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検索結果 2,438 件

  • Direct Action of Celastrol on Hypothalamic ARC Neurons to Increase Leptin Sensitivity

    Akiko, Murakami, Ken, Ebihara, Masayo, Isoda, Chihiro, Ebihara, Koji, Shibuya, Akihito, Takei, Shoko, Takei, Tetsuji, Wakabayashi, Daisuke, Yamamuro, Manabu, Takahashi, Shuichi, Nagashima, Katsuya, Dezaki, Shun, Ishibashi 自治医科大学紀要 46 9-16, 2024-03

    Leptin is an adipocyte-derived hormone that is involved in the regulation of food intake and energy expenditure. Individuals with obesity generally exhibit hyperleptinemia and leptin resistance. …

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  • 体温調節の中枢機構

    中村 和弘 生化学 96 (1), 12-27, 2024-02-25

    ...体温調節は動物の生命活動の基盤をなす最も重要な生体調節機能の一つである.恒温動物である哺乳類には褐色脂肪熱産生,ふるえ熱産生,皮膚血管調節などの自律性体温調節反応と暑熱・寒冷逃避行動などの行動性体温調節反応が備わる.これらの体温調節反応を制御するのは脳の神経回路であり,視索前野の体温調節中枢が深部体温や環境温度の情報を統合して,適切な調節司令を視床下部–延髄の遠心路を介して効果器へ出力する.この神経回路...

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  • パーキンソン病における睡眠・自律神経障害

    藤田 裕明, 大垣 圭太郎, 野澤 成大, 椎名 智彦, 櫻本 浩隆, 鈴木 圭輔 自律神経 61 (1), 2-6, 2024

    ...<p>パーキンソン病(Parkinson’s disease, PD)において睡眠障害は6–9割にみられ,脳幹や視床下部の睡眠-覚醒機構の障害,夜間の運動/非運動症状,併存する睡眠障害,治療薬,加齢や合併症などさまざまな要因が影響し得る.レム睡眠行動異常症(rapid eye movement sleep behavior disorder, RBD)は代表的な睡眠障害であり,疾患前駆期における将来...

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  • 経鼻内視鏡手術を中心とした小児頭蓋咽頭腫に対する積極的な病変切除と治療成績

    森迫 拓貴, 池上 方基, 田上 雄大, 一ノ瀬 努, 坂本 博昭, 後藤 剛夫 小児の脳神経 49 (1), 26-32, 2024

    ...<p>小児頭蓋咽頭腫に対する外科的切除では,摘出率の向上により再発率を抑え,加えて視機能温存や周囲組織への障害を最小限にすることが必要であるが,病変が血管穿通枝,視神経視交叉や視床下部と近接しているため,安全に摘出することは容易ではない.近年,頭蓋咽頭腫に対しては経鼻内視鏡手術が基本アプローチとなっており,小児症例においてもその傾向にある.当院では2014年4月以降経鼻内視鏡下での積極的な病変摘出を...

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  • 顎顔面口腔領域における神経障害性疼痛のドパミン神経による制御

    前川 博治 日本口腔顔面痛学会雑誌 16 (1), 1-5, 2024

    ...<br><b>結果</b>:近年の研究の結果,腹側被蓋野や側坐核等で構成される中脳辺縁系が神経障害性疼痛と関連を持つことが神経障害性疼痛モデル動物を用いた実験から明らかとなってきた.また,ドパミン神経核の1つである視床下部A11細胞群も,神経障害性疼痛に関与することがわかってきた.また,神経障害性疼痛では,ドパミン受容体の発現や機能に変化が生じる可能性が示された....

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  • 汎下垂体機能低下症にて発症した中枢神経系原発悪性リンパ腫の1例

    関 彩花, 逸見 文昭, 伊藤 慎治, 宇留賀 公紀, 有澤 慶, 上坂 義和 臨床神経学 advpub (0), 2024

    <p>41歳女性.嘔吐,ふらつきで発症,血液検査では,下垂体ホルモンの全般の低下と,高プロラクチン血症を認めた.頭部MRIで下垂体柄・脳梁・第4脳室周囲から上小脳脚にFLAIR画像で高信号の病変を認め,同病変は均質に造影された.脳生検でprimary diffuse large B-cell lymphoma of the central nervous …

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  • 食欲とオレキシン

    田川 菜月, 船戸 弘正 心身医学 64 (3), 239-245, 2024

    ...<p>視床下部外側野のニューロンが産生する神経ペプチドであるオレキシンは,摂食行動を促進するペプチドとして同定されたが,その後の研究により睡眠覚醒制御において必須の役割を果たしていることが明らかになった.また,摂食に関しては基礎的な摂食行動よりも報酬価の高い食事への嗜好に関与していることや,摂食行動を含めたエネルギー出納のバランスが肥満側に偏らないように作用していることが明らかになっている.本稿では...

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  • 腸-脳連関はナトリウム嗜好性を調節する

    増川 太輝 ファルマシア 60 (1), 64-64, 2024

    生体における水分と塩分の恒常性は,中枢神経系および末梢内分泌によって維持されている.大腸は電解質吸収の主要な臓器の1つであるが,ナトリウム摂取調節における大腸および消化管ペプチドの役割については不明な点が多い.本稿においては,ナトリウムの恒常性を適切に調節するための新しい腸―脳連関を明らかにしたLiuらの報告を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである…

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  • 中枢性自律神経回路網は交叉するか

    平井 利明, 黒岩 義之 自律神経 61 (1), 16-25, 2024

    ...<p>視床下部は前頭前野や辺縁系の神経回路網を経て,外界ストレス情報を受ける.脳幹・脊髄の自律神経回路網には視床下部から節前神経細胞への下行性投射路と内臓情報を伝える上行性投射路がある.本稿では視床下部に投射する大脳の神経回路網を中枢性自律神経回路網(central autonomic network, CAN)の上部,脳幹・脊髄の神経回路網をCAN下部と定義し,それらの神経交叉に関する知見を過去の...

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  • Fight or flightと視床下部

    黒岩 義之, 平井 利明, 横田 俊平, 藤野 公裕, 北條 祥子 自律神経 61 (1), 26-37, 2024

    ...オレキシン産生細胞は循環・呼吸系の同時活性化に欠かせない.視床下部・下垂体系の神経内分泌系反応も急性ストレス反応を支えているが,室傍核がその司令塔である.室傍核の活動指標として,c-fos遺伝子の発現が注目されている.視床下部は緊急事態型(交感神経型,短距離レース型)と平常時型(副交感神経型,長距離レース型)の2極体制からなる.視床下部の恒常性維持機構の攪乱によって,ストレス不耐と慢性疲労が起こる....

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  • 神経難病における栄養療法:疾患修飾治療を目指して

    清水 俊夫 老年歯科医学 38 (3), 77-82, 2023-12-31

    ...その病態生理として,疾患特異的な基礎代謝の亢進,脂質代謝へのシフト,視床下部病変の影響などが相次いで報告されており,また高脂肪高カロリー食治療や体重維持が生命予後を改善させるという報告もされている。ALSにおいては高脂肪高カロリー食療法が新たな疾患修飾治療になりうるかもしれない。...

    DOI 医中誌

  • 研修道場 ポイントはここだ! 下垂体機能検査の実際

    渡邉 涼香, 鈴木 佐和子 糖尿病・内分泌プラクティスWeb はじめに  下垂体は下垂体前葉ホルモンである副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)と、後葉ホルモンであるバソプレシン(AVP)、オキシトシンの分泌の場である。それぞれ視床下部-, 2023-12

    DOI

  • 下垂体後葉ホルモンの新たな生理作用〜遺伝子改変動物を用いた研究〜

    上田 陽一, 丸山 崇 血管 46 (3), 1-6, 2023-11-26

    ...下垂体後葉ホルモンであるバソプレシン・オキシトシ ンは、視床下部室傍核・視索上核の大細胞性神経分泌 ニューロンで産生され、下垂体後葉に投射した神経終末から活動電位依存性に循環血液中に開口分泌される。それぞれの受容体(V1a,b,V2およびOTR)は7回膜貫通型受容体であり、Gタンパクと共役している。...

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  • FFAR1シグナルはモノアミン遊離を調節することで情動行動に影響を与える

    栗原 崇 日本薬理学雑誌 158 (6), 454-459, 2023-11-01

    ...<p>FFAR1(free fatty acid receptor 1)は遊離中/長鎖脂肪酸を内因性リガンドとするGタンパク質共役型受容体である.FFAR1は中枢神経系にも広く発現することが発見当初から示唆されていたが,その機能に関しては今なお不明な点が多い.最近徳山らの研究グループは,視床下部,青斑核,縫線核等に存在するFFAR1が,オピオイド-モノアミン系を賦活することで鎮痛作用をもたらすことを...

    DOI Web Site 参考文献12件

  • 体重増加により心不全を繰り返すPrader-Willi症候群に少量セマグルチドが著効した1例

    平野 勉 糖尿病 66 (5), 348-352, 2023-05-30

    ...<p>Prader-Willi症候群(PWS)は視床下部に先天異常があり過食から高度肥満をきたし高率に2型糖尿病を発症する.本症例は高度肥満(BMI 43.8 kg/m<sup>2</sup>)による拡張不全型心不全で入院を繰り返す血糖コントロール不良のPWSであった.今回セマグルチド0.25 mgの週1回皮下注射を開始したところ,早期から著明な体重減少とHbA1c低下を示した.投与前,投与後4か月...

