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検索結果 29,954 件

  • 中性子星の温度観測と標準模型を超える物理の探索

    永田 夏海, 濱口 幸一, 藤原 素子 日本物理学会誌 79 (5), 242-247, 2024-05-05

    ...<p>2012年のヒッグス粒子発見により,素粒子の標準模型は確立されつつある.しかし素粒子物理には多くの未解決問題が残されており,それらの謎を解くための様々な新しい理論(標準模型を超える物理)が提唱されている.近年,こうした標準模型を超える物理を探索する手段の一つとして,中性子星の温度観測が注目を集めている....

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  • IceCube実験による銀河面ニュートリノ放射の世界初観測

    倉橋Neilson 尚子, 石原 安野 日本物理学会誌 79 (4), 181-185, 2024-04-05

    ...</p><p>荷電パイオンの崩壊によって生成される「高エネルギーニュートリノ」は,物質を通過し銀河の深部まで死角がなく,生成機構不定性も小さい素粒子であり,これまで得られなかった重要な情報をもたらす.つまり,ガンマ線によって得られた知見と,新たに高エネルギーニュートリノによってもたらされる情報とを組み合わせることで,より信頼度の高い系内宇宙線のエネルギースペクトルやその位置依存性の推定が期待できる....

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  • 素粒子ミュオンによる小惑星リュウグウの非破壊元素分析

    寺田 健太郎, 二宮 和彦 日本物理学会誌 79 (1), 24-29, 2024-01-05

    ...</p><p>このような背景のもと,小惑星探査機「はやぶさ2」は,反射スペクトルからCCグループと似ている地球近傍C型小惑星リュウグウから5.4グラムのサンプル採取に成功した.筆者らは「石の物質分析」を行う初期分析チームのサブグループとして,素粒子ミュオンを用いて小惑星リュウグウの最も基本的な情報である元素組成を決定した.この分析では,人工的に作ったミュオンを試料に打ち込み,放出される特性X線の測定...

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  • PF-ARでのGeVレンジ測定器開発テストビームラインの新設

    満田 史織, 本田 融, 野上 隆史, 長橋 進也, 花垣 和則, 池上 陽一, 中村 勇 加速器 20 (3), 164-174, 2023-10-31

    <p>Commissioning a test beamline in KEK Photon Factory Advanced Ring (PF-AR), which is operated by the energy of 6.5 GeV and 5.0 GeV, is proceeded in cooperation with the KEK Institute for Particle …

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  • ブラックホール表面積上限定理の一般化――強重力から弱重力へ

    泉 圭介 日本物理学会誌 78 (9), 525-529, 2023-09-05

    <p>もしブラックホール周辺の観測量をすべて知ることができるという究極に理想的な状況があったとすると,ブラックホールの諸定理を検証できるのであろうか? ブラックホール合体により生成される重力波の検出や,ブラックホール影の直接観測が報告され,ブラックホールは観測により検証できる時代になりつつある.一方で,ブラックホールの数理研究は1960年代ごろから行われ,一般相対性理論をもとに様々な定理が証明さ…

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  • <sup>48</sup>Caの極稀崩壊を探せ!—微弱放射線検出のための検出システム高度化—

    飯田 崇史 RADIOISOTOPES 73 (2), 129-137, 2023-07-15

    ...<p>ニュートリノは素粒子標準模型を構成するフェルミオンの一種である。電荷を持たないニュートリノは,粒子と反粒子を転換することのできるマヨラナ粒子である可能性がある。ニュートリノのマヨラナ性を検証するためには,ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊探索と呼ばれる極稀な現象を観測する必要がある。...

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  • 電子・陽電子コライダーで探る電弱対称性の破れと新しい物理学

    兼村 晋哉, 藤井 恵介 日本物理学会誌 78 (6), 306-313, 2023-07-05

    ...<p>素粒子の標準理論によると,素粒子の相互作用のあり方はゲージ原理で決まり,質量は対称性の自発的破れで作られる.標準理論は実に半世紀以上にわたる膨大な実験的,理論的努力によって検証され続け,そして確立したのである.標準理論最後の未発見粒子であった,対称性の破れを引き起こすヒッグス粒子がCERN(欧州原子核研究機構)のLHCで発見されてから早11年の歳月が流れた.しかし,LHCをはじめとする各種高エネルギー...

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  • 擬-南部ゴールドストーン暗黒物質――直接検出実験と熱的残存量の融和

    阿部 智広, 藤間 崇 日本物理学会誌 78 (6), 320-325, 2023-07-05

    ...<p>素粒子論では,さまざまな文脈から,通常の物質となんらかの弱く相互作用をする暗黒物質を新粒子として導入する模型が議論される.特に,宇宙初期において高温高密度の熱浴中で物質粒子の衝突から暗黒物質が生成されるシナリオは以前から注目を集めている.このようにして生成される暗黒物質は「熱的暗黒物質」とよばれる....

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  • シリカ粒子の炎症誘発性の予測を目的とした赤血球溶血性試験の利用に関する検討

    天本 宇紀, 豊岡 達士, 山田 丸, 柳場 由絵, 王 瑞生, 甲田 茂樹 産業衛生学雑誌 65 (3), 125-133, 2023-05-20

    ...<b>方法:</b>粒径,結晶度,表面官能基の異なるシリカ粒子について,健常者ボランティア男性の血液から単離した赤血球を用いて溶血性試験を行った.また,シリカ粒子と他元素粒子間における溶血性の比較や,市販の結晶質シリカ粒子製品27種類において試験的なスクリーニングを試みた....

    DOI Web Site Web Site ほか2件 参考文献25件

  • 中性水素の遷移線で見る宇宙の暗黒時代

    山内 大介 日本物理学会誌 78 (4), 190-197, 2023-04-05

    ...</p><p>一方で,暗黒時代に対応する21 cm線の周波数は50 MHz以下と非常に低いため,地球の電離層の影響により地上からでは観測することが難しい.暗黒時代を観測できる最も有利な,おそらく現時点でのユニークな観測場所として月が注目を集めている.現在,日本を含め複数のグループが検討を進めており,近い将来に実現するかもしれない.実現すれば,宇宙論・素粒子物理学・天文学など複数の分野で,多くの重要な...

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  • 有機半導体放射線検出器の開発

    宮田 恵理, 宮田 等, 深澤 永里香, 早坂 圭司, 勝亦 正明, 小野 裕明, 渡辺 みのり, 斎藤 栄輔, 清野 義敬, 梅山 晃典, 佐藤 誠, 鈴木 祟民, 田村 正明 RADIOISOTOPES 73 (1), 1-8, 2023-03-15

    ...<p>高いエネルギー分解能をもつ無機半導体放射線検出器は,素粒子・原子核実験などの分野で使用されているが,高純度な単結晶構造を必要とし柔軟性がなく高価で大型化が難しい。本研究は,結晶構造をもたない有機材料に着目した新しい放射線検出器の開発を行った。放射線感度を高めるために,n型半導体の性質をもつ二酸化チタンを混合して有機無機ハイブリッドセンサを試作した。...

    DOI Web Site 参考文献12件

  • 放射線シミュレーション・ツールキットGeant4の最近の発展

    藏重 久弥, 村上 晃一 日本物理学会誌 78 (3), 120-124, 2023-03-05

    ...<p>Geant4(ジアントフォー)は,放射線シミュレーションのためのソフトウェアツールキットである.一般に,放射線とは運動エネルギーをもつ素粒子および原子核のことである(光子を含む.以後“粒子”と呼ぶ).粒子は電磁相互作用,強い相互作用,弱い相互作用によって物質との反応や粒子壊変を行う.素粒子・原子核実験においては,粒子個々に対する観測が行われ,ミクロな事象ベースでの解析が行われる.Geant4では...

