉芽組織との離開を認めた。蛍光抗体直接法で基底膜部へのIgGとIgAの線状沈着を認め…

    DOI Web Site 医中誌

  • 高齢者に対する造血幹細胞移植の適応の判断におけるG8 screening toolの有効性の検証

    松尾 弥生, 内海 紗江, 吉野 明久, 嶋川 卓史, 南 満理子, 林 正康, 栗山 拓郎, 衛藤 徹也 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 12 (2), 110-116, 2023

    ...2011年1月から2021年12月に初回の同種幹細胞移植を受けた65歳以上の54例を対象とし,G8 screening Toolのスコアと退院時の生死との関連性を検討した。スコアは生存退院群と死亡退院群の間で有意差を認めた。また,ROC曲線から得られたcut off値10.0以上の群,未満の群で検討したところ,生存率に有意差を認めた。...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献14件

  • 造血細胞移植後二次がんへの対策

    稲本 賢弘 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 12 (2), 103-109, 2023

    <p> 造血細胞移植後晩期障害の中でも二次がんは頻度が多く,生命予後に影響するため早期発見が重要である。移植後二次がんは,移植後リンパ増殖性疾患,移植後骨髄系腫瘍,固形がんに分類される。リンパ増殖性疾患は移植後1年以内の発症が多く,発症割合は自家移植後0.1%,同種移植後0.8%で,発症リスク因子はT細胞除去,再生不良性貧血,非血縁ドナー,HLA不一致,臍帯血である。骨髄系腫瘍は移植後数年以内の…

    DOI Web Site 医中誌 参考文献23件

  • 胚性幹細胞を用いた細胞分化レベルによる各種歯科生体材料の生物学的研究

    今井 弘一 日本再生歯科医学会誌 21 (1), 11-22, 2023

    <p>再生医療は病気やけがなどの様々な原因で失った組織や臓器を再生する医療で損傷を受けた臓器または組織を正常な状態に様々な再生テクニックを使用して元の機能に戻す目的がある.生体組織工学の考え方は20世紀に登場してからすでに数十年が経過しました.臓器または組織を再生させるための必要な因子として, 細胞, …

    DOI 医中誌

  • 好酸球増多と器質化肺炎を呈したder(1;7)(q10;p10)を伴う骨髄異形成症候群

    小村 綾, 廻 勇輔, 松原 千哲, 藤原 英晃, 湯川 椋也, 林野 健太, 中村 真, 吉田 親正, 山本 和彦, 松岡 賢市, 藤井 伸治, 前田 嘉信, 今城 健二 臨床血液 64 (7), 619-625, 2023

    ...一時的に好酸球増多やOPは制御できたが,骨髄芽球数や末梢血WT1-mRNA値は増加に転じ,娘をドナーとしてHLA半合致末梢血幹細胞移植を施行した。der(1;7)(q10;p10)は,-7/7q-といった予後不良群と比較し生存期間が長いとされる一方で,多彩な合併症が致命的になると報告されている。...

    DOI Web Site PubMed ほか1件

  • 遺伝性血栓症の病態解析―Bedside to Bench―

    森下 英理子 日本血栓止血学会誌 34 (4), 468-479, 2023

    ...,組織因子(TF)ならびにPAI-1が著増すること,さらに欠損患者由来LCLにHO-1遺伝子を導入するとその増加が抑制されること,②ヘムの分解産物であるCOは細胞傷害性ストレス刺激に対して単球や血管内皮細胞上でTFやPAI-1発現を抑制,TM発現を増加させ,それはMAPキナーゼ系を介することなどを示し,HO-1の新たな機能として抗血栓性作用を提唱した.さらに,日本骨髄バンクの協力を得て非血縁者造血幹細胞移植...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献54件

  • 血小板創製技術に基づく再生医療等製品の開発:間葉系幹細胞株から血小板産生の基礎・医療応用への取り組み

    松原 由美子 日本血栓止血学会誌 34 (4), 430-435, 2023

    ...<p>血小板の有効性を活かした治療である血小板輸血,組織修復それぞれの課題の箇所の解決に向けて,他家(同種)再生医療等製品としての開発を進めている.皮下脂肪組織に含まれる間葉系幹細胞から血小板が産生される事象のメカニズム解明を行ったところ,間葉系幹細胞は巨核球・血小板の分化決定因子である転写因子p45NF-E2,血小板分化に重要なサイトカインであるトロンボポエチンを内在し,血小板分化誘導刺激(トランスフェリン...

