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検索結果 3,974 件

  • 生保内だしの吹走による健康影響について

    松本 貴子, 山口 隆子 日本地理学会発表要旨集 2024s (0), 70-, 2024

    ...生保内だしが吹走する地域には、「熱無く頭痛がすれば翌日東風」(「田沢湖町史」編纂委員会,1966)という天気俚諺が存在しており、だし風の吹走が地域住民の体調に影響を及ぼしていることが推測される。</p><p> 本研究では、医療従事者や地域住民にヒアリング調査とアンケート調査を行い、生保内だしと体調不良に関する話題の認知度や有症状者の地域分布を考察する。...

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  • 戦後の公営住宅の間取りおよび施工の標準化への道程

    安武 敦子, 佐々木 謙二, 志岐 祐一 住総研研究論文集・実践研究報告集 49 (0), 215-224, 2023-03-31

    戦後の公営住宅の不燃化の流れを整理し,1948年度に全国に展開した48型の所在や,標準型とは別に店舗付き住宅が建設されたことを把握した。さらに新聞等から地方での建設過程を明らかにした。平面計画に関しては,47型・48型は戦前の同潤会アパートの間取りに近いものの,住宅営団の日照の考えを取り入れ,48型では台所の家事動線が軽減されるなど改良が加えられている。施工については配筋間隔など高輪アパートとの…

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  • 漢方 Problem Based Learning (PBL) を基にした学術発表により得られる医学生の学び

    高山 真, 有田 龍太郎, 金子 聡一郎, 菊地 章子, 沼田 健裕, 石井 誠一, 谷内 一彦, 石井 正 日本東洋医学雑誌 74 (1), 75-84, 2023

    <p>背景:漢方をテーマとした Problem Based Learning(PBL)を実践し,引き続き学術活動を行った教育の成果と効果を検証した。</p><p>方法:2013年~2021年の期間,医学部2年生を対象に漢方 PBL を実施し,4年時の漢方試験成績を漢方 PBL 受講者,非受講者間で比較した。その後の学術活動により得られた学びを自由記載文章から抽出した。</p><p>結果:漢方 …

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  • 真武湯が奏効した発熱疾患の3例

    寺澤 捷年, 小林 亨, 太田 陽子, 隅越 誠, 平崎 能郎, 地野 充時 日本東洋医学雑誌 74 (1), 36-41, 2023

    <p>筆者らは真武湯が奏効した非定型的な熱性疾患の三症例を報告した。第一例は発熱に全身の疼痛を伴い,第二例は強い全身倦怠感を,そして第三例は全身の違和感を伴っていた。いずれの症例も真武湯証に通常見られる,めまい感や動揺感などを伴わなかったが,高木嘉子の提唱する左臍傍圧痛が明らかで,これを根拠として真武湯証と決定した。これらの症例を通して,これまでに我々が固定観念として持っている真武湯証とは全く異…

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  • COVID-19の咳嗽に対する竹筎温胆湯の使用経験

    小野 理恵, 髙山 真, 有田 龍太郎, 菊地 章子, 大澤 稔, 齊藤 奈津美, 鈴木 聡子, 石井 正 日本東洋医学雑誌 74 (1), 67-74, 2023

    <p>【はじめに】Coronavirus disease 2019(COVID-19)における咳嗽の遷延は,不快であるだけでなく,社会復帰を遅らせる原因となる。今回,COVID-19患者における漢方治療で,発症後数日経った咳嗽のある患者に対し,竹筎温胆湯による治療を試みたので報告する。</p><p>【症例】2020年10月〜2021年9月に竹筎温胆湯を処方した患者は33例,そのうち竹筎温胆湯を単…

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  • 真武湯が奏効した16年間遷延した反復性悪心嘔吐症の1例

    寺澤 捷年, 小林 亨, 斎田 瑞恵, 隅越 誠, 平崎 能郎, 地野 充時 日本東洋医学雑誌 74 (1), 60-66, 2023

    <p>筆者らは各種の標準的治療にも拘わらず16年間に亘って反復性の悪心嘔吐が持続していた36歳の男性患者において左臍傍圧痛点を根拠として用いた真武湯が奏効したので報告する。この患者の異常は漢方における水滞の病態が関与したものと推測しているが,この様な症例報告は漢方の分野においてこれまでになく,更には Medline …

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  • 高音域の感音難聴に大柴胡湯が奏効した3例

    植草 康浩, 喜多 敏明 日本東洋医学雑誌 74 (3), 247-253, 2023

    <p>難聴,耳鳴,めまいなどの神経耳疾患はそのメカニズムや原因が充分に明らかにされておらず,西洋医学的なアプローチも限られるため治療に難渋する場面をよく経験する。今回,高音域を中心とした感音難聴に大柴胡湯が奏効した3例を報告した。急性感音難聴の加療後に高音域の難聴が残った際や高音域の急性感音難聴に対し,腹証を含めた漢方医学的アプローチを行うことは,耳鳴などの併存症状だけでなく聴力改善の可能性があ…

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  • 咳嗽時または深呼吸時の胸痛に対して柴陥湯が有効であった3例

    眞木 賀奈子, 今井 純生, 村井 政史, 竹田 眞 日本東洋医学雑誌 74 (3), 259-263, 2023

    <p>咳嗽時または深呼吸時の胸痛を主訴に受診する患者に対し柴陥湯が著効する症例をたびたび経験するが,その報告は多くはない。今回,当院呼吸器内科外来に咳嗽時または深呼吸時の胸痛を主訴に来院し,柴陥湯エキスを投与して明らかな改善を認めた3症例を経験した。症例1は17歳女性で胸膜炎,症例2は57歳男性で胸膜炎疑い,症例3は45歳女性で感染性咳嗽と診断した。3例に胸脇苦満を,2例に心下痞鞕を認めた。全例…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 異型を伴わない子宮内膜増殖症に対する鍼治療の一症例

    井畑 真太朗, 山口 智, 村橋 昌樹 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 123-125, 2023

    【背景】産婦人科診療ガイドライン 2020 では、子宮内膜増殖症はプロゲステロンにより拮抗されない過剰なエストロゲン刺激によって生じる非腫瘍性の変化であり、細胞異型を伴わない子宮内膜腺の過剰増進と定義されている。今回、子宮内膜増殖症により半年間不正出血が続いた患者に 鍼治療を行い、良好な結果が認められたので報告する。<br> 【症例】52 歳女性、主訴 : 不正出血<br> 現病歴 : X 年 …

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  • 慢性疼痛イノベーション

    伊藤 和憲, 大町 成人 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 17-22, 2023

    鍼灸治療は昔から痛みに対して効果的な治療法であると考えられている。実際、腰痛や膝痛、 頭痛のような末梢性の痛みに関しては、大規模な臨床試験が行われており、その有用性が証明さ れている。他方、同じ痛みでも、線維筋痛症や CRPS のような痛みでは、痛みを感じる部位が、 たとえ筋肉や関節であったとしても、その原因は脊髄や脳が関与する中枢性の痛みとして捉えら …

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  • ユニバーサルデザインを指向した関節可動域測定アプリ「CAST-R」の信頼性の検討

    福島 正也, 大和田 里奈 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 57-65, 2023

    【目的】関節可動域(以下、ROM)測定アプリ「CAST-R」の信頼性を検討すること。 <br>【方法】実験 1 として、検者 1 名が被検者 7 名の 5 部位の ROM 測定を行った。実験 2 として、検者 17 名(晴眼者群 8 名、視覚障がい者群 9 名)が、被検者 1 名の肩の外転と外旋の ROM 測定を行った。ROM 測定は、1ゴニオメータでの測定(以下、ゴニオ測定とする)、2 …

    DOI Web Site 医中誌

  • 男子高校ハンドボール選手の身体及びケアの状況とM-Testによる貼付型接触鍼の効果

    櫻庭 陽 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 87-93, 2023

    【目的】男子高校ハンドボール選手の身体の不調、ケアの経験と今後の希望を把握するとともに、M-Test による貼付型接触鍼の効果を検討した。<br> 【方法】対象は、男子高校ハンドボール選手とした。アンケートで身体の不調およびケアの利用経験と今後の希望を聴取した。さらに、M-Test を用いて貼付型接触鍼で治療した。治療の効果は、 M-Test の最不調動作を対象に、治療前後に …

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  • 溶解速度調整可能なマグネシウムインプラントの開発

    村田 知明, 堤 定美, 坂之上 悦典, 會田 哲夫, 金 郁喆, 岡 佳伸, 高橋 謙治 日本再生歯科医学会誌 21 (1), 43-50, 2023

    <p>骨折治療では,チタン合金やステンレス材等の金属製インプラント,あるいはポリグリコール酸やポリ乳酸等の生分解性樹脂を用いた樹脂製インプラントが一般的に使用される.しかし,既存の金属製インプラントは,治癒後に抜去手術が必要であることから患者への負担が大きい.一方,樹脂製インプラントは,体内で分解するため抜去手術を要しない利点があるものの,強度不足である点などが課題となっている.</p><p>こ…

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  • 千金内托散が奏効した腹腔鏡下胆嚢摘出術後の臍部創傷治癒遅延の1例

    寺澤 捷年, 岡 洋志, 太田 陽子, 平崎 能郎, 地野 充時 日本東洋医学雑誌 74 (1), 16-19, 2023

    <p>筆者らは腹腔鏡下胆嚢摘出術の後に適切な抗菌薬治療にもかかわらず,臍創部の遷延性浸出液を訴えた患者において,漢方治療が奏効した一症例を経験した。この漢方方剤,千金内托散の薬理学的作用は未だ明らかではないが,古来,遷延性の感染症に用いられて来た。漢方の古典の記述によれば,この方剤は生体の代謝を賦活し,抗炎症作用を発揮することが示唆される。腹腔鏡下手術に伴う表層切開創感染に対する漢方治療の報告は…

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  • 葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏の併用効果を胸部 CT で確認した高齢者 COVID-19肺炎の1例

    沖本 二郎 日本東洋医学雑誌 74 (1), 94-97, 2023

    <p>高齢者 COVID-19肺炎に対する葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏の併用効果を,胸部 CT で確認した症例を報告する。症例は,82歳,女性で,発熱,食欲不振,全身倦怠感を訴えて受診し,SARS-CoV-2 PCR が陽性であった。胸部 CT で,肺炎像を認めるも,入院を拒否されたため,自宅療養を行うことになった。葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏を併用投与したところ,3日後には解熱し,9日後には,自覚…

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  • 当帰芍薬散,小建中湯の併用が奏効し満期分娩に至った多彩な既往をもつ高齢不育症の1例

    服部 孝雄, 村井 克昌, 西村 甲 日本東洋医学雑誌 74 (2), 163-169, 2023

    <p>症例は,特発性血小板減少性紫斑病,甲状腺機能異常,子宮内膜症,子宮筋腫などの合併症を有す38歳肥満女性である。多彩な病歴で不妊治療に至るまでの経過は長く,種々の治療を受けた。また,不妊治療開始後も子宮筋腫に対して開腹手術を受けている。不妊治療中に出現した多愁訴に対して漢方治療を行った。当帰芍薬散,小建中湯の併用療法を行い,約3ヵ月後に諸症状が改善するとともに妊娠し,妊娠経過も順調で満期分娩…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献7件

  • 成人後も続いた夜尿症が漢方治療により改善した1例

    玉田 真由美, 渡邉 賀子, 村松 慎一 日本東洋医学雑誌 74 (1), 54-59, 2023

    <p>成人後も夜尿が続く症例に対し漢方治療が有効だったので報告する。症例は21歳の女性。幼少期は毎晩,学童期は2~3日に1回程度の夜尿があった。19歳時には週1~2回まで減ったが,成人後も持続するため来院。軽度の腹直筋攣急,臍上悸の腹証から,桂枝加竜骨牡蛎湯煎じを開始。内服開始直後の1回を除き3週間1度も夜尿は起きなかった。1日の排尿回数が4回と少ない傾向にあったため,排尿回数を増やす目的で五苓…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献6件

  • COVID-19後の嗅覚障害に香蘇散を中心とした漢方治療が奏効した2例

    平澤 一浩, 及川 哲郎, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 74 (2), 170-174, 2023

    <p>COVID-19の症状の一つとして嗅覚障害がある。多くは早期に自然軽快するが,後遺症として残存する例もあり,確立された薬物治療は現状ない。今回我々は,COVID-19後の嗅覚障害に香蘇散を中心とした漢方治療が奏効した例を経験した。</p><p>症例1は32歳の女性。8ヵ月前に COVID-19に罹患した後,嗅覚障害が残存した。陰証のやや虚証で,当帰四逆加呉茱萸生姜湯を処方した。8週間継続し…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献10件

  • 九味檳榔湯により縮小した術後性上顎嚢胞の1例

    平澤 一浩, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 74 (2), 152-155, 2023

    <p>術後性上顎嚢胞は,上顎洞根治術後に生じる晩発性合併症である。根治治療は手術のみで,現在は多くの例で内視鏡下の開窓術が行われるが,永続的な開窓部の形成が困難な例もある。今回我々は,九味檳榔湯の投与により縮小が得られ,手術を回避しえた術後性上顎嚢胞の一例を経験した。</p><p>症例は58歳男性。40年前に両側の上顎洞根治術を受けた。半年前から左頬部腫脹があり,近医で抗菌薬治療を行うが改善なく…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 単回使用毫鍼に関する材料学的調査 第 2 報

    糸井 信人, 小濱 和之, 佐藤 義晃, 松井 敬宏, 谷口 美保子, 石井 祐三, 松本 美由季, 長谷川 尚哉 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 103-112, 2023

    【目的】パルス通電(以下パルス)や直流通電(以下 DC)による単回使用毫鍼の重量・寸法および 機械的強度への影響を明らかにし、鍼の安全性と品質に関する情報を提供する。<br> 【方法】50mm 20 号鍼(鍼体長 50mm・鍼体径 0.20mm)のステンレス鍼(試料 A ~ E)と銀鍼(試料 F) を試料とし、パルスは LFP-2000e、DC は AC アダプタ (DC12V-5A/60W) …

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  • 筋・筋膜性疼痛に対する鍼通電療法

    皆川 陽一 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 31-35, 2023

    肩こりや腰痛など筋・筋膜性の痛みは、学生、運動選手、労働者から高齢者など幅広い層に認 められる症状である。また、筋・筋膜性の痛みは、生命に直接危険を及ぼすほどではないものの、 通常の血液検査や画像診断では異常を認められにくいことから、原因不明の痛みとして放置され、 結果的に学習、運動、生産性におけるパフォーマンスの低下、日常生活の活動制限や生活の質 (Quality of life) …

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  • 鍼灸手技療法の科学化と本学会の役割

    山口 智 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 7-10, 2023

    当科外来を受診する患者の実態は、約 2/3 が他の診療科からの診療依頼があった患者である。脳 神経内科や耳鼻科、整形外科、リウマチ・膠原病科、リハビリテーション科などからの診療依頼 が多く、難治性の疼痛や麻痺、一連の不定愁訴の患者が多い。こうした患者群に対する鍼灸治療は概ね期待すべき効果が得られ、患者の QOL …

