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検索結果 296 件

  • 底びき網への抵抗低減技術の複合的な実装による燃料消費量の削減

    五味 伸太郎, 松下 吉樹, 酒井 猛, 溝口 弘泰 日本水産学会誌 90 (3), 212-219, 2024-05-15

    <p> 以西底びき網において,漁具抵抗低減のため網目の拡大,網地量の削減,フラッパーの廃止,グランドロープの軽量化を複合的に適用した低抵抗網を作製した。低抵抗網と従来網の曳網を一組として計25組の操業試験を実施し,曳網時の燃料消費量を比較した。その結果,低抵抗網曳網時の燃料消費量は従来網曳網時の83.3–95.3%まで削減された。一方,一曳網当たりの総水揚量と主要種の平均水揚量は低抵抗網と従来網…

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  • 気候変動の予測研究と適応の意思決定をつなぐ

    高薮 出, 花崎 直太, 塩竈 秀夫, 安部 大介, 生駒 栄司, 石川 洋一, 江守 正多, 大塲 あい, 小埜 恒夫, 嶋田 知英, 田浦 健朗, 高橋 潔, 仲江川 敏之, 中北 英一, 西森 基貴, 初鹿 宏壮, 福渡 潔, 真砂 佳史, 三上 直之, 横木 裕宗, 吉川 実, 渡部 雅浩 水文・水資源学会誌 37 (2), 167-176, 2024-05-05

    <p> 昨今,気候予測や影響評価に関する様々な情報が創出・発信されている.しかし依然として個々の意思決定者のもとにまでそれらの情報は行きわたっておらず,気候変動適応に関する意思決定がなされるまで効果的に利活用されているとは言い難い.この課題に対し,様々な分野の専門家が集まり,①気候予測と影響評価の専門家と適応策の意思決定者の関係はどうあってそれぞれ何をすべきか,②気候予測と影響評価の専門家と適応…

    DOI Web Site 参考文献3件

  • 2012年から2013年の女川湾における植物プランクトン群集について

    奥村 裕, 増田 義男, 鈴木 矩晃, 色川 七瀬, 片山 亜優 La mer 61 (3-4), 259-274, 2024-03-27

    女川湾で2012年1月~2014年2月にかけて,植物プランクトンの群集組成を調べた。Chl. <i>a</i> 量は冬から春にかけて高い傾向にあり,珪藻が保持するFuco 量も似た傾向を示したことから,春季ブルームは主に珪藻によるものと考えられた。6 月にはChl. <i>b</i> 量が高い傾向にあり,ピコプラシノ藻が増加していた。出現割合は平均2%にも満たないが,ラン藻は,夏に出現する傾向が…

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  • ダム湖におけるChlorophyll-<i>a</i>量への温暖化影響:経験モデルによる解析

    占部 城太郎, 丸岡 奈津美, 榎本 めぐみ, 髙野 (竹中) 宏平, 一柳 英隆, 小黒 芳生, 石郷岡 康史, 中静 透 陸水学雑誌 84 (3), 187-201, 2023-09-25

    <p> 藻類現存量の指標であるクロロフィル<i>a</i>量は重要な水質要因である。そこで,1990年から2010年にかけて水辺の国勢調査で測定された日本各地に点在する91ダム湖のクロロフィル<i>a</i>量(以下chl-<i>a</i>量)を解析した。その結果,chl-<i>a</i>量は北から南のダム湖に向かって増加し,温量指数との間に有意な正の相関が見られた。この結果をもとに,MRI-C…

    DOI Web Site Web Site 参考文献31件

  • ミトコンドリアDNA調節領域と鰭条数の地理的変異から推定したババガレイの集団構造

    三澤 遼, 成松 庸二, 八木 佑太, 斉藤 憲治, 甲斐 嘉晃 日本水産学会誌 89 (5), 406-413, 2023-09-15

    <p> ミトコンドリアDNAの調節領域480塩基対の配列差異と,背鰭・臀鰭・胸鰭軟条の3計数形質における形態的差異に基づき,ババガレイの集団構造を推定した。日本海と太平洋の個体間で遺伝的分化は確認されなかったが,背鰭・臀鰭条数は日本海と太平洋の個体間で有意に異なった。本種の浮遊仔魚期間は約85日と長く,生活史初期における分散によって海域間で遺伝子流動が起こっているものの,着底後の日本海と太平洋の…