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  • 過酷環境下にて動作する高安定アライメントモニターの開発(第2報)

    久米 達哉, 三部 勉, 道畑 正岐, 高橋 哲 精密工学会学術講演会講演論文集 2023S (0), 445-446, 2023-03-01

    <p>我々は,光ファイバ導入型の絶対測長干渉計が構成する測長網を用いた,高磁場,真空の過酷環境に適用可能な高安定アライメントモニターを開発している.これまでに,光ファイバの変形などにより干渉信号が影響を受け,長さ基準となるエタロンの自由スペクトル領域評価値や干渉計測長値が影響を受けることが示された.ここでは,光学系を偏波保持化することで,それらの影響を抑えて,評価,および,測長の不確かさを改善し…

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  • 量子情報の基礎と量子インターネット

    東 浩司 物性若手夏の学校テキスト 1 (0), 152-175, 2023

    ...量子力学の完成から約1世紀になる.その間量子力学は,その解釈にこそ様々な疑問が呈されてきたが,素粒子から天文学に至る広範な物理現象に対し,正確な定量的理解を提供してきた.そのため,その正当性は今や疑う余地のないものとなってきている.一方で,1948 年に Shannon によって導入された情報理論は,抽象概念である「情報」や通信限界の定量化に成功しており,現代の通信社会を支える礎となっている.前世紀...

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  • 素粒子ミュオンを用いた非破壊元素分析法の高度化 (二次元イメージングシステムと低バックグラウンド化)

    寺田 健太郎, 佐藤 朗, 友野 大, 新倉 潤, 水野 るり惠, 二宮 和彦, 浅利 駿介, 邱 奕寰, 大澤 崇人, PSI ミュオンチーム 日本地球化学会年会要旨集 70 (0), 193-, 2023

    ...<p>素粒子ミュオンを用いた非破壊分析の更なる高度化を目指し、(1) 入射ミュオンの飛跡をトラックする三段のドリフトチェンバーを開発することで特性X線の二次元イメージ化、(2) Ge検出器でのX線のコンプトン散乱成分を反同時計数するコンプトンサプレッサーを導入し軽元素分析の高感度化、を行なった。...

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  • 量子ビーム利用におけるパワーレーザーの可能性

    河内 哲哉 学術の動向 28 (1), 1_85-1_89, 2023-01-01

    ...将来的にレーザー加速器が実現すれば、学術面においては素粒子物理学などのビッグサイエンスが必要とする超大型加速器を現実的なサイズに抑えることが可能になると考えられている。...

    DOI Web Site 参考文献5件

  • <b>バイオマスと廃プラスチックからのSAF等バイオ燃料の製造に関する研究</b>

    越川 翔生, 横山 友紀, 谷利 駿, 松永 興哲 廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 34 (0), 369-, 2023

    ...試験条件は、廃プラスチックと炭素源触媒の混合比3:1(重量比)、原料供給速度283.2g/h、流動床熱媒体:炭素粒子、流動層N<sub>2</sub>流量:1.5NL/minである。その結果、分解油収率は約84wt%、分解油中のSAFの割合は約57wt%と良好な成績を得た。...

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  • 高次元場の理論の広がり

    林 博貴, 八木 太 日本物理学会誌 77 (12), 796-804, 2022-12-05

    ...<p>我々は通常,空間3次元と時間1次元からなる4次元時空に住んでいると考えている.しかし,素粒子をより根源的な理論から統一的に扱おうとする試みの中で,我々の住む世界が実は極小サイズの余剰次元を含む5次元以上の時空である可能性が指摘されている.実際,素粒子理論を記述する枠組みである場の理論は,高次元時空についても古くから盛んに研究されている....

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  • NEWS & TOPICS

    国立研究開発法人科学技術振興機構 JSTnews 2022 (12), 14-, 2022-12-01

    <p>【研究成果】希少な金属を使わず固体光触媒を開発 可視光で高選択的にCO2をギ酸に変換</p><p>【研究成果】有機金属構造体を直接炭化、多孔性粒子創製へ 形態と細孔構造の高度な制御が可能</p><p>【研究成果】「愛情ホルモン」の作用メカニズムを解明 自律神経や肥満メカニズムの研究展開に期待</p><p>【研究成果】室温で水の高核偏極状態化に成功 …

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  • Belle II実験による新物理探索の初期結果

    中村 克朗, 松岡 広大 日本物理学会誌 77 (11), 745-750, 2022-11-05

    ...</p><p>これまでの素粒子研究から構築された素粒子標準理論は,LHC加速器(CERN研究所,欧州)で到達できる約1TeV以下の実験事実をほぼ説明することができる.その一方で,宇宙初期に起きたバリオン数生成のメカニズムや宇宙を漂う暗黒物質の正体といった,宇宙創成に関する根本的な問題については説明ができない.そこで,1 TeVを超える高いエネルギー領域やダークセクターでの,未発見の相互作用による素粒子現象...

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  • 宇宙複屈折――我々の宇宙はパリティ対称か?

    藤田 智弘, 南 雄人 日本物理学会誌 77 (9), 611-615, 2022-09-05

    ...</p><p>暗黒エネルギーの候補かつ,光と相互作用し,さらにパリティ対称性を破るような仮説的存在としてAxion-Like Particle(ALP)が素粒子物理学・宇宙論ではよく知られている.実際,宇宙複屈折の報告前から,ALPは暗黒エネルギーとして宇宙を満たしているのではないかという提案がなされていた.さらに最近の詳しい研究によると,その質量が小さすぎない限りはALPは他の実験結果と無矛盾に観測...

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  • 100 万回再生のプレゼンテーションデザイン

    高橋 徹 科学技術コミュニケーション 31 51-60, 2022-09

    ...広島大学のYouTube チャンネルに掲載された素粒子物理学の講義動画が,公開からおよそ17 カ月(2022年7月時点)で180 万回以上視聴されている.同チャンネルには約100 の講義が掲載されているが,この動画の視聴回数は他の講義に比べて格段に多くなっている.また,同チャンネル外の類似分野の動画と比較しても視聴回数は多い.この動画を制作するにあたっては,聴衆を想定しメッセージを明確する,構成を検討...

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  • “ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊”で宇宙の謎を探る

    梅原 さおり, 吉田 斉 日本物理学会誌 77 (8), 514-522, 2022-08-05

    ...</p><p>さて,この「ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊」は1939年に提案された.当時は「物質優勢宇宙の謎」と関わりがあるとは考えられておらず,一つの非常に稀な原子核崩壊事象として研究された.この事象を観測するべく,鉱物中の元素の同位体比を測定する地球化学的観測が始まった.その後,放出される電子のエネルギー観測による測定も,原子核素粒子研究者によって試みられた.そして宇宙素粒子論の観点からも...

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  • 量子重力の沼地問題――無矛盾性からの沼地条件導出とその統合

    濱田 雄太 日本物理学会誌 77 (8), 529-534, 2022-08-05

    ...<p>重力の量子化は,素粒子物理学最大の難問の1つとして,長年横たわっている.弦理論やホログラフィー原理を使って,様々な状況下での理解が進んでいるが,未だ完全な定式化には至っていない.</p><p>そこで,少し視点を変えて,仮に重力の量子論が完成したとして,我々の世界にどんな示唆があるのか,という問いを考えてみよう....