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  • 単回使用毫鍼に関する材料学的調査 第1報

    佐藤 義晃, 小濱 和之, 糸井 信人, 松井 敬宏, 谷口 美保子, 石井 祐三, 松本 美由季, 長谷川 尚哉 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 95-101, 2023

    【目的】単回使用毫鍼の品質に関する先行研究は鍼尖・鍼体で不良が見られた昭和 50 年代に実施され、現在は少ない。製造技術や品質管理は進歩し、改善が推測される。本研究は単回使用毫鍼の機械的特性の現状を明らかにすることを目的に実施した。<br> 【方法】試料はステンレス製5種(A ~ F)と銀製1種(G)の50mm20号鍼を各20 …

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  • 周術期喘息発作に対して半夏厚朴湯が著効し,安全に硬膜外併用脊髄くも膜下麻酔で行った帝王切開の2例

    福田 功, 中田 英之, 草鹿砥 宗隆, 小菅 孝明 日本東洋医学雑誌 74 (1), 20-24, 2023

    <p>喘息発作は,時間の経過とともに病態が急速に悪化する。特に術前の状態悪化では,手術内容によっては全身麻酔(全麻)の適応となるが,帝王切開(帝切)ではわが国においては,挿管困難のリスクや胎児への影響,新生児の蘇生の懸念もあり全麻は避ける傾向がある。今回,帝切当日に不穏症状から呼吸困難を伴う喘息様発作を起こした症例と術前抗生剤点滴により呼吸困難を起こした症例に梅核気を使用目標に半夏厚朴湯を内服さ…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献4件

  • 新型コロナワクチン接種後の悪寒,倦怠感に対し,柴胡桂枝乾姜湯が著効した1例

    田中 秀則, 伊藤 亜樹, 島 仁, 中永 士師明 日本東洋医学雑誌 74 (1), 98-101, 2023

    <p>症例は,47歳女性。新型コロナワクチン3回目接種が Day1に施行された。体温は,35.6 ℃であった。Day3に,性器出血と悪寒を認め,精査を目的に当院を受診した。この時の体温は,37.1 ℃であった。Day15に悪寒と強い倦怠感を認め,近医内科を受診したが,原因は不明で,総合病院を紹介された。Day16,婦人科的検査の結果を聞くために当院を受診した。この時,悪寒と強い倦怠感が持続してい…

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  • 芍薬(PAEONIAE RADIX)の篤農技術検証:伝統的加工環境の数値化

    髙橋 京子, 髙浦(島田) 佳代子, 矢野 孝喜, 川嶋 浩樹, 吉越 恆, 福田 浩三 日本東洋医学雑誌 74 (2), 188-205, 2023

    <p>大和芍薬の高品質性を補完する伝統的加工技術に着目した。まず,近世以降の歴史考証から奈良県に残る自然乾燥の伝統手法を再見した。次に1938~2019年間の奈良県薬用作物生産記録を収集解析し,シャクヤク栽培実績の変遷から地域生産と篤農技術の衰退を検証した。種苗供給から栽培・加工調製技術の指導に資する薬種商の伝統知を可視化する目的で,棚干場に3年間,気象観測装置を設置し実測した。主な国内栽培地の…

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  • 漢方共通テストのシステム構築,実践,問題解説

    飯塚 徳男, 瀬川 誠, 浜本 義彦, 荻原 宏是, 間宮 敬子, 網谷 真理恵, 高山 真, 三潴 忠道 日本東洋医学雑誌 74 (1), 1-11, 2023

    <p>2021年8月に開催された第71回日本東洋医学会学術総会で漢方医学教育に焦点をあてた特別企画,「次世代に継ぐ卒前卒後漢方医学教育」を行った。本企画の一つとして「漢方共通模擬講義」を基にした「漢方共通テスト」を,Moodle を用いたWeb テストの形式で行い163名の参加をえた。また,「漢方共通テスト解説」を Live …

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献2件

  • 抑肝散が著効した睡眠時歯ぎしりの2例

    椛島 浩明, 貝沼 茂三郎 日本東洋医学雑誌 74 (2), 134-138, 2023

    <p>歯ぎしりは,日常診療で経験する症状の一つである。従来の歯科治療法として,マウスピース(スプリント)療法,行動療法等があるが,歯ぎしりがなくなる程の有効な治療法は確立されていない。今回,我々は歯ぎしりと不眠を主訴として受診した2例に対して漢方医学的診断からいずれも背景にストレスが関与していると考え,抑肝散を処方したところ,睡眠時歯ぎしりや不眠症などの自覚症状の改善が認められた。以上の結果より…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献20件

  • 急激な体重増加や浮腫を目標に処方した防已黄耆湯が有用だった3例

    木村 容子 日本東洋医学雑誌 74 (2), 156-162, 2023

    <p>防已黄耆湯で浮腫などの症状が改善し,月経周期も整った3症例を報告した。症例1は易疲労感やイライラが加味逍遙散で軽減した17歳であり,顔や足の浮腫や手掌の汗のほか,体重増加もあったため防已黄耆湯を追加して月経不順が改善した。症例2は頭痛,顔や足の浮腫を訴える15歳であり,痩せ型ではあったが,体重増加を気にして膝の違和感もあったため,防已黄耆湯を処方したところ月経が順調になった。症例3は疲れや…

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  • 動悸101例に対する西洋治療と漢方治療の現状とその有用性

    山崎 武俊, 福岡 正平, 峯 尚志 日本東洋医学雑誌 74 (2), 121-129, 2023

    <p>動悸で外来受診する患者は多く,病的な動悸として不整脈を表現している場合もあり,その適切な診断は患者の心事故を防ぐために重要である。しかし胸苦しさや息切れを含めて動悸として訴えることがあり,病的意義を持たないことも多い。一方,漢方医学は疾患の有無によらず,患者の虚実に合わせて治療できるが,その有効性を多数例で検討した報告はない。我々は動悸101名を対象に,西洋医学診断を行い治療が必要とされた…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献1件

  • 当帰芍薬散により肺うっ血が改善し運動耐容能を維持できた高齢心不全の2例

    小笹 寧子, 谷川 聖明, 金田 和久 日本東洋医学雑誌 74 (2), 145-151, 2023

    <p>筆者らは漢方方剤,当帰芍薬散により肺うっ血の改善が得られ運動耐容能を維持できた高齢心不全の2例を経験した。症例1は83歳の女性で,虚血性心疾患により経皮的冠動脈形成術の既往があり,慢性腎臓病と関節リウマチをはじめとする多疾患合併があり,3種類の利尿薬を含む多剤併用が行われていたが,肺うっ血のコントロールが不良で疲れやすく下肢浮腫も中等度認めていた。当帰芍薬散を投与したところ急速に尿量が増加…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献8件

  • 漢方医学教育の「卒前カリキュラムの標準化」日本漢方医学教育協議会設立の趣旨と経緯

    高山 真, 網谷 真理恵, 松田 隆秀, 佐藤 寿一, 加島 雅之, 石上 友章 日本東洋医学雑誌 74 (2), 180-187, 2023

    <p>2015年,全国医学部で実施可能な漢方医学教育基盤カリキュラム作成を目的に,全国の漢方医学教育担当者で構成された日本漢方医学教育協議会が発足した。ニーズ調査のうえ実施可能な講義時間を240分とし,学習到達目標の設定のため「歴史」「診察法と証」「漢方薬の作用」「臨床例」「鍼灸」「評価」のグループを作り習得内容を抽出し,全体での合意形成により2016年,「漢方医学卒前教育の基盤カリキュラム20…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献4件

  • 咽喉頭異常感症に苓桂朮甘湯が有効であった2例

    井上 博喜, 原田 直之, 牧 俊允, 吉永 亮, 矢野 博美, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 74 (1), 31-35, 2023

    <p>咽喉頭異常感症には半夏厚朴湯が使用されることが多い。今回,半夏厚朴湯が無効であった咽喉頭異常感症に苓桂朮甘湯が有効であった2症例を経験した。症例1は28歳女性。1年前から食後の噫気,腹満,喉のつかえ感が出現した。検査を施行されたが異常を認めず当科を受診した。半夏厚朴湯を含む方剤で加療したが,喉のつかえ感だけは改善しなかった。症例2は50歳女性。2週間前から,耳閉感,耳鳴,目の奥の痛みが出現…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献2件

  • 医学部5年生の鍼灸実習におけるアンケート調査

    森田 智, 村上 綾, 平地 治美, 渡邊 悠紀, 中口 俊哉, 越智 定幸, 奥平 和穂, 平崎 能郎, 並木 隆雄 日本東洋医学雑誌 74 (2), 175-179, 2023

    <p>短時間の鍼灸実習が与える教育効果を明らかにするため,病院実習中の医学部5年生112名を対象に,体験を含む1時間の鍼灸実習および実習前後でのアンケート調査を実施した。全10項目のうち8項目において,実習後に「はい(思う)」の割合は有意に大きく,ポジティブな変化が得られた。実習前と後の変化幅が大きく現れた項目は,「科学的だと思いますか?(実習後に+47.4%)」,「全般的に,どのようなイメージ…

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  • 重度の体感幻覚症,アパシーに抑肝散加陳皮半夏が有効であったパーキンソン症候群の1例

    向野 晃弘, 藤本 誠, 貝沼 茂三郎, 渡り 英俊, 柴原 直利, 嶋田 豊 日本東洋医学雑誌 74 (3), 233-242, 2023

    <p>抑肝散加陳皮半夏が体感幻覚症やアパシーに有効であった症例を経験した。症例は66歳女性,主訴は喉のつまり感。3年前より喉のつまり感が出現。その後3回入院し,様々な漢方薬が無効で経口摂取困難となり,1年前より経鼻栄養を開始した。精神科にて体感幻覚症の診断で抗精神病薬が開始された。喉のつまり感が悪化しX年9月当科へ入院した。体重29kgとるいそう,低栄養状態で,体動困難,パーキンソニズム,認知機…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献25件

  • 根尖性歯周炎に漢方薬が有効であった1例

    中村 雅生, 緒方 優一, 木村 豪雄 日本東洋医学雑誌 74 (3), 243-246, 2023

    <p>根尖性歯周炎とは,むし歯(う蝕)などが原因で根の先(根尖)の周囲にある歯周組織に生じた炎症性病変である。治療には原因となっている歯の内部の感染した歯髄や腐敗物,細菌を取り除く感染根管治療を行なう必要がある。症例は77歳男性で,右下第一大臼歯の根尖性歯周炎と診断され,根管治療を勧められたが,その治療に強く抵抗し同意しなかった。そこで排膿散及湯と立効散を用いた漢方治療を行なったところ,抗菌剤,…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献2件

  • 八味地黄丸が奏効した拍動性耳鳴の2例

    平澤 一浩, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 74 (3), 223-227, 2023

    <p>拍動性耳鳴は頸部,頭蓋底,側頭骨領域の血管内腔で発生した乱流に起因する。今回,頸動脈狭窄が原因と考えられた拍動性耳鳴に対して,八味地黄丸が奏効した2例を経験した。症例1は77歳男性。10年以上前から左拍動性耳鳴を自覚し,当科を受診した。超音波検査で左頸動脈に56%の狭窄を認め,これが原因と考えた。腎陽虚の所見を認め,八味地黄丸を投与したところ,12週後に症状は消失した。症例2は86歳男性。…

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  • 不安感や胸部症状に対して,落ち着きなく訴える患者に梔子豉湯を用いた6例の検討

    森 裕紀子, 小田口 浩, 花輪 壽彦 日本東洋医学雑誌 74 (3), 274-279, 2023

    <p>梔子豉湯(山梔子と香鼓)に関する報告は少ない。今回不安感,不眠,胸部症状を落ち着きなく激しく訴えた女性6例に対し梔子豉湯を処方した。全例熱証を認めるか,あるいは冷えを認めなかった。症例1は64歳。イライラや胸の締め付けが4日で消失。症例2は63歳。心がザワザワすること,嫌な夢,みぞおちの不快感が8日後に消失。症例3は36歳。当院通院中に突然,咽のつまりと舌痛を訴えたため転方したところ5日後…

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  • 陰証の肩関節周囲炎に対する漢方薬による治療経験

    福嶋 裕造, 松本 裕子, 森 純人, 鮫島 直美, 福井 孝之, 福井 美佐, 菊本 修 日本東洋医学雑誌 74 (3), 254-258, 2023

    <p>陰証の疼痛に対する西洋医学的治療は困難である。今回は漢方医学的に陰証の肩関節周囲炎に対して漢方治療が有効であったので報告する。症例は3例ですべて女性であり,それぞれ当院における治療の時系列で,59歳,74歳,62歳であった。これらの症例は,すべて問診で陰証の肩関節周囲炎と診断されて,独活葛根湯の方意で葛根湯と疎経活血湯を投与して有効であった。古典的に「柔風」を陰証の四肢疼痛と解釈し,これら…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献1件

  • 膠原病に対する漢方治療の実際

    大野 修嗣 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 1-5, 2023

    膠原病に対する漢方薬による治療は近年多くの報告がなされるようになった。膠原病では副腎皮質ステロイド薬による治療が一般的であり、本剤投与による漢方医学的病態の変化も把握されてきている。臨床的有用性の例として、全身性エリテマトーデス(SLE)やその他の膠原病に対して種々の漢方薬を応用することにより寛解が得られた症例報告や柴苓湯がSLE …

    DOI Web Site 医中誌

  • 筋筋膜性疼痛の基礎 up to date

    久保 亜抄子 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 11-16, 2023

    肩こり、筋筋膜性の腰痛、緊張型頭痛などの筋筋膜性疼痛の自覚をもつ国民は非常に多い。これらの筋筋膜性の痛みの原因は、その名のとおり筋や筋膜などの軟部組織であるとされており、 姿勢を維持する筋周囲に好発することから、筋緊張の持続による血流障害が一因であると考えられている。この痛みは、筋収縮という機械刺激に伴う痛みであるため、機械痛覚過敏として定義される。本稿では、最初に、筋と筋膜の痛みの違いについて…

    DOI 医中誌

  • 病態把握の再検討により功を奏した両上肢のしびれに対する鍼灸治療の一症例

    竹谷 真悠, 谷口 博志, 菅原 正秋 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 127-132, 2023

    【目的】頸椎後縦靱帯骨化症(以下、頸椎 OPLL)に対する手術を受け、その 3 年後に術後合併症として診断を受けた両上肢のしびれに対して鍼灸治療を行っていき、病態把握の再検討により治療法を変更したことで一定の効果を示すことができた症例を経験したので報告する。<br> 【症例】77 歳、男性。主訴:両上肢のしびれ。現病歴:X - 7 年に頸椎 OPLL に対する前方徐圧固定術を受けた。術後 2 …

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  • 筋・筋膜性疼痛に対するストレッチ

    佐々木 理博 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 47-55, 2023

    治療やリコンディショニングを行う中で、鍼やマッサージ、徒手療法、そして運動療法など様々 な有用なアプローチ方法があるが、ストレッチもその一つである。ストレッチの効果とし、筋腱 複合体における粘性変化(直接的)と反射による変化(間接的)、さらに器質的変化だけでなく痛 みに対する許容度の変化(慣れ)が挙げられ、それぞれ急性効果と慢性効果が見られる。そして、ストレッチの種類として、一般的に静的、動的、…

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  • 視覚特別支援学校普通科生徒の職業としての理療に関する意識調査

    工藤 滋, 岡 愛子, 小又 淳, 前田 智洋 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 67-73, 2023

    【目的】インクルーシブ教育の進展に伴い、視覚障害者の職業としての理療に関する情報を得ないまま、就労に向けた進路選択を行う視覚障害者が出て来る可能性がある。適切な進路決定を促す ためには、選択肢の 1 つとして理療に関する情報を提供する必要がある。そこで情報の効果的な提供方法を検討する目的で、視覚特別支援学校高等部普通科生徒を対象に、理療に関する意識調査を実施した。<br> …

    DOI Web Site 医中誌

  • 京都にて

    小泉 裕久 ファルマシア 59 (2), 163_1-163_1, 2023

    一般用医薬品の商品開発の仕事を行いたいとの思いで転職し、京都での新しい生活を行う日々での出来事をまとめたものである。<br>いくつになっても新しいことに興味を持ち続ける気持ちを忘れないで頂きたい。

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  • マテリアルフローコスト会計(MFCA)の適用を推進する取り組みに関する考察

    王 博 メルコ管理会計研究 14 (1), 3-12, 2023

    ...本研究では,成功したMFCA適用の基準を検討したうえで,MFCAを長く適用している企業である日東電工および一定の期間MFCAを適用した後,MFCAを停止した企業であるウシオ電機を事例として取り上げて,MFCA導入後のプロセスに焦点を合わせて両社に対する比較分析を行う。このような事例研究を通じて,MFCAの実践が望まれる形態とその形態を実現するための取り組みを探索する。...