    DOI Web Site 参考文献27件

  • 仙台湾における水質環境の推移とその変動要因

    石川 哲郎, 三浦 瑠菜, 田邉 徹, 増田 義男, 矢倉 浅黄, 阿部 修久, 髙津戸 啓介, 奥村 裕 日本水産学会誌 89 (4), 353-364, 2023-07-15

    <p> 長期モニタリングデータを用いて,震災前後で仙台湾の水質環境(水温,塩分,DO,栄養塩類)に変化が生じているか検討した。震災後,震災前と比べ,栄養塩類とDOは低下し,水温と塩分は上昇する傾向が認められた。震災後の栄養塩類(DINとDIP)の減少は底層で大きく,春季に栄養塩に富む親潮系水の波及が減少した一方で栄養塩が少ない黒潮系水が波及するようになった影響や,震災で生じた底質の変化による夏季…

    DOI Web Site 参考文献12件

  • 水槽実験によるスルメイカの擬餌針捕捉行動の観察

    松井 萌, 山本 潤 水生動物 2023 (0), AA2023-12-, 2023-06-14

    擬餌針のシャクリ運動とスルメイカの擬餌針捕捉行動の関係を明らかにするために、実験水槽にスルメイカ62個体を収容し行動観察を行った。実験水槽内に擬餌針を投入してシャクリを行うと、擬餌針を認識したスルメイカは擬餌針の方向に体軸を向けて接近して捕捉を行った。一連のシャクリ動作中、スルメイカは擬餌針が落ちていくタイミングで行動を開始し、擬餌針が上昇していくタイミングで行動を開始する個体は見られなかった。…

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  • 能登周辺海域におけるマイワシ仔魚とカタクチイワシ仔魚の摂餌生態の違い

    森本 晴之, 北島 聡, 高橋 卓, 後藤 常夫, 井口 直樹 水産海洋研究 87 (2), 77-92, 2023-05-25

    <p>能登周辺海域において,主産卵期5月にマイワシ・カタクチイワシ仔魚の採集を行い,開口直後の食性を比較した.主要な餌は両種ともにカイアシ類の卵と<i>Oithona</i>属のノープリウス幼生であり,仔魚の体長が増大するにつれて摂餌可能な餌が大型になった.体長5–10 mmの仔魚の空胃率はカタクチイワシの方が高く,成長するにつれてその割合は増加した.またカタクチイワシ仔魚はマイワシ仔魚に比べて…

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  • 2003–2020年におけるマイワシ太平洋系群の成長変動要因を探る

    谷津 明彦, 和田 時夫, 斎藤 克弥, 由上 龍嗣 水産海洋研究 87 (2), 93-101, 2023-05-25

    <p>マイワシ太平洋系群の成長は,2010年代の資源回復に伴い遅くなった.先行論文では,2010年代には1970–1980年代の高資源水準期より強い密度効果が認められ,索餌域(親潮・黒潮親潮移行域)の7月の動物プランクトン現存量の低下が原因とされたが,索餌域の面積は検討されなかった.また,2014/15年にはレジームシフト(RS)が生じたとされる.そこで,本研究では2003–2020年における本…

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  • 北太平洋西部におけるアホウドリ科2種の胃の中のプラスチック

    酒井 理佐, 山田 和佳, 西澤 文吾, 越智 大介, 新妻 靖章, 綿貫 豊 日本鳥学会誌 72 (1), 57-66, 2023-04-25

    <p>北太平洋西部の日本列島本州沖にて2014年から2018年に混獲されたコアホウドリ<i>Phoebastria immutabilis</i> 96個体とクロアシアホウドリ<i>P. nigripes</i> 25個体の胃内容物を調べた.胃内にプラスチックを持っていた個体の割合はコアホウドリ(91%)の方がクロアシアホウドリ(48%)より高く,この傾向は北太平洋中央部での先行研究と同じであり…

    DOI Web Site 参考文献34件

  • 砂浜生態系における栄養基盤としての海起源と陸起源有機物の相対的重要性

    塩澤 直人, 柚原 剛, 由水 千景, 冨樫 博幸, 陀安 一郎, 占部 城太郎 応用生態工学 25 (2), 115-128, 2023-03-31

    <p>砂浜海岸では,海藻や海洋生物遺骸などの有機物が漂着供給され,一方,陸からは海浜植物群落や沿岸林から有機物がもたらされる.したがって,砂浜海岸に生息する甲殻類・昆虫類などの節足動物は,海起源有機物と陸起源有機物の双方を直接あるいは間接的に餌資源として利用していると考えられるが,各有機物への寄与率は良くわかっていない.そこで,砂浜海岸に生息する節足動物の炭素・窒素・硫黄の安定同位体比を調べるこ…

