検索結果を絞り込む

本文・本体へのリンク

検索結果 14,572 件

  • 問いかけ、対話する考古学展示:『構築される「遺跡」』展が目指したもの

    岩浪 雛子, 畑中 乃咲佳, 山口 舞桜 The KeMCo Review 2 (0), 78-93, 2024-03-31

    本稿は、2023年春に慶應義塾ミュージアム・コモンズで開催した展覧会『構築される「遺跡」:KeMCo建設で発掘したもの・しなかったもの』における取り組みを振り返るものである。本展は、KeMCoの活動拠点である三田キャンパス東別館を建設するにあたって実施された発掘調査の成果を紹介することを目的に企画された。しかし、展示準備を進める中で、ただ成果を紹介する一般的な展示とは一線を画し、発掘主体が選択し…

    DOI

  • ノルウェーの博物館におけるデジタル施策の現状

    宮前, 知佐子 国立民族学博物館研究報告 48 (2), 233-267, 2024-03-29

    1 はじめに 2 ノルウェーの文化施策とデジタル化の状況 2.1 ノルウェーの文化施策 2.2 デジタル化により変わる生活様式 2.3 調査対象 3 ノルウェーの博物館におけるデジタル技術の活用 3.1 野外博物館における再現展示 3.2 地方の博物館から派生したデジタル目録ネットワーク 3.3 美術館における鑑賞支援と収蔵品管理 3.4 歴史博物館における電子的演出 4 まとめと今後の展望

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • 考証館活動の成功の社会的条件 : 1990年代の水俣病運動界と相思社

    平井, 京之介 国立民族学博物館研究報告 48 (2), 139-232, 2024-03-29

    熊本県水俣市で水俣病被害者を支援する団体,水俣病センター相思社(以 下,相思社)は,1990 年,それまでの加害企業や国家に水俣病被害者への謝 罪と補償を求める未認定患者運動から,水俣病に関する歴史と記憶を蓄積し後 世に伝える考証館活動へと,活動の中心を移行した。彼らの考証館活動はしば らく停滞した後,1990 年代半ばに大きな発展を遂げていく。本稿の目的は, …

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • 先住民女性のエンパワーメント

    ウラジミロワ ウラジスラワ 北方民族文化シンポジウム網走報告書 37 (0), 021-026, 2024-03-19

    本稿では、世界の先住民フェミニズムから得たインスピレーションをもちい、急激に変化するこの世界で、現代ロシアのニブフ女性がいかに交渉し、行動してきたかを論じる。サハリン島の異なる先住民社会で実施したフィールド調査で集めた民族誌的資料を分析する。その際、職業的生活や経済、先住民の市民活動、伝統的手工芸品の分野に焦点を当てる。 …

    DOI

  • 古写真・絵図を用いた約100年間のウランバートル景観変化復元

    渡邊 三津子, 小長谷 有紀, McCarthy Christopher, 堀田 あゆみ, 八尾 廣, 滝口 良, 鈴木 康平, 山中 典和 日本地理学会発表要旨集 2024s (0), 278-, 2024

    <p><b> はじめに</b></p><p>近年,デジタル化技術の向上により高解像度かつ鮮明な画像として古い写真資料を保存することや,インターネット技術の普及によりアーカイブに収蔵された資料が全世界から閲覧可能になった。景観研究における古写真利用という観点からは,それまで撮影者や所有者が属する国・地域の所蔵者・所蔵機関ごとに個別に収蔵されていた写真資料に,地理的制約を超えて容易にアクセスすること…

    DOI

  • 古写真でたどる川喜田二郎とヒマラヤ保全協会の50年史

    相馬 拓也 日本地理学会発表要旨集 2024s (0), 94-, 2024

    ...「川喜田式アクションン=リサーチ」とは、民族学とコミュニティ開発を、表裏ではなく、相互検証が可能な行為として並置したことに最大の特徴がある。それは緊急支援や人道支援からはじまった活動ではなく、純粋に学術的探求心から産み落とされた。実利実益を偏重する乱暴なこの時代に、ヒマラヤ保全協会の生い立ちを再確認する価値がそこにあると思われる。</p>...

