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検索結果 1,047 件

  • ブロック練習に指摘される弱点は,実際に顕在化するのか?

    尾之上 高哉, 井口 豊 教育心理学研究 72 (1), 1-10, 2024-03-30

    <p> 本研究では,教育の現場でよく用いられるブロック練習に指摘される弱点が,実際に顕在化するか否かを検証した。その弱点とは,練習問題をブロック練習の構成で提示した場合,学習者が「問題の種類を見分けて,必要な方略を想起し,選択する」ことなく,「方略を問題に実行するだけ」になる,というものである。本研究では,それが特に顕在化し易い場面と想定される,1単元の学習計画の中の「各課題の学習を行う場面」で…

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  • 日本の幼児教育の文脈に即した「パターンと構造」介入プログラムの検討

    福澤 惇也 中国学園紀要 (22) 167-173, 2023-06-16

    ...近年,幼児期の算数数学教育の中でもパターンに関する教育的意義に注目が集まっている。国際的な先行研究の数々から,幼児教育の中でパターンを扱うことが,就学後の算数や数学の習熟および理解を助けることが明らかになっている。そのため,幼児教育においてパターンに関する教育的内容を保障することは有意義だと考えられている。...

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  • 児童の「速さ」の理解に関する調査研究一平均の考えを重視した4つの授業改善点ー

    山野, 定寿 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 29 21-29, 2023-03-31

    「速さの保存性」の基礎的理解ができていない状況が、筆者が調査した岡山県北部の児童79人にも見られた。走る時間や道のり、その他の状況(例えば坂道)で、速さAkm/hは様々に変わると捉えているのである。この問題を解決するために、これまで前提と考えられてきた平均による均一化をもっと児童に意識させ、学習している速さが平均速度であり、そのため走っている時間の間は、どこも速さはAkm/hであることを理解させ…

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  • 創造的数学力を育成する算数の学びの実践事例研究—第6学年の比の授業実践研究についての考察一

    山﨑, 湧太 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 29 8-13, 2023-03-31

    本研究の目的は,小学校算数科における創造的数学力を育成する授業づくりを第6学年の比の授業実践に焦点を当てて追究することである。一般的な比の指導における解明すべき実践的な探究課題は,決まりきった一方向の数学的な見方・考え方で間題解決に終始している点である。本事例研究では,比の利用の問題について,児童自らが創造的に多面的な見方・考え方を積極的に働きかけて問題に取り組むアプローチを重視することにより,…

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  • 高校数学の微分係数の理解を促す深い学びに関する研究ー教授学的状況理論とAPOS理論を用いて―

    林田, 崚, 岡崎, 正和 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 29 1-7, 2023-03-31

    本研究は,微分の定義の極限概念の理解における困難性を踏まえ,微分の定義の学習段階において深い学びが生じる授業を構成することを目指すものである.それに伴い,本稿では,協定的構成主義の知識観を採用し,その知識観に関連した理論であるAPOS理論と教授学的状況理論を相補的に援用することを試みた.理論検討においては二者の特性を考察し,題材の考察と分析にはAPOS理論を,実際の授業の形や工夫などを考察する際…

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  • 事象を数学化して課題を設定する方策一統合的・発展的な学びの拡張一

    黒﨑, 東洋郎, 杉能, 道明, 宮崎, 唯 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 29 38-46, 2023-03-31

    「数学的に考える力」は、課題解決学習を通して育成される。ところが、課題解決学習は、「How to solve It」にみられるように課題発見よりも課題解決に重点が置かれ、課題発見には学びの重みが置かれていない。変革の時代は、予測しにくい複雑で高度な事象が生まれ、何が解決すべき本当の課題なのかを自己決定する力が求められる。解決する前に、何が本当の課題かを発見する方が重要なのである。世界中で、変化に…

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  • 割合を探究的に学ぶ授業づくり~第5学年「割合の増減」を思考する場面を通じて~

    磯野, 嵩 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 29 14-20, 2023-03-31

    学習指導要領(2017)が改定されて割合の学習は一層重視されているが,難単元である「割合」は知識・技能偏重になってしまうという実状がある。そのため,資質・能力を目的として割合の授業を再構築していくことが喫緊の課題である。<br> 本稿では,第5学年の割合を活用する問題を,基準量×(1-0.1)と新しい割合を見いだして数学的に探究することを目的としたものである。基準量×(1-0.1)の考えを創造的…

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  • 聴くことに関するわが国の算数数学教育研究と他の教科教育研究による先行研究のメタ分析の比較から何がわかるか?

    紙本 裕一, 福田 博人 東京未来大学研究紀要 17 (0), 29-42, 2023-03-31

    ...<p> 算数数学教育研究と他の教科教育研究の先行研究との比較を通じて,算数数学教育研究で聴くことを研究している先行研究の特徴を明らかにする。分析の結果,算数数学教育研究では「,子ども」「行う」「研究」「多い」「聴く」「問題」「授業」「考える」「学習」「理解」「他者」「内容」「必要」「活動」「教師」「指導」「話す」について,使われている使用頻度の割合に有意差があったことが示された。...

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  • 関数概念の理解を深める授業開発に関する研究 : シンガポール数学科教科書をもとに

    赤井 秀行, 中村 真理, 坂井 武司 紀要 : research reports 53 1-8, 2022-12-24

    ...日本の算数数学教育において、関数は小学校段階から高等学校段階まで継続的に学習されている。しかし、近年の全国学力学習状況調査の結果からも、その意味理解において課題があることがうかがえる。そこで本研究では、中学校段階と高等学校段階の接続を円滑にすることをねらいとし、中学校数学科における関数の意味 理解に焦点をあてた授業を設計・実践し、その効果を検証することを目的とする。...

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  • 数学者・遠山啓の知的障害児教育論 ―東京都立八王子養護学校における算数数学教育実践に即して―

    香川 七海 日本教科教育学会誌 44 (4), 27-41, 2022-03-25

    ...先行研究では,教育界における遠山の事績は算数数学教育分野に特化して語られることが多い。ただ,1960年代末から,彼は八王子養護学校における教育実践に関与し,障害児を対象とする教科体系の創出に貢献していた。本稿では,遠山の知的障害児教育論の検討を通して,①知的障害児を対象に,算数数学教育分野の教科教育内容を足場として,1968年から1972年頃までの間に“原数学”の構想が形成されたこと。...

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  • 算数の事象を統合的•発展的に捉えて問題設定する方略一What if Not方略の援用を通して一

    黒崎, 東洋郎, 杉能, 道明, 宮崎, 唯 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 28 29-38, 2022-03-22

    変動の激しい時代を見据えて算数科では「数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を通して、数学的に考える」という方向性が示されている。その実現に向け「事象を数理的に捉え、数学の問題を見いだし、自立的、協働的に解決し、解決過程を振り返る」という問題発見・解決の過程が提言されている。変革の時代では、変化し続ける事象で何が問題かを見つける力が重要であり、算数の授業においても、問題発見力を育むことが不可欠…

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  • 正負の数の単元において式の関係の意識を高める学習場面を捉える

    岡崎, 正和, 大西, 修司, 横林, 慎也, 高田, 誠, 猪木, 実奈子, 川本, 芳弘 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 28 2022-03-22

    本稿は,算数から数学への移行という視点から,正負の数の単元を構想する上での基礎資料として,これまで実施した3つの授業を採り上げ,生徒が式の関係性の認識を高め,その意義を感じ取れる学習場面を同定することを目的とした。答えを求める方法を探究することを超えて,数字式を見直して正当化する場づくりを行い,その中で生徒が式の関係性に目を向けて,理由,整合性,数の組み合わせを探究するところに,代数に向けた式の…

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  • 操作的表現と図的表現を関連づけた算数の授業づくり一第6学年「組み合わせ方」の指導を通して一

    山野, 定寿 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 28 14-21, 2022-03-22

    本稿の研究の目的は、表現方法を相互に関連づける数学的活動を通して、組み合わせ方の簡単な方法を児童が自ら見つける授業づくりの研究である。組み合わせ方では、特に操作的表現と図的表現、操作的表現や図的表現と言語的表現を関連付けた授業構想を練り、授業実践を行った。その結果、多くの児童が、「○種類から△個選ぶ」ことは、「○種類から○ー△個選ばない」ことで、「○種類から○ー△個選ぶ」ことと同じ、というきまり…