    DOI Web Site Web Site 被引用文献2件 参考文献17件

  • 鯨類追込網漁業により得られた発見記録からみた秋季および冬季の熊野灘南部海域における鯨類の来遊状況

    橋田 佳央梨, 船坂 徳子, 前田 ひかり, 貝 良文, 吉岡 基 日本水産学会誌 89 (2), 102-114, 2023-03-15

    <p> 和歌山県太地町における,鯨類追込網漁業により得られた鯨類発見記録を用いて,熊野灘南部海域における鯨類の来遊状況を調べた。秋季から冬季の操業で得られた計31漁期の記録から22種(ヒゲクジラ類5種,ハクジラ類17種)の鯨類が確認された。発見数が多かった13種は,来遊時季のピークによって4つのグループ(9–10月,11–12月,1–2月,ピークなし)に大別された。黒潮大蛇行により発見率が減少す…

    DOI Web Site 参考文献25件

  • 西部北太平洋・縁辺海における乱流鉛直混合による栄養塩輸送に関する研究

    田中 雄大 海の研究 32 (1), 1-16, 2023-01-15

    <p>西部北太平洋およびその縁辺海は,世界でも有数の生物生産の高い海域として知られている。この研究では,乱流鉛直混合という物理過程に注目し,乱流計を用いた船舶観測を中心として,高い植物プランクトン生産の維持に寄与する栄養塩輸送過程の解明に取り組んだ。ベーリング海南東部の大陸棚斜面域での乱流観測および採水観測と,数値実験から,潮汐混合に伴う下層からの硝酸塩・鉄供給が,夏季の持続的な植物プランクトン…

    DOI Web Site 参考文献60件

  • 不漁問題渦中の小型いか釣り漁業経営の実態―青森県の事例―

    神山 龍太郎, 宮田 勉 日本水産学会誌 89 (1), 68-70, 2023-01-15

    <p> 本研究は青森県小型いか釣り漁業のスルメイカ不漁期における経営実態を明らかにすることを目的とした。2020年11月から2021年2月に青森県内の主要2漁協の小型いか釣り漁業者12名から2019年の経営データを収集した。うち1漁協から29隻分の2011–2019年の水揚金額等のデータを収集した。12隻のうち11隻の経営でいか釣り漁業の収支が赤字であった。1経営の総漁業利益の平均値は漁業共済が…

    DOI Web Site 被引用文献1件

  • 金原ダム湖におけるオオクチバスの機能的根絶

    坪井 潤一, 片野 修, 水本 寛基, 荒木 仁志 保全生態学研究 28 (2), 437-452, 2023

    <p>オオクチバス<i>Micropterus nigricans</i>は水圏生態系に大きな影響を与えることからIUCNの世界の侵略的外来種ワースト100に指定されている。オオクチバスの駆除は多くの湖沼や河川で行われているが、小規模な水域における池干しを除くと、完全駆除に成功した事例は少ない。そこで本研究では、長野県の金原ダム湖において2007年からオオクチバス根絶のため、産卵床の除去、仔稚魚…

    DOI Web Site 研究データあり 参考文献1件

  • 和歌山県沿岸に設置された表層型浮魚礁周辺におけるカツオの移動,食性,肥満度および成熟

    山根 弘士, 安江 尚孝, 清藤 秀理 日本水産学会誌 88 (6), 453-462, 2022-11-15

    <p> 和歌山県沿岸の表層型浮魚礁周辺で漁獲されたカツオの移動,食性,肥満度および成熟を調べた。浮魚礁での標識放流後に再捕された39個体のうち,25個体が放流元の浮魚礁での再捕であった。胃内容物分析では,各漁獲日における餌生物の摂餌個体率は0-28.6%であった。卵巣の観察では,未熟段階が全体の76.9%と多く,産卵可能な状態の個体は少なかった。以上より,浮魚礁は高い集魚効果が示唆されたが,その…