    DOI

  • 福祉制度の人類学的研究に向けて

    辻本 侑生 文化人類学 88 (3), 435-451, 2023-12-31

    <p>本論文は、福祉制度それ自体に関する人類学的考察の不足という課題を踏まえ、日本の公的介護システムである介護保険制度がどのようなプロセスで成立したのか、特にどのようにして高齢者の「自立」支援が理念化されていったのかという点について、一次・二次資料を用いて記述・分析したものである。調査の結果、介護保険制度における「自立」概念は、障害者運動の流れを踏まえつつ、劣悪な状況に置かれていた高齢者により良…

    DOI

  • オーセンティシティを成形する

    田本 はる菜 文化人類学 88 (3), 486-504, 2023-12-31

    <p>今日の先住民のアートやクラフトにおいて、「オーセンティシティ」は作品のスタイルや形式から導かれる正統性にもまして、正しい作り手との結びつきを示すものになりつつある。ただし生産物に排他的な作者を想定するこの傾向は、グローバルに浸透する知的財産の観念と親和的である。本稿では、文化創意産業(文化クリエイティブ産業)に参与し始めた台湾の先住民セデックを対象に、かれらが織りと服飾品生産を通じて、生産…

    DOI

  • 目次

    文化人類学 88 (3), 415-, 2023-12-31

    DOI

  • 変容する脱植民地化の影響と脱中心化した文化人類学

    太田 好信 文化人類学 88 (3), 417-434, 2023-12-31

    <p>本論は、忘却と記憶を物語る。文化人類学的知の民主化に向け対話性を想起しようという呼びかけである。知の権威は危機にあり、未来は不透明なときだからこそ、文化人類学の「民族誌的感性」が重要になる、とジェイムズ・クリフォードは主張している。民族誌的感性とは、聞くことが学びであり、自己を驚きに開き続け、翻訳という関係性にコミットすることをいう。本論では、クリフォードのいう「民族誌的感性」とは知の脱中…

    DOI

  • 中谷 文美 文化人類学 88 (3), 473-485, 2023-12-31

    <p>The production and consumption of textiles rooted in traditional ways of life have undergone radical changes in terms of their materials, technologies, designs, and usage everywhere in the world. …

    DOI

  • トルコ絨毯のオーセンティシティが不問に付されるまで

    田村 うらら 文化人類学 88 (3), 562-578, 2023-12-31

    <p>本稿は、トルコで発案・生産された「パッチワーク絨毯」と呼ばれる製品とさらにその模倣品を事例として、手仕事の現代的展開の特徴について論じることを第1の目的とする。まずこの新しい絨毯が誕生した経緯を概観し、観光客向けトルコ絨毯商やオンラインショップでの販売を通してグローバルな消費者に届くまでの流通過程におけるオーセンティシティや「手仕事」性の表現のされ方、そしてそれらが次第に後退してゆく状況を…

    DOI

  • 表紙

    文化人類学 88 (3), f1-, 2023-12-31

    DOI

  • 「聖なる堆積」

    ケイ 光大 文化人類学 88 (3), 452-472, 2023-12-31

    <p>既存のモノのエージェンシー論は、人間の認知や意図とモノの関係(リアリティの側面)、人間の身体や感覚とモノの関係(アクチュアリティの側面)および人間の認知の曖昧さとモノの関係(モノの半人格論)に分けられている。これらのアプローチは、モノが人間と関連付けられることによって、エージェントとなることを提示している。しかし、モノのエージェンシーは、必ずしも人間との連関から得られるものではなく、特定の…

    DOI

  • 「手本の複製/見本からの創造」からみた手仕事の真正性

    佐藤 若菜 文化人類学 88 (3), 505-522, 2023-12-31

    <p>本論文の目的は、中国貴州省に暮らすミャオ族女性の民族衣装に施される刺繍の事例から、消費者や販売者による「手刺繍は本物/機械刺繍は二流品」という価値づけに対し、作り手にとっての手刺繍と機械刺繍の位置づけを明らかにすることである。特に、刺繍製作の実践を、技法習得から衣装製作までの過程と、複数ある刺繍技法の歴史的変遷から詳細に把握し、ミャオ族の手仕事をめぐる真正性を再考する。外部からの価値づけと…