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  • 桂枝茯苓丸と大黄甘草湯の併用が奏効した喉頭静脈奇形例

    平澤 一浩, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 74 (1), 12-15, 2023

    <p>喉頭静脈奇形は増大や出血による気道閉塞のリスクを有し,硬化療法,レーザー治療,外科的手術などの治療を要する。しかし成人型の喉頭静脈奇形は声門上部に好発し,声帯に発生した場合を除き症状が乏しく,手術を希望しない例も経験する。今回,症状が無くレーザー治療を希望されなかったが,漢方治療により著明に縮小した喉頭静脈奇形例を経験した。</p><p>症例は69歳男性。健康診断の上部消化管内視鏡検査で偶…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献9件

  • 進行癌症例に対する霊梅散(WTMCGEP)の治療効果

    澤井 一智, 山崎 武俊, 峯 尚志 日本東洋医学雑誌 74 (1), 42-53, 2023

    <p>霊梅散(WTMCGEP)を用いた集学的治療が奏功した進行癌の3症例を報告する。症例1は87歳男性,食道癌 stage IV に化学放射線療法が開始されたが,副作用で化学療法は1クール目で中止,放射線療法後に緩和医療となった。霊梅散開始1年半後に食道癌が消失,診断5年6ヵ月後の現在も再発はない。症例2は79歳男性,食道癌 stage III …

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献25件

  • 胸中の灼熱感と強い倦怠感に梔子乾姜湯加減が奏功した1例

    原田 直之, 牧 俊允, 吉永 亮, 井上 博喜, 矢野 博美, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 74 (2), 139-144, 2023

    <p>胸中の苦悶感に山梔子を含む梔子剤が用いられることが多いが,梔子乾姜湯に関する症例報告は過去にほとんどみられない。今回,微熱,胸中の灼熱感と高度な倦怠感に梔子乾姜湯加減が奏功した症例を経験したので報告する。73歳女性。5年前に組織型不明の肺癌に対し化学放射線治療を受け,4年前に放射線肺炎を発症したが自然軽快した。3年前から微熱と胸中灼熱感,全身倦怠感が出現するようになり,約半年の周期で消退と…

    DOI Web Site Web Site ほか1件

  • 抗菌薬アレルギーにより治療が困難であった胸痛を伴う細菌性肺炎に柴陥湯が奏効した1例

    原田 直之, 吉村 彰人, 牧 俊允, 吉永 亮, 井上 博喜, 矢野 博美, 貝沼 茂三郎, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 74 (1), 25-30, 2023

    <p>症例は64歳女性で,主訴は発熱,咳嗽である。4日前からの発熱,咳嗽に対し,3日前に柴胡桂枝湯を処方した。その後,胸痛を伴って症状が増悪し,近医での胸部 X 線で右肺の浸潤影,血液検査で炎症反応を認めた。細菌性肺炎に胸膜炎併発の診断であったが,既往に抗菌薬アレルギーがあったため抗菌薬治療を行えず当院へ紹介された。漢方治療の継続希望があり柴陥湯へ転方した。内服後約15分で胸痛が軽減し,4日後に…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 精神的ストレスを契機に発症した小児聴覚情報処理障害に小建中湯が奏効した1例

    平澤 一浩, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 74 (2), 130-133, 2023

    <p>聴覚情報処理障害は,聴力の低下はみられないが,雑音下など聴取しにくい環境の中で聞き取り困難を訴える障害である。発達障害,認知機能の弱さ,心理的な問題を抱えている児が多くを占める。今回,精神的ストレスを契機に発症したと思われる小児の聴覚情報処理障害例で,小建中湯を用い良好な経過をたどった一例を経験した。</p><p>症例は12歳女児。2年前からいじめの被害を受けるようになり,そのころからざわ…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献2件

  • 漢方外来における下肢浮腫に対する鍼治療と鍼および漢方薬併用治療前後の変化

    坪 敏仁, 工藤 隆司, 皆川 智子, 鈴木 雅雄, 丹野 雅彦, 三潴 忠道 日本東洋医学雑誌 74 (3), 264-273, 2023

    <p>両側性局所性下肢浮腫患者を対象とし,鍼治療とそれに引き続いて行った鍼および漢方薬併用治療の効果を検討した。</p><p>初回治療時の鍼治療前後の計測で,下肢周囲径は29.1 ± 6.8cmから28.1 ± 7.0cm(p<0.01)と減少した。また超音波で測定した下肢皮下組織径は10.4 ± 3.8mmから7.8 ± …

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献15件

  • 腎虚を呈するうつ病患者の舌痛症に牛車腎気丸が奏効した1例

    平良 賢周, 新井 絵理, 三浦 和仁, 山崎 裕 日本東洋医学雑誌 74 (3), 228-232, 2023

    <p>70歳代女性の舌痛症に対して,牛車腎気丸単独で著効を示し,舌痛が軽快した1症例を報告する。5年前,精神的ストレスを受けたころから舌痛を自覚するようになった。舌痛症と診断し,うつ病ですでに長期間にわたり抗うつ薬が投与されていたこと,舌痛以上に腰痛や下肢のしびれなど腎虚を示唆する症状に煩わされていたことから,まずは全身状態の是正を目的に牛車腎気丸を開始したところ,腎虚のみならず舌痛も著明に軽快…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 地方大学病院における小児外科医の漢方診療の実際~漢方指導医不在前後の変化についてのアンケート調査~

    升井 大介, 髙城 翔太郎, 愛甲 崇人, 靏久 士保利, 坂本 早季, 東舘 成希, 古賀 義法, 七種 伸行, 深堀 優, 橋詰 直樹, 倉八 朋宏, 中原 啓智, 吉田 索, 石井 信二, 浅桐 公男, 惠紙 英昭, 八木 実, 加治 建 日本東洋医学雑誌 74 (3), 280-287, 2023

    <p>自施設では小児外科疾患患児の広い臨床症状を対象に漢方指導医の下,様々な漢方薬が処方されてきた。現在は漢方指導医不在の中で漢方処方を継続している。小児外科診療で漢方診療を継続し,より充実させることを目的として14名の医師にアンケート調査を実施した。全員が漢方の有効性の実感と漢方治療の学習意欲を有していた。漢方の情報取得方法は,文献からが全員と最も多く,処方決定法は病名,症状からが全員であった…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献6件

  • 刺鍼時の「ひびき」が運動機能へ与える影響

    古田 高征 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 113-121, 2023

    【目的】鍼による「ひびき」が誘発されやすい組織としては、筋膜などが知られるが、その影響などについて分からないことが多い。そこで刺鍼時にひびきが起きた際の鍼の到達組織、膝関節伸展筋力などを指標にひびきを伴う鍼刺激が与える影響について検討した。<br> 【方法】対象は、説明を行い同意を得られた健康成人 15 名(平均年齢 32.4±6.3 …

    DOI Web Site 医中誌

  • 男性不妊に対する鍼灸治療に関する文献検討

    遠藤 睦実, 池宗 佐知子 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 133-141, 2023

    【目的】不妊治療を行う夫婦にとって、女性と同様に男性が問題を抱えている場合があり、鍼灸治療は女性不妊だけでなく男性不妊に対しても用いられている。しかしながら、システマティックレビューでは、研究の質が低いことが問題点として挙げられている。研究の質を高めた男性不妊 に対する臨床研究を実施するためには、一定の治療方法を確立する必要がある。そこで、英語で発表されている症例報告や臨床研究から、有効であると…

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  • 鍼灸による疼痛治療を科学する

    須田 万勢 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 23-29, 2023

    鍼灸による除痛のメカニズムは、中枢神経系における下行抑制系の賦活化によるという説明が 主流である。しかし、著者らは発痛源の局所においても、鍼灸の除痛作用が働いている可能性が あると考えている。ファシアという近年注目を集めている構造物により、「経穴」の病理学、「刺鍼」 刺激の生化学、「経絡」の解剖学的な説明が一元的に可能となる。本稿では、ファシアを用いた鍼灸の除痛メカニズムについての作業仮説が、東…

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  • 関連痛の知識に基づく手技療法

    徳竹 忠司 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 37-45, 2023

    手技療法である「あん摩マッサージ指圧」の施術において、圧迫法あるいは揉捏法のように、 筋肉そのものにしっかりとした外力を加えることができる手技を受けている際に、「ひびく感覚」 として、実際の圧迫部位・揉捏部位から離れた部位に何らかの感覚が発生する体験をしている方 は確実に存在している。そして、その「ひびく感覚」が施術を受ける者にとって「心地よい」感 …

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  • 2 種の異なる台座灸燃焼時の深部温度変化シミュレーションの検討

    松井 敬宏, 糸井 信人, 佐藤 義晃, 谷口 美保子, 石井 祐三, 中西 智子, 中嶋 拓美, 松本 美由季, 長谷川 尚哉 日本東洋医学系物理療法学会誌 48 (2), 75-85, 2023

    【目的】本研究では、台座灸の熱刺激が皮下へ伝わる状態をシミュレーションで推定する足掛かり として、簡易生体内熱移動方程式を用いたシミュレーションの有効性を検討した。<br> 【方法】熱源となる刺激装置として、2 種類の台座灸(試料 A・試料 B)を選定した。選定された試料は、 製品のばらつきを調べるために工業的基礎調査法、開放空間熱分布測定法および熱伝導調査法を、 …

    DOI Web Site 医中誌

  • 世界初の抗精神病薬の経皮吸収型製剤ロナセン<sup>Ⓡ</sup>テープの開発

    田中 雅康 Drug Delivery System 37 (5), 438-443, 2022-11-25

    ...筆者らは、世界初の抗精神病薬のテープ剤として、ブロナンセリンを有効成分とする経皮吸収型製剤を日東電工株式会社と共同開発し、2019年9月に国内販売を開始した。経皮吸収型製剤を設計するうえで、皮膚透過性、皮膚刺激性、粘着性の3つの技術的なハードルがある。筆者らは、この技術的ハードルを克服し、ロナセン<sup>Ⓡ</sup>テープの製剤開発に成功した。...

    DOI Web Site 参考文献2件

  • 玄米豆腐の製造における異なる植物源澱粉の本葛粉の代替利用としての可能性

    玉井 史保子, 西塔 正孝, 永井 毅 日本食品科学工学会誌 69 (11), 541-547, 2022-11-15

    <p>玄米豆腐の製造において, 異なる植物源澱粉の本葛粉の代替利用としての可能性を検討した. 官能評価から, バレイショ澱粉ならびにタピオカ澱粉が利用可能であると考えられた. さらに, テクスチャー解析結果から, 硬さ評価では本葛粉の場合と同等であったが, 付着性はバレイショ澱粉では高く, タピオカ澱粉は低かった. 以上より, 本葛粉を用いた玄米豆腐の品質を保持した上で, …

    DOI Web Site Web Site 参考文献6件

  • 障害を有する労働者における雇用終了と合理的配慮提供義務

    佐々木 達也 名古屋学院大学論集 社会科学篇 59 (2), 43-66, 2022-10-31

    ...重度身体障害者の休職期間満了による退職扱いの適法性が争われた日東電工事件で,この義務が直接的に争点となったものの,裁判所は正面からの判断を避ける判示をした。本稿は,従来の裁判例及び日東電工事件の分析を中心に障害を有する労働者の雇用終了事案における合理的配慮提供義務と復職配慮義務との関係を検討し,合理的配慮提供義務の位置づけ等を考察するものである。...

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  • 原発事故とCOVID-19─10 年間の親子のメンタル支援の経験から─

    内山 登紀夫 小児の精神と神経 62 (3), 211-220, 2022-10-01

    ...2011年3月11日東日本大震災が発生し,それに続く福島第一原発事故のために大気中に放射性物質が放出され,多くの人々に不安を与えた.その後,熊本地震などの多くの自然災害が生じ,2019年にはCOVID-19禍が,そして2022 年2月にはウクライナ危機が生じた.2022 年6月のCOVID-19をめぐる現状は原発事故後の状況と酷似しているように見える.原発事故後に福島で起きたことと,パンデミック,ウクライナ...

    DOI 医中誌

  • 肩関節周囲炎の病態に対する手技療法の有効性は?