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  • 見積もりを筆算に転移する算数科授業実践研究—第4 学年の2位数÷2位数の割り算を通して一

    山崎, 湧太 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 28 1-7, 2022-03-22

    本研究の目的は,小学校算数科における見積もりの活用の在り方を,第4学年の2桁で割る割り算の筆算の指導での授業づくりを追究することにある。一般的な2桁で割る割り算の筆算の指導における解明すべき実践的な探究課題は,単に形式的に「手隠し法」と呼ばれている手法を用いて,位に答えが立つかどうかをアルゴリズムに沿って指導しても,本質的な筆算指導の本質的な理解につながっていないことである。そこで, …

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  • 本質に根差した深い学びを目的とした授業づくり ~第2学年 かけ算の性質の発見とその活用を通して~

    磯野, 嵩 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 28 8-13, 2022-03-22

    本研究の目的は,算数科の本質に根差した深い学びを目指してどのように授業づくりをおこなえば良いのかを明らかにすることである。なぜなら,現行の学習指導要領では「主体的・対話的な深い学び」の視点から授業改善が行われているものの,深い学びに至らないという課題があるためである。また,低学年の算数の授業は日常生活や社会の事象を数学化する学習過程がイメージされがちで,低学年における深い学びの授業事例は少ない。…

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  • 答えは意外とシンプル -「玉は何回はね返るか」の授業実践-

    平井, 安久 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 28 39-45, 2022-03-22

    課題学習の事例として知られる「玉は何回はね返るか」の話題を1時間の授業内容として授業実践した。結果の意外性を強調する目標を保持するために,課題内容に含まれる要素の取捨選択および解決のカギとなる「対角線が通過するブロックの個数」の話題の扱い方について一つのパターンを示すことができた。

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  • 日本の中学校数学科「確率」は確率教育研究の知見をどのように反映しているか?

    石橋 一昴, 大谷 洋貴 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 543-546, 2022

    <p>平成29年に告示され令和3年より全面実施された中学校学習指導要領では,確率の扱いが変更され,経験的確率が第1学年で,理論的確率が第2学年で扱われることとなった.しかし,確率を2学年にわたって指導することについての合理的な説明はなく,先行する確率教育研究の成果がどのように反映されているかも明らかではない.そこで本稿では,確率教育研究の視点から現在の中学校学習指導要領における確率の指導について…

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  • メタファー思考に焦点を当てた活動における児童の意識に関する研究

    小泉 健輔, 谷 竜太, 植松 敬太, 半澤 諒 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 475-478, 2022

    <p>本研究の目的は,算数科においてメタファー思考に焦点を当てた活動の展開における児童の意識に着目し,その特徴を抽出することである.小学校第5学年「割合」の単元において授業実践を行い,その授業における児童の反応,並びに事後に行ったインタビュー調査を分析・考察の対象とした.本研究の知見として,以下の3点が得られた.1点目に,「割合とは~~のようなもの」と喩えようとする際の児童の当初の意識として,身…

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  • カレンダーの数学

    上野 祐一, 水谷 一心 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 299-230, 2022

    <p>新学習指導要領が導入され高校一年生は新しいカリキュラムにより授業が展開されるようになった.数学的な見方・考え方を働かせることや数学的活動により数学のよさを認識させることがより一層求められるようになっている.本稿では身近にあるカレンダーを用いて数学的な手法により様々なことを考える.カレンダーの性質を用いることで,任意に設定した年・月・日付の曜日を当てることが可能となる.その際にポイントになる…

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  • Kinectのモーション・キャプチャ機能に着目した現実モデルの修正

    松井 雄一郎, 松嵜 昭雄 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 419-422, 2022

    <p>筆者らは,全身20か所を認識し点で表現し,それらを結んで腕や足を線分で表現するモーション・キャプチャ機能を備えたICTであるKinectを用いて,児童を対象としたモデリング授業を設計・実践している.モデリング授業で児童らは,Kinectのモーション・キャプチャ機能によって表示されたコンピュータ結果と2つの課題曲に合わせて実際におこなったダンスである現実的結果を対比することになる.本稿では,…

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  • 漢字・計算力向上のための振り返り活動の効果について

    山崎 宣次, 松井 徹, 臼井 悠一, 今井 亜湖 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 399-400, 2022

    <p>筆者らは2017年以来A市と産官学で基礎学力向上(漢字・計算)のプロジェクトを進めてきた.昨年度は,ただ単にドリル学習をするのではなく,振り返り活動に重点をおいて実践してきた.その結果,実証校と非実証との比較で,漢字でも計算では正答率の変化に有意な差が認められた.また,正答率の伸びでは5年の計算以外は有意な差が認められ,振り返り活動の有効性が認められたと考えられる.</p>

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  • 数学的思考を養うためのビジュアル型プログラミング言語の活用の検討

    若尾 波月, 清水 克彦 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 321-324, 2022

    <p>現代社会では問題を思考し解決する力が重要視されており,加えて数学科においても数学的思考力の育成が求められている.また,プログラミング教育の必修化以降,横断的な授業の中でプログラミングをツールとして算数・数学を学ぶ機会が増加している.本研究では,プログラミングに顕れるプログラミング的思考とコンピュテーショナルシンキング,また数学的思考を「目的」,「動作・思考」,「道具」の3点で定義し比較する…

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  • 実生活で有機的に活用できる資質・能力を育てる科学教育カリキュラムの開発(4)

    島田 英一郎, 三崎 隆, 茅野 公穗, 村松 浩幸, 谷塚 光典 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 507-508, 2022

    <p>本研究では,小学校中学年かがく領域において開発された科学教育カリキュラムの下,算数をベースとしたSTEAM教育の授業を構想し,実践を試みた事例の実際と教育効果について報告する.小学校中学年かがく領域の実践における児童の学びを資質・能力表に基づいて価値づけることによって,児童に対して自分たちの身の回りにある実生活の課題の解決に向かう資質・能力の獲得を促すことができることが明らかとなった.本研…

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  • 中学校数学の「文字式による説明」指導への接続を踏まえた授業実践と児童の理解の様相

    草桶 勇人 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 479-482, 2022

    <p>中学校になると,生徒は数量関係を理解して数量を文字式で表したり,文字式を用いて説明したりすることに困難を示すことが多いという報告がある.そのため本研究では,下村(2020)の学習の在り方「1.数の構成を図的に捉える.」「2.式への表現を意図した課題.」「3.偶数と2の倍数は同じである.」ことを基に小学校における授業の具現化を考えた.本研究の目的を,文字式の説明について,中学校数学への接続を…

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  • リスク社会に対応した算数・数学科における授業実践

    柗元 新一郎, 高山 新悟 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 503-506, 2022

    <p>本研究の目的は,リスク社会における数学教育の貢献のあり方について,授業実践を通して検討することである.そこで,児童・生徒が自分事となるリスクを既習の算数・数学を用いて検討して評価する授業として,小5の児童を対象とした「安全に避難できるのはどのルート」という授業を開発した.授業の実際と児童の活動を基に考察を行い,リスクを算数・数学の授業で扱う際の3つの留意点を明らかにした.1) …

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  • 高等学校家庭科と数学科における教科横断授業に関する実践家・研究者間の協働省察の分析

    中和 渚, 高阪 将人, 小林 久美, 森田 大輔, 齋藤 和可子, 渡辺 快 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 529-530, 2022

    <p>本稿では実践後の研究者・実践家の省察を分析して,高等学校数学科と家庭科の教科横断に関する意義や課題を明確化することを目的とする.具体的には,2022年2月に実施した高等学校家庭科の授業において実施した「人生すごろく」の実践後の省察に注目する.研究方法として,フォーカスグループディスカッションにより,授業実践後にオンライン会議システムで授業作りに関わった関係者(家庭科教育,数学教育専門合計6…

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  • 高校教科書に出現する科学用語分析

    坂谷内 勝 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 341-342, 2022

    <p>高校の数学、物理、化学、生物、地学、情報の教科書から科学用語を収集し、現在と10年前と20年前を比較して分析を行った。分析の結果、科学用語の総数の変遷は、20年前、10年前、現在の順に増加している。20年前と比べて現在の科学用語数が最も増加した教科は生物である。以下増加した順に、化学、物理、数学、地学である。現在の数学用語は以前から既出していた用語が約4割で、消失した用語数より新出した用語…

