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検索結果 4,280 件

  • 微量金属同位体比高精度分析法の開発とその海洋化学への応用

    高野 祥太朗 海の研究 33 (1-2), 17-30, 2024-03-15

    <p>海洋においてニッケル,銅,亜鉛などの微量金属は,pmol/kg~nmol/kgの濃度でしか存在しないが,海洋生物にとって必須栄養素や毒素として働く。著者はこれまで,安定同位体比を用いた海水中微量金属の起源と生物地球化学循環プロセスの理解をテーマに研究を行ってきた。(i)海水中ニッケル,銅,亜鉛同位体比の分析法を開発した。本法は,海水中ニッケル,銅,亜鉛の同位体比を一斉に分析できるため,観測…

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  • 深海乱流混合のパラメタリゼーションに関する研究

    伊地知 敬 海の研究 33 (1-2), 1-16, 2024-03-15

    <p>深層海洋大循環を把握する上でブラックボックスとなっている深海乱流混合の全球分布を解明するためには,グローバルに観測可能なスケールの大きい物理量から乱流混合強度を推定する,いわゆる,パラメタリゼーションの手法に頼らざるを得ない。しかしながら,既存の乱流パラメタリゼーションはいくつかの問題点を抱えている。海洋の中・深層における乱流散逸率のパラメタリゼーションは,ファインスケールの流速シアーと密…

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  • 干潟浅場造成材としての固化しないカルシア改質土の有効性―メソコスム水槽による比較実験―

    小杉 知佳, 吉村 航, 加藤 敏朗, 小松 伸行, 古賀 あかね, 今尾 和正, 中村 航, 佐々木 淳, 中村 由行 水環境学会誌 47 (1), 15-25, 2024

    <p>底質材料としての固化しないカルシア改質土の有効性について, メソコスム水槽を用いて浚渫土砂単独を底質材料とした場合との比較実験を行い, それぞれに形成された干潟浅場生態系を比較して調べた。固化しないカルシア改質土は, 港湾浚渫で発生する土砂と製鉄副産物である転炉系製鋼スラグで構成し, その粒度分布や配合割合により, 製鋼スラグによるセメント固化を低減し, …

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  • 上越沿岸域海面水温と上越水族博物館取水海水温の関係

    中川 清隆 日本地理学会発表要旨集 2024s (0), 20-, 2024

    ...</p><p> 2018/8/7,気象庁は,1982/1/1~の毎日の上越沿岸域海面水温として,衛星・ブイ・船舶観測値から求めた日別海面水温解析値(緯度経度0.1度格子)の第317海域28格子点の面積加重平均値の公開を開始した.一方,海上保安庁日本海洋データセンター(JODC)定地水温データが2002~2009年の上越水族博物館の取水海水温を公開している.1997~2009年の両海水温データの比較・...

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  • 気候の形成・変動・変化における大規模な大気海洋相互作用の役割に関する研究

    謝 尚平 海の研究 32 (5-6), 95-107, 2023-12-25

    <p>1980年代に海洋と大気を一つの結合システムとして扱う斬新な研究アプローチが登場した。赤道湧昇域で起きるエルニーニョを説明するビヤークネス・フィードバックに加えて,風・蒸発・海面水温フィードバックが熱帯収束帯の北半球への偏在を説明するために提案され,亜熱帯太平洋南北モードにも適用された。後者は,中緯度大気擾乱が熱帯気候へ影響を及ぼす重要なメカニズムとして,注目されている。1990年代以降,…

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  • 相模湾沿岸に漂着したスジイルカ<i>Stenella coeruleoalba</i>の胃内容物

    鷲見 みゆき, 大泉 宏, 三井 翔太, 崎山 直夫, 鈴木 聡, 樽 創 日本セトロジー研究 33 (0), 1-7, 2023-11-20

    スジイルカ<i>Stenella coeruleoalba</i>は,世界中の熱帯から温帯の海域にかけて広く分布するハクジラ亜目に属する小型鯨類である.本研究では,本種の食性解明のための基礎的知見を得ることを目的として,2019年1月から2021年5月までに相模湾の神奈川県沿岸に漂着した10個体の胃内容物を調査した.その結果,6個体の胃から頭足類(カギイカ,ホタルイカモドキなど5科3種)の顎板,…

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  • 北太平洋の表層循環とその変動に関する観測的・理論的研究

    Qiu Bo 海の研究 32 (3-4), 67-93, 2023-08-25

    本論文では,風成循環である北太平洋亜熱帯循環系の西部に存在する4 つの主要な海流系,すなわち,亜熱帯循環の南縁にある北赤道海流,亜熱帯循環の中心緯度を横切る亜熱帯反流,大蛇行と非大蛇行の流路をとる日本南岸の黒潮,そして北太平洋の内部領域へと流れ込む黒潮続流について,説明する。これらの海流系それぞれは固有の特性と時間変動シグナルを有するが,それらを別々にではなく,外部強制や相互作用を通じて互いに関…

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  • 沿岸域における混合過程と水理環境に関する研究: 内部潮汐と混合現象

    増永 英治 海の研究 32 (2), 37-65, 2023-03-15

    <p>沿岸域における物質輸送過程は陸域と外洋間の物質収支の把握に重要であり,物質輸送過程の解明には混合現象の調査が必要不可欠である。本稿では,筆者がこれまでに行なってきた沿岸域における内部潮汐により発生する混合現象と関連する物質輸送に関する観測的研究や,数値計算を用いた内部潮汐のモデル化について紹介する。沿岸海域における混合現象はスケールが小さく直接詳細な構造を計測することが難しいことを着眼点に…

    DOI Web Site 参考文献80件

  • 光共生を行う浮遊性有孔虫類の海洋生態学的研究

    高木 悠花 海の研究 32 (2), 17-35, 2023-03-15

    <p>単細胞動物プランクトンである浮遊性有孔虫には,藻類との細胞内共生関係を築く種がおり,その関係性を「光共生」と呼んでいる。浮遊性有孔虫は,炭酸カルシウムの殻が微化石として地層中に保存され,かつ殻に生きていた当時の海洋環境および生態のシグナルが残されるという特徴があり,長時間スケールでの地球環境と生命の相互作用を探る上で,格好の研究材料である。また光共生は,生物進化的に重要な生態であるだけでな…

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  • 西部北太平洋・縁辺海における乱流鉛直混合による栄養塩輸送に関する研究

    田中 雄大 海の研究 32 (1), 1-16, 2023-01-15

    <p>西部北太平洋およびその縁辺海は,世界でも有数の生物生産の高い海域として知られている。この研究では,乱流鉛直混合という物理過程に注目し,乱流計を用いた船舶観測を中心として,高い植物プランクトン生産の維持に寄与する栄養塩輸送過程の解明に取り組んだ。ベーリング海南東部の大陸棚斜面域での乱流観測および採水観測と,数値実験から,潮汐混合に伴う下層からの硝酸塩・鉄供給が,夏季の持続的な植物プランクトン…

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  • (エントリー)サブボトムプロファイラーデータによって明らかになった大阪湾における小断層の分布と沖積層の音響層序区分

    岩波 知宏, 大塚 宏徳, 松野 哲男, 島 伸和, 浜橋 真理, 佐野 守, 井和丸 光, 鈴木 啓太, 杉岡 裕子 日本地質学会学術大会講演要旨 2023 (0), 226-, 2023

    <p>大阪湾は、上町断層帯や六甲・淡路島断層帯、中央構造線断層帯など、いくつかの主要活断層帯によって囲まれた閉鎖性海域である。六甲・淡路島断層帯においては1995年に兵庫県南部地震(気象庁マグニチュード7.3)が発生しており、2013年にも気象庁マグニチュード6.3の地震が淡路島で発生している。また、大阪府北部においては、2018年に気象庁マグニチュード5.5の地震が発生している。これまでの反射…

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  • 大黒海山ROV調査による溶融硫黄湖における黄鉄鉱の分布の解明

    沢田 輝, Chong Chen, 岩本 久則, 高井 研 日本地質学会学術大会講演要旨 2023 (0), 257-, 2023

    <p>陸上火山の噴気域および海底火山の熱水噴出域では多量の自然硫黄が生じ、時として高温によって溶融した自然硫黄が滞留して溶融硫黄湖を成すか、または溶岩のように流下することがある。溶融硫黄は純粋に近い組成のものは固化すると黄色を呈するが、しばしば直径数十マイクロメートル以下程度の黄鉄鉱の微粒子を含んでおり、このようなものが固化すると灰色を呈する。黄鉄鉱は硫黄よりも比重が大きく、溶融硫黄湖の中では沈…

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  • (エントリー)島根県宍道湖周辺における完新世ヤマトシジミの殻外形の形態変異

    越智 輝耶, 入月 俊明 日本地質学会学術大会講演要旨 2023 (0), 497-, 2023

    ...,<b> 18</b>, 236–258.倉茂英次郎,1944,日本海洋学会誌,<b>3</b>, 231–253.中尾 繁・園田 武,1995,神西湖の自然,神西湖の自然編集委員会 編,たたら書房,p. 101–114.島根大学埋蔵文化財調査研究センター,2000編,島根大学埋蔵文化財調査研究報告,<b>6</b>,112p.高安克己・漆戸尊子・奥出不二生,1986,島根大学地質学研究報告,no....

