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検索結果 176 件

  • 1 / 1

  • The Anime Business Impact Index: Proposing a Measure to Assess Trends in the Japanese Anime Industry Using Social Network Analysis

    Haraguchi Kazuya アニメーション研究 23 (2), 15-27, 2023-03-31

    <p>本研究では、日本のアニメ産業における各社の活動状況を、社会ネットワーク分析によって定量的に比較・検討する手法を提案する。まず、2020年夏期から2022年春期に放送された深夜アニメの製作委員会構成メンバーを特定する。次に、シーズンごとに製作委員会構成メンバーの社会ネットワークを分析し、各社の次数中心性、近接中心性、媒介中心性を算出する。また、新たにAnime Business …

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  • 「カセットJUNE」が構築した聴取経験とそれをめぐる聴き手との交渉に関する一考察

    程 斯 アニメーション研究 23 (2), 29-39, 2023-03-31

    <p>本稿は1980年代の「第二次アニメブーム」、「第二次声優ブーム」、そして「やおいブーム」が合流した地点で生まれた「カセットJUNE」に着目する。アニメで蓄積された声と声優に対する熱狂を引き継ぎながら、女性向け文化の領域で新たな聴取経験を築いたコンテンツである「カセットJUNE」の最初の二作であるカセット「鼓ヶ淵」とカセット「間の楔」、およびこの二作に寄せられた当時の聴き手のコメントを対象と…

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  • 1930年代カートゥーン・アニメーションにおける蜘蛛の巣の機能

    早川 めぐみ アニメーション研究 23 (1), 67-75, 2023-01-31

    <p>この論文では、1930年代のアメリカのカートゥーン・アニメーションを対象に、「蜘蛛の巣」がナラティヴ上および空間上果たしうる機能について、当時の技術的制約やアニメーションスタイルを踏まえた上で考察した。蜘蛛の巣はそのシンプルで独特な形状から、様々なモノとなり登場する。蜘蛛の巣はまた「時の経過」を暗示し、寂しさや貧しさといった印象を与える。更にその網目状の構造から、蜘蛛の巣は様々な「奥行きの…

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  • Managing Portfolio Works: The Practices of Freelance Animators and the Role of a Production Company

    Matsunaga Shintaro アニメーション研究 23 (1), 29-40, 2023-01-31

    <p>日本のアニメ産業を支えるアニメーターの多くはフリーランサーとして働いていることが知られているが、彼らがどのようにして不安定性を含む労働に対処しているのかについては十分な議論がされてこなかった。本稿では、労働社会学で議論されてきた、複数の仕事の組み合わせ方を捉える「ポートフォリオワーク」の視点に基づき、アニメーターが日々の労働のなかで直面する無収入などのリスクに対して行っている個人的・集団的…

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  • テレビアニメにおけるメディアミックス展開の経済的根拠

    森 祐治 アニメーション研究 23 (1), 3-13, 2023-01-31

    <p>日本のアニメ産業の中核であるテレビアニメは、派生商品(デリバティブ)や異メディア間での作品流通(バージョニング)を組み合わせたメディアミックス手法によるビジネス展開を行うことが多い。これまでメディアミックスの起源として、作品性や表現的優位からの説明が行われることが多かった。現実には、テレビアニメはその成り立ちよりテレビ局からの制作費用負担は原価の一部のみで、テレビ放映では経済的に完結せず、…

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  • アルバニアの社会主義時代の社会問題を描く1980年代における大人向けアニメーション

    バロリ アルバナ アニメーション研究 23 (1), 53-66, 2023-01-31

    <p>アルバニアのアニメーションは社会主義時代の1975年から作り始められ、多くのヨーロッパの国々に比べるとより遅く誕生している。本論文では社会主義体制であった1980年代に製作された9本の大人向けアニメーションに焦点を当てる。</p><p>社会主義に賛同していた人、洗脳されていた人もいれば、制度に迫害されて苦しんでいた人、不満を持った人、そして社会主義のメリットとデメリットをよく理解していた知…

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  • アニメーション産業史研究はいかにして/何が可能か:方法論と意義についての学際的考察

    木村 智哉 アニメーション研究 23 (1), 15-27, 2023-01-31

    <p>現代のアニメーション産業への関心に比べ、その歴史の研究事例は少ない。これは学術研究上のディシプリンや課題の説明が、アカデミアに不足しているからである。本稿ではその解決を試みる。歴史研究を例にとれば、ポピュラー文化に関する記述は、まず通俗的社会批評により始められた。そして次に、社会史によるメディアの政治性の研究が行われた。しかしこれらの研究は、社会批評や社会史の関心を再確認する過程に留まる傾…