    DOI Web Site 参考文献5件

  • 同種造血幹細胞移植の血縁ドナー選定における倫理的ジレンマ

    浅野 悠佳, 福島 伯泰, 枝廣 太郎, 土石川 佳世, 大澤 彰裕, 三島 華歩, 八木 恵子, 一戸 辰夫 臨床倫理 11 (0), 79-86, 2023

    ...<p> 同種造血幹細胞移植はドナーの存在が前提の治療行為であり,常に倫理的ジレンマを伴う。悪性リンパ腫のため造血幹細胞移植が必要となった患者の妹がドナー候補となったが,出産後1年未満のため,関連学術団体が定める血縁造血幹細胞ドナー傷害保険加入適格基準を満たさず,HLA検査は行わなかった。患者はさい帯血移植を行い,生着後に退院したが再発した。...

    DOI

  • 骨髄球系造血の制御機構と疾患

    平位 秀世 臨床血液 64 (9), 853-860, 2023

    ...<p>生体防御に関わる好中球に代表される顆粒球や,単球のような単核貪食細胞を産み出す骨髄球系造血では,造血幹細胞および前駆細胞における増殖や分化が高度に制御されており,定常状態のみならず,微生物感染や組織損傷による炎症惹起時にも,需要に応じた適正な細胞供給が行われる。...

    DOI Web Site PubMed ほか1件

  • 骨髄不全の免疫病態

    細川 晃平 臨床血液 64 (9), 908-915, 2023

    ...AAは,汎血球減少と骨髄低形成を特徴とするが,その多くが細胞傷害性T細胞を主体とした自己免疫的な機序によって造血幹細胞が傷害される結果発症する。AAにおけるゲノム異常はMDSや健常人における加齢に伴うクローン性造血とは明らかに異なっている。特に,PNH形質の血球や,HLAクラスIアレル欠失血球の存在は,自己免疫から免れた造血幹細胞が造血を支持していることを示している。...

    DOI PubMed

  • 同種造血幹細胞移植を実施しない地方病院における,移植後の長期フォローアップ

    相庭 昌之, 重松 明男, 鈴木 陶磨, 宮城島 拓人 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 12 (4), 268-273, 2023

    ...<p> 当院が位置する北海道道東地域では同種造血幹細胞移植(以下,同種移植)を実施していないため,同種移植を他院へ依頼する。移植後フォローアップ(以下,LTFU)は当院で行う症例が多いが,非同種移植施設におけるLTFUのデータは存在しない。2015年から2022年の間に他院で同種移植を受け,当院のLTFU外来でフォローしている症例を後方視的に解析した。症例は48例で,年齢の中央値は48歳だった。...

    DOI Web Site 参考文献9件

  • 造血幹細胞移植における腸内細菌叢の重要性

    荒 隆英, 橋本 大吾 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 12 (4), 228-238, 2023

    ...本稿では,造血幹細胞移植後の,腸内細菌叢の変化が移植成績に及ぼす影響に関する知見をまとめ,造血幹細胞移植における腸内細菌叢の役割と意義および今後の展望について考察する。</p>...

    DOI Web Site 参考文献75件

  • 移植適応多発性骨髄腫の治療戦略

    塚田 信弘 臨床血液 64 (9), 1066-1073, 2023

    ...Bortezomib,lenalidomideを含む3剤併用の寛解導入療法が主流となっている現在においても,up-frontの自家末梢血幹細胞移植併用大量melphalan療法(HDM/ASCT)が無増悪生存期間(PFS)の延長に寄与することが複数の臨床試験で示されており,維持療法の継続によりPFSは5年を超える時代となった。...