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  • 高等学校家庭科と数学科における教科横断授業内容と生徒の記述に基づく反応類型

    小林 久美, 中和 渚, 齋藤 和可子, 高阪 将人, 森田 大輔, 渡辺 快 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 431-432, 2022

    <p>本稿の目的は,高等学校家庭科における数学科との教科横断に関する授業の内容と生徒の学習について,評価・検討を行うことである.本稿ではSTEM教育の4つの統合の度合い(Vasquez et al., 2013)に注目して2教科の教科横断の程度を捉えた.その4つの統合の度合いのうち統合の度合いが最も高いTransdisciplinaryアプローチを用いて,高等学校家庭科の授業を構想し,2022年…

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  • 仮説検定の考え方における確率の意味に関する教科書分析

    大谷 洋貴, 石橋 一昴 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 547-548, 2022

    <p>仮説検定の考え方の指導には課題が山積している.本稿では,仮説検定の考え方の指導において確率がどのような意味で用いられているのかを明らかにするため,全5社の教科書を分析した.その結果,3社では確率という言葉の使用が避けられていること,経験的確率の意味で確率が使われていること,経験的確率と理論的確率のどちらでもない確率があること,を確認することができた.</p>

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  • 中学3年生におけるPP問題を題材とした割合の授業実践

    杉山 智子, 熊倉 啓之 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 413-416, 2022

    <p>本稿は,中3での指導に焦点を当て,PP問題を題材とした割合に関する教材を開発して実践し,そこでの生徒の反応を分析して,小中高を一貫する割合指導の体系的カリキュラム構築に関する示唆を得ることを目的とする.そのために,まず事前調査を実施して,PP問題の理解が十分でない実態を明らかにした.次に,中3の単元「簡単な多項式」に関わるPP問題を開発して授業を実践した.授業中の生徒の反応を分析した結果,…

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  • 生徒の一般化の水準の同定とその指導への示唆

    安部 瞭冴, 清水 克彦 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 483-486, 2022

    <p>高等学校学習指導要領解説理数編(2018)において数学における問題発見・解決の過程のイメージ図が提言された.この過程の中に生徒が問題を生成する段階が存在するが,現在の数学教育では生徒が問題の生成に関わることはないため,困難を感じる生徒が多いと考える.この困難にパターンを見出し,水準を設定することで水準ごとに困難を感じる原因やその対策などが明らかになると考える.この水準を設定するために都内の…

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  • 概念変容モデルからみた小数の乗法の指導

    岸本 忠之 日本科学教育学会年会論文集 46 (0), 333-334, 2022

    <p>本稿の目的は,3つの概念変容モデルを視点として,教科書での取り扱いの理論的背景を検討するとともに,モデルから導かれる指導への示唆を得ることである.小数の乗法の指導を3つの概念変容モデルに位置付けた.その結果,Posnerら(1982)では,倍の考えによる場面が有効であること,Hashweh(1986)では,累加の考えによる意味(個数のいくつ分)と割合の考えによる意味の対比が必須であること,…

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  • 学校数学における二次元表理解のための足場設定

    石橋 一昴, 塩澤 友樹 日本科学教育学会研究会研究報告 36 (2), 209-214, 2021-12-19

    ...<p>データに潜む複雑な現象を解明するためには,質的変数 (質的データ) 間の関係を分析する必要がある.その場合,それぞれの変数の応答カテゴリーのペアに応じて度数を集計し,結果を表にまとめて表示する二次元表を用いることが効果的である.このような背景から,日本の算数数学教育においても,二次元表の指導が重要視され始めている.その一方で,全国学力・学習状況調査の結果から,二次元表の理解の困難性が指摘されている...

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  • 算数数学教育における弁証法的発展を志向した授業の教育的意義に関する一考察

    石原 大地 日本科学教育学会研究会研究報告 36 (2), 203-208, 2021-12-19

    ...<p>本稿では,ラカトシュの可謬主義の見地から,数学の発展を弁証法的に解釈することの意義と課題について考察した.また,算数数学教育において弁証法的発展を志向した授業を構想することが如何なる教育的意義を持ちうるか,前述の議論を踏まえながら検討した.そこでは,今日の算数数学教育で重視される「数学的な考え方」の一側面や,教育課題についても触れながら,教育的意義として,先行研究で指摘されているものに加えて...

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  • 和算の「遺題継承」と算数・数学の「深い学び」

    鈴木, 将史, SUZUKI, Masashi 教育学論集 (73) 171-187, 2021-03-31

    ...筆者は2018年4 月から3 年間の計画で、「江戸期の和算における教育課程の探究を 通した算数数学教育刷新の提案」とのテーマのもと科学研究費補助金を受けて研究 を続けてきた。そもそもの発想は、「江戸時代には和算と呼ばれる数学が大変発達し、 日本全国で算術教育を行う塾が盛んであったことはよく知られているが、そこではど のような教育課程に従って算術が指導されていたのであろうか?」...

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  • 「統合的・発展的に考える」に関する考察

    黒崎, 東洋郎 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 27 47-56, 2021-03-12

    変動の時代に対応する持続可能な資質・能力を育成するため、算数・数学科では、「数学的に考える」が資質・能力として告知されている。数学的に考える力として、「統合的・発展的に考える」が推奨されている。統合的•発展的思考は、数学教育の現代化のときに叫ばれが、具体化、アプローチの仕方が究明できないまま終止符をうった経緯がある。本研究では、再度強調された「統合的・発展的に考える」を見直し、真の算数の学びを創…

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  • 数学的モデリングを用いた授業の提案

    河瀬, 敦帆 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 27 11-20, 2021-03-12

    日本の中学生・高校生は数学の力が国際的に高い水準にあるにもかかわらず現実世界との関連を充分理解しておらず、入学試験以外の面に数学を学ぶ意義や社会における数学との有用性をあまり感じていない生徒が多いといわれる(北澤・浜野,2000)。さらに、近年では、大学入試が「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」に名前を変え、日常生活と結び付けた問題で知識を活用する能力や思考力を問うものが増えてきて…

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  • 奇妙な因数分解

    平井, 安久 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 27 57-64, 2021-03-12

    高校数学であつかう因数分解の題材について,たすきがけを用いない通常とは異なる方法を中学生用教材として再構成した。数式の表記やカラクリを説明する方法を工夫して, 中学3年生対象に授業実践をおこなった。教材としての有用性や困難な点を議論した。

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  • 数学的考え方を働かせプログラミング的思考力を養う授業の研究

    山野, 定寿 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 27 27-36, 2021-03-12

    学習指導要領(2018)では、教科等横断的な視点に立った資質・能力として情報活用能力が新たに加わり、その育成を目指すことが求められる。算数科でも5年生「正多角形の書き方」でプログラミング的思考力を身につけるためのプログラミング学習が位置付けられた。<br> そして、算数科の目標を生かしながら、プログラミング的思考力の育成を目指すことが求められてるが、児童が数学的考え方を働かせるようなプログラミン…

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  • 批判的思考を働かせる授業づくり~第6学年「データの活用」の授業改善を通じて~

    磯野, 嵩 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 27 21-26, 2021-03-12

    変化の激しい時代には、変化する状況に応じて見方・考え方を変える思考力が必要である。社会変化や統計教育の充実から、「データの活用」は新設され、中学校から小学校に代表値なども移行された。しかし、連続データを扱う統計的な問題解決の指導のあり方は未だ発展途上であり、統計的処理の仕方や結論を批判的に思考する授業展開が叫ばれているが、その具体的なアプローチの究明は喫緊の課題となっている。そこで、本稿では第6…

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  • 数学的な見方・考え方を豊かにする単元構想のあり方~「三角形」を単位にする5年「面積」の単元構想~

    杉能, 道明 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 27 37-46, 2021-03-12

    小学校学習指導要領(平成29年告示)の改訂においては, 育成すべき資質・能力の三つの柱の十分な育成のための「見方・考え方」,「深い学び」の鍵と言われる「見方・考え方」が示された。「見方・考え方」は子どもが働かせるものであり, 単元の中で育成されるものである。本論文では数学的な見方・考え方を5年「面積」の単元でどのように確かに豊かにしていけばよいか考察した。図形の見方・考え方,考えの進め方について…

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  • 水汲み問題をめぐって

    中川, 征樹 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 27 1-10, 2021-03-12

    現行の多くの中学校1年生用の教科書の中で取り上げられている「水汲み問題」について,その内容の数学的な豊かさ,面白さを概観し,併せて,この問題が持つ教材開発の可能性について考察する.