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  • 特集「新・惑星形成論」 ペブル集積と惑星形成

    小林 浩 日本惑星科学会誌遊星人 31 (2), 114-123, 2022-06-25

    <p>太陽系において木星は最も重く,他の惑星の形成にも多大な影響をもたらす.本稿では,太陽系 の木星のような巨大ガス惑星の形成について主に紹介したい.古典的な惑星形成論では,原始惑星系円盤の中で全ての固体が微惑星になり,その微惑星円盤の中で,微惑星が衝突・合体をくりかえして固体惑星やガス惑星の固体核が形成されたと考えられていた.しかし,固体核形成には時間がかかりすぎるため,ガス惑星が作れないとい…

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  • 同位体シフトによる新物理探索――精密分光で迫る基本法則

    田中 実, 小野 滉貴, 山本 康裕, 高橋 義朗 日本物理学会誌 77 (6), 355-360, 2022-06-05

    ...で,特定の素粒子を大量に生成し,その性質を詳しく調べることで素粒子の相互作用について解明することを主眼とするものである.日本ではKEKのスーパーBファクトリー実験やJ-PARCにおけるK中間子,ミュー粒子,ニュートリノの実験等がこれにあたる.宇宙も素粒子物理のフロンティアであり,インフレーション理論の検証等が行われ,コスミックフロンティアと呼ばれている....

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  • 極低温静電型イオン蓄積リングの開発と冷却分子イオンの物理

    中野 祐司, 榎本 嘉範, 東 俊行 日本物理学会誌 77 (6), 346-354, 2022-06-05

    ...</p><p>原子分子の反応は素粒子や核物理のように高エネルギーを必要としないのでビームのエネルギーはkeV領域で十分であり,この程度のエネルギーであれば電場で制御することができる.磁場型リングではイオン質量に応じて磁場を強くする必要があったのに対し,静電型リングで必要な電場強度はイオン質量に依存しないため,多様なイオンビームを蓄積することが可能である.さらに電磁石が不要なため装置を実験室サイズに小型化...

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  • 噴霧乾燥法を用いたリグニンからの球形カーボン微粒子の合成と高比表面積化

    CAO Kiet Le Anh, 荻 崇 ホソカワ粉体工学振興財団年報 29 (0), 106-112, 2022-05-25

    ...<p>持続可能な社会の構築へ向けてバイオマスから炭素ベース材料を合成することは重要である.本研究では,クラフトリグニンと水酸化カリウム(KOH)を原料に用い,噴霧乾燥法と炭化プロセスによって球状炭素粒子の合成を検討した.球状の炭素粒子は,KOH濃度を変えることにより,中実な粒子から中空の粒子まで正確に制御できることを明らかにした.また,合成された炭素粒子のキャパシター電極としての性能を評価した....

    DOI Web Site 参考文献5件

  • ミュオンで探る酸化物材料中の水素の両極性

    平石 雅俊, 岡部 博孝, 門野 良典 日本物理学会誌 77 (5), 278-286, 2022-05-05

    ...</p><p>このような背景の下,孤立Hの局所電子状態について実験的に情報を得られる数少ない手段として応用されてきたのが,素粒子ミュオン( μ<sup>+</sup>)を使う方法である.ミュオンは陽子の1/ 9,電子の206倍の質量を持ち,電子との相互作用では断熱近似がよく成り立つため,物質との相互作用(化学的性質)という意味ではミュオンは水素の軽い放射性同位体,つまり擬水素(Mu)とみなすことができる...

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  • ミューオン異常磁気モーメントから見る素粒子理論の進展

    遠藤 基 日本物理学会誌 77 (4), 208-214, 2022-04-05

    ...<p>ミューオンの異常磁気モーメントの研究の歴史は長い.ミューオンのスピン磁気モーメントが初めて測定されたのは,1950年代にコロンビア大学ニーブズ(Nevis)研究所でのことだ.その後,60年以上にわたって研究されてきた背景には未知の素粒子理論の存在がある....

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  • 創造性―科学と特許―

    笠利 彦弥 大学の物理教育 28 (1), 37-38, 2022-03-15

    ...<p>1.はじめに</p><p>理学部物理学科の学生の多くは,入学前,宇宙物理学や素粒子物理学にあこがれていたものが多い.入学してしばらくするとそれら以外の学際領域が多く存在することを知り,いろいろな専門分</p>...

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  • テンソルネットワークで格子場理論を計算する――符号問題への挑戦

    武田 真滋 日本物理学会誌 77 (3), 136-144, 2022-03-04

    ...</p><p>符号問題の回避策の一つとして最近注目を集めているのがテンソルネットワーク法である.その特徴は,特異値分解に基づく定量的な情報圧縮と実空間くりこみ群による物理自由度の粗視化のアイデアを取り入れている点である.物性系では,量子多体系の変分問題を解く方法として,素粒子系では主に,経路積分を直接評価する方法として発展している....

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  • 天体核物理と高密度QCD物性の新展開

    古城 徹 日本物理学会誌 77 (2), 74-82, 2022-02-05

    ...<p>「強い力」の基礎理論である量子色力学(QCD)は,カラー電荷を持つ素粒子,クォークとグルーオンの動力学である.クォークとグルーオンは,カラー電荷を中性にする組み合わせでハドロン(複合粒子)に閉じ込められる(カラーの閉じ込め)....

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  • 素粒子物理実験における多段深層学習モデルの学習

    齊藤 真彦, 森永 真央, ガングリ サンメイ, 岸本 巴, 田中 純一 人工知能学会全国大会論文集 JSAI2022 (0), 3N4GS1001-3N4GS1001, 2022

    ...<p>大規模な素粒子物理実験では、取得した実験データを統計解析するまでに多段階のデータ加工のステップが必要であることが多い。近年はそれぞれのステップに深層学習が導入されてきており、データ解析技術の向上に貢献している。このようなとき、多段に連結された複数の深層学習モデルを同時学習することで最後段ステップ(統計解析)の性能向上が期待されるが、その学習方法は確立していない。...

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  • ブラックホール降着流における高エネルギー現象

    木村 成生 日本物理学会誌 76 (12), 778-783, 2021-12-05

    ...</p><p>ブラックホール降着流での高エネルギー現象は,プラズマ物理,天体物理,素粒子物理など,様々な研究分野が絡んだ学際的研究である.今後の計算技術・観測技術・実験技術の向上によってさらなる発展が期待されている.将来の高感度のMeVガンマ線衛星と大規模ニュートリノ実験により,近い将来,天体ニュートリノの起源天体,さらに発見以来50年間にわたって謎である高エネルギー宇宙線の起源天体が明らかになる日...

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  • 粒子反応トポロジー測定による中性子イメージング法の開発

    谷森 達, Parker Joseph, 高田 淳史 日本物理学会誌 76 (12), 784-791, 2021-12-05

    ...はあまり変わっていない.放射線が物質中で起こすエネルギー損失を,電離損失またはシンチレーション等の発光現象を通して測定する.一方,放射線と物質の相互作用によって,入射粒子の方向・粒子識別等の情報が反応の幾何学的構造として残されている.反応の3次元計測によって初めてこれらの情報が得られる(トポロジー計測法).そのような情報はわずかに写真乾板や霧箱等で測定されたが,広く利用されることはなかった.近年,素粒子...

