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検索結果 31,229 件

  • 高齢脊椎椎体骨折患者における早期退院の可否とサルコペニア疑いの関連について

    渡邊 一也, 浅山 美穂, 和多田 美紅, 將基面 恵介, 小川 浩一, 多田 建智 理学療法やまぐち 2 (1), 36-42, 2024-03-15

    <p>【目的】 脊椎椎体骨折患者における回復期リハ病棟早期退院の可否に,入院時のサルコペニア疑いが関連するかを明らかにすることである。</p><p>【方法】 研究デザインは横断研究。急性期病院から回復期リハ病棟にリハビリ継続目的に入院した65歳以上の患者とした。回復期在院日数の中央値未満以上で群間比較を行った。アウトカムはAWGS2019に準じたサルコペニア疑いの有無であった。</p><p>【結…

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  • 産業精神保健領域におけるアジリティ:

    渡辺 洋一郎, 芦原 睦, 山本 晴義, 橋本 和明, 高野 知樹 産業精神保健 32 (1), 127-130, 2024-02-20

    <p>新型コロナウイルス感染症が契機となり,オンライン面接などITを利用したコミュニケーションが一般化した.さらにAIの発達にともない,チャットGTPなどの活用が飛躍的に発展している.産業精神保健の場においてこれら新たなツールの有用性と課題について経験の深い演者の講演を基に議論した.オンラインの方が話しやすい者,AI相手の方が相談しやすい者も少なくないと思われ,今後は産業医側の視点のみではなく対…

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  • 減量・代謝改善手術候補者における肥満および食行動と抑うつ・不安の関連

    會田 友里佳, 林 果林, 端 こず恵, 中嶋 希和, 松崎 淳人, 齋木 厚人, 桂川 修一 心身医学 64 (3), 264-273, 2024

    <p>近年肥満症は内科治療に加え,外科治療も盛んになりつつあるが,患者のストレス低減を担っていた情動的摂食を阻害する可能性もあり,減量・代謝改善手術前には心理社会面の評価が重要といわれている.当院では肥満症の多職種チームにメンタルヘルスの専門家も加わり,術前に心理社会的評価および心理テストを行い,なぜ高度肥満症に至ったのかの多因子をなるべく明らかにする視点をもちながら,本人の認知行動や能力上の傾…

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  • 摂食障害の治療Pearls and Pitfalls

    鈴木(堀田) 眞理 心身医学 64 (3), 225-231, 2024

    <p>神経性やせ症の診療での工夫と注意点を概説する.疾病教育は問診から始まっている.臨床検査の第一の目的は器質的疾患の除外である.プライマリケアでは内科的緊急入院の必要性と労作制限を判断する.ホルモンや骨密度など異常を出せる検査をして,心理教育に反映させる.低血糖性昏睡は予防が重要で,排出行為に伴う低カリウム血症の治療は水と食塩による脱水の改善である.低身長の予防は低体重期間の短縮で,低体重のま…

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  • 少量のFluvoxamineと外来面接が奏効した,思春期口臭恐怖症の1例

    髙尾 千紘, 竹之下 美穂, 渡邉 素子, 前田 智寿古, 富永 梨沙, 木村 康之, 豊福 明 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 26-33, 2024

    Halitophobia is a persistent preoccupation with the conviction of bad breath although it is not perceptible to others in reality. We report a case of adolescent halitophobia that was successfully …

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  • 高脂肪食負荷肥満誘発における脳内食報酬系ドパミン神経のレプチンとドパミンの相互作用

    小山 進, 山脇 洋輔, 安川 圭司 心身医学 64 (1), 53-59, 2024

    <p><b>背景</b>:われわれの先行研究は,腹側被蓋野(VTA)ドパミン神経のレプチン応答の有無や高脂肪食飼育時のドパミンを介した神経興奮性の促進を明らかにした.高脂肪食飼育マウスは易肥満(Ob-P)群と肥満抵抗(Ob-R)群に分かれることが知られている.本研究では,Ob-PマウスではOb-Rマウスに比べて,レプチン/ドパミン作用を介してVTAドパミン神経の興奮性が高まるのではないかという仮…

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  • 鍵盤ハーモニカの呼吸リハビリテーションへの活用の可能性

    萩原 綾香, 小林 如乃, 仲保 徹 心身医学 64 (2), 141-151, 2024

    <p>鍵盤ハーモニカ演奏前後の患者の気分に対する主観的指標の側面を,医学的に効果が実証されているスレッショルドとの比較により検討した.呼吸状態が安定している慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者17名を対象とし,鍵盤ハーモニカ群(8名)と,スレッショルド群(9名)に無作為に割付を行った.約15分間の呼吸練習を実施し,その前後に気分の測定としてProfile of Mood States 2nd …

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  • 皮膚科でできる交流分析

    堀 仁子 心身医学 64 (2), 125-130, 2024

    ...<p>皮膚症状を見るだけではなく,患者の抱える心理・社会的背景および患者特性を全人的に診る診療法を皮膚科心身医学的アプローチという.かゆみや慢性の経過,露出部の皮疹など皮膚疾患が心理面に与える影響もあわせて診療する姿勢が必要である....

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  • 不登校の実情と対応

    藤田 光江 心身医学 64 (2), 113-118, 2024

    <p>不登校は近年,小児・思春期の子どものみならずわが国の社会全体において大きな問題になっている.文部科学省によると,不登校とは児童生徒が1年間に30日以上欠席することをいい,「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しない,あるいはしたくともできない状況にあること(ただし,病気や経済的な理由によるものを除く)」と定義している.2021年の統計によると,小中…

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  • 皮膚科診療における傾聴

    檜垣 祐子 心身医学 64 (2), 120-124, 2024

    ...<p>心身医学の臨床では傾聴が医療者に求められる態度の基礎となっている.これは共感的,受容的に話し手に耳を傾け,聞き手自身に無理がないという態度である.受容と共感は,医療の現場で特に重視され,診療科によらず共通の主題である.</p><p>皮膚科診療においては,視診や触診が重要であるため,傾聴しつつ並行して診察,検査,治療を行うことになる.そのため,受容・共感的診療には多少の工夫が必要である....

