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検索結果 3,073 件

  • クローン病に伴う複雑痔瘻に対する新たな治療:ダルバドストロセル(脂肪組織由来間葉系幹細胞)の国内開発

    山口 貴義 日本薬理学雑誌 159 (3), 150-155, 2024-05-01

    <p>クローン病は消化管全体に発症する可能性のある慢性再発性炎症性腸疾患であり,日本人における有病率は増加している.クローン病の最も頻度の高い合併症の1つは肛門周囲病変であるが,なかでも肛門周囲の複雑痔瘻は激しい痛み,出血,腫脹,感染,排膿が生じることがある.内科的及び外科的治療法の進歩にもかかわらず,クローン病における複雑痔瘻の治療は依然として困難であると共に,痔瘻を有するクローン病患者のQO…

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  • 痔瘻合併がクローン病患者のQOLおよび労働生産性に及ぼす影響─アンケート調査報告─

    三枝 直人, 稲葉 剛志 日本大腸肛門病学会雑誌 77 (2), 89-95, 2024

    <p>目的:痔瘻合併がクローン病(CD)患者の実生活に与える影響を明らかにする.</p><p>方法:CD患者を対象にWebアンケートを実施し,痔瘻合併患者30名(痔瘻有群)と非合併患者60名(痔瘻無群)の生活の質(QOL)を簡易炎症性腸疾患質問票(SIBDQ)で,労働生産性を『仕事の生産性及び活動障害に関する質問票』で,比較した.</p><p>結果:痔瘻有群は痔瘻無群に比べ,より若年でより重度の…

    DOI Web Site 参考文献8件

  • 小児難治性てんかん治療薬soticlestat(TAK-935)の創製

    小池 竜樹, 吉川 真人, 安藤 春陽, 宮本 真紀, 西 俊哉 MEDCHEM NEWS 33 (2), 64-69, 2023-05-01

    コレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H, CYP46A1)は、コレステロールを24S-ヒドロキシコレステロール(24HC)に変換するCYPファミリーに属する酵素で、脳特異的に発現し、脳内コレステロールの恒常性バランスの調節に深く関与している。一方で、CH24Hに選択的な阻害剤はこれまで報告されておらず、その創薬標的としての有用性は十分検討されていなかった。筆者らは、structure-b…

    DOI 医中誌

  • 計算代数統計を用いたログランク検定

    水間 浩太郎, 杉本 知之 日本統計学会誌 52 (2), 355-371, 2023-03-01

    <p>ログランク検定はイベント時間データの2標本問題における代表的なノンパラメトリック検定手法であり,現在,様々な分野で用いられている.ただし,ログランク検定からの有意確率は,通常,漸近カイニ乗近似を用いて求められるため,小標本あるいは群間のサンプルサイズに偏りが大きい状況ではその近似精度が良くないことがこれまで指摘されてきた.本研究では,計算代数統計を用いて,このような状況でも適切に機能する新…

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  • 若手研究者の未来に思いを馳せて

    辛島 正俊 ファルマシア 59 (1), 61_1-61_1, 2023

    企業インターンシップを開催した際に接した工学系の大学院生とのコミュニケーションを通じて感じた自身の学生時代とのモチベーションの大きな違いと現在の日本における研究環境の厳しさについて思いを述べる。本コラムを通じて、将来製薬企業でのキャリアを思い描く学生へエールを送りたい。

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  • 心拍変動解析によるサルの自律神経系変化を介した薬物誘発性痙攣の予測

    久我 和寛, 塩谷 元宏, 堀 憲太郎, 水野 洋, 松下 優作, 尾崎 晴茂, 林 康平, 久保 孝富, 加納 学 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P3-249-, 2023

    <p>痙攣は医薬品開発に多大な影響を及ぼす毒性所見のひとつであるが、未だ適切なバイオマーカーは見出されていない。以前の研究においてサルの心拍変動と機械学習によって算出した指標がGABA<sub>A</sub>受容体拮抗薬誘発痙攣のバイオマーカーとなり、痙攣発生用量より低い用量で痙攣ポテンシャルを予測できるという可能性を示した。今回は本法によって他の機序の薬物誘発性痙攣の予測も可能であるのかを確認…

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  • 創薬の毒性評価におけるmicrophysiological systemの有用性

    原田 幸祐, 篠澤 忠紘 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), S33-2-, 2023

    <p>医薬品開発において安全性懸念による開発リスクの低減を目的として、探索段階の早期から様々なin vitro評価系が利用されている(Loiodice et al., 2019)。しかしながら、従来のin vitro評価系では、平面培養細胞が多く使われており、生体内における細胞の状態と大きく異なる条件で試験が実施されている(Joshi et al., 2018)。その結果、臨床試験やin …

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  • 第7回 武田薬品工業 京都薬用植物園

    野崎 香樹 ファルマシア 59 (9), 860-861, 2023

    京都薬用植物園は1933年に開設され,今年で90周年を迎える.保有植物数は約2,900種で,標本園では約1,000種を常時展示する.94,000㎡の敷地を有し,3つのミッション(①生物多様性保全活動,②栽培研究と技術継承,③教育・研修活動)を主軸にタケダのCSR活動の推進拠点として活動している.現在は博物館の基本的な役割を強化するために,「教育普及」と「生物多様性保全」の2つのテーマに係る取り組…

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  • バイオバンクジャパンデータを利用した薬剤の副作用につながるリスク因子の探索

    鮫島 知哉, 山中 一徳, 小井土 大, 原 秀人, 長谷川 みゆき, 成井 信博, 阪口 元伸, 松田 浩一, 鎌谷 洋一郎, 篠澤 忠紘 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), S10-5-, 2023

    <p>臨床におけるヒトでの有害事象を前臨床試験において予測することは、創薬研究における最も重要な課題のひとつである。医薬品の有害事象は化合物の特性だけではなく、使用する患者の遺伝的、環境的背景にも左右される。そのため、前臨床試験で毒性が見いだせなかった場合でも、安全性の問題で臨床試験や市販後において安全対策を講じることがある。特定の副作用発現につながる患者のリスク因子を探索することが出来れば、こ…

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  • 創薬化学部門から安全性部門へキャリアチェンジ -創る側から評価する側へ-

    湯川 智也 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), S29-4-, 2023

    <p>演者は化学系の大学院を卒業後、武田薬品に入社し、10年間メディシナルケミストとして創薬研究に従事した。その後、安全性部門にキャリアチェンジし、現在Chemical Toxicologyチームをリードしglobal portfolioのサポートをしている。化学のバックグラウンドを持つ演者が安全性部門に異動した経緯、合成側と評価側の考え方の違い、またキャリアを通じての二度の海外勤務、アカデミア…

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  • 大学との共同研究からの創薬

    三宅 洋 日本薬理学会年会要旨集 97 (0), 3-B-S46-2-, 2023

    ...<p>Chordia Therapeutics株式会社は2017年11月に武田薬品工業株式会社からスピンアウトして創業したバイオベンチャーです。当社は5つの低分子抗がん薬パイプラインの研究と開発を進めていますが、そのうちのMALT-1阻害剤は既に内資製薬メーカーに全世界での権利を導出し臨床試験が開始されています。...

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  • 核酸医薬品のためのヒト末梢血単核細胞(PBMC)を用いた自然免疫刺激性試験の条件検討 - 核酸医薬安全性評価コンソーシアム共同研究 -

    有賀 千浪, 泉沢 航平, 太田 哲也, 角谷 友美, 木村 真弥, 小森 久和, 篠澤 忠紘, 宗 哲慶, 栃谷 智秋, 永山 裕子, 福島 民雄, 藤澤 可恵, 藤田 卓也, 三木 万梨子 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P2-212-, 2023

    <p>核酸医薬品はクラスエフェクトとして臨床でインフルエンザ様症状等の炎症性の有害事象を起こしうることが知られており,その機序としてToll様受容体(TLR)を始めとする自然免疫系の刺激が疑われている.自然免疫活性化機構は,ヒトと実験動物で種差が大きいとされ,実験動物では臨床における作用予測が難しいと考えられることから,ヒトの末梢血単核細胞(PBMC)を用いて,in …

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  • Splicing modulatorによる細胞傷害リスク低減に向けた評価戦略の構築

    小森 久和, 鮫島 知哉, 木村 真弥, 山中 一徳, 米森 和子, 篠澤 忠紘 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P3-224-, 2023

    <p>これまで主にタンパク質を標的としてきた創薬において,新規標的としてRNAが注目されている.RNA を標的とする治療戦略にはantisense oligonucleotide,siRNA,CRISPR遺伝子編集,およびスプライシングを修飾する低分子化合物 splicing modulatorなどのいくつかのmodalityが適応される.中でも,splicing …

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  • 革新的新薬の創出に向けた創薬研究の新たな潮流とAxceleadの挑戦

    池浦 義典, 田中 崇裕 MEDCHEM NEWS 32 (4), 178-183, 2022-11-01

    ...経験豊富な創薬研究者が、武田薬品工業から継承した創薬プラットフォームや知見を駆使し、最新のサイエンス・技術も取り入れながら、顧客と共に創薬研究を進め、革新的医薬品の創出に貢献する。本稿では、製薬業界を取り巻く環境変化と創薬研究の新たな潮流に触れるとともに、Axcelead DDPのサービス提供体制や保有する独自の強み、それを基に顧客に提供できる価値(ソリューション)を紹介する。...