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  • 小学算数「単位量当たりの大きさ」が中学理科「密度」に与える影響は?

    石井 俊行, 鶴見 行雄 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 441-442, 2021

    <p>本研究は,「単位量当たりの大きさ」を習得している児童は,中学理科の「物質の密度」を学習するための前提となる知識・技能をレディネスとして習得しているのかを明らかにすることを目的に行った.その結果,5割程度の児童が「単位量当たりの大きさ」を求める式やその式の商の意味について理解していなかった.しかし,「単位量テスト」に正答した児童の概ねの児童は,「1に当たる大きさ」の考え方及び「混み具合としの…

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  • 小学校における統計教育充実のためのカリキュラム・マネジメント

    藤井 良宜, 開地 和代, 遠藤 宏美 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 387-390, 2021

    <p>これから迎えるSociety 5.0 の時代には,データに基づいて判断したり,問題解決したりすることができる人材が求められている.そのため,学習指導要領の改訂において,小学校算数科および中学校数学科において「データの活用」領域が新設され,統計教育に力が入れられている.その中でも統計的な問題解決のプロセスが重要視されているが,現実的な問題の設定や授業時数の確保など様々な問題点が指摘されている…

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  • 学業ストレスへの対処法略と教科特異性

    岡本 紗知 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 447-448, 2021

    <p>学業ストレスに直面した際,学生はストレスを軽減するために対処法略を適用することがある.この対処法略の一つとして挙げられるのが「価値の切り下げ」である.「価値の切り下げ」は,学業全般のストレスに対する対処法略として知られるが,これまでに特定の教科との関連が注目されたことはない.本研究では,「価値の切り下げ」が教科に依存するかどうかを明らかにするために実施した.大学生を対象とした質問紙調査を実…

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  • COVID-19に関する報道資料の高校生の読みの一端

    稲葉 芳成 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 443-446, 2021

    <p>データサイエンスの重要性の認識が高まり,数学教育において統計教育の内容の充実が図られつつある。統計データを活用する態度を身に付ける第一歩として,日頃身の回りで触れる統計資料を正しく解釈する知識・技能の習得が肝要である.2020年春からの新型コロナ感染症のパンデミックにかかわり,連日報道される情報の多くは新規感染者数をはじめとする感染状況に係わるデータを含む.本稿では高校生が表やグラフで提示…

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  • 数学的モデリングの学習指導を支える教師教育の在り方

    川上 貴, 佐伯 昭彦 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 51-52, 2021

    ...<p>わが国の算数数学教育では,学習指導要領改訂に伴い,数学的モデリングの学習指導が一層重視されるようになった.昨今のコロナ禍の状況を考えても,その重要性は増すばかりである.だが,通常の算数・数学の授業の中に数学的モデリングの学習指導を実装化するための教師教育(教員養成・教員研修)が追いついていない.本課題研究では,国内外の研究動向を踏まえながら,数学的モデリングに関する教員養成や職能開発プログラム...

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  • さんかく積み木を活用した未就学児向け図形教育プログラムの効果検証

    花岡 愛子, 松尾 七重 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 383-384, 2021

    <p>本研究の目的は、就学前幼児向けの図形教育プログラムの効果を明らかにすることである。そのために、 先行研究や各種テストを参考に、幼児のもつ資質、能力に鑑みた幼小接続の観点から、未就学児向けに図形能力 を測る図形認識力テストを作成し、その結果を改善するための、幼児の持つ資質・能力に適合した図形教育プロ グラムを開発した。5 歳、6 歳の 13 名の園児に対し、約 2 …

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  • メタファー思考を促進する授業展開と算数・数学の理解の深まりとの関係に関する一考察

    小泉 健輔 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 343-344, 2021

    <p> 本研究の目的は,算数・数学科の授業におけるメタファー思考を促進する授業展開が,どのようにして算数・数学の理解の深まりをもたらし得るかについて考察することである.「既知の事柄を別の既知の事柄で喩える」行為と理解の深まりとの関係に着目し,同じ性質に着目した複数のメタファー表現及びその解釈,異なる性質に着目した複数のメタファー表現及びその解釈とに区別しながら考察を行った.前者については,表現の…

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  • 専有の視点から見た学習共同体と個の学習者のずれ

    松島 充, 渡辺 宏司 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 507-510, 2021

    <p>本稿の目的は,専有の視点から見た際の学習共同体と個の学習者の学びのずれを例証することである.学びのずれを例証するために,授業実践の発話記録と学習者の学習後の振り返りの筆記物から質的・量的な分析を行った.発話記録からKHコーダを用いて共起ネットワークを作成し,発話記録と照らし合わせながら学習共同体での主な学びを特定した.また振り返りに用いられた用語をKHコーダを用いて量的にカウントした結果と…

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  • 推論主義に基づく数学的タスクデザインの原理の開発:複素数係数の2次方程式に関する数学的タスクを具体例として

    上ヶ谷 友佑, 白川 晋太郎, 伊藤 遼, 大谷 洋貴 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 535-538, 2021

    <p>本稿の目的は,「推論主義」と呼ばれる現代哲学に基づき,生徒達にとって既知の概念をさらに発達させていくような数学的タスクのデザインの原理を開発することである.より具体的には,推論主義の示す資格保存的推論/コミットメント保存的推論といった実質推論の考え方を用いて,数学の授業における問題解決の様相を特徴付けることを試み,生徒達がどんな場面でどんな風に推論することが概念発達に寄与するのかを検討した…

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  • 高等学校理数探究基礎における実験数学を用いた数学研究方法の基礎的検討

    松本 昌也, 清水 克彦 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 317-320, 2021

    <p>2022年から施行される高等学校学習指導要領において,理数探究基礎・理数探究が新設される.これらでは,知的探究心や自ら課題を求め発見し未知のものに挑戦する態度の育成が重要視されている.先行研究から研究者を模した活動モデルとしてRLAやSRPが,RLAは問題の発見が難しいこと,SPRは教師が生徒の活動を予見できないことが明らかになっている.そのためこのモデルを理数探究基礎に活用するのは難しい…

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  • 小学校第6学年「比」の単元における割合の指導実践

    平等 正基, 熊倉 啓之 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 393-396, 2021

    <p>[要約]本研究は,小6の「比」の単元に焦点を当て,割合の理解を深めることをねらいとする教材を開発して授業実践を行い,そこでの児童の反応等から,体系的な割合指導における示唆を得ることを目的とする.まず,比の活用場面において百分率で割合が示された第3用法の問題を開発し,次に小6を対象に授業実践を行った.児童の反応として,数直線図以外の図表現を用いることや割合の第3用法の公式を活用できないこと,…

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  • 中学校1年生における数学、理科に対する意識の男女差とその特徴

    宮国 泰史, 福本 晃造, 杉尾 幸司, 古川 雅英 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 505-506, 2021

    <p>沖縄県内の5つの中学校と科学教育プログラムに参加した中学1年生に対して、理数・科学に対する情意面の考えや意識を尋ねる質問紙調査を実施した。男女の意識差については学校・組織間で明確な差がみられ、「科学の楽しさ」、「広範な科学的トピックへの興味関心」、「科学に関連する活動」などの項目で、学校・組織間の違いが見られた。また、男女の意識差の小さい学校・組織ほど、進学や就職「以外」の場面においても、…

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  • 数学教師を目指す大学生に対する確率統計問題における文脈使用に関する実態調査

    福田 博人, 石橋 一昴 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 491-492, 2021

    <p>今日の高度情報化社会を生き抜く上で,確率的リテラシーの獲得が不可欠である.その1つの基礎的要素である文脈に関する研究が十分に蓄積されていないという課題意識の下,確率統計教材として意義深い火曜日生まれ問題に焦点を当てる.その意義の1つは,確率を求める際に文脈「火曜日生まれ」を使用する必要がある点である.教材を授業で扱う教師がこの意義を認識しておかなければならないため,本稿では数学教師を目指す…