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  • 身体運動が若年成人女性の熱放散と睡眠に与える効果

    伏見 もも, 飯島 竜星, 木山 水月, 久保川 媛加, 菅原 このみ, 高倉 麻里子, 野口 史織, 金野 倫子, 有竹(岡田) 清夏 女性心身医学 28 (3), 337-348, 2024

    <p>【目的】女性の月経周期に伴う体温リズムは睡眠と密接に関連しており,黄体期では眠気が強い一方,睡眠の質が低下することが報告されている.月経周期に伴う睡眠障害は,女性が社会生活を送る上での大きな問題である.本研究では,身体運動による熱放散の促進に着目し,女性の卵胞期・黄体期における熱放散と睡眠構造の生理的特性の検討とともに,身体運動による体温,熱放散,夜間睡眠,主観的評価への効果を検証した.本…

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  • 心身相関におけるポリヴェーガル理論の意義

    津田 真人 心身医学 64 (3), 232-238, 2024

    <p>心身相関を,脳の中枢と身体の末梢の双方向的な相互関係と捉え直すなら,その媒介変数として,自律神経系の働きの意義が改めて注目される.その観点から,心臓の精神生理学的研究を通して,自律神経系の新たな見方を提示したのが「ポリヴェーガル理論」である.迷走神経の遠心路が,哺乳類以降2分される解剖学的事実に基づき,自律神経系を背側迷走神経複合体/交感神経系/腹側迷走神経複合体の3段階で把握することで,…

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  • 訴訟の場に顕れる摂食障害の倫理的課題

    桑原 博道, 福田 梨沙 心身医学 64 (3), 253-263, 2024

    <p>摂食障害の倫理的課題が民事訴訟,刑事訴訟の場に顕れることがある.</p><p>民事訴訟の場では,摂食障害のある入院患者に身体拘束を行った場合に,損害賠償請求訴訟が提起され,損害の公平な分担として,身体拘束の違法性が問題となる.この点,身体拘束の必要性に対する判断においては,医療者の裁量が認められている.</p><p>他方,刑事訴訟の場では,摂食障害の患者が万引きをした場合に,刑罰を加えるこ…

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  • 唾液腺の外科的治療を頑固に求めた摂食障害の1例

    武井 雄介, 楠川 仁悟, 中村 芳明, 高向 和宜 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 15-19, 2024

    Extreme weight gain and loss due to anorexia, overeating, vomiting, etc. are symptoms of eating disorders and are often reported to be accompanied by swollen salivary glands as well as strong …

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  • 非定型歯痛に対する漢方薬の有効性に関する研究

    新井 絵理, 横山 亜矢子, 尾崎 公哉, 渡邊 裕, 山崎 裕 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 8-14, 2024

    Atypical odontalgia (AO), which is toothache with no identifiable cause, is a psychosomatic disorder almost as common as burning mouth syndrome and oral dysesthesia. Antidepressants such as …

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  • 皮膚科心身医療に活かす自律訓練法

    山北 高志, 芦原 睦 心身医学 64 (2), 131-136, 2024

    ...心理療法である.ATは交流分析および認知行動療法とともに心療内科における治療の三本柱の1つとして発展してきた.その特徴は自分で「公式」を繰り返すことで全身の緊張を解き,自分自身でリラックスした心身の状態を得て,健康の回復,維持,増進を目指すセルフコントロールを行うことである.元来,神経症や心身症の治療法として用いられてきたものであり,心療内科領域ではさまざまな疾患に用いられている.本法は体系化されている心身医学療法...

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  • 食欲とオレキシン

    田川 菜月, 船戸 弘正 心身医学 64 (3), 239-245, 2024

    <p>視床下部外側野のニューロンが産生する神経ペプチドであるオレキシンは,摂食行動を促進するペプチドとして同定されたが,その後の研究により睡眠覚醒制御において必須の役割を果たしていることが明らかになった.また,摂食に関しては基礎的な摂食行動よりも報酬価の高い食事への嗜好に関与していることや,摂食行動を含めたエネルギー出納のバランスが肥満側に偏らないように作用していることが明らかになっている.本稿…

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  • 歯科心身医療の概念

    Acharya Nisha, Paudel Durga, Giri Sarita, Acharya Sayana, Kafle Dashrath, 宇都宮 雅史, 松岡 紘史, 森谷 満, 豊福 明, 安彦 善裕 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 1-7, 2024

    医学的に説明困難な口腔症状が発現しているものの多くは「歯科心身症」と呼ばれ,背景には,患者の心理的や感情的な問題が関与していることが多い. <br>日本では歯科心身症は広く知られているが,ネパールでの認知度は未だ低い.全世界的に,年々歯科心身症に関する関心が高まり論文の発表が増えていることから,ネパールでも歯科心身症に関する認知度を高める必要がある.本総説では,特に口腔灼熱症候群,咬合違和感症候…

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  • 皮膚科における行動療法

    羽白 誠 心身医学 64 (2), 137-140, 2024

    <p>行動療法は不適切な行動を心理的操作によって修正する精神療法である.方法としては,段階的曝露法,セルフモニタリング法,ハビットリバーサル法,オペラント条件づけ,フラッディング法,苦行療法などがある.皮膚科において不適切な行動として問題となるのは,アトピー性皮膚炎をはじめとする痒みに対する過剰な搔破行動が最も多いと思われる.そのほかとして抜毛症や爪咬み,皮膚むしり症などがある.また人前に出ると…