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  • シネメトリクスのためのショットサイズ指標の提案: 手塚治虫の絵コンテ分析を中心として

    一藤 浩隆 アニメーション研究 23 (1), 77-87, 2023-01-31

    <p>映像作品の計量的研究であるシネメトリクスでは、ショットの平均持続時間に注目したものが存在するが、この分野の発展のためには別の指標も必要である。本論はその指標を提案し、検証することを目的とするものである。ここではショットサイズに注目し、それに対する既存の研究を整理して新たな指標を提案する。対象として、書籍として出版されているため執筆者の特定が容易であり、指標を採集しやすい絵コンテを採用するこ…

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  • 「3つのC」による歴史的アニメーション映画の研究:『おとぎ噺おんぶおばけ』を事例にして

    早川 めぐみ アニメーション研究 23 (1), 115-122, 2023-01-31

    <p>「3つのC(コンテンツ、キャリア、コンテクスト)」とは、フィルム・アーカイブの分野において、映画のコンテンツは根本的にキャリアとコンテクストによって特徴づけられる、という考えに基き保存する対象を定義する一般的な概念である。本稿では、この「3つのC」を用いたアーカイブ的アプローチで行った、横山隆一のカラーアニメーション映画『おとぎ噺おんぶおばけ』の調査を事例研究として紹介する。この事例では、…

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  • 租界都市上海と『鉄扇公主』:『鉄扇公主』の解釈に対する再考

    張 影 アニメーション研究 23 (1), 101-113, 2023-01-31

    <p>20世紀の中国のアニメーションは、各時期の環境に大きな影響を受けている。とりわけ、戦時下(1937–1945)という特殊な時期に制作されたアジア初の長編アニメーション『鉄扇公主』は、当時の多層的な社会構造や複雑な政治状況を反映していたと考えられる。本稿は、租界都市上海という特殊な環境を捉えながら、『鉄扇公主』に込められた意味を再検討するものである。</p>

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  • アニメ視聴による心理学的体験の生起に関わる要因の探索的検討

    藪田 拓哉, 佐々木 淳 アニメーション研究 22 (1), 31-41, 2022-03-31

    <p>アニメ視聴によりさまざまなアニメの心理学的体験が人々に生起される。一方で、どのような作品要因や視聴者要因がその体験生起に関わるのかについて十分に把握されていない。本研究は、アニメの心理学的体験の生起に関わる作品、視聴者要因を明らかにすることを目的とした。大学生、大学院生54名を対象に質問紙調査を行い、KJ法により分析した。その結果、作品要因は【キャラクターの生き様】、【作品の様式】という2…

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  • デジタル時代におけるUGCとアニメ産業の在り方に関する一考察

    出井 甫 アニメーション研究 22 (1), 15-29, 2022-03-31

    <p>現在、社会全体でデジタル化が急速に進んでいる。それに伴い投稿サイト等のプラットフォームでは、ユーザーによって生成されたコンテンツ(UGC)が急増している。UGCにはアニメを素材とするものも存在し、これらはアニメのプロモーション効果やマネタイズ効果をもたらし得る。もっとも、UGCの中にはコンテンツの品位を損なうものや権利者に損失を与えているものも見受けられる。そこで、UGCと日本のアニメ産業…

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  • The Transformed and Technological “Female” Body in Japanese Popular Culture

    Ohsawa Yuki アニメーション研究 22 (1), 43-54, 2022-03-31

    <p>この論文は日本のポピュラーカルチャー (マンガやアニメ) をポストヒューマニズムという視点で分析し、ポストヒューマンがどのように描写されてきたのか、またポストヒューマンはどのような意味を持つのかということを探ってみたい。</p><p>日本では戦後多くのSF作品が生まれてきたが、この論文では弐瓶勉の漫画「シドニアの騎士」(2009-2015)、そのテレビアニメシリーズ …

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  • 高校の美術教科書でアニメーション題材はどのように扱われてきたか

    布山 タルト アニメーション研究 22 (1), 3-14, 2022-03-31

    <p>本稿は、日本の初等・中等教育の図工・美術におけるアニメーション教育の歴史的変遷を明らかにすることを目的とした一連の文献研究における第三部であり、小学校の図工教科書、中学校の美術教科書に続き、高等学校の芸術科の美術教科書を対象として行った調査の結果を検討する。1950年代から2010年代までに出版された計113冊の教科書から44件の題材を抽出して分析を行い、1972年にアニメーション題材が初…

