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検索結果 269 件

  • ミドル期の挫折と持続可能なキャリア

    北村 雅昭, 辰巳 哲子 Works Discussion Paper 73 (0), 1-16, 2024

    DX化により、キャリアにおいて大きな分断に遭遇するリスクが高まりました。自らコントロールできないキャリアショックからの回復にどのような心理的特性や他者支援が寄与するのか。不本意な離転職を経験した個人へのインタビューから明らかにします。

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  • 介護発生前の個人の備えや会社支援が、介護離職・介護疲労に与える影響

    大嶋 Works Discussion Paper 38 (0), 1-18, 2023

    ...本稿では、リクルートワークス研究所「介護に直面した正社員の就業に関する調査」の個票データを用いて、介護発生前に個人が行う備えや会社による支援が、介護発生後の介護サービスの利用や専門家・家族との分担による介護体制の構築、職場での働き方等の見直しを通じて、介護離職や介護疲労に及ぼす影響を分析した。...

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  • 独立・起業にはどのようなメリットがあるのか

    参鍋 篤司 Works Discussion Paper 65 (0), 1-18, 2023

    本稿では、独立・起業がもたらす金銭的・非金銭的報酬について、全国就業実態パネル調査(JPSED)を用いて検証した。既存研究では、自営業者・起業家の報酬水準は、そのリスクと比較すると相当低いと結論しているものが多い。しかし、自身への報酬だけを金銭的成果とすると過小評価につながり得る。本稿では、筆者が収集した企業経営者に関するデータを用いて、全国就業実態パネル調査から得られた収入額を補正し、独立起業…

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  • 30代の仕事満足に影響する要因の探索

    橋本 賢二 Works Discussion Paper 69 (0), 1-12, 2023

    ...分析には、リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」の2023 年調査結果を用いて、「仕事そのものに満足していた」を被説明変数、働き方の柔軟性、働き方の自律性、仕事を通じた成長に関連する項目を説明変数とする重回帰分析を行った。また、年代比較から 30 代の特徴を見出すため、対照群として 30代の前後の年代である 20 代および 40 代について同様に重回帰分析を行った。...

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  • 年収の壁の継続性と勤務制度

    安部 由起子 Works Discussion Paper 66 (0), 1-21, 2023

    ...リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(以下、JPSED)、2016-2022年」の7年間のパネルデータを用いて、以下の2つの分析を行った。第1に、有配偶女性パート労働者の就業形態や年収の推移から、「パートの年収の壁」が継続的にどの程度影響を及ぼしているかを確認した。第2に、労働時間を増やしたい有配偶女性パート労働者が、それができない理由として何を挙げているかを確認した。...

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  • 健康上の理由による休職者の復職

    百瀬 由璃絵 Works Discussion Paper 67 (0), 1-27, 2023

    昨今、健康経営や仕事と治療の両立支援が推進されており、多様な人材マネジメントの一環として、従業員が健康的に働き、たとえ健康上の問題を抱えていても働ける労働環境が求められている。本研究では、健康上の理由で休職を経験した人々が、どのように復職を果たすのか、その軌跡を明らかにした。特に、休職から復職や離職へ至る経路に注目し、休職前後の労働環境の違いを比較した。その結果、第 1 …

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  • 就職活動および「やりたいこと探し」の不安とメンタルヘルス ・予期的社会化の関連

    中村 星斗 Works Discussion Paper 68 (0), 1-17, 2023

    就職活動に対してはインターンシップやジョブ型、実施スケジュール等、さまざまな観点で議論が行われているが、当事者である学生が議論の中心に置かれていない現状があると考える。本稿では、学生にとって就職活動がストレスフルなものであるという認識のもと、学生、企業双方にとってより良いマッチングを検討するため、就職活動への不安と「やりたいこと探し」の不安によるメンタルヘルスおよび予期的社会化への影響を検討した…

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  • 集まる機会が個人の適応に及ぼす影響の検討

    高田 治樹, 辰巳 哲子 Works Discussion Paper 72 (0), 1-16, 2023

    新型コロナウィルスの蔓延にともないテレワークの普及率も高まりつつある。テレワークは働き方の改善などの肯定的な影響だけではなく、コミュニケーションの減少にともなう否定的な影響がもたらされることが明らかにされている。従業員のコミュニケーションを促す集まる機会を創出することによって,テレワークの否定的な影響を緩和することが可能になると考えられる。しかし,企業においてどのような集まる機会があるのかについ…

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  • フリーランスの働き方、参入と定着・退出に関する研究