    DOI 医中誌

  • トリプトファン代謝の変容に注目したうつ病の病態解明と治療戦略

    毛利 彰宏, 長谷川 眞也, 國澤 和生, 齋藤 邦明, 鍋島 俊隆 日本薬理学雑誌 158 (3), 233-237, 2023-05-01

    ...5-HT経路で代謝されるTRPレベルを低下させ,その結果,5-HT合成を抑制し,うつ様行動を惹起する.下流のキヌレニン-3-モノオキシゲナーゼ(KMO)は,KYNを3-ヒドロキシキヌレニンに代謝する重要な酵素である.KMOが欠損すると,キヌレニンアミノトランスフェラーゼ(KAT)によりKYNが代謝され,キヌレン酸(KA)が増加し,うつ様行動が惹起される.一方,慢性予測不能軽度ストレス(CUMS)は視床下部...

    DOI Web Site PubMed 参考文献20件

  • スクロースと運動がストレス負荷ラットのオキシトシンに及ぼす影響

    坂井, 恵子, 田口, 友香, 中村, 文香, 外薗, ネネ 鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要 - (27), 42-50, 2023-03-31

    ...【目的】オキシトシンは脳の視床下部で合成される神経ペプチドホルモンであり,近年はうつ症状や不安症状の改善作用も報告されている。一方,適度のスクロースはストレスを解消したり,運動はうつ症状や不安症状の改善が報告されている。本研究では,大豆たんぱく質を使い,ストレス負荷ラットの運動とスクロースがオキシトシンに及ぼす影響を,n-9,n-6,n-3系脂肪酸との相互作用について比較検討を行った。...

    機関リポジトリ

  • DNAメチル化修飾制御とDOHaD

    河野 大輔 DOHaD研究 11 (2), 109-116, 2023-03-31

    ...また、マウスにおいてDnmt3aヘテロ欠損や視床下部室傍核特異的な欠損は、肥満を誘導する。本総説では、DNAメチル化修飾とDOHaDとの関係を推測させる報告を紹介しながら、DNAメチル化修飾がDOHaDの分子機序として働いている可能性について考えたい。...

    DOI

  • ストレス適応と5-HT<sub>1A</sub>受容体を介した髄鞘形成との関連性

    黒川 和宏, 髙橋 浩平, 宮川 和也, 持田(斎藤) 淳美, 武田 弘志, 辻 稔 次世代薬理学セミナー要旨集 2023.1 (0), AG-1-, 2023

    ...<p>生体は日常様々なストレスに曝露されるが、健常な場合は交感神経系や視床下部-下垂体-副腎系等の一連のストレス応答系が適切に機能することで恒常性が保たれている。一方、過度なストレスやストレスの遷延化は、これらの恒常性維持機構を破綻させることにより情動に影響を及ぼし、精神疾患の発症を助長すると考えられる。...

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  • グリア細胞変容の理解から紐解くがん悪液質病態の増悪化機構

    須田 雪明, 葛巻 直子, 成田 年 次世代薬理学セミナー要旨集 2023.1 (0), AG-5-, 2023

    ...そこで、本講演では、がん悪液質病態下における視床下部内グリア細胞変容を中心とした末梢-脳-末梢円環的ネットワーク破綻による全身病態増悪化機構について、細胞分取技術を応用したグリア細胞特異的遺伝子発現変動解析や脳内メタボローム解析など様々なアプローチにより得られた最新の知見について紹介する。</p>...

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  • 脳室周囲器官の機能とその制御破綻

    平井 利明, 黒岩 義之 自律神経 60 (4), 172-180, 2023

    ...,正中隆起があり,ホルモン分泌機能を介して体液・浸透圧,睡眠・性ホルモン,免疫・エネルギー代謝,摂食行動などの調節を担う.脈絡叢は厳密にはCVOsに含まれないが,自律神経の支配によって脳脊髄液を分泌し,COVID-19の障害器官としても重要である.黒岩らはCVOsと視床下部の制御破綻によっておこる病態を脳室周囲器官制御破綻症候群あるいは視床下部症候群と呼ぶことを提唱し,これについても概説する....

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  • 運動ニューロン疾患における自律神経障害と機能回復

    狩野 修, 渋川 茉莉, 柳橋 優, 平山 剛久, 森岡 治美 自律神経 60 (1), 16-19, 2023

    ...<p>筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は,上位と下位運動ニューロンが選択的に障害されるシンプルな病気と考えられているが,運動系以外である自律神経障害を呈した報告も散見される.しかし,ALSの自律神経障害を病理学的に明確に説明できるエビデンスは乏しい.そのため視床下部なども含めた中枢自律神経線維網と脊髄中間外側核などとのバランス,障害の優劣で自律神経障害...

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  • レジスタンス運動によるストレス誘発性不安およびうつ様行動の改善

    柴垣 郁弥 ファルマシア 59 (8), 777-777, 2023

    ...が研究されている.なかでも,適度な運動は多くの病気の発症を防ぐことから,運動によるMDDの改善が着目されている.運動は有酸素運動とレジスタンス運動(Resistance Training: RT)に大別され,RTは有酸素運動と比較して強い負荷を筋肉にかける運動である.不安や抑うつに対する有酸素運動の効果に関する報告は多くあるが,RTの効果はほとんど解明されていない.MDDの発症には,ストレスによる視床下部...

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  • 痛みと痒みの制御における視床下部オレキシン神経の役割

    金子 達朗 自律神経 60 (3), 125-130, 2023

    ...<p>痛みと痒みは互いに相反する感覚として知られているが,中枢神経系における痛みと痒みの相互作用における神経機構についてはまだあまり分かっていない.我々は視床下部に存在するオレキシン産生神経(オレキシン神経)の痒みの制御における役割について研究を進めており,その最新の研究成果について報告する.オレキシン神経欠損(ORX-abl)マウスでは,痒み刺激による引っ掻き行動が有意に抑制される一方で痛み刺激に...

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  • 女性フィギュアスケート選手の体組成と骨組成の関係からみた女子アスリートの三主徴に関する実態調査

    木原 万莉子, 藤澤 義彦 日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 73 (0), 555-, 2023

    ...その中でアメリカスポーツ医学会は「利用可能エネルギー不足」「視床下部性無月経」「骨粗鬆症」を女性アスリートの三主徴FATとして定義した。FATは、女性アスリートに出現率の高い健康問題であり特に、審美系種目であり持久系種目でもあるフィギュアスケートは、日頃から体脂肪を極端に減少させることを重視しているため、FATが深刻な問題であることと考えられる。...

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  • ストレスによるミクログリアの転写・エピゲノム応答とその役割

    谷口 将之 次世代薬理学セミナー要旨集 2023.1 (0), AG-4-, 2023

    ...我々はマウスの社会ストレスモデルを用い、前頭前皮質、側坐核、運動野・体性感覚野、海馬、視床下部からミクログリアを単離し、一細胞RNA-seq解析に供した。その結果、ストレスが複数の脳領域のミクログリアに共通した遺伝子発現変化を誘導すること、この広域的変化の一部はストレス感受性の個体差と相関することを見出した。...

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  • 食欲の調節を行う脳内メカニズム―最近の成果と今後の課題

    中島 健一朗 日本栄養・食糧学会誌 76 (2), 105-110, 2023

    <p>ヒトを含め動物が生きていくうえで, 食欲は最も重要な本能の1つである。脳は食欲調節の中心的な役割を担い, その破綻は過食や食欲不振を引き起こす。これは最終的に肥満やサルコペニアにつながるため, 食欲をコントロールしつつ適切な食物 (栄養素) を摂ることが, 健康維持および未病状態の改善に非常に重要となる。食欲の特徴は全身のエネルギーを一定に保つ摂食 (恒常性の摂食) …

    DOI Web Site 参考文献21件

  • 食思不振で発症したラトケ嚢胞の一例

    定政 信猛 学会誌JSPEN 5 (2), 89-93, 2023

    ...頭部MRIで偶発的にラトケ嚢胞を指摘されたが,その後受診が途絶えていた.3カ月前より食思不振を認め,体重が10 kg以上減少,2カ月前より意識レベル低下,体動困難で当院に救急搬送された.頭部MRIでは腫瘍の明らかな増大を認めたため,手術目的で入院となった.来院時Japan Coma Scale 1,明らかな麻痺はなく,対座法で両耳側半盲が認められた.頭部CTでは最大径29 mmの鞍上部腫瘍を認め,視床下部...

    DOI 医中誌

  • 糖代謝能にみられる概日リズムに対する咀嚼の効果

    山仲 勇二郎 日本薬理学雑誌 158 (2), 165-168, 2023

    ...<p>生物時計は,バクテリアからヒトに至るまで地球上に生存するすべての生物が獲得した生存戦略である.哺乳類の生物時計機構は,脳内視床下部視交叉上核に存在する中枢時計と視交叉上核外の脳部位および全身の末梢組織に存在する末梢時計からなる階層性多振動体構造から構成される.生物時計の自律振動する分子メカニズムは,時計遺伝子とよばれる一群の遺伝子の転写と翻訳を介する自己制御型のネガティブフィードバックループである...

    DOI Web Site 参考文献21件

  • 摂食調節における求心性迷走神経の役割

    大林 健人, 能美 太一, 岩﨑 有作 日本栄養・食糧学会誌 76 (2), 95-104, 2023

    ...この生きるために必要不可欠な摂食行動は, 主に視床下部・延髄における恒常的摂食調節によって制御されている。そして時に, 美味しいものが食べたいといった, 生体のエネルギーバランスとは無関係に快楽的な摂食行動が駆動するが, これは脳内の報酬系によって制御される。そして, 長期的にみてエネルギー収支が一定に保たれることによって体重は維持され, 異常となると肥満や痩せが生じる。...