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  • アニメ視聴による心理学的体験の構造化

    藪田 拓哉, 佐々木 淳 アニメーション研究 21 (2), 25-35, 2021-03-31

    <p>本研究では、アニメーション療法の基礎研究として、アニメ視聴によって視聴者に生じた心理学的体験とその影響を実証的に分析、分類することを目的とし、アニメ視聴による心理学的体験と影響の構造化を行った。その結果、アニメ視聴による心理学的体験は【気持ちの高揚】、【気晴らし】、【共感的反応】、【現実への還元・関連】、【作品の構成要素に対して抱く魅力】、影響は【ポジティブな気持ちへの自己変容】、【自身の…

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  • セル画に関する現象学的・高分子化学的研究を目指して:視覚経験とその物質的リアリティー

    キム ジュニアン, 三俣 哲 アニメーション研究 21 (2), 13-23, 2021-03-31

    <p>本研究は、アニメ業界で1970年代から1990年代まで、演出・原画などの仕事に携わり活動した渡部英雄氏が、現役時代から保管していた絵コンテなど膨大な中間素材(以下、渡部コレクション)を本研究者らの所属大学に一任したことから始まる。我々は、アーカイブ化された渡部コレクションのなかで、損傷の危機に瀕しているセル画に注目し領域横断的研究に着手した。それぞれ材料化学とアニメーション研究を専門にする…

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  • “Teaching Anime and Manga in Canada: LGBTQ Challenges”

    Orbaugh Sharalyn アニメーション研究 21 (2), 37-42, 2021-03-31

    <p>なぜカナダの学生は日本の漫画やアニメの研究を望むのでしょうか。アニメ映画が英語に相当するものがない日本語を使っていたり、北米文化には存在しない概念の文化的な言及を含んでいたりする場合、教員にとってどのような課題があるでしょうか。この論文は、著者がカナダの大学で日本のポップカルチャーを教えてきた15年間の経験をもとに、異文化コミュニケーションにおいて最も難しい分野の一つである、漫画やアニメの…

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  • アニメーションにおける通称「オバケ」に関する一考察~数学的・物理学的理論の観点から~

    佐分利 敏晴 アニメーション研究 21 (2), 3-12, 2021-03-31

    <p>アニメーションにおける通称「オバケ」は、作者がアニメーション制作において用いる、仮現運動や動きの錯覚を励起する意味の無い絵として緩やかに定義されてきた。しかし、その定義は生態心理学、数学、物理学の観点からも検証されるべきである。本論文では「オバケ」を以下のように分析し定義し直す。それらは錯覚や仮現運動を作るための意味の無い道具ではなく、「動きを同定するための知覚情報」そのものであり、十分な…

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  • 日本の戦後のアニメーションにおける卓越した存在と精神──高畑勲──

    胡智於 (珠珠) アニメーション研究 21 (1), 101-109, 2020-09-30

    <p>本稿は、私が以前書いたブログ記事『高畑勲(1935〜2018年)戦後アニメーションにおける卓越した存在感』(「アニメーションスタディーズ 2.0」2018年5月7日)を発展させたものである。このブログはアニメーションスタディーズ協会に属している。同協会のメンバーが編集者であるためである。ブログは、学者、アーティスト、ファンが自らの現在の考えを簡潔かつ迅速に発表できるインターネット空間となっ…

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  • 『じゃりン子チエ(劇場版)』に見る高畑勲の映画構築術

    氷川 竜介 アニメーション研究 21 (1), 37-44, 2020-09-30

    <p>この論文は高畑勲によるアニメーション映画「じゃりン子チエ」を分析した。原作は大衆に人気があり、広く知られる漫画である。高畑は作家性を抑制し、原作に忠実であろうと努力した。その結果、論じられる機会の乏しい作品となっている。しかし、漫画と映画は、表現の点で大きく異なっている。そのギャップを埋めるための高畑の方法を、具体的な映像に基づいて検証した。映画では時間と空間に関する意識が重要である。高畑…

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  • 高畑勲が『なめとこ山の熊』を映像化していたら──アニミズムの新しい視点から──

    米村 みゆき アニメーション研究 21 (1), 61-72, 2020-09-30

    <p>本稿は、高畑勲が、映像化したいと考えていた宮沢賢治の童話についてその映像的表現や特色について考察するものである。その際、アニミズム論の新しい視点を導入する。ポストヒューマンが予想される現在、アニミズム論も新たな展開をみせているためである。本章の手順は以下の通りである。</p><p>1章では、高畑勲が宮沢賢治作品について映像化したいと述べていた発言を再考し、「非人間」との「共生」「共存」とい…