    小前 和智 Works Discussion Paper 64 (0), 1-16, 2023

    本研究はフリーランスとして働く者の属性を概観したうえで、フリーランスへの参入や、フリーランスの定着・退出要因としての収入の影響について分析した。性別では男性のほうが、若年よりも高年齢層のほうが、配偶関係では無配偶者のほうがフリーランスとして働く人の割合が高い。また、フリーランスの年間収入の分布は正社員のそれよりも低位に偏っており、平均では正社員の半分程度である。しかしながら、時間あたり収入では正…

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  • 長期育児休業を取得した男性の性役割観の発達プロセス

    筒井 健太郎 Works Discussion Paper 70 (0), 1-47, 2023

    本研究は、長期育児休業を取得した男性の性役割観が発達するプロセスを解明することを目的とした。調査対象者は、夫婦ともにキャリア自律意識を持って仕事と育児の両立に取り組んでいるデュアルキャリアカップルであって、1ヶ月以上の長期育児休業を取得した男性に着目した。条件に合致する9名の男性に対して半構造インタビューを実施し、M-GTA によって分析した。 …

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  • 上司は介護中の部下をどう支援すべきか

    大嶋 寧子 Works Discussion Paper 71 (0), 1-18, 2023

    これまで仕事と介護の両立に関わる上司の支援では、主に介護離職や介護疲労の防止が主な目的とされてきたが、加えて、介護中の部下が仕事やキャリアに主体性を持ち続けるためには、部下が組織の一員として、あるいは、一人の職業人としての自分らしさであるワーク・アイデンティティを維持できることも重要である。本稿では、部下の自律的な判断や行動を尊重する上司のエンパワリング・リーダーシップが、介護中の従業員のワーク…

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  • 副業保有が労働者の就業姿勢に与える影響

    門 美月 Works Discussion Paper 62 (0), 1-30, 2022

    ...本研究において、副業保有が労働者の就業姿勢にどのような影響を与えるのか、リクルートワークス研究所の全国就業実態パネル調査(JPSED)を用い検証を行った。「仕事への熱心な取り組み」を目的変数に固定効果モデルにより副業保有の効果について推定を行った。...

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  • キャリア自律の観点から見た社内公募制度の運用実態

    Works Discussion Paper 58 (0), 1-13, 2022

    本稿は、キャリア自律の観点から社内公募制度が社員に与える影響について分析した。特に、社内公募制度の運用過程に着目、つまり希望、選抜などが能力向上発揮、ワーク・エンゲージメント、リテンションにどのような影響を与えているかを検証した。分析の結果、以下の 3 つが明らかになった。 第 1 に、キャリア自律が高い人は社内公募に応募していることを確認した。企業が社員に社内公募に応募してほしいのであれば、キ…

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  • 学生時代の社会と接する経験は仕事生活の助走足りえるか

    古屋 星斗 Works Discussion Paper 57 (0), 1-14, 2022

    本研究は大学卒社会人の初職入社前の経験がキャリア教育や就職活動の変化によって多様化していることに注目し,入社前の経験が入社後の仕事・組織認識にどのような影響を与えているのかを検証するものである。この点について,入社前における越境経験,つまり大学在学中の企業や地域社会,社会人と連携した取組経験の有無が,入社後のワークエンゲージメント及び組織コミットメントにどう影響するか検討した。検証にあたっては,…

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  • 出社を望んでいるのは誰か

    石川 ルチア Works Discussion Paper 61 (0), 1-16, 2022

    新型コロナウイルス感染症の拡大によってテレワークが広がり、企業はパンデミック収束後の方針を検討している。本論文の目的は、就業者がどのような働き方を希望しているのかを、男女別に明らかにすることである。分析の結果、男性も女性も、テレワークを週3日以上希望する人の割合が最も高かった。ただし、テレワークおよび出社を望む人の傾向には性差があった。男性では、役職者や職場の人間関係を重視する人に全日出社あるい…

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  • 本業のタスクの構成と副業の関係について

    大谷 碧 Works Discussion Paper 59 (0), 1-20, 2022

    本研究では、正規雇用者および非正規雇用者について、本業のタスクの構成状況と副業実施および自己啓発の実施の関係について二変量プロビットモデル(bivariate probit model)を用いて分析した。分析の結果、副業および自己啓発を行う者は、観測できないレベルで類似性を持っていることが明らかになった。また、正規雇用者については本業のタスク、「頭を使う仕事の割合」および「他の人と一緒にする仕事…