    DOI

  • 手仕事と機械生産の境界を疑う

    金谷 美和 文化人類学 88 (3), 543-561, 2023-12-31

    <p>本論の目的は、インド、グジャラート州カッチで製作される染織品アジュラクとその生産者を事例に、いわゆる伝統的な布工芸品の生産・消費の現場において生じている「プリント化」という現象を通して手仕事と機械生産の二分を批判的に検討することである。手仕事と機械生産という二分法は根強く、この二分は手仕事のほうがよりオーセンティックであるという観念と結びついてきた。「プリント化」とは、丹念な手仕事によって…

    DOI

  • プリント化・手仕事化するスカート

    宮脇 千絵 文化人類学 88 (3), 523-542, 2023-12-31

    <p>本稿は、中国雲南省文山チワン族ミャオ族自治州のモン(ミャオ族の自称集団)のスカートを事例に、そのプリント化と手仕事化という一見相反する現象から、中国における少数民族の文化のオーセンティシティ獲得のプロセスを明らかにするものである。多民族国家である中国では、少数民族の装いは民族集団間の差異化をはかるための「民族衣装」として機能してきた。そのため、外形の違いといった視覚情報が重視され、染織や刺…

    DOI

  • 原発被災地復興のリミナリティ

    楊 雪 文化人類学 88 (3), 579-590, 2023-12-31

    <p>Although twelve years have passed since the 2011 Fukushima nuclear accident, most former residents have decided not to return to their homeland, even after the evacuation orders were lifted. This …

    DOI

  • 岡正雄と「ヌナミウト」 : 明治大学所蔵資料にみるアラスカ調査と新たな岡正雄像

    碇, 陽子, 栁沼, 亮寿 国立民族学博物館研究報告 48 (1), 85-132, 2023-11-30

    1 はじめに 2 岡の北方文化研究との出会いと展開 2.1 ビルケット=スミスとの出会い 2.2 北方文化研究からアラスカ学術調査までの展開 3 明治大学創立 80 周年記念アラスカ学術調査団の派遣 4 アラスカ学術調査団の成果 5 岡のアルバム写真を読む 6 岡と「ヌナミウト」 6.1 専属インフォーマント―サイモン・パニアック 6.2 岡とヌナミウトとの関わり 7 …

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • フラクタルな巻き込み

    鈴木 和歌奈 文化人類学 88 (2), 215-229, 2023-09-30

    <p>本論文の目的は、ウルシと人間の間に「重要な他者性」が生じることを、文化人類学とフェミニズム科学論の理論に依拠しながら描くことである。昨今、人類学ではアメリカやオーストラリアを中心に、人間と多種の絡まり合いを描く「マルチスピーシーズ民族誌」と呼ばれる潮流が広がりつつある。マルチスピーシーズ民族誌は、人新世の議論を受けて「人間と他の種がどう生きるべきか」という倫理的な問いを土台に発展してきた。…

    DOI

  • 近世の「山里」における社会変化

    町田 哲, 石川 登, 内藤 直樹 文化人類学 88 (2), 264-286, 2023-09-30

    <p>本稿は、東南アジア大陸部と日本を対象とした文化人類学や歴史学などの異なる学問分野による「山地社会」研究を相互参照しながら、景観・生業・政治権力の相関のなかで「山地-平地」の関係理解を目指すものである。具体的には、四国山地東部の近世木頭村(現・徳島県那賀郡那賀町)における山里景観の歴史的形成プロセスとその変容過程について、村内の社会関係とそれに基づく山の用益関係を中心としながら、政治権力、植…

    DOI

  • 内藤 直樹, 石川 登 文化人類学 88 (2), 230-242, 2023-09-30

    <p>The purpose of this special issue is to clarify how accumulated activities and their linkages to humans, heterogeneous organisms, and materials have generated mountain village landscapes in …

    DOI

  • 料理の潜在的次元に向かって

    藤田 周 文化人類学 88 (2), 195-214, 2023-09-30

    <p>本論は新たな料理がどのように創造されるかという問いに対して、ペルーの現代料理レストランにおける料理の試作の過程、特に素材や調理法が組み合わされる過程について、「おいしさ」の探究という観点から検討することで、取り組む。現代料理とはレストランの位置する場所の自然と文化の前衛的な解釈を試みる料理のスタイルであり、ペルーの現代料理レストラン、セントラルでは日々新しい料理を生み出そうと試作が行われて…