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  • 東京湾中央航路閉塞時の代替輸送による輸送コスト増加額の推定

    長津 義幸, 赤倉 康寛, 中川 元気, 山端 俊也 土木学会論文集 79 (18), n/a-, 2023

    <p> 2021年のスエズ運河閉塞に加え,海上輸送システムへのサイバー攻撃等,近年の国際海上輸送を取り巻く環境は一層不確実な様相を呈してきている.東京湾中央航路は,湾内各港への玄関口として首都圏を中心に企業の生産活動や国民生活を広範に支えており,仮に航路が途絶するような事態に至れば我が国経済・社会への深刻な影響は免れられない.</p><p> …

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  • Society 5.0に応える日本型STEM教育改革の理論と実践に関する実証研究への評価

    興 直孝 日本科学教育学会年会論文集 47 (0), 375-376, 2023

    <p>欧米をはじめとする主要国のSTEM教育改革に対する取組は,我が国の教育界に大きな変革をもたらせてきた。わが国では,Society 5.0新たな社会の実現の期待が高まり, STEM教育改革の動きが,加速されている。有意な人材の輩出が図られるよう実践することが,求められる。日本型STEM教育改革の理論と実践に関する研究に長年関わってこられた熊野善介氏は、今次この研究の目標とするところは、「日本…

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  • 美保関事件で沈んだ駆逐艦蕨の探査と3次元モデルによる可視化

    三納 正美, 大原 圭太郎, 山舩 晃太郎, 市川 泰雅, 木村 颯, 片桐 昌弥, 橘田 隆史, 西尾 友之, 大原 歳之, 菅 浩伸 日本地理学会発表要旨集 2023s (0), 248-, 2023

    <p><b>1. </b><b>はじめに</b><b></b> </p><p> 島根半島の東端に位置する地蔵埼から北東に30㎞以上離れた海域に、日本海軍の駆逐艦「蕨(わらび)」が沈んでいる.1927年の夜間演習中,軽巡洋艦「神通」と駆逐艦「蕨」,軽巡洋艦「那珂」と駆逐艦「葦」がそれぞれ衝突し,「蕨」は沈没,「葦」は大破(艦尾沈没)し,殉職者119名にも及ぶ大事故となり,美保関事件として後世に伝え…

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  • 千葉県九十九里沿岸とその沖から湧出する天然ガスの出現分布

    吉田 剛, 石井 光廣, 鈴木 孝太, 小倉 利雄, 小島 隆宏 日本地質学会学術大会講演要旨 2023 (0), 251-, 2023

    ...・鈴村昌弘ほか,2021, 房総半島九十九里沖海域における海底からの天然ガス湧出現象.日本海洋学会2021年度秋季大会要旨.・高橋和彦ほか,2012, 九十九里沿岸海域における天然ガス・ヨウ素工場周辺の窒素類の現況把握.水環境学会誌,35(7), 111-117.・吉田 剛・忍足慎吾,2013,外房沖の海底から湧出する天然ガスの画像.千葉県環境研究センター年報平成25年度....

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  • 海底熱水活動域において海底着座型掘削装置で取得された掘削試料の物性計測

    大田 優介, 笠谷 貴史, 川田 佳史, 椎木(戸塚) 修平, 熊谷 英憲, 岩本 久則, 町山 栄章, 飯島 耕一, 金子 純二 物理探査 76 (0), 14-21, 2023

    <p> 深海底の鉱物資源の空間規模把握と成因評価のためには試料の採取および物性計測・化学組成分析が必須である。特に掘削調査により得られる深度方向に連続した試料は,物理探査の有効性評価の観点からも極めて重要である。本研究では海底熱水鉱床の試料情報拡充と潜頭性鉱床に対する自然電位探査の有効性評価を目的とし,潜頭型海底熱水鉱床の胚胎有望地点に対し海底着座型深海用ボーリングシステムによる海底下掘削を実施…

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  • 日本海深層における近慣性周期Gyroscopic Waveの海底反射

    越後 友利果, 伊藤 海彦, 磯田 豊 海の研究 31 (4-5), 71-98, 2022-09-15

    <p>近慣性周期の内部波は,密度成層が弱くなるほど,地球回転ベクトルの水平成分<i>Ω </i>cos <i>φ</i>(<i>φ</i>は緯度,<i>Ω</i>は自転角速度)の影響が無視できなくなる。特に,日本海深層の底層水(Bottom Water)のように,浮力振動数(<i>N</i>)がほぼ零となる均一流体内に存在できる波はGyro-scopic …

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  • 日本海の高塩分中層域を経由するオーバーターニング循環の2010年代の経年変化

    植田 純生, 磯田 豊 海の研究 31 (3), 47-69, 2022-05-15

    <p>日本海の内部領域では惑星β面上の南北水温勾配を伴う東向き表層流 (対馬暖流) が年正味の海面熱損失と南方からの水平熱輸送との熱バランスによって維持されている。このような海盆スケールの表層流は温度風平衡を満たし,西岸境界で湧昇,東岸境界で沈降を駆動して,中層もしくは底層を経由するオーバーターニング循環(鉛直循環)を発達させる。日本海の高塩分中層水 (High Salinity …

    DOI Web Site 被引用文献2件 参考文献18件

  • 光沢度を用いたカキ着定基質の表面粗さの定量化の試み

    梶原 直人, 浜口 昌巳 海の研究 31 (2), 39-46, 2022-03-15

    <p>付着生物にとっての着定基質構造の評価を行う一環として,産業重要種であるマガキ <i>Crassostrea gigas </i>幼生採苗器(カキ幼生コレクター)の表面粗さの定量化を,光沢度を用いて試みた。その結果,カキ幼生コレクターの表面では光沢度が3.6 以下で幼生は24 個体/cm<sup>2 </sup>以上,裏面中心部では光沢度が8.6 以上で幼生は10 個体/cm<sup>2 …

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  • COVID-19と海洋

    坂元 茂樹 学術の動向 27 (3), 3_48-3_50, 2022-03-01

    <p> 世界保健機関(WHO)は、2020年1月30日に新型コロナウイルス(COVID-19)を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言した。同年2月3日、厚生労働省が、横浜検疫所でクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客乗員全員に対するCOVID-19に関するPCR検査を行ったところ、712名の陽性者が判明した。</p><p> …

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  • 衛星マイクロ波センサーに関する基礎研究と海洋学への応用

    江淵 直人 海の研究 31 (1), 1-21, 2022-02-15

    <p>衛星搭載マイクロ波センサーは,マイクロ波帯の電波を利用することによって,昼夜や天候の影響を受けずに海面を観測することができる反面,合成開口レーダを除けば,空間分解能は10 km オーダーと粗い。可視・赤外放射計が,クロロフィル <i>a </i>濃度や海面水温の高解像度画像をもたらすのに対して,マイクロ波センサーは,全球スケールの物理量観測が中心となる。高精度の物理量観測を達成するためには…

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  • 飼育実験によるタイワンガザミの環境DNA分解速度と放出速度の算出

    平岡 礼鳥, 市川 哲也, 今尾 和正, 宮向 智興, 高倍 昭洋, 田中 義人, 鈴木 輝明 水環境学会誌 45 (5), 223-230, 2022

    <p>環境DNAから生物群集の構造を定量的に評価するには, 濃度とともに分解速度や放出速度の知見が必要であるが, 海産十脚類の情報は不足している。本研究はタイワンガザミを例とし, 生息海域における環境DNAの分解速度と放出速度を検討するため飼育実験を実施した。分解速度係数は畜養なし個体が0.0397に対し, …

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  • 鉛直電極アレイを用いた海底電気探査法で得られた海底熱水鉱床域における比抵抗構造

    笠谷 貴史, 川田 佳史, 岩本 久則 物理探査 75 (0), sp42-sp49, 2022

    <p> 開発した鉛直電極アレイを用いた電気探査装置の有効性を検証するため,伊是名海穴のHakurei fieldにおいて電気探査装置を無人探査機に搭載した潜航調査を行い,取得したデータを用いて比抵抗構造の推定を行った。測線の北側では複数の低比抵抗域を検出することができ,その低比抵抗域は自然電位の負の異常域と鉛直電場の負の異常域によく一致している。これらの低比抵抗域は,硫化物に伴う低比抵抗異常に相…

    DOI Web Site 参考文献15件

  • Society 5.0に応える日本型STEM教育改革の理論と実践に関する実証研究への評価

    興 直孝 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 245-246, 2022

    <p>欧米などの主要国におけるSTEM教育改革に対する取組は,我が国の教育界に大きな変革をもたらしてきた.我が国では,Society 5.0,新たな社会の実現への期待によって,STEM教育改革の動きが加速しており,有意な人材の輩出につながる実践が求められている.日本型STEM教育改革の理論と実践に関する実証研究の取組,として,昨年報告された諸外国の調査活動にCOVID19の影響はどうだったのか,…

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  • 大槌湾沖の海底地形と堆積構造の特徴

    笠谷 貴史, 松本 義徳, 清水 秀人, 杉本 裕介, 小川 年弘, 脇田 昌英 海洋調査技術 31 (2), 3-7, 2022

    The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake generated huge tsunami waves causing severe damage to coastal areas throughout the Tohoku region. Tsunami waves also affected the seafloor and …