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  • カミオカンデとその成果

    中畑 雅行 日本物理学会誌 76 (11), 701-702, 2021-11-05

    <p>カミオカンデとその成果</p><p>あの研究の誕生秘話特別編「小柴先生が追いかけた物理の夢」</p>

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  • 結晶カイラリティと巨視的スピン応答――カイラル磁性とスピン偏極

    戸川 欣彦 日本物理学会誌 76 (10), 646-651, 2021-10-05

    ...<p>カイラリティ(chirality)の概念は素粒子から生態系まで自然界の様々な階層に見出される.物質科学ではケルビン卿による定義が広く受け入れられている.それは鏡の中では互いに映しあうが実際には重ね合わせることができない関係を意味している....

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  • 対談 : 中高生宇宙線探究活動「探Q」でのオンライン研究サポート

    田中 香津生, 喜多 亮介, 河野 理夏子, 末廣 和夏, 須﨑 渓介, 髙梨 美佳, 髙橋 将太, 能勢 千鶴 科学技術コミュニケーション 29 37-54, 2021-08

    宇宙線探究活動「探Q」では中高生を対象に宇宙線検出器を配布し,研究者と大学生が探究活動のサポートを行っている.コロナの感染症拡大で中高生の自由な課外活動・探究活動が制限される状況下でも,大学生メンターとのメンタリングを通したオンラインでのサポートを行ってきた.現在では国内外の21校の学校から78名の中高生が互いにオンラインで交流しながら探究活動を行っている.本寄稿ではどのようにして活発で中高生主…

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  • ニュートリノの原子核レスポンス――二重ベータ崩壊と超新星ニュートリノの解明に向けて

    江尻 宏泰 日本物理学会誌 76 (7), 426-434, 2021-07-05

    ...<p>ニュートリノは,電子と同じ軽い素粒子で,電荷がなく「弱い力」が作用する.ニュートリノの基本的な性質や反応には,</p><p>・ニュートリノ(粒子)も反ニュートリノ(反粒子)も中性の粒子だが,ニュートリノは,粒子と反粒子が同じマヨラナ粒子か,あるいは別のディラック粒子か,</p><p>・ニュートリノ振動の観測から,ニュートリノには質量があることがわかったが,どのくらいの質量があるのか,</p><...

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  • 場の量子論と量子情報――相対エントロピーとその応用

    宇賀神 知紀, 西岡 辰磨 日本物理学会誌 76 (7), 435-443, 2021-07-05

    ...<p>量子情報理論は,量子エンタングルメントという古典論には現れない量子論の非局所性を特徴付ける重要な概念を,情報量として定量化してその性質を研究する学問である.量子情報理論はその名が示すとおり量子物理学と情報理論の交差点であり,両分野のアイデアを取り込みながら急速に発展している.一方で近年は量子情報理論で培われた概念や手法を,素粒子論,物性論,一般相対論などの基礎物理学に応用するという新しいアプローチ...

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  • 宇宙マイクロ波背景放射によるインフレーション起源重力波観測――POLARBEAR実験と次の10年間の展望

    茅根 裕司, 西野 玄記 日本物理学会誌 76 (6), 332-338, 2021-06-05

    ...更にはSimons Arrayを発展させたSimons Observatory実験の建設も始まり,近い将来,インフレーション起源<i>B</i>モードの検出が現実的になってきている.また重力レンズ起源<i>B</i>モード観測と光赤外サーベイ,例えばすばる望遠鏡による宇宙の大規模構造観測を組み合わせることで,修正重力やダークエネルギーの検証も期待されている.これは,ニュートリノ総質量の測定,そして素粒子実験...

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  • 強磁性近傍のトポロジカル超伝導体――UTe<sub>2</sub>とUCoGeの理論予測

    石塚 淳, 大同 暁人, 栁瀬 陽一 日本物理学会誌 76 (5), 289-294, 2021-05-05

    ...</p><p>最近,以前に増して,スピン三重項超伝導に注目が集まっている.その理由は,スピン三重項超伝導体がトポロジカル超伝導の有力な候補となることにある.トポロジカル超伝導とは,準粒子の波動関数が幾何学的に非自明な構造をもつ超伝導体のことを指す.その特異な性質として,欠陥,渦糸中心,表面などにおいてマヨラナ準粒子が現れることが示されている.素粒子物理学において未発見とされるマヨラナ粒子が物質において...

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  • 情報と物理学

    富谷 昭夫 大学の物理教育 27 (1), 17-21, 2021-03-15

    ...<p>1.はじめに</p><p>筆者は2015年に素粒子理論で博士号をとった物理学の研究者であるが,最近は機械学習を理論物理に応用する研究を行っている.機械学習を一言で言えばデータに潜む未知の情報を取り出し運</p>...

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  • 光周波数コムを用いた高精度アライメントモニター(第6報)

    久米 達哉, 三部 勉, 安田 浩昌, 道畑 正岐, 高橋 哲 精密工学会学術講演会講演論文集 2021S (0), 589-590, 2021-03-03

    <p>我々は,高磁場,真空の過酷環境下で動作する陽電子飛跡検出器に,光ファイバ導入型の複数の絶対測長干渉計の測長路を張り巡らせ,得られる測長値を用いることで,直径600 mm,高さ750 mmの円柱形の検出器の数μm程度の変動を,数カ月間以上にわたり連続的に監視することを目指している.ここでは,干渉光学系を小型高精度化することを目的とした,ガラスボールレンズを用いた干渉計に関する検討について述べ…

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  • フラストレート量子磁性体におけるヒッグス振幅モードと位相モードのハイブリッド励起

    益田 隆嗣, 林田 翔平, 松本 正茂 日本物理学会誌 76 (1), 23-27, 2021-01-05

    ...物理学の普遍的なテーマであり,特に固体中の何らかの秩序からの励起状態として現れる準粒子の振る舞いはこれまで盛んに研究されてきた.その準粒子の運動は,秩序変数の位相と振幅の揺らぎに対応する2つのモードで記述される.位相モードは南部–ゴールドストーンモードともよばれ,結晶の音響フォノンや磁性体のマグノンがよく知られている(用語解説の図参照).振幅モードは結晶の光学フォノンが古くより有名であるが,ヒッグス素粒子...

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  • イベント形状を用いてヒッグス粒子のCPと結合定数を測る

    竹内 道久 日本物理学会誌 76 (1), 13-16, 2021-01-05

    ...<p>理論的には約50年前に予言され,長らく探索が続けられていたヒッグス粒子が,2012年にLHC実験において発見された.これにより,素粒子標準模型を構成するすべての素粒子が揃い,素粒子間にはたらく相互作用が正確に記述できるようになった.現在,ヒッグスに関する様々な性質が測定されているが,大きなずれは報告されておらず,自然に対する人類の理解が極小の世界まで正しいことが確認されたと言える....

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  • ミュオンスピン回転・緩和法を用いたルチル型TiO<sub>2</sub>欠陥構造解析

    三輪 寛子, 下村 浩一郎, Amba Datt Pant, 鳥養 映子, 永嶺 兼忠, 朝倉 清高 日本表面真空学会学術講演会要旨集 2021 (0), 1Cp09-, 2021

    ...<p>ルチル型TiO2内部の欠陥構造を素粒子であるミュオンをプローブとして用いたミュオンスピン回転/緩和/共鳴(µSR)法により検討したところ、安定構造の一つとして、酸素欠陥内部で水素原子が二つ安定化するという新しい構造を見出した。また、DFT計算によりこれらの水素はヒドリドとして存在し安定化していることを示した。</p>...