    DOI Web Site 参考文献17件

  • 日本海南西海域産アカムツの資源特性値の把握と資源量推定

    金元 保之, 八木 佑太, 田中 空太, 金岩 美幸, 松本 洋典, 大田 寿行, 河野 光久, 寺門 弘悦, 道根 淳, 川内 陽平, 酒井 猛, 矢野 寿和, 金岩 稔 日本水産学会誌 88 (5), 365-385, 2022-09-15

    <p> 本研究では日本海南西海域産アカムツを対象とし,耳石横断薄層切片を用いた年齢査定により年齢体長キーを作成し,山口県下関漁港および島根県浜田漁港における漁獲情報から年齢別漁獲尾数を推定した。さらに,沖合底びき網漁業の漁獲成績報告書からデータフィルタリングによりアカムツの狙い操業を抽出した標準化CPUEを算出した。チューニングVPAにより資源量などを推定し,レトロスペクティブ解析により推定結果…

    DOI Web Site 参考文献23件

  • 地域間で異なるサクラマス沿岸漁獲量の経年変化

    長谷川 功, 佐藤 正人, 佐藤 俊昭, 鈴木 悠斗, 吉澤 良輔, 南條 暢聡, 静 一徳, 粕谷 和寿, 工藤 充弘, 福井 翔, 佐藤 俊平 日本水産学会誌 88 (5), 339-344, 2022-09-15

    <p> 2000年以降のサクラマス沿岸漁獲量は,日本海側で減少傾向,北海道太平洋側およびオホーツク海側で増加傾向,本州太平洋側ではどちらともいえなかった。毎年の沿岸漁獲量には,気候変動など,経年的に変化する自然環境要因が各年級群に与える影響が強いことが示唆された一方,ふ化放流事業の効果は不明瞭であった。したがって,サクラマスの資源管理にはふ化放流事業よりも自然選択を受けながら再生産を続ける野生魚…

    DOI Web Site 被引用文献2件 参考文献15件

  • サザエ<i>Turbo sazae</i>地域集団間の遺伝的及び形態的分化

    柳本 卓, 張 成年, 酒井 猛, 澤山 周平, 林 順子, 斎藤 和敬, 若林 敏江, 山本 潤 日本水産学会誌 88 (5), 396-406, 2022-09-15

    <p> 日本におけるサザエの分布範囲を網羅する11地域から標本を収集しミトコンドリア16S rDNAとCOI塩基配列及び殻の棘タイプを分析した。塩基配列は2つのハプログループに分けられ,ハプログループ間の平均塩基置換率は16S rDNAで1.247%,COIで1.429%であった。日本海-東シナ海と太平洋の集団間でその頻度が大きく異なっていた。また各海域内地域集団間にも有意な遺伝的分化が検出され…

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  • 周防灘に生息するマコガレイの夏季から冬季にかけての経験水温・深度および離底行動の観測

    山本 宗一郎, 三田村 啓理, 黒川 皓平, 國森 拓也, 堀 正和, 荒井 修亮 日本水産学会誌 88 (5), 355-364, 2022-09-15

    <p> マコガレイ成魚30個体に水温・深度ロガーを装着し,2017年7月3日に周防灘姫島地先で放流して2個体から12-1月までのデータを得た。高水温となる9月の2個体の経験水温の最頻値は24-25℃(53.9-57.6%)であった。最高経験水温は27℃に達したが26℃以上の頻度は3.9-4.5%と低かった。深度データからは離底行動が観測され,連続した離底行動後に生息水深,生息水温,分布域等が変化…

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  • 太平洋沿岸域に分布するマアジの成長の海域差

    渡邊 千夏子, 後藤 直登, 武田 崇史, 岡田 誠, 長谷川 淳 水産海洋研究 86 (3), 123-131, 2022-08-25

    <p>2011年から2014年に,太平洋側の宇和海,紀伊水道,熊野灘,相模湾および常磐・房総海域の5海域で採取されたマアジについて,耳石横断面観察による年齢査定を行った.海域別のvon Bertalanffy成長曲線から各年齢の尾叉長を推定し,海域間で成長を比較した.宇和海では,各年齢の尾叉長は他の海域に比べ大きく,常磐・房総海域では他の海域より小さく,紀伊水道,熊野灘および相模湾では両海域の中…

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  • 改正漁業法下での様々な代替漁獲管理規則の検討:マイワシ2系群を例に