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  • 港湾におけるアセットマネジメント促進に向けたインフラ情報の構造化と利活用ニーズの分析

    宮島 正悟, 小野 憲司, 佐野 透 土木学会論文集F4(建設マネジメント) 78 (2), I_113-I_129, 2022

    <p> 港湾のインフラストラクチャ(港湾インフラ)のライフサイクルのプロセスにおいて生成される情報やデータ類(港湾インフラ情報等)を的確に共有・利活用し,建設・維持管理コストの削減や利用の高度化につなげていくことが重要な技術課題の一つとなっている.本研究では,アセットマネジメント促進の視点から,港湾インフラに係る行政事務や請負業務の構造化,ワークフロー分析を用いた入出力情報等の抽出,情報等の共有…

    DOI Web Site 被引用文献1件 参考文献11件

  • 海洋乱流現象を特徴付ける種々のスケールと無次元数,並びに渦拡散係数の推定

    中野 知香, 吉田 次郎 海の研究 30 (6), 255-275, 2021-12-15

    <p>鉛直渦拡散係数の強さは海洋大循環の構造に寄与し,ひいては気候変動に影響を及ぼすことが知られている。そのため鉛直渦拡散係数の全球的な推定が求められているが,限られた航海時間で推定に用いる乱流(粘性散逸率<i>ε</i>)の直接観測を重点的に行うことは難しい。また,観測を行えたとしても乱流のエネルギー源となる風・潮汐・内部波の砕波・海面冷却など多岐にわたる現象を理解するとともに,膨大な量の乱流…

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  • 三陸女川湾における水系分布とその季節変動,特に河川系水について

    五味 泰史, 高橋 大介, 遠藤 宜成 海の研究 30 (6), 277-293, 2021-12-15

    <p>三陸女川湾において,2000 年4 月から2017 年2 月の間に実施されたモニタリング調査により得られたデータを用いて,水系分布とその季節変動について調べた。本研究では,女川湾の海水をHanawa and Mitsudera(1987)で定義された6 つの水系および沿岸水(岸近くには存在するが,その沖合には存在しない海水)のいずれかに分類した。水系分類の結果を用いてモード水系を求めたとこ…

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  • 海洋学の10年展望2021:深層

    岡 顕, 大林 由美子, 勝又 勝郎, 高橋 一生, 山下 洋平, 横川 太一 海の研究 30 (5), 179-198, 2021-11-15

    <p>海洋深層において現在議論されている研究トピックを整理するとともに,今後10 年程度の期間で取り組むべき研究の方向性と意義,そしてその遂行に必要な研究基盤について論じた。本稿では物理・化学・生物が分野横断的に関わるトピックとして,とくに深層における物質循環に着目し議論した。具体的には,(1)深層から中層への物質輸送,(2)表層から中深層への有機物の輸送と動態,(3)深層の時間変化の3つの課題…

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  • 海洋学の10 年展望2021:沿岸域

    木田 新一郎, 栗原 晴子, 大林 由美子, 川合 美千代, 近藤 能子, 西岡 純 海の研究 30 (5), 87-104, 2021-11-15

    <p>沿岸域において,今後10 年程度の期間で取り組むべき研究の方向性と意義,そしてその遂行に必要な研究基盤について論じた。沿岸域は外洋域と陸域を結びつける,フィルターかつリアクターとしての役割をもつ海域であると同時に,人間社会に身近であり,多様で生産性豊かな海域である。沿岸域の物質循環を理解し,将来にわたってその豊かな生態系を維持していくためには,物理・化学・生物が分野横断的に連結し,組織立っ…

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  • 海洋学の10 年展望2021:熱帯域

    土井 威志, 安中 さやか, 高橋 一生, 渡辺 路生, 東塚 知己, 栗原 晴子 海の研究 30 (5), 105-129, 2021-11-15

    <p>熱帯域に関する近年の研究の進展をレビューするとともに,今後10 年程度で取り組むべき海洋研究の方向性に関して,物理・化学・生物の各分野を横断して論じた。特に,エルニーニョ・南方振動(ENSO)に焦点をあてた。ENSO の予測は,近年の物理的理解の進展によりある程度可能になった。一方,ENSO …

    DOI Web Site Web Site 被引用文献2件 参考文献198件

  • 海洋学の10 年展望2021:極域

    川合 美千代, 田村 岳史, 渡邉 英嗣, 西岡 純, 野村 大樹, 真壁 竜介, 溝端 浩平, 安中 さやか 海の研究 30 (5), 159-178, 2021-11-15

    <p>今後10年に我が国が取り組むべき極域研究について,海洋学の視点から論じた。気候変化への極域の応答とフィードバックを明らかにするための重要課題として,両極共通の重要プロセスである中緯度からの海水輸送,海氷を介した物質輸送と生物生産,沿岸域の熱輸送と物質循環の定量化に加えて,北極海では海氷減少に関連する環境変化のメカニズム,春先の急激な季節変化,南大洋では東南極での大気-海洋-海氷 …

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  • 海洋学の10 年展望2021:新たな手法と問題

    平井 惇也, 宮 正樹, 藤木 徹一, 吉田 聡, 乙坂 重嘉, 帰山 秀樹, 加古 真一郎, 片岡 智哉, 松岡 大祐, 日高 弥子, 杉山 大祐, 小嶌 不二夫 海の研究 30 (5), 227-253, 2021-11-15

    <p>観測や分析技術の革新は海洋学を大いに発展させてきたが,同時に海洋環境汚染など人間活動に伴う新たな問題も浮き彫りにしてきた。本稿では,今後10 年の海洋学の発展に関わる新たな手法として,環境DNA,BGC Argo,バイオロギングに着目した。また,2011 年の東北地方太平洋沖地震以降の継続した問題である海洋放射能,ならびに近年急速に注目を集める海洋プラスチックを,新たな問題として取り上げた…

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  • 海洋学の10 年展望2021:大気海洋境界

    岩本 洋子, 相木 秀則, 磯口 治, 大林 由美子, 近藤 文義, 近藤 能子, 西岡 純 海の研究 30 (5), 199-225, 2021-11-15

    ...これらの問いに答えを出し人類が自然環境と共生するために必要な研究,ならびに日本海洋学会と隣接学会との連携について,次の10年を展望する。</p>...

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  • 海洋学の10 年展望2021:中緯度

    橋濱 史典, 纐纈 慎也, 近藤 能子, 佐々木 克徳, 杉本 周作, 高橋 一生, 長井 健容, 西岡 純, 林田 博士, 平井 惇也 海の研究 30 (5), 127-154, 2021-11-15

    <p>本稿では,亜寒帯循環,亜熱帯循環,縁辺海からなる中緯度海洋の表・中層を対象域とし,最近10 年間の海洋学の進展をレビューすると共に,新たに浮かび上がってきたいくつかの重要課題を取り上げ,それらに取り組むための観測技術,解析手法について紹介した。特に西部北太平洋の中緯度海洋に着目し,西岸境界流と大気海洋相互作用のマルチスケール現象の把握と予測,一次生産を支える栄養塩・鉄供給の3次元像の視覚化…

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  • ヒトエグサ(<i>Monostroma nitidum</i>)養殖漁場の生産力低下に関連する栄養塩濃度変化について

    宮向 智興, 市川 哲也, 赤司 有三, 田崎 智晶, 鈴木 輝明, 田中 義人 沿岸域学会誌 34 (1), 15-24, 2021-06-30

    <p><b>要旨:</b>全国の内湾では貧栄養化による海藻養殖の生産性低下が問題となっており,本研究フィールドとした伊勢湾口的矢湾奥伊雑ノ浦海域においても,ヒトエグサ(<i>Monostroma nitidum</i>)生産量と栄養塩不足との関連が危惧されている。流入河川を含めた栄養塩類濃度を過去と比較することで現状を把握した。その結果,海域のDIN<sup>*</sup>(NH<sub>4</…

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  • 瀬戸内海・播磨灘におけるヤコウチュウ赤潮の長期変動

    多田 邦尚, 千葉 廉, 北辻 さほ, 石井 大輔, 柳 哲雄 海の研究 30 (3), 47-55, 2021-06-15

    <p>「瀬戸内海の赤潮」(水産庁瀬戸内海漁業調整事務所)に記載された各種情報を地図情報システム(Geographic Information System : GIS)に取り込んだ Ishii <i>et al</i>.(2013)の「赤潮基礎データセット」を用いて,瀬戸内海の播磨灘におけるヤコウチュウ赤潮の解析を行った。本データセットが対象とした 1979年から 2004年までの …

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  • 日本のメタンハイドレート開発研究

    長久保 定雄 日本エネルギー学会機関誌えねるみくす 100 (2), 191-196, 2021-03-20

    <p>日本のメタンハイドレート開発研究は,1990年代の基礎研究を経て2001年から国の大型研究が始まった。したがって,大型研究が始まってから昨年で20年目を迎えたことになる。 本稿では,その20年間の動向を中心に,これまでの日本のメタンハイドレート開発研究の歴史を紹介する。</p>

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  • 網走沖の陸棚ー海盆境界域におけるdense Soya Current Waterの輸送と変質過程