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  • SiC スポンジによるPM 捕集の可視化と現象理解

    中津 朋寛, 横山 翔平, 浅井 隆弘, 西保 裕司, 山本 和弘 自動車技術会論文集 52 (4), 732-737, 2021

    ...本研究では炭素粒子発生器を用いてガソリン車から排出される微粒子を模擬し,捕集実験を行った.素材には耐熱性に優れたSiCスポンジを使用した.今回はマイクロスコープでフィルタ内部の粒子堆積領域を可視化した.細孔径の異なるスポンジの組み合わせを検討し,捕集時間により減少がどのように変化するのかを議論した....

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  • 超対称性粒子の質量がもつ新しい性質

    奥村 健一 日本物理学会誌 75 (12), 751-755, 2020-12-05

    ...媒介とよばれる機構において,超対称性を破る場の非摂動効果が重い素粒子の質量を生成していると,重い素粒子による繰り込み群の補正が有効理論から見えなくなる場合があることが明らかになった.これは,重い素粒子を取り除いて有効理論を作る際の補正と繰り込み群の効果が相殺されるためであり,従来の理論で「アノマリー媒介の紫外不感性」とよばれていた効果の拡張として理解できる.この効果は超対称性理論において直接探索できない...

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  • 高耐熱・高熱伝導樹脂複合材料

    三村 研史, 中村 由利絵, 正木 元基, 西村 隆 電気材料技術雑誌 29 7-17, 2020-10-10

    In the power module products, insulated materials are asked for high heat dissipation along with achievement of downsizing and high efficiency of the electronic equipment. In order to give high …

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  • Improving fermion mass hierarchy in grand gauge–Higgs unification with localized gauge kinetic terms

    Maru, Nobuhito, Yatagai, Yoshiki The European Physical Journal C 80 (10), 933-, 2020-10-09

    ...素粒子標準模型におけるヒッグス場を高次元ゲージ場の一部とみなす5次元ゲージ・ヒッグス統一理論を大統一理論に拡張した理論を構築し、電弱対称性の破れおよびヒッグス粒子の質量を再現できただけでなく、クォーク・レプトンの質量階層性も不自然なパラメタの微調整をせずに再現することに成功しました。...

    機関リポジトリ

  • An Introduction to Quantum Field Theory

    原田 正康, 野中 千穂 日本物理学会誌 75 (10), 648-649, 2020-10-05

    <p>ラ・トッカータ ゼミ本シリーズ</p><p>An Introduction to Quantum Field Theory</p>

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  • 強い相互作用の状態方程式――原子核衝突の視点から

    門内 晶彦 日本物理学会誌 75 (9), 565-569, 2020-09-05

    ...<p>クォークやグルーオンといった素粒子は,4つの基本相互作用の1つである「強い相互作用」を行い,量子色力学によって記述される.これらは常温常圧下ではハドロンの内部に閉じ込められているが,約2兆度を超える超高温では解放されクォークグルーオンプラズマとよばれる多体系を形成すると考えられている....

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  • マヨラナ束縛状態を示唆するゼロエネルギー状態の観測

    町田 理, 花栗 哲郎 日本物理学会誌 75 (9), 570-575, 2020-09-05

    ...<p>マヨラナ粒子はそれ自身が反粒子であるという特異な性質をもった,電荷が中性の粒子である.1937年にエットレ・マヨラナによって導入されたこの粒子は,その提案から80年以上たった今でも,素粒子として存在する証拠が見つかっていない未知の粒子である.しかし,最近になって,固体中でマヨラナ粒子の特徴をもった準粒子(マヨラナ準粒子)が出現し得ることが理論的に提唱され,物質科学の分野で,マヨラナ準粒子の実現...

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  • ミュー粒子稀崩壊現象の探索で迫る素粒子標準理論の先の世界

    大谷 航 日本物理学会誌 75 (9), 559-564, 2020-09-05

    ...<p>素粒子物理学の大きな目標は,時空と物質を統一的に記述する究極の物理法則を解明することである.その目標への取り組みは道半ばであるが,これまでに我々が手に入れた素粒子の標準理論は,実験事実のほぼすべてを矛盾なく説明するなど大きな成功を収めてきた.しかしながら,宇宙の暗黒物質の正体・消えた反物質の謎・宇宙創生期の素粒子と力の大統一の理解などさまざまな根源的な未解決課題が残されており,残念ながら標準理論...

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  • 光周波数コムを用いた高精度アライメントモニター(第5報)

    久米 達哉, 安田 浩昌, 三部 勉, 道畑 正岐, 高橋 哲 精密工学会学術講演会講演論文集 2020A (0), 347-348, 2020-08-20

    <p>我々は,直径600 mm,高さ750 mm程度の対象物に,光ファイバ導入型の複数の絶対測長干渉計の測長路を張り巡らせることで,高磁場,真空下における数μm程度の変動の,数カ月間以上にわたる監視を目指している.これまでに,長さ基準とするエタロンで圧縮された光周波数コムのパルス間隔を,数ppm(k=2)程度の比不確かさで校正してきた.ここでは,より高確度な校正を目指して周波数領域での校正を行っ…

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  • 負ミュオンの化学

    二宮 和彦 RADIOISOTOPES 69 (8), 277-286, 2020-08-15

    ...<p>電子と同じ電荷を持ち,およそ207倍の質量を持つ素粒子である負ミュオンは,電子と同じように原子軌道を作り,ミュオン原子を形成する。ミュオン原子軌道は原子核に極めて近いにもかかわらず,ミュオンが捕獲されミュオン原子が形成する過程において,化学的な影響,すなわち最外殻電子の影響が存在することが知られている。また,ミュオン原子には通常の原子と同じように電子が存在するため,化学反応が起こりうる。...

    DOI Web Site Web Site 参考文献40件

  • 共鳴状態の複合性で特徴づけるハドロン分子状態

    兵藤 哲雄 日本物理学会誌 75 (8), 478-483, 2020-08-05

    ...<p>1960年代,それまで素粒子と考えられていた陽子,中性子のように強い相互作用をする粒子(ハドロン)が多数発見され,「素粒子と複合粒子の分別」が盛んに議論されていた.その後,強い相互作用をする基本粒子はクォークとグルーオンであり,観測されているハドロンはクォーク・グルーオンの複合系であることが明らかになった.現在までに観測されたハドロンの種類は300種以上に及ぶ....

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  • ホーキング輻射とカオスの新たな関係

    森田 健 日本物理学会誌 75 (7), 427-432, 2020-07-05

    ...<p>ブラックホールは,天文学,相対性理論,宇宙論,素粒子論など様々な分野で,様々な理由により重要な研究対象である.特に素粒子論では,ブラックホールは情報喪失問題と呼ばれる未解決問題に関係して注目されている.この問題はホーキングによって示されたブラックホールが量子力学の効果で熱的な蒸発をするという予言(ホーキング輻射)に端を発する....

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  • 銀河間ボイドの化石磁場から探る初期宇宙の物理

    鎌田 耕平 日本物理学会誌 75 (6), 329-334, 2020-06-05

    ...<p>電弱相転移のスケールよりはるかに高いエネルギースケールが実現されていた可能性のある初期宇宙は,素粒子標準模型や一般相対論を超えた物理を探索するための良い実験場である.しかし,現在までの宇宙観測の結果は最もシンプルな模型でよく説明できるものであり,初期宇宙の模型の区別をつけるような情報は得られていない.さらに,加速器実験や暗黒物質の直接検出実験は,標準模型を超える物理の存在を示すような有意な結果...