    市野川 桃子, 西嶋 翔太, 向 草世香, 黒田 啓行, 大下 誠二 日本水産学会誌 88 (4), 239-255, 2022-07-15

    <p> 漁獲管理規則は,資源や漁獲の状態などに依存して毎年の許容漁獲量を決定する規則である。本研究は,マイワシ2系群を例に,複数の漁獲管理規則のパフォーマンスを比較し,2021年から管理に導入された規則と同程度の漁獲を得ながら,不確実性に対してはより頑健な規則があることを示した。また,現在の将来予測手法は将来のリスクを過小評価していることも示した。リスクの推定が過小である状況下では,不確実性に対…

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  • 資源量低迷期における干潟でのクルマエビポストラーバと稚エビの出現状況

    阪地 英男, 西本 篤史 日本水産学会誌 88 (2), 40-48, 2022-03-15

    <p> 2018-2020年の夏から冬に伊勢湾,三河湾,浜名湖の干潟において,えびかきソリネットによるクルマエビの採集を行った。いずれの地点でも夏から秋にかけて着底直後のポストラーバを確認したことから,資源量低迷期の現在でもこれらの海域の干潟が天然個体の着底場となっていることが明らかとなった。一方,7月下旬に着底のピークがみられていた資源量高水準期に比べて,現在の着底のピークは1-4か月遅くなっ…

    DOI Web Site Web Site 参考文献7件

  • 2018年春季の女川湾における麻痺性貝毒原因プランクトン<i>Alexandrium</i> spp.のブルームとその要因

    増田 義男, 山﨑 千登勢, 奥村 裕, 岡村 悠梨子, 垂水 裕樹, 雁部 総明, 矢倉 浅黄, 田邉 徹, 阿部 修久, 藤田 海音, 他力 将, 成田 篤史 水産海洋研究 86 (1), 19-31, 2022-02-25

    <p>宮城県中部海域の女川湾において,2018年に<i>Alexandrium</i> spp.が高密度化し,38年ぶりにホタテガイで麻痺性貝毒が発生した.そこで本研究では,海洋環境および競合すると考えられるケイ藻との関係を調べることで,<i>Alexandrium</i> spp.の増殖要因について検討を行った.宮城県沿岸域では,2018年春季に暖水の影響が強まった.そのことで<i>Alexa…

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  • サクラマスの海洋生活期における成長様式の地域間変異

    福井 翔, 大熊 一正, 下田 和孝, 長谷川 功 日本水産学会誌 88 (1), 20-22, 2022-01-15

    <p> サクラマスにおける成長様式の地域間変異を明らかにするため,北海道の3地域(太平洋,日本海,オホーツク・根室海峡)の河川および港湾から放流された群を対象に,標識再捕獲調査を実施した。体サイズの経時的変化を地域間で比較し,成長様式の違いを検討した結果,太平洋の成長速度が最も速く,海洋生活期前半で日本海よりも太平洋の方が小さかった体サイズ差は,同期後半に解消された。</p>

    DOI Web Site Web Site 被引用文献1件 参考文献4件

  • 栄養塩類変動が内湾の生態系・生物生産に及ぼす影響:大阪湾

    藤原 建紀, 鈴木 健太郎, 木村 奈保子, 鈴木 元治, 中嶋 昌紀, 田所 和明, 阿保 勝之 水環境学会誌 45 (3), 145-158, 2022

    <p>海域の全窒素 (TN) ・溶存無機態窒素 (DIN) が大きく低下した大阪湾において, 生態系の栄養段階ごとに生物量の経年変化および季節変動パターンの変化を調べた。調査期間の1990~2019年には, 経年的水温上昇はほとんどなかった。DINの低下に伴って, 一次生産量が減り, クロロフィルで測った植物プランクトン量が減り, これが繊毛虫・カイアシ類などの動物プランクトンの減少, …

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  • 瀬戸内海吉井川および高梁川河口周辺域におけるトラフグ稚魚の出現状況

    草加 耕司, 片町 太輔, 小島 大輔, 佐藤 尚史 水産増殖 70 (4), 321-330, 2022

    <p>瀬戸内海に分布するトラフグの初期生態を明らかにするため,2010-2012年の6-8月に吉井川および高梁川河口周辺域の砂泥浜において,小型曳網による稚魚採集を行った。全長9.8-67.9 mm,計206個体のトラフグ属が採集され,mtDNA 分析によりシマフグ124個体(60.2%),トラフグ75個体(36.4%),クサフグ 4 個体(1.9%),コモンフグ 3 個体(1.5%)の 4 …