    千葉 彩, 堀尾 一樹, 磯田 豊, 小林 直人 海の研究 30 (2), 15-46, 2021-03-15

    <p>本研究では夏季の日本海中層に残留している冬季混合層水を起源とし,宗谷暖流(Soya Current:SC)の沖合側底層に出現する重い水塊(密度26.75 σθ以上)を「重い宗谷暖流水(dense Soya Current Water:DSCW)」と呼ぶことを提案する。最初に,DSCWの季節的出現と他の水塊の位置関係を再確認することを目的に,網走沖の陸棚┉海盆境界域における過去の海洋観測資料…

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  • 播磨灘におけるイカナゴ当歳魚の胃内容物重量指数の経年的低下とその要因

    橋口 晴穂, 西川 哲也, 魚住 香織, 古澤 一思, 森 敦史, 今尾 和正, 反田 實 水産海洋研究 85 (1), 24-32, 2021-02-25

    <p>播磨灘ではイカナゴ漁獲量の減少要因として,餌不足の可能性が指摘されている.本研究では1987年から2018年の3月に播磨灘で採集されたイカナゴ当歳魚の胃内容物重量指数(SCI),肥満度および胃内容物組成の経年変化を調べた.SCIは1987年から1997年に低下し,2001年以降は1%未満の低い値で推移した.肥満度は2001年以降,経年的に低下した.しかし,調査期間を通してイカナゴの主な餌生…

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  • 分子生物学的手法を用いた動物プランクトンの群集構造解析と

    平井 惇也 海の研究 30 (1), 1-13, 2021-01-15

    <p>海洋漂泳区の重要な生物群である動物プランクトンは形態分類に高度な専門知識や経験を要し,隠蔽種や未成体個体では形態による識別が困難である。そこで,形態情報に依存せずに動物プランクトン群集を把握するため,超並列シーケンサーによる大量遺伝子配列に基づき群集構造を復元するメタバーコーディングに着目した。はじめに,動物プランクトンで優占し高い多様性を誇るカイアシ類を対象に有用な遺伝子マーカーの選出を…

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  • 外来付着珪藻<i>Cymbella janischii</i>の多摩川水系での分布と季節消長

    石井 裕一, 増田 龍彦, 安藤 晴夫, 山崎 孝史, 清沢 弘志 水環境学会誌 44 (2), 51-57, 2021

    <p>国内の清澄な河川において, 外来付着珪藻<i>Cymbella janischii</i>の侵入と分布拡大に伴う生態系サービスの低下が懸念されている。<i>C. janischii</i>の侵入が確認されている多摩川水系において, その分布と季節消長を検討した。多摩川上流域では, <i>C. …

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  • 沿岸域で用いられる数値モデルの再現性-潮汐流-

    松野 健, 磯辺 篤彦, 上原 克人, 郭 新宇, 白木 喜章, 竹内 一浩, 山口 創一 沿岸海洋研究 59 (1), 47-57, 2021

    沿岸域における構造物の建設や様々な大規模な事業に際して,実施される環境影響評価では,数値モデルを用いた予測 実験が行われる.また,沿岸域での海洋現象を理解するための研究でも様々な数値実験が用いられてきた.その際,数値 モデルの結果は,観測値と比較することで,その信頼性を担保することが行われている.しかしその再現性の定量化につ …

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  • 豊後水道の沿岸定線観測点における潮流調和定数の推定と残差流の季節変化

    森本 昭彦, 柴川 大雅, 滝川 哲太郎, 平井 真紀子, 三門 哲也, 美山 透 沿岸海洋研究 59 (1), 11-20, 2021

    愛媛県農林水産研究所水産研究センターは,沿岸定線の28測点において毎月海洋観測を実施している.各測点では調査 船の船底に搭載された超音波多層流速計(ADCP)により流速が記録されている.潮流の卓越する豊後水道では,流速の 瞬間値から得られるのはその時の潮流の情報であり,測定のタイミングにより流向・流速は変わるため,沿岸定線観測時 のADCP データはほとんど利用されていない.しかし,ADCP …

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  • 有明海湾奥高濁度域で観察される冬季珪藻ブルームの消長を制御する物理化学環境

    山口 聖, 太田 洋志, 津城 啓子, 三根 崇幸 沿岸海洋研究 59 (1), 1-10, 2021

    冬季の有明海湾奥西部域における満潮時および干潮時の物理化学環境(栄養塩環境・光環境)の評価を行うことを目的 に,当海域への主要な淡水供給源である感潮域からその沖合域にかけて調査を行った.2017年12月5日に,沖合域におい てSkeletonema 属を主体とする珪藻ブルームの発生とそれに伴う栄養塩濃度の減少が観測された.2017年12月26日の満潮 …

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  • 豊かな海-2.「豊かな海」をめぐる複雑な関係

    関口 秀夫 沿岸海洋研究 59 (1), 69-78, 2021

    前報での議論を踏まえ,①「豊かな海」と海洋生態系の関係,②「豊かな海」をめぐる利害関係者の衝突,③水産業の社 会的位置と問題点,④「豊かな海」と里海と漁業の関係,⑤「豊かな生態系」(豊かな海)の価値および評価,の5つの課題 を検討する.

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  • 鉛直電極アレイを用いた電気探査装置の開発と熱水鉱床域における鉛直電場データの特徴

    笠谷 貴史, 岩本 久則, 川田 佳史 物理探査 74 (0), 57-64, 2021

    <p> 海底熱水鉱床のような海底地形の起伏が激しい地域において海底下浅部の比抵抗構造を簡便に把握するために,鉛直方向に電極を配置した電気探査装置の開発を行った。本装置の鉛直電極アレイを用いることで鉛直電場の計測による自然電位探査を行うことができる。鉱体の直上において鉛直電場の異常は自然電位の異常と同位相となるため,鉛直電場は海底熱水鉱床と関連する負の自然電位異常域を捉えやすいと考えられる。実海域…

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  • 石灰質ナノ化石群集に基づく北西太平洋海域の前期更新世表層海水温の復元

    桑野 太輔, 亀尾 浩司, 久保田 好美, 宇都宮 正志, 万徳 佳菜子, 岡田 誠 日本地質学会学術大会講演要旨 2021 (0), 096-, 2021

    ...報告された夕木川ルートの試料73点に加え,新たに夷隅川の支流である大野川ルートの試料18点を追加し,石灰質ナノ化石の群集組成の検討を行った.現生アナログ法は,Squared Chord Distanceを類似度として使用し,これらの値が大きい上位5地点の現在の海水温の加重平均をとることで水温の推定を行った.表層堆積物における群集組成のデータセットはTanaka (1991) を利用し,現在の水温は,日本海洋...

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  • 大規模山体崩壊のマグマ供給系への影響―渡島大島火山海陸統合調査―

    石塚 治, 片岡 香子, 前野 深, 片山 肇, 有元 純, 高下 裕章, 下田 玄, 針金 由美子, Conway Chris, 古山 精史朗, 小川 真由, 坂本 泉, 横山 由香, 内山 涼多, 安藤 進吾, 亀尾 桂, 宮嶋 優希, 久野 光輝, 小松 亮介, 三澤 文慶 日本地質学会学術大会講演要旨 2021 (0), 074-, 2021

    <p>[目的] 地球上には,大規模な山体崩壊を繰り返し引き起こしながら成長していく火山が多く存在している .日本国内にもこれまで大規模な山体崩壊を起こした火山が多く存在する.とくに1640年北海道駒ケ岳,1741年渡島大島,1792年雲仙眉山では多くの犠牲者が出たが,これは大量の火山砕屑物が海へ流入して津波が発生し,甚大な災害に発展したためである.このように海に囲まれた日本の火山では山体崩壊が大…

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  • 南海地震水没災害伝承の痕跡発掘に向けた沿岸域海底調査:須崎市野見湾を例に

    谷川 亘, 村山 雅史, 井尻 暁, 廣瀬 丈洋, 浦本 豪一郎, 星野 辰彦, 田中 幸記, 山本 裕二, 濱田 洋平, 岡﨑 啓史, 徳山 英一 沿岸海洋研究 59 (1), 21-31, 2021

    高知県須崎市野見湾では,白鳳地震によって水没した村『黒田郡』の伝承が語り継がれているが,その証拠は見つかっ ていない.そこで本研究では,野見湾内で海底調査を行い『黒田郡』の痕跡を探索した.その結果,海底遺構の目撃情報 がある戸島北東部の海底浅部(水深6m~7m)に,面積約0.09km2の沖側に緩やかに傾斜する平坦な台地を確認した. …

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  • 豊かな海-1.「豊かな海」という理念

    関口 秀夫 沿岸海洋研究 59 (1), 59-68, 2021

    日常生活における「豊かさ」の意味を,次に「豊かな社会」の定義と測度を明らかにし,社会や個人にとって「豊かさ」 が何を意味しているのかを検討する.これらの検討を踏まえ,環境・水産行政における豊かさを,次に生態学における豊 かさを明らかにする.