    DOI

  • 目次

    文化人類学 88 (2), 193-, 2023-09-30

    DOI

  • 表紙

    文化人類学 88 (2), f1-, 2023-09-30

    DOI

  • パチンコ遊技体験の諸相

    大島 崇彰 文化人類学 88 (2), 349-359, 2023-09-30

    <p>Focusing on the view that the interaction between the "design" of the pachinko machine and the player shapes the experience of playing pachinko, this article discusses some new aspects of …

    DOI

  • 崩れ続ける大地での暮らし

    内藤 直樹, 殿谷 梓 文化人類学 88 (2), 243-263, 2023-09-30

    <p>本稿の目的は、景観の生産に関わる文化人類学者と地球科学(地質学)者の協働と対話を通じて、ユニークな物質的特性を備えた山村景観の動態を理解するための気づきを得ることにある。そのために「手に負えない景観(feral landscape)」論を手がかりにしつつ、それぞれ異なる時間スケールや情報に焦点をあてる地球科学(地質学)と文化人類学の協働に基づく景観史/誌の記述をおこなう。そうすることで「国…

    DOI

  • ちょっとずつ寄りかかりあう景観

    野澤 俊太郎 文化人類学 88 (2), 327-348, 2023-09-30

    <p>本稿は、建築家、都市デザイナー、並びに農業者を空間や作物等を「つくる存在」として並置し、景観「の中に」いる「つくる存在」としての彼らの空間および物理的環境への働きかけを詳述する。その試みは、景観形成に関わる非人間を含む様々な存在が、他者の持つ(広義の)能力、システム、インフラストラクチャー等に計らずも「ちょっとずつ寄りかかりあう」構造を浮かび上がらせる。本稿はまず、景観への関心が高まりを見…

    DOI

  • 源流の向こうにあるもの

    片岡 樹 文化人類学 88 (2), 308-326, 2023-09-30

    <p>本稿では、山茶を事例に、四国山地における山村景観の形成をめぐる力学を、将来的な東南アジアとの比較をも視野に入れつつ考察する。西南日本と東南アジア大陸部山地とを結ぶ文化的共通性については、これまで照葉樹林文化論が主に取り扱ってきた。しかし照葉樹林文化論は、日本文化の源流の探求にこだわるあまり、現実を反映しない硬直した図式化に走ってしまったきらいがある。そのため本稿では、照葉樹林文化論における…

    DOI

  • 人間と非人間の「固有の時間」の絡まり合いにみる山地景観の動態

    岩佐 光広, 赤池 慎吾 文化人類学 88 (2), 287-307, 2023-09-30

    <p>本論では、自然物や人工物からなる構成要素とその配置構成から成り立つ物質的形態という意味での景観の生成や動態に注目する近年の景観人類学のアプローチを援用しつつ、特に人間と人間以外の存在の「固有の時間」の絡まり合いに着目しながら、日本の国有林を含む山地景観の生成とその動態を記述することを試みる。その事例として、高知県東部の中芸地域に位置する魚梁瀬山を取り上げる。江戸時代の土佐藩における代表的な…

    DOI

  • 宗教民族学と総力戦体制

    鈴木 正崇 宗教研究 97 (2), 201-226, 2023-09-08

    ...<p>日本では一九二〇年代に、「宗教民族学」という独自の学問領域が成立した。宗教民族学は、未開宗教の研究を出発点に、諸民族の宗教の比較研究に展開し、植民地化の進展の過程で戦争協力に結びついた。「民族」概念は、近代化の進行と共に様々に読み変えられ、イデオロギー性を帯びて、ナショナリズムを高揚させたのである。...