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  • 研究史料の翻刻と解題:東京都労働委員会 高畑勲証言速記録より

    木村 智哉 アニメーション研究 21 (1), 17-30, 2020-09-30

    <p>本稿では、東京都労働委員会での審問記録を翻刻し、その意義について解説を加えている。これは東映動画における労使紛争の一側面を示す史料である。この史料には高畑勲や、後に東映動画社長となる登石雋一の思考過程、そして東映動画の労働慣行や職員の意識など、多くのトピックが表れている。こうした史料の分析は、過去の作家や作品の分析に拠ってきたアニメーション史研究の視点と方法論の刷新をもたらすだろう。</p>

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  • 編集後記

    陣内 利博 アニメーション研究 21 (1), 137-137, 2020-09-30

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  • 『火垂るの墓』における地域表象

    横濱 雄二 アニメーション研究 21 (1), 45-50, 2020-09-30

    <p>本稿は、高畑勲のアニメーション作品『火垂るの墓』について、具体的な地域表象を検討するとともに、関係地を訪問する行動について、その意味づけを考察するものである。『火垂るの墓』は、強く情動を喚起する作品である。一例として、主人公兄妹の母親の死の舞台となる学校のシークエンスをとりあげる。画面内の事物の配置を現実の地理空間に置くと、あるべき鉄道の高架が画面に現れていない。この不在は、兄妹の孤立感を…

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  • 多摩丘陵のニュータウン化──『平成狸合戦ぽんぽこ』における狸が意味するもの──

    萩原 由加里 アニメーション研究 21 (1), 51-60, 2020-09-30

    <p>『平成狸合戦ぽんぽこ』はスタジオジブリによって制作されたアニメーション映画で、 1994年 7月公開されている。原作・監督・脚本を高畑勲が務めている。</p><p>本論では、日本におけるニュータウン開発が作品の中でどのように描かれているのか、またそのために高畑をはじめとするスタッフたちは、多摩ニュータウンを中心とした多摩丘陵の歴史を、どのような体験を交えながらアニメーション制作に取り込んで…

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  • 「この景色、見たことある」──『かぐや姫の物語』における記憶・亡命・抵抗──

    スーザン ネイピア アニメーション研究 21 (1), 127-135, 2020-09-30

    <p>本稿は、高畑勲の画期的な傑作である『かぐや姫の物語』を記憶、亡命、抵抗の役割の描出における観点から考察する。主として高畑の映画に焦点をあてる一方で、現代日本文学、日本のアニメーション、ディズニー映画の近年作『アナと雪の女王』の事例を取り上げ、記憶と亡命が近年の様々な文化形態においてどのように問題化されているかを示している。本稿の主要部分では、高畑が十世紀の原作の物語—故郷から仮の亡命におけ…

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  • 食欲よりも思考を刺激する──高畑勲のアニメーション美学について──

    顔 暁暉 アニメーション研究 21 (1), 111-125, 2020-09-30

    <p>本論文は、何度も繰り返される主題や、キャラクターに観客を同一化させる固有の視覚的特徴を持たないがゆえに、十全に論じられてはいない高畑作品の美的資質に着目し、彼の作品におけるキャラクターと世界の構築方法を明らかにする。高畑作品の意味は、作品関連グッズ販売やファン活動から派生していない。それはアニメーション自体に内在している。高畑は、お手軽なジャンルの枠組みのなかに留まらずに、幸せで、感情的に…

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  • 『かぐや姫の物語』の臨床心理学的分析

    横田 正夫 アニメーション研究 21 (1), 81-91, 2020-09-30

    <p>高畑勲監督の遺作『かぐや姫の物語』は思春期の少女の心を描いており、初潮を迎えた姫が心なく迫る大人たちの行動を心理的な障壁と感じ、行動を抑制してしまった結果、生きる意欲を失った物語と見ることができる。 5人の貴公子の姫への求婚も御門の姫を攫いに来たことのいずれも、姫の心を無視した振る舞いであり、姫に耐えがたい恐怖をもたらした。そのため、姫は月に帰りたいと念じてしまった。しかし姫は、月に帰る直…

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  • 中学校の美術教科書でアニメーション題材はどのように扱われてきたか