    緒方 昭広, 森本 千秋 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 27-30, 2022

    鍼灸、手技療法の外来臨床では、今回テーマとなっている肩関節周囲炎の多くの患者が治療院に来院する。患者の疼痛、可動域制限、拘縮などの主訴改善に治療家は熱心に格闘していると推察される。しかし、この疾患の理解が不十分であれば治療効果もあまり望めないのではないか。本疾患の患者が外来診療で、鍼灸手技療法の適応となる疾患なのか(鑑別)?どの時期(疼痛期、拘縮期、寛解期)にあるのか?ベッドサイドの理学検査でど…

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  • 押圧刺激が運動能力におよぼす影響

    古田 高征 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 81-88, 2022

    【目的】押圧強度に注目し、自転車エルゴメーターによる運動負荷テストを繰り返し行い、休息中に強度が違う押圧刺激を実施し、運動負荷テストによる運動能力の指標から押圧強度の違いによる運動能力への影響について検討した。<br> 【方法】研究は健康成人男子 5 名(平均年齢 25.7 ± 5.4 歳)を対象とした。運動負荷は自転車エルゴメーターによるウインゲートテストを 10 分間の休息をはさみ、3 …

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  • キルギス共和国の視覚障害を有するマッサージ師の 就労状況と鍼療法に対する意識に関する調査

    Shirinoi Dzhorobekova, 近藤 宏, 松田 えりか, 石松 菜摘, 石崎 直人 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 59-66, 2022

    【目的】中央アジアに位置するキルギス共和国の視覚障害を有するマッサージ師の就労状況については、あまり知られていない。本研究の目的は、キルギス共和国の視覚障害を有するマッサージ師にアンケート調査を行い、就労の状況や鍼療法に対する意識について調査することである。<br> 【方法】調査対象者は、キルギス共和国のビシュケク市内の医療機関などでマッサージを実施している、視覚障害を有するマッサージ師 40 …

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  • 灸に関する有害事象の文献レビュー

    古瀬 暢達, 山下 仁 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 95-105, 2022

    【目的】灸に関する有害事象を調査し、灸施術の安全性向上のための方策を検討すること。<br> 【方法】医中誌 Web および PubMed を用いて、灸に関する有害事象(因果関係を問わず灸施術中または灸施術後に発生した好ましくない医学的事象)症例報告を検索した(2021 年 5 月検索)。対象期間は、1980 年以降とした。<br> …

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  • 日本での生薬「カノコソウ」の利用法および名称に関する史的考察

    太田 美里, 宇高 一郎, 牧野 利明 日本東洋医学雑誌 73 (1), 16-34, 2022

    <p>カノコソウ根はセイヨウカノコソウ根(ワレリアナ根)の代用品として知られているが,日本古来の利用および生薬名の変化については不明な点が多い。本研究では古文献を調査し,それらの利用法ならびに名称の変遷について考察した。</p><p>カノコソウ根は江戸中期には和甘松の名称で民間薬的に利用されていた可能性があった。江戸後期以降,ワレリアナ根の欧州での利用法から,カノコソウ根がヒステリーの特効薬とさ…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献1件

  • 虚実中間証,実証の突発性難聴例

    平澤 一浩, 小野 真吾, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 73 (1), 61-66, 2022

    <p>我々は過去に,漢方治療を試みた突発性難聴例の報告をしたが,いずれも虚証例であった<sup>1)</sup>。今回,虚実中間証,実証の突発性難聴例を新たに経験した。症例1は57歳男性。3日前からの右耳鳴,難聴を主訴に受診し,右突発性難聴 Grade3b と診断した。虚実中間証で,肝鬱気滞,瘀血を認め,小柴胡湯と桂枝茯苓丸を併用投与した。投与2週間で治癒した。症例2は48歳男性。2日前からの右…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 身体症状症に対して血府逐瘀湯加法が有効であった1例

    藤田 昌弘, 伊添 千寿, 西本 隆 日本東洋医学雑誌 73 (1), 74-80, 2022

    <p>症例は74歳女性。X — 3年より右肩甲骨下の一部分に熱さを感じるようになった。また夏を中心に倦怠感が悪化していたため,不安感を感じていた。X — 1年より症状の改善を求めて3件の病院を受診し,様々な治療を受けたが効果がなく,X 年2月に当院受診した。西洋医学的には身体症状症と診断し,煎じ薬も含めた漢方治療を開始した。 …

    DOI Web Site Web Site 参考文献6件

  • 放射線性出血性膀胱炎に伴う血尿に対する猪苓湯合四物湯の効果

    玉田 聡, 加藤 実, 山崎 健史, 安田 早也香, 井口 太郎 日本東洋医学雑誌 73 (2), 187-189, 2022

    <p>放射線性出血性膀胱炎に伴う血尿に対する猪苓湯合四物湯の有効性を検討した。経過観察できた11人の患者のうち肉眼的血尿が消失した症例は8例であった。肉眼的血尿が消失するまでの期間は中央値で74日であった。再燃した症例は認めなかった。無効であった3例のうち1例は尿路変向術,2例には経尿道的電気凝固術,高圧酸素療法が行われた。猪苓湯合四物湯使用に伴う有害事象は認めなかった。猪苓湯合四物湯は放射線性…

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  • 気虚発熱と診断し補中益気湯が有効であった1例

    福嶋 裕造, 藤田 良介, 濱吉 麻里, 平 憲吉郎, 戸田 稔子, 塩田 敦子 日本東洋医学雑誌 73 (1), 81-86, 2022

    <p>気虚発熱と診断し治療として補中益気湯を投与して有効であったので報告する。症例は26歳女性であり,手指の疼痛のため当院を受診した。諸検査にて関節リウマチは否定的であったが,最近生じている微熱の治療を希望したため,追加検査で発熱の原因になる感染症・悪性腫瘍・膠原病を否定した。漢方医学的に気虚発熱と診断し補中益気湯を投与したところ,発熱を自覚しないようになり熱型も改善したため有効であったと判断し…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献9件

  • アトピー性皮膚炎に対して有効であった漢方薬の種類と頻度に関する後方視的検討

    磯部 哲也 日本東洋医学雑誌 73 (2), 176-181, 2022

    <p>アトピー性皮膚炎患者に対して当院で漢方治療を施した70症例を対象とし証を考慮して方剤選択を行った計237処方について集計した。</p><p>ステロイド外用薬が不要となった症例を「著効症例」,ステロイド外用薬使用量が漢方薬使用前から50%以上減少した症例+著効症例を「有効症例」とし,それらの割合を著効率,有効率と定義した。</p><p>全症例に対して有効率は温清飲56.3%>当帰飲子50.0…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献2件

  • 厥陰病の病型分類

    郷治 光廣 日本東洋医学雑誌 73 (2), 126-136, 2022

    <p>傷寒論には六種類の病変がある。そのうち厥陰病だけは,病態,症状,治療法など,最も理解しがたい病変となっている。すなわち厥陰病は,熱症状と寒症状が交代して出現する(寒熱錯雑),または上半身が熱症状で下半身が寒症状になる(上熱下寒),または寒だけの症状になる,などのさまざまな症状を呈することから,その病態についてよく分かっていなかったのであろう。本稿では,とりあえずそれらの症状を基に,厥陰病を…

    DOI Web Site Web Site ほか1件

  • 静脈等穿刺後痛に対する治打撲一方の使用経験3例

    加藤 果林, 上田 真帆, 植月 信雄, 谷川 聖明 日本東洋医学雑誌 73 (2), 182-186, 2022

    <p>静脈等の穿刺後に生じる穿刺後痛は稀有な合併症であるが,標準的な治療法が存在せず,治療に難渋することがある。穿刺後痛は穿刺針による神経障害が痛みの原因と考えられることが多いが,神経障害性疼痛ではなく,侵害受容性疼痛と考えられる穿刺後痛も存在する。症例1は右手背静脈を穿刺され,痛みとしびれが残存するために受傷9日後にペインクリニックを受診。症例2は左橈骨動脈と左手背静脈を穿刺され,痛みが続くた…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 明治23年パンデミック「お染風邪」(1889年 Russian Flu)に対する本邦の漢方治療

    根津 雅彦, 並木 隆雄 日本東洋医学雑誌 73 (2), 220-227, 2022

    <p>インフルエンザパンデミックは,1917年の「スペイン風邪」以前にも1889年に「Russian flu(ロシア風邪)」が発生している。本邦には1990(明治23)年に上陸し「お染風邪」と称され,当時の社会に大きな影響を及ぼした。</p><p>『和漢医林新誌』にある浅田宗伯の「流行感冒説」と岡田昌春の「天行時気感冒贅説」において,当時の漢方治療の実際を垣間見ることができる。そこには大青竜湯,…

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  • 桂枝加竜骨牡蛎湯により睡眠障害とともにめまいが改善した2例

    平澤 一浩, 小野 真吾, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 73 (3), 284-287, 2022

    <p>原因不明のめまいの中には,睡眠障害が関与する例もあると考えられる<sup>1)2)</sup>。今回我々は,桂枝加竜骨牡蛎湯を用い,睡眠障害とともにめまいが改善した2例を経験した。症例1は67歳女性。4年前から回転性めまい発作を繰り返しており,発作に対する不安が強くて寝つきも悪く,発作間欠期にもふらつくようなめまいを自覚していた。桂枝加竜骨牡蛎湯を投与したところ,4週後には不安が消失し熟眠…

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  • 新型コロナウイルス感染症後遺症の脱毛に人参養栄湯が有効であった2例

    原田 佳尚, 齋田 瑞恵, 福井 由希子, 鈴木 麻衣, 田所 芽生子, 小林 弘幸 日本東洋医学雑誌 73 (3), 342-346, 2022

    <p>新型コロナウイルス感染症後遺症(Long COVID)の脱毛に人参養栄湯が有効であった2例を経験した。症例1は45歳女性で,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)中等症IIで入院加療し,退院2ヵ月後から脱毛を認めた。 症例2は50歳女性で,COVID-19軽症で自宅療養の約2ヵ月後から脱毛を認めた。いずれの症例も内服開始後1ヵ月で脱毛の進行が止まり,2ヵ月目には短い毛も生え始めた。ま…

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  • 梨状筋症候群に対するベッドサイドの所見と鍼治療

    佐々木 皓平 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 47-52, 2022

    梨状筋症候群(Piriformis syndrome:PS)は、梨状筋周囲の炎症による梨状筋の肥厚や攣縮、梨状筋周囲の腫瘍、坐骨神経と梨状筋の解剖学的破格などがその原因となり、骨盤腔より後方に出た坐骨神経が梨状筋前面を通過する部で障害される絞扼性神経障害の一つである。その原因とPSの発症との因果関係は未だ明確でなく、MRI …

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  • 子宮体がん手術後の続発性リンパ浮腫に対するあん摩療法の効果: n-of-1 試験(予備研究)

    宮本 美樹, 殿山 希 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 109-114, 2022

    【目的】婦人科がんの手術後に続発する下肢リンパ浮腫に対して日本で行われているあん摩とマッ サージの組み合わせが効果的ではないかと仮説し、治療プロトコルを作成した。そのプロトコル の効果を検討するために n-of-1 試験のデザインで予備研究を行った。<br> 【方法】 対象:子宮体がんの標準治療として子宮および両側卵巣摘出術、骨盤リンパ節・傍大動脈リンパ 節廓清術、化学療法を受けて 14 …

    DOI Web Site 医中誌

  • 頸椎及びその周辺疾患に対する鍼通電療法

    山口 智 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 17-22, 2022

    頸肩部の痛みやこり、さらに上肢の痛みや脱力などを主症状とする頸椎及びその周辺疾患は多岐にわたり、その病態や診断・治療には多くの課題がある。鍼灸手技療法の臨床では、対象となりやすい疾患である。<br> 頸肩腕症候群は、器質的な疾患が明らかでない狭義の症候群が一般臨床で活用されている。また、 頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアは障害される組織により、脊髄症・神経根症・関連痛型に大別される。 …

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  • 鍼灸・あん摩マッサージ指圧における安全管理と感染対策

    菅原 正秋 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 3-9, 2022

    鍼灸やあん摩・マッサージ・指圧などの手技療法は比較的副作用が少ない治療方法であると言われるが、身体に施術を行う以上は、ある程度の過誤や副作用が発生する危険性を含んでいる。 また、国の内外を問わず、医学系の学術誌には毎年のように何らかの鍼灸に関連した有害事象の報告が掲載されている。その中には、施術との因果関係が低いと考えられるものもあるが、明らかに施術者の過失によると捉えられるものも含まれている。…

    DOI 医中誌

  • 末梢性顔面神経麻痺におけるセルフケア指導の実際

    林 健太朗 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 53-64, 2022

    末梢性顔面神経麻痺(以下 麻痺)を呈する主な原因は、Bell 麻痺とRamsay Hunt症候群である。麻痺の中には、患者の QOL を低下させる後遺症が生じる。後遺症の軽減は、QOLの向上に影響することから、後遺症の予防や軽減を目的とした発症後早期からのセルフケア指導の重要性が認識されつつある。<br> …

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  • 頚椎症の臨床

    田中 靖久 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 11-16, 2022

    頚椎症に由来する頚部痛の原因はこれまで未解明であったと言って良い。従って、頚部痛を主 訴として受診した中高年の患者において、炎症、外傷、腫瘍といった特異的な疾患が無い限り、 その原因を確信を持って述べられる医師は、脊椎脊髄疾患の専門医を含めても稀であったと思わ れる。確かに、椎間板あるいは椎間関節の変性を原因とする頚部痛があるとの報告がみられる。 …

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  • 頸椎疾患に対する徒手的運動療法(Fascia リリース)

    銭田 良博 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 35-42, 2022

    運動療法は、生体にとっては非侵襲刺激で応力(内力ともいう)による圧刺激を活用した治療法である。生体内の軟組織(=軟部組織)に、応力をかけることで軟部組織の形状や線維配向性などを変化させる。それにより、疼痛閾値の変化・血流の変化・組織弾性の変化・神経伝達物質や内因性オピオイドおよびホルモン等の分泌による神経機能の賦活、などが生体反応として出現 することが考えられる。<br> …

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  • 亜急性甲状腺炎に小柴胡湯が奏効した1例

    村井 政史, 谷津 高文, 佐野 敬夫 日本東洋医学雑誌 73 (4), 409-413, 2022

    <p>症例は44歳女性で,第2子を妊娠した頃から体力の低下を自覚し,疲れやすくなったため漢方治療を希望。茯苓四逆湯の方意として真武湯エキスと人参湯エキスの併用で症状は改善し,その後も服用を継続していた。今回,発熱,甲状腺部の痛み,動悸や手の震えを認め,内分泌内科で亜急性甲状腺炎と診断され,アセトアミノフェンを処方されたが症状の改善を認めなかった。食欲が低下して舌に厚い黄苔を認めたことから少陽病と…

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  • 心原性ショックと大量胸水に対して漢方エキス製剤が奏効した1例:集中治療医学領域における漢方医学

    川島 希 日本東洋医学雑誌 73 (4), 391-397, 2022

    <p>漢方医学が主体の集中治療の報告はあまりない。25歳男性,13歳時,再生不良性貧血に対する骨髄移植後進行性脳症のため脳幹死となり人工呼吸管理,膀胱瘻・胃瘻造設して長期在宅医療管理中,下痢・血圧低下を主訴に入院した。緑膿菌尿性敗血症後,心原性ショック・胸水貯留を発症して無尿となった。家族の希望により点滴・内服薬のみで治療した。淡白胖大舌・薄白苔。橈骨動脈触知せず,頸動脈緩大・微弱。腹力やや強,…

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  • ユニバーサルデザインを指向した 臨床用評価支援アプリケーションの開発とユーザ満足度調査

    福島 正也 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 67-74, 2022

    【目的】本研究は、①視覚障がいおよび晴眼の施術者がともに活用できる臨床用評価支援アプリケーションを開発すること、②開発したアプリケーションのユーザ満足度を調査することを目的とした。<br> 【方法】[期間]2020 年 8 月 20 日~ 10 月 31 日。[対象]筑波技術大学で鍼灸手技療法の施術を行っている教員、職員、研修生、大学院生、学部 4 年生。[場所]筑波技術大学 …