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  • リスク社会における数学教育の貢献のあり方

    柗元 新一郎 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 365-368, 2021

    <p>本研究の目的は,リスク社会における数学教育の貢献のあり方について検討することである.このために,リスクの概念の多義性について概観するとともに,児童・生徒がリスクに対して積極的に関わることの重要性と焦点を絞った授業計画の必要の必要性を指摘した.また,数学教育におけるリスクの先行研究を整理し,小中高の算数・数学のすべての領域において,数学教育がリスク社会においてどのように貢献し得るのかを検討す…

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  • 家庭科教育と数学教育における教科等横断的視点によるカリキュラム開発の枠組みの提案と教材開発

    渡辺 快, 高阪 将人, 小林 久美, 中和 渚 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 355-358, 2021

    <p>本稿の目的は教科等横断的視点による家庭科教育と数学教育を統合したカリキュラム開発のための枠組みを提案し,具体的な授業案を一例として示すことである.カリキュラム開発のための枠組みとして,まず,STEM教育における4つの統合の度合いによるアプローチを枠組みとして示し,各教科の本質・特徴を把握した.次に,4つの各アプローチにおいて想定しうる統合可能な学習内容や方法について既存研究も含めて整理し,…

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  • Technologyはどのような目的で使われるか

    渡辺 信, 青木 孝子 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 369-372, 2021

    <p>Technologyの発展は目覚ましい。情報化社会はコンピュータと共に始まり、データサイエンス、AI(人工知能)へと発展している。複雑な計算は即座に行い、この機能は移動平均のグラフを見ることができる。複雑なデータを保管してくれる。また図形の問題は動きを見ることは教科書の静画からの動画への数学の拡張がみられる。このような変化の中での数学教育の変化が表れてもおかしくはない。どのように変化するか…

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  • 計量言語分析に基づいた数学教科書本文によってデータ化の条件を認知できる限界性

    紙本 裕一, 福田 博人 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 437-440, 2021

    <p>日本では,教科書とは学習指導要領の内容の展開が具現化されたものであり,その内容は児童・生徒の理解を仮定して叙述される.極端に考えれば,教科書の一字一句が児童・生徒に理解を求める内容に対応しているといってよい.本稿は,数学教科書本文でデータ化の条件をどの程度捉えることができるのかについての実態と限界性を明らかにする.分析の結果,「測る‐単位」の関連性に着目しない限り,教科書においてデータ化の…

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  • 幼稚園教育要領解説における科学的探究心に関する内容の変化についての探索的分析

    中和 渚, 高阪 将人, 松原 憲治 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 609-612, 2021

    <p>本稿の目的は2008年と2018年の幼稚園教育要領解説の内容を抽出し, 比較分析することで,科学的探究心に関わる記述の変遷について探索的に明らかにすることである.方法としては科学的探究心に関連が深いと考えた「科学」「数量・図形」「自然」「探究」「命」の計5つの名詞に関わる文章を各要領解説から抽出した.次にText Mining Studio …

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  • 中学校教科書に出現する科学用語分析

    坂谷内 勝 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 493-494, 2021

    <p>中学校の数学・理科・技術と家庭(技術分野)の教科書から科学用語を収集し、現在と10年前と20年前の科学用語の特徴を分析した。分析の結果、数学は科学用語数の減少率が大きいが、理科と技術は科学用語数の減少率は小さい。既出、新出、消失した用語数を比較すると、技術は科学用語の入替えが多いことが分かる。現在の教科書で、3教科に共通して出現する科学用語はなかったが、2教科で出現した科学用語は13件あっ…

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  • 学術研究にみる小学校生活科における科学的・数理的要素

    竹中 真希子, 辻 宏子 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 359-360, 2021

    <p>本研究では,生活科に着目し,数理・科学的な視点からの位置付けを行うことを最終的な目標に,先ずは学術研究として提出された小学校生活科の論文がどのような観点で書かれているかを明らかにした.観点は,「背景研究」「理論研究」「実践研究」「教育方法」で,それぞれ下位に科学的・数理的要素を含んでいるかどうかを分類した.2010年から2020年に学術雑誌に掲載された論文51編を対象に調査した結果,科学的…

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  • 就学前教育の食育と図形に関する「導かれた遊び」の実践と評価ーお弁当作りの教材開発を通してー

    小林 久美, 中和 渚 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 299-302, 2021

    <p>本稿の目的は就学前教育における食育と図形の視点から,その教材開発と実践を実施し,幼児の導かれた遊びの様子を検証することである.理論的枠組みとしてSTEMの統合の度合いのアプローチのうちThematicアプローチに注目した.このアプローチにより導かれた遊び,身体的コミュニケーション,言語による表現に注目して教材開発と実施を行い,弁当箱に料理を詰めていく遊びにおける幼児の発話と行動を分析した.…

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  • 数学教育におけるジェンダー研究のアプローチに関する一考察

    木村 百合子 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 329-332, 2021

    <p>本稿の目的は,Glasser and Smith (2008)およびDamarin and Erchick (2010)をもとにセックス/ジェンダー概念の意味と立場,数学教育のアプローチを整理・検討し,日本の数学教育におけるジェンダー研究への示唆を得ることである.その結果,①日本ではセックス/ジェンダー概念の意味や立場を明示した研究はみられないが,一方で,Glasser and …

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  • 数学展示作製によるSTEAM教育

    花木 良, 吉井 貴寿 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 523-526, 2021

    <p>STEAM教育を推進するためには,まず教師自身が学習者としてSTEAM教育を経験し,その理解を深めておくべきである.本研究では算数・数学展示物を作製する活動に着目し,それがSTEAM教育の理解深化に繋がり得ることを実践事例の分析を通じて明らかにする.分析方法としては,STEAM教育に求められる要件として「教科横断的であること」,「試行錯誤を伴うこと」,「想像的・創造的であること」の3つを挙…

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  • 証明の構造の理解レベルに基づく学習支援システムの開発

    宮崎 樹夫, 村松 浩幸, 藤田 太郎, 岩永 恭雄 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 313-316, 2021

    <p>本研究は,「証明の構造の理解レベル」と「証明の構造に即した学習支援システム」に着目し,学習支援システムが満たすべき要件として次の2つを特定した:全称命題の適用と系列化に基づく証明の構成,証明の構造の理解レベルに即した認知能力,非認知能力,両者の相互作用に対するフィードバックの実装.これらの要件からすると,開発中の現システムは,全称命題の選択・削除,連結,再選択が可能であり,証明の構造の理解…

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  • 標本データに基づく統計的推論力の概念規定とその特定方法の検討

    塩澤 友樹 日本科学教育学会年会論文集 45 (0), 513-516, 2021

    <p>本研究の目的は,標本データに基づく統計的推論力の概念を規定し,変動性に着目して,その概念を特定するための方法に関する示唆を得ることである。この目的に対して,本研究では,統計的リテラシー,統計的推論力,統計的思考力の関係を整理し,標本データに基づく統計的推論力の概念を規定した。そして,統計的問題解決における変動性の位置づけを明確にし,Shaughnessy …

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  • 小学校算数科における児童の遡及的推論を重視したプログラミング教育の意義

    加藤 慎一 日本科学教育学会研究会研究報告 35 (3), 109-112, 2020-12-13

    <p>2020年度から小学校において,プログラミング教育が必修化されている.プログラミング教育のねらいを達成するために,各教科等において,プログラミング教育の系統的かつ効果的な実践に向けて教材を開発することおよびカリキュラム・マネジメントを推進することが求められている.しかしながら,小学校算数科において,まだまだ十分な検討がなされているとは言いがたい.そこで,本研究では,Peirceの遡及的推論…

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  • 通約不可能性を事例にした黙って話を聴くことの可能性についての計量言語学的考察