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  • 4 . COVID-19 状況下における新型コロナウイルスワクチンの市販直後調査・使用成績調査の実際

    中道 博之, 池田 好功 薬剤疫学 27 (2), 89-95, 2022-10-20

    <p>新型コロナウイルス(SARS‒CoV‒2)の世界的な流行はさまざまな面で社会に大きな影響を与えた.新型コロナウイルスワクチンはこれらの状況を変えうる公衆衛生上の重要なツールとして開発され,2021年早期には日本においても承認され使用可能となった.開発から承認までもさまざまな困難があり,それを関連するステークホルダーが協力してのりこえてきたことは周知の事実である.開発に比べてあまり知られてい…

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  • 3.小児用医薬品開発の非臨床安全性試験ガイドライン (ICH S11)のポイントとQ&A

    松本 清 谷本学校 毒性質問箱 2022 (24), 73-79, 2022-09-17

    <p> 小児用医薬品開発の非臨床安全性試験ガイドライン(ICH S11)は、2020年4月にStep 4 <sup>1)</sup>が、そして、本邦において翌2021年3月にStep 5<sup> 2)</sup>が達成された。本ガイドラインは、小児用医薬品開発のために推奨される非臨床的安全性評価の国際的な基準を示すとともに、調和を促進することを目的として発出された。</p><p> …

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  • Rgenta・BioInformaticsに基づくRNA創薬へのさらなる挑戦

    石井 喜英, 神谷 博貴, 折田 正弥, 青山 和誠 MEDCHEM NEWS 32 (1), 12-15, 2022-02-01

    RNA Modulationには、Drug the Undruggableを実現する期待がある。なかでもpre-mRNA-RBP Complexは、低分子によるMolecular Glue効果によりSplice Modulationを可能にするDruggableな標的として期待される。Pre-mRNA-RBPによる低分子結合ポケットは、RBPと特定されたpre-mRNAの配列が接近する瞬間に発生…

    DOI 医中誌

  • キャリアとしての臨床開発

    角 栄里子 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 1-C-S02-4-, 2022

    <p>臨床開発というキャリアは、変化する状況の中で新しいものを創造する取り組みであるという点において、大変やりがいのある仕事である。診療がいわばガイドラインに従い業務を行う仕事であり、開発は新しい選択肢とガイドラインの創出に貢献するものである。講演者はアカデミアと企業で臨床開発の経験があるが、両者の違いは診療への従事(専任)、グローバル化との関わりとフレキシブルな予算の有無と感じる。目指すゴール…

    DOI 医中誌

  • 企業からみたアカデミア臨床試験の状況~スタディマネジャへの期待~

    須崎 友紀 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 3-C-S39-3-, 2022

    <p>アカデミアで実施する臨床試験においてプロジェクトマネジメント導入の必要性が叫ばれてから約15年が経過した。この間、プロジェクトマネジャ、スタディマネジャなどの呼称が混在し、近年になってやっとこれらの呼称に対する整理がなされたように思う。現在、アカデミアで臨床試験を実施するにあたって、スタディマネジャの存在は必要不可欠である。しかしながら、企業が支援する医師主導臨床試験の多くはAROではなく…

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  • 目次/ミニ特集にあたって/表紙の説明

    ファルマシア 58 (4), 288-289, 2022

    ...<br>表紙の説明:武田薬品工業社長であった五代武田長兵衞は,関東大震災で貴重な典籍類が灰燼に帰したことを痛嘆し,日本や中国の本草書などの散逸を防ぐことが社会のために有意義であると考えて私財でこれらの蒐集を始めた.この活動は六代武田長兵衛にも引き継がれ,「杏雨書屋」と名付けられたこの文庫は武田科学振興財団に寄贈された後,1978年に図書資料館として開館した.現在は本草書や東洋医学書を中心に約4万点(...

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  • 血管・血液系を再構築したヒト肝臓オルガノイド技術と創薬・安全性評価への展開

    佐伯 憲和, 仁尾 泰徳, 武部 貴則 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S26-2-, 2022

    <p>薬剤性肝障害(Drug induced liver injury :DILI)は、薬剤が原因で発症する急性・慢性肝障害である。1-10万人に1人が発症する非常に稀な副作用であるが、医療用医薬品、OTC薬、薬用ハーブ、サプリメント等1000種類以上のさまざまな薬剤で発症することが報告されている。この背景には薬剤ごとの副作用発症機序、投薬患者の遺伝的バックグラウンド、さらには肝臓の複雑な構造に…

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  • 日本における医薬品の価値情報文書の作成及びその活用

    鎌江 伊三夫, 古山 直樹, FERNANDEZ Jovelle L. 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス 53 (4), 322-338, 2022

    <p>Cost-effectiveness is an important indicator of the value of medicines, and is helpful when considering the acceptability of reimbursement decisions, or to set or adjust the prices of medicines …

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  • ニトロソアミン類混入問題を契機とした微量変異原性不純物のリスク評価と品質管理

    橋本 清弘 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S3-2-, 2022

    <p>強力な遺伝毒性発がん物質として知られているN‐ニトロソジメチルアミン(NDMA)がバルサルタン原薬へ混入するという事象が2018年に発覚し、これ以降に諸外国の規制当局から全ての医薬品について原薬合成及び製剤製造工程におけるニトロソアミン類が不純物として混入するリスクについて一斉点検を求める通知が発出された。本邦でも2021年10月8日に同様の通知が発出された。</p><p>混入リスクが確認…

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  • 薬剤安全性における個体差研究の将来

    篠澤 忠紘 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S8-1-, 2022

    <p>Recently, the approaches focusing individual susceptibility to drug have been taken toward drug discovery/development. The backgrounds of patients are diverse, and in fact, there are some cases …

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  • 経口型低分子GnRH受容体拮抗薬TAK-385(レルゴリクス)の創製

    三輪 憲弘, 飛髙 武憲, 日下 雅美, 北崎 智幸 MEDCHEM NEWS 31 (3), 128-135, 2021-08-01

    性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH, gonadotropin-releasing hormone)受容体に作用するGnRHアナログ(アゴニストおよびアンタゴニスト)は、性ホルモン関連疾患治療薬として用いられている。アンタゴニストは、アゴニストに見られる一過性の増悪を伴わないため、より安全な治療薬と考えられた。しかし、上市されたアンタゴニストはすべてペプチド性の注射剤に限られるため、経口投与…

    DOI 医中誌

  • 4.危機管理及び国防としてのワクチン産業

    今川 昌之 薬剤疫学 26 (1), 79-89, 2021-06-20

    <p>2019 年末に中国の武漢で報告された原因不明の肺炎は,その後の研究で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因の肺炎と判明し COVID-19 と命名された.その感染流行は瞬く間に全世界に拡大し,2021年1月時点で感染者数は 9,000 万人を超え,死亡者数は 200 万人を超えている.人類はペストやスペイン風邪以来の未曾有の危機を迎えており,前例のないスピードでワクチンや治療薬…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 被引用文献1件 参考文献7件

  • 抗ウイルス薬の催奇形性

    和泉 祐子 日本毒性学会学術年会 48.1 (0), S11-2-, 2021

    <p>ウイルス感染症は日常生活でなじみの深い疾患の一つであり、昨年から世界中で猛威を振う新型コロナウイルス感染症については報道されない日はない。また、毎年冬になると感染者が増加していたインフルエンザに加え、風疹、ヘルペス、後天性免疫不全症候群などもよく耳にするウイルス疾患である。このようなウイルス感染症の中には風疹ウイルスやサイトメガロウイルスなどの病原体と先天異常との関連が知られているものもあ…

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  • パンデミック終息へ向けて:COVID-19ワクチン

    山田 智之 ファルマシア 57 (9), 861-861, 2021

    ...したものである.ワクチン投与後はヒト細胞中に取り込まれたmRNAを鋳型としてスパイクタンパク質が生成され,免疫応答が誘導される.これらのワクチンは既存の生ワクチンや不活化ワクチンと異なりウイルス培養を必要としないため,従来型のワクチンと比較して迅速な開発と実用化が可能であり,2020年1月にゲノム配列が報告されてから1年足らずで実用化に至った.本稿では,Badenらが報告した2021年5月現在,モデルナと武田薬品工業...