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  • 薬物使用のトリガーとしての月経前症状を持つ女性の特徴

    喜多村 真紀, 嶋根 卓也, 高橋 哲, 小林 美智子, 大伴 真理惠, 鈴木 愛弓, 松本 俊彦 女性心身医学 28 (3), 349-356, 2024

    <p>本研究の目的は,月経前症状が薬物使用のトリガーとなった経験を持つ女性の特徴について検討することであった.2017年,法務省法務総合研究所は,全国の刑事施設(医療刑務所および拘置支所を除く78庁)にて受刑中の覚醒剤事犯者を対象に「薬物事犯者に関する研究」を実施した.本研究では,この研究データの二次分析を行った.本研究は国立精神・神経医療研究センターの倫理審査の承認を得たうえ実施した.分析対象…

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  • 心身症の新しい概念と医療システムにとってのその意義

    訳 河合 啓介 心身医学 64 (3), 216-224, 2024

    ...<p>日本心身医学会に属する多くの医師たちは,異なる診療科(内科,婦人科,歯科,麻酔科)での心身症患者をどのように適切に診断し,それぞれの患者に必要なさまざまな治療対応をどのように決定するかについて疑問をもっています.また,個々の診療科がそれぞれのパーソナライズされた心身症診断システムを必要とするのか,または1つの診療科によって設計された共通の心身症診断システムが他のすべての診療科に適用可能かという...

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  • 摂食症(摂食障害)診療における臨床倫理

    髙倉 修 心身医学 64 (3), 247-252, 2024

    <p>九州大学心療内科には毎年多くの摂食症(摂食障害)患者が来院するが,治療を途中で中断するケースも散見されている.また,心療内科において摂食症患者を入院させる場合,医療者と家族による説得に多くの時間とエネルギーを割かざるを得ないこともしばしばである.深町は,十分な時間をかけて説得し同意を得たうえでの入院となれば,入院目標の半分を達成したといっても過言ではないと述べており,こうした作業は治療上,…

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  • 歯科心身症と器質的な口腔疾患に関連した4症例

    梅﨑 陽二朗, 金光 芳郎, 澤本 良子, 内藤 徹 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 20-25, 2024

    In the examination of psychosomatic dentistry, confirmation of organic findings requires particular attention. Once a diagnosis of oral psychosomatic symptoms is made, various complaints tend to be …

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  • 精神科医との密な医療連携が奏功した舌痛症の1例

    前田 智寿古, 渡邉 素子, 髙尾 千紘, 木村 康之, 富永 梨沙, 豊福 明 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 34-38, 2024

    The efficacy of antidepressants for burning mouth syndrome is widely known. However, we often struggle with the choice of treatment for patients with psychiatric comorbidities because of their …

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  • 「口腔セネストパチー」の概念的整理

    梅﨑 陽二朗, 豊福 明, 松岡 紘史, 古賀 千尋, 北川 善政, 山崎 裕, 高田 訓, 金光 芳郎, 森谷 満, 岡田 智雄, 篠崎 貴弘, 福田 謙一, 伊藤 幹子, 楠川 仁悟, 小佐野 仁志, 松本 尚之, 宗像 源博, 今 一裕, 岩瀬 陽子, 吉岡 泉, 渡邊 裕, 村上 聡, 吉川 達也, 宇津宮 雅史, 美久月 瑠宇, 内藤 徹, 安彦 善裕 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 48-60, 2024

    キーポイント:<br> ・「口腔セネストパチー」(体感異常症)は,「奇異な表現で訴えられる,多彩で変動する口腔の異物感や違和感」である.<br> ・常識的には理解しがたい訴えとして表出されるが,幻覚や妄想とは異なり,元々は「体内感覚の変質」とみなされていた.<br> ・「名状しがたい口腔内の不快感」をありありと訴えるが,患者本人は「実際に異物はない」と理解はしていることが多い.<br> …

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  • 学校現場にどう関わるか,何ができるか?─子どもも教師も楽しい学校生活を送れる支援として─

    井口 敏之 小児の精神と神経 63 (1), 43-50, 2023-04-01

    ...2019年度より小学校の校医となり,その実践と,日本小児心身医学会学校保健委員会で行った医師への「学校との関わり方」アンケート結果を報告した.学校医としては,校長・教頭と信頼関係を築きながら,①問題になる子やクラスの授業見学とフィードバック,②6年生に心理教育の授業,③発達障害の子たちがうまく過ごせるように学級開きの前の現職教育,④困ったケースの相談,⑤自院での心理系の受診を早めに受ける,⑥長期休暇時...

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  • オンライン診療やAIを活用した今後の精神科医療の展望と課題

    木下 翔太郎, 岸本 泰士郎 心身医学 63 (1), 19-25, 2023

    <p>精神科領域は大部分が互いの顔を見ながらの会話で診療が成り立つことから,古くからビデオ通話を用いたオンライン診療が行われてきたが,COVID-19のパンデミックは,その活用を世界的に加速させた.また,今後の情報通信技術の発展とともに,患者の状態を病院外でも観察・管理するような遠隔モニタリングは全医学領域で増すものと思われる.精神科領域でもウェアラブルデバイスを用いた患者の状態把握,予防への利…

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  • 心身医学の過去,現在,未来

    端詰 勝敬 心身医学 63 (2), 114-118, 2023

    ...<p>今や心身医学の考え方や患者を診る視点は医療全般に広く浸透しているといっても過言ではない.現在では,心理社会的なストレスと身体疾患との関連は心療内科以外の診療科でも扱われることが普通になった.一方,心身医学の考え方は概念が出た当初の革新的なものから普遍的なものへと変化しているという見方もできる.心療内科の魅力は今も変わらないはずであるが,心療内科の魅力を時代に合わせて変化や発展させていくことも重要...