    DOI Web Site 参考文献91件

  • Sickness behaviorに関わる視索前野の神経細胞集団の同定

    倉内 祐樹 ファルマシア 59 (5), 436-436, 2023

    ...感染症時に誘発される発熱,食欲の低下,疲労感,痛覚過敏,気分の落ち込みなどの生理的・精神的な変化はsickness behaviorと呼ばれる.これは末梢組織の免疫細胞から分泌されたサイトカイン類が脳の視床下部領域に作用して誘発される一連の反応で,感染に対する生存戦略システムである.特に発熱は生存に不可欠な生理応答であり,我々の体温は体温中枢である視床下部の視索前野で調節されることは知られているが,...

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  • eNAMPTが制御するNAD<sup>+</sup>代謝と抗老化介入としての運動療法の新たな価値

    吉岡 潔志, 今井 眞一郎 基礎理学療法学 26 (1), 60-65, 2023

    ...近年,脂肪組織のNAMPT は細胞内のNAD<sup>+ </sup>を合成するだけでなく,EV(extracellular vesicles)に内包されeNAMPT(extracellular NAMPT)として血中に放出されていること,代謝の中枢として知られる脳の視床下部のNAD<sup>+ </sup>合成を高めること,さらに,eNAMPT の増加は寿命延長など全身性に顕著な抗老化作用をもたらすことが...

    DOI 医中誌

  • intrahypothalamic type の視床下部過誤腫の一例

    熊澤, 真理子, 桑島, 成子, 今高, 城治, 荻野, 雅宏, 楫, 靖, Mariko, Kumazawa, Shigeko, Kuwashima, George, Imataka, Masahiro, Ogino, Yasushi, Kaji Dokkyo Journal of Medical Sciences 49 (1), 29-32, 2022-07-25

    ...視床下部過誤腫は抗てんかん薬治療の反応性が乏しい難治性てんかんとして知られており,外科的加療を検討する上でこれを早期に診断する意義は高い.症例は3歳男児.6か月間の抗てんかん薬治療への反応性が乏しかったため,笑い発作の原因精査としてMRIを撮像した.左視床下部・乳頭体が腫瘤状に腫脹しT1及びT2強調像で大脳皮質と等信号を呈しており,視床下部過誤腫と診断した.視床下部過誤腫は発生部位により症状が異なると...

    機関リポジトリ 医中誌

  • リンパ球性下垂体炎の診断と治療

    椙村 益久 日本内科学会雑誌 111 (4), 830-835, 2022-04-10

    ...<p>・リンパ球性下垂体炎(lymphocytic hypophysitis:LH)は,下垂体や視床下部にT細胞及びB細胞からなるリンパ球や形質細胞浸潤が認められる慢性炎症疾患で,自己免疫機序の関与が想定されている.</p><p>・LHの患者は,下垂体前葉機能低下症や中枢性尿崩症とともに,頭痛,視野障害,高プロラクチン血症を呈することが多い....

    DOI Web Site 参考文献8件

  • ガングリオシドによるレプチン受容体シグナルの制御

    稲森 啓一郎 Trends in Glycoscience and Glycotechnology 34 (198), J25-J28, 2022-03-25

    ...スフィンゴ糖脂質の生合成に関わる糖転移酵素遺伝子を改変したマウスや神経細胞を用いた研究により、視床下部のレプチン受容体を介したエネルギーバランス制御におけるガングリオシドの役割が徐々に明らかになってきた。本ミニレビューでは、ガングリオシド分子種によるレプチン受容体シグナルの制御メカニズムについて、現在の知見を紹介するとともに議論する。</p>...

    DOI DOI Web Site ほか2件 参考文献19件

  • フレイルに関与する内分泌因子

    浦野 友彦 日本内科学会雑誌 111 (3), 618-624, 2022-03-10

    ...<p>フレイルとは,加齢に伴う障害から生理的予備力が低下した状態であり,さまざまな疾病の発生リスクを高め,死亡率や健康寿命を低下させる状態として注目されている.内分泌因子は,脳,免疫系,骨格筋との相互関係があり,フレイル発症において特に重要であると考えられている.本稿では,グルココルチコイド分泌,インスリン様成長因子のシグナル伝達,アンドロゲン産生制御を介して視床下部―下垂体(hypothalamic-pituitary...

    DOI Web Site 参考文献23件

  • 内分泌

    山田 範幸, 石田 和之, 菅井 有, 浅見 志帆 医学検査 71 (J-STAGE-1), 175-215, 2022-01-31

    <p>代表的な内分泌系器官には,下垂体,甲状腺,副甲状腺,上皮小体,副腎,膵臓ランゲルハンス島,卵巣,精巣,松果体などがある。通常,内分泌系器官では様々な生体内情報伝達物質を分泌し,それらを血流を介して運んで,遠隔の標的とする臓器に作用し,受容体と結合して発育や成長,自律機能,内部環境の調節などを行い,生命を維持している。疾患によっては,ホルモン過剰,ホルモン欠乏およびホルモン抵抗性を示すことと…

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  • 身体症状を呈する登校障害児の症候学的検討

    横田 俊平, 黒岩 義之 自律神経 59 (1), 51-59, 2022

    ...「朝の起床困難」は睡眠障害に加えて身体感覚とそれを調整する中枢機能の障害が,「睡眠障害」は視床下部の概日リズム制御破綻が推察された.「だるさ,易疲労感」は身体的homeostasisの障害に対して視床下部のエネルギー代謝促進系の抑制的制御が機能していない状態が考えられ,内的・外的ストレスに対する調節機能の障害が推察された....

    DOI

  • 松尾壽之先生を偲んで

    大高 章 ファルマシア 58 (10), 983-983, 2022

    松尾先生のご逝去にあたり、先生と同じくペプチド化学分野に身を置く一人として、追悼文を執筆いたしました。

    DOI

  • 近年のoptic pathway/hypothalamic gliomaの治療:化学療法と神経内視鏡手術の貢献

    大石 正博, 笹川 泰生, 中田 光俊 小児の脳神経 47 (4), 382-388, 2022

    ...<p>近年の当院でのOPHGに対する治療の実際を提示した.当院では以前より視神経視床下部神経膠腫ガイドライン第1版に沿った化学療法を優先し,必要に応じて機能温存を意識した手術を検討する治療方針で行っていた.化学療法には一定の効果を示しつつも,施行した全例でレジメンはfirst lineからsecond lineに移行しており,カルボプラチンのアレルギーの頻度の多さが継続の障害となっていた.third...

    DOI 医中誌

  • 視床下部過誤腫によるてんかんに対する学童期以前での手術成績

    白水 洋史, 増田 浩, 亀山 茂樹 小児の脳神経 47 (4), 377-381, 2022

    ...<p>視床下部過誤腫によるてんかんに対する定位温熱凝固術について,早期治療の効果を検討した.手術時18歳以下の症例中,5歳以下(学童期前群)73例と6歳以上(学童期群)79例で比較した.学童期前群はより大規模な手術を要し,再手術率も高かったが,合併症率には有意差はなかった.笑い発作の消失率は,学童期群に比べ有意に低く,また発達改善も学童期群より有意に低かった.早期手術は比較的安全だが,効果がより優れているわけではなく...

    DOI 医中誌

  • 薬剤師から見た脳脊髄液減少症の感覚・免疫過敏症―4つの中核症状に関する221例の検討―

    中里 直美, 北條 祥子, 菅野 洋, 鈴木 高弘, 平井 利明, 横田 俊平, 黒岩 義之 自律神経 59 (1), 132-143, 2022

    ...自律神経症状,情動・認知症状,疼痛・感覚過敏症状,免疫過敏症状)が個々の患者で重層的に起こる.本症には性差があり,女性の方が男性よりも各症状の出現頻度や重症度が高い.本症は環境ストレスに対して生体が過敏症(ストレス感覚入力系の過敏状態)や不耐症(ストレス反応出力系の不全状態)を呈する.本症と筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群,子宮頚癌ワクチン副反応,COVID-19慢性後遺症との類似性が注目され,それらの病像は視床下部性...

    DOI

  • 母性行動を伝えるオキシトシン

    皆川 貴美乃 ファルマシア 58 (6), 607-607, 2022

    ...生物には,生存のための本能的な能力が備わっている.その中でも母性行動は,子の生存に重要である.子に乳を与え,寄り添い,育てるといった母性行動には,視床下部から分泌されるオキシトシンが深く関わっている.マウスでは,巣から離れた仔を回収する(retrieving),仔をまとめる(grouping),仔をなめる(licking)などの母性行動が見られる.マウスの仔は巣から離れると鳴き声(超音波信号)を発するが...

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  • うつ病の発症におけるストレスの役割

    堀 弘明 日本生物学的精神医学会誌 33 (4), 148-154, 2022

    ...ストレスやうつ病に関連して生じる生物学的異常には種々のものが報告されており,とりわけストレス応答に重要な役割を担う生体システムである視床下部‐下垂体‐副腎(HPA)系および免疫炎症系の異常が鍵を握ると考えられている。しかし,うつ病におけるHPA系や炎症系の知見には不一致が存在し,病因・病態の解明には至っていない。  ...

