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里見 龍樹 文化人類学研究 22 (0), 1-8, 2021
<p> 本特集は、「これまで『自然』と呼ばれてきたもの」がさまざまなかたちで取り上げられている現代の人類学において、では、そのような「自然」を記述する民族誌はいかなるかたちをとりうるのか、という方法論的な問題を提起するものである。2000年代後半に登場したいわゆる存在論的転回は、「自然/文化」という近代的な二分法、および狭義の「自然」概念を批判することによって、「広義の自然」と呼ぶべき人類学的主…
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里見 龍樹 文化人類学 85 (3), 397-415, 2020
<p>ソロモン諸島マライタ島では、初期植民地時代(1870~1920年代)において、西洋世界から流入 した銃器により、現地で「オメア」と呼ばれる戦闘や襲撃が一時的に激化したことが知られている。本稿では、同島北東部に住むアシ(またはラウ)において、この「オメアの時代」が今日いかに記憶されているか、また、アシに特徴的な居住形態である人工島がこの歴史とどのように関わってい るかを考察する。 …
橋爪 太作 文化人類学 84 (2), 205-208, 2019
河野, 正治 コンタクト・ゾーン 10 (2018), 384-391, 2018-06-30
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里見 龍樹 文化人類学 81 (2), 161-179, 2016
<p> 本稿では、ソロモン諸島マライタ島北部で特徴的な海上居住を営んできたアシ/ラウにおける葬制とその変容について考察する。オーストロネシア語圏の複葬慣習に関する一群の研究には、葬制が、生前の通婚・姻族関係を儀礼的に解消し、死者を集合化することを通じて社会集団を再生産するという共通理解が見出される。本稿では、反復的な移住の中で海上に居住してきたアシの葬制が、この通説に回収されえ…
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里見 龍樹 文化人類学 80 (3), 482-485, 2015
里見, 龍樹 超域文化科学紀要 17 83-103, 2012-11-30
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里見 龍樹 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2012 (0), 169-169, 2012
「社会運動」の民族誌的記述は、そこでの「運動」がしばしば、記述対象としての集合的同一性/新たな「われわれ」の構成過程でもあるという点において、独自の問題性をもつ。本報告では、「社会運動」の記述・考察にともなう人類学的問題について、太平洋戦争直後、イギリスの保護領統治下にあったソロモン諸島マライタ島で展開された反植民地運動であるマーシナ・ルールを事例に、民族誌的かつ理論的に考察する。
里見, 龍樹 くにたち人類学研究 6 26-53, 2011-05-17
ソロモン諸島マライタ島北部に住むラウあるいは「海の民」(アシ)と呼ばれる人々は、人工島と呼ばれる独自の海上居住の形成・拡大過程を物語る一群の移住伝承をもつ。本稿ではこれらの伝承を、オーストロネシア語地域で広く見られるとされる「トポジェニー」、すなわち一連の場所・地名への言及を含む、神話的祖先や集団の移動についての語りの一事例として考察する。アシの伝承は、マライタ島内の各地に「山の民」(トロ)とし…
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里見 龍樹 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2010 (0), 85-85, 2010
非単系的親族組織の下での居住地や集団帰属の柔軟性・流動性が指摘されてきたメラネシア地域の研究史において、移住という問題は独自の位置を占めてきた。本報告では、人工島と呼ばれる特徴的な居住形態をもち、今日の社会動態を潜在的・顕在的ないくつもの意味での移住者として生きているソロモン諸島マライタ島北部の「海の民」ラウを事例に、メラネシアにおける過去・現在の移住の問題を検討する。