    布山 タルト アニメーション研究 20 (2), 55-66, 2020-03-31

    <p>日本の初等・中等教育におけるアニメーション教育はどのような教育的意図をもって行われてきたのか。その歴史的経緯を明らかにすることを目的として、中学校の美術科に焦点をあて、同科目の教科書で扱われてきたアニメーション題材について調査を行った。計309冊の教科書から49の題材を抽出し、4つの時期に区分してその変遷を通時的に分析した。中学校美術教科書における最初のアニメーション題材は1955年に構成…

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  • 編集後記

    陣内 利博 アニメーション研究 20 (2), 105-105, 2020-03-31

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  • 歩行の動作表現にみる行為と行動

    鷲見 成正 アニメーション研究 20 (2), 35-40, 2020-03-31

    <p>人の歩行動作は身体の各部位間に生じる協応的運動関係から成り立つことから、実写映像とアニメーション映像のそれぞれについて歩行を表現する身体運動間の相関関係を調べてみた。歩行者の踵と他方の肩の運動を測って両者のプロットグラフが描く協応図を作成してみると、歩行者8名の実写映像から得た協応図は、リング状の複雑な形態を表し各人各様の細かな行為的表現を示す。一方歩行者3名のアニメーション映像から得た協…

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  • 複数映像の並置提示による教育効果の検証〜「動きの探求教育」へ向けて〜

    布山 タルト アニメーション研究 20 (1), 3-16, 2019-03-01

    <p>アニメーション教育を「動きの探求教育」として捉え、その具体的な指導方法の一つとして、複数のアニメーション映像を画面上に並置して見比べる比較観賞教育の可能性を検討する。2本のアニメーション映像を順次再生条件のみで視聴した場合と、並置再生条件も加えて視聴した場合とを比較し、後者の条件において同一映像を2回目に視聴した時の評価に伸びが生じるかを検証した。その結果、特定の刺激映像の動きの「自然さ」…

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  • 『桃太郎 海の神兵』論―国策アニメーションの映像実験

    佐野 明子 アニメーション研究 20 (1), 17-29, 2019-03-01

    <p>『桃太郎 海の神兵』(1945)の映像実験について検証する。おもに影絵アニメーション、ミュージカル映画、ドキュメンタリー映画、プレスコと透過光の採用に着目して映像テクスト分析を行う。同時に、物語映画の話法が適宜用いられることによって、多様なイメージが拡散することなくストーリー(日本の勝利)へ収束され、観客を吸引しうる作品となるさまを分析する。そして、日本のアニメーションでは描かれてこなかっ…

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  • 広島の原爆投下を語る戦争アニメにおける変化

    アルト ヨアヒム アニメーション研究 20 (1), 31-41, 2019-03-01

    <p>本稿は、日本国民の第二次世界大戦についての集合的記憶における広島への原爆投下の役割から出発し、原爆投下を扱った「戦争アニメ」を取り上げる。</p><p>戦争アニメのナラティブの方向を確認するために用意した分析モデルを利用し、主な論点は作品の時空間的な舞台によるのフレーミングに起きた変化である。さらに、各作品のそれ以外の特徴も簡潔に考察する。後者の特徴には例えば各作品の間に起きた「主人公」の…

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  • 漫画映画の拡張:『桃太郎の海鷲』から『桃太郎 海の神兵』へ

    小倉 健太郎 映像学 101 (0), 5-26, 2019-01-25

    ...日本アニメーション史において『桃太郎の海鷲』はどう位置づけられるだろうか。<br> 本稿では、瀬尾の「桃太郎」作品が当時の「漫画映画」という概念を拡張しようとする一貫した試みであったと主張する。まず『桃太郎の海鷲』では、「文化映画」の要素が取り入れられた。報道写真やニュース映像などが参考にされ、兵士たちの日常に焦点が合わされ、映画的手法も用いられている。...

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  • アニメーション映画のオンライン公開

    三浦 和己, 木村 智哉, 岡本 直佐 コンピュータ&エデュケーション 44 (0), 17-21, 2018-06-01

    ...1917年から1941年までに製作・公開されたアニメーション映画64作品の映像配信を中心に構成し,これを日本におけるアニメーション映画生誕から100年目とされる2017年に「日本アニメーション映画クラシックス」として公開した。公開の半年後には100万ページビュー(PV)を突破するなど,国内外から多くの支持を得ると共に,教育利用としての実績をあげた。</p>...