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  • ゲージ理論を行列模型を用いて調べる――ラージ<i>N</i> 極限への挑戦

    大川 正典 日本物理学会誌 75 (5), 264-273, 2020-05-05

    ...<p>素粒子の標準モデルは,その基礎をゲージ理論においている.実際,電磁相互作用を媒介する光子はU(1)ゲージ理論により記述されており,また強い相互作用を作り出すグルーオンはSU(3)ゲージ理論に支配されている.光子は電荷を持たないので自己相互作用をしないが,グルーオンは自分自身で電荷(色電荷と呼ばれる)を持ち自己相互作用をし,その結果として強い力が作り出される.両者の違いは数学的には,U(1)群が...

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  • 高次トポロジカル絶縁体の物理――角に出現する新奇なギャップレス状態

    江澤 雅彦 日本物理学会誌 75 (5), 289-294, 2020-05-05

    ...<p>トポロジカル絶縁体は近年発見された物性物理における重要な概念である.最近では物性物理に留まらず量子情報や素粒子など様々な分野で関心を集めている.トポロジカル絶縁体では,その名の通り試料内部(バルク)は絶縁体でバンドギャップがある一方,試料外部との境界にはギャップレスな状態が現れ金属的に振る舞う.これはバルクがゼロでないトポロジカル数をもつことの帰結であり,バルク境界対応と呼ばれている.ドーナッツ...

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  • Atiyah–Patodi–Singerの指数定理――素粒子・物性・数学の交叉点

    深谷 英則, 大野木 哲也, 山口 哲 日本物理学会誌 75 (4), 210-214, 2020-04-05

    ...</p><p>2017年,私たちは素粒子論でよく知られた手法を使って,APS指数定理と同じ結果を与える新しい定式化を見出した.非局所的境界条件を必要とせず,ドメインウォールフェルミオンとよばれる,トポロジカル絶縁体のよい模型となる演算子を用い,APSと同じ結果を与える物理量を定式化した.この新しい定式化は計算もより簡単なので,「物理屋でもわかるAPS指数定理」として発表した....

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  • 光周波数コムを用いた高精度アライメントモニター(第4報)

    久米 達哉, 安田 浩昌, 三部 勉, 道畑 正岐, 高増 潔 精密工学会学術講演会講演論文集 2020S (0), 630-631, 2020-03-01

    <p>我々は,複数の絶対測長干渉計の測長路を張り巡らせたアライメントモニターの実現を目指している.これまでに,長さ基準とする光周波数コムのパルス間隔が,その圧縮に用いるエタロンのFSRにより変化することが示され,そのパルス間隔を,ゲージブロックを基準に不確かさ6 ppm (k = 2)程度で校正した.ここでは,不確かさ1.7 ppm (k = …

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  • 長波長X線を利用したタンパク質結晶構造解析

    松垣 直宏, 山田 悠介, 引田 理英, 平木 雅彦, 千田 美紀, 千田 俊哉 日本結晶学会誌 62 (1), 56-61, 2020-02-29

    <p>Applying long wavelength X-ray (ca. longer than 2 Å) in macromolecular crystallography has been limited due to the lack of dedicated measurement environment. Photon Factory BL-1A, as an MX …

    DOI Web Site Web Site 参考文献18件

  • 宇宙のダークマター直接探索の現状

    身内 賢太朗, 濱口 幸一 日本物理学会誌 75 (2), 68-76, 2020-02-05

    ...の存在を仮定することであった.その後の様々な宇宙観測により,我々は宇宙の構成要素を右図に示す通り精密に知るに至った.宇宙の記述に「大成功」している素粒子の標準模型で説明される「通常の物質」はエネルギー換算で宇宙全体の1/ 20に満たない.通常の物質の5倍以上のダークマターと,さらにその2倍以上のダークエネルギーが宇宙のほとんどを構成する,というのが現在広く受け入れられている宇宙の姿である....

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  • ミュオン原子形成過程における電子状態の影響

    二宮 和彦 Journal of Computer Chemistry, Japan 19 (3), 87-93, 2020

    ...<p>素粒子のひとつであるミュオンは,その負電荷のため電子と同じように原子軌道を作り,ミュオン原子を形成する.ミュオンは電子の207倍の質量があり,その原子軌道は原子核に極めて近い.その一方で,ミュオン原子の形成過程においては,ミュオンを捕獲する原子の電子状態の影響があることが知られている.具体的には,原子へのミュオン捕獲確率や,捕獲されたミュオンの原子軌道の初期の準位は,同じ原子に捕獲された場合であっても...

    DOI Web Site 参考文献29件

  • 擬似水素としてのミュオンと第一原理計算の組み合わせによる水素の電子状態研究

    平石 雅俊, 小嶋 健児, 岡部 博孝, 幸田 章宏, 門野 良典, 井手 啓介, 松石 聡, 雲見 日出也, 神谷 利夫, 細野 秀雄 Journal of Computer Chemistry, Japan 19 (3), 106-114, 2020

    ...<p>水素の軽い同位体である素粒子ミュオン (Mu) を用いて透明酸化物半導体InGaZnO<sub>4</sub> (IGZO) 中における水素の電子状態を調べた.ミュオンスピン回転法で観測された久保-鳥谷部関数における緩和率Δと,第一原理計算による水素のシミュレーションの組み合わせから,結晶IGZOやアモルファスの薄膜a-IGZO中でのミュオンはZn-Oの結合中心位置で安定化...

    DOI Web Site 参考文献18件

  • 計算科学的手法による物質中におけるミュオン位置同定

    渡邊 功雄, Sari Dita Puspita, Ramadhan Redo, Adiperdana Budi, Sulaiman Shukri Journal of Computer Chemistry, Japan 19 (3), 115-123, 2020

    ...<p>素粒子であるミュオンを物質科学研究に利用するミュオンスピン緩和法(μSR)が開発されてから半世紀が過ぎようとしている.これまで数多くの研究成果が報告されるとともに幅広い研究分野に応用されている.近年,有機分子性物質にける磁性体・超伝導体が数多く開発されるに伴い,μSRの化学分野における利用もポピュラーになりつつある.一方で,μSRの利用が広がるとともに,そこからより詳しい情報を得たいという要求...

    DOI Web Site 参考文献24件

  • 負ミューオンビームを用いた非破壊分析法の開発

    二宮 和彦 日本地球化学会年会要旨集 67 (0), 156-, 2020

    ...<p>負ミューオン(ミュオン、ミュー粒子とも呼ばれる)は、電子と同じ電荷をもち、電子のおよそ207倍の質量をもつ素粒子である。ミューオンは、その負電荷ゆえに電子と同じように原子軌道(ミューオン原子軌道)を作ることができるために、物質中で原子に捕獲されて、原子核、電子、ミューオンからなる原子、ミューオン原子を作る。...

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  • ミュオニウム ー基礎から応用までー

    下村 浩一郎 Journal of Computer Chemistry, Japan 19 (3), 80-86, 2020

    ...<p>正電荷ミュオンと電子の束縛状態であるミュオニウム(Mu)は,水素原子と極めて状態が似ており,ミュオンを利用した様々な研究で,興味深い役割を果たしている.本稿では,そのなかで素粒子標準理論の精密検証とそれを超えた新物理の探索といった基礎科学的な側面と,ワイドギャップ半導体等での電気伝導性起源の解明といった物質科学への応用という2つの大きく異なる分野でのミュオニウムの役割を簡単に紹介する....