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  • 下肢のスポーツ障害に対する鍼灸治療

    金子 泰久 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 7-15, 2022

    著者が勤務する呉竹学園東洋医学臨床研究所で受療した主に持久系スポーツの選手から得られた知見や国内外の文献を基にして、選手の受療目的や彼らによく見られる下肢のスポーツ障害に対する我々の考え方や治療方針について、またコンディショニングの一手段としての鍼灸治療についてエビデンスとともに紹介する。<br> …

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  • NSAIDs およびアセトアミノフェンが使用困難な口蓋扁桃摘出術後の疼痛管理に,漢方薬が有効であった一例

    平澤 一浩, 小野 真吾, 藤井 翔太, 千葉 裕人, 大塚 康司, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 73 (1), 87-90, 2022

    <p>口蓋扁桃摘出術は,耳鼻咽喉科で一般的に行われている手術である。術後は非常に疼痛が強く,数日間は食事摂取が困難となる場合も多々ある。今回我々は,立効散が疼痛管理に有効であった口蓋扁桃摘出症例を経験した。症例は23歳女性。習慣性扁桃炎の診断で口蓋扁桃摘出術を行った。術後疼痛が強かったが,非ステロイド性消炎鎮痛剤,アセトアミノフェンともに薬疹歴があり使用困難であった。ツムラ立効散エキス顆粒(2…

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  • 悪露貯留に伴う産後子宮復古不全に対する桂枝茯苓丸投与の効果:非ランダム化比較試験

    浮田 真吾, 浮田 徹也, 村上 優美, 浮田 美里, 山口 菜津子, 浮田 恵, 浮田 祐司 日本東洋医学雑誌 73 (1), 8-15, 2022

    <p>分娩後子宮は1ヵ月で非妊時の大きさに戻るが,通常の収縮が認められない場合子宮復古不全という。今回,我々は産後14日目に子宮内腔幅が15mm 以上の悪露貯留に伴う機能性子宮復古不全患者に対しコントロール群,桂枝茯苓丸群,マレイン酸エルゴメトリン群の3群に分け治療介入を行い,1ヵ月健診時の子宮復古不全の有無につき比較検討を行った。子宮内腔の縮小に関しマレイン酸エルゴメトリン群とコントロール群で…

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  • 精神不安を伴う非定型顔面痛に対し湯液と鍼灸を併用した1例

    松本 桜, 岩橋 麻子, 清松 諒太, 竹部 隆江, 白井 明子, 小川 真生, 津田 昌樹, 小川 恵子 日本東洋医学雑誌 73 (2), 190-196, 2022

    <p>慢性疼痛は精神症状などの非器質的要因が加わることで病態が複雑になり,治療に難渋することが多い。このためガイドラインでは痛み以外の周辺症状にも対処を求めている。</p><p>症例は60代男性,精神不安を伴う非定型顔面痛に対し,西洋薬の服用やトリガーポイントブロックなどあらゆる治療を施行するも副作用が強いか無効のまま1年が経過していた。</p><p>本症例では湯液と鍼灸を併用し,漢方医学概念に…

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  • 当院の感染症内科漢方外来における COVID-19罹患後症例の傾向~開設初期の受診例から~

    並木 隆雄, 根津 雅彦, 猪狩 英俊 日本東洋医学雑誌 73 (2), 214-219, 2022

    <p>緒言:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症患者に漢方治療外来を開始し患者の傾向と治療について検討した。</p><p>対象と方法:2021年5月~9月に受診し文書同意が得られた9例。治療は証に基づいて選択し,漢方的な考えでの生活習慣等に関する指導をした。</p><p>結果:全症例で疲労(気虚),生活習慣の不摂生(過剰な冷飲食),心身のストレス負荷のいずれかまたは全てが複合的に…

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  • 桂枝湯が有効であった手根管症候群の1例

    福嶋 裕造, 藤田 良介, 平 憲吉郎, 東儀 洋, 三橋 牧 日本東洋医学雑誌 73 (3), 279-283, 2022

    <p>手根管症候群は整形外科領域では一般的な疾患である。西洋医学的に薬物治療や外固定などの保存的治療や,手術的治療が行われる。漢方医学的治療についての症例もすでに報告されている。今回,手根管症候群に対して桂枝湯を投与して有効であった。症例は,80歳女性であり,右手の痺れ感があったため当院を受診し,手根管症候群と診断された。同日に桂枝湯を投与して7日後の受診日には症状が軽快して14日後には消失した…

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  • 慢性難治性めまいに五積散が奏効した1例

    平澤 一浩, 小野 真吾, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 73 (2), 203-206, 2022

    <p>めまいの原因は痰湿が多いとされ,多くは利水剤を用いて治療される。しかし,近年はめまいの発症要因も多様化,複雑化しており,頻用方剤では治療に難渋する症例も時折経験する。今回我々は,五積散が有効であった慢性難治性めまいを経験した。</p><p>症例は70歳女性。2年前から歩行時にふらつくめまいがあり,近医を受診し特に異常は指摘されず,内服加療を行うが改善なかった。当科でも初診医より苓桂朮甘湯,…

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  • 第71回日本東洋医学会学術総会 特別企画1「次世代に継ぐ卒前卒後漢方医学教育」2 漢方共通模擬講義

    高山 真, 松田 隆秀, 矢数 芳英, 新井 信, 並木 隆雄, 小川 恵子, 佐藤 寿一, 石上 友章, 伊藤 剛, 三潴 忠道 日本東洋医学雑誌 73 (3), 247-262, 2022

    <p>2021年8月に開催された第71回日本東洋医学会学術総会で漢方医学教育に焦点をあてた特別企画,「次世代に継ぐ卒前卒後漢方医学教育」を行った。Faculty Development を目的に日本漢方医学教育協議会(協議会)の協力を得て行った,漢方共通模擬講義について総括し報告する。模擬講義は協議会が定めた「漢方医学卒前教育の基盤カリキュラム2016」に準拠し,協議会が作成したモデルスライドを…

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  • 押圧刺激による頸肩部痛の変化と自律神経活動

    古田 高征 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 101-107, 2022

    【目的】<br> 頸肩部の痛みを持つ被験者に押圧刺激を行い、刺激前後などの症状の変化と血圧・心拍数の変化 について検討した。<br> 【方法】<br> 研究は、実験について書面にて説明を行い、同意が得られた頸肩部痛がある成人 27 名(平均年齢 45.0 ± 19.7 歳)を対象に行った。 押圧刺激は、腹臥位にて頸肩部の軽擦、肩上部の母指圧迫、後頸部の四指揉捏、分界項線部の母 …

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  • 外傷に起因すると考えられる肩関節の病態に鍼治療が有効であった 1 症例

    島田 慶, 緒方 昭広 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 115-120, 2022

    【はじめに】日常の臨床において、肩関節疾患はよく遭遇するものの 1 つである。退行性変性を基 盤とする疼痛や可動域制限を訴えるものが多いが、今回は外傷に起因した肩関節の疼痛と二次性 に発生したと思われる肩関節可動域制限に対して鍼治療が奏功した症例を報告する。<br> 【症例】53 歳 女性 公務員(デスクワーク)<br> 【主訴】左肩関節痛 <br> 【現病歴】20XX 年 2 …

    DOI Web Site 医中誌

  • 突発性難聴に対する治療戦略

    井畑 真太朗, 村橋 昌樹, 山口 智 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 43-46, 2022

    突発性難聴は原因不明の急性感音性難聴である。2015 年に厚生労働省「難治性聴覚障害に関する調査研究班」によって改訂された診断基準によると、「純音聴力検査での隣り合う3 周波数で各30dB 以上の難聴が 72 時間以内に生じた」と定義されている。2012 年度の疫学調査の結果、人口10 万人あたり年間 60.9 人発症すると推定され、年代別発症率は、50 歳から 70 …

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  • 手技療法がバランス能力に及ぼす影響

    森本 千秋, 西村 理恵子, 緒方 昭広 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 69-76, 2022

    【目的】老化による転倒、及び転倒不安の予測因子としてバランス能力が挙げられる。姿勢バランスの歪み改善に用いる手技療法がバランス能力に及ぼす影響を定量的に明らかにすることを目的とし、健康ボランテイアを対象に検討を行なった。<br> 【方法】インフォームドコンセントの得られた健常成人 19 名を対象に5 …

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  • 臨床用評価支援アプリ「CAST-Q」の改良とユーザ満足度調査

    福島 正也 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 85-92, 2022

    【目的】本研究は、ユニバーサルデザインを指向した臨床用評価支援アプリ「CAST-Q」(以下、アプリ) のバージョンアップおよびユーザ満足度調査を実施し、前回調査との比較を通じ、バージョンアッ プの影響を検証することを目的とした。<br> 【方法】[期間]2021 年 9 月~ 10 月。[対象]筑波技術大学で鍼灸手技療法の施術を行っている研 修生と学部 4 年生、計 18 …

    DOI Web Site 医中誌

  • プレゼンティーイズムにはり治療は有用か?

    皆川 陽一 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 65-68, 2022

    現在、わが国の総人口は減少し続けている。さらにその分布をみると生産年齢人口の減少、高齢者人口の割合が増加している。そのため、経済活動や社会保障制度をはじめとした様々な分野に影響が生じることが考えられる。企業に関して言えば、希望する人材を確保するのが難しくなると同時に、企業に健康で長く定着する対策や従業員 1 人 1 人が良好な労働パフォーマンスを発 …

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  • 東北地方での薬用植物栽培と生薬生産の歴史と現況

    有田 龍太郎, 神 久和, 草野 源次郎, 秋葉 秀一郎, 渡辺 均, 高山 真, 三谷 和男, 三潴 忠道 日本東洋医学雑誌 73 (4), 463-474, 2022

    <p>国内で使用される生薬の9割を輸入に頼る日本では,近年になり生薬の国内生産が推進されている。2021年8月に第71回学術総会が東北支部主幹で開催された際,特別企画として東北地方における薬用植物栽培と生薬生産の歴史と現況について調査報告を行った。東北地方で薬用植物栽培が拡大したのは江戸時代享保年間以降で,会津のオタネニンジン,出羽のベニバナなどが栽培に成功し全国に流通した。現代の調査では,栽培…

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  • 伝統的薬用芍薬の資源探査:大和薬種のルーツと篤農技術解析

    髙橋 京子, 髙浦(島田) 佳代子, 後藤 一寿 日本東洋医学雑誌 73 (4), 422-433, 2022

    <p>本研究は,日本古来の篤農技術や品種・系統および形態の史的検証と現況調査に基づき,医薬品原料品質の担保と採算性が見込める暗黙知発掘を目的とした。特に,中山間地域活性化を図る候補として期待されるシャクヤク(<i>Paeonia lactiflora</i> Pallas)について,江戸享保期,徳川吉宗が展開した薬草政策以降,国内で育種された大和芍薬のルーツとして,実地臨床で良品とされる「梵天(…

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  • 漢方専門施設におけるインシデント・アクシデント事例の実態調査から考える漢方リスクマネージメント

    関根 麻理子, 牧野 利明, 田中 耕一郎, 嶋田 沙織, 四日 順子, 古屋 英治, 地野 充時, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 73 (4), 448-462, 2022

    <p>医療安全委員会では,安全に漢方方剤を使用するための種々の医療安全に関する啓発活動を行ってきた。今回,医療事故の発生予防・再発防止を推進することを目的にアンケート調査を行った。その結果,漢方専門19施設中15施設から回答が得られ,247件の漢方領域におけるインシデント・アクシデント事例を収集した。漢方方剤の副作用に関する事例には,黄芩含有漢方方剤による間質性肺炎,烏頭中毒,甘草による偽アルド…

    DOI Web Site 参考文献2件

  • 神津島村民の運動器疼痛の実態と意識に関する調査

    近藤 宏, 白石 一博, 松田 えりか, 石松 菜摘 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 49-57, 2022

    【目的】神津島村の住民の運動器疼痛の実態と意識について把握するとともに、鍼灸受療希望のある住民の特徴を明らかにし、この地域での鍼灸の普及啓発の可能性を検討した。<br> 【方法】対象者は神津島村役場保健医療課生きがい健康センター(以下、健康センター)で行われた健康診断に参加した神津島村住民とした。研究デザインは集団調査法である。無記名による自記式質問調査票を用いて健康センターで実施した。調査項目…

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  • 小型超音波画像装置の鍼灸領域における活用可能性の検討

    恒松 美香子 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 43-48, 2022

    【目的】近年、運動器領域でも超音波画像装置が活用されているが、装置のサイズが大きいこと、装置の価格が高価であること等の問題がある。今回、パソコンに USB 接続することで撮像可能な小型の超音波画像装置の鍼灸領域における活用可能性を検討した。<br> 【方法】鍼灸師の資格を有する大学教員 5 名および鍼灸学科所属の大学生 5 名、合計 10 名を対象者とした。対象者は、角度 10°前後、深さ …

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  • 香蘇散伝説を探る

    安井 廣迪 日本東洋医学雑誌 73 (1), 35-46, 2022

    <p>紹興年間(1131~1162)に増補された『和剤局方』傷寒門の香蘇散の方後には,当時流行した疫病に対し,この処方を使用した一族のみが無事だったという逸話がある。2020年にパンデミックとなったCOVID-19の発生地域は,かつて宋代に疫病が流行した江南に接し,その背景や漢方医学的にみた病態には類似性が認められる。香蘇散をはじめとする『和剤局方』傷寒門の処方の多くは,疫病の流行の多かった南宋…

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  • 感覚過敏を伴う関節リウマチ・随伴する頭痛に対する甘草附子湯の使用経験

    矢口 綾子, 牧 俊允, 吉永 亮, 後藤 雄輔, 井上 博喜, 矢野 博美, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 73 (1), 54-60, 2022

    <p>西洋医学的治療を拒否した関節リウマチ患者に対し,甘草附子湯を使用し,関節痛および頭痛などの随伴症状を改善できた症例を報告する。症例は35歳女性。X —8年に関節のこわばりが出現し関節リウマチと診断された。メトトレキサート(以下 MTX)による治療歴があるが,メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患(以下 MTX — …

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  • 現代医学での治療に抵抗性があった小児患者に関する漢方薬併用療法の検討

    渡邊 悠紀, 並木 隆雄, 中村 道美, 龍 興一, 島田 博文, 根津 雅彦, 和泉 裕子, 八木 明男, 平崎 能郎, 下条 直樹 日本東洋医学雑誌 73 (2), 137-145, 2022

    <p>小児に対して,漢方医学に基づいた診断(証)も含めての効果検証は少ない。我々は現代医学での治療に抵抗性のあり,慢性化した小児に対して,漢方治療を専門に行う医師が処方した漢方薬併用療法の効果の後ろ向き観察研究をした。</p><p>過去10年間に千葉大学医学部附属病院和漢診療科を受診した小児98(未就学児(PS)21,小学生(ES)37,中学生(JS)40)人に対して,診療録から患者背景,主訴,…