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  • ゲームにおけるアニメーションの原点と進化

    中島 信貴 アニメーション研究 19 (2), 49-54, 2018-03-01

    <p>1980年代初頭コンピュータゲームの黎明期、2D中心のゲーム映像は日本のアニメーション技法を取り入れながら進化をスタートさせた。21世紀からは3DCGの技術を取り入れハードソフトとも進化し、今日、VR(ヴァーチャルリアリティー)やMR(ミックスドリアリティー)の時代に入った。その過程で常にクリエイターに突きつけられてきた課題がアニメーション表現である。ハードウエアの厳しい制約の中で、いかに…

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  • 政岡憲三によるリップシンクとその表象

    萱間 隆 アニメーション研究 19 (2), 39-48, 2018-03-01

    <p>『くもとちゅうりっぷ』(1943)と『桃太郎海の神兵』(1945)は、アジア・太平洋戦争期の傑作として扱われてきた。そして、両作に関する研究が盛んになるにつれ、その政治的含意がさまざまな形で指摘されている。その一方で、これらに特徴的にみられるリップシンクについては議論されてこなかった。そこで本稿では、両作の制作に携わった政岡憲三に着目し、 2つの問いを検討する。 …

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  • 小学校の図画工作教科書でアニメーション題材はどのように扱われてきたか

    布山 タルト アニメーション研究 19 (2), 27-38, 2018-03-01

    <p>日本の初等教育におけるアニメーション教育に関する歴史的知見の蓄積を目的として、小学校の図画工作の教科書の中でアニメーション題材がどのように扱われてきたかを調査した。計677冊の教科書から25の題材を抽出し、4つの時期に区分してその変遷を俯瞰した。本稿の通時的視点からの分析を通じ、図画工作教科書におけるアニメーション題材の発祥と、その後の変遷が明らかになった。またそれらの題材に通底するアニメ…

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  • アニメーションと映像をめぐる問い――アニメ、アニメーション、アニメイティング――

    北野 圭介 アニメーション研究 18 (2), 5-12, 2017-03-01

    <p>日本のアニメにおいてはしばしば、『アキラ』や『となりのトトロ』にみられるように、人物と背景の区分けが溶解するかのごとく、画面一体となった運動の形態ないし形態の運動が呈示される。こうした物質化されたイメージを可能にした仕組みを明らかにするには、日本の視覚文化が写真等の西洋近代の光学装置をどのように受け入れたのかを考える必要がある。江戸末期には、歌舞伎の身体所作、浮世絵の身体イメージ、覗きから…

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  • フライシャー兄弟のロトスコープに関する試論――抑圧される黒人身体――

    宮本 裕子 アニメーション研究 18 (2), 13-23, 2017-03-01

    <p>フライシャー兄弟の短編アニメーション、「ベティ・ブープ」シリーズのいくつかでは、同時代において最も有名なジャズ・パフォーマーの一人であったキャブ・キャロウェイが呼び物となっている。これらの映画では、興味深いことにキャロウェイ自身は決してスクリーンに姿を見せないにもかかわらず、彼と類似しないアニメーションのキャラクターが、彼の身体の動きと歌声を代わりに引き受けている。しかし、彼の特徴的な身体…

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  • 持永只仁の人形アニメーションにおけるミュージカル表現

    有吉 末充 アニメーション研究 18 (2), 51-57, 2017-03-01

    <p>「日本の人形アニメーションの父」として知られる持永只仁は、彼が戦後にスタートさせた人形アニメーション映画の中に歌や舞踊、ミュージカルなどの身体表現を積極的に取り込んでいくことを試みていた。さらに持永はアメリカとの合作において本格的ミュージカル・アニメーションの制作手法を獲得する。本研究は持永只仁の人形アニメーション映画における身体表現の活用について分析し評価を行おうとするものである。</p>

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  • トーキー黎明期におけるアフレコ

    萱間 隆 アニメーション研究 18 (2), 39-49, 2017-03-01

    <p>音声の収録においてアフレコが用いられることは、日本のアニメーションの特性と考えられてきた。そのため、アフレコについては様々な議論が展開されている。そこでは、主に次のことが前提とされてきた。それは、(1)アフレコの対義語はプレスコであること、(2)日本のアニメーションではアフレコが一般的に用いられていること、(3)アフレコは台詞の収録のみを指し、音楽や効果音の収録は含まれないこと、の3つであ…

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  • 『アニメ・マシーン』におけるキャラクター身体論と、その非オタク的活用方法

    泉 順太郎 アニメーション研究 18 (2), 25-38, 2017-03-01

    <p>本稿は、2009年に出版された『アニメ・マシーン』(トーマス・ラマール)を対象とし、それが提示したキャラクター身体論を再考するものである。本書内の多くの議論は、オタク論に基づいているが、とりわけ、本書のキャラクター身体論にはそうした議論が強力に集約されている。しかしその身体論には、他の魅力的な幾つもの議論も集合している。それ故その身体論は、オタク的作品分析に留まらずに進展していく可能性を、…