    DOI

  • 預言者を模倣し、自力供犠を敢行する

    澤井 充生 文化人類学 88 (1), 076-094, 2023-06-30

    <p>2012年に発足した習近平体制下中国では、ムスリム少数民族の宗教活動や民族文化に対する統制が強化されており、ムスリム少数民族は自分たちの生活世界においてさえも自律性を発揮しづらくなりつつある。本稿では、2014年に実施された犠牲祭の供犠を取り上げ、イスラーム改革主義者が供犠のありかたをとおして〈正しいイスラーム〉を追求する現象の意味について検討する。中国では清朝末期から中華民国期にかけてイ…

    DOI

  • チベット牧畜社会における生業民俗的知識と改革派仏教

    別所 裕介 文化人類学 88 (1), 095-114, 2023-06-30

    <p>本論は、中国青海省の草原地帯でヤクを主体とする放牧生活を送るチベット牧畜民が自家消費のために行う屠畜を取り上げ、彼らの日常生活と結びついた畜産物利用をめぐる生業民俗的知識(生業民俗知)の全体性が、近代的な宗教運動によって改編を迫られている状況を、家畜管理をめぐる「生かし」と「殺し」という、表裏一体になった活動の間で見定めようとするものである。従来、チベット高原の大半の地域では、1)血液の食…

    DOI

  • 聖日を「祝う」

    上村 知春 文化人類学 88 (1), 005-024, 2023-06-30

    <p>エチオピア正教会信徒の食に関する人類学的な研究では、断食や祝宴の分析を通して食と信仰生活が深く関連することが解明されており、そこでは断食と祝宴が対比的に記述されてきた。断食=禁欲と祝宴=解放に対応する食の差異はたしかに信徒の食生活の軸をなす一方で、人びとは断食と祝宴をつねに対立的にとらえているわけではない。また、信徒にとって信仰上重要な食の側面は断食と祝宴だけではない。この点を理解するため…

    DOI

  • 馬の財としての両義性

    酒向 渓一郎 文化人類学 88 (1), 025-043, 2023-06-30

    <p>スンバ島の東スンバ県では数多くの馬が飼育されている。馬はかつて交易品として島外から導入されたが、現在では東スンバの慣習儀礼において交換・供犠されるなど儀礼において欠かすこのできない財の1つとして定着している。本稿では調査地の慣習儀礼における馬の扱いに注目し、そこに馬の財としての両義性を見出した。すなわち、馬は親族間での財の交換の文脈では主人にとって人格化された馬であっても非人格化された財と…

    DOI

  • 澤井 充生 文化人類学 88 (1), 044-055, 2023-06-30

    <p>This special issue, "Practice of Folk Knowledge to Slaughter Animals: Comparative Ethnographies of Slaughter," focuses on how folk knowledge of slaughtering animals constructs the life world …

    DOI

  • 供犠の価値は計り得るか?

    西川 慧 文化人類学 88 (1), 115-133, 2023-06-30

    <p>本稿の目的は、インドネシア西スマトラ州ペシシル・スラタン県の村落社会を対象として、食肉市場の拡大による家畜の商品化が進むなか、屠畜と供犠の実践の現状を明らかにすることである。2つの供犠における家畜の種類とその扱いの連続性と非連続性に注目することで、供犠をめぐる人びとの民俗知がいかにして生成しているのか検討する。</p> …

    DOI

  • 目次

    文化人類学 88 (1), 003-, 2023-06-30

    DOI

  • 我々はなぜ切らねばならないのか

    中川 加奈子 文化人類学 88 (1), 056-075, 2023-06-30

    <p>本稿では、「動物の首を切らねばならない理由」を正当化し続けることの意味を考察する。</p> <p>近年、ネパールでは衛生観念や動物福祉言説が浸透しつつある。また、政府が工場屠畜への移行を主導し、食肉産業の近代化が推進されている。従来カーストに基づく役割として屠畜・食肉加工や血の供儀を担ってきたカドギたちは、これらの社会の要請に適応し、政府と連携して食肉加工販売会社を設立するなど、カースト役…

    DOI

  • 表紙

    文化人類学 88 (1), f1-, 2023-06-30

    DOI

  • 定住農耕モンゴル人の編み出す民俗知

    包 双月 文化人類学 88 (1), 134-153, 2023-06-30

    <p>本稿では、現代中国内モンゴル自治区の東部地域において、遊牧から定住農耕へと移行したモンゴル人を対象とし、定住農耕化に伴って新たに導入されたブタ飼育によって、彼らの屠畜方法と肉食行為がいかに変化しているのか、あるいは持続しているのかを明らかにする。彼らは、18世紀中頃から始まった大量の漢人農耕民の入植、および中国共産党政権が成立以後に実施した農業推進政策により、定住農耕化した。その屠畜方法か…