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  • 医療用漢方製剤に配合される生薬の効能の標準化案

    牧野 利明, 石井 智子, 飛奈 良治, 鈴木 達彦, 並木 隆雄 日本東洋医学雑誌 73 (2), 146-175, 2022

    <p>病院や薬局での漢方薬の利用が拡大しており,漢方薬とその成分に関する体系的な教育が急務となっている.漢方製剤の効能は国レベルで承認されているが,その構成生薬の効能は,一部のものを除いて個々の生薬には承認されていない.その結果,生薬学,漢方医薬学の教科書における個々の生薬の効能の表記は,著者によって大きく異なる.この状況を解決するために,先行研究では医療用漢方製剤で使用される生薬の効能の西洋医…

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  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する漢方薬治療の臨床エビデンス構築

    高山 真, 並木 隆雄, 小田口 浩, 三谷 和男, 矢久保 修嗣, 久永 明人, 貝沼 茂三郎, 伊藤 隆 日本東洋医学雑誌 73 (2), 117-125, 2022

    <p>日本東洋医学会は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するエビデンス構築のため学会主導臨床研究を立ち上げ,漢方薬の特徴を踏まえて,①体調を整えて免疫賦活し発病を予防(未病),②軽症・中等症における症状緩和,重症化抑制(発病急性期~亜急性期),③早期回復,遷延症状対策(病後期)などの漢方的観点から4つの主導研究を推進した。企画運営を担当した運営委員会特別ワーキンググループがパンデミ…

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  • 西洋医療と漢方医療の組み合わせが奏効した閉塞性睡眠時無呼吸の1例

    有馬 菜千枝, 中山 明峰, 塚本 佳世, 佐藤 慎太郎, 江崎 伸一, 岩﨑 真一 日本東洋医学雑誌 73 (2), 197-202, 2022

    <p>漢方医学と西洋医学を合わせて行うことが有効であった睡眠時無呼吸症例を報告する。症例は日中傾眠がある52歳男性で,睡眠検査にて閉塞性睡眠時無呼吸と診断され持続陽圧呼吸療法(CPAP)を開始した。CPAP は鼻から陽圧をかけ上気道閉塞の改善をはかりながら治療経過は機器に記録される。鼻閉があると CPAP 継続困難となるが本例でも CPAP …

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 大防風湯加味が有効であった重度変形性膝関節症の1例

    谷口 大吾, 戸城 えりこ 日本東洋医学雑誌 73 (3), 321-324, 2022

    <p>高齢者の変形性膝関節症に対して,大防風湯加味が有効だった症例を経験したので報告する。症例は84歳女性で右膝痛に対して複数の病院でさまざまな薬剤を試したが,効果不十分であったため漢方治療を希望して受診した。全身的には気虚を認めず,局所には関節腫脹と軽度熱感を認め,単純X 線では膝内側の関節裂隙狭小化,骨棘形成,骨硬化像など重度の変形性膝関節症の所見を認めた。疎経活血湯や八味丸を使用したが,効…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献4件

  • 漢方治療が奏効した特発性拍動性耳鳴の2例

    平澤 一浩, 小野 真吾, 塚原 清彰 日本東洋医学雑誌 73 (3), 288-292, 2022

    <p>拍動性耳鳴では器質的疾患の存在を疑う必要がある。原因が特定されれば多くは治療可能だが,原因が特定できない特発性に対しては確立された治療法がない。今回我々は,特発性拍動性耳鳴に対して漢方薬が奏効した2例を経験した。症例1は50歳男性。半年前から職場の役職変更に伴いストレスを抱え,1ヵ月前から左拍動性耳鳴が出現した。柴胡加竜骨牡蠣湯を投与し,1週間で耳鳴は消失した。症例2は30歳女性。4ヵ月前…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 被引用文献1件 参考文献2件

  • 意識消失を繰り返した心因性非てんかん性発作に対して四逆散と半夏白朮天麻湯が奏功した1例

    松下 浩子, 谷川 聖明 日本東洋医学雑誌 73 (3), 308-315, 2022

    <p>片側あるいは両側の間代および強直類似発作を時に伴う意識消失発作を繰り返したが,心因性非てんかん性発作と診断,四逆散と半夏白朮天麻湯が奏功した一例を経験した。発作間欠期には腹直筋攣急や胸脇苦満を認めなかった一方,発作時には,腹診不可能だったものの,四肢が末梢まで非常に冷たく,硬くなっており,屈曲して硬くなっている手関節,足関節をあたためてほぐしたあと,数時間かけて徐々に意識障害が回復していた…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献4件

  • 頸椎症に対するマッサージ療法の実際

    藤井 亮輔 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 23-34, 2022

    目的:医療マッサージの普及・発展を目的に頸椎症に応用できる頸肩部を対象とした解剖立脚型の標準術式(試案)を提示する。<br> 背景:頸椎症に対する信頼性の高い治療法の情報収集は、診療ガイドラインが刊行されている頸 椎症性脊髄症を除き難しい。マッサージ療法もその例外ではなく、有効性を検証した報告は国内 では見当たらない。無論、首や肩のこり感等の愁訴にマッサージ療法が奏功することは疑う余地 …

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  • 経皮的冠動脈再建処置後に生じた前腕急性コンパートメント症候群において漢方療法が著効した1例

    福田 功, 中田 英之, 草鹿砥 宗隆, 小菅 孝明 日本東洋医学雑誌 73 (4), 402-408, 2022

    <p>経皮的冠動脈再建(PCI : percutaneous coronary intervention)後に疼痛,知覚障害,麻痺,皮膚蒼白,他動的伸展時痛の症状が起こったため,PCI に起因した前腕コンパートメント症候群と診断した。東洋医学的には瘀血と水滞が原因で,腹診所見より治打撲一方,桂枝茯苓丸を投与したところ,速やかに自他覚症状が改善し,術後10日目までには症状が消失し術後14日目に廃薬…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献11件

  • 婦人科がんサバイバーの抑うつ状態や不安に香蘇散が有効であった7例

    松岡 竜也, 岡村 麻子, 加藤 士郎, 島袋 剛二 日本東洋医学雑誌 73 (4), 414-421, 2022

    <p>女性の生涯がん罹患率は約50%であり,婦人科がんの一部は増加しており,患者の抑うつ状態の有病率は約12~25%と想定される<sup>1)</sup>。抑うつ状態は自殺のみならず,がんによる死亡にも影響すると考えられ<sup>2)</sup>,がんと診断した時からサバイバーとして心のケアを行うことは重要である。薬物治療はしばしば向精神薬が選択されるが,錐体外路症状,眠気,便秘などの副作用が認…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 勿誤薬室方函口訣に語られる清暑益気湯についての考察

    横山 浩一, 平崎 能郎, 岡本 英輝, 杉本 耕一, 伊藤 隆, 檜山 幸孝 日本東洋医学雑誌 73 (4), 367-374, 2022

    <p>清暑益気湯の同名異方である東垣方・近製方・張三錫新定方について,その来歴と適応病態を調査した。東垣方と近製方の違いについては,浅田宗伯の勿誤薬室方函口訣の記述から,「即効を取るには近製方,老人などの持薬には東垣方」と一般に解釈されている。しかしながら原典に従えば,東垣方よりもむしろ近製方が夏季に病なくとも常用できるように工夫されたものであった。そして近製方は東垣方の補脾益気・清熱・生津の作…

    DOI Web Site 参考文献1件

  • 頸部神経鞘腫摘出術後に認められた しびれに鍼治療が有効であった1症例

    松浦 知史, 山口 智, 高橋 孝郎 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 89-94, 2022

    【目的】頸部神経鞘腫患者において、術後に上肢知覚障害をきたし、QOL を低下させることが臨床上課題となっている。今回、同疾患術後に左上肢しびれを認めた患者に対して鍼治療を実施したところ良好な結果が得られたので報告する。<br> 【症例】44 歳男性、主訴:左上肢しびれ。現病歴:X-3 年に左顎下腺腺様嚢胞癌、左頸部~縦隔神経鞘腫の診断。その後、左神経鞘腫は徐々に増大し、X-1 年 3 …

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  • 肩関節周囲炎の臨床

    水出 靖 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 17-22, 2022

    肩関節周囲炎の治療は病変部位、拘縮の有無、疼痛・可動域制限の原因となる軟部組織の状態等に応じて行う。疼痛や可動域制限の要因は freezing phase では腱板や上腕二頭筋長頭腱、腱板疎部等の炎症や筋攣縮が主体である。一方、frozen phase では、炎症の遷延に伴う肩関節周囲の軟部組織の線維化、癒着、瘢痕化といった器質的変化による関節拘縮が可動域制限の要因となる。frozen …

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  • 肩関節周囲炎に対する鍼通電療法

    山口 智 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 23-26, 2022

    肩関節周囲炎は日常の臨床でよく遭遇する疾患の一つである。その原因は腱板炎・断裂、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩峰下滑液包炎、烏口突起炎などが推測される。<br>  鍼通電療法は、肩関節周囲炎の疼痛の緩解や ROM の改善に有用な治療方法と考えている。筆者は肩関節周囲炎に対する鍼通電療法は組織選択性を基本に実施している。つまり、傷害された筋肉、神経、関節、靭帯などを目標に刺鍼部位を決定し…

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  • 晴眼者と視覚障がい者が協働し鍼マッサージボランティアを行うための実際と課題

    石松 菜摘, 近藤 宏 日本東洋医学系物理療法学会誌 46 (2), 75-80, 2022

    【目的】スポーツ競技大会での鍼灸マッサージ施術ボランティアにおいて視覚障がい者と晴眼者がともに活動するための課題や方策を検討するため、施術者に対してアンケートを行い、今後の活動への示唆が得られたので報告する。<br> 【方法】いきいき茨城ゆめ国体自転車(ロード・レース)競技大会において、大会関係者及び一般市民に対して鍼・マッサージ施術を提供した。施術者は視覚障がい者 5 人、晴眼者 7 …

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  • モチーフコドン縮約表現に基づいた動的計画 (DP) 法によるゲノム機能部位推定システムの開発

    大友 将宏, 小林 貴史, 加藤 博明 Journal of Computer Chemistry, Japan 21 (1), 20-32, 2022

    <p>高等生物のゲノム配列にはタンパク質に翻訳されるエクソン領域とそれ以外のイントロン領域が存在し,その複雑な構造の中から機能部位を推定するのは一つの大きな課題である.一方,タンパク質アミノ酸配列にはその機能と密接な関係がある特徴的な配列パターンであるモチーフが保存され,遺伝子配列にもよく保存されていると考えられる.本研究ではコドン縮約表現とその近似表現を用いた,動的計画 (DP) …

    DOI Web Site 参考文献22件

  • 金属用タッピンねじの塑性成形過程の有限要素法解析

    冨田 悠仁, 長岡 賢人, 榊間 大輝, 大槻 潔人, 鳥居 慎悟, 熊中 忠雄, 泉 聡志 年次大会 2022 (0), S112p-01-, 2022

    <p>To clarify the mechanism of differences of forming torque for screws with different cross-sectional shapes, we have compared the forming process of tapping screw type-3, a screw with circular …

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  • 妊娠中の便秘症に対して大建中湯が有効となる関連因子の解析

    中山 毅, 向 亜紀, 鈴木 京子, 宗 修平, 村林 奈緒, 堀越 義正, 小泉 るい, 伊東 宏晃 日本東洋医学雑誌 73 (1), 1-7, 2022

    <p>目的:妊娠中の便秘症に対し,大建中湯の効果に関連する因子を明らかにする。</p><p>対象と方法:妊娠中に便秘症状を有し,大建中湯15g/日が投与された23名の患者を対象。独自に作成した便秘スコアをもとに,投与前,2週および4週後のスコア値を後方視的に調査した。さらに4週時における処方継続の転帰から,改善群12名と非改善群11名に分け,有効性に関与したと考えられる背景の抽出を試みた。</p…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 腹満に対して当帰四逆加呉茱萸生姜湯が奏効した2症例

    辻 正徳, 地野 充時, 寺澤 捷年 日本東洋医学雑誌 73 (1), 67-73, 2022

    <p>腹満は日常臨床でしばしば見られる徴候の一つであり,腹痛や食欲不振を伴って生活の質を低下させる原因となりうる。西洋医学では,器質的異常に対する治療法はあるが,殊に機能性腹満に関してはしばしば治療に難渋する。 腹満に対する漢方の報告はあるが,調査した範囲で当帰四逆加呉茱萸生姜湯の治験例は見られなかった。今回我々は,当帰四逆加呉茱萸生姜湯による随証治療が腹満に奏効した2症例を経験した。症例1は頻…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • タブレット型端末を介したCOVID-19の漢方治療の取り組み

    當山 和代, 當山 雅樹, 山川 いずみ, 玉城 祥乃, 名嘉村 博 日本東洋医学雑誌 73 (1), 91-96, 2022

    <p>当クリニックではCOVID-19患者増加に対応して,発熱外来におけるスタッフの感染リスクを回避するため,タブレット型端末を用いたリモート診療を行った。約5ヵ月間において,PCR 検査で診断されたCOVID-19患者は87人で,このうち漢方薬による初期治療を行ったのは24症例で,男性15人,女性9人,平均年齢は36.2歳であった。 …

    DOI Web Site Web Site ほか1件 被引用文献1件 参考文献2件

  • 「喜唾」を目標にして食欲不振と流涎が改善した附子理中湯証の1例

    前田 ひろみ, 吉永 亮, 土倉 潤一郎, 井上 博喜, 矢野 博美, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 73 (2), 207-213, 2022

    <p>症例は65歳男性。X—3年に食道・胃接合部癌にて手術歴がある。X 年1月より食欲不振となり3月に当院内科に入院した。癒着性小腸閉塞の診断で5月上旬に外科的イレウス解除術を施行したが,症状は改善せず6月中旬より当科併診となった。流涎を「喜唾」と捉え,心下痞鞕,手足の冷えから附子理中湯の煎じ薬を開始した。内服5日目から活気が出現し8日目から唾液量が減少し12日目から味覚と食欲が改善した。経口摂…

    DOI Web Site Web Site ほか1件

  • 第71回日本東洋医学会学術総会 特別企画1「次世代に継ぐ卒前卒後漢方医学教育」5 漢方実習

    小田口 浩, 砂川 正隆, 秋葉 秀一郎, 伊藤 剛, 鈴木 雅雄, 高山 真, 三潴 忠道 日本東洋医学雑誌 73 (3), 263-278, 2022

    <p>2021年8月に開催された第71回日本東洋医学会学術総会で漢方医学教育に焦点をあてた特別企画,「次世代に継ぐ卒前卒後漢方医学教育」を行った。本企画の一つとし行った各教育施設の漢方実習について総括して報告する。漢方実習として「四診」,「生薬および湯液煎じ」,「鍼灸」について計5演題の説明入り動画を事前収録し,冒頭の説明を含め計200分のコンテンツを学会期間中に Web …