    DOI Web Site 参考文献6件

  • Super-Kamiokandeによる天体ニュートリノ観測

    中畑 雅行 RADIOISOTOPES 68 (12), 893-906, 2019-12-15

    <p>Super-Kamiokandeは岐阜県神岡の地下1000 mの場所に建設された50,000 tの超純水を使用した水チェレンコフ型観測装置である。1996年から観測を開始し,大気ニュートリノ,太陽ニュートリノの観測によりニュートリノ振動を発見した。現在,観測装置を高度化し,過去の超新星爆発起源のニュートリノ観測の準備をしている。Super-Kamiokandeがニュートリノ振動によって得て…

    DOI Web Site Web Site 参考文献11件

  • K中間子稀崩壊探索による新物理へのアプローチ

    塩見 公志, 野村 正, 山中 卓 日本物理学会誌 74 (12), 830-838, 2019-12-05

    ...>L</sub></i><sup>0</sup>)が二つのパイ中間子に崩壊する過程の観測によるものである.CP対称性の破れを説明する数多くの理論が現れたが,1990年代のK中間子の精密測定と2001年のB中間子崩壊でのCP対称性の破れの発見を経て,素粒子標準理論による説明=小林・益川理論の正しさが証明された....

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  • 界面および表面を用いたスピン流-電流相互変換素子

    一色 弘成, 大谷 義近 電気学会誌 139 (11), 736-741, 2019-11-01

    ...<p>1.はじめに</p><p>電子は負電荷とスピン角運動量を持つ素粒子であり,その電荷の流れを電流(図1(a)),スピン角運動量の流れをスピン流と呼ぶ。磁化を持つ強磁性体にスピン流を注入すると,磁化にトルクが作用し高効率に反転させることができるために,超低消費電力磁気メモリの開発に資する技</p>...

    DOI Web Site Web Site 参考文献7件

  • 超弦理論と一般相対論をつなぐ――Double Field Theory

    酒谷 雄峰 日本物理学会誌 74 (10), 709-713, 2019-10-05

    ...<p>超弦理論は重力を含んだ素粒子の統一理論の有力候補であると考えられている.この理論では,物質を構成する素粒子は,大きさを持たない点ではなく,実は観測できないほど短い弦であると考える.素粒子が弦で構成されていると仮定すると,点の場合とは異なった不思議な現象が起こる.それに伴って,従来の重力理論である一般相対論とその基礎であるリーマン幾何学は,超弦理論の性質を取り入れたものに修正される必要があると考...

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  • プランク定数にもとづくキログラムの新しい定義

    藤井 賢一 日本物理学会誌 74 (10), 700-708, 2019-10-05

    ...</p><p>SIの新しい定義では,磁気定数μ<sub>0</sub>や炭素<sup>12</sup>Cのモル質量<i>M</i>(<sup>12</sup>C)などのように,これまで不確かさゼロの定数として扱われてきたものが不確かさをもつ変数に変わるものもあるが,多くの基礎物理定数の不確かさは小さくなる.SIの新しい定義では,<i>h</i>の不確かさがゼロになるので,原子や素粒子などの質量の不確...

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  • 量子スピン液体における半整数熱量子ホール効果――マヨラナ・フェルミオンと非可換エニオン

    笠原 裕一, 水上 雄太, 芝内 孝禎, 松田 祐司 日本物理学会誌 74 (9), 639-645, 2019-09-05

    ...<p>電子は電荷-<i>e</i>とスピン1/ 2を持ち,フェルミ統計に従う素粒子である.マクロな数の電子の集団が示す劇的な現象に,磁場中の2次元電子ガスで観測される整数および分数量子ホール効果がある.前者は電子状態のトポロジーという基本的な概念を生み出した.後者では電子間の多体効果により分数電荷の粒子やフェルミ統計ともボース統計とも異なる分数統計に従う粒子,エニオンなどの奇妙な準粒子が現れる....

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  • 特集「超伝導材料最前線 -実用化に向けた組織制御技術の進歩-」によせて

    松本 要, 熊倉 浩明 日本金属学会誌 83 (9), 293-293, 2019-09-01

    ...<p>超伝導材料は低温,強磁場中で電気抵抗ゼロという重要な性質を持つため,医療用MRIや素粒子加速器,あるいは磁気浮上列車,等々において広く応用されている.超伝導材料開発の歴史は長く,その応用範囲を広げるため,物理的・化学的・工学的な試みが世界各国で継続的に続けられてきた.現在では,実用材料である金属系超伝導体(NbTi合金,Nb<sub>3</sub>Sn化合物)に加えて,Bi系銅酸化物(1988...

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  • 光周波数コムを用いた高精度アライメントモニター(第3報)

    久米 達哉, 安田 浩昌, 三部 勉, 道畑 正岐, 高増 潔 精密工学会学術講演会講演論文集 2019A (0), 138-139, 2019-08-20

    <p>我々のアライメントモニターは,エタロンにて圧縮された光周波数コムのパルス間隔を測長基準とする.従来のパルス間隔の校正では,校正基準とするゲージブロックとガラス平行平面基盤間のリンギングの不確かさが評価できないことから,校正値の不確かさが制限された.ここでは,リンギングを用いない校正方法により,より小さな不確かさでの校正の実現を目指した.</p>

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  • 真空の寿命

    庄司 裕太郎 日本物理学会誌 74 (3), 128-136, 2019-03-05

    ...</p><p>さらにずっと過去では,宇宙は非常に多くの相転移を繰り返してきたという仮説がある.超弦理論において,真空の数は10<sup>500</sup>とも見積もられており,我々の宇宙はこれらの真空の間で相転移を繰り返してきたと言う説である.素粒子論における様々な微調整問題は,インフレーションと相転移によって生じる無数の物理定数が異なる泡宇宙によって解決されるかもしれない.</p>...

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  • 光周波数コムを用いた高精度アライメントモニター(第2報)

    久米 達哉, 安田 浩昌, 三部 勉, 高増 潔 精密工学会学術講演会講演論文集 2019S (0), 914-915, 2019-03-01

    <p>光周波数コムに基づく絶対測長干渉計において測長基準として用いられる光周波数コムのパルス間隔をゲージブロックを基準に実測した.その結果,エタロンで圧縮されたパルス間隔は,エタロンのFSRにより変化し,その繰り返し周波数は,エタロンのFSRに近い値になることが示され,従来のシミュレーション結果と同様に,エタロンで圧縮された光周波数コムのパルス間隔は,エタロンのFSRで決定される可能性が高いこと…

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  • SuperKEKB/Belle II実験の物理

    飯嶋 徹 加速器 15 (4), 221-228, 2019-01-31

    <p>The high luminosity e<sup>+</sup>e<sup>−</sup>collisions at the SuperKEKB accelerator produce heavy flavor particles, the <i>B</i> and <i>D</i> mesons as well as the τ lepton, at the rate of …

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  • M理論の地図が見えてきた

    森山 翔文, 野坂 朋生 日本物理学会誌 74 (1), 34-39, 2019-01-05

    ...<p>微視的な世界を探索する素粒子物理学において,最終理論は存在するのだろうか.ここで,最終理論とは,自然界に存在するありとあらゆる相互作用を,高エネルギー領域を含めて正確に記述する理論を指す.原子を単位とする元素表が,陽子や中性子を単位として修正され,さらに,クォークやレプトンを単位にする素粒子標準模型に到達した.そのような素粒子物理学の歴史にいつか終止符が打たれるのだろうか....