    DOI PubMed

  • 同種造血幹細胞移植におけるHLA不適合の臨床的意義

    諫田 淳也 臨床血液 64 (9), 1158-1165, 2023

    <p>臍帯血移植に加えて,抗胸腺細胞グロブリンや移植後のcyclophosphamide投与によるGVHD予防法の開発・改良によりHLA不適合移植件数が急速に増加している。HLA適合度と移植成績の関連に関しては,移植ソース毎に異なるため,HLA不適合の意義に関して解釈に注意が必要である。さらに,評価する遺伝子座,適合レベル(抗原・アレル),不適合方向(移植片対宿主方向や宿主対移植片方向),不適合…

    DOI Web Site PubMed ほか1件

  • <i>EVI1</i>再構成を伴う骨髄性腫瘍における<i>SF3B1</i>変異合併の意義

    田中 淳 臨床血液 64 (10), 1258-1265, 2023

    ...このアイソフォームは野生型EVI1と比較してマウス造血幹細胞の自己複製能を有意に亢進させた。また,この異常スプライシングの誘導に必要な分枝部位およびシスエレメントも併せて同定した。これらの結果は予後不良な<i>EVI1</i>再構成を伴うAMLの分子機構をより詳細に解明し治療応用へ繋げる為の基盤を築くものであると考える。</p>...

    DOI PubMed

  • 成人B細胞性急性リンパ芽球性白血病に対するCAR-T療法

    後藤 秀樹 臨床血液 64 (11), 1432-1439, 2023

    ...新規薬剤(blinatumomab,inotuzumab ozogamicin等)による治療や同種造血幹細胞移植が行われるも,依然として再発・難治例の予後は不良である。近年,CD19を標的とするキメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptor T-cell, CAR-T)療法が,再発・難治性のB-ALLの治療法として有望視されている。...

    DOI PubMed

  • GCaMP発現型マイクロファイバ状組織を用いたiPS由来心筋組織の成熟度のリアルタイム評価

    益田 緋里, 板井 駿, 倉科 佑太, 遠山 周吾, 尾上 弘晃 生体医工学 Annual61 (Abstract), 247_1-247_1, 2023

    ...<p>心疾患は世界の死因の大部分を占め健康寿命の短縮にも大きく寄与している.医学の進歩により一定の治療は達成されているものの未だ根治は難しく,新たな治療法の確立が必須である.そこで近年,ヒト多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた心臓モデルが,動物実験よりも有用な薬剤評価デバイスとして期待されている.このiPS細胞由来組織の実用化にあたり不可欠な要素が,心筋組織の成熟化及び成熟度の評価である.心臓の電気伝導...

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  • Ex-vivo腎臓再生に向けた間葉系幹細胞移植法の検討

    石坂 優太 生体医工学 Annual61 (Abstract), 253_1-253_1, 2023

    ...<p>再生医工学分野において、幹細胞移植を用いた生体組織の機能を再生させる試みが行われている。一方で、臓器移植の際の臓器保存を目的に、灌流装置を用いて臓器を灌流しながら保存する手法が普及を始めている。我々はこれらの技術を発展させ、Ex-vivo腎臓再生を目指して研究を進めている。今回、Ex-vivo腎臓再生の方策として幹細胞移植に着目し、その基礎検討を行った。...

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  • マウス血液中ヒト間葉系幹細胞検出方法の比較

    鈴木 慶幸, 八代 百合子, 梶川 祥子, 池田 元太, 中野 勝光, 橘田 久美子, 小松 弘幸, 金納 明宏 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P2-130-, 2023

    <p>Many regenerative medical products (human cell/tissue-based products) are recently under development, and non-clinical safety studies for regenerative therapies are requested.</p><p>Especially, a …

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  • 犬の正常膀胱オルガノイドを用いた新規化学発がんモデルの作製

    長嶌 優子, Ting-Wei YU, 山本 晴, 臼井 達哉, 佐々木 一昭 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P1-111S-, 2023

    ...当研究室ではこれまでに膀胱がん罹患犬の尿に含まれるがん幹細胞かイヌ膀胱がんオルガノイドの培養法を確立している。さらに、健常犬から非侵襲的に採取した膀胱粘膜細胞からもイヌ正常膀胱オルガノイドの作製に成功している。...