    DOI 医中誌

  • 国内における希少疾病用医薬品の開発促進に対する課題―希少疾病用医薬品開発企業アンケート結果より―

    柏谷 祐司, 高山 裕典, 丸地 一世, 金子 薫, 杉原 正, 千田 俊彦, 長谷川 泰宏, 吉原 由佳莉, 阿部 享生 レギュラトリーサイエンス学会誌 11 (3), 213-221, 2021

    <p>日米欧においては希少疾病用医薬品の指定制度が存在するが,その指定基準に違いがある.日本においては,AMEDが2017年から希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業を開始したが,この支援事業は開発費用の補助が中心であり,開発早期の研究開発を促進するという企業のニーズを必ずしも満たしていないと考えられた.そこで,日本での希少疾病用医薬品の開発をさらに促進できる環境にすべく,日本製薬工業協会 …

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  • 腸管不全を伴う日本人短腸症候群患者における12ヵ月間のテデュグルチド治療の安全性及び有効性

    中村 志郎, 和田 基, 大毛 宏喜, 宇田川 恵理, 鈴木 瞭介, ミンジョン ユン, アンドリュー グリム, 池内 浩基 日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集 5 (0), 40-40, 2021

    <p><b>背景:</b> テデュグルチド(本剤)は、短腸症候群(SBS)の治療薬として既に欧米で承認されているGLP-2アナログ製剤である。腸管不全を伴う日本人成人SBS患者を対象とした第Ⅲ相試験(SHP633-306)において、24週時点での臨床的意義のある静脈栄養サポート(PS)量の減少が確認されている。さらなる継続投与試験(SHP633-307)を実施し、総投与12ヵ月時点での安全性及び…

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  • 慢性疾患治療薬の子どもでの使用を指向した小児用BCSクラスの提案

    有安 葵 ファルマシア 57 (3), 233-233, 2021

    小児用医薬品開発は,USおよびEUでは法的に義務化されている.日本でも義務化はされていないものの推進され,各社それぞれ開発を進めている.しかし,小児用医薬品開発には製剤開発および臨床試験両方の観点でハードルが存在し,製薬企業にとって意義は高いものの開発は容易ではない.<br>製剤開発,特に経口製剤の処方開発においては薬物の吸収性の最大化が重要であり,それには薬物の消化管内での溶解性および膜透過性…

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  • 製薬企業の総括製造販売責任者に求められるレギュラトリーサイエンス

    上林 裕始 レギュラトリーサイエンス学会誌 11 (2), 145-152, 2021

    <p>製薬企業において薬剤師・薬学部出身者が担う法的役割として, 総括製造販売責任者というものがある. 総括製造販売責任者の設置は, 医薬品, 医療機器等の品質, 有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき, 医薬品等を製造販売する業者がその許可 (製造販売業) を取得するための許可要件の1つとなっている. 医薬品の総括製造販売責任者は, …

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  • 血管構造を有する類肝組織の構築、およびDILI化合物を予測可能な毒性評価系の検討

    内藤 靖之, 芳之内 結加, 小原 洋志, 北野 史朗, 入江 新司, 松崎 典弥 日本毒性学会学術年会 48.1 (0), P-41-, 2021

    <p>【背景】薬物性肝障害(DILI)は、医薬品の開発/販売中止の主要因であるが、DILIの作用機序は複雑且つ多岐に渡るため、臨床試験前、あるいは後においても、そのリスクを正確に予測することが困難である。ヒト由来細胞からなる人工組織を用いた毒性予測試験も試みられているが、類洞血管構造等の高次な組織形態の再現は依然として困難であり、その毒性予測の精度についても更なる改善が期待される。</p><p>…

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  • 創薬初期プロセスでのComputational Toxicologyの活用

    原 秀人 日本毒性学会学術年会 48.1 (0), S19-5-, 2021

    <p>医薬品開発を進める中で、非臨床および臨床試験において安全性の懸念からドロップアウトする化合物は依然多く存在する。したがって、医薬品開発の成功確率を上げるために、創薬の初期プロセスから安全性を念頭に置いた化合物評価や化合物デザインをすることがますます求められている。弊社においても、hERGを始めとするin vitro心毒性評価系や小スケールのin …

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  • ひとりのがんサバイバーとして

    乾 嘉孝 日本毒性学会学術年会 48.1 (0), W6-1-, 2021

    <p>1986年、米国のがん患者アドボカシー団体であるNational Coalition for Cancer Survivorshipの設立をきっかけに、がんサバイバーは「がんと診断されてから一生がんサバイバーであり、その家族らもサバイバーである」と定義され、後に「がんサバイバーとしてどう生きるのか、周囲や社会はそれをどう支えられるのか」というがんサバイバーシップの考え方に発展していった。私…

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  • 運動誘発電位を用いたラットにおける催痙攣ポテンシャルの評価

    久我 和寛, 尾崎 晴茂, 藤木 稔 日本毒性学会学術年会 48.1 (0), P-34-, 2021

    <p>薬物誘発性痙攣は医薬品開発に多大な影響を及ぼす毒性所見のひとつであり、痙攣ポテンシャルを持つ化合物の開発には痙攣のメカニズム解明を含めた適切な評価が必要である。薬物誘発性痙攣の主要な要因としてはGABA受容体の阻害やグルタミン酸受容体の刺激がよく知られているが、これらの作用をin vivoの表現型で確認することは難しい。本研究では機能観察総合評価法(FOB)及び運動誘発電位(MEP)によっ…

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  • 抗悪性腫瘍薬カボザンチニブ(カボメティクス<sup>®</sup>錠)の薬理学的特性及び臨床成績

    大坂 剛, 山口 直也, 原 隆人 日本薬理学雑誌 156 (5), 303-311, 2021

    <p>カボザンチニブはMET,VEGFR2,AXLなどを阻害する,受容体型チロシンキナーゼ阻害薬である.MET,AXLは腫瘍細胞の生存・増殖・浸潤・転移,さらには分子標的薬の耐性化にも関与しており,腎細胞癌,肝細胞癌などで過剰発現が報告されている.本剤はこれらの標的を同時に阻害することで,優れた抗腫瘍効果を発揮すると考えられている.血管新生阻害薬による治療後に増悪した腎細胞癌患者を対象とした第Ⅲ…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献39件

  • In vivo心血管系安全性薬理試験の技術と評価の実際

    尾崎 晴茂 日本薬理学雑誌 156 (6), 364-369, 2021

    <p>安全性薬理試験のin vivo心血管系実験はヒトにおける生理機能に対する潜在的な望ましくない薬力学的作用を精度よく検出するために低分子薬の開発を通して発展し,そのノウハウが蓄積されてきた.送信機を埋め込んだ無麻酔無拘束の非げっ歯類を用いた実験が広く利用されているが,多くの研究者の努力によりその技術及び評価レベルは最適化され,ヒトにおける心血管系リスク予測に大きく貢献できている.また,IC…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献8件

  • Introduction of IQ CPLG:Missions and Activities

    吉次 広如, 武藤 智恵子, Chunze Li, Tong Zhu, Sinha Vikram, Nagao Lee 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 42 (0), 2-P-N-7-, 2021

    <p>The International Consortium for Innovation and Quality in Pharmaceutical Development (IQ Consortium) is a technically focused, cross functional organization with a mission of advancing science …

    DOI 医中誌

  • 第37回 富山大学 和漢医薬学総合研究所 民族薬物資料館

    池田 幸弘 ファルマシア 57 (3), 222-223, 2021

    機会あって,富山大学の杉谷キャンパスにある和漢医薬学総合研究所民族薬物資料館を訪ねた。富山大学薬学部の前身である共立富山薬学校は、広貫堂資料館の稿1)で紹介したとおり、富山市や広貫堂をはじめとする多数の有志の寄付金により、私立学校として1893年に設立された。その後、富山市立薬学校、富山県立薬学専門学校、官立富山薬学専門学校、国立富山大学薬学部、富山医科薬科大学薬学部を経て、2005年に旧富山大…

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  • 第38回 大村智記念学術館

    池田 幸弘 ファルマシア 57 (5), 404-405, 2021

    甲府駅から武田神社に向かう。武田通りと呼ばれるこの道は、まっすぐ神社まで続いており、まことに気分がいい。それもそのはず、武田神社が立地するのは戦国時代には躑躅 ヶ崎館と呼ばれた武田氏の本拠があった場所であり、この通り沿いに武田二十四 将をはじめとする諸将の居館が立ち並んでいたという。神社の宝物館には武田家に伝わる武具などが展示されており、実際の戦場において活躍したものだからであろうか、展示品…