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  • 短期入院下の心身医学的治療が奏功した高齢舌痛症の1例

    須賀 隆行, 渡邉 素子, 髙尾 千紘, 前田 智寿古, 豊福 明 日本歯科心身医学会雑誌 37 (1-2), 12-16, 2023

    The treatment of chronic pain in an inpatient setting is characterized by intensive, multi-disciplinary treatment. Inpatient treatment may be the better choice in some cases. We report the case of …

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  • 内科医師が行う吃音診療

    岡部 健一 心身医学 63 (3), 225-228, 2023

    <p>本稿では一般内科医が行う吃音臨床を紹介する.筆者は自身が吃音者であり思春期以降,発語に対する不安と戦ってきた.自律訓練法や民間の吃音矯正所・連想療法・入院森田療法など思いつく限りの改善策を学生時代に試したが吃音自体を解消するものはなく,吃音の自助団体である全国言友会連絡協議会の活動の中で年月をかけて吃音では困らなくなった.内科医師として勤務しつつ2016年に念願の吃音相談外来を開設した.多…

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  • プラセボ反応からみえてくる「治療の本質」を学ぶ

    中野 重行 心身医学 63 (3), 217-223, 2023

    <p>いわゆる「プラセボ反応」は,構造的には自然変動・自然治癒力(N)の上にプラセボ投与に起因する「真のプラセボ反応:P」が乗っており,N+Pと表現できる.薬物治療効果は,薬物の真の効果(D)がN+Pの上に乗っており,D+N+Pと表現できる.N+Pを高めると,①治療効果が高まる,②薬物の減量が可能になる,③薬物が不要になる,ことが期待できる.医療者として目指したいコンセプト「やわらかな1.5人称…

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  • HIV陽性者の睡眠障害の有病率と評価方法,およびうつの有病率についてのメタ解析

    中川 雄真 心身医学 63 (4), 363-375, 2023

    <p><b>目的</b>:HIV感染症の長期療養化に伴い,睡眠障害のコントロールは重要な課題である.本研究ではHIV陽性者と陰性者の睡眠障害率の差を調査するとともに,HIV陽性者の睡眠障害の評価方法,およびうつの有病率について調査することを目的とした. <b>方法</b>:HIV陽性者と陰性者の睡眠障害を比較した先行研究を検索し,採用基準を満たした文献を対象にメタ解析を実施した. …

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  • 心臓リハビリテーション患者のストレスコーピングにおける自己効力感(第2報)

    岡本 恵, 名越 泰秀 心身医学 63 (5), 452-462, 2023

    <p>心臓リハビリテーション患者のストレスコーピングに対する自己効力感(CSE)や感情に対する心理的介入の効果を検討した.心臓リハビリテーションを行った65歳以上の男性入院患者を介入群(21名)と非介入群(15名)に分け,地域在住高齢者(74名)を健常群として比較した.介入群には入院中にストレスマネジメントに関する集団での心理教育と個別面接を行った.CSEと感情の質問紙調査を,介入群には介入前後…

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  • 低コルチゾール血症をきたすストレス関連疾患とその鑑別

    松林 直 心身医学 63 (5), 409-416, 2023

    <p><b>背景</b>:低コルチゾール血症をきたすストレス関連疾患の身体症状(疲労,食欲不振,体重減少,過度の眠気,嘔気や下痢,関節痛や筋肉痛,めまい,微熱など)は低コルチゾール血症をきたす代表的な身体疾患である副腎皮質機能低下症と類似した症状がみられる. <b>方法と結果</b>:長引く疲労を主訴に心療内科を受診した患者に副腎皮質機能低下症診断アルゴリズムに従い検査した.1/5の症例が中枢性…

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  • 慢性疼痛として診る慢性頭痛

    水野 泰行 心身医学 63 (5), 418-423, 2023

    ...<p>慢性頭痛は関連する要素が多くなって病態が複雑化しやすいため,心身医学的な観点からの治療が必要な場合が多い.心理社会的因子の関与が大きな慢性頭痛は,その他の慢性疼痛と同じく,予期不安や過覚醒,回避行動などが悪循環を呈している病態ととらえると理解しやすい.治療においては頭痛ダイアリーを用いた行動分析をもとに,認知行動療法を導入するのが有用である.さらに,頭痛体操,自律訓練法,漸進的筋弛緩法などといった...

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  • 難治性疼痛の病態メカニズム

    牛田 享宏 心身医学 63 (6), 507-511, 2023

    <p>痛みは誰しもが経験するものであるが,病気やけがが治っても痛みが残るなどすると非常に苦しい経験が続いてしまうことになる.国際疼痛学会(IASP)は3~6カ月続く痛みを慢性疼痛と定義しているが,長引いているケースにおいては器質的な要因だけでなく心理社会的な要因も関与して持続することも多い.そのため世界保健機関(WHO)とIASPでは国際疾病分類(ICD-11)の中でその分類を定めており,骨関節…

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  • 消化器疾患にともなう抑うつ,不安

    奥見 裕邦 心身医学 63 (6), 513-519, 2023

    ...<p>消化器疾患は,「脳腸相関」という言葉に代表されるように,精神症状との関連が強いとされる疾患群の1つである.古くは消化性潰瘍や潰瘍性大腸炎においても抑うつ,不安の合併は,しばしば指摘されていた.一方Rome Ⅳを中心に定義された機能性消化管疾患(FGIDs)は,現代心身医学の要の疾患であるが,その主たる病態として,心理社会的要因が消化器系の運動や内臓知覚に影響することが解明されつつある.実にFGIDs...