    DOI Web Site 参考文献7件

  • 安中散が有効であった全般性不安障害の1例

    西村 甲, 服部 孝雄, 村井 克昌, 玉田 耕一, 羽根 靖之 日本東洋医学雑誌 73 (3), 316-320, 2022

    <p>全般性不安障害,全身過緊張を呈し,肝気滞と考えられたが,肝気疎通とともに脾腎温陽を行い軽快した症例を経験した。症例は67歳女性,子宮がんで手術が施行され,術後放射線照射を受けた。以後イレウス発症のため大建中湯が投与されたが,年に数回再発を繰り返した。一方で,家庭内でストレスが増強した。抗不安薬が投与され一定の効果があったが,漢方治療を希望した。当初,肝気滞,肝血虚と診断して抑肝散加陳皮半夏…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献1件

  • 易疲労感・倦怠感に半夏厚朴湯が奏功した3例

    陣内 厚子, 木村 容子 日本東洋医学雑誌 73 (3), 297-302, 2022

    <p>疲れやすい(易疲労感)という主訴に対し半夏厚朴湯が奏功した3症例を経験した。症例1は44歳女性で仕事の多忙から疲労感を長期に感じていた。十全大補湯が無効で腹満や心下痞鞕の所見から半夏厚朴湯を処方し,症状が軽快した。症例2は13歳女性で海外から日本へ引っ越し後から疲労感が生じ,不安感や動悸,心下痞鞕も認め半夏厚朴湯を処方し症状が軽快した。症例3は18歳女性で大学入学後に勉学の苦痛から疲労感を…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 感染症後の精神症状に対する竹筎温胆湯の経験

    天野 雅夫 日本東洋医学雑誌 73 (3), 303-307, 2022

    <p>感染症後の精神症状に対して,竹筎温胆湯が有効だった2症例を報告した。</p><p>症例1は普通感冒に罹患後のうつ状態で,洋薬による標治に反応せず,漢方薬による本治法で治癒に至った。症例2はインフルエンザに罹患後のせん妄で,温胆湯類が著効した。</p><p>うつ病の病因論に炎症性神経障害仮説があり,脳内炎症に対して NSAIDS …

    DOI Web Site 参考文献8件

  • 咽喉頭異常感症に苓桂朮甘湯エキスと呉茱萸湯エキスの併用が有効であった2例

    呉 明美, 小川 恵子 日本東洋医学雑誌 73 (3), 325-330, 2022

    <p>「のどになにかがひっかかっている感じ」という咽喉頭違和感を訴えて耳鼻咽喉科を受診する患者は少なくない。 真性咽喉頭異常感症は,西洋医学的には異常がなく,抗不安薬を処方されることもある。漢方医学的には,気鬱による梅核気や咽中炙臠として,半夏厚朴湯が処方されることが多い。今回,我々は半夏厚朴湯が無効であった咽喉頭異常感症の2症例に対して,医療用漢方エキス製剤の苓桂朮甘湯と呉茱萸湯の併用は奔豚湯…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献9件

  • COVID-19罹患後の胸痛,呼吸困難に柴朴湯が著効した1例

    溝部 宏毅, 大畑 光彦, 青木 優子 日本東洋医学雑誌 73 (3), 331-334, 2022

    <p>新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し,治癒した後にも,呼吸困難や胸痛,関節痛を訴える患者が多くみられる。今回,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患後,2ヵ月以上たっても後遺症として呼吸困難と胸痛が改善しない61歳の男性に対して柴朴湯を投与した。投与後3週間で,ほぼすべての症状が消失したので報告する。</p>

    DOI Web Site 参考文献2件

  • 非特異的頸部痛患者に対する鍼治療

    村橋 昌樹, 井畑 真太朗, 山口 智 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 121-, 2022

    【緒言】頸部痛の年間有病率は 30%から 50%とされ、患者の QOL を低下させるだけでなく、患者 個人の経済的負担ひいては医療経済の負担を増加させることが知られている。頸部痛のうち、非 特異的頸部痛は鍼灸臨床において頻繁に遭遇する愁訴であるが、非特異的頸部痛に対する鍼治療 の効果を検討した研究は少ない。したがって、本研究では非特異的頸部痛に対する鍼治療の研究 …

    DOI

  • 体幹部へのマッサージが下腿の筋酸素化動態に及ぼす影響

    宮村 大地, 近藤 宏 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 77-83, 2022

    【目的】体幹部へのマッサージによる下腿への影響について、NIRS(Near-infrared spectroscopy: 近 赤外線分光法 ) による筋酸素化動態の変化を検討した研究はこれまでみられない。本研究の目的は、 健康成人に対する体幹部へのマッサージが下腿の筋血流動態への影響について NIRS を用いて検討 することである。<br> 【方法】対象は、健康成人 15 人(男性 10 …

    DOI Web Site 医中誌

  • 事故情報データバンクシステムを用いた鍼灸とその関連療法に関する有害事象調査

    佐藤 想一朗, 新原 寿志 日本東洋医学系物理療法学会誌 47 (2), 93-100, 2022

    【目的】鍼灸が広く国民の健康に寄与するためには、その安全性が担保されなければならない。今 回我々は、消費者庁と独立行政法人国民生活センターが管理運営を行っている事故情報データバ ンクシステムに登録された鍼灸とその関連療法に関する有害事象ついて調査し、事故情報データ バンクシステムの有用性について検討した。<br> 【方法】事故情報データバンクシステムの運用開始(2009 年 9 月)から …

    DOI Web Site 医中誌

  • 難治性再発性性器ヘルペスに十全大補湯と柴胡桂枝乾姜湯の併用が奏功した1例

    中原 真希子, 貝沼 茂三郎 日本東洋医学雑誌 73 (4), 382-386, 2022

    <p>症例は40歳女性。25歳ごろより半年に1回程度,性器ヘルペスが出現していた。初診の1年半前より月に2~5回程度に増えたため,前医にて抗ヘルペス薬による再発抑制療法を開始されたが,ヘルペスの回数や症状の程度の改善は全くなく,当科紹介となった。陰証および虚証で,手足の冷えを認め,抗ヘルペス薬の内服の中止とともに当帰四逆加呉茱萸生姜湯を処方したが,ヘルペスの症状に変化なかった。さらに,強い倦怠感…

    DOI Web Site 参考文献6件

  • 長期に及ぶ原因不明の両手母指の爪甲剥離に対して四物湯が奏功した1例

    中村 雅生, 木村 豪雄 日本東洋医学雑誌 73 (4), 387-390, 2022

    <p>51歳女性。8年前から両手母指に爪甲剥離があり水を扱う作業をすると沁みる痛みがあり生活に支障を来していた。3ヵ所の皮膚科を受診し検査,治療を受けたが原因不明であり症状は改善しなかった。その後当クリニックを受診,症候として皮膚の枯燥や爪の病変があることから血虚と診断して四物湯を用いた。内服を続けることにより爪甲剥離は徐々に改善が得られた。このことにより原因不明の爪甲剥離に四物湯が有効である可…

    DOI Web Site Web Site ほか1件

  • ホットフラッシュの発汗に抑肝散が著効した1例

    中尾 真一郎, 矢野 博美, 原田 直之, 牧 俊允, 吉永 亮, 井上 博喜, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 73 (4), 398-401, 2022

    <p>顔や胸,背中に多量の発汗とホットフラッシュを半年前から認めるようになった49歳女性の症例である。患者は同時に,息子らに対してイライラしていたが,自身の怒りを反省し,なぜそんなに怒ってしまうのだろうかと省察していた。抑肝散を処方したところ,1ヵ月後にはすべての症状に著効していた。更年期障害やイライラには加味逍遙散が重要な鑑別になるが,イライラの性状を評価することは処方選択に有用かもしれない。…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献1件

  • 吃逆に対して桂枝人参湯が奏効した2症例

    辻 正徳, 地野 充時, 小林 亨, 寺澤 捷年 日本東洋医学雑誌 72 (1), 22-26, 2021

    <p>持続性もしくは難治性の吃逆は患者の活動度や生活の質を低下させる。そのため,治療の必要性があるものの,時に治療に難渋することがあり,西洋医学でも推奨される治療法は無い。吃逆に対する漢方治療の報告例も見られるが,調査した範囲では桂枝人参湯を用いた文献は見られなかった。今回我々は,桂枝人参湯による随証治療が吃逆に対して奏効した2症例を経験した。症例1は3年間吃逆が続く68歳男性の難治性吃逆の症例…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 神経耳科学と漢方治療—併存症候からみた治療—

    岡安 唯, 大山 寛毅, 北野 公一, 三谷 和男, 北原 糺 日本東洋医学雑誌 72 (1), 1-8, 2021

    <p>日本では神経耳科学的疾患(耳鳴,めまい,難聴等)に対して多くの漢方薬が使用されている。耳鳴,めまい患者の多くは耳科学的疾患以外の症候(不眠や肩こり,抑うつ,頭痛等)を合併することが少なくない。漢方製剤の多くは複数の疾患に対する適応があるので,耳科学的疾患以外の症候に対しても治療が可能な場合があり,有用と考えられる。本総説では耳科学疾患に対する漢方薬を併存症候に注目して整理するとともに,耳科…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献19件

  • 機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群の合併した機能性消化管障害に中建中湯が奏効した1例

    村井 政史, 堀 雄, 本間 行彦 日本東洋医学雑誌 72 (1), 9-12, 2021

    <p>症例は28歳男性で,14歳の冬に嘔吐下痢症にかかり,その後から時々胃もたれや胸やけが出現するようになった。 最近の2~3年間は常に食欲がなく,何を食べても胃もたれや胸やけが悪化し,ひどくなると動悸がしたり手足が冷たくなったりした。また,排便は1~2日に1回程度で,排便時には腹痛を伴う下痢を認めた。これらの症状は,機能性ディスペプシアと過敏性腸症候群を合併した機能性消化管障害であると思われ,…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 慢性に経過する精巣痛・鼡径部痛45例の治療経験

    小松 歩 日本東洋医学雑誌 72 (1), 13-21, 2021

    <p>慢性に経過する精巣痛・睾丸痛を主訴に受診した45例に行った漢方治療を検討した。 <br>初回選択は,桂枝茯苓丸19例,当帰芍薬散8例,竜胆瀉肝湯4例,八味地黄丸3例,牛車腎気丸2例,桂枝茯苓丸と柴胡加竜骨牡蠣湯,桂枝茯苓丸と当帰芍薬散,当帰芍薬散と柴胡桂枝乾姜湯,桂枝茯苓丸加薏苡仁,五淋散,当帰四逆加呉茱萸生姜湯,柴胡桂枝湯と六君子湯,大黄牡丹皮湯,人参湯,各1例である。 …

    DOI Web Site 参考文献2件

  • 陳旧性骨折後疼痛に対して疎経活血湯が著効した1例

    福嶋 裕造, 藤田 良介, 宮本 信宏, 山本 了, 實松 宏已, 坂田 雅浩 日本東洋医学雑誌 72 (1), 34-38, 2021

    <p>整形外科領域に於いて慢性疼痛に対して治療が必要であることがある。今回,約15年前の開放骨折後の慢性疼痛に対して疎経活血湯が著効したため報告する。症例は35歳男性で,20歳時に交通事故で右下腿遠位開放骨折を受傷して骨接合術や術後感染や脚延長術などで12~13回の手術を受けた。その後毎年耐えがたい右足関節疼痛が定期的に起こった。今回同様の疼痛があったため当院を受診し,非ステロイド性消炎鎮痛剤(…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献6件

  • 病院医療における鍼灸—鍼灸で病院はこう変わる—

    若山 育郎, 形井 秀一, 古谷 陽一, 高士 将典, 鈴木 雅雄, 田中 耕一郎 日本東洋医学雑誌 72 (1), 71-87, 2021

    <p>わが国では数少ないながら総合病院で東洋医学科が開設され漢方専門医と鍼灸師が互いに協力して患者の診療を行っている施設がある。しかし,他の多くの病院では日本の伝統医学である漢方(湯液)と鍼灸は未だ導入されず現代西洋医学のみで診療が行われている。多くの医師は,現代西洋医学のみで臨床医学上の問題がすべて解決されているわけではないのは承知しているはずであるが,伝統医学を応用してそれを改善しようとする…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献8件

  • 蜂窩織炎における漢方治療の意義

    吉永 亮, 後藤 雄輔, 牧 俊允, 井上 博喜, 矢野 博美, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 72 (2), 135-143, 2021

    <p>下肢蜂窩織炎の3症例を経験した。症例1は88歳女性,症例2は36歳男性で,ともに急性期から標準的治療と桂枝二越婢一湯と治打撲一方による漢方治療を併用してすみやかに治癒した。症例3は52歳女性。高度肥満があり蜂窩織炎を繰り返していたが,桂枝茯苓丸を中心とした治療を行い,下肢の紅斑と熱感が消失した。蜂窩織炎の治療では適切な抗菌薬の投与と患部の挙上が重要であるが,治療に難渋する症例が存在する。蜂…

    DOI Web Site 参考文献13件

  • 線溶亢進型の慢性 DIC による出血に対して漢方治療で応急的な止血が可能であった1例

    福嶋 裕造, 藤田 良介, 宮本 信宏, 濵吉 麻里, 大塚 裕眞 日本東洋医学雑誌 72 (2), 130-134, 2021

    <p>大動脈解離術後の慢性播種性血管内凝固症候群(DIC)による手掌挫瘡の出血傾向に対して漢方薬が有効であったので報告する。症例は74歳女性であり大動脈解離に対する人工血管とステント・グラフト施行の既往があった。転倒して手掌から出血があり受傷2日後に総合病院の整形外科を受診して処置をされ,受傷3日後に当院を紹介され,受傷後12日でも創が治癒せず止血しないため外科的な止血術を行った。同日の5時間後…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 補中益気湯が有効であった骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の1例

    福嶋 裕造, 井藤 久雄, 田頭 秀悟, 栁原 茂人, 中村 陽祐, 藤田 良介 日本東洋医学雑誌 72 (3), 254-259, 2021

    <p>骨粗鬆症の治療のためにイバンドロン製剤投与中に発症した骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ : Anti-resorptive agents-related osteonecrosis of the jaw)の91歳女性について報告を行う。ARONJ 発症後2ヵ月間は歯科で抗生剤投与,切開排膿術の治療を受けていたが治癒しないため,当院でも補中益気湯を投与して急速に治癒傾向となり1ヵ月程度で…

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  • 漢方診療を行う医師のための鍼灸カリキュラム導入の試み

    蛯子 慶三, 伊藤 隆, 木村 容子, 高田 久実子, 辻 恭子, 津嶋 伸彦, 陣内 厚子, 高田 常雄, 小野 博子, 澤口 博, 村上 哲二, 佐藤 弘 日本東洋医学雑誌 72 (3), 313-320, 2021

    <p>「漢方診療を行う医師が患者に適切な鍼灸治療を提案できる」ことを目的として,鍼灸師7人,医師5人で構成したメンバーで鍼灸カリキュラムを試案し,漢方外来を担当する当研究所医師16人を対象に実施した。学習プログラムは講義と実習で構成し,合計4回行った。各学習プログラムではテストを実施して理解度を評価し,全学習プログラム終了後には漢方診療での有用性等についてアンケート調査した。各回の参加人数は平均…