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  • Society 5.0に応える日本型STEM教育改革の理論と実践に関する実証研究への評価

    興 直孝 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 285-286, 2021

    <p>欧米をはじめ主要国のSTEM教育改革に対する取組は,我が国の教育界に大きな動きをもたらせてきた.教育コミュニティは,社会的要請を受け止め,有意な人材の輩出に向けての取組を確実に実践することが,必要である.こうした中,STEM教育の理論と実践に長く関わってきた熊野が中心となって,日本型STEM教育改革の理論と実践に関する実証研究に取組んできた.今回は,我が国のSTEM教育のフロンティアの高等…

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  • 南極域における観測データの再現性の高い数値モデルの開発と海洋棚氷相互作用の研究

    中山 佳洋 海の研究 29 (6), 233-244, 2020-11-15

    <p>従来,南極氷床は安定で質量は大きく変動しないと考えられていた。しかし,過去20年程度の各国の研究によって,南極大陸の氷の損失が年間約0.3 mm 程度の海面上昇に寄与していることが明らかになってきた。南極沿岸域の大陸棚上へ流入する高温の水塊が,棚氷を融解/ 薄化させ,南極大陸から海への氷の流出を加速させているためである。特に,南極の氷損失の70%以上がアムンゼン海東部で起きているとされ,国…

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  • 海洋における酸素非発生型好気性光合成細菌の巧妙な生残戦略

    高部 由季 海の研究 29 (6), 189-216, 2020-11-15

    <p>海洋において,細菌が溶存有機物を利用することで始まる微生物ループは,炭素循環の駆動システムとして重要である。微生物ループは,細菌が原生生物に捕食されることで高次栄養段階へと有機物を転送する役割を担っている。酸素非発生型好気性光合成細菌(aerobic anoxygenic phototrophic …

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  • 北部薩南海域におけるメソ動物プランクトン群集の時空間変動

    小針 統, 山崎 朱音, 遠藤 有紀, 久米 元, 小森田 智大, 一宮 睦雄, 幅野 明正, 有田 洋一, 牧野 文洋 海の研究 29 (6), 217-232, 2020-11-15

    <p>北部薩南海域におけるメソ動物プランクトン群集組成,現存量(個体数密度および生物量),タンパク質合成酵素活性の時空間変動を明らかにした。メソ動物プランクトン現存量では時間および空間変動の両方が,タンパク質合成酵素活性では時間変動が卓越した。メソ動物プランクトン群集中ではカラヌス目およびポエキロストム目カイアシ類が優占し,多変量解析では鹿児島湾口部で季節的に遷移する6系群,湾外の季節性に乏しい…

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  • 海洋マイクロプラスチックの採取・前処理・定量方法

    中嶋 亮太, 山下 麗 海の研究 29 (5), 129-151, 2020-09-15

    <p>海洋マイクロプラスチック汚染は,海洋が直面する地球規模課題の1つであり,近年,海洋マイクロプラスチック(MPs)に関する膨大な数の論文が出版されている。MPs をモニタリングする重要性が増す一方で,MPs の調査・計測手法は発展途上の段階にあり,多くの研究者が最適な手法を模索している。海洋MPs …

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  • 海水標準物質の現状と将来展望 ─栄養塩CRMをはじめとして─

    村田 昌彦, 青山 道夫, チョン 千香子, 三浦 勉, 藤井 武史, 光田 均, 北尾 隆, 笹野 大輔, 中野 俊也, 永井 直樹, 児玉 武稔, 葛西 広海, 清本 容子, 瀬藤 聡, 小埜 恒夫, 横川 真一朗, 有井 康博, 曽根 知実, 石川 賀子, 芳村 毅, 内田 裕, 田中 辰弥, 粥川 洋平, 脇田 昌英 海の研究 29 (5), 153-187, 2020-09-15

    <p>海洋の長期変動を捉えるためには,海水標準物質が不可欠である。例えば,栄養塩は19世紀末の海洋学の黎明期の頃から世界各海域で測定が行われており,海洋の環境変動を捉えるのにも十分なデータ量の蓄積がある。しかし,栄養塩データに基づいた長期変動の解析は皆無に近い。これは,データの比較可能性を保証する標準物質が無かったことに起因している。現在,日本発で日本初でもある海水標準物質である栄養塩認証標準物…

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  • 我が国の小学校における海洋教育現場の課題―実践報告のテキストマイニングによる分析結果―

    小熊 幸子 海の研究 30 (4), 57-83, 2020-07-27

    <p>日本における海洋教育の普及・推進に向けて今後取り組むべき課題を調べるために,海洋教育の実施内容と現場のかかえる問題について,2017 年度「海洋教育パイオニアスクールプログラム」(PSP)参加小学校の成果報告を解析した。最初に,外的要因として学校と海の距離に着目して,取り組み内容や協力機関の選択傾向を調べた。その結果,体験活動のテーマは海からの距離が選択傾向に反映されるテーマと,距離との関…

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  • 東京湾平均海面基準の日本沿岸平均水位分布とその季節・経年変動

    寄高 博行, 花輪 公雄 海の研究 29 (4), 107-128, 2020-07-15

    <p>水準測量の2000年度平均成果を用いて,外洋に面する全国の沿岸で,東京湾平均海面基準の1998年から2007年までの10年間の平均水位分布を求めた。1969/1972年度平均成果によるものとの大きな違いは,九州沿岸で18~36 cm,四国沿岸で10~24 cm平均水位が高いと見積もられたことである。その結果,北海道を除く九州・四国・本州の沿岸は,10年間の平均水位が空間的にほぼ一様な4つの…

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  • 日本近海における海面水温の十年規模変動

    吉田 久美, 北村 佳照, 中野 俊也 海の研究 29 (2), 19-36, 2020-03-15

    <p>日本近海の海面水温(SST)に見られる十年規模変動の特性を,大気循環場との関係や季節による相違に着目して調べた。日本近海を対象とした経験的直交関数(EOF)解析の結果から,通年の第1モードは冬季の第1モードに,通年の第2モードは夏季の第1モードに対応し,日本近海SSTの十年規模の主な変動が冬季と夏季における卓越モードの足し合わせで表現できることが分かった。冬季の第1モードの空間パターンは九…

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  • 黒潮・対馬暖流域における栄養塩動態を中心とした低次生態系の解明

    児玉 武稔 海の研究 29 (2), 55-69, 2020-03-15

    <p>日本近海域の環境の解明は,海洋と海洋資源を持続可能な形で利用する上で必須である。本稿では,黒潮・対馬暖流域において,日常的に観測されている栄養塩濃度ならびに動物プランクトン個体数に着目した低次生態系に関する筆者の研究を紹介する。まず,栄養塩環境について黒潮域,東シナ海,日本海対馬暖流域の各海域で異なる特徴の栄養塩環境が存在していた。四季を通じた黒潮の観測からは,下層からの栄養塩供給の時空間…

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  • 海洋學談話會から日本海洋学会創立への道と初期10年

    黒田 一紀 海の研究 29 (2), 37-53, 2020-03-15

    ...ここでは,「海洋學談話會」の発起,内容,切掛けおよび母体から日本海洋学会創立への紆余曲折の経緯を調べたので,関係科学者の役割も含めて報告する。</p><p><b>キーワード:</b>海洋<b> </b>學談話會,海洋学会,日本海洋学会,宇田道隆,日高孝次</p>...

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  • 南半球の海面水温に現れる経年から十年規模変動に関する研究

    森岡 優志 海の研究 29 (1), 1-17, 2020-01-15

    <p>南半球の亜熱帯から中緯度の海面水温に現れる経年変動は,海盆の南西部と北東部に異なる符号の海面水温偏差を伴い,亜熱帯ダイポール現象として知られる。亜熱帯ダイポール現象に伴う正(負)の海面水温偏差は,混合層厚が平年より薄く(厚く)なった結果,日射による混合層の加熱が強まって(弱まって)生じることが本研究で明らかになった。また,混合層厚の偏差は,亜熱帯高気圧の変動に伴う潜熱フラックスの偏差による…

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  • 音響調査と自然電位法を用いた海底熱水鉱床調査技術プロトコルに基づく調査とその検証

    笠谷 貴史, 金子 純二, 岩本 久則 物理探査 73 (0), 42-52, 2020

    <p>内閣府主導の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一つとして,次世代海洋資源調査技術「海のジパング計画」が2014年にスタートした。このプログラムのもと,概査から精査に至る調査手法に関して「海底熱水鉱床調査技術プロトコル」が策定され,このプロトコルの概査から準精査までの一部の調査過程を実証するための調査航海を行った。実証航海前に概査として取得したデータをもとに設定した海域において,…

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  • 短波海洋レーダによる波浪研究の進展と課題

    久木 幸治 海の研究 29 (3), 91-106, 2020

    <p>短波海洋レーダによる波浪研究の現在までの進展について紹介する。短波海洋レーダが受信する波浪からの後方散乱電波のドップラースペクトルには,波浪を構成している全ての自由波成分が関与している。このため,ドップラースペクトルから波浪スペクトルを推定することが可能である。その推定手法には,半経験的な手法,パラメータ適合による手法,線形インバージョン法,非線形インバージョン法がある。この中で,半経験的…

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  • 東シナ海から日本海への栄養塩輸送

    森本 昭彦, 柴野 良太, 高山 勝巳 沿岸海洋研究 58 (1), 59-60, 2020

    東シナ海から日本海へは対馬暖流により栄養塩が水平的に輸送されている.この水平的に輸送される栄養塩量の変化は 日本海の低次生態系,特に対馬暖流域の基礎生産を変化させる.対馬海峡における観測結果から,対馬海峡を通過する栄 養塩量の経年変化が大きいことが分かっているがその変動要因は明らかになっていない.本研究では低次生態系モデルを …