    DOI

  • 民族学博物館の展示物に興味を惹きつけるためのデジタルコンテンツの制作

    米田, さやか, 片山, あず美, 山本, 千鶴, 尾澤, 諒, 相原, 昌喜, 篁, 知樹, 水野, 慎士 マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2023論文集 2023 617-622, 2023-06-28

    ...本研究では,愛知県犬山市にある民族学博物館「リトルワールド」で展示するための 2 つのデジタルコンテンツの開発を行った.民族学博物館の展示物は日常生活道具,衣装や仮面などの物品の他,文字や言葉,祭礼儀式,食事などに関する映像や模型などが多く,一般の美術展示品と異なり見るだけでは価値が伝わりづらいものが多い.そこで,本研究では展示物を仮想的に体験できる「ラスコー洞窟デジタル壁画」と「仮面バーチャル装着体験...

    情報処理学会

  • 指文字の音節の概念

    神田  和幸 手話コミュニケーション研究会論文集 5 (1), 10-14, 2023-04-01

    概要 指文字は日本語の音節単位であるモーラに対応している。しかし拗音や撥音を含む音節はモーラに対応していない。それは遷移の時間差による。本論では指文字音節分析という概念を提案した。

    DOI

  • 意味は受け手が構築する

    神田 手話コミュニケーション研究会論文集 5 (1), 18-20, 2023-04-01

    人間がどのように意味を感じるかという根本的な問題はまだほとんど議論されていない。しかし答えは単純で、「意味は受け手が構築していく」ということである。しかし答えは単純で、「意味は受け手が構築していく」ということである。コミュニケーションとはメッセージの送り手の意図が受け手に伝わること、という理解が信仰のように広がっている。そもそもこの前提がなければ、宣伝や広告などありえないし、議論や外交も成り立た…

    DOI

  • ロボットは呼吸しない

    神田 和幸 手話コミュニケーション研究会論文集 5 (1), 15-17, 2023-04-01

    ロボットやアニメなど人間の動作を模倣した製品や作品が氾濫しているが、それらを観察すると、呼吸の動きがほとんどない。あるのはため息や深呼吸など大きな動作の時だけである。つまり無意識な呼吸は無視されている。「呼吸は無意識な運動」である。言語のリズムも無意識である。日本語が4拍子であることも知っている人は少ない。長い文章になっても、息継ぎの個所は同じで、これを文節という。呼吸は一定間隔なので、それがリ…

    DOI

  • 手話の構成素

    神田 和幸 手話コミュニケーション研究会論文集 5 (1), 1-9, 2023-04-01

    新手話学の立場から、手話のモーラを提案し、手話の語形成構造から手話言語の構成素について提案する。日本手話は日本語、英語、アメリカ手話とも異なる言語構造をしている。

    DOI

  • 機械認識の問題点

    神田 和幸 手話コミュニケーション研究会論文集 5 (1), 21-23, 2023-04-01

    日本手話についても音挿入現象があることが予想される。しかしepenthesisを音挿入と呼んでいいかは疑問が残る。音声言語の音声学の用語であり、英語的には音を意識させない用語だが、日本語訳では明白に音声言語の用語であることが表示されてしまうので、専門家以外に誤解を呼ぶリスクがある。語連鎖において、音挿入の現象がある、ということは、語レベルの議論と音韻レベルの議論に終始していては解決できない課題で…

    DOI

  • 目次

    文化人類学 87 (4), 551-, 2023-03-31

    DOI

  • 自然栽培が織りなすケアの場

    福島 令佳 文化人類学 87 (4), 593-611, 2023-03-31

    <p>障害者へのケアの場は多くの課題を抱えており、その1つは、固定観念に基づいた支援者の障害者への思い込みによる課題である。こうした課題に対して、障害者の意思を尊重すること等のケアの規範の重要性は明らかにされている。では実際にどういった場面で、支援者は障害者への思い込みから自由になるのか、その時どのような新たなケアと関係性が生成されるのか。障害者をめぐる援助論や支援者への規範といった議論だけでは…

    DOI

  • 奈倉 京子 文化人類学 87 (4), 612-623, 2023-03-31

    <p>Conventional studies of disabilities evaluated creative practices in which social movements, led by people with disabilities, built a new "culture" that generated a new logic of coexistence. …