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  • 企業調査による人材定着率の新卒・中途比較

    梅崎 修, 西村 純 Works Discussion Paper 63 (0), 1-16, 2022

    本稿の目的は、入社3年目までの人材定着率の基本統計を新卒採用者と中途採用者で比較することで、実態を把握することである。入社3年目以内の離職は、企業側から見ても個人から見ても損失と考えることができる。 定着支援の研究は、新卒採用者を中心に発展してきたが、近年、中途採用者に関しても実証研究が増えてきている。しかし、新卒採用者と中途採用者で、同じ人事施策のもとで定着率が異なるのかどうかという問いは、デ…

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  • 近年のアルバイト・パート時給の動向について

    坂本 貴志 Works Discussion Paper 60 (0), 1-12, 2022

    人手不足が深刻化している。日本銀行「日銀短観」の雇用人員判断 DI や総務省「労働力調査」の失業率の水準は、バブル経済に沸いた 1990 年代以来の水準となっているなど、足元の労働需給はひっ迫している。こうしたなか、短時間労働者の時給も上昇を続け、人手不足の影響が顕在化している様子もうかがえる。 …

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  • テレワーク制度の適用有無がテレワーカーにどのような影響を及ぼしているのか

    千野 翔平 イノベーション・マネジメント 18 (0), 265-279, 2021-03-31

    <p>本稿の目的は、テレワークが従業員にどのような影響を及ぼしているのかについて、パネルデータを用いて、テレワーカーの変化をもとに検証することである。特に、テレワーク制度の適用者であるか否かに着目して、テレワークを実施した人の幸福度、生活満足度、週当たりの労働時間に関して分析を行った。</p><p>その結果、テレワークが制度適用されていない人、つまり職場外に仕事を持ち出し残業している可能性のある…

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  • 日本の労働者にみられるワーカホリズムの生成機序とその帰結

    阿久津 聡, 勝村 史昭, 山本 翔平 Works Discussion Paper 41 (0), 1-21, 2021

    本研究では、競争的な仕事環境と主観的不健康感との間の直接的および(ワーカホリズムを介した)間接的な関係を検討した。また、競争的な仕事環境と主観的不健康感の関係、および競争的な仕事環境とワーカホリズムの関係における認知の歪みの調整効果を検証した。データは、様々な業種、職種、さらには職位の就業者 9,716 …

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  • 主観的仕事ウェルビーイングの規定因についての探索的検討

    辰巳 哲子 Works Discussion Paper 46 (0), 1-12, 2021

    個人の生活様式が多様化する中、働くことは個人にとってどのような意味を持つのだろうか。2019年には働き方改革関連法案が施行され、2020年にはコロナ禍においてリモートワークが導入されるなど、個人の働き方は大きく変化した。 個人が仕事から得る幸福感については、主観的仕事ウェルビーイングの分野で研究の蓄積が進んでいる。本稿は、仕事ウェルビーイングを「生き生き働いている状態」とし、個人の「生き生き働く…

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  • 仕事における「持ち味発揮」の探索的検討

    丸山 淳市 Works Discussion Paper 44 (0), 1-13, 2021

    本稿では、従来より我が国で語られてきた「持ち味」という言葉に着目し、その内容及び構造と持ち味の発揮がどのような要因に影響を受けているのかを探索的に検討を行った。 社会人135人を対象にしたweb調査における自由回答の分類結果から、仕事における持ち味とは、先行研究における強みと比較すると、取り組む仕事における成果導出との結びつきがより強調された先天的な特性やそれまでの経験等から得られた知識や能力及…

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  • Managerial Status and Well-Being/Health in Japan

    Miyamoto Yuri Works Discussion Paper 45 (0), 1-9, 2021

    Higher social status tends to be associated with advantageous outcomes, such as higher well-being and better physical health. However, some studies done in East Asian countries have found weaker …

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  • Who Can Work from Home? The Roles of Job Tasks and HRM Practices

    Kawaguchi Daiji, Motegi Hiroyuki Works Discussion Paper 48 (0), 1-34, 2021

    This paper examines the characteristics of remote work using a unique Japanese survey dataset that provides information on engagement in remote work together with the specific job tasks and human …

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  • MBOにおいて難度の高い目標設定を促す要因

    千野 翔平 Works Discussion Paper 51 (0), 1-15, 2021

    本研究では MBO の目標設定に着目し、難度の高い目標を設定させる要因を管理職と非管理職の両者の立場から検証した。 管理職を対象に行った分析の結果、高い目標を設定させる要因として次のことが明らかになった。第 1 に、職場で評価の基準が明確に示されている(情報公開)と管理職は難度の高い目標を設定することである。逆に、評価結果に対して疑問や不満があれば遠慮なく表明できる(苦情処理)仕組みは、負の影響…