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  • 東シナ海:物理的観点から

    松野 健 沿岸海洋研究 58 (1), 49-51, 2020

    東シナ海における海洋物理現象,特に海面水温,黄海冷水,黒潮,長江希釈水,海水位の長期変動について,最近の文 献に基づいて主なものを紹介した.気象庁は,東シナ海の北部と南部海域における海面水温が,100年でそれぞれ1.23̊C および1.18̊C 上昇していることを示し,これらは全球平均に比べてかなり大きな値になっている.海面水温を含めて, …

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  • 富山湾におけるブリ,スルメイカ,ホタルイカの 漁況と日本海の海洋環境との関係

    小塚 晃, 北川 慎介, 南條 暢聡, 辻本 良 沿岸海洋研究 58 (1), 81-86, 2020

    富山湾では400年以上も前から定置漁業が盛んであり,暖水性の回遊魚を中心に漁獲してきた.主要漁獲物であるブリ, スルメイカおよびホタルイカについて,漁獲変動と海洋環境との関係を調べた.ブリでは,日本周辺海域の海水温の上昇 に伴い分布域がオホーツク海まで拡大し,2000年代後半以降に北海道の漁獲量が急増した.また,南下期である冬季の富 …

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  • 津軽海峡シル地形上の海面にストリーク帯を形成する内部波の観測とモデル実験

    山口 卓也, 磯田 豊, 伊藤 海彦, 向井 徹, 小林 直人 海の研究 29 (3), 71-90, 2020

    <p>成層期の津軽海峡西口付近における合成開口レーダ(SAR)の人工衛星海面画像には,2~3 本のストリーク帯(同一水塊内の海面収束帯)を伴う内部波群が映し出され,その波長は数100 mのオーダであった。このような内部波群のほとんどは,浅いシル(海堆)地形付近で観測された。シル上に捕捉されたようにみえる内部波群の経時変化を捉えることを目的に,2017年の夏季,高周波計量魚群探知機を用いた25時間…

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  • 豊後水道の急潮と底入り潮

    武岡 英隆 沿岸海洋研究 58 (1), 19-43, 2020

    豊後水道は,豊かな水産物の産地であるばかりでなく我が国最大規模の養殖生産地でもある.これらを支えている急潮 と底入り潮の研究の歴史,それらの物理的特性,基礎生産や水産への影響などを総括する.

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  • 東シナ海と日本海の植物プランクトンの変化:衛星データを中心に

    石坂 丞二 沿岸海洋研究 58 (1), 53-55, 2020

    日本の縁辺海の東シナ海・日本海でも水温の上昇が報告され,温暖化による生態系の影響が懸念される.一方でこの海 域は人間による富栄養化の影響も大きいことが知られている.ここではこれらの海域での,衛星で測定したクロロフィル a 濃度の変化について報告する.過去の研究の10年スケールにおいても,最近の20年スケールの観測においても,東シナ 海ではクロロフィルa …

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  • 現場観測と人工衛星リモートセンシングによる富山湾の アマモ場の時空間変動の把握

    寺内 元基, 原田 恭行, 松村 航, 前田 経雄 沿岸海洋研究 58 (1), 75-76, 2020

    富山湾におけるアマモ場の時空間変動を明らかにするため,水中ビデオカメラによる底質の現場観測データと人工衛星 画像を用いて,氷見沿岸のアマモ場の抽出を試みた.2016年の水中ビデオカメラによる現場観測(6月下旬~7月上 旬,11月下旬~12月上旬の2回実施)で得られた底質情報を主に用いて(岩礁性藻場のみ2017年のデータを一部使 用),2016年3月17日に観測されたRapidEye …

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  • 防舷材及び係船柱の設計に用いる船舶諸元の統計解析

    米山 治男, 加島 寛章, 原 大地, 西澤 慶介 土木学会論文集B3(海洋開発) 76 (2), I_384-I_389, 2020

    <p> 船舶諸元の中で船舶の平行舷(パラレルサイド)の長さと受風面積については,船舶諸元データとして一般的に公表されていないため,防舷材の設計において船舶の接岸エネルギーを算定する際や係船柱の設計において風荷重による係留船舶の牽引力を計算する際に,設計対象船舶に対してそれらの正確な値を求めることが難しい状況にある.そこで,本研究では,対象船舶の諸元が不明な場合に防舷材及び係船柱の設計に用いるため…

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  • カルシア改質土を適用した大規模浅場造成工事の概要とモニタリング調査報告

    中川 雅夫, 安藤 満, 今村 均, 木曽 英滋, 眞鍋 忠司 土木学会論文集B3(海洋開発) 76 (2), I_834-I_839, 2020

    <p> 民間浚渫工事で発生する浚渫土を改良したカルシア改質土とスラグ人工石等を用いて,漁業協同組合と民間企業が協働して,沿岸漁業環境改善を目的とした大規模浅場を造成した.造成後,約3年間にわたってモニタリング調査を行い,カルシア改質土で造成した浅場基盤の地盤強度,形状安定性,周辺環境に及ぼす安全性,生物着生効果や当該地域での有用魚介類の漁獲調査等を実施した.その結果,造成した人工浅場は,台風履歴…

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  • 自動避航システムの安全性評価

    中村 紳也, 岡田 尚樹 The Journal of Japan Institute of Navigation 142 (0), 18-28, 2020

    <p>In recent years, research on autonomous ships has been conducted worldwide. The authors have also developed an automatic collision avoidance system, and have reached practical use level as …

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  • 沿岸海域の栄養塩濃度管理

    柳 哲雄 沿岸海洋研究 58 (1), 11-18, 2020

    世界の沿岸海域は1960年代以降,陸からの過大な栄養物質負荷により生じた,富栄養化による不健康な沿岸海域生態系 という状況に悩まされている.このような富栄養化問題の対策に関する世界の現状,富栄養化問題を克服するために行わ れてきた栄養物質負荷総量削減の結果生じた貧栄養化問題の現状,を紹介する.そして,沿岸海域における健康な生態系 …

    DOI Web Site 被引用文献1件

  • 物理・生態系結合モデルに基づく日本海の 溶存酸素(DO)濃度への生物学的寄与

    金 海珍, 広瀬 直毅, 高山 勝巳 沿岸海洋研究 58 (1), 57-58, 2020

    日本海の深層では,溶存酸素(dissolved oxygen:以後DO と省略)濃度が長期的に低下し続けている.DO 濃度の減少 に関してGamo et al.(1986)1)は3つの要因:1.深層・底層水の形成量が減少あるいは停止;2.深層に沈み込む有機物の 増加;3.深層水と底層水の鉛直混合の強化,を可能性として例示している.これまでの研究では,要因1がDO 濃度の …

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  • 富山湾の動物プランクトン

    井口 直樹 沿岸海洋研究 58 (1), 77-79, 2020

    富山湾では動物プランクトン生活史についての研究が1990年代に多く行われた.富山湾の動物プランクトンの生態的特 徴についてこれら結果に基づいて紹介する.その後1997年からは富山湾で動物プランクトンの生物量や種組成の長期変動 を把握するためのモニタリングが開始された.この動物プランクトンモニタリングの方法,結果の一部について報告す る.

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  • 物質輸送の観点から:陸から海へ

    張 勁 沿岸海洋研究 58 (1), 71-73, 2020

    地球温暖化が直接かかわる地球規模での変動把握に関する化学海洋学国際的な枠組みを紹介し,日本沿岸の海洋循環構 造,特に日本海に寄与する対馬暖流による物質とエネルギー輸送について概説した.こうした海洋循環規模での変動を背 景として,陸から海への物質輸送に関して顕著な特徴を持つ富山県と富山湾にズームインし,気候変動が陸から海への物 …

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  • 地球温暖化と藻場:日本海を中心としたアカモク分布の変化

    小松 輝久, 水野 紫津葉, 佐川 龍之, 高山 勝巳, 広瀬 沿岸海洋研究 58 (1), 61-63, 2020

    地球温暖化の影響は,水温上昇などを通じて固着生活を送る底生生物の分布域変化として現れる.長崎県の褐藻ホンダ ワラ類藻場(ガラモ場)では,温帯性から亜熱帯性への種組成の変化が既に報告されている.日本周辺ではホンダワラ類 アカモクは流れ藻を構成する卓越種で広域に分布する.そこで,沿岸の2000年2月と8月の表面水温分布をもとにアカモ …

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  • 温故知新:過去7000年にみられる対馬暖流の流量変動と駆動因子

    堀川 恵司, 小平 智弘, 池原 研, 村山 雅史, 張 勁 沿岸海洋研究 58 (1), 69-70, 2020

    日本海南部で優先する浮遊性有孔虫Neogloboquadrina incompta のMg/Ca 水温換算式を日本海13地点の表層堆積物から 作成した.また,佐渡沖で採取されたピスコンコア試料から,N. incompta を拾い,N. incompta のMg/Ca 水温換算式を使 い過去7,000年間の佐渡沖表層水温をおよそ100年程度の時間解像度で復元した.N. incompta …