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  • 複雑構造をもつ放射線シミュレータのための半透明なエッジ強調可視化

    長谷川 恭子, 眞川 凌司, 田中 覚 可視化情報学会誌 39 (152), 19-24, 2019

    ...のためのシミュレータGeant4で生成された高エネルギー素粒子検出器の3次元ポリゴンモデルにこの手法を適用し,その効果を実証した.本可視化手法を適用した結果,奥行き感や立体感を出しつつ,精細な部分まで正確に輪郭を強調して半透明可視化することができ,内部構造も輪郭と共に透視して視認することが可能となった....

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  • 原子炉ニュートリノの科学と技術の進展

    吉田 正 日本原子力学会誌ATOMOΣ 61 (10), 711-715, 2019

    ...その一方でこの謎の多い粒子は,素粒子論や天体核物理学のあらゆる局面に顔を出し,その発展の狂言回しの役割を演じて存在感を増し続けてきた。ニュートリノを遮るには鉛板にして数光年の厚さが必要だが,この物質との関わり(相互作用)が超絶的に弱いという性質が逆に原子炉運転遠隔監視への応用の道も開く。...

    DOI Web Site Web Site 参考文献2件

  • POLARBEAR-2用較正光源の観測サイトでの運用試験状況について

    高取 沙悠理, 金子 大輔, 片山 伸彦, 秋葉 祥希, 安達 俊介, 阿部 倫史, 井上 優貴, 菊地 修平, 日下 暁人, 鈴木 有春, 鈴木 純一, 瀬川 優子, 高倉 理, 高田 卓, 田島 治, 田邉 大樹, 茅根 裕司, 都丸 隆行, 西野 玄記, 羽澄 昌史, 長谷川 雅也, 服部 香里, 濱田 崇穂, 廣瀬 開陽, 松田 フレドリック, 松村 知岳, 南 雄人, 他POLARBEAR-2 コラボレーション 日本物理学会講演概要集 74.2 (0), 342-342, 2019

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  • SiC スポンジを用いたガソリン車用フィルタの開発

    浅井 隆宏, 山本 和弘, 西保 裕司 自動車技術会論文集 50 (4), 1036-1041, 2019

    ...本研究では炭素粒子発生器を用いてガソリン車から排出される微粒子を模擬し、捕集試験を行った。素材として耐熱性と高強度に優れたSiCスポンジを使用した。今回は,フィルタの厚み、細孔径、空隙率を変えた場合の捕集特性の変化を調べ、低圧損で高捕集率を実現する条件について検討した。...

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  • SuperKEKBメインリングのコリメータヘッドの開発

    照井 真司, 石橋 拓弥, 末次 祐介, 白井 満, 渡邉 謙 日本表面真空学会学術講演会要旨集 2019 (0), 2P19-, 2019

    ...コリメータはビーム軌道近くのハローを削る装置で、素粒子検出器のバックグラウンドを低減するために使用される。特徴は、大電流に耐えることができ、かつ、バンチ長が短いので低インピーダンスであることである。大電流に耐えるための冷却水配管の構造と、ビーム運転での問題点について報告する。</p>...

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  • ガソリン車用PM フィルタの圧損と捕集性能の評価

    山本 和弘, 吉澤 健樹 自動車技術会論文集 50 (2), 309-316, 2019

    ...直噴ガソリン車は低燃費であるが粒子状物質(PM)の排出量が多い.そこでガソリン車用のフィルタ(GPF)が開発中である.本研究では,炭素粒子発生器により発生させたカーボン粒子を用いてGPFの捕集性能試験を行った.今回は長さの異なる3つのGPFとほぼ同じ大きさのDPFを用いて圧損と捕集性能を比較した....

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  • 物理学と力学のツール的性格 ~「AI時代」の物理教育とは~

    佐藤 文隆 物理教育 66 (4), 275-278, 2018-12-06

    ...電子は素粒子であると同時にコンピュートする存在でもある。自然は人間の概念世界のなかに描かれるものである。力学の物理教育では実在とツールの関係の考察が必要であり,量子力学の解釈問題はこの点に関わっている。ツールは他の学問に波及する威力を持つ。</p>...

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  • 超臨界エンタングルメントを示すスピン系と素粒子

    杉野 文彦 日本物理学会誌 73 (12), 859-863, 2018-12-05

    ...</p><p>物性理論や素粒子理論で主に扱う量子多体系は(格子化された)空間の1点1点にスピンなどの粒子状態が付与されている.上と同様にして,空間を2つの部分<i>A</i>,<i>B</i>に分けたときに,全系の状態が部分系<i>A</i>の状態と部分系<i>B</i>の状態のテンソル積で書けるか否か?で<i>A</i>と<i>B</i>の間のエンタングルメントの有無がわかる....

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  • 重力逆二乗則の実験検証

    村田 次郎 日本物理学会誌 73 (11), 762-770, 2018-11-05

    ...理論的に自由である.簡単なのは質量をもった新しい粒子交換力を考えることで,コンプトン波長を到達距離にもつ湯川型となる.最も有名な例が1998年のアルカニハメドらによる「大きな余剰次元模型」であり,mmスケールまで拡がった4次元以上の空間次元(余剰次元)の存在により実験未検証の近距離で,べき乗則そのものがガウスの法則により変更を受けるというものである.4つの力のうち重力だけが極端に「弱い」謎を,本来は素粒子...

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  • A cold/ultracold neutron detector using fine-grained nuclear emulsion with spatial resolution less than 100 nm

    長縄, 直崇, 有賀, 智子, 粟野, 章吾, 日野, 正裕, 広田, 克也, 河原, 宏晃, 北口, 雅暁, 三島, 賢二, 清水, 裕彦, 多田, 智美, 田﨑, 誠司, 梅本, 篤宏 The European Physical Journal C 78 (11), 959-, 2018-11

    A new type of cold/ultracold neutron detector that can realize a spatial resolution of less than 100 nm was developed using nuclear emulsion. The detector consists of a fine-grained nuclear emulsion …

    DOI HANDLE PDF ほか1件 被引用文献2件 参考文献17件

  • ILCの多角的活用の可能性

    森川 祐, 山本 樹, 島田 美帆, 下村 浩一郎, 河村 成肇, 山崎 高幸, 牧村 俊助, 野村 大輔, 川島 祥孝, 早川 岳人, 丸山 智幸, 三島 賢二 加速器 15 (3), 132-138, 2018-10-31

    <p>ILC will be a unique facility when it has come. While the main purpose of ILC is concentrated on the high-energy physics for the time being, it should be very useful to consider diversified usage …

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  • LHC実験が解き明かす真空の本質~ヒッグス粒子の精密測定~

    江成 祐二, 浅井 祥仁, 花垣 和則 日本物理学会誌 73 (10), 710-714, 2018-10-05

    ...<p>2012年7月のヒッグス粒子発見の記者会見を思い出す読者も多いと思う.たかが素粒子1つで何の騒ぎと訝る方もいらっしゃるかもしれない.ヒッグス粒子の発見は,単に「標準理論」最後の未発見粒子が発見されたという話ではない.ヒッグス粒子はこれまで発見されていた素粒子とは全く異なるカテゴリーの素粒子であり,我々を取り囲む「真空」に関係している.真空は,空っぽなのではなく,「ヒッグス場」と言う場が隠れていたことが...

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