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  • ジャパニメーションの表情とその内面(4)

    奥田浩司, 米村みゆき アニメーション研究 19 (1), 53-57, 2017

    本稿は、キム・ジュニアン著『イメージの帝国:日本列島上のアニメーション』を日本語訳した 一部である。「アニメーション研究」(第15巻第1号A)(第15巻第2号)では、順に、第2章3、4、5節、同章1・2節を掲載した。これらの前稿では日本のアニメーションにおける歌舞伎および絵巻などの伝統文化や、私小説からの影響関係、ジャパニメーションと無国籍の関係性について考察した。本稿では引き続き、同2章6節「…

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  • アニメの「行為者」

    スティービー・スアン アニメーション研究 19 (1), 3-15, 2017

    アニメーションは命を持たない「モノ」(物理的客体)を動かし、その「モノ」に行為をさせる力が注目されてきた。人間や動物、そしてモノの「体」がどのようにアニメートされるかによって、行為者としての成り立ちが変わってくる。アニメーションにおいて、動きの形式は、特定の行為者性あるいは「自己性」を伴う。ドナルド・クラフトンはアニメーションを分析するためにアニメーションのパフォーマンスを、体現的パフォーマンス…

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  • 実写動画像とアニメーションの動きの円滑さに関する分析法の提案

    佐藤壮平 アニメーション研究 19 (1), 45-52, 2017

    映画やアニメーションは連続した静止画から構成されており、そこに我々はスムーズで首尾一貫した動きを見ることができる。本研究ではスムーズに見える動きを評価する方法として、コマとコマの間を時空間周波数領域で分析する手法を提案する。アニメーションが実写動画像よりも少ない枚数で動きを表現できる仕組みについて、これまで客観的な説明がなされていなかった。本研究では時空間周波数領域における動き周波数成分を分析す…

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  • 中国最初のアニメーションと言われる『大閙画室』の再検証

    陳 龑 アニメーション研究 19 (1), 17-30, 2017

    中国アニメーションは既に100年近い歴史を辿ってきたが、その「起点」については未だに完全に統一された通説がない。本論文は、入手困難な一次資料の調査と比較分析に基づき、中国最初のアニメーションと言われる『大閙画室』についての再検証を行い、事実に適合する中国初期アニメーション史を究明する。

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  • メディア変革期における「メディアミックス」の新展開

    野口光一 アニメーション研究 19 (1), 31-44, 2017

    2000年以降、アニメーション作品の人気1は『ポケットモンスター』、『ドラえもん』、『名探偵コナン』などの作品に固定化していた。しかし、ゲーム主導のコンテンツである『妖怪ウォッチ』がTVアニメーション化され、2014年1月から放映されると、ゲーム、映画、漫画、玩具などを連携させたメディアミックスを一挙に進めることで、人気コンテンツの仲間入りを果たした。 …

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  • “彼の声”と2人の天使:正義批判論としての『009 RE: CYBORG』

    泉 順太郎 アニメーション研究 18 (1), 3-14, 2016-09-07

    <p>数多くの映画がしばしば、正義という概念への懐疑と共に、正義のヒーローを描いている。『009 RE: CYBORG』(神山健治、012)はそのジャンルに属しながらも、少々奇抜な方法によって、非常に明確な映像と音響を介しながら、正義についての別の考えを示す。本稿は、「暴力批判論」(ベンヤミン)や『法の力』(デリダ)を参照することで、その映画内の奇抜さを、暴力の表象を問うているものとして、考察す…

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  • 今 敏のつながり合う創造的世界:自己探求の連鎖

    藤原 正仁 アニメーション研究 18 (1), 15-32, 2016-09-07

    <p>本研究の目的は、今 敏のライフストーリーの観点から、今 敏監督の人間像、今 敏監督作品の創造過程、そして、今 敏監督と今 敏監督作品との連関について明らかにすることである。本研究では、アニメーション作品、絵コンテ、日記、ブログ、ウェブサイト、エッセイ、音声解説、記事などの資料調査に基づく質的研究の方法論を採用した。その結果、今 …

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  • アニメーション映画監督、イージー・ブルデツカ

    ジアンナルベルト ベンダッチ アニメーション研究 18 (1), 49-55, 2016-09-07

    <p>1960~70年代には世界アニメーションの巨匠として見なされていたイージー・ブルデズカは、作品が見られないという事情でこれまでの30年間忘れ去られていたチェコの監督である。本稿では、アニメーション界のエルンスト・ルビッチとも見なされ得ただろう同監督を長い忘却から救い出し、彼のインスピレーション、スタイル、そして時代を議論したい。</p>