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  • 島原湾・有明海におけるニシン科魚類2種(コノシロ・サッパ)間の初期生活史の比較

    王 暁東, 東島 昌太郎, 八木 佑太, 木下 泉, 藤田 真二, 広田 祐一, 指田 穣, 山中 拓也 La mer 59 (3-4), 101-112, 2022

    ニシン科のコノシロおよびサッパは,島原湾・有明海における仔魚相の優勢種であり,それぞれ春および春-夏に産卵し,これら2種の仔魚分布は,春季の湾奥河口域において部分的に重なっていた。そのため,両種間の浮遊期でのニッチェの競合の可能性が考えられた。そこで,両種の初期生活史を詳細に比較するために,仔稚魚を浮遊期,底生期および接岸期に分けてそれぞれ稚魚ネット,桁網および小型曳網によって,2006および2…

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  • 海洋学の10 年展望2021:新たな手法と問題

    平井 惇也, 宮 正樹, 藤木 徹一, 吉田 聡, 乙坂 重嘉, 帰山 秀樹, 加古 真一郎, 片岡 智哉, 松岡 大祐, 日高 弥子, 杉山 大祐, 小嶌 不二夫 海の研究 30 (5), 227-253, 2021-11-15

    <p>観測や分析技術の革新は海洋学を大いに発展させてきたが,同時に海洋環境汚染など人間活動に伴う新たな問題も浮き彫りにしてきた。本稿では,今後10 年の海洋学の発展に関わる新たな手法として,環境DNA,BGC Argo,バイオロギングに着目した。また,2011 年の東北地方太平洋沖地震以降の継続した問題である海洋放射能,ならびに近年急速に注目を集める海洋プラスチックを,新たな問題として取り上げた…

    DOI Web Site Web Site 被引用文献5件 参考文献167件

  • 気候変動の予測情報を利用者まで届けるには

    高薮 出, 花崎 直太, 塩竈 秀夫, 石川 洋一, 江守 正多, 嶋田 知英, 杉崎 宏哉, 高橋 潔, 仲江川 敏之, 中北 英一, 西森 基貴, 橋爪 真弘, 初鹿 宏壮, 松井 哲哉, 山野 博哉, 横木 裕宗, 渡部 雅浩 水文・水資源学会誌 34 (6), 377-385, 2021-11-05

    <p> 過去20余年にわたり,気候変動とその社会への影響に関する膨大な予測情報や知見が創出されてきた.しかし,これらの予測情報や知見が国・地方公共団体や事業者などに広く利活用されるようになるまでにはまだ様々な課題が残っている.そこで,気候予測と影響評価に関する研究に長く携わってきた著者らが現在見られる各種の障害や,解決の糸口について議論した.その結果,気候予測・影響評価・利用者のコミュニティーに…

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  • 北海道の渓流魚を対象とした治山ダムの改良効果の検証:長期モニタリングによる検証と環境 DNA の活用可能性

    速水 将人, 石山 信雄, 水本 寛基, 神戸 崇, 下田 和孝, 三坂 尚行, 卜部 浩一, 長坂 晶子, 長坂 有, 小野 理, 荒木 仁志, 中嶋 信美, 福島 路生 応用生態工学 24 (1), 61-73, 2021-07-28

    <p>河川上流域に多数設置された治山ダムは,渓流や森林の荒廃を防ぐ重要な役割を果たす一方で,渓流魚の河川内の自由な移動を阻害している.こうした状況に鑑み,河川生態系の保全を目的とした改良事業(魚道の設置,堤体の切り下げ)が国内の多くの治山ダムで実施されている.本研究では,北海道 3 河川に設置された治山ダムを対象に,魚道設置と切り下げによるダム改良工事が,その上下流の渓流魚類相に与える影響につい…

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  • オイスターバー向け殻付カキの外観品質評価—潜在クラスモデルによるコンジョイント分析—

    宮田 勉, 神山 龍太郎, 若松 宏樹 日本水産学会誌 87 (4), 400-408, 2021-07-15

    <p> 成熟期にあるオイスターバー市場に向けた殻付カキの商品開発を支援することを主目的に,殻付カキの外観品質に関する消費者評価実験を行った。潜在クラスによるコンジョイント分析の結果から3つのクラスに回答者は分けられ,そのうちの1つのクラスでは,一般的にオイスターバーで流通する国産殻付カキに対する支払い意思額が687円/個,身入りはやや小振り,殻サイズは大型貝が好まれ,同時に小型貝でも受け入れるこ…