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  • がん悪液質病態下視床下部グリアにおける代謝変動

    渡邊 諒, 須田 雪明, 成田 道子, 松山 富貴子, 濱田 祐輔, 葛巻 直子, 成田 年 日本薬理学会年会要旨集 96 (0), 2-B-SS12-4-, 2022

    <p>Cancer cachexia affects many patients with terminal cancer. It significantly reduces their quality of life and also affects their survival rate. Biological homeostasis helps the body adapt to …

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  • 内分泌系の心身症における心身相関

    山下 真, 髙倉 修 心身医学 62 (1), 57-64, 2022

    ...<p>本稿では,内分泌系の心身症の中でも神経性やせ症(AN)を取り上げ,その病態および心身相関について最新の知見を交え概説する.視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸は,ストレスシステムの主要な構成要素であるが,ANにおいても主として飢餓の影響から,HPA軸が活性化されている.また,視床下部-下垂体-性腺軸,成長ホルモン-インスリン様成長因子1軸の異常をきたす.さらに,摂食調節ホルモン,サイトカイン,自律神経系...

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  • 環境過敏症―HANSの症候,自然史,自律神経機能検査等から全体像を考察する―

    平井 利明, 黒岩 義之 自律神経 59 (1), 60-71, 2022

    ...うHANSでは発作的異常運動・頻脈・散瞳,血糖調節障害が著明で,脳脊髄液漏出症に対する治療や免疫治療で症状が一時的に改善した.テロメアG-tailは10例全てで短縮し,micro RNA検査で子宮頸癌及び乳癌の高リスクが8例中に4例に認められ,HANS患者は染色体レベルでの異常を起こしていることが世界で初めて示された.HANSはウイルス様粒子による血管内皮障害,染色体やmicro RNA異常を伴う視床下部性...

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  • 成人成長ホルモン分泌不全症

    西岡 宏, 島津 章 Japanese Journal of Neurosurgery 31 (5), 313-322, 2022

    ...AGHDの後天的原因の多く (視床下部・下垂体腫瘍, 間脳下垂体領域の外科・放射線治療後など) が脳神経外科に関連するため, 的確な診断および重症患者への成長ホルモン (GH) 補充療法が脳神経外科医に求められる. 本稿ではAGHDを疑うべき臨床状況, GH分泌刺激試験による診断, 術前・術後のGH分泌能評価, GH補充療法の特徴, 治療開始時に患者に説明すべき事項などを概説する....

    DOI Web Site 参考文献62件

  • 視床下部:自律神経系と神経内分泌系の統合中枢

    上田 陽一 自律神経 59 (2), 165-171, 2022

    ...分泌を調節することを明らかにした.その後も一貫して視床下部と自律神経系および神経内分泌系についての基礎研究を続けてきた.これまで辿ってきた基礎研究の一端を紹介したい....

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  • 鳥類における脳の性分化異常を検出する分子マーカーの探索

    嵜山 茜里, 阿部 夏子, 川嶋 貴治, 塚原 伸治 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), P-221-, 2022

    ...次いで、孵卵6日にエストラジオールベンゾエート(EB)を投与した雄ウズラ胚を孵卵12日まで培養した後、同様の方法を用いて、視床下部におけるEB投与雄の遺伝子発現量を対照区と比較した。その結果、孵卵12日胚の視床下部において発現量に性差が認められた遺伝子は152個あり、EB投与によって発現量が変化した遺伝子は92個であった。...

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  • 両生類変態試験(AMA)について

    山本 格 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S6-2-, 2022

    ...OECDの環境毒性分野テストガイドライン231、両生類変態試験(AMA)は環境生物を用いたEDスクリーニングアッセイの1つで、視床下部-下垂体-甲状腺(HPT)軸の正常な機能を妨げる可能性のある被験物質の特定を目的とした試験である。...

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  • 視床下部MCH神経によるエネルギー恒常性制御

    伊澤 俊太郎 次世代薬理学セミナー要旨集 2022.1 (0), AG-3-, 2022

    ...哺乳類ではMCH産生神経(MCH神経)は視床下部外側野に局在し、MCH脳室内投与はレム睡眠を誘導することに加え、摂食量上昇やエネルギー消費節約に機能する。MCH受容体アンタゴニストは摂食量低下とエネルギー消費上昇を誘導することから抗肥満薬としての可能性が複数の製薬会社から検証され、臨床試験においても効果が確認されている。...

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  • 非血縁者間末梢血幹細胞移植後にEBウイルス脳幹脳炎を発症した小児難治性急性骨髄性白血病の1例

    田村 ベリース結実, 白石 泰尚, 千々松 郁枝, 壷井 史奈, 大野 令央義, 三木 瑞香, 藤田 直人 日本小児血液・がん学会雑誌 59 (5), 435-439, 2022

    ...し治療介入したEBウイルス(Epstein-Barr virus: EBV)脳幹脳炎を経験したため報告する.症例は<i>FLT3-ITD</i>変異陽性の急性骨髄性白血病の13歳男児.抗胸腺グロブリン(Anti-thymocyte globulin: ATG)を含む前処置でHLA-DR座1抗原ミスマッチ非血縁者間末梢血幹細胞移植後day 104に意識変容が出現した.頭部MRIで,両側対称性に視床,視床下部...

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  • PACAPの発見から臨床応用を目指して

    宮田 篤郎 日本薬理学会年会要旨集 95 (0), 1-CL-, 2022

    ...PACAP38は、脳内に広く分布し、視床下部に最も高濃度に存在するが、ほぼ全ての下垂体ホルモンの分泌を促進することが発見当初に明らかにされたものの、未だ視床下部における生理機能の全容は解明されていない。...

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  • 視床下部性ストレス不耐・疲労症候群としての環境ストレス過敏症(環境ストレス不耐症)

    黒岩 義之, 平井 利明, 水越 厚史, 中里 直美, 鈴木 高弘, 横田 俊平, 北條 祥子 自律神経 59 (1), 72-81, 2022

    ...<p>環境ストレスには物理的感覚ストレス,化学的感覚ストレス,免疫・凝固系ストレス,心理社会的ストレス,内部環境ストレスがある.環境ストレスに対して生体が過敏症(ストレス感覚入力系の過敏状態)や不耐症(ストレス反応出力系の不全状態)を呈する病態を環境ストレス過敏症(不耐症)と定義した.その病像は視床下部性ストレス不耐・疲労症候群(脳室周囲器官制御破綻症候群)であり,自律神経・内分泌・免疫症状,筋痛,...

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  • 血管外科治療における微小脳血管解剖

    堀内 哲吉 Japanese Journal of Neurosurgery 31 (6), 378-383, 2022

    ...<p> 前交通動脈瘤などにおける視床下部動脈温存は, 記憶障害などを回避するために重要である. 一般的に前交通動脈周囲より分岐する細動脈は, まとめて視床下部動脈と呼ばれていることが多い. この血管は複数本あり, 下垂体茎・視交叉・梁下回・視床下部などを栄養している. しかし, 実際に手術の際に重要な細動脈は脳弓などを栄養しているものである....

    DOI Web Site 参考文献7件

  • 動物試験における環境エンリッチメントの応用

    小山 公成 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S22-5-, 2022

    ...</p><p>近年,エンリッチメントに関する研究成果も多く報告され,とくにげっ歯類において認知機能の向上,探索行動の増加,不安行動の抑制,脳の形態学的変化,視床下部-下垂体―副腎系軸活性や糖質コルチコイド濃度の減少などが報告されている(Sampedro-Piquero and Begega 2017, Goes et al. 2015, Kirkpatrick et al. 2014, Wolf et...

    DOI

  • 高度肥満で急速に呼吸不全が進行した筋萎縮性側索硬化症の1例

    馬場 大輔, 陣上 直人, 南 卓馬, 朴 貴瑛, 髙橋 良輔, 大鶴 繁 臨床神経学 62 (8), 602-608, 2022

    ...%努力性肺活量が診断5ヶ月後には69%から39%に低下し,その2ヶ月後には気管切開下人工呼吸管理に至った.前頭側頭葉変性症を背景とした前頭葉や視床下部の神経変性により過食傾向と肥満が維持され,肺胸郭のコンプライアンス低下と呼吸筋の運動負荷量の増大が急速な呼吸不全を及ぼしたと推察された.一般的にALSでは高カロリーの栄養管理が推奨されるが,高度の肥満の合併例では慎重を要する.</p>...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献21件

  • 異なる経過をたどった視床下部過誤腫の3例

    遠藤 愛, 高畑 明日香, 武田 賢大, 橋本 佳帆子, 兼次 洋介, 鈴木 靖人, 仲西 正憲, 中村 明枝, 江川 潔, 白水 洋史 脳と発達 54 (5), 343-347, 2022

    ...<p> 視床下部過誤腫は視床下部に発生する非腫瘍性の異所性過形成である.思春期早発症や笑い発作を含むてんかん発作,知的発達障害などの症状を呈する.そのため,患者に応じた治療介入が重要である.我々は臨床症状の異なる視床下部過誤腫症例の3例について,異なる治療介入を選択していずれも良好な経過が得られているので報告する.症例1は笑い発作を主訴とした4歳男児例である.診断後4か月で定位温熱凝固術を施行し,てんかん...

    DOI 医中誌

  • 「腎」の人間学

    五十川 雅彦 人体科学 30 (1), 70-80, 2021-08-01

    <p>現代の若者の身体を見ると、人間の未来が見えてくる。現代の若者から未来の人間が生まれてくるからである。現代の若者の身体は毎年調査されており、文科省「学校保健統計調査報告書」の現代、過去の身体実測の統計からも詳しく考察できる。現代の若者の体型は、親より胴長短足で、身長の伸びは頭打ちとなっている。中国医学の陰陽のとらえ方で、身体を陰陽で区別すると上半身が陽、下半身が陰、背中側と腹側を区別すると背…

    DOI 医中誌

  • 肥満と上部消化管―グレリンを中心に―

    乾 明夫, 榊 弥香, 宇都(鮫島) 奈々美 日本消化器病学会雑誌 118 (6), 517-524, 2021-06-10

    ...<p>肥満病態における上部消化管の関与は重要であり,空腹因子,満腹因子の両者の産生場所でもある.これらは視床下部に作用し,脳腸相関の中で食欲や体重調節を行う.グレリンは胃から同定された空腹ホルモンであり,肥満や痩せ病態に深く関わると考えられている.本稿ではグレリンを中心に,肥満症および肥満病態へのトランスレーショナルな応用研究の進歩を述べる.グレリンシグナリング遮断手段としては,グレリンやその受容体...

