小林, 英信
言語と文化
165-182,
1993-03-20
...この作品は1905年に書き上げられており,1906年フィッシャー書店刊行の文芸雑誌『ノイエ・ルントシャオ』の第十七巻一号に掲載される予定であった。既に,それは印刷も済んでいたが,作者トーマス・マンがある事情(これについては後で述べる)から,その発表を撤回する旨申し出た為にその紙面の大部分は回収,焼却された。この小説を掲載したまゝ出版されたのは全く僅かであったようだ。やがてこの作品は15年後,つまり1921...
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