    紙本 裕一, 福田 博人 日本科学教育学会研究会研究報告 35 (3), 59-64, 2020-12-13

    <p>本稿は,教師が生徒に対して「測るとは何か」について一方的に説明し続ける授業において,教師の説明,生徒の受け止め方の差異を計量言語学的に分析し,黙って話を聴くことの可能性を示す.分析結果として,教師の発話において中心的な話題でなく,グループワークの場面や全体での共有化する場面がなくても,テーマが与えられていれば生徒は黙って話を聴く中でテーマに関連するキーワードを抽出することができている.その…

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  • 生徒が自ら批判的思考を働かせるための数学学習の工夫の導出

    山下 司, 佐伯 昭彦 日本科学教育学会研究会研究報告 34 (8), 23-28, 2020-05-23

    <p>本稿の目的は,生徒が自ら批判的思考を働かせることによって,数学的概念を高めていく授業構築を目指すために,批判的思考に関する構成要素を先行研究よりレビューするとともに,批判的思考を働かせるための数学学習の工夫を導出することである.本稿では,国内の批判的思考研究の第一人者である道田の先行研究を中心に分析し,批判的思考の構成要素である,態度(批判的態度,省察的懐疑),技能(創造的・柔軟な思考,論…

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  • 算数教育における主体的な探究型学習

    柳 民範, 宮川 健 日本科学教育学会研究会研究報告 34 (5), 41-44, 2020-03-07

    <p>本研究の目的は,小学校算数科における学習者のより主体的な活動をともなった探究型学習の実現を目指して授業を設計・実践し,その授業がどのような学習をもたらしてくれるのかを明確にすることである.この目的の達成のために,教授人間学理論 (ATD) の範疇で定式化された,Study and Research Paths (SRP) …

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  • 演算とアクティブラーニング

    月岡, 卓也 教育学部論集 31 55-66, 2020-03-01

    数学におけるアクティブな学びとはどのようなものかを,「演算」という「動的な働きかけ」を中心に論じる.分数が持つ演算の性質と関連させた,分数の理解の仕方の1 つを議論する.また,微分という演算が,対象の形を知ろうとする動的な働きかけであることを指摘する.あみだくじの構成方法が演算の一形態であることから出発し,その自然な拡張である円形あみだくじについて議論する.円形あみだくじの数学的な背景がアフィン…

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  • 海外における割合指導に関する先行研究の分析

    熊倉 啓之 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 307-310, 2020

    <p>本研究は,海外における割合指導に関する先行研究を分析し,日本の割合指導との違いを明らかにして,今後の割合指導の改善への示唆を得ることを目的とする.まず,海外の割合指導に関する先行研究を,(1)パーセントの概念に関する研究,(2)パーセントの理解を支援する図等に関する研究,(3)パーセント問題の解決と指導に関する研究,の3点に焦点を当てて分析した.分析の結果,日本の割合指導との違いに基づく指…

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  • 数学学習の本質は何か-楽しい因数分解を例にして-

    渡辺 信 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 613-616, 2020

    <p>与えられた問題の答えを求めると数学学習は終わると考えられている.しかし,数学学習の本質は自ら考えることにある.考えることの例を特殊な因数分解の例を示すことによって,その中に隠れた数学学習の楽しさを見ることができる.考える過程の時間的な流れは連続的ではない.問題が解けて,その問題から派生した事柄を一般化できたときに,数学を考えることは一段落する.興味深いことは同じような問題に再度であったとき…

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  • 就学前教育の環境教育に関連づけた食育と数に関する教材開発

    中和 渚, 小林 久美 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 591-594, 2020

    <p>本研究は,領域横断的な学習の視点から環境教育の実施の可能性を探るため,食育と算数を軸として開発・実践した環境教育の学習活動でいかに幼児の対話が展開し,彼らの学びがいかに各領域の目標に関連づけられるのかを明らかにする.教材開発ではSTEM教育の教科・領域の統合の度合いに着目したThematicアプローチを採用し,食育と数の内容を含めた教材を開発した. …

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  • 科学館における算数・数学展示物の拡充に向けた一考察

    花木 良, 吉井 貴寿 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 269-270, 2020

    <p>本研究では,算数・数学展示物の拡充のために解決すべき課題を「ア’.自然科学と関連する数学的な題材の不足」,「イ’.人文学と関連する数学的な題材の不足」,「ウ’.低年齢層を許容する題材,展示の工夫の不足」の三つに整理し,その解決方法を考察する.特に,多角形や多面体に関する展示物については,書籍を調査することでその解決方針を具体的に示した.その結果として,図鑑や幼児の学習書が,展示物を考案する…

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  • 聴いて理解することが苦手な子供にとっての問いを問うことの困難性についての考察

    紙本 裕一, 福田 博人 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 409-412, 2020

    <p>問いを持ちそれを問うことは,学ぶための前提条件であるという.本稿では,聴いて理解することが苦手な子供にとって問いを問うことの困難性について言及する.結果として,聴いて理解することが苦手な子供にとって問いを問うことが難しいのは,聴覚的情報の一過性により必要な情報の一部が抜け落ちて理解の遅れが発生する可能性があるからである.その際,同時処理によってそれを補填しなければならなくなる.つまり,既に…

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  • Scratchを利用したプログラミング的思考に関する一考察

    高山 琢磨 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 627-628, 2020

    <p>近年,プログラミング的思考の必要性が指摘されている.1次方程式を題材として数学的活動およびScratchプログラミングを行う実践を試みた.Scratchプログラミングの授業が,学習者の変数に対する見方を高め,1次方程式の解の公式を求める必要性に気づかせる効果を期待した.さらに,誤入力の値の除外の方法について考察させることで,方程式の意味理解を深めプログラミング的思考につながる可能性が示唆さ…

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  • 学力調査に基づく授業改善活動を促進する教員研修プログラムの開発

    礒部 年晃, 益子 典文 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 329-332, 2020

    <p>本研究は,全国学力・学習状況調査(以下,「全国調査」と呼ぶ)の調査結果に基づく授業改善を実現するために,教師の教育的内容知識の主体的な変容を促す教員研修プログラムを開発することを目的としている。本研究において開発した教員研修プログラムは,全国調査の結果に示された「問題」「結果」「分析」の具体的事例を基に開発し,それぞれの情報が教師の教育的内容知識に適切に組み込まれることを意図している。実践…

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  • 標本調査の単元における統計と確率を関連付けた統計的探究の教材開発

    細田 幸希 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 603-606, 2020

    <p>本稿の目的は,標本調査の単元における統計と確率を関連付けた統計的探究に関する教材を開発し,その意義を示すことである.そのために,Manor Braham and Ben-Zvi(2017;2019)の統合的モデリングアプローチを基盤とし,動的ソフトによるサンプラーの機能を用いながら,文脈的不確実性や統計的不確実性の双方に学習者を直面させることを教材開発の視点として設定し,「人が美しいと思う…

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  • How to characterize manipulatives and gestures in different theoretical frames: Discursive instrumental and dialogic approaches in mathematics education

    真野 祐輔, 藤田 太郎 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 311-312, 2020

    <p>本稿では,算数・数学の指導・学習における教具(具体物,デジタルのものを含む)とジェスチャーに関する理論的考察を行う.教具とジェスチャーは様々な理論的視点から特徴づけることができるが,本稿では,有望な理論的アプローチとして,①コモグニション(ディスコース)の枠組み,②道具的アプローチ,対話理論を取り上げ,それぞれの視点による教具とジェスチャーの捉え方や強調点の違いを比較する.考察の結果,それ…

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  • 「関数的な見方・考え方」を働かせた理科のオームの法則における授業実践

    金井 太一, 小川 佳宏, 山田 貴之 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 477-480, 2020

    ...<p>中学校理科及び算数数学教育において,「内包量」は生徒に理解させることが難しいとされている.本研究では,中学校第2 学年「オームの法則」の授業において,「関数的な見方・考え方」を取り入れた授業にさらに比の値の意味について考える活動を取り入れ,内包量概念の理解の改善を図った.その結果,抵抗テストにおいて実験群の授業前後に有意差が見られた.さらに実験群の中でも1 年時に数学の「比例」と理科の「密度...