    DOI PubMed 医中誌

  • 片頭痛とはどういう病気なのか

    前田 仁士 植草学園大学研究紀要 13 (0), 59-65, 2021-03-31

    ...発作の約3 日前から体調の変化を感じる予兆期には視床下部,脳幹,大脳辺縁系,および特定の皮質領域が活性化し,約3 分の1 の患者は視覚,感覚,言語または脳幹の障害からなる前兆を伴う時期があるが,その際大脳皮質に特有の“spreading depression (CSD)”が生じる。...

    DOI 機関リポジトリ 医中誌

  • 頭蓋咽頭腫の病態理解と手術

    後藤 剛夫, 大畑 裕紀, 森迫 拓貴 Japanese Journal of Neurosurgery 30 (1), 41-47, 2021

    ...<p> 頭蓋咽頭腫はウィリス動脈輪の内側に発生し, 視交叉下面, 視床下部に癒着しているため, 手術摘出が最も難しい腫瘍の1つである. また症例は比較的少なく1施設での経験数は少ない. 部分摘出と放射線照射によってこの疾患が安全に治療できるようになったとする報告もあるが, 長期成績は十分とはいえまい....

    DOI Web Site 医中誌 参考文献17件

  • 自律神経科学元年の幕開け:今後の動向を考える

    黒岩 義之, 平井 利明, 横田 俊平, 藤野 公裕, 山﨑 敏正 自律神経 58 (1), 1-9, 2021

    ...<p>自律神経科学はストレス反応の科学と言って過言でない.ストレスには外部環境ストレスと内部環境ストレスがある.生体の細胞膜には環境ストレスを感知するバイオ・センサーがある.ストレス中枢のセキュリテイ・ゲート(脳の窓)は視床下部と脳室周囲器官である.ストレス・シグナルの伝達経路には神経制御系,液性制御系,細胞シグナル伝達系がある.ストレスから生体を守る視床下部・辺縁系の攪乱によって不眠,内臓症状,慢性疲労...

    DOI 医中誌

  • 片頭痛の薬物治療

    柴田 護 日本口腔顔面痛学会雑誌 13 (1), 21-27, 2021

    ...片頭痛は中等度〜重度の拍動性頭痛を主徴として,悪心,嘔吐,光過敏/音過敏を随伴する.未治療の場合は4〜72時間持続するため,患者に対する障害度は高い.さらに,若年者に好発するため,社会全体に与える経済的損失は非常に大きい.片頭痛の病態生理には不明な点が多いが,根本的な原因は神経機能異常にあると考えられる.予兆は視床下部の異常によって引き起こされ,前兆は大脳皮質での皮質拡延性抑制/脱分極が関与すると考...

    DOI 医中誌

  • 室傍核ダイノルフィンAニューロンは泌乳ラットにおけるLHパルス抑制を仲介する

    土田 仁美, 井上 直子, 上野山 賀久, 束村 博子 日本繁殖生物学会 講演要旨集 114 (0), OR-26-OR-26, 2021

    ...さらに再吸乳刺激負荷ラットにおいて,視床下部室傍核のDyn遺伝子とc-Fos遺伝子の共発現細胞数が,対照群(吸乳刺激なし)に比べ有意に増加したことから,吸乳刺激は室傍核のDynニューロンを活性化することが示唆された。また以前の研究により,弓状核キスペプチンニューロンの多くにDyn受容体が発現することを明らかにしている。...

    DOI

  • 眠るための薬、眠らせるための薬 〜睡眠・鎮静・麻酔〜

    中村 正帆 看護薬理学カンファレンス 2021.3 (0), ES-2-, 2021

    ...このレム睡眠とノンレム睡眠の移行には、視床下部や脳幹に局在する神 経細胞が重要な役割を果たしています[3,4]。加えて、睡眠と覚醒の移行には、GABA、 オレキシン、メラトニン、ヒスタミン、ノルアドレナリンなどの神経細胞が深く関わってい ます[4]。従って、これらの神経細胞の機能に異常が起きると、不眠症などの睡眠障害 が引き起こされると考えられます。...

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  • 視床下部過誤腫治療における外国人診療体制について

    白水 洋史, 増田 浩, 亀山 茂樹 小児の脳神経 46 (4), 297-302, 2021

    ...<p>当院で定位温熱凝固術を行った外国人の視床下部過誤腫患者65例の特徴と,当院の外国人診療体制について調査した.外国人症例は国内症例と比べ,低年齢,大型のものが多い傾向があったが,最終的な発作転帰は有意差がなかった.外国人患者へのアンケートでは,9割以上で高い満足度が得られた.一方,関係医療職への調査では,言語,ルールの遵守,食事などでの問題が指摘されたが,7割近くは外国人診療で良い経験であったと...

    DOI 医中誌

  • 非拘束自由行動マウスからの神経活動記録法の確立

    山下 哲 自律神経 58 (1), 116-120, 2021

    ...神経は,このストレス防衛反応に深く関わっていることが推察される.しかし,このような働きをもつオレキシン神経が,ストレスが負荷された瞬間およびその前後においてどのようなタイムコースで活動しているのか,その詳細は明らかとなっていない.ストレス誘発自律応答に関わる脳内回路を同定するためには,無麻酔・非拘束状態のマウスを用いて実験を行う必要がある.また,視床下部には多くの異なる種類のペプチドニューロンが混在...

    DOI 医中誌

  • 心理ストレスに対する交感神経反応と行動反応の中枢神経メカニズム

    片岡 直也, 中村 和弘 自律神経 58 (1), 133-138, 2021

    ...<p>心理ストレスは様々な交感神経反応を惹起し,ストレサーに対して身体が迅速に対処するのを助ける.心理ストレスや情動は皮質辺縁系で処理され,一方,生体恒常性の維持は視床下部や脳幹が担う.しかし,皮質辺縁系と視床下部を繋ぐ心身相関の神経路は不明であった.我々は,心理ストレスが視床下部背内側部(DMH)から延髄縫線核への神経伝達を通じて交感神経出力を亢進させ,体温上昇や脈拍・血圧の上昇といったストレス反応...

    DOI 医中誌

  • シスプラチン末梢投与がラット視床下部-下垂体-副腎軸および自律神経系へ及ぼす影響

    秋山 泰樹, 平田 敬治, 上田 陽一 自律神経 58 (3), 241-245, 2021

    ...<p>シスプラチンは,悪心・嘔吐などの副作用が知られており,ストレス反応を引き起こす可能性がある.今回,バゾプレッシン(AVP)-eGFPトランスジェニックラットを用いてシスプラチンの末梢投与が視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸および自律神経系へ及ぼす影響を検討した.シスプラチン投与により視床下部室傍核小細胞領域(pPVN)でのAVP-eGFP緑色蛍光輝度が増加し,FosB免疫陽性となり,AVP,eGFP...

    DOI 医中誌

  • Neuropeptide Bの脳室内投与による黄体形成ホルモン分泌増加作用

    渡辺 雄貴, 岩田 衣世, 小澤 一史 日本繁殖生物学会 講演要旨集 114 (0), P-1-P-1, 2021

    ...また,我々の先行研究により,視床下部腹内側核におけるNPB遺伝子発現が,エストロジェン(E<sub>2</sub>)により抑制されること(第112回日本繁殖生物学会)から,NPBは生殖制御にも関与している可能性が考えられる。そこで,本研究ではNPBの中枢投与が黄体形成ホルモン(LH)分泌に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。...

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  • 蝶形骨洞炎の波及による下垂体膿瘍に起因するADH不適合分泌症候群(SIADH)例

    加藤 照幸, 荒井 真木, 水田 邦博, 野澤 美樹 日本鼻科学会会誌 60 (4), 516-521, 2021

    ...中枢性疾患は脳腫瘍,脳炎,髄膜炎,クモ膜下出血,頭部外傷等があり視床下部からのADH分泌が直接刺激されるためである。今回,蝶形骨洞炎から下垂体へ膿瘍形成を生じ,SIADHを呈した症例を経験したので報告する。症例は75歳女性,尿失禁,便失禁,意識混濁のため当院救急搬送された。Na 103.2 mEq/lと著名な低Na血症と頭部CTでトルコ鞍底部に骨溶解を伴う右蝶形骨洞炎が疑われ入院となった。...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献8件

  • 歩行を実現する神経メカニズム

    森岡 周 理学療法学Supplement 48S1 (0), C-48-C-48, 2021

    ...歩行を実現する中枢神経系のメカニズムに関しては,四肢の正確な運動制御を要求する大脳皮質からの随意的な信号により駆動される「随意的プロセス」,大脳辺縁系や視床下部,脳幹の働きに基づく逃走等に関わる「情動的プロセス」,そして,随意的あるいは情動的に開始された歩行を脊髄等において無意識かつ自動的に遂行する「自動的プロセス」の3つから説明することができる。...