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  • 呼吸器疾患にともなう抑うつ,不安

    松田 能宣 心身医学 63 (6), 520-524, 2023

    <p>呼吸器疾患患者において抑うつ,不安の頻度は高い.しかし,呼吸器疾患患者の抑うつ,不安に対する薬物療法は未確立である.また,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する高用量のベンゾジアゼピン系薬の使用は死亡との関連が報告されている.そのため非薬物療法が優先される.特に,COPDに対する標準治療である呼吸リハビリテーションは抑うつに対する効果も認められている.また,認知行動療法がCOPD患者の心…

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  • 低リン血症を契機にビタミンD欠乏性骨軟化症の診断に至った神経性やせ症の1例

    中村 拓也, 藤本 晃嗣, 辰島 啓太, 辻 裕美, 田村 奈穂, 河合 啓介 心身医学 63 (1), 46-51, 2023

    <p>神経性やせ症の合併症として骨粗鬆症はよく知られているが,骨軟化症の報告は少ない.今回,低リン血症を契機にビタミンD欠乏性骨軟化症の診断に至った1例を経験した.</p><p>症例は50代女性.X−30年より体重減少が始まり,X年にbody mass index(BMI)10kg/m<sup>2</sup>まで低下し,神経性やせ症の診断にて当科で治療を開始した.X+4年に自宅にひきこもるように…

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  • 身体症状症の治療転帰

    小川 奈保, 名越 泰秀, 岡本 恵, 藤澤 なすか 心身医学 63 (2), 138-147, 2023

    <p><b>背景</b>:身体症状症は,一般的には難治で予後不良な疾患とみなされている.しかしながら,身体症状症の治療転帰を調査した研究は少ない.このため,身体症状症の1年後の治療転帰を検討した. <b>方法</b>:対象は,2018年4月~2019年3月の間に当科外来を受診し,「身体症状症,持続性」と診断された患者35例(男性9例,女性26例)で,平均年齢は54.5歳であった.診療録に記載され…

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  • 心身医学の原点とこれからの使命

    福永 幹彦 心身医学 63 (2), 106-113, 2023

    ...で役割が減少した医療現場もある.原点は今に生きているのか,原点を踏まえて,心身医学が今後取り組むべき未開拓の医療分野について考える....

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  • かかりつけ歯科医との連携治療が奏功した非定型歯痛の1例

    髙尾 千紘, 渡邉 素子, 木村 康之, 前田 智寿古, 富永 梨沙, 豊福 明 日本歯科心身医学会雑誌 37 (1-2), 20-26, 2023

    Generally, dental treatment should be discontinued for atypical odontalgia. However, the best timing for restarting dental treatment has not been sufficiently investigated. Here, we report a case …

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  • 医療機関を受診していない摂食障害患者の支援ニーズに関する調査研究

    菅原 彩子, 小原 千郷, 関口 敦, 西園マーハ 文, 鈴木 眞理 心身医学 63 (3), 241-250, 2023

    <p>摂食障害患者の未受診や受診中断の理由や,受診していない患者の支援ニーズを把握することは喫緊の課題である.摂食障害患者の受診を促す要因の解明を目的にWeb調査を実施し,被援助志向性が受診行動に与える影響と,未受診者や受診中断者が病院受診の際に求める情報・支援を検討した.</p><p>対象は患者264名(30.6±9.6歳),家族115名(49.5±10.8歳)であった.病型は神経性やせ症(A…

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  • 耳鼻咽喉科医師が行う低強度認知行動療法

    富里 周太 心身医学 63 (3), 229-235, 2023

    <p>吃音は発話の非流暢性を特徴とした疾患であるが,言語症状のみではなく社交不安や吃音症状に対する予期不安が伴う.吃音と否定的な経験が対提示され,レスポンデント条件づけによって吃音に対して恐怖や不安を感じるようになると発話場面に対する回避が伴うようになり,オペラント条件づけによって不安が強化されると理解される.さらに吃音における社交不安についての認知モデルでは,予感,不安,回避,自己注目などが複…

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  • 合理的配慮・障害者手帳を活用した吃音診療

    菊池 良和 心身医学 63 (3), 236-240, 2023

    <p>吃音のある人は人前で話す場面において不安や恐怖を感じる.人生の分かれ目となる入試や就職における面接などで,その不安や恐怖は大きくなる.コミュニケーションは話し手と聞き手のキャッチボールである.聞き手が変わることにより,吃音のある人の困り感は著明に軽減する.2016年に「障害者差別解消法」が施行され,大学などは合理的配慮の提供は義務とされている.入学試験および各種試験における面接・実技試験に…

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  • 大学病院心療内科の心理士の役割

    富岡 光直 心身医学 63 (4), 339-343, 2023

    <p>現在九州大学心療内科に所属する心理士は4名おり,1名は医学部に所属し3名は病院所属である.心療内科教室には4つの研究室があり,心理士は臨床心理研究室の構成員である.病院所属の3名は院内のブレインセンターで神経心理検査も行っている.心療内科での業務には教育,研究,臨床がある.教育の対象は医学部の3~6年生と卒後の研修医,心療内科に入局した若手医師である.内容は心理検査と心理療法の講義や実習が…

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  • 心身医学領域における心理士の業務と課題

    松田 史帆 心身医学 63 (4), 332-338, 2023

    ...</p><p>「治療と仕事の両立支援」とは,「働く意欲や能力があっても,就業継続や休職後の職場復帰が困難な事例」に対し,治療と仕事の両立をサポートする取り組みである.筆者は看護師や医療ソーシャルワーカー(MSW)と協働し,心理アセスメントや心理サポートを担当している.精神疾患の患者だけでなく全疾患を対象としており,がんやあらゆる慢性疾患の方と面談している.心身医学でいう身体・心理および社会的側面といった...