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  • 工業高校生のコンピューテーショナル・シンキングに関する調査

    大津 春輝, 市原 靖士, 杉山 昇太郎 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 389-392, 2020

    <p>本研究では,工業高校に在籍する生徒に対してコンピューテーショナル・シンキング(CT)についてÖzgen Korkmaz(2017)が作成したCT尺度を使用し質問紙調査を行った.本尺度は「創造」,「アルゴリズム的思考」,「協力」,「批判的思考」,「問題解決」の5つの因子から構成されており,これらに対して学年間及び筆者が設定した属性把握項目間による差異を検討した.結果,学年間には有意な差は認め…

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  • 数学的探究における定義活動を促進するための教材の要件

    村田 翔吾 日本科学教育学会年会論文集 44 (0), 569-572, 2020

    <p>本稿では,「何のための定義活動か」という,定義活動に関する先行研究上の課題を解決するために,数学的探究における定義活動の必要性を指摘した.そして,そのような活動を実現するための教材の要件として,「問題を解決していくなかで,定義を考察する必要性が生じること」,「構成した定義を,既知の理論体系との関連で考察する必要性が生じること」,「複数の定義が構成され得ること,かつ,その定義をより数学的な定…

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  • 算数数学教育における子どもが統合的に考えることに関する一考察

    廣井 陸 日本科学教育学会研究会研究報告 34 (3), 223-226, 2019-12-21

    <p>学習指導要領の改訂に伴い,統合的・発展的に考えることが重要視されている.本稿では,中島(1982)が分類する3種類の統合の中から「集合による統合」に焦点を当て,算数・ 数学科の授業において子どもが「共通の観点」を見つけ,これまでは異なったものとして捉えていたものを一つにまとめることができるような指導を提案するために,「異なったもの」の分類を明らかにすることを目的とする.そのために,小学校算…

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  • 算数数学教育における統合的発展的な考察の過程に関する一考察

    小泉 泰彦 日本科学教育学会研究会研究報告 34 (3), 23-28, 2019-12-21

    <p>本稿の目的は,中島(2015)における統合的発展的な考察の1事例における,問題場面を統合する際の観点として注目する構造を見出す過程を明確にすることである.方法として,中島(2015)における統合的発展的な考察の1事例に対して,布川(1993)が数学的問題解決の方向性として提出している問題場面の構造の大局的な再構成の順序を援用することで,構造を見出す過程を明確にすることを試みる.その結果,本…

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  • 算数科における真正の学びへのアプローチ : CUN課題の発見へのアプローチ

    黒崎, 東洋郎 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 26 1-7, 2019-11-22

    ...新しい算数数学教育は、「数学的な見方・考え方を働かせ、数学的な活動を通して、数学的に考えるJという資質・能カを育成することを小・中・高一貫教育で実現することを目指している。これを実現する学び方として主体的で、対話的な、深い学びが求めている。しかしながら、算数・数学科の教材は、伝統的な定型問題を教材にした課題発見・解決に終始している。...

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  • 論理的・発展的に考える児童の育成 : 九九のきまりの学習を通して

    有元, 淳一 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 26 49-56, 2019-11-22

    平成30年度の全国学力・学習状況調査「算数B」 4(九九の表)を出発点とし,「九九のきまり」 を題材として,低学年における「論理的」・「発展的」に考える姿とはいかなるものなのかをテーマに授業実践を行う。「論理的に考える姿」を「筋道立てて説明する姿」だと捉えて,児童が説明する際に無意識に多用する接続語(語り始めの言葉)について継続的に調査を行った。それらの接続詞を意識して使用できるように,カードに…

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  • 立方体と展開図で育てる創造的思考力

    磯野, 嵩 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 26 37-42, 2019-11-22

    情報速度の加速化や人工知能などの技術革新が進む世の中で,児童の創造的思考力を育てることが必要であると考える。しかし,児童の実態として柔軟な発想や見方の転換が難しいといった課題がある。また,「直方体・立方体」の展開図を描くだけでは,立体と展開図のつながりが希薄であるといった課題がある。そこで,本稿では,「立方体と展開図による思考実験」の授業実践から,展開図を念頭操作によって立方体を組み立てさせる中…

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  • 主体的なデータ活用の授業研究 : 「場合の数」の授業実践を通して

    上山, 達稔 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 26 43-48, 2019-11-22

    ビックデータ時代といわれる今日,必要なデータを収集してまとめ,そのデータから傾向を把握し,それに基づいて課題解決をしたり意思決定を行ったりする力の育成が求められ,次期学習指導要領において,算数科では統計教育の充実化が図られることとなった。しかし,統計教育の授業実践に目を向けると,他の分野と比べると,主体的・対話的で深い学びの実践がなされていない傾向にあるのではないかと考えた。そこで,統計教育の単…

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  • 「割合を使って」(6年)の授業実践研究

    山野, 定寿 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 26 21-26, 2019-11-22

    児童が「割合ができない。」といわれて久しい。全国学力・学習状況調査の結果を見ても、改善の兆しはまだ見えない。割合ができないまま進級した6年生が全体を自分で1とみなし、問題解決していく『割合を使って」は、非常に困難な課題の1つである。筆者はこの困難な「割合を使って」を指導するに当たり、事前調査を行い児童の実態をつかみ、指導計画の見直しを行った。また、全体を1と見ることについては、部分の割合を先に求…

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  • 第1学年「3口の計算」の意味指導に関する授業デザインに関する研究

    圓井, 大介 岡山大学算数数学教育学会誌 : パピルス 26 27-35, 2019-11-22

    計算の指導にあたっては,「計算の意味理解」「計算の仕方を考える」「計算に習熟・活用する」の3つの点が大切であり,これらの3点を重要視して指導にあたる必要がある。しかし, 3口の計算の指導にあたる前に,くり上がりのないたし算,くり下がりのないひき算をすでに学習していることから,「3口の計算の意味理解」が軽く扱われ,単なる計算の技能の習熟に重きを置く傾向が現状として見られる。そこで,本研究では,学校…

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  • 数学者・遠山啓による「楽しい授業」論

    香川 七海 教育方法学研究 44 (0), 73-83, 2019-03-31

    ...本稿の検討によって,①遠山におけるゲームは,算数数学教育における「反復練習」の課題を補完することを目的に教育活動に導入されたものであること。②彼は「儀式的授業観」の克服は必要なものと考えていたが,その方途に,児童生徒に迎合するような姿勢を推奨していたわけではないこと。...

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  • サモア独立国の数学教育の現状と課題 : 協同問題解決能力に着目して

    板垣 暁歩, ITAGAKI Akiho 鳴門教育大学国際教育協力研究 12 163-168, 2019-02-01

    ...青年海外協力隊としてサモア独立国の中高等学校に理数科教師として派遣され,活動した経験を基に,数学教育の現状と課題をまとめていく.サモアの学校において,算数数学教育の向上は喫緊の課題となっている.その大きな原因の一つとして,教員の専門性と指導力の欠如が挙げられる.この改善のために,教育省が実施する基礎教育理数科教育改善プロジェクトの一環として行われてきた全国教員研修が重要な役割を果たす.とくに,教育省...

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  • 推論主義と計量言語学に基づく混合研究法の可能性

    上ヶ谷 友佑, 大谷 洋貴 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 620-623, 2019

    <p>本稿の目的は,数学教育研究に内在する暗黙的な価値観を反省するための,新しい研究方法論の開発である.特に本稿では,これまでの数学教育研究において,学習者に対する動機付けとしての試験の役割が否定的に捉えられてきた経緯を反省することを1つの問題意識として,試験の役割の肯定的側面を発見するための研究方法論を具体的に例示する.本稿は,大きく分けて次の3つの内容からなる.まず,推論主義と呼ばれる哲学的…

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  • 小学校段階における図形の論理的思考

    大林 正法 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 514-517, 2019

    <p>小学校段階における図形の論理的思考とはいかなる状態なのかを明らかにするために,van Hiele(1984)の思考水準論やその関連研究を基に吟味し,第2~第3水準の間を精緻化することを研究目的とする.小学校5年生を対象に教授実験での発話を通して,van Hieleの思考水準と関連させて小学校段階の推論の実態分析を行う.授業中の発言に関してはアーギュメンテーションを枠組みとして用い,トゥール…

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  • 数学オリンピック予選合格者を判別・予測するための回帰式の導出

    田村 篤史 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 560-563, 2019

    <p>Math for Excellenceの教材開発のためには,数学的能力・才能の高い生徒のより多くの抽出,およびその特徴の分析が不可欠である.そのため,(田村,2018)において数学的才能のチェックリスト(質問紙)を開発した.質問紙は,数学オリンピック予選合格者と一般的な高校生のグループから,予選合格者を正判別率93%以上で判別することができるが,マハラノビスの距離による2次の判別分析を用い…

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  • 地域の核となる算数・数学教員(CMT)の必要性とその養成プログラムの試案―沖縄県を例として―

    伊禮 三之, 長浜 朝子 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 265-266, 2019

    ...<p>貧困等の問題を抱える沖縄県の教育課題の一つとして,義務教育段階における教師の授業力の向上があげられている.とりわけ理数系教科の一つである算数数学教育の改善が重要とされている.その一翼を担うものとして地域の核となる算数・数学教員(CMT)の養成が必要である.CMTの養成プログラムの策定に当たって,義務教育段階の教師が持つべき「数学的リテラシー」を検討し,若い教師の「数学的リテラシー」の現状を調査...