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  • ストレス感受性を制御する神経回路とその病理

    相澤 秀紀 日本生物学的精神医学会誌 32 (4), 161-164, 2021

    ...本稿では,哺乳動物のストレス応答系としてよく知られた視床下部─下垂体─副腎系の役割について踏まえたうえで,その機能的修飾に関与する神経回路の役割について最近の知見を議論した。特に成体神経新生の観察される海馬と著明なストレス応答を示す前頭前皮質の神経回路に注目し,近年注目されるモノアミン神経系との相互作用について概観した。...

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  • 2,3,7,8-Tetrachlorodibenzo-p-dioxin次世代毒性の予防:児の性未成熟に対するα-リポ酸の回復効果

    袁 鳴, 佐野 宏江, 西田 恭子, 古賀 貴之, 武田 知起, 田中 嘉孝, 石井 祐次 日本毒性学会学術年会 48.1 (0), O-11-, 2021

    ...新生児サンプルは出生後28日目で採集し、共焦点顕微鏡を用いて視床下部に存在するSDN-POAの体積を評価した。</p><p>【結果及び考察】TCDD母体曝露により、神経の成熟が完了する時期である出生後28日目の雄児ではSDN-POAの体積が大幅に減少した。一方、このような減少は、α-リポ酸補給群では観察されなかった。...

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  • レプチンによる自律神経調節の脳内機構と末梢-中枢連関

    谷田 守 自律神経 58 (3), 237-240, 2021

    ...わる為,摂食調節ホルモンの作用を明確にすることは,生活習慣病発症機序の解明に役立つことが期待されている.これまでの研究から,レプチンによる自律神経系への作用は,摂食や代謝などの生体機能維持に関与することが分かってきている.特に交感神経遠心路の褐色脂肪枝,肝臓枝,腎臓枝は,熱産生調節,糖代謝調節,循環調節にそれぞれ関与することから,本稿ではレプチンの自律神経調節作用を中心に,これまで示唆されてきた脳・視床下部...

    DOI 医中誌

  • 日常生活の適応力を高めるために歩んだ道

    堀井 孝佳 理学療法学Supplement 48S1 (0), C-64-C-64, 2021

    ...</p><p> 9年前に脳卒中を発症し,視床下部出血と診断され,右側の上下肢ともに運動麻痺を患った。現在は腕は肩より少し上げられ手指は物をゆっくり握れる。足は何かに摑まればスクワットが可能。感覚は触られると何となく分かる程度。人と会話はできる。屋内歩行は壁をつたいながら歩く。屋外の歩行はT字の杖と短下肢装具で十メートル以上歩くことが可能。...

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  • 自律神経と消化器症状

    本郷 道夫 自律神経 58 (4), 261-265, 2021

    ...<p>腸管腔からのシグナルが腸管壁を介して中枢に伝達された時,その経路のいずれかの異常によって消化管不快症状を形成する.一方,中枢における変調は視床下部―下垂体―副腎軸および自律神経系を介して腸管機能の変調を誘発する.この双方向の制御機序のいずれかの変調が消化器症状を形成する.近年の研究では,消化管内腔の腸内細菌叢の異常による上皮微細炎症が,炎症性サイトカイン,消化管ホルモン,神経伝達物質を介して中枢...

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  • 臨床医から見た消化管栄養感知と迷走神経機能

    小澤 鉄太郎 自律神経 58 (1), 140-143, 2021

    ...<p>消化管内腔を通過する食物の情報は,自律神経によって中枢神経系へ伝達されている.求心性迷走神経はその伝達に重要な役割を演じている.消化管内腔の栄養素とその他の分子は上皮細胞のセンサーに受容される.その結果,一部の上皮細胞より食関連ホルモンと呼ばれるペプチドが放出され,これらは求心性迷走神経を刺激あるいは抑制している.近年,食関連ホルモンと求心性迷走神経により伝達された栄養情報は,視床下部での自律神経機能...

    DOI 医中誌

  • マウス性成熟期の給餌状態によるキスペプチンニューロン活動動態

    後藤 哲平, 宮道 和成 日本繁殖生物学会 講演要旨集 114 (0), OR-24-OR-24, 2021

    ...性成熟後の生殖機能は視床下部弓状核のキスペプチンニューロンによって第一義的に制御されるが,性成熟期の制限給餌条件下,そして自由摂食に戻した時のキスペプチンニューロンの活動動態は分かっていないため,本研究はこれを明らかにすることを目的とした。離乳後のマウスに対し,通常の70%給餌量にすると生後28日齢ごろから体重の増減が見られなくなったため,この条件で制限給餌実験を進めた。...

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  • 片頭痛の病態生理

    柴田 護 日本生理人類学会誌 25 (4), 55-60, 2020-11-25

    <p>Migraine is a debilitating neurological disorder, which affects approximately 10% of the general population. Recent advances in functional neuroimaging as well as accumulating data obtained from …

    DOI

  • てんかんと性ホルモン

    村田 佳子, 渡辺 雅子, 男女共同参画委員会 てんかん研究 38 (2), 170-174, 2020-09-30

    ...<p>てんかんは、視床下部―下垂体―性腺系に影響し、女性では月経異常、不妊、早期閉経、多囊胞性卵巣症候群などとして現れる。エストロゲンは発作閾値を低下させ、プロゲステロンは発作閾値を上昇させることから、女性ホルモンの周期的変化に関連して発作の起こりやすさも変化する。月経周期に伴い発作頻度が変化するてんかんを月経てんかんといい、月経周期に応じた抗てんかん薬の調整やホルモン療法が試みられている。...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献6件

  • グライコリピドミクス

    井ノ口 仁一, 稲森 啓一郎, 上村 聡志, 狩野 裕考, 新田 昂大, 二瓶 渉, 宍戸 史, 大野 勲, 鈴木 明身 生化学 92 (3), 323-335, 2020-06-25

    ...恒常性維持に欠くべからざる役割を担っている作動原理が解明されつつある.たとえば,慢性炎症時における炎症性サイトカインの刺激によるGM3の細胞膜における増加は,カベオラマイクロドメインからインスリン受容体を解離させ,インスリン抵抗性を惹起する.我々は,これを“マイクロドメイン病”と提唱している.また最近では,GM3および関連ガングリオシドは,小腸上皮細胞におけるNPC1L1のコレステロール取り込みや視床下部...

    DOI Web Site 医中誌

  • 第6回学術集会シンポジウム2 高齢者の転倒に関わる医学,多面的視点 特集に寄せて

    原田 敦 日本転倒予防学会誌 7 (1), 5-5, 2020-06-10

    ...</p><p> 最後の森川春子先生は,女性アスリートのエネルギー摂取量<消費量,視床下部性無月経,エストロゲン低下による骨粗鬆症,そして疲労骨折などの悪循環を断つには,運動量をへらすか適切なエネルギー補給が必要とされ,女性医学の視点から骨粗鬆症の予防治療が重要であることを強調されました。...

    DOI

  • 胃のエストロゲンが骨と筋に及ぼす影響について : 理学療法を行う上で考慮すべき食事指導の重要性

    白澤, 信行, 小林, 裕人 東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 16 (1), 3-17, 2020-03-31

    ...卵巣からのエストロゲンは視床下部-下垂体-性腺系を介して性成長や性周期に重要な役割を果たす一方,閉経後のエストロゲンの低下は骨粗鬆症などの骨代謝ばかりでなく,心筋や骨格筋にも影響を及ぼす。エネルギー産生に必須な母系遺伝のミトコンドリアは,骨格筋ばかりでなく心筋や平滑筋に豊富に含まれる。ミトコンドリアはエストロゲン受容体を持ち,エネルギー産生以外にも様々な代謝にエストロゲンの影響を受けている。...

    機関リポジトリ Web Site 医中誌

  • 意識障害における音楽運動療法

    野田 燎 The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 57 (1), 40-46, 2020-01-17

    ...<p>意識障害患者の音楽運動療法は,患者に抗重力姿勢を取らせてトランポリンによる上下運動を行う.この上下運動による刺激は意識中枢を司る脳幹を活性化し,同期した音楽の生演奏を聴かせることで視床下部から大脳辺縁系と大脳皮質に投射する視床下部賦活系を賦活し,モノアミン系神経伝達物質の産生を促す.生命維持と高次脳機能の両方を活性化する療法であり,障害部位の修復や回復に必要な神経活性を促す.音楽運動療法の特徴...

    DOI Web Site 参考文献2件

  • ストレス防衛反応を制御する中枢自律神経系

    桑木 共之 自律神経 57 (3), 157-164, 2020

    ...部位であることが20世紀中頃には既に知られていた.しなしながら,その詳細が明らかになったのは比較的最近である.この神経回路メカニズムの解明を目的とした我々の研究成果を解説する.視床下部に存在するオレキシン産生神経細胞がその主役であり,またオレキシン産生神経細胞は睡眠覚醒を司る神経でもあった.すなわち,意識にのぼる活動を制御する神経メカニズムと無意識の領域との接点が明らかになった....

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  • 人生100年時代の健康長寿の展望と課題

    益崎 裕章 理学療法学Supplement 47S1 (0), G-10-G-10, 2020

    ...このメカニズムには食欲中枢である視床下部における小胞体ストレスの上昇や幸せや歓びを受け取る報酬系におけるゲノム修飾というイヴェントが深く関わっています(Diabetologia 2017, Diabetes 2012)。...

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  • ストレス性体温上昇の神経機序

    中村 和弘 心身医学 60 (3), 203-209, 2020

    ...感染性発熱は, 視索前野でのプロスタグランジンE<sub>2</sub>作用を介した神経伝達変化が視床下部背内側部を興奮させることで惹起される一方, ストレス性体温上昇は, 皮質辺縁系から視床下部背内側部へのストレス信号入力によって視床下部背内側部ニューロンが興奮することで惹起される.</p>...