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  • 臨床における臓器毒性予測を目指したヒト<i>in vitro</i>モデル開発の現状およびその展望

    鮫島 知哉, 岡井 佳子, 小原 洋志, 松井 俊勝, 木村 真弥, 篠澤 忠紘 レギュラトリーサイエンス学会誌 11 (1), 63-74, 2021

    <p>近年の生命科学の進歩, および創薬研究への多大な投資にもかかわらず, 医薬品開発の成功確率は依然として低いままである. 臨床試験が失敗する理由として, 安全性の問題が大きな割合を占めており, 如何に毒性懸念のない化合物を選抜するかが創薬成功の鍵であるといえる. しかし, 主に動物モデルが使用される前臨床試験の結果から, 臨床試験における毒性を予測することは, …

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  • 第36回 滑川市立博物館

    池田 幸弘 ファルマシア 57 (1), 50-51, 2021

    滑川といえばホタルイカ.おなじみの沖漬けに加え,地元ならではの新鮮な素材を用いた様々な料理を楽しみつつ,滑川市立博物館へと向かう.<br>館は富山湾を見下ろす丘陵地に位置し,すこぶる眺望が良い.背中の方を振り返ると,今度は立山山系がどっしりと構えており,景色を楽しむためだけでもここに来る価値はありそうである.とはいっても,せっかくここまで来たのだから中に入るとしよう.本館は,滑川の歴史,文化なら…

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  • 二次医療圏での地域・職域連携活動の内容・成果と協議会等開催状況との関連

    山崎 晶子, 錦戸 典子 日本公衆衛生雑誌 67 (4), 272-282, 2020-04-15

    <p><b>目的</b> 二次医療圏において地域・職域が連携して実施していた活動とそれによる成果を明らかにするとともに,地域・職域連携推進協議会(以下,協議会)の開催状況との関連を検討する。</p><p><b>方法</b> 全国464保健所に所属し,地域・職域連携推進事業を担当またはそれに準じる保健師を対象に,無記名式質問紙調査を実施した。連携活動22項目の実施の有無,および連携活動による成果の…

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  • 第30回 ハナウタコーヒー

    池田 幸弘 ファルマシア 56 (1), 58-59, 2020

    今回はコーヒーブレイクとも言える館を紹介したい.<br>鹿児島本線の教育大前駅で降りる.この駅の南側に,小倉と唐津を結ぶ唐津街道の宿場町の1つである赤間宿が広がっている.「赤間」の地名は,神武天皇の東征時にこの地の神が赤い馬に乗って迎えたことに由来する.このように唐津街道の歴史は古く,大陸文化を伝播する道として発展した.その後は,元寇に対する備えや豊臣秀吉の朝鮮出兵にも利用され,さらには参勤交代…

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  • 第34回 広貫堂資料館

    池田 幸弘 ファルマシア 56 (9), 860-861, 2020

    池田屋安兵衛商店から,寺院が多い街並みを散策しつつ広貫堂資料館に向かう.戦国時代には,一向宗の門徒らが100年近くも国を治めていただけあって,信仰心の篤い土地柄ゆえであろうか.今では通りゆく人影もまばらで,時が静かに移ろっている.15分程歩くと広貫堂本社が見えてきた.本社や工場の立ち並ぶ敷地内で,ひときわ目立つ白壁土蔵造りの建物が資料館であった.吸い込まれるように中に入ると,売薬商人の出で立ちの…

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  • 幼若動物を用いた毒性試験における学習と記憶検査に関する課題

    峯島 浩, 片桐 龍一, 児玉 晃孝, 兒玉 利尚, 小寺 喬, 鈴木 睦, 杉本 和子, 松本 清, 山本 敏誠, 山本 雅克 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), P-232-, 2020

    <p>ヒトの小児期は脳の発達が途上であり,この時期に摂取された化学物質が脳に影響し,遅発性障害を引き起こす懸念がある。特に新生児期は,未熟な代謝系や血液脳関門などの要素も加わりその懸念は増大する。近年,小児用医薬品の開発が増加しているが,特に中枢神経系に作用する医薬品においては,発達中の脳への影響を評価することは重要である。しかしながら,これらの影響をヒトで検証することが困難であることから,幼若…

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  • 心拍変動解析によるサルの薬物誘発性痙攣の予測

    久我 和寛, 永田 祥也, 仲山 千佳夫, 尾崎 晴茂, 藤原 幸一 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), P-77E-, 2020

    <p>痙攣は医薬品開発に多大な影響を及ぼす毒性所見のひとつである。非臨床試験において開発化合物の痙攣誘発ポテンシャルが見出された場合、痙攣に対する適切なバイオマーカーがないことから臨床試験における用量設定は保守的にならざるを得ない。近年、ヒトのてんかん発作を心拍変動解析によって高感度に予測できるという研究が報告された(Fujiwara et. al., IEEE trans. biomed. …

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  • ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療の開発動向

    平松 直人, 内田 恵理子, 犬飼 直人, 岩井 健一, 渡辺 武志, 川崎 秀吉, 田村 幸太郎, 吉見 英治, 高橋 則彦, 伊原 辰哉, 藤本 和則, 山下 晃人, 小野 貴士, 高木 観, 小野 竜一, 内藤 雄樹, 井上 貴雄 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), S7-1-, 2020

    <p>今日、遺伝子治療の発展は目覚ましく、既に複数の遺伝子治療製品が承認されている。しかし、従来の遺伝子治療は基本的に欠失遺伝子を補完する、若しくは新たな遺伝子を付加する治療法であるため、機能獲得型変異によって発症する遺伝性疾患に対しては有効な治療法ではない。一方、ZFN、TALENならびにCRISPR-Cas9等のゲノム編集技術を用いる遺伝子治療(ゲノム編集治療)では、DNAの二本鎖切断(do…

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  • 第31回 近江兄弟社メンターム資料館

    池田 幸弘 ファルマシア 56 (3), 246-247, 2020

    近江八幡の都市としての発展は,1585年に近江43万石の領主となった豊臣秀次が旧安土城下の施設や町民を移し,城下町を開いたことに始まるといわれる.楽市楽座や,城下の堀を琵琶湖とつないで商船を町の内部にまで寄港できる普請をはじめとする商業政策により,わずか5年の在任中に自由商業都市としての近江八幡の堅固な基盤を築いた.領主としての構想力や行政手腕は相当なものであったに違いない.

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  • 第32回 熊薬ミュージアム 熊本大学薬学部宮本記念館

    池田 幸弘 ファルマシア 56 (5), 432-433, 2020

    熊本空港から熊本大学薬学部に向かう.取材は2018年末に行ったが,道中,熊本大地震の傷跡がまだ随所に残っていた.ただ,大学の周辺に近づくにつれ,少しずつ平穏を取り戻しつつあるように窺えた.

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  • 第33回 池田屋安兵衛商店

    池田 幸弘 ファルマシア 56 (7), 672-673, 2020

    薬都とも称され,薬どころとして知らない人のいない富山であるが,このたびようやく訪ねる機会を得た.さすがに薬に関する資料館や展示室は多く,しばらく富山シリーズともいえる連載をすすめたい.

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  • データインテグリティガイダンスに対する日本のGLPデータ管理のギャップ

    岡林 義人, 萩原 尚文, 常喜 繁, 高山 浅美, 武田 絹恵, 張 文, 松永 秀光, 太田 亮, 近藤 史典, 大野 理絵, 川島 康永, 伊藤 美佐江, 平山 葉子, 中間 拓也 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), P-248-, 2020

    <p>Medicines & Healthcare products Regulatory Agency(MHRA)が発行したGXP領域のデータインテグリティに関するガイダンスと日本のGLPデータ管理の現状とのギャップを分析した。その結果、強い影響を与えるギャップは,ガバナンス体制、ブランク書式管理、コンピュータ化システム管理に関するものであった。その中でも、ブランク書式管理とコンピュータ化シス…

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  • 構造生物学の毒性への応用 - ADMETox関連蛋白質の構造解析連携

    米森 和子 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), S24-1-, 2020

    <p> 構造生物学は、タンパク質の構造情報を明らかにすることで創薬に貢献してきた。この20年間はX線を用いた構造解析が中心であり、とくにキナーゼに代表される酵素では、合成化学者が構造情報をもとに活性向上を指向したStructure-Based Drug Discovery(SBDD)を精力的におこなってきた。</p><p> …