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  • 深海の化学合成生態系動物群集の幼生分散過程

    矢萩 拓也, Chen Chong, 川口 慎介 海の研究 28 (4-5-6), 97-125, 2019-12-25

    <p>深海熱水噴出域を代表とする海底下流体湧出場には,深海底環境では「ありえない」規模の高密度で生息する動物群集がある。化学合成微生物を一次生産者とするこの動物群集が「深海底に飛び石状に分布する生息域間をどのように移動しているのか」という問いは,その発見以来40年にわたって研究者を魅了し続けてきた。最も一般的な学説は,底生動物が初期発生段階(卵・幼生期)に浮遊して移動する「幼生分散説」である。本…

    DOI Web Site Web Site 被引用文献1件 参考文献153件

  • 初夏の噴火湾表層時計回り水平循環流の数値実験

    小林 直人, 磯田 豊, 堀尾 一樹 海の研究 28 (4-5-6), 51-74, 2019-12-25

    <p>初夏の噴火湾で観測される最も顕著な物理現象は,表層の時計回り水平循環流システムである。本研究では典型的な成層期を想定し,(1)河川供給に伴う淡水化,(2)津軽Gyre 水の密度流的流入,(3)海面熱供給の3 つを強制力とした数値モデル実験を行い,この循環流の形成過程を調べた。その結果,この循環流の励起に寄与する基本的な物理的要因は,海面加熱強制により生じる「地形性貯熱効果」であることがわか…

    DOI Web Site Web Site 参考文献10件

  • サブメソスケール現象 ─これまでの成果と観測研究の展望─

    伊藤 大樹, 纐纈 慎也, 須賀 利雄 海の研究 28 (4-5-6), 75-95, 2019-12-25

    <p>海洋前線やメソスケール現象に伴い全球海洋に遍在するとされるサブメソスケール現象は,エネルギー輸送や生態系,物質循環において重要な役割を果たす可能性があることから,理想化したモデル実験や現実的な条件下のシミュレーション等を用いた研究が近年活発である。数値研究により力学的・生物地球化学的重要性の理解が進む一方で,時空間スケールの小さな現象であるために,現場観測による研究は少ないのが現状である。…

    DOI Web Site Web Site 参考文献70件

  • 多様な湿潤密度を有する 礫質土砂環境の硬度評価の研究

    梶原 直人, 佐々 真志 海の研究 28 (3), 41-50, 2019-06-15

    <p>礫浜の潜砂環境としての底質硬度について,湿潤密度との関係は殆ど知見が存在しない。本研究では,粒径や形状が一定で,密度が異なる6種類の基質(細礫)を用いて,海水で飽和させた地盤の湿潤密度を測定した。同時に,4種のベーンと2 種のトルク計によるベーンせん断抵抗及びデジタルフォースゲージによる貫入抵抗を測定し,礫底の硬度測定法としての適性を検討・考察すると共に,礫質硬度と湿潤密度の関係を明らかに…

    DOI Web Site Web Site 参考文献17件

  • 日本のメタンハイドレート開発研究

    長久保 定雄 日本エネルギー学会機関誌えねるみくす 98 (2), 166-170, 2019-03-20

    <p>2001年度から開始された「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」は2018年度に終了し,新しい展開が始まろうとしている。この節目の年に,1990年代から始まった我が国のメタンハイドレート開発研究の歴史を広い視点から整理した。</p>

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  • 青森県太平洋沿岸における<sup>129</sup>I濃度分布と水塊との関係

    賀佐 信一, 小藤 久毅, 久慈 智幸 RADIOISOTOPES 68 (3), 115-123, 2019-03-15

    <p>2004年~2007年における青森県太平洋沿岸の<sup>129</sup>I濃度の分布を観測し,水塊毎の<sup>129</sup>I平均濃度やその起源について検討した。水塊毎の<sup>129</sup>I濃度の平均値は(14~19)×10<sup>6</sup> atoms/Lであり,水塊間でわずかに異なっていた。各水塊の<sup>129</sup>I濃度は,<sup>129</su…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献7件

  • 海洋大循環のエネルギー収支に関する数値モデリング研究

    浦川 昇吾 海の研究 28 (2), 19-40, 2019-03-15

    <p>海洋大循環と呼ばれる大洋・全球スケールの循環は,亜熱帯循環などに代表される風駆動の風成循環と海面浮力フラックス駆動の熱塩循環に大別される。後者の熱塩循環は,高緯度域での局所的な深層水形成とその他の広大な海域での深層水湧昇によって特徴付けられる深層循環である。本循環による多量の深層水輸送は多くの熱・物質輸送を伴い,気候形成・維持に重要な役割を果たすと考えられており,その駆動メカニズムに多くの…

    DOI Web Site Web Site 参考文献69件

  • 海洋の炭素・窒素循環における微生物・ウィルス群集の役割に関する研究

    永田 俊 海の研究 28 (1), 1-18, 2019-01-15

    <p>溶存有機物を起点として細菌から原生生物やウィルスへとつながる微生物食物連鎖(微生物ループ)は,海洋の炭素・窒素循環の駆動システムとして重要な役割を果たしている。しかし,中・深層における微生物ループの変動や制御機構については未解明の点が多く,海洋生物地球化学モデルへの微生物過程の組み込みは依然として初歩的な段階にある。筆者は,1990年代に,深層における細菌の地理的分布に着目した研究を行い,…

    DOI Web Site Web Site 参考文献52件

  • Thorpe 変位を用いた鉛直渦拡散係数の推定

    和方 吉信, 水江 謙二郎 沿岸海洋研究 57 (1), 15-19, 2019

    海底乱流境界層の乱流鉛直渦拡散係数を,混合距離理論を用いて推定する方法を提案した.地衡流下の海底近くに発達する乱流をラージ・エディ・シミュレーション(LES)を用いて解き,その出力結果の解析から新しい鉛直渦拡散係数の 推定方法を導出した.混合距離理論の混合距離としてThorpe 変位を用いることにより,渦拡散係数はKT=LT4/3 ε1/3のように計算できる.ここでLT はThorpe …

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  • センサによる硝酸塩鉛直乱流拡散フラックスの計測

    長谷川 大介, 田中 雄大, 松野 健, 千手 智晴, 堤 英輔, 中村 啓彦, 仁科 文子, 小針 統, 吉江 直樹, 郭 新宇, 長井 健容, 奥西 武, 安田 一郎 沿岸海洋研究 57 (1), 59-64, 2019

    新学術領域研究課題「海洋混合学の創設」において,海洋の基礎生産を支える栄養塩供給過程のうち,硝酸塩の鉛直乱 流拡散フラックスの正確な定量化を目的として,乱流計に小型の硝酸塩センサを搭載することで,センサによる硝酸塩鉛 直乱流拡散フラックスの計測を実現した.本稿では,本計測手法の詳細と,計測誤差を考慮したデータ処理手順につい て,実際の計測値を用いて議論を行う.

    DOI Web Site 被引用文献2件

  • 福岡湾の栄養塩濃度と植物プランクトン種組成の 18年間(1993-2010年)の変化

    里道 菜穂子, 江﨑 恭志, 多田 邦尚 沿岸海洋研究 56 (2), 133-141, 2019

    1993年から2010年までの福岡湾の栄養塩濃度と植物プランクトンの種組成の変化について検討した.溶存態無機窒素 (DIN)濃度はおおむね横ばいで推移したが,溶存態無機リン(DIP)濃度は経年的に低下した.クロロフィルa(Chl a) 濃度は1993-2000年には低下傾向を示し,2001-2005年は低位横ばいで推移した後,2006-2010年の期間は上昇し …

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  • 播磨灘における海洋環境と植物プランクトンの長期変動解析

    西川 哲也 沿岸海洋研究 56 (2), 73-78, 2019

    播磨灘に設けた19定点において,1973年4月から毎月1回,月の上旬に実施している海洋観測調査結果のうち,2008年12月まで36か年のデータセットを解析した.植物プランクトンの年平均細胞密度は,溶存態無機窒素(DIN)濃度の変動と同調し,1970年代に高く,1980年代前半に大きく低下した.構成種の大部分は珪藻であったが,珪藻の種組成は1980年代前半に大きく変化した.すなわち,それまで構成種…

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  • 激甚な産業公害から過栄養,富栄養へと急激に変化した 内湾の水質に対する植物プランクトン群集の応答

    山田 真知子, 多田 邦尚, 柳 哲雄 沿岸海洋研究 56 (2), 87-95, 2019

    将来の植物プランクトン組成を予測するためには,過去の水質環境とそれに応答した植物プランクトン組成が解明され なければならない.北九州市洞海湾は,魚影が認められないほどの著しい産業公害,これを脱却後は高濃度のアンモニアによる過栄養そして現在は富栄養と,水質改善が急速に進んだ内湾である.一方,植物プランクトン調査は栄養細胞について1980年から開始されたが,それ以前の産業公害期の植物プランクトン組成…

    DOI Web Site 被引用文献1件

  • 縁辺海や沿岸域における鉛直混合過程

    吉川 裕 沿岸海洋研究 57 (1), 5-13, 2019

    乱流は,現象そのものは小さいものの,鉛直混合を通じて大規模な海洋変動に影響を与える.これらの鉛直混合は,一 般に海底や海面付近の境界層で大きく,また内部重力波が砕波する密度躍層内でも無視できない.沿岸域や縁辺海域では,これらの層が全体に占める割合が大きく,外洋よりも混合の影響が大きいと考えられる.これらの海域における様々な規模の海洋現象をより正しく理解するには,混合をもたらす物理過程のさらなる理…