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  • 精神的ストレス時の呼吸反応における視床下部と中脳の役割

    堀内 城司 自律神経 57 (1), 21-25, 2020

    ...<p>精神的ストレスは,自律反応を引き起こす.この自律反応は,防御反応に起因すると考えられており,その中枢として,視床下部背内側核(DMN)と中脳中心灰白質(PAG)の二つが古典的に知られている.これら2つの領域の刺激は,昇圧や頻脈を伴う呼吸機能の増強を引き起こす.DMN内には,異なった機能に関与するニューロン群が別々に分布するため,DMN内のニューロンは「コマンドニューロン」ではないことが示された...

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  • Parkinson病の自律神経障害:特に発汗系について

    山元 敏正 自律神経 57 (1), 15-19, 2020

    ...レビー小体型認知症の中には,寒冷による多汗を呈する一群がある.PDでは発汗神経の障害は軽度で,発汗異常は視床下部を中心とする体温調節障害により生じている可能性がある.</p>...

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  • 運動習慣の有無が異なるストレス負荷に対する心臓自律神経系活動に与える影響

    中村 英夫, 丸益 康介, 前田 康治 生体医工学 Annual58 (Abstract), 306-306, 2020

    ...<p>心拍数は自律神経系活動により制御されている.生体はストレスに対し視床下部が反応することでストレスに対抗する反射を機能させる.本研究では,暗算ストレスと音読ストレス,異なる2種類のストレス負荷を被験者に加え,心臓自律神経系活動がどのように反応するかを計測する.とりわけ,運動習慣がどの程度ストレス反応と関係するかについて調査し,運動習慣の有無により異なるストレス負荷でもそれらに対する反応性が変化するかについて...

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  • パーキンソン病様症状を呈する遺伝子改変マウスの雌性不妊解析

    中野 愛里, 上村 麻実, 金井 克晃, 高島 誠司 日本繁殖生物学会 講演要旨集 113 (0), P-91-P-91, 2020

    ...以上より,THGFPホモマウスの雌性不妊の原因は視床下部・下垂体のホルモン産生異常や子宮内環境の異常などにあると考えられる。胆嚢肥大の原因や肝臓機能については今後解析していく予定である。</p>...

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  • 片頭痛の病態に関する最新の知見

    永田 栄一郎 臨床神経学 60 (1), 20-26, 2020

    ...<p>片頭痛病態に関する研究は,脳血管が原因で起こるとする血管説,皮質性拡延性抑制現象(cortical spreading depression; CSD)を中心とした神経説が提唱され,その後三叉神経節を中心とした血管や神経原性炎症を起源とする三叉神経血管説が提唱され,現在まで広く受け入れられている.近年,画像検査の進歩により片頭痛発生時期を前兆期より前の予兆期にすでに視床下部での活動性が上昇していることが...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 被引用文献1件 参考文献39件

  • オキシトシンと加齢

    大野 重雄, 丸山 崇, 吉村 充弘, 梅津 祐一, 浜村 明徳, 佐伯 覚, 上田 陽一 自律神経 57 (2), 119-129, 2020

    ...向社会的行動,骨・骨格筋)に関わることが報告されている.我々は加齢とOXTの関係を明らかにするために,OXT-monomeric red fluorescent protein 1(mRFP1)トランスジェニックラットを用いて下垂体後葉(PP),視索上核(SON),室傍核(PVN)におけるOXT-mRFP1蛍光強度の加齢変化を調べた.その結果,加齢群でPP,SON,PVNでのmRFP1の集積増加と視床下部...

    DOI 医中誌

  • 心身医療と続発性無月経

    寺内 公一 心身医学 60 (6), 502-508, 2020

    ...<p>「心身医学的な病態およびその治療が原因となる続発性無月経」 の代表として①機能性視床下部性無月経 (FHA) と②薬剤性無月経が, 「続発性無月経が若年女性の心理に与える影響」 の代表として原発性卵巣機能不全 (POI) が挙げられる....

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  • シバヤギにおけるGnRHパルス発生中枢の制御に関わるセロトニン受容体サブタイプの検討

    鈴村 玲香, 森田 康広, 松山 秀一, 佐々木 拓弥, 北川 悠梨, 井上 直子, 上野山 賀久, 束村 博子, 大蔵 聡 日本繁殖生物学会 講演要旨集 113 (0), P-4-P-4, 2020

    ...<p>【目的】パルス状の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)分泌は,視床下部弓状核(ARC)に存在するGnRHパルス発生中枢により制御される。縫線核のセロトニン(5HT)ニューロンはARCに投射しており,5HTがGnRHパルス発生中枢を制御する可能性がある。...

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  • 臍帯血移植後に併発したHHV-6脳炎の後遺症として低体温発作を繰り返した急性骨髄性白血病

    酒匂 崇史, 田矢 祐規, 平山 剛久, 大庭 悠貴, 三ツ木 崇, 西田 彩, 石綿 一哉, 渡部 ちづる, 和氣 敦 臨床血液 61 (3), 274-279, 2020

    ...MRIの異常信号は両側海馬では改善したが視床下部で残存し,<sup>99m</sup>Tc-ECD SPECTで視床下部の血流低下を認めた。一連の発作は視床下部に残存する機能障害で説明可能だった。成人で臍帯血移植後にHHV-6脳炎の後遺症として低体温発作を1年以上にわたり繰り返した初めての報告である。</p>...

    DOI Web Site PubMed ほか1件

  • レビー小体病の自律神経障害と病理

    吉田 眞理 自律神経 57 (1), 10-14, 2020

    ...<p>レビー小体病(パーキンソン病,認知症を伴うパーキンソン病,レビー小体型認知症,レビー小体を伴う自律神経不全症を含む)では,シナプス前終末に存在するαシヌクレインが凝集して,中枢神経系と末梢自律神経系の両者にレビー小体やレビー神経突起を形成する.病理学的に視床下部,Edinger-Westphal核,迷走神経背側核,胸髄中間質外側核,仙髄中間質外側核にはレビー病理像はほぼ例外なく観察され,末梢では...

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  • 薬剤性無月経

    小川 真里子, 髙松 潔 心身医学 60 (6), 509-514, 2020

    ...薬剤に起因する続発性無月経としては, 治療目的で月経を停止させるものを除くと, 薬剤性高プロラクチン (PRL) 血症による視床下部性無月経と, 抗がん剤などによる卵巣性無月経が挙げられる.</p><p>高PRL血症をきたす薬剤としては, ドパミン拮抗薬, 三環系抗うつ薬など向精神薬に分類されるものが多く含まれる....

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  • CGRP関連抗体による片頭痛の新規治療

    柴田 護 臨床神経学 60 (10), 668-676, 2020

    ...<p>片頭痛の有病率は約10%と報告されている.片頭痛では,数時間持続する拍動性頭痛が悪心・嘔吐や光過敏を随伴して繰り返し起こる.個々の患者のQOLは大きく障害され,社会全体に与える経済的影響も非常に大きい.動物実験や機能画像を用いた臨床研究から,片頭痛は視床下部,大脳皮質,三叉神経系,自律神経系など非常に広範な部位の異常を呈する複雑な神経疾患であることが明らかとなった.従来の片頭痛発作予防治療では...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献68件

  • 血圧の短期調節機構

    勝田 新一郎 動物の循環器 53 (1), 1-11, 2020

    ...レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系は視床下部や延髄にも独立して存在し,活性酸素種の産生に関与することが示されている。高血圧や心不全の発症には末梢のみならず中枢神経系の関与が注目されている。</p>...

    DOI 日本農学文献記事索引 Web Site

  • 非典型的な臨床経過をしめした抗N-methyl-d-aspartate(NMDA)受容体脳炎の1例

    森田 翼, 井上 建, 板橋 尚, 村上 信行, 小俣 卓, 森 貴幸, 野崎 美和子, 松原 知代 日本小児放射線学会雑誌 36 (2), 131-136, 2020

    ...頭痛などの非特異的な症状で始まり,その後に精神症状や不随意運動を呈する疾患である.約半数は頭部磁気共鳴画像検査(MRI)で異常を示さず,認める症例もその所見は軽微で可逆性であることが多い.症例は10歳女児,めまいと頭痛を主訴に近医を受診した.非特異的症状の60日後に精神症状と不随意運動,80日後に自律神経症状を認め,経過は緩除で非典型的であった.MRI FLAIR画像で右の海馬,島皮質,扁桃体と左視床下部...

    DOI 医中誌

  • 椎骨脳底動脈閉塞に伴う多発性脳梗塞の重度障害事例に対する作業療法の実践

    根本 恵里, 五百川 和明, 芳賀 裕子, 二瓶 健司, 小林 亨 作業療法 38 (6), 691-697, 2019-12-15

    ...椎骨脳底動脈閉塞に伴う両側の視床,視床下部,中脳,小脳,および右側の頭頂葉,後頭葉における多発性脳梗塞の症例に対する作業療法を経験した.症例は発症後,重度の意識障害を呈した.四肢および体幹には運動失調を認め,さらに安静座位時での強い筋収縮を伴う急激で粗大な体動を認めた.発症後10日目には症例の覚醒度は急激に改善し,徐々に自発的な動作が見られるようになった.しかし,発症後21日目以降は発動性低下が顕著...