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  • 時空間統計モデルおよびRのパッケージVASTの概要と国際水産資源への適用事例

    甲斐 幹彦, 塚原 洋平, 橋本 緑 日本水産学会誌 87 (4), 334-347, 2021-07-15

    <p> 近年,統計ソフトRを用いて時空間統計モデルの解析を可能にするVector Autoregressive Spatio-Temporal model(VAST)が注目されている。しかし,VASTの詳細を日本語で記述した文書はこれまで発表されていない。本稿の目的は,VASTの概要(モデル構造,推定方法の理論,専門用語等)および実際の国際水産資源(クロマグロ,サンマ,アオザメ)への適用例を示す…

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  • 由良川出水に起因する若狭湾の急潮

    熊木 豊, 広瀬 直毅, 井桁 庸介, 兼田 淳史, 鮎川 航太, 上野 陽一郎 水産海洋研究 85 (2), 54-68, 2021-05-25

    <p>若狭湾では気象擾乱や対馬暖流の接岸に起因する急潮が発生し,湾内の定置網をしばしば損壊させる.定置網の急潮被害は湾口部で多いが,台風1102号通過後には湾奥部で集中的に被災した.この特異的な急潮の発生機構解明に向けて,若狭湾を計算領域とする水平格子間隔500 mの高解像度海洋循環モデルを構築した.本モデルに台風1102号通過に関連した強風や由良川出水等の効果を入力すると,台風通過後の半日から…

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  • 資源管理における参加型モデリングへのステークホルダーの関与の可能性と課題

    半沢 祐大, 山川 卓, 亘 真吾 日本水産学会誌 87 (3), 225-242, 2021-05-15

    <p> EU,米国,そして我が国を対象に,最大持続生産量(MSY)に基づく資源管理におけるステークホルダー(SH)の関与の状況および参加型モデリングの事例を踏まえて,我が国の新たな資源管理におけるSHの関与の可能性を議論した。参加型モデリングを通じた適切なSHの関与は,信頼関係の構築,SHの知識の活用,SHの参加や理解の促進等によって実現される。一方で,国際情勢や資源変動の不確実性に起因する参加…

    DOI Web Site Web Site 被引用文献1件 参考文献50件

  • 北海道周辺の4つのウトウ繁殖地における餌および雛の体重の違い

    大門 純平, 伊藤 元裕, 長谷部 真, 庄子 晶子, 林 はるか, 佐藤 信彦, 越野 陽介, 渡辺 謙太, 桑江 朝比呂, 綿貫 豊 日本鳥学会誌 70 (1), 37-52, 2021-04-23

    <p>北海道周辺の異なる海洋環境に位置する4つのウトウ<i>Cerorhinca monocerata</i>繁殖地において,2016–2017年に雛に持ち帰った餌と雛の体重(成長段階で補正)を調べた.松前小島,天売島,トド島の3繁殖地はそれぞれ対馬暖流の南部,中北部,北部に位置しており,トド島はオホーツク海の東樺太海流に由来する冷水塊にも近い.また,大黒島は沿岸親潮および親潮が流入する太平洋側…

    DOI Web Site Web Site 被引用文献2件 参考文献29件

  • How a Small Reef in the Kuroshio Cultivates the Ocean

    長谷川, 大介, 松野, 健, 堤, 英輔, 千手, 智晴, 遠藤, 貴洋, 田中, 雄大, 吉江, 直樹, 中村, 啓彦, 仁科, 文子, 小針, 統, 長井, 健容, 郭, 新宇 Geophysical Research Letters 48 (7), e2020GL092063-, 2021-03-25

    [Abstract] / Vertical nitrate fluxes associated with turbulent mixing and upwelling around a small reef in the Kuroshio are quantified by continuously deploying a turbulence microstructure profiler …

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  • ヒラメ<i>Paralichthys olivaceus</i>漁獲量の海域別変動特性と資源評価における系群区分法の検証