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  • 幼若動物を用いた安全性試験の現状と課題

    松本 清 レギュラトリーサイエンス学会誌 10 (1), 23-31, 2020

    <p>近年, 小児用医薬品開発は医薬品開発プロセスの中で重要になってきている. 医薬品メーカーは小児医薬品開発をサポートするために戦略を立て幼若動物試験の必要性を判断する. 幼若動物試験は, 開発医薬品の臨床背景や薬理学ならびに臨床および非臨床試験データなどの既存情報を考慮し, 必要と判断された場合に小児集団への懸念に対応した試験が計画され実施される. しかし, …

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  • トキシコロジスト × リアルワールドエビデンス =??(ファーマコビジランス担当の立場から)

    阪口 元伸 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), W7-2-, 2020

    <p> 非臨床毒性試験からの知見は、医薬品開発ステージにおいて被験者さんの安全性を確保するための打ち手を検討するのに重要なデータとなることは言うまでもない。その後、臨床試験からの安全性データが集積され、最後は非臨床データと臨床データから開発品の安全性を総合的に評価し、規制当局への申請・承認を経て医薬品として世に登場する。これはいわゆるトランスレーショナル・リサーチと呼ばれるスキームの流れであり、…

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  • 明るい超高齢社会の実現

    辛島 正俊 ファルマシア 56 (5), 437_1-437_1, 2020

    経済産業省の江崎禎英氏の講演会「社会は変えられる:世界が憧れる日本へ」について紹介する。江崎氏の考える我が国の「明るい超高齢社会」の作り方に関して、医療制度の側面と社会システムの側面からの提言を紹介したい。講演の感想と共に、新しい社会システムと医療制度の中で医学・薬学に携わる我々に何ができるかを提起したい。

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  • 第17回 コーディアセラピューティクスの個別化医療への挑戦

    佐藤 義彦 ファルマシア 56 (5), 434-436, 2020

    ...Chordia Therapeutics社は武田薬品工業株式会社よりスピンアウトしたベンチャー企業である。当社はライフサイエンスエコシステムへ貢献し、個別化医療を推進するというミッションを掲げ、世界に先駆けて新規メカニズムによる抗がん薬の研究開発を行っている。本コラムでは創業した経緯や自社の独自技術、リードプログラムであるCLK阻害剤CTX-712について紹介する。...

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  • MEASURE:多能性幹細胞検出のためのin vitro 試験 :(2)培養増幅法

    渡辺 武志 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), S22-4-, 2020

    <p>【目的】</p><p>未分化多能性幹細胞は奇形腫形成リスクを有することから、その残存の有無を検出することは多能性幹細胞由来細胞加工製品の造腫瘍性評価において重要である。今回、未分化多能性幹細胞残存のin vitro検出試験の一つである培養増幅法、すなわち、未分化多能性幹細胞の増殖に有利な培養条件下で培養することにより、同細胞の残存を検出する手法に関して、多施設で検証した。</p><p></…

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  • 医薬品の発生毒性リスク評価のためのヒトiPS細胞を用いた<i>in vitro</i>評価系の構築

    木村 真弥, 宮脇 昭光, 和泉 祐子, 松本 清, 篠澤 忠紘 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), S1-4-, 2020

    <p> 医薬品開発において、新規候補化合物の発生毒性リスクを評価しメカニズムを理解することは医薬品の安全性を担保するために重要である。現在、非臨床安全性試験においては、主として、マウスやラットなどのげっ歯類及びウサギなどの非げっ歯類を用いた胚・胎児発生毒性試験を通じて発生毒性のリスク評価が実施される。また、近年、発生毒性のスクリーニングや代替法として各動物種の細胞を用いた<i>in …

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  • 高齢者中枢疾患を対象とした次世代創薬戦略

    田中 麻衣子 ファルマシア 56 (11), 1017-1019, 2020

    高齢者中枢疾患の多くは、加齢依存的な罹患率の上昇と病態進行を呈する神経変性疾患で、アルツハイマー病やパーキンソン病などが含まれる。新しい治療薬として、進行を抑制しうる病態改善薬の開発が期待されており、治療モダリティと呼ばれる創薬技術の進歩によって、アプローチが多様化している。本論では創薬標的分子、および治療モダリティの観点から神経変性疾患創薬の現状を分析し、次世代創薬のゴールと方策について論じた…

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  • 第35回 富山県民会館分館 薬種商の館 金岡邸

    池田 幸弘 ファルマシア 56 (11), 1034-1035, 2020

    富山駅から富山地方鉄道に乗る.富山といえば路面電車の印象が強いが,富山地方鉄道(株)は,この路面電車と鉄道の両方を運営している.鉄道線の営業距離は90kmを超え,地方私鉄としては比較的規模は大きい.地元の人々には地鉄と略して呼ばれ,親しまれている.とは言っても,地方鉄道の多くがそうであるように,営業的には決して楽観できない状況のようである.一方で,かつて東急電鉄や,西武鉄道,京阪電鉄で走っていた…

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  • 湘南ヘルスイノベーションパーク~日本にイノベーションのエコシステムを創る

    藤本 利夫 MEDCHEM NEWS 29 (1), 2-7, 2019-02-01

    ...<p>武田薬品工業株式会社は、湘南にある最先端の設備を備えた自社研究所をオープンイノベーションの拠点として2018年4月に開所した。新たなサイエンスパークは湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)と名づけられ、多様な研究者やプロジェクトが集い、最先端の科学を革新的な解決法として患者に届けていく活発なイノベーションエコシステムの構築を目指す。...

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  • 第29回 くすり資料館(夢創舘蔵)

    池田 幸弘 ファルマシア 55 (11), 1066-1067, 2019

    私は城が好きである.あまり好きなせいか,どの城址に行ってもむしろ自分はこんなものは嫌いだと言った様な顔を心の中でしてしまう程に好きである…

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  • 第26回 Daiichi Sankyo くすりミュージアム

    池田 幸弘 ファルマシア 55 (5), 436-437, 2019

    東京日本橋,近年の再開発によって,これまでの重厚なイメージの町並みに新たな魅力が加わることで,新たな層の人々が集まるようになり活気にあふれている.この町の起源は,転封による徳川家康の入府までさかのぼる.調べてみると,当時,日比谷周辺まで海が入り込んでいたが,江戸城築城(正確には再建)に伴う堀の開削や神田山(駿河台)を切り崩した土砂で埋め立てる壮大な土木事業によって,この一帯が誕生したようである.…

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  • 日米における疾患レジストリの臨床試験および新薬承認申請への利用比較

    増元 浩, 松木 大造, 田中 則之, 上杉 幸嗣, 別府 学, 岡本 光弘, 堀江 義治 レギュラトリーサイエンス学会誌 9 (2), 51-67, 2019

    <p>疾患レジストリの利活用は臨床試験・研究を効率的に実施すること, 新薬開発の迅速化, および患者への画期的薬剤の早急な提供を可能とする. 厚生労働省および国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED) は, 新たに日本における高品質なレジストリを提供するため, 6つのプロジェクトを含むクリニカル・イノベーション・ネットワーク (CIN) の取組みを開始した. そこで日本, 米国, …

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  • 大研究者の感懐

    内林 政夫 ファルマシア 55 (7), 706-706, 2019

    米国コロンビア大学のギルバート・ストーク名誉教授が2017年10月21日に逝去され,追悼シンポジウムが2018年10月20日に同大学で開催された.ストーク教授は生涯にわたって天然化合物の立体特異的全合成の研究論文を多数発表されたが,その最後になる論文『(±)-ジャーミン全合成に向けて:(±)-4-メチレンジャーミンの合成』が逝去の1か月前の9月6日の米国化学会『Organic …

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  • 第27回 日野まちかど感応館

    池田 幸弘 ファルマシア 55 (7), 692-693, 2019

    二度目の滋賀県への取材になる.奈良,富山とともに伝統薬の3大産地の1つであることもあり,本稿に取り上げたい話題はまだまだありそうである.近江八幡から初めて近江鉄道に乗り込む.八日市をハブとして,近江八幡,米原,貴生川を結ぶ総路線距離60km程度のローカル鉄道である.地方の鉄道事業は全国いずこも厳しく,本鉄道も例外ではない.現在は西武グループの子会社として存続しているが,創業時から既に経営は苦しか…

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  • 日本にイノベーションのホットスポットを創るー湘南アイパークにおけるエコシステム構築の試み

    藤本 利夫 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), EL3-, 2019

    ...<p>武田薬品工業株式会社は湘南にある最先端の設備を備えた自社研究所をオープンイノベーションの拠点として2018年4月に開所した。新たなサイエンスパークは湘南ヘルスイノベーションパーク(アイパーク)と名づけられ、多様な研究者やプロジェクトが集い、最先端の科学を革新的な解決法として患者に届けていく活発なイノベーションエコシステムの構築をめざしている。...