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  • NOGマウスにおける最低腫瘍形成用量の検討

    飯田 真志, 押方 孝文, 樋口 剛史, 菅野 剛 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P2-131-, 2023

    ...</p><p>【方法】ヒト間葉系幹細胞に対し、HeLa細胞及び未分化iPS細胞がそれぞれ0.0001%、0.001%、0.01%の割合で混在するようにスパイクし、各細胞3用量をNOGマウスに皮下投与した。未分化iPS細胞は、マトリゲル及びROCK(Rho-associated coiled-coil containing kinase)阻害剤を混合して投与した。...

    DOI

  • ヒト胎盤由来栄養膜幹細胞や絨毛外性栄養膜細胞株を利用したカドミウムの胎盤毒性評価

    木村 朋紀 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), S30-2-, 2023

    ...栄養膜幹細胞 CT27 細胞において、各種分化マーカーの発現をqPCR により評価することでカドミウム曝露の胎盤形成への影響を調べたところ、合胞体化に対して、カドミウムは阻害作用を示すことが明らかとなった。ただし、その合胞体化阻害には 数 μM 程度が必要であった。一方、EVT 様細胞への分化は、数百 nMで阻害された。...

    DOI

  • 動物の体内でのヒト臓器の作製

    中内 啓光 移植 58 (Supplement), s104_2-s104_2, 2023

    <p>昨年はじめに報告されたブタ心臓の心不全患者への移植は世界的に大きなインパクトを与えた。ゲノム編集技術の進歩により、大型動物でも遺伝子組み換えが容易に行えるようになり、抗原性の高い異種分子を除いたり、免疫系による攻撃を防ぐ分子を導入することにより、これまでより遥かに拒絶反応を受けにくいブタを開発し、その臓器を移植したのである。こういった遺伝子改変したブタの臓器を移植に使う試みは異種移植と呼ば…

    DOI

  • 先天性角化不全症に対して生体肺移植を施行した1例

    小林 萌, 大角 明宏, 小川 絵里, 岡本 竜弥, 小池 隆志, 高橋 守, 田中 里奈, 豊 洋次郎, 中島 大輔, 濱路 政嗣, 伊達 洋至 移植 58 (Supplement), s297_2-s297_2, 2023

    ...<p>先天性角化不全症(Dyskeratosis congentia: DKC)はテロメア長の維持機能の障害を背景とする稀な先天性造血不全症候群である.ほとんどの症例で造血不全を来し,造血幹細胞移植が必要となる.肺には時に肺線維症や肺動静脈瘻を伴う.症例は前医でDKCと診断され,6歳時に再生不良性貧血に対して非血縁者間骨髄移植を施行された.13歳時より労作時呼吸困難が出現し,肺の線維化,拘束性換気障害...

    DOI 医中誌

  • オルガノイドを用いた呼吸器疾患研究の最前線

    出口 清香, 高山 和雄 日本薬理学雑誌 158 (1), 71-76, 2023

    ...機能を担うことから,その機能低下を招く重篤な呼吸器疾患は致死的であることが多い.重篤な呼吸器疾患を治療するため,様々な呼吸器モデルを用いて,その病態解明および創薬研究が進められている.呼吸器モデルのなかでも呼吸器オルガノイド(気道オルガノイドや肺胞オルガノイドなど)は生体に近い機能を有するモデルとして期待を集めている.呼吸器オルガノイドは自己複製能を有する三次元の呼吸器様構造物である.また,多能性幹細胞...

    DOI Web Site 参考文献27件

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