    DOI

  • 表紙

    文化人類学 87 (4), f1-, 2023-03-31

    DOI

  • 小政体の文化人類学的意義

    栗本 英世 文化人類学 87 (4), 553-572, 2023-03-31

    <p>現代世界の構成単位である国民国家内部の政治空間は均一ではない。国家という大きな政体(polity)の内部に、統治と法の支配が十分には及んでいない空間が存在することがある。こうした空間の住民がある程度の独自の統治と法の支配を実践している場合、それを小政体(small polity)と呼ぶ。犯罪者集団や武装集団に支配されている地域はその例である。人類学が伝統的に研究対象としてきた王国と首長国も…

    DOI

  • それなりに整った世界で叫ぶ

    猪瀬 浩平 文化人類学 87 (4), 624-641, 2023-03-31

    <p>障害の社会モデルは、障害を個人の属性と捉え、その克服軽減を図る医学モデルを批判し、障害の社会的構築性に焦点をあてる。近年の批判的障害学は、社会モデルが前提とする身体と社会の二元論に頼らず、身体や物質に内在する変化や、身体・物質と精神・言説の混淆する関係の中で障害の問題を捉えることを目指す。文化人類学は障害を文化間比較から捉え、障害者政策、治療教育、障害者運動がはらむ西洋中心主義を批判してき…

    DOI

  • 共有、旅人、新しい人間

    木村 周平 文化人類学 87 (4), 670-682, 2023-03-31

    <p>Against the backdrop of intensifying climate change and developing the international paradigm of disaster risk reduction, this study reviews a wide range of works related to the Great East Japan …

    DOI

  • 人間と非人間の相互作用

    坂井 妙子 文化人類学 87 (4), 573-592, 2023-03-31

    <p>本論では、人間と非人間の相互作用を、ユカタン半島のマヤ(Maya)による焼畑ミルパ(<i>milpa</i>)における事例を用いて、記号・知覚・行為をめぐって展開される間主観的プロセスとして明らかにする。脱人間中心主義的な近年の文化人類学的研究の潮流において、人間と非人間の相互作用がしばしば注目されているが、それが経験的にどのようなプロセスをとるのかはいまだ議論の余地がある。とくに、非人間…

    DOI

  • カメルーン女性障害者における障害とジェンダー

    戸田 美佳子 文化人類学 87 (4), 653-669, 2023-03-31

    <p>障害者への偏見と性差別という「二重の危機(double jeopardy)」にさらされる機能的な障害のある女性は、フェミニズム研究と障害学という研究上の視座から、異なる女性像とその運動にさらされている。その主眼となるのは、性と生殖に関する権利と、コミュニティ・ケアの是非に関する対照的な見解である。本稿では、フェミニズム研究と障害学の社会モデルの問題点を女性障害者の視点から整理したうえで、カ…

    DOI

  • 入場者数の展示室内環境への影響の検証を目的とした特別展覧会における室内滞留者数傾向の解析

    Hiroshi Wada, 和田 浩 国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology 47 (4), 637-659, 2023-03-15

    本稿では,文化財の保存状態に影響を及ぼさない展示環境を維持しつつ,展 示室の換気状態を良好に保つ諸条件についての検証を試みた。まず,特別展覧 会全般における入場者数にどのような傾向が見られるのかを中心に解析した。 その結果,各日の入場者増加割合は,同日内で大きく変化しない,おおむね線 形的な傾向を把握できた。次に,コロナ禍の下で開催した特別展覧会開催時に …

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • コロナ禍の博物館 : 国立民族学博物館の取り組み

    Shingo Hidaka, 日高 真吾 国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology 47 (4), 581-636, 2023-03-15

    ...国立民族学博物館では,感染症対策に万全を期す体制を整えるべく,新型 コロナウイルス感染症対策会議を設置した。そして,勤務する職員,研究活動 や展示場見学を目的とした来館者,あるいは業務委託をおこなっている外部業 者などの安全を確保するため,新型コロナウイルスの感染状況に応じて民博独 自の活動基準として,「新型コロナウイルス感染状況に応じたみんぱくの活動 基準」を定めた。...

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

ページトップへ