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  • PDE設定検討会の紹介

    山浦 勇二, 長谷川 知之, 松永 伸一郎, 池本 慶子, 加藤 伸明, 平澤 大介, 恒成 一郎, 鈴木 睦, 茂木 寛幸, 小崎 雅人, 中澤 晶子, 吉岡 薫, 林 多恵, 福島 麻子, 堀之内 彰, 太田 敦, 中島 彩子, 竹田 守彦, 服部 宗孝 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), W1-2-, 2019

    <p>共用設備における医薬品製造においては、交叉汚染の防止が必要となる。近年、GMPの交叉汚染防止をリスクベースで、設備専用化の必要性や設備共用時のリスクを評価することが要求されてきており、昨年7月に毒性学的根拠に基づく交叉汚染リスク許容レベルを決定する指標としてPDE(Permitted Daily Exposure/1日曝露許容量)の設定に関するPIC/s- HBEL(Health …

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  • オープンイノベーション推進による医療ソリューションの実現

    井形 英樹, 藤本 利夫 ファルマシア 55 (1), 30-32, 2019

    近年、製薬企業の多くが、公募型共同研究などオープンイノベーションに取り組んでいる。我々は、外部を活用するだけでなく、企業内にアカデミアを迎え入れて研究する湘南インキュベーションラボとT-CiRAを進めると共に、研究所を広く開放しアカデミア発ベンチャー育成支援と医療エコシステム構築のため湘南アイパークを立ち上げた。本稿では、アカデミア研究と実用化研究の間にある死の谷克服への製薬企業としての試みを紹…

    DOI 医中誌

  • 第24回 福井商店

    池田 幸弘 ファルマシア 55 (1), 60-61, 2019

    鳴子温泉を訪ねる.ここは400もの源泉数を有し,日本国内で確認されている泉質11種のうち9種類が湧出しているという.837(承和4)年に鳥谷ヶ森(鳴子火山)が噴火した際に,熱湯が噴出したことが起源といわれていることから,ゆうに千年を超える歴史がある.何かの企画で,温泉番付の東の横綱と認定されたというのも頷ける.源義経が平泉へ落ちのびる途中に鳴子に立ち寄った伝説や,松尾芭蕉が「奥の細道」で鳴子から…

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  • 第25回 甚風呂(戎湯)

    池田 幸弘 ファルマシア 55 (3), 246-247, 2019

    湯浅は醤油の町である.今では,関東なら銚子や野田,関西では龍野や小豆島が代表的な産地であるが,ここ湯浅が発祥の地と伝承されている.小さな漁港の漁師町で,さほど農作物も栽培されていないと思われる湯浅がどうして醤油の源の地となったのか興味深いが,どうやら13世紀の中頃,南宋から帰国した僧侶が金山寺からこの地に持ち帰った金山寺味噌(経山寺味噌)が由来のようである.

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  • 新規in vitro毒性評価系の薬剤開発への効果-種差にフォーカスして-

    小原 洋志, 篠澤 忠紘, 天野 雄一郎 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), S5-1-, 2019

    <p>医薬品開発において,安全性面で優れた化合物を見出すためのスクリーニング手法として<i>in vitro</i>の評価系が用いられてきた.近年,初期スクリーニングのみならず,種差を含む毒性メカニズム解析等,創薬の幅広いステージで利用可能な<i>in vitro</i>評価系の構築が求められている.我々は開発中止の原因になりやすい肝毒性および心毒性を中心に,安全性に優れた化合物を選択するために…

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  • サルにおける肝逸脱酵素の臓器・組織分布及びその種間比較

    青木 正美, 須藤 雄介 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), P-148-, 2019

    <p>【目的】 血中アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)は、肝機能検査における代表的逸脱酵素であるが、毒性試験で肝臓の病理組織学的変化を伴わないこれら血中酵素活性の上昇に遭遇した場合、肝臓以外の臓器・組織からの逸脱を考慮する必要がある。しかし、毒性試験に使用される動物種の臓器・組織におけるこれら酵…

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  • 第28回 科学技術館

    池田 幸弘 ファルマシア 55 (9), 878-879, 2019

    九段下駅で降り,内堀通りを歩く.平日はビジネスパーソンが溢れている街も,休日では行き交う車もほとんどなく,皇居ランナーが心地良さそうに堀端をジョギングしている.清水門から北の丸公園に入る.門の名は,この辺りで清水が湧き出ていたからとも,清水寺という古寺があったからとも言われている.いずれにせよ,江戸城築城以前のこのあたりは海浜に近く,また水も澱み気味だったので,貴重な水源であったのだろう.この門…

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  • PXB細胞由来3次元スフェロイドを用いた長期肝毒性評価系の構築

    宮本 一政, 小原 洋志, 篠澤 忠紘 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), P-239-, 2019

    <p>薬剤性肝障害(Drug induced liver injury, DILI)の評価系として、従来の単層培養系に比べ生体肝臓を模倣し長期評価が可能である3次元(3D)スフェロイドを用いたアッセイ系が近年注目されている。3Dスフェロイドの作製にはヒト初代凍結肝細胞を用いることが多いが、安定した品質の細胞を継続的に入手することは難しい。そこで本研究では化合物の早期の安全性プロファイリングに使用…

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  • 医薬品原薬のPDE設定の具現化(PDE設定検討会の活動進捗)

    長谷川 知之, 松永 伸一郎, 池本 慶子, 加藤 伸明, 平澤 大介, 恒成 一郎, 鈴木 睦, 茂木 寛幸, 小崎 雅人, 中澤 晶子, 吉岡 薫, 林 多恵, 福島 麻子, 堀之内 彰, 太田 敦, 中島 彩子, 山浦 勇二, 竹田 守彦, 服部 宗孝 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), W1-3-, 2019

    <p>PDE(Permitted Daily Exposure,一日曝露許容量)は、経路毎にある個人への曝露がその値で一生涯毎日続いたとしても、有害な作用を与えないと考えられる医薬品原薬の用量を示したものであり、医薬品製造におけるキャリーオーバー評価のための洗浄基準値の算出に利用される。2015年6月にPDEの設定に関するEU- HBEL(Health Based Exposure …

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  • 幼若動物を用いた非臨床安全性試験における適切な用量設定試験の実施

    松本 清 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), S10-3-, 2019

    <p>近年、小児用医薬品開発の必要性の高まりと共に幼若動物を用いた安全性試験が増加している。それに伴い各地域では非臨床試験ガイダンスが整備され、現在は国際的にハーモナイズされたガイドライン(ICH S11)が制定されつつある。幼若動物を用いた安全性試験を実施する場合、通常、用量設定試験(あるいは予備試験)が実施され、Definitive試験を実施するための必要な情報を収集することが求められる。し…

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  • <b>5.データベース研究の医療技術評価への利活用</b> <b>―企業の立場から―</b>

    廣居 伸蔵, 吉田 真奈美 薬剤疫学 23 (1), 41-47, 2018-05-31

    <p>2016 年より一定の条件を満たす医薬品・医療機器について費用対効果評価が試行的に導入された.費用対効果評価に必要なデータのうち,患者数や治療実態,評価対象技術や比較対照の費用や有害事象の発現率,合併症の罹患率およびそれぞれの費用については,既存の大規模な医療データベースの利活用によって推定することが可能である.日本の医療経済・アウトカム研究において,主に使用されているデータベースは,レセ…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献3件

  • 第18回 長崎大学薬学部お薬の歴史資料館ならびに下村脩名誉博士顕彰記念館

    池田 幸弘 ファルマシア 54 (1), 62-63, 2018

    長崎は坂の町である。しかし、市の中心部にいるとあまり気付かず、むしろ川と橋の町ではないかと思ってしまったが、天主堂や亀山社中など各所を巡ると実感した。<br>みなさんご存知のとおり、江戸時代、長崎は世界に開かれた唯一の窓のような存在であった。シーボルトが1824年(文政7年)、この地に鳴滝塾を開いて高野長英らに西洋医学を教えたことなど、長崎は西洋医学の中心地として発展してきた。それゆえ、薬に関す…

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  • 第19回 三光丸 クスリ資料館

    池田 幸弘 ファルマシア 54 (3), 244-245, 2018

    大阪阿部野橋から吉野行きの電車に乗り約1時間、のどかで、どこか懐かしい風景が広がってきた。今日は、現存する日本最古の製薬会社とも言われる㈱三光丸(さんこうがん)のクスリ資料館を訪ねる。

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  • 新規カリウムイオン競合型アシッドブロッカー ボノプラザンフマル酸塩の薬理学的特性と臨床効果

    松川 純, 稲富 信博, 西田 晴行, 月見 泰博 日本薬理学雑誌 152 (3), 104-110, 2018

    <p>プロトンポンプ阻害薬(PPI)は,哺乳類の胃壁細胞に選択的に局在し,かつ酸分泌の最終段階を担う酵素であるH<sup>+</sup>, K<sup>+</sup>-ATPase(プロトンポンプ)に対して共有結合を形成し,活性を不可逆的に阻害する.PPIは制酸薬やヒスタミンH<sub>2</sub>受容体拮抗薬などと比較して,優れた臨床効果を示すことから,長期にわたって酸関連疾患治療の第一選択…

    DOI Web Site Web Site ほか2件 参考文献23件

  • 第23回 中津市歴史民俗資料館分館,村上医家史料館および大江医家史料館

    池田 幸弘 ファルマシア 54 (11), 1074-1075, 2018

    大分県中津市の村上医家史料館と大江医家史料館を訪ねる.中津城跡に近く,両館は徒歩10分程度の距離にある.至近の距離に2件の医家が残り,かつともに史料館として開館されているのはめずらしい.双方で連携した展示が企画されており,村上玄水が九州で初めて人体解剖をした1800年頃を区切りとして,それ以前の資料は村上医家史料館,それ以後は大江医家史料館で展示されている.

