渡辺 恒夫
国際生命情報科学会誌
32
(1),
92-93,
2014-03-01
「心は脳の機能」という科学者社会の定説に代えて,「心は脳の機能が当の脳自身に現れた現象である」という定義を提案する。この定義は,「当の脳とは誰の脳か」という,脳科学で無視されてきた脳と心の人称問題を自覚させる。神経生理学(=自然科学)の方法的公準が観察の公共性なら,脳科学(=人間科学)のそれは人称的視点の整合性でなければならない。脳と心の関係について,自分の脳と意識とを同時に観察する一人称的思考…
DOI
医中誌