    DOI Web Site 医中誌

  • 頭痛性疾患における臨床神経機能検査

    今井 昇 日本臨床生理学会雑誌 49 (3), 113-123, 2019-08-01

    ...との結合能が変化し,体積も疼痛処理に関する部位を中心に発作期と発作間欠期で変化することが示されてきた.群発頭痛では,fMR とVBM を用いて視床下部の活性化と細胞密度の増加,中脳との結合能の変化が示されている.これらのfMRI,VBM の研究から,片頭痛ならびに群発頭痛は構造的,機能結合的にダイナミックに変化する疾患であることが明らかになってきた....

    DOI 医中誌

  • 視神経脊髄炎関連疾患によって左同名半盲を発症した12歳の男児例

    原 雄時, 鈴木 利根, 町田 繁樹 神経眼科 36 (1), 54-59, 2019-03-25

    ...視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder: NMOSD)により同名半盲を生じた小児の1例を報告する.症例は12歳男児,視力低下を主訴に当院眼科を紹介受診した.視力は両眼ともに(1.2),瞳孔反応は正常でRAPD陰性,視神経乳頭に異常は認めなかった.視野検査では左同名半盲がみられた.OCTでGCCは同名半盲と一致して菲薄化していた.頭部MRIではFLAIRで視床下部...

    DOI 医中誌

  • 鍼治療がストレス反応に及ぼす影響 —円皮鍼の基礎研究より—

    砂川 正隆, 藤原 亜季, 池本 英志, 塚田 愛 自律神経 56 (3), 150-154, 2019

    ...<p>鍼治療は,不安障害,抑うつ,双極性障害,睡眠障害などの精神的要因の関連する症状にも適応されている.オレキシンは視床下部で分泌される神経ペプチドで,種々の自律機能の調節に関与しているが,ストレス反応の制御にも関与している.我々は,ラット社会的孤立ストレスモデルを用い,精神的ストレスに対する円皮鍼の効果,ならび作用機序の検討としてオレキシンの関与を調べた.7日間の孤立ストレス負荷によって攻撃性,コルチコステロン...

    DOI 医中誌

  • シバヤギのパルス状GnRH分泌制御メカニズムにおけるセロトニンの役割

    佐々木 拓弥, 森島 愛, 中西 真莉菜, 鈴村 玲香, 舘林 亮輝, 北川 悠梨, 森田 康広, 松山 秀一, 井上 直子, 上野山 賀久, 束村 博子, 大蔵 聡 日本繁殖生物学会 講演要旨集 112 (0), OR2-1-OR2-1, 2019

    ...<p>【目的】視床下部弓状核のキスペプチンニューロンは,卵胞発育を制御する性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)パルスジェネレーターであると考えられている。これまで,GnRH分泌制御におけるセロトニン(5-HT)の役割は黄体形成ホルモン分泌を指標として報告されてきたが,5-HTがGnRHパルスを促進的または抑制的に制御するかは明らかとなっていない。...

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  • パルス状GnRH分泌制御機構におけるカルシトニン受容体の役割

    北川 悠梨, 佐々木 拓弥, 森島 愛, 舘林 亮輝, 森田 康広, 松山 秀一, 井上 直子, 上野山 賀久, 束村 博子, 大蔵 聡 日本繁殖生物学会 講演要旨集 112 (0), P-6-P-6, 2019

    ...また,CTR mRNAは弓状核,室傍核,視索前野など視床下部に広く発現しており,弓状核の一部のKpニューロンにCTR mRNA発現が認められた。以上より,GnRHパルス発生中枢の促進は,Kpニューロンに発現するCTRを介した作用であることが考えられた。...

    DOI

  • 髄膜炎様症状で発症した視神経脊髄炎関連疾患が疑われる1例

    大達 清美, 飯尾 滉太郎, 宇野 研一郎, 川田 憲一, 冨本 秀和 臨床神経学 59 (11), 736-739, 2019

    ...したところ解熱し,傾眠およびMRIの異常信号が消失した.視床下部病変を伴うNMOSDでは髄膜炎様症状で発症することがあるため,無菌性髄膜炎と考えられる患者でも,早期のMRI撮像が重要と考えられた....

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献7件

  • 動物の季節適応機構の解明とその応用:ヒトの季節リズムの解明に向けて

    丸山 迪代, 吉村 崇 電気泳動 63 (1), 25-29, 2019

    ...<p>熱帯以外の地域に生息する動物の生理機能や行動は季節によってダイナミックに変化する.我々の研究グループは,洗練された季節応答を示すウズラを用いて季節繁殖の分子機構の解明に取り組んできた.まず季節繁殖の中枢が存在する視床下部内側基底部に着目して解析を行うことで,季節繁殖の制御に重要な一連の遺伝子群を明らかにした.さらに比較生物学アプローチにより,鳥類,哺乳類,魚類の季節繁殖の制御機構の共通点,多様性...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献13件

  • 頭痛における自律神経機能

    荒木 信夫 自律神経 56 (2), 59-63, 2019

    ...められる.前兆のある片頭痛患者の発作間欠期において,交感神経系の機能低下,およびsubstance-PやCGRPなどニューロペプチド系の機能低下および脱神経過敏,NO産生亢進およびNOの血管拡張作用の増強が存在することが示された.また,発作間欠期において発汗機能も低下していた.一方,片頭痛の頭痛発作時には,交感神経機能低下の状態が改善していることが確認された.脳血流を検討した結果,片頭痛発作時には視床下部...

    DOI 医中誌

  • 亜鉛による神経細胞死と老年性認知症

    川原 正博, 田中 健一郎 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), S28-1-, 2019

    ...演者らは、Znによって生じる神経細胞死メカニズムを、不死化視床下部神経細胞(GT1-7細胞)を用いて検討した。その結果、細胞内Caホメオスタシス系、小胞体ストレス系、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生系、フリーラジカル産生系が関与することを見出している。...

    DOI

  • 亜鉛(Zn)/銅(Cu)の神経細胞死におけるSAPK/JNK経路の関与

    田中 健一郎, 下田 実可子, 廣木 美果, 久保田 真帆, 池田 真由美, 異島 優, 川原 正博 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), P-97-, 2019

    ...</p><p>【結果】</p><p>マウス視床下部神経細胞(GT1-7細胞)にZn(30 µM)、Cu(10〜30µM)を処理すると、Cu用量依存的にリン酸化型SAPK/JNKの発現が上昇した(SAPK/JNKシグナルの活性化)。また、SAPK/JNK下流因子であるリン酸化型c-Jun、及びATF-2発現も上昇した。...

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  • ストレスによる血中カテコールアミン遊離・分泌の中枢性調節機構

    岡田 尚志郎 自律神経 56 (4), 248-251, 2019

    ...<p>ストレス刺激により,交感神経-副腎髄質系や視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系が活性化する.両系の活性化は,血中カテコールアミン濃度の上昇やグルココルチコイドの分泌などをもたらし,全身性のストレス反応を引き起こす.一般にストレス反応は中枢性に制御されており,多くの脳領域および神経路が複合的に関与している.その中でも視床下部室傍核は,交感神経系とHPA系の両方の制御中枢であり,ストレッサーに起因...

    DOI 医中誌

  • 神経内分泌系についての分子生理学的研究の新展開

    上田 陽一 自律神経 56 (4), 203-206, 2019

    ...<p>視床下部-下垂体系を主軸とする神経内分泌系は,自律神経系調節を含め生体の恒常性維持に重要な役割を担っている.下垂体後葉系は,神経内分泌系の典型的モデルとして長年にわたり研究されてきた.古くは下垂体抽出物に昇圧物質が存在することに端を発して,20世紀半ばには下垂体後葉ホルモンのバゾプレッシンとオキシトシンの単離・構造決定と生合成が成功した.その後,分子生物学的手法や最先端技術の応用により,多くの...

    DOI 医中誌

  • 光環境と魚類~体色・成長との繋がり

    高橋 明義 電気泳動 63 (1), 11-14, 2019

    ...<p>視床下部で産生されるメラニン凝集ホルモン(MCH)と脳下垂体で産生される黒色素胞刺激ホルモン(MSH)は相異なる活性により魚類の体色を調節する.MCHは色素を凝集して体色を明化し,MSHは逆に拡散により暗化する.哺乳類ではMCHとMSHは食欲をそれぞれ亢進および抑制する.魚類におけるMCHとMSHの分泌は背地色の影響を受ける.前者の分泌は白背地で多く黒背地で少ない.後者では逆になる.以上の現象...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献7件

  • ポリ塩化ビフェニル(PCBs)曝露がイヌ脳中甲状腺ホルモン恒常性へ及ぼす影響- 脳中甲状腺ホルモンの分析法開発 -

    小野 純華, 髙口 倖暉, 田上 瑠美, 国末 達也, 岩田 久人, 田辺 信介, 野見山 桂 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), P-41S-, 2019

    ...また、視床下部や脳下垂体はTHsの合成と分泌を調整する重要な器官でもあるため、脳を対象としたTHsの分析はリスク評価の観点において重要である。しかしながら、これまでに脳中THsの分析法はいくつか報告されているが、絶対回収率が低いことや夾雑物質の不十分な除去が指摘されている。そこで本研究では、LC-MS/MSを用いて高感度で高精度な脳中THs分析法の開発を試みた。...

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  • 脳の性分化のための新たな分子機構

    星野 幹雄 日本毒性学会学術年会 46.1 (0), S26-5-, 2019

    ...</p><p> われわれは、膵臓や小脳の発達に関わる<i>Ptf1a</i>遺伝子が「臨界期」より遥かに前の胎児期において視床下部と呼ばれる脳領域の神経前駆細胞で発現することを見出した。...

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