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  • 第20回 商いと暮らし博物館(内子町歴史民俗資料館)

    池田 幸弘 ファルマシア 54 (5), 450-451, 2018

    潮風薫る八幡浜から内子に向かう。抜けるような青空と、ミカンであろうか陽光を照り返す緑の木々がまぶしい。いかにも南国である。内子は、江戸後期から明治にかけて木蝋(もくろう)の生産で栄えた。木蝋は櫨(はぜのき)の実から油脂分を抽出し、多くの工程を経て作られる。照明としての役割の終焉、安価なパラフィン系の蝋への置換、さらにろうそくそのものの需要の低迷が重なり生産量は激減しているが、往時にはこの木蝋と伊…

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  • 第6回 革新的な製剤技術を求めて

    中野 浩士 ファルマシア 54 (2), 158-159, 2018

    製剤化とは、医薬品の有効成分を、患者さんが服用しやすい形態にすることを指し、錠剤や注射剤が製剤の代表例である。また製剤化により、有効成分の体内動態を制御して、最適な治療効果を得るなどの、付加価値を乗せることが可能である。3Dプリティングによる革新的な製剤技術を獲得すべく、2015年2月から1年間、フィンランドのオーボアカデミー大学に留学する機会を得た。本稿では研究生活を通じて経験したこと、得たも…

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  • カニクイザルの胸腺から繰り返して採材する手技検討及びこれらの操作が生体に及ぼす影響

    浜島 敏之, 須山 由美, 林 良太, 葛西 義明, 入口 翔一, 大塚 博比古, 福井 英夫 日本毒性学会学術年会 45.1 (0), P-227-, 2018

    <p>サルでは末梢で胸腺機能を評価するマーカーが確立されていなく、胸腺生検によるリンパ球の解析や病理評価が必要な場合がある。本検討では、胸腺機能の経時的変化を同一個体で評価する為の、繰り返し胸腺を採材する手法について胸腔鏡法と開胸法とを比較検討した。胸腔鏡法では胸腺の描出が容易でなく、摘出が困難であったことから、熟練した技術と適切な手術器具の選定が必要と考えられた。一方、開胸法では左右の第3ある…

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  • 第21回 山形市郷土館(旧済生館本館)

    池田 幸弘 ファルマシア 54 (7), 704-705, 2018

    山形市郷土館は,山形城の城跡を整備した霞城公園に建てられている.山形城は,延文元年(1356年)に羽州探題として山形に入部した斯波兼頼(最上家初代)が築城したのが始まりと伝えられ,歴史のある城の部類に入ると言えそうである.城主が最上義光(1546〜1614年)のとき,この地でもう1つの関ヶ原合戦と呼ばれる「長谷堂合戦」(1600年)が繰り広げられた.上杉家の直江兼続らが本城に攻め込んできた際,1…

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  • 再生医療製品等の造腫瘍性試験のバリデーションのための産官連携多施設共同研究「MEASURE」の取り組み

    坂東 博人, 山本 恵司, 奈良岡 準, 三好 荘介, 渡辺 武志, 我妻 昭彦, 坂東 清子, 鈴木 睦, 西田 仁, 糀谷 高敏, 田中 直子, 神山 佳輝, 西垣 扶佐子, 村岡 ひとみ, 安田 智, 佐藤 陽治 日本毒性学会学術年会 45.1 (0), W4-3-, 2018

    <p>多能性幹細胞(iPSC)由来製品の臨床応用において、製品に含まれる未分化細胞や形質転換細胞による腫瘍形成は安全性上の重大な懸念であるが、これまで造腫瘍性評価に関する国際的に合意された標準的試験法は存在しない。本課題に取組むため産官連携による「細胞加工製品の造腫瘍性評価に関する多施設共同研究(MEASURE)」が開始された。MEASUREでは、造腫瘍性評価の現状分析結果に基づき、免疫不全マウ…

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  • NGS解析および生物検定を用いたジオウ類に感染する植物ウイルスの探索

    一木(植原) 珠樹, 長岡(中薗) 栄子, 山口 真輝, 大橋 美保, 古平 栄一, 小島 正明, 五十嵐 元子, 花田 薫, 菱田 敦之, 藤川 貴史 日本植物病理学会報 84 (3), 151-157, 2018

    <p>ジオウ(地黄)は,わが国では漢方薬の原料として使用されるが,そのウイルス病害の実態は十分明らかにされていない.そこで次世代シークエンサー(NGS)を用いた網羅的遺伝子検査と,指標植物を用いた生物検定を併用して,富山県で栽培されているカイケイジオウおよびアカヤジオウに感染しているウイルスの探索を行った.カイケイジオウではソラマメウイルトウイルス2とキュウリモザイクウイルスの2種,アカヤジオウ…

    DOI 日本農学文献記事索引 Web Site ほか1件 被引用文献4件 参考文献4件

  • 総合的試験戦略における予備的な発生毒性試験

    和泉 祐子 日本毒性学会学術年会 45.1 (0), S21-3-, 2018

    <p> ICH M3(R2)では,妊娠可能な女性を臨床試験に組み入れる場合には胚/胎児発生に関する試験(EFD試験)を実施しておく必要が述べられている(但し,米国では第Ⅲ相試験の前までに実施しておけばよい)。しかしながら,何らかの理由で臨床開発を断念せざるを得ない開発候補品は少なくはなく,ラットやウサギを多数用いて実施したEFD試験が製造販売承認申請に利用されない場合もある。動物福祉と臨床試験に…

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  • イヌにおける肝逸脱酵素の臓器・組織分布及びその種間比較

    青木 正美, 須藤 雄介 日本毒性学会学術年会 45.1 (0), P-245-, 2018

    <p>血中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)は、肝障害のバイオマーカーとして使われているが、毒性試験では肝臓に病理組織学的変化がみられなくても上昇するケースがしばしば認められ、肝臓以外の由来を考慮する必要があるが、毒性試験に使用される動物種の臓器・組織におけるそれらの発現分布及びその動物種差に…

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  • 第22回 昭和レトロ商品博物館

    池田 幸弘 ファルマシア 54 (9), 892-893, 2018

    いつの頃からか,青梅は昭和の町,レトロの町と呼ばれるようになった.昭和生まれの筆者としては,昭和という時代がもはや遠い昔になってしまったのかと寂しい思いも抱いてしまうが,平成も30年を数え,次の元号の議論が起こりつつあることを鑑みると,やむを得ないことなのかもしれない.