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  • 周産期医療(NICU)における心理支援

    青木 絢子 心身医学 63 (4), 328-331, 2023

    ...にして,予期せぬ出来事が起こった戸惑いや,わが子がリスクを抱えて生まれてきた現実に圧倒され茫然としてしまう母親・家族の姿は想像に難くない.また,周産期医療の場は救命救急の場であると同時に子育ての場でもあり,その心理支援は必要不可欠である.しかし,周産期医療に従事している心理職は増加しているものの,その活動内容はまだ広くは知られていないと思われる.そこで今回NICUに勤務する心理職の活動の実際を紹介し,心身医学...

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  • COVID-19流行時の心療内科の診療体制について

    上村 泰德, 稲田 修士, 阪本 亮, 樋田 紫子, 梶原 都香紗, 奥見 裕邦, 名倉 美樹, 松岡 弘道, 小山 敦子 心身医学 63 (4), 350-362, 2023

    <p><b>目的</b>:COVID-19流行下に心療内科外来を受診する患者の受診意識と感染症対策を実施した診療に関する意識,心理状態を調査し,COVID-19流行下の心療内科の診療体制を検討する. <b>方法</b>:2020年5月12日~6月22日,近畿大学病院心療内科外来患者に配布した心理検査とアンケートを後方視的に調査した. …

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  • 片頭痛の認知行動療法

    嶋 美香, 端詰 勝敬 心身医学 63 (5), 424-429, 2023

    <p>片頭痛は日常生活において支障度の高い疾患であり,患者のQOLに影響を与え,患者への負担や社会的損失の大きい疾患である.片頭痛の誘発および維持要因は,生物学的要因のみならず,心理社会的要因も症状に影響を与えることがわかってきた.頭痛に対するとらえ方や痛みに対する反応,対処などは症状の維持要因として考えられている.服薬のみでは効果が十分でない,あるいは症状の背景に心理社会的要因が考えられる場合…

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  • 関節リウマチ患者の抑うつ状態と関連する因子の検討

    三輪 裕介, 穂坂 路男, 三田村 裕子 心身医学 63 (5), 445-451, 2023

    <p><b>目的</b>:関節リウマチ患者の約15%はうつ病を合併するが,抑うつ状態と関連する因子を検討した報告はない.本稿では抑うつ状態と関連する因子を検討した. <b>方法</b>:対象は昭和大学病院通院中の関節リウマチ患者のうち124人.患者背景は,年齢,性別,肥満度指数,喫煙歴,高血圧・糖尿病の有無,ステロイド・メトトレキサート使用量,関節リウマチの疾患活動性,ADL評価を調査した.うつ…

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  • 政策・行政への心身医学の実践

    鴨下 一郎 心身医学 63 (6), 499-506, 2023

    ...</p><p>最後に,心身医学の立場から人が暮らしやすい環境として「コンパクトシティ」の実現を提案した.ほどよい規模の都市で,テレワークを活用しながら,自己実現を図る.そのような町づくりに,心身医学の知見を反映させるのが重要であると結論づけた.</p>...

    DOI 医中誌

  • 動機づけ面接と糖尿病

    川村 智行 心身医学 63 (1), 39-45, 2023

    <p>1型糖尿病は,注射によるインスリン療法が唯一の治療である.近年の1型糖尿病診療は,新しい薬剤や血糖測定のデバイスの進歩が著しい.それでも,インスリン療法に加えて日々の生活の中で最も重要な食生活と運動の管理を生涯継続しなければならない.血糖管理が不十分な場合,糖尿病合併症の発生頻度は非常に高く,生命予後を悪化させる.小児思春期に多く発症する1型糖尿病では,血糖管理が不十分になりやすく,患者指…

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  • プライマリケアにおける心療内科医の糖尿病診療の取り組み

    久我原 明朗, 佐藤 幸恵, 吉田 大祐 心身医学 63 (1), 33-38, 2023

    <p>糖尿病の療養指導も問題解決型思考で行われることが多い.つまり「高血糖が持続することにより将来の合併症発生リスクが高まる(問題がある),だから今の生活を望ましい方向に変えましょう(解決行動を促す)」という論理である.しかし,一部にはそれだけでは前進しないこともある.糖尿病罹患による対象喪失体験という心理的課題を抱えたり,治療指標の達成の先にある生活目標にフォーカスしないとモチベーションが維持…

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  • 慢性疼痛にまつわる集学的学びの軌跡

    細井 昌子 心身医学 63 (2), 124-131, 2023

    <p>医学部卒業から心身医療を志して35年以上を経過した一人の心療内科医として,その研修・研究の軌跡を振り返り,達成できたこと・できなかったこと,今後の課題,および若手医師に伝えたいことをまとめた.心身医療は「人は変わることができる」喜びを患者とともに享受できる醍醐味があり,そのおもしろさをより多くの若者に実感していただきたい.</p>

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  • 地域医療の中の心身医療

    伊澤 敏 心身医学 63 (2), 132-137, 2023

    <p>筆者は1990~1991年の1年間,勤務していた佐久総合病院から派遣され,九州大学心療内科に研究生として在籍した.佐久総合病院は地域医療の実践で知られる病院である.自院に戻った後,心療内科と精神科の診療を担当し,病院の管理業務にも携わりながら今日に至る.</p><p>本稿では九州大学心療内科で学んだことを振り返り,佐久総合病院の地域医療のかたちを作った若月俊一の思想の一端を紹介したうえで地…

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  • 心身医学の原点とその展開

    河合 啓介 心身医学 63 (2), 98-104, 2023

    ...<p>心身医学はドイツで発祥し,その後,米国で発展した.ドイツでは心身医学講座が各大学にある.米国ではリエゾン精神医学,基礎研究,行動医学を中心に発展した.日本は米国から心身医学を取り入れたが,目指す方向はドイツ心身医学に近い.2005年以降,日本心身医学会の会員数は減少傾向にあるが,これは大学の心身医学講座に属さなくても,標準的な心身医学を学ぶ機会が増加したことの表れかもしれない.筆者は,以下のテーマ...