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  • 日本市場におけるCGアニメーションの現状――『楽園追放Expelled from Paradise』を中心に――

    野口 光一 アニメーション研究 18 (1), 33-47, 2016-09-07

    <p>これまで日本市場では、国産のCGアニメーションはヒット作に恵まれなかった。しかし2014年は、映画の『楽園追放Expelled from Paradise』や『Stand by Meドラえもん』、TVシリーズの『シドニアの騎士』や『山賊の娘ローニャ』と話題作が公開・オンエアされた。これまでのように国産のCGアニメーションが単発で作品をリリースしていた時代と異なり、作品群が立て続けにリリース…

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  • リトルマザーとビッグマザー――アニメーション映画の中でのジェンダー表象

    有吉 末充 アニメーション研究 17 (2), 23-34, 2016-03-01

    <p>白雪姫に始まるディズニーのヒロインたちは、美貌を備え、従順で王子様に救済されるのを待ち続け、運命を自ら切り開こうとしないという意味で、常に受動的な存在であり、また、家事をよくこなす良妻賢母予備軍であり、旧来の家父長制の枠内に都合よく収まるヒロインたちであった。翻って今日の日本の劇場用長編アニメであるジブリ作品を見てみると、際立つのはヒロインの能動性であるが、それは必ずしも単純に日本の現代の…

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  • ずれる声――90年代アニメにおける女性キャラクター表象とフェミニスト批評

    石田 美紀 アニメーション研究 17 (2), 15-22, 2016-03-01

    <p>1990年代、日本のアニメはキャラクター造形のための「視覚的データベース」と「声のデータベース」を洗練させた。通常これら二つのデータベースは、相互補完的に作動しキャラクターを構築するが、両者がずれる可能性は常に存在し、新しいキャラクター類型を生み出すこともある。「美少女戦士セーラームーン」(1992-97)の天王はるかはその最たるものである。彼女を構成する視聴覚的側面はデータベースから逸脱…

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  • アニメ女性キャラクターに見る「ジェンダー・トラブル」

    志田 陽子 アニメーション研究 17 (2), 5-13, 2016-03-01

    <p>本稿では、日本のテレビで人気のある女性キャラクターたちを取り上げる。彼女たちは、古いジェンダー・ステレオタイプを攪乱させるさまざまな要素を体現しているがゆえに魅力的に見える。本稿ではこのポジティヴな攪乱的要素を、(A) 近代家族におけるジェンダーとセクシュアリティ、(B) 文化多様性とジェンダー問題との間の緊張関係、(C) 市民、統治、戦闘とジェンダー、(D) …

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  • 実写映像理解のモデルはアニメーション理解に応用できるか

    梶井 直親 アニメーション研究 17 (1), 15-24, 2015-09-07

    <p>本論文におけるアニメーションとは、主に物語性をもったアニメーションを対象とする。アニメーション映像をもちいた心理学の研究は行われているが、アニメーションの理解過程について、映像理解の理論をもちいた研究はまだあまり行われていない。そこで本論文では映像という点でアニメーションと共通している実写映像での理解過程の理論である「イベントインデックスモデル」と「イベント分割化理論」についての研究を比較…

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  • 宮崎駿作品のアメリカにおける浸透過程

    アルバナ バロリ アニメーション研究 17 (1), 3-13, 2015-09-07

    <p>本稿は、アニメーション界の巨匠として世界的に認められている宮崎駿のアニメーション映画がアメリカでいかなる受容のプロセスを経て現在の地位を獲得するに至ったのかを考察する。従来、作品と無関係なものとして扱われてきたビデオソフトのパッケージ・デザインを比較分析しアメリカにおける販売戦略を読み取る。また作品の内容がアメリカ社会に受け入れられやすいようにするためどのように変更されたかを分析する。</…

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  • アニメーション産業の国際分業と企業間取引関係の構造

    山本 健太 日本地理学会発表要旨集 2009s (0), 51-51, 2009

    ...<br>  日本アニメーション産業は生産の過程で国際分業をしている。主要な分業先として,韓国ソウル,中国上海および無錫が挙げられる。東京に立地するアニメーション制作企業に対するアンケート調査によると,韓国制作企業との取引は1980年代から,中国制作企業との取引は1990年代後半から見られる。日本制作企業と分業先企業との資本関係をみると,韓国制作企業は資本関係のないものが多い。...

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