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  • 5.ヒト用医薬品の環境影響評価:規制当局と医薬品業界の動向

    佐藤 恵一朗 谷本学校 毒性質問箱 2017 (19), 31-39, 2017-09-19

    分析技術の進歩に伴い、極微量の医薬品が環境中で検出されるようになった。ただし、ほとんどの場合、検出濃度は人間に対して何らかの薬理作用を発揮する濃度よりもかなり低い。例えば、ヒト用医薬品の環境影響評価(Environmental Risk Assessment: ERA)に関するEMAのガイドライン<sup>1)</sup>において実験室での試験(Phase …

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  • 新規<i>N</i>-フェニルインドリン-5-スルホンアミド系MGAT2阻害薬の創出

    佐藤 健二郎, 久保 修, 高萩 洋希, 日髙 功介, 北崎 智幸 MEDCHEM NEWS 27 (3), 135-143, 2017-08-01

    <p> アシル基転移酵素の1つであるモノアシルグリセロールトランスフェラーゼ2(MGAT2)は、小腸におけるトリアシルグリセロール(TG)再合成に関与していることから、肥満症および代謝性疾患治療薬の新たなターゲットとして注目されている。筆者らは、新規低分子MGAT2阻害薬の創出を目指して<i>N</i>-フェニルインドリン-5-スルホンアミド誘導体の最適化研究を行い、強力かつ選択的なMGAT2阻…

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  • 中枢作用薬の成功確率向上への取り組み―PDE10A阻害薬の開発について―

    木村 温英 日本薬理学雑誌 149 (4), 160-166, 2017

    <p>中枢作用薬の成功確率は残念ながら非常に低く,これを高めうるありとあらゆる手段を講じる必要がある.そのためには遺伝子変異や臨床知見に着目した創薬ターゲットの選択が鍵といえるが,残念ながら統合失調症治療においては未だにドパミンD<sub>2</sub>受容体拮抗作用以外に確立された創薬ターゲットはない.線条体では中型有棘細胞がドパミンD<sub>1</sub>受容体を発現する直接路とドパミンD…

    DOI Web Site Web Site ほか2件 参考文献19件

  • 第13回 兼山歴史民俗資料館

    池田 幸弘 ファルマシア 53 (3), 256-257, 2017

    名鉄名古屋駅から犬山線,犬山駅からは広見線に乗り継いで新可児まで行き,そこからさらに御嵩行ワンマン列車に乗り込み,のどかな田園風景に見とれていると間もなく明智駅に到着した.無人駅のため運転手さんに切符を手渡して下車し,ちょうど駅前に停車しているバスに乗り込んだ.バスはこの先の名鉄八百津線が2001年に廃線となったため,代替として運行されている.ここまで来るとすっかり小旅行の気分になってしまってい…

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  • DNAコード化化合物ライブラリー技術の有効活用法

    余郷 能紀 ファルマシア 53 (3), 261-261, 2017

    低分子医薬品の研究開発において,構造展開が可能な良質なヒット化合物を得ることは重要である.DNAコード化化合物ライブラリー技術(DNA-encoded compound library technology(ELT))は,DNAタグを有する数億化合物のライブラリーを混合物のまま標的タンパク質との結合試験を行い,アフィニティー選択,PCRによるDNAタグの増幅,DNAシークエンシングを経て結合化合…

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  • 第15回 杏雨書屋

    池田 幸弘 ファルマシア 53 (7), 712-713, 2017

    あいにくの雨の中,大阪淀屋橋の武田薬品の旧本社ビル1階を訪ねる.大阪工場地区内から淀屋橋に移転し,2014年4月から公開が開始された杏雨書屋が本日の目当てである.

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  • CD30を標的とする抗体薬物複合体Brentuximab vedotin

    矢内 友子 Drug Delivery System 32 (2), 126-133, 2017

    Brentuximab vedotin(BV)はCD30を標的とする抗体薬物複合体であり、効能・効果はCD30陽性再発・難治性ホジキンリンパ腫と未分化大細胞リンパ腫である。BVがCD30発現細胞に取り込まれると、MMAEが微小管に結合しアポトーシスを誘導する。重大な副作用として、末梢神経障害、感染症、骨髄抑制、infusion …

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献18件

  • シングルユースシステムを用いて製造されるバイオ医薬品の品質確保に関する提言

    石井 明子, 橋井 則貴, 松本 真理子, 香取 典子, 新井 進, 粟津 洋寿, 磯野 哲也, 井上 友美, 永座 明, 大山 幸仁, 奥村 剛宏, 梶原 大介, 田熊 晋也, 丹下 浩一, 塚原 正義, 筒井 麻衣子, 寺島 伊予, 中川 泰志郎, 服部 秀志, 林 慎介, 原 芳明, 松田 博行, 村上 聖, 矢野 高広, 巌倉 正寛, 大政 健史, 川崎 ナナ, 広瀬 明彦 日本PDA学術誌 GMPとバリデーション 19 (2), 15-29, 2017

     The use of single-use systems has been getting more popular in biologics manufacturing. Utilization of this novel technology enables the efficient manufacturing, including prevention of cross …

    DOI 医中誌

  • 第12回 日本薬学会長井記念館長井記念薬学資料室ならびに大日本住友製薬史料展示スペース

    池田 幸弘 ファルマシア 53 (1), 58-59, 2017

    早いものでこの連載も12回,丸2年を迎えた.この間,思いがけないところで温かい声をかけていただいたり,多くの激励の言葉をいただいた.とりとめのない文章ばかりであるが,多くの方々に読んでいただけて素直に嬉しい.取材を続けてみると,日本人は薬好きのためか,はたまた世界で10か国程度と言われている新薬を継続的に創出している国の1国であり薬への造詣が深いためか,薬に関する資料館は実に多く,諸方にまだまだ…

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  • 第16回 中冨記念くすり博物館

    池田 幸弘 ファルマシア 53 (9), 910-911, 2017

    佐賀県の鳥栖市に中冨記念くすり博物館がある.住宅や田園のある落ち着いた郊外をゆくと,イタリアの彫刻家チェッコ・ボナノッテ氏が設計したモダンな建物が見えてきた.周囲には薬草薬木園もあり,ガラスに周りの木々が映りこんで,まるで森の中の美術館のように美しい.

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  • 第14回 旧村田薬局

    池田 幸弘 ファルマシア 53 (5), 464-465, 2017

    秋田県横手市の増田町に,中七日町通りという商店街がある.成瀬川と皆瀬川が合流するところに位置し,江戸期以前から商業地として栄えた.東北経済の中心地といってもいいほどの賑わいを見せた頃もあったようであるが,いまでは落ち着いた町並みである.昔の面影を残す多数の商家が,往時の繁栄を静かに物語っている.

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  • 「分析」の視点から見たQuality by Designとプロセスモニタリング

    井上 敬介 ファルマシア 53 (5), 445-449, 2017

    医薬品の製造・品質管理の世界にQuality by Design (QbD)の考え方が導入されたことでQuality by Testingのアプローチと比較して「分析」に求められる役割は大きく変化してきた。本項では「分析」の視点でQbDの全体像を捕らえた上で、近年のProcess Analytical Technology応用事例について紹介する。

    DOI 医中誌

  • 第17回 星薬科大学歴史資料館

    池田 幸弘 ファルマシア 53 (11), 1106-1107, 2017

    戸越銀座を歩き、星薬科大学へと向かう。正門を入ってすぐ右手の建物の1階に資料館があった。本資料館には、創立者星一ゆかりの資料を中心に、本学にかかわる多様な歴史資料が展示されている。星薬科大学の歴史を辿ると、明治44(1911)年、星製薬株式会社が創立された際、社内に設置された教育部に遡る。会社創立と同時に教育部門を設けることは珍しいと思われるが、これは、建学の精神である「世界に奉仕する人材育成の…

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  • GLP試験でみられた毒性についてヒトへの外挿性を検討した事例の紹介

    福井 英夫 日本毒性学会学術年会 44.1 (0), S9-5-, 2017

    医薬品候補化合物の毒性試験で毒性所見がみられた場合でも、無毒性量と臨床用量との間に十分な安全域があれば開発は可能である。たとえ毒性試験で十分な安全域が得られない場合でも、臨床で毒性マーカーをモニターし、副作用を事前に予見できる場合には臨床試験が実施可能である。また、毒性機作研究の結果から、ヒトへの外挿性が否定できる場合には安全域が確保できなくても開発が可能となる場合がある。一般に、糖尿病、高血圧…

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  • 水晶体毒性評価のフレームワーク

    厚見 育代, 荒木 智陽, 小川 竜也, 奥原 裕次, 金丸 千沙子, 北浦 智規, 木下 順三, 小林 幹英, 和田 聰, 佐々木 正治 日本毒性学会学術年会 44.1 (0), O-51-, 2017

    視機能の障害はquality of lifeに大きく影響するため、非臨床安全性試験の眼科検査で遭遇した眼病変が、薬剤起因性の眼毒性であるかを適切に評価することは極めて重要である。眼科検査には専門の検査技術及び機器を必要とする他、眼科学に関する専門的な知識が必須であり、これらを習得する教育の場が求められる。<br> …

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  • 肝逸脱酵素の臓器・組織分布及びその種間比較

    青木 正美, 須藤 雄介, 宮本 実 日本毒性学会学術年会 44.1 (0), P-183-, 2017

    血中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)は、肝障害のバイオマーカーとして使われているが、毒性試験では肝臓に病理組織学的変化がみられなくても上昇するケースがしばしば認められ、肝臓以外の由来を考慮する必要がある。しかし、毒性試験に使用される動物種の臓器・組織におけるこれらバイオマーカーの発現分布及び…

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