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  • 海底混合層内の懸濁粒子動態

    古市 尚基, 東 博紀, 杉松 宏一, 大村 智宏, 越川 海, 長谷川 徹, 山田 東也, 南部 亮元, 帰山 秀樹 沿岸海洋研究 57 (1), 21-30, 2019

    粒径別粒子濃度に関する現場観測を行い,海底混合層変動と懸濁粒子動態の関連性について検討した.観測結果からは 密度成層条件下において海底混合層が形成され,粒径区分毎の粒子濃度が海底混合層の外側で顕著に減少する結果(特徴 1),海水密度分布が一様な場合に各粒径区分の粒子が全水深にわたって広範囲に分布する結果(特徴2)が確認され, …

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  • 黒潮上流から続流の鉛直混合過程とその影響に関する考察

    長井 健容 沿岸海洋研究 57 (1), 43-58, 2019

    日本沿岸を流れる黒潮は,流域の気象や海象,生態系に多大な影響を及ぼす.これまでの研究によって,北大西洋のガ ルフストリームと同様に,表層で貧栄養である黒潮は,その亜表層では栄養塩を下流へ運ぶ栄養塩ストリームであること が明らかとなっている.本稿では,この黒潮の上流から下流である黒潮続流で発生する重要な鉛直混合過程と,その影響 …

    DOI Web Site 被引用文献1件

  • 海底地形上での潮汐混合を引き起こす内部重力波に関する考察

    日比谷 紀之, 永井 平 沿岸海洋研究 57 (1), 39-42, 2019

    潮汐流が海底地形と相互作用することで励起される内部重力波は海洋中における「乱流混合」を引き起こし,外洋だけ でなく沿岸域においても重要な役割を果たしている.本研究では,これまでほとんど議論されることがなかった「沿岸域 での短波の内部重力波」に関して考察を行った.その結果,沿岸域において粗い海底凹凸地形を考慮した場合,強い潮汐 …

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  • 海底熱水鉱床調査における深海曳航式電気探査の有効性評価

    石須 慶一, Chatchai Vachiratienchai, Weerachai Siripunvaraporn, 後藤 忠徳, 笠谷 貴史, 岩本 久則 物理探査 72 (0), 122-138, 2019

    <p>熱水活動に伴って形成される海底熱水鉱床は,新たな金属資源として注目されている。熱水鉱床は低比抵抗を示すため,海底熱水活動及び海底熱水鉱床の分布調査に海底電気・電磁探査が用いられてきた。しかしながら,これまでに熱水地域で行われた海底電気・電磁探査は簡易的なものに限られており,海底下の広域比抵抗断面の可視化方法は確立されていない。そこで本研究では,深海曳航式電気探査に注目し,熱水地域におけ…

    DOI Web Site Web Site 参考文献24件

  • 沿岸環境と植物プランクトン増殖~現場観測と室内実験~

    多田 邦尚 沿岸海洋研究 56 (2), 97-103, 2019

    沿岸海域の海水中で植物プランクトン増殖の窒素源になると考えられるのはNH4 +,NO3 -,NO2 -,尿素および溶存遊離 アミノ酸である.これらの窒素源が実際の沿岸海域の海水中で,どの程度の濃度で存在するのかを検討した.さらに,複数の窒素源が同時に存在する環境下において,現場での優占種である植物プランクトンが,どの窒素源を利用するのかについて,主にこれまで著者のグループが得た現場観測と室内実験…

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  • 播磨灘南部における植物プランクトン群集構造の長期変動と 増殖特性の関係(Skeletonema 属を例に)

    帰山 秀樹, 本田 恵二, 長谷川 尋士, 宮川 昌志, 吉松 定昭, 多田 邦尚 沿岸海洋研究 56 (2), 79-85, 2019

    播磨灘南部海域における物理・化学パラメータならびに植物プランクトン細胞密度について1987年から2017年の期間に おける変動についてとりまとめた.水温,塩分,透明度に明瞭な長期変動傾向は認められなかった.一方で,栄養塩のう ち溶存態無機窒素の経年的な減少が顕著であった.植物プランクトン群集においては珪藻類の優占度が経年的に増加するこが明らかとなった.細胞密度の平年偏差の季節,経年変動を見るとN…

    DOI Web Site 被引用文献1件

  • 植物プランクトンの生理と窒素代謝に与える鉄の影響

    工藤 勲, 國分 治代, 宮本 真希子, 野入 善史 沿岸海洋研究 56 (2), 106-114, 2019

    現在,海洋における植物プランクトンの生長制限因子としての鉄の重要性は広く認識されている.しかしながら,亜寒 帯北太平洋域,赤道湧昇域,南極海において栄養塩が一年を通して豊富であるにもかかわらず,植物プランクトン現存量 の指標であるクロロフィルが低いというパラドクスに関して,この20年間に世界の海洋学者の間で活発な議論が行われて …

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  • ラグランジアン的にみた植物プランクトンブルーム

    木田 新一郎, 伊藤 貴充 沿岸海洋研究 57 (1), 73-75, 2019

    春季に起きる植物プランクトンブルームは海洋生態系を支える一大イベントである.これまで,ブルームの発生の有無 は海面混合層の深さがコントロールパラメータだと考えられてきた.しかし近年,乱流混合の強さの重要性も提唱されて いる.ブルームの発生メカニズムの検証にはNPZD モデルが幅広く活用されているが,海洋の流れ場と結合させる際, Eulerian Framework …

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  • 海底斜面上のtidal straining と懸濁物質の輸送過程

    遠藤 貴洋, Kirstin Schulz, 吉川 裕, 松野 健, 和方 吉信, 李 根淙, Lars Umlauf 沿岸海洋研究 57 (1), 31-37, 2019

    海底斜面近傍で,背景場の密度成層の斜面への射影として生じる水平勾配が,潮汐流の鉛直シアーによる変形“tidal straining”を受けることで,流れが斜面を駆け上る時に斜面下方の高密度水が乗り上げて成層が不安定化し,斜面を駆け 下る時に斜面上方の低密度水が乗り上げて成層が安定化する潮汐周期の変動が存在することが,夏季の東シナ海陸棚域に …

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  • 多摩川河口干潟の底生動物による水質浄化機能の評価

    橋本 旬也, 石井 裕一, 山崎 孝史, 新井 宏明, 中西 敏之, 和波 一夫 水環境学会誌 42 (5), 231-237, 2019

    <p>東京の地先海域では, 夏季に発生する赤潮等の富栄養化に起因する水質悪化が課題となっている。その対策として, かつて東京の海岸線を形成し水質浄化機能があるとされている浅場・干潟の再生が有効と考えられる。本稿では, その水質浄化能力が明らかになっていない多摩川の河口域を対象区域として, 浅場・干潟等の浅い水域に多く分布する底生動物の浄化能力を定量的に評価することを目的として調査を行った。調査の…

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  • 大阪湾における植物プランクトンの長期変動と 有毒渦鞭毛藻Alexandrium tamarense の大増殖

    山本 圭吾 沿岸海洋研究 56 (2), 63-72, 2019

    大阪湾における過去40年間の物理,化学環境の長期変動と植物プランクトン群集への影響について概観するとともに,近年大きな問題となってきた春季の麻痺性貝毒原因渦鞭毛藻Alexandrium tamarense の大規模増殖の要因について,同湾におけるモニタリング調査で得られた知見を合わせ考察した.大阪湾では水温,透明度で増加傾向,溶存無機態窒素(DIN),溶存無機態リン(DIP),クロロフィルa …

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  • 瀬戸内海表層水における1990年代と2010年代の溶存無機態 および有機態窒素濃度の比較

    朝日 俊雅, 阿保 勝之, 阿部 和雄, 多田 邦尚 沿岸海洋研究 56 (2), 123-131, 2019

    近年,瀬戸内海ではノリの色落ちに代表される低栄養塩濃度が問題視されている.一方で,瀬戸内海全域での栄養塩濃度の季節変動およびその経年的な変化はよく分かっていない.本研究では,1990年代と2010年代の瀬戸内海全域の各季節の溶存無機態窒素(DIN)および溶存有機態窒素(DON)濃度の測定結果を比較し,20年の間に起こった栄養塩濃度の変化について,その詳細を明らかにした.瀬戸内海全域,全季節の平均…

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  • トカラ海峡上流域から下流域におけるプランクトン群集組成, 現存量および生産力の変化

    阿部 美穂子, 小針 統, 本間 大賀, 金山 健, 加留 福太郎, 吉江 直樹, 長谷川 大介, 仁科 文子, 内山 正樹, 東 隆文, 中村 啓彦 沿岸海洋研究 57 (1), 65-72, 2019

    黒潮に沿ったラグランジュ的な海洋観測と標本採取を行い,トカラ海峡を通過する黒潮の上流域と下流域のプランクト ン群集組成,現存量,生産力を比較した.トカラ海峡より黒潮下流域では表層の水温や塩分が低くなり,亜表層の栄養塩 濃度やクロロフィルa 濃度が増加した.動物プランクトン分類群組成には地点間差が見られず,いずれの地点でも微小 …

    DOI Web Site 被引用文献1件

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