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  • 成人女性における下肢のむくみと月経周期の関連

    中島 紀江, 楢木 ゆうか, 立石 礼望, 藤田 香奈恵, 松本 美晴, 松尾 和枝, 小崎 智照, 橋口 暢子 女性心身医学 27 (3), 295-304, 2023

    <p>本研究は,成人女性を対象に,月経周期の各期(卵胞期・黄体期・月経期)の違いにおける下肢のむくみの発生について明らかにすることを目的とした.8名の成人女性を対象に,座位姿勢負荷を行い,その前後に下腿体積,下腿周囲径,下肢・下腿インピーダンス値を測定し,下腿のむくみ感などの主観申告を評価した.座位姿勢負荷にかかわらず,下腿体積は卵胞期より月経期が有意に大きく(<i>p</i><0.05),下腿…

    DOI 医中誌

  • 看護師の月経随伴症状が労働生産性およびQOLに及ぼす影響

    甲斐村 美智子, 羽田野 花美, 末永 芳子 女性心身医学 27 (3), 305-312, 2023

    <p>【目的】看護師における月経随伴症状が労働生産性およびQOLに及ぼす影響について検討する.【方法】2018年11月~2019年3月,A市の6つの医療機関の看護師1,050名を対象に無記名自記式質問票を配付し,郵送法により回収した.調査内容は,属性,月経痛,月経随伴症状,月経周辺期の労働生産性およびQOL等であった.【結果】質問票の回収数は505部(回収率48.1%),有効回答数は484部(有…

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  • 歯科心身症の概要と新概念への展望

    和気 裕之, 澁谷 智明, 石垣 尚一, 依田 哲也, 小見山 道, 山口 泰彦, 佐々木 啓一, 松香 芳三, 築山 能大, 角 忠輝, 岡安 一郎, 島田 淳, 玉置 勝司, 宮岡 等, 窪木 拓男, 宮地 英雄, 菅沼 岳史 日本口腔顔面痛学会雑誌 15 (1), 1-11, 2023

    ...<br><b>目的と方法</b>:歯科心身症の明確な概念や定義が確立していないため,歯学部教育では教員が独自の解釈で講義を行っているものと思われる.一方,臨床では,歯科医師は歯科心身症を判断する情報が少ない状況で診療に当たっており,医療連携においても支障をきたすことが危惧される.そこで,今回,歯科心身症を概説した後,日本心身医学会の心身症の定義(1991),ICD-10(F54),および米国精神医学会...

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  • 縁起思想における人間(私)

    田中 典彦 心身医学 63 (3), 202-207, 2023

    <p>移り変わりながら現れていて(無常),不変な本質をもち合わさない(無我)ものの在り方をしているのかを示したのが縁起説である.縁起とは「およそ存在するものは皆,種々の要素(条件)が相関わり合いながら生起している状態としてある」という意味である.すべては状態としてあるととらえるのが仏教の特質であるといえる.時間的因果,空間的因果など,種々の縁起理解が展開されている.</p><p>人間(私)も縁起…

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  • 身体因性偽神経症へのチーム医療の取り組み

    志和 悟子, 永田 勝太郎, 大槻 千佳, 前川 衛, 大木 和子 心身医学 63 (3), 251-259, 2023

    <p><b>目的</b>:身体因性偽神経症はフランクル(Frankl)が提唱した概念である.身体的病態が潜在しているが,精神疾患と誤認してしまうことである.本来の身体的病態を治療するか,心理的反応のみに目を奪われて向精神薬を多用するか,医師のidentityが問われ,患者の予後が大きく変わってしまう.チームでの取り組みを報告したい. …

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  • 脳神経内科領域における心理職の役割

    内山 佳代子 心身医学 63 (4), 322-327, 2023

    <p>脳神経内科では認知症や脳卒中などの疾患を対象としている.病態は身体症状に加え,認知機能の低下,心理・行動面の変化が生じる.診断の際には,血液や脳画像検査などに加えて神経心理学検査による認知機能の査定が実施され,薬物療法やリハビリテーションが導入される.経過は進行性で予後が深刻な場合や,治療法が未確立の疾患もある.2020年の公認心理師の活動報告によると,登録者の中で医療保健領域に所属する心…

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  • 造血幹細胞移植における心身相関

    吉内 一浩 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 12 (3), 157-160, 2023

    ...<p> 心療内科・心身医学においては,「心身相関」という言葉が用いられることが多い。これは,身体疾患と心理社会的な因子との双方向の関係を示す言葉で,互いに影響し合う状況を表す言葉である。...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献7件