    木所 英昭, 八木 佑太, 阪地 英男, 山田 徹生, 本田 聡, 中川 雅弘, 栗田 豊 日本水産学会誌 87 (2), 78-88, 2021-03-15

    <p> ヒラメ漁獲量の地域的変動特性を明らかにするため1978-2017年の道府県別漁獲量を主成分分析によって解析した。第1主成分は本州北部太平洋側と本州中部太平洋側,および北海道の漁獲量と正の相関関係があった。しかし,日本海側の各地域の漁獲量とは負の相関関係となっていた。第2主成分は,太平洋側南部と瀬戸内海および東シナ海の漁獲量と正の相関関係となっていたが,日本海北部とは負の相関関係となってい…

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  • 大都市を流れる豊平川における河川地形の経年変化とサケ産卵環境への影響について

    有賀 望, 森田 健太郎, 有賀 誠, 植田 和俊, 渡辺 恵三, 中村 太士 応用生態工学 23 (2), 295-307, 2021-02-28

    <p>北海道札幌市を流れる豊平川では,1980 年代にまとまった個体数のサケの遡上が再開し,近年の調査では自然産卵由来の野生魚の遡上が平均 700 尾まで回復した.一方で,河川整備が進み,本来の扇状地河川が持つ礫河原の地形は失われてきた.川で自然再生産する野生サケにとって,河川地形の変化は繁殖に影響を与えていると考えられる.そこで,豊平川における地形因子(最深河床高変化量,平均河床高変化量,平均…

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  • 沖縄海域から採集されたリョウマエビ類の後期フィロソーマ幼生について

    小西 光一, 柳本 卓, 張 成年 水生動物 AA2021 (0), AA2021-7-, 2021

    沖縄県石垣島の南方海域で鋏脚を持つ後期フィロソーマ幼生2個体が採集された。これらの16S rDNA配列を解析し、またRobertson(1969)の発育段階表に基づき形態を調べたところ、ウデナガリョウマエビ(Justitia longimana)の7期及びリョウマエビ(Nupalirus japonicus)の8期幼生と判定された。また後期幼生の報告例がないハコエビ属(Linuparus)を除い…

    DOI 被引用文献1件

  • セミエビ科フィロソーマ幼生の同定.1. 概論

    張 成年, 柳本 卓 水生動物 AA2021 (0), AA2021-10-, 2021

    Morphological species identification of the phyllosoma larvae of spiny and slipper lobsters has been considerably difficult. Long planktonic period of phyllosoma larvae has made larval rearing …

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  • 海水標準物質の現状と将来展望 ─栄養塩CRMをはじめとして─

    村田 昌彦, 青山 道夫, チョン 千香子, 三浦 勉, 藤井 武史, 光田 均, 北尾 隆, 笹野 大輔, 中野 俊也, 永井 直樹, 児玉 武稔, 葛西 広海, 清本 容子, 瀬藤 聡, 小埜 恒夫, 横川 真一朗, 有井 康博, 曽根 知実, 石川 賀子, 芳村 毅, 内田 裕, 田中 辰弥, 粥川 洋平, 脇田 昌英 海の研究 29 (5), 153-187, 2020-09-15

    <p>海洋の長期変動を捉えるためには,海水標準物質が不可欠である。例えば,栄養塩は19世紀末の海洋学の黎明期の頃から世界各海域で測定が行われており,海洋の環境変動を捉えるのにも十分なデータ量の蓄積がある。しかし,栄養塩データに基づいた長期変動の解析は皆無に近い。これは,データの比較可能性を保証する標準物質が無かったことに起因している。現在,日本発で日本初でもある海水標準物質である栄養塩認証標準物…

    DOI Web Site Web Site 被引用文献1件 参考文献44件

  • 房総沿岸で小型漁船まぐろはえ縄漁業(かじき縄)により漁獲されるメバチ大型魚の漁獲特性

    石井 光廣, 石黒 宏昭, 篠原 徹, 野口 秀隆, 鈴木 正男, 堀川 宣明, 滝本 豊, 余川 浩太郎 水産海洋研究 84 (2), 71-78, 2020-05-25

    <p>房総沿岸で小型漁船はえ縄漁業(通称:かじき縄)によって漁獲されるメバチ大型魚の漁獲特性を整理した.かじき縄は,11月から翌年6月頃に房総沿岸の黒潮流路周辺で,日中に釣針の到達深度約70 mの浅縄操業を行い,主に尾叉長110 cm以上のメバチを漁獲していた.メバチの漁獲位置の月平均表面水温は18.5–23.2°Cであり,これまでのメバチの知見と異なり,日中に水深が浅く高水温の海域で漁獲されて…

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