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  • COVID-19に対する葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏併用の使用経験

    井齋 偉矢, 今井 雅浩, 上原 明彦, 糸山 貴浩, 巣山 久実 日本東洋医学雑誌 72 (4), 415-419, 2021

    <p>現在の新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)によるパンデミックの前のものとして,1918~1920年のH1N1亜型インフルエンザの世界的大流行が挙げられる。日本における治療の記録として特記されるものに,東京の木村博昭が柴葛解肌湯などの処方を使用し,1人も死者を出さなかったという逸話がある。症例は31歳女性のCOVID-19陽性者で,ホ…

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  • 冷え・痛みの治療に伴う八味地黄丸の緩やかな降圧薬減量効果

    小野 孝彦, 鈴木 大輔, 山崎 玄蔵, 大瀬 綾子, 横山 健 日本東洋医学雑誌 72 (4), 368-376, 2021

    <p>八味地黄丸の適応として,下肢痛,腰痛,浮腫,疲労倦怠感,冷感,高血圧の随伴症状などの記載がみられる。 冷えや痛みなどを訴える患者に八味地黄丸を投与し,その後の血圧経過を観察した。八味地黄丸として生薬末混合丸剤を45歳以上,平均年齢71歳の12例において腎虚の諸症状,血圧を観察した。冷えと痛みは,3ヵ月後の評価で有意に改善した。9ヵ月以上の八味地黄丸服用を希望した9症例のうち,8症例で降圧薬…

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  • 日本人における腸間膜静脈硬化症の有症状化に関連する因子の解析

    萬谷 直樹, 岡 洋志 日本東洋医学雑誌 72 (1), 58-65, 2021

    <p>目的:腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis, MP)の発症は山梔子長期服用と関連する。服用期間 や累積服用量の他には,発症や有症状化の関連因子は不明である。</p><p>方法:MP の症例報告を集め,MP の症状がない群とある群に分けた。年齢,性別,体格,服用年数について2 …

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  • 古典で指定されている方剤を煎じる水量の意味

    笛木 司, 田中 耕一郎, 奈良 和彦, 千葉 浩輝, 加藤 憲忠, 川原 隆道, 諸橋 弘子, 柴山 周乃, 並木 隆雄, 別府 正志, 牧野 利明 日本東洋医学雑誌 72 (2), 107-118, 2021

    <p>『外台秘要方』四逆加猪胆湯と『宋板傷寒論』通脈四逆加猪胆汁湯は,主治条文の相同性が高いが,配合生薬量と煎じ前後の指定水量の記述は大きく異なる。その指定水量をもとに各々の適正煎じ時間を推定,中国を想定した硬水で煎液を調製すると,両者の2倍の附子配合量差に対し,煎液中ブシジエステル型アルカロイド(ADA)量の差は1.2—1.4倍に止まった。往時,附子の有効性と安全性を管理するための水量指定によ…

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  • 本治法と標治法の使い分けによる漢方薬治療が有効であった掌蹠膿疱症の1例

    高橋 浩子, 川添 和義, 日笠 久美 日本東洋医学雑誌 72 (2), 171-176, 2021

    <p>防風通聖散と桂枝茯苓丸で皮膚症状が改善した掌蹠膿庖症の1例を経験した。症例は42歳,女性。ビオチン,ステロイド軟膏を処方されたが難治状態で当クリニックを初診。両手掌と足底に膿痂疹と亀裂,鱗屑が見られた。一貫堂の解毒証体質,瘀血証体質と判断し,本治法として防風通聖散と桂枝茯苓丸を処方したところ,数日で皮膚症状が改善した。甲状腺機能亢進症の発症を契機に再燃したが,標治法として消風散と越婢加朮湯…

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  • 小建中湯が奏効した多嚢胞性卵巣症候群による続発性無月経の1例

    中山 毅, 向 亜紀, 鈴木 京子, 堀越 義正, 小泉 るい, 伊東 宏晃 日本東洋医学雑誌 72 (2), 177-181, 2021

    <p>多嚢胞性卵巣症候群を併発した続発性無月経を呈する思春期女性に,随証療法から小建中湯を選択し,正常月経周期となった1例を経験した。症例は14歳。続発性無月経に対してホルモン療法がなされるも,浮腫や体重増加を来し,治療困難となり,漢方内科を受診。続発性無月経,卵巣に複数の小嚢胞があり,さらに高テストステロン血症を認めることから,多嚢胞性卵巣症候群と診断。食事指導に加えて,虚証で腹力が弱く,腹直…

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  • 不登校の孫と易疲労の祖母に柴胡加竜骨牡蛎湯が奏効した症例

    沢井 かおり, 吉野 鉄大, 大岸 美和子, 渡辺 賢治 日本東洋医学雑誌 72 (3), 235-238, 2021

    <p>漢方治療では,異なる病状の症例でも漢方的病態が同じであれば同一処方が有効であり,これを異病同治と称する。特に家族では,遺伝的素因や生活環境の共通性から漢方的病態が類似しやすい。今回,不登校の孫と易疲労の祖母に対する異病同治の症例を経験したので報告する。</p><p>症例1(孫)は13歳女性,主訴は不登校である。やや実証,寒熱中間証,気逆,気滞,血虚と診断して柴胡加竜骨牡蛎湯を処方したところ…

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  • 乳癌治療に関連する諸症に漢方治療が奏効した5例

    矢野 博美, 牧 俊允, 後藤 雄輔, 吉永 亮, 井上 博喜, 久保田 正樹, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 72 (3), 264-274, 2021

    <p>乳癌治療に伴う諸症5例(関節痛,更年期様症状,化学療法の嘔気・嘔吐,しびれ・疼痛,化学療法中の倦怠感,経過観察中の不安神経症)に漢方治療を行い良好な経過が得られた。漢方治療を併用することで乳癌治療における副作用で生じる苦痛を軽減出来る。その事で乳癌治療を完遂し,精神症状を緩和し,再発予防,健康増進に貢献出来る。乳癌のがんサポーティブケアとして漢方治療が有用であると考えた。</p>

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  • 手指変形性関節症の治療における桂枝加朮附湯の有用性

    大塚 稔 日本東洋医学雑誌 72 (3), 239-243, 2021

    <p>桂枝加朮附湯を用いて,手部の炎症性や疼痛性疾患の治療に良好な結果を得ている報告は多い。これらを参考に,整形外科外来診療において,桂枝加朮附湯による DIP 関節の変形腫脹(ヘバーデン結節)や疼痛治療を行った16例を基にして,桂枝加朮附湯による手指関節痛治療の有用性について検討した。症例は16例全例が女性であり,年齢は57歳~80歳,平均67.4歳(標準偏差5.88歳),罹病期間6ヵ月~15…

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  • 腰痛診療ガイドラインにおける鍼治療:英米ガイドラインの比較

    若山 育郎 日本東洋医学雑誌 72 (3), 302-306, 2021

    <p>腰痛は,古来鍼治療の対象とされている症状で,我が国の国民の最も多い愁訴の一つである。その有用性については,我々は経験的にわかっているつもりでいるが,近年そのエビデンスを示すことが求められている。現在では,主にランダム化比較試験をもとに,それらを統合し,最終的に推奨度で表した診療ガイドラインが医療現場における臨床判断に用いられている。</p><p>今回,英米の腰痛に対する鍼治療の診療ガイドラ…

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  • 小建中湯による夜驚症と睡眠時遊行症の改善を終夜睡眠ポリグラフ検査にて確認できた1症例

    有馬 菜千枝, 中山 明峰, 佐藤 慎太郎, 江崎 伸一, 岩﨑 真一 日本東洋医学雑誌 72 (3), 248-253, 2021

    <p>夜驚症と睡眠時遊行症を合併した症例を報告する。症例は9歳男児で,睡眠中に突然覚醒すると歩き回りや泣き叫びといったエピソードが出現するようになった。発熱した日や学校行事に重なって出現することがあった。エピソードにより受傷するほどであり薬物治療が必要と考えられた。気虚がベースにあると考え小建中湯を内服したところ徐々にエピソードがなくなり,発熱機会も減少した。</p><p>今回治療前後に終夜睡眠…

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  • 車前子に発生したタバコシバンムシ

    矢野 博美, 牧 俊允, 後藤 雄輔, 吉永 亮, 井上 博喜, 久保田 正樹, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 72 (3), 307-312, 2021

    <p>飯塚病院では1992年の漢方診療科開設以来はじめて院内薬局内の車前子にタバコシバンムシの幼虫が発生した。 その幼虫は蛹,成虫に成長した。約3ヵ月後,ビニール袋に入った残りの車前子には,幼虫と成虫が複数発生した。 タバコシバンムシはどこにでもいる虫であり,特に夏は注意が必要である。噛む力が強くビニール袋には穴を開けて侵入するが,頑丈な密閉容器に入れて冷蔵庫内に保存することが重要で,煎じ薬を処…

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  • 瘀血あるいは気滞を除く随証治療で当帰芍薬散証へ導き,当帰芍薬散内服で妊娠出産にいたった不妊の3症例

    戸田 稔子, 塩田 敦子, 福嶋 裕造, 藤田 良介, 多久島 康司, 能美 晶子 日本東洋医学雑誌 72 (4), 377-382, 2021

    <p>瘀血あるいは気滞を除く随証治療で当帰芍薬散証へ導き,当帰芍薬散内服時に妊娠し出産に至った不妊の3症例を報告する。症例1(39歳)は原因不明不妊患者で,焦燥感に対し桂枝茯苓丸加薏苡仁と抑肝散加陳皮半夏を服用していた。症例2(33歳)は軽度排卵障害の治療中,補助的漢方治療として桂枝茯苓丸を服用していた。症例3(37歳)は原因不明不妊患者で,人工授精も無効であった。月経前症候群に対して加味逍遥散…

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  • 桂枝加朮附湯エキスと麻黄附子細辛湯エキスの併用により軽快した関節炎の一例

    大平 征宏, 木村 道明, 小菅 孝明, 熊野 浩太郎, 龍野 一郎, 秋葉 哲生 日本東洋医学雑誌 72 (4), 388-396, 2021

    <p>症例は発熱,左膝関節痛を主訴に来院した60歳男性。月1回の頻度で発熱と関節痛が発作的に出現し,約3日で自然軽快していた。約20年前に漢方薬(方剤不明)で改善したことがあり,漢方薬治療を希望し当院を受診した。 関節痛は温めると改善するため,寒湿痺と考え桂枝加朮附湯エキス7.5g/日を処方した。発作時の関節痛は軽減したが,毎月のように出現していた。さらなる改善を目的に,桂枝加朮附湯エキス5g/…

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  • 桂枝加黄耆湯加味方が奏効した発汗障害の1例

    丸山 泰貴, 及川 哲郎, 花輪 壽彦, 小田口 浩 日本東洋医学雑誌 72 (1), 66-70, 2021

    <p>多汗症の治療は漢方治療を含め複数の選択肢が存在しているが,無汗症は一部の疾患でステロイドの有効性が指摘されているのみであり,現代医学的に治療が難しくかつ漢方治療の臨床報告は少ない。発汗低下を訴える症例に対して桂枝加黄耆湯加防風白朮が有効であった症例を経験したために報告する。 症例は69歳女性。発汗の減少,体温感覚の異常を主訴に201X …

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  • 開心術後の強い動悸症状を伴う発作性心房細動に対して炙甘草湯が無効で柴胡加竜骨牡蠣湯が有効であった1症例

    河合 幸史, 吉田 幸代, 白岩 聡, 本田 義博, 榊原 賢士, 加賀 重亜喜, 中島 博之 日本東洋医学雑誌 72 (1), 27-33, 2021

    <p>発作性心房細動は高齢者によく発症する不整脈であり,それによる強い動悸症状が原因で生活の質が低下することも少なくない。今回我々は発作性心房細動に対して柴胡加竜骨牡蛎湯が著効した症例を経験したので報告する。 症例は62歳男性,不安定狭心症と発作性心房細動に対して冠動脈バイパス術と肺静脈電気的隔離術を施行し,術後2日目に発作性心房細動が再発した。動悸症状の訴えが強く,モニター心電図上の発作性心房…

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  • 気象痛としての大後頭神経痛に対して五苓散が有効であった2例

    福嶋 裕造, 藤田 良介, 能美 晶子, 宮本 信宏, 山本 了, 實松 宏已, 田頭 秀悟 日本東洋医学雑誌 72 (1), 43-47, 2021

    <p>整形外科の疼痛性疾患が天気によって症状が悪化する場合があり,これを気象痛という。今回,交通事故後の大後頭神経痛(GON:great occipital neuralgia)の2症例で天気による症状の悪化に対して五苓散が有効であったので報告する。症例1は41歳女性で,交通事故にて受傷し頚部痛と腰痛を訴えた。2ヵ月後より不定期に後頭部痛が発症した。3ヵ月目に大規模な台風がありその日の朝より激し…

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  • 起立性調節障害と思われる10症例の漢方的病態とその治療

    山崎 正寿 日本東洋医学雑誌 72 (2), 119-123, 2021

    <p>起立性調節障害は今日思春期の疾患としてまた社会的問題として,その治療が注目されている。今回小児心理学会の診断基準による起立性調節障害と思われる10症例に,漢方医学的診断と治療を実施して,凡てで改善をみることができた。この10例を分析したところ,起立性調節障害を引き起こす背景として,血証,水毒,心身症的要因などが見いだされ,血証には加味逍遙散,温経湯,当帰芍薬散を処方,水毒には五苓散合九味檳…

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  • 辛夷清肺湯が有効であった副鼻腔真菌症の1例

    犬飼 賢也, 堀 知行 日本東洋医学雑誌 72 (2), 124-129, 2021

    <p>副鼻腔真菌症に対する治療は上顎洞の洗浄,手術が一般的である。今回は洗浄のみでは改善しなかったが,辛夷清肺湯を使用したところ,急激に真菌塊が排泄された症例を経験したので報告する。</p><p>57歳男性。X 年5月17日,某大学病院歯科で右上顎智歯を抜歯したが,術前 CT にて右上顎洞真菌症が疑われ,同年6月19日,同院耳鼻科に紹介された。右上顎洞は大きく開放されており,洞内に真菌塊があり,…

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  • 心下痞堅を目標に木防已湯を使用し有効であった2症例

    井上 博喜, 牧 俊允, 後藤 雄輔, 吉永 亮, 矢野 博美, 田原 英一 日本東洋医学雑誌 72 (2), 166-170, 2021

    <p>木防已湯は慢性心不全による呼吸困難や浮腫に使用されることが多い。今回,心下痞堅を目標に木防已湯を処方し有効であった2症例を経験した。症例1は28歳女性。12年前から時々心窩部痛を認めていたが,当科初診の2ヵ月前に増悪した。検査を施行されたが心窩部痛の原因は分からず機能性胃腸症と診断された。当科に紹介後,種々の漢方方剤で加療を行ったが,症状の改善に乏しかった。症例2は74歳男性。過活動膀胱と…

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