  • 小児・思春期の慢性頭痛

    藤田 光江 心身医学 63 (5), 430-435, 2023

    <p>子ども(小児・思春期を含む)の頭痛の多くは,片頭痛,緊張型頭痛と診断される.片頭痛は月2~4日程度の中等度~重度の頭痛発作で,発症時刻はまちまちであり治療薬も有効である.緊張型頭痛は,頭痛の治療薬が効かず,ときに慢性化し,学校欠席の理由となることがある.頭痛が月15日以上,3カ月以上持続すれば,慢性連日性頭痛(CDH)といわれる.CDHの子どもは学校のある朝,強い頭痛を訴え,起きられずとき…

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  • 内分泌・代謝疾患にともなう抑うつ,不安

    浅野 麻衣 心身医学 63 (6), 532-537, 2023

    <p>抑うつ・不安と内分泌・代謝疾患の関連は数多く指摘されている.甲状腺機能亢進症は古典的心身症の1つで,ストレスがバセドウ病の治療経過に影響することは広く知られるようになった.抑うつや不安もバセドウ病の治療経過に影響し,寛解率の低下と関連していることが示されている.糖尿病と抑うつは密接に関連し,糖尿病患者におけるうつ病の合併は多い.抑うつは,生理学的機序と行動医学的機序の両者を介して糖尿病患者…

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  • 身体疾患にともなう抑うつ,不安

    三輪 裕介, 富岡 大, 三輪 (三田村) 裕子, 穂坂 路男 心身医学 63 (6), 538-542, 2023

    <p>関節リウマチには一定の割合でうつ病を合併することが報告され,7~75%とばらつきが多い.その大半はSDS,CES-D,HADS,BDI,PHQ-9,HAM-Dなどの質問紙による調査であり,統一されていない.どの質問紙が最適か,cut off値をどこに設定するのが適切か,精神科医師による構造化面接との比較による質問紙法による妥当性はどの程度あるのか不明である.研究対象の背景の違い(時代,国,…

    DOI Web Site 医中誌

  • 健康的または不健康と認識される単回の食事摂取が若年女性の自尊心とポジティブボディイメージに及ぼす影響

    守本 彩乃, 権田 真, 橋本 愛加, 湯面 百希奈, 髙山 祐美, 奥薗 美代子, 半澤 史聡, 永井 成美 女性心身医学 28 (2), 211-221, 2023

    <p>米国人若年女性対象の先行研究では,不健康と認識される食事(Unhealthy,以下UH食)の摂取が,自尊心やボディイメージ(Body image:以下BI)に一過性に悪影響を及ぼすことが,健康と認識される食事(Healthy,以下H食)との比較により示されている.しかし,H食がポジティブな心理的反応を惹起するかどうかは依然不明である.本研究では,日本人若年女性を対象として,健康度の認識が異…

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  • 1型糖尿病の診療における治療者の役割

    波夛 伴和 心身医学 63 (1), 27-32, 2023

    <p>この10年間で,九州大学病院心療内科を受診する1型糖尿病をもつ人の主訴は大きく様変わりした.以前は,過食やインスリンオミッションを伴う摂食障害を併発した人が受診者の大半を占めていた.一方,近年では,摂食障害併発例の紹介は減り,器質的な異常を認めない身体症状が主訴の人が増えている.当然のことであるが,受診者それぞれに病態は異なり,それに応じて治療法も異なる.本稿の前半では,病態を考えるうえで…

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  • 青年は荒野を目指したか?

    金光 芳郎 心身医学 63 (2), 120-123, 2023

    ...<p>私が心療内科を志した理由は「心身医学は未開の荒野だから」というものであった.心療内科は格好の新しい世界の入り口に思われた.卒業後すぐに心療内科に入り,初年研修では深町建先生のもとで摂食障害の治療の指導を受けた.九州大学心療内科研修では,心身症の治療に苦労した.長門記念病院では塵肺症の心身症治療を経験した.大学院では神経免疫調節系の研究を行い,ストレス負荷による脳内サイトカイン発現定量のために,...

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  • デジタルテクノロジーは精神科医療を変えるか

    木下 翔太郎, 岸本 泰士郎 心身医学 63 (3), 208-216, 2023

    <p>多くの精神疾患は,その診断や重症度評価に有用なバイオマーカーが存在しない.このことは,診断の不一致,治療効果の判定の不分明さ,治験の失敗など,多くの問題につながっている.こうした精神科領域特有の課題解決に向けたアプローチの1つとして,デジタルテクノロジーを活用した症状モニタリング,症状定量技術,あるいは治療技術の開発が世界的に活発化している.また,COVID-19によるパンデミックは世界の…

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  • ヨガ

    岡 孝和 心身医学 63 (3), 265-269, 2023

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  • iPS細胞を用いたパーキンソン病の病態解析と創薬

    赤松 和土 心身医学 63 (4), 317-320, 2023

    <p>パーキンソン病は60歳以上では100人に約1人が発症する神経変性疾患であるが,症例の9割を占める孤発性症例は,臨床症状からその原因が多様な集団と予測され,各症例の層別化と病態解明が効果的な治療法開発に必須と考えられる.われわれはこれまでさまざまなタイプのパーキンソン病のiPS細胞の樹立・解析を進めてきたが,最近,ミトコンドリアクリアランス異常を示す家族性パーキンソン病患者由来iPS細胞より…

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  • 大学病院における心理職の居場所づくりと今後に向けて

    古井 由美子 心身医学 63 (4), 344-349, 2023

    ...<p>1988年に病院初の心理職として医療相談室に入職し,身体科から依頼される心理検査や心理相談を担当し,そこで心身医学の原点と思われる2事例を体験した.そこでは,心身相関の視点を学び,身体疾患についての知識のなさ,心理職としての専門性の未熟さを痛感することになった.数年後,社会的に臨床心理士の知名度が上がるのに伴い,院内での職域が拡大していった.そしてさまざまな人の支えがあり,2012年に中央診療部門...

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