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  • 小学校教師志望者の教授学的内容知の変容に関する分析:算数科授業研究への参加を通して

    真野 祐輔, 柳本 朋子 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 491-492, 2019

    <p>本稿では,小学校教師志望者の大学生が算数科授業研究への参加を通して教授学的内容知をどのように変容させるかを分析した一端を報告する.授業研究の前後で大学生が作成した学習指導案を,実際の研究授業の指導案や協議会の記録と照らして分析した.その結果,「内容・児童の知(KCS)」及び「内容・指導の知(KCT)」の変容を解釈することができた.</p>

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  • 干支を利用したプログラミング的思考に関する一考察

    高山 琢磨, 武沢 護, 渡辺 暁生 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 503-504, 2019

    <p>近年、プログラミング的思考その必要性が指摘されている。中学校数学科においてプログラミング的思考の育成をおこなうため、干支を題材として数学的活動およびBasicプログラミングを行う実践を試みた。本研究を通して、干支の数学的構造を見出し、それをプログラミングすることで、論理的思考が高まることが分かった。</p>

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  • 数学教育の確率単元における根元事象に関する暗黙的な仮定

    石橋 一昴 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 572-575, 2019

    <p>本研究は,高等学校数学Aの確率における根元事象についての問題の答えが,学問数学による答えとは異なることから,数学教育の確率単元における根元事象には暗黙的な仮定が存在すると考え,それを明らかにすることを目的とした.また,先行研究の知見から,暗黙的な仮定が存在すればそこから指導上の課題が明らかになるとの示唆を得たことから,確率教育の課題の指摘にも取り組んだ.その結果,確率教育の根元事象は,各根…

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  • 分数÷分数の複合図の作成過程において働く数学的な見方・考え方の特定に向けて

    落合 美沙, 竹井 丈広, 松嵜 昭雄 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 552-555, 2019

    <p>次期学習指導要領では,分数の乗除に関する内容が移行となる.本稿では,分数÷分数の算数科教科書における,面積図と数直線の複合図に着目する.複合図は,除数が単位分数ではない場合と単位分数である場合の2つに大別できる.例として,G社とKe社に掲載されている複合図の作成過程について整理する.これにより,複合図の作成過程において働く数学的な見方・考え方の特定に向けた考察を行う.</p>

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  • 学習における評価の時系列変化に着目した複数科目間の評価の関係

    戸田 綾佳, 久野 弘暉, 高橋 聡, 山村 雅幸, 吉川 厚 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 421-424, 2019

    <p>児童生徒のある科目の能力には,その科目の基礎的な能力だけでなく,他の科目の能力の出来も関わっている可能性がある.しかし,そのような点に着目した先行研究は少ない.そこで,本研究では小中学生の算数・数学の成績に国語の能力が関わっているかどうかを,工学的な手法を用いて分析を行った.小中学生の算数・数学の成績評価の時系列データから成績変動のグルーピングを行った.次に,算数・数学の成績の変動が国語の…

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  • 算数科における深い学びに関するコモグニション分析

    松島 充, 堀場 規朗 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 375-378, 2019

    <p>本稿では,算数学習をコモグニション論を用いて分析し,深い学びの実現の契機となるメタルールの変容に関して考察することを目的とした.小学校6年生の凸多角形の直角の個数を探究する学習において,演繹的推論の経験を積むことができたグループとそうでないグループの対話を分析した.発話記録をもとに各グループで生成されたナラティブと対象レベルのルール,メタレベルのルールを同定した.このメタルールを,メタルー…

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  • 小数の乗法・除法の文章題解決時の図の活用に関する一考察

    北堀 榛花, 辻 宏子 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 425-428, 2019

    <p>本稿の目的は,小数の乗法・除法の文章題解決における児童の図の活用の実態及びつまずきの所在を明らかにすることである.方法として,質問紙調査及びインタビュー調査を実施した.その結果,以下の2点が示された:①式が適切でも数量関係を理解していない場合がある.その児童は文章題解決に図を有効に使うことができていない.②問題2で図を完成できる児童や,問題1に自ら図を表示している児童は,問題1に図を用いて…

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  • 数学的表現レジスターにおける一般化に関する一考察

    中村 剛 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 409-412, 2019

    <p>Duval (2017) にて提唱されている数学的表現のレジスター分類の枠組では捉えることができない具体から一般への表現変換を分析するために,Dörfler (1991) の一般化モデルを援用し,Duval (2017) では捉えることができなかった「処理(treatment)」についての理論的考察を経て,「処理」の分類を加えた数学的表現レジスター分類枠組の拡張を行った.</p>

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  • 地震波を題材とする1次関数の教材開発および授業実践

    石橋 太加志, 丹羽 淑博 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 327-328, 2019

    <p>本研究は,中学2年生を対象に,地震波を題材とする1次関数の教材開発及び授業実践を試みた.新学習指導要領の数学の目標の中には,「事象を数理的に考察し表現する能力を高める」とともに,「数学的な活動の楽しさや数学の良さを実感」し,「それらを活用したり考えたり判断したりしようとする態度を育てる」と書かれている.このような目標に適応している教材開発を考えることを目的とした.</p>

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  • 現実世界の問題解決を契機とする数学的探究を実現する教材の開発

    花園 隼人 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 343-346, 2019

    <p>現実世界の問題の解決を契機とする数学的探究を実現するための教材を開発するために,文学作品である『鏡地獄』で描かれた事象に着目し,教材構成を行なった.その結果,この事象を解釈するために構成した数学的モデルを考察対象とする数学的な探究が展開されるような,数学Ⅱと数学Bまたは数学Ⅲを履修した学生に適した教材を開発することができた.</p>

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  • 標本調査における基本的概念の理解とその授業化

    鈴木 康志, 関 富美雄, 山本 恵悟, 國宗 進 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 333-336, 2019

    <p>標本調査の基本的な概念や性質の理解を目指した授業を構成するために実験授業を行い,生徒の考えを調査した.その結果,母集団分布,標本分布,1つの標本の分布のちらばりを観察する活動を設けることにより,生徒が様々な直観的考えをもつことが分かった.これら3つの分布を観察し,その観察から直観的考えを引き出し,その考えを検証する授業構成を提案する.</p>

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  • 数学教育における定義活動に関する研究の展開と課題

    村田 翔吾 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 487-490, 2019

    <p>本稿は,国外の先行研究の批評を通して,定義活動に関する研究の展開と課題を明らかにすることを目的とした.ナラティブレビューによる批評の結果,定義活動の背景とみられる古典的研究,定義活動に関する研究の契機,近年の研究動向を特定した.この結果から,多様な側面を考慮しつつ定義活動の概念を規定すること,及び定義を構成することによって活動の目的が達成されるような状況を設定することの必要性を指摘した.<…

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  • 課題研究の充実に向けて

    田中 紀子 日本科学教育学会年会論文集 43 (0), 413-416, 2019

    <p>本発表では, SSH校(県立高等学校)で構築した教育課程とその評価手法, そして数学の研究実践事例を取り上げる.課題研究において, 教科の知識・技能を生かしつつ, 深い学びの在り方を追究するとともに, その評価方法を構築してきた. 評価については4観点11項目による評価,教員によるルーブリックの評価に加え, 生徒自身が評価主体になることを重視し, …

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