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  • 緊急事態宣言下における共働き夫婦の家事・育児時間の変化

    大谷 碧 Works Discussion Paper 50 (0), 1-16, 2021

    本研究は、小学生以下の子どもを持つ共働き夫婦の家事・育児時間の変化について、夫婦のテレワーク勤務の組み合わせに着目し、1 回目と 2 回目の緊急事態宣言下において男女別に分析した。分析の結果、学校・保育施設の臨時休校・休園により、通常時と異なり家事・育児が多く発生したと考えられる 1 回目の緊急事態宣言下においては、本人がテレワーク勤務で配偶者はテレワーク勤務ではないことが家事・育児時間の変化に…

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  • 現代日本社会における「生き生き働く」の意味:定量的テキスト分析による検討

    阿久津 聡, 中山 真孝, 宮林 隆吉 Works Discussion Paper 40 (0), 1-21, 2021

    本研究は、1,641名の多様な働く個人が回答した「生き生き働く」を表現する言葉を、現代日本社会のより広い意味空間における意味構造とリンクさせていくつかの主たる意味次元で捉える一方で、調査回答者をその特性によって特徴的な潜在クラスに分類して、両者の関連性を分析した。結果、「生き生き働く」の意味は、現代日本社会の構造や歴史的経緯とそこで働く個人の合理性や共通価値観等を反映して捉えられていることが示唆…

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  • 意味ある仕事と個人・ジョブ・社会・組織レベルの要因との関連についての予備的検討

    浦田 悠 Works Discussion Paper 42 (0), 1-12, 2021

    意味ある仕事(meaningful work:以下MW)についての研究は、2000年前後から増加しており、理論モデルが整理されるとともに、仕事についての種々の要因との関連が検討されてきている。中でも、Lysova et al.(2019)は、MWを促進しうる個人・ジョブ・社会・組織レベルの諸要因について広範に概観・整理し、統合的な枠組みを提示している。本研究では、この枠組みに基づいて、個人レベル…

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  • 一生懸命に働く、意味のない仕事をすることの構造と動因に関する探索的分析

    久米 功一 Works Discussion Paper 43 (0), 1-30, 2021

    現代の社会では、報われない仕事や意味のない仕事が増えており、生き生き働く機会が減少し、働く意欲が失われるのではないかと危惧されている。そこで、本稿は、一生懸命に働くことや意味のない仕事に従事することと、生き生き働く状態とを比較して分析した。具体的には、一生懸命に働く理由を重要性、衝動性、義務感の三つに分けて、その経済的帰結や決定要因を分析した。 …

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  • パーソナリティと生き生き働く状態の関連性

    谷 伊織 Works Discussion Paper 47 (0), 1-13, 2021

    本研究では、働くことに関する心理状態を個人のパーソナリティから説明することを試みた。パーソナリティはビッグファイブの 5 因子だけではなく、パーソナリティ・プロトタイプと呼ばれる 4 類型、さらには 5 因子を統合した一般因子を用いた検討を行った。働くことに関する心理状態については、幅広く新旧の概念を取り扱った「生き生き働く状態」尺度を用いた。データはリクルートワークス(2020)の先行研究で収…

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  • タテのコミュニケーションがワーク・エンゲージメントに与える影響とその概念の比較について

    矢橋 正二郎 Works Discussion Paper 49 (0), 1-28, 2021

    ...具体的には、リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」のデータを用いて、上述の変数間の関係や規定要因を調査した。 その結果、コロナ前では、「タテコミ」は、WE を有意に高め、フォーマル、カジュアル双方がほぼ同じ効果であること、また WE は仕事満足度に近いことが分かった。コロナ禍では、コロナ前と比較して、タテコミ自体の量は減ったが、タテコミが与える効果はコロナ前と差がないことが分かった。...

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  • コロナ禍で、社会人の学びは どう変わったのか?

    孫 亜文 Works Discussion Paper 54 (0), 1-18, 2021

    これまでの研究では、企業内の学び機会である OJT や Off-JT は、個人が自ら学ぶ自己啓発を促進することを明らかにしてきた。しかし、2020 年は新型コロナウイルス感染症の影響で、企業内の学び機会は減少した。本稿では、企業内の学び機会の減少が、個人の自己啓発にどのような影響を及ぼすのかを分析している。 …

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  • 中高年の学習意欲と学習行動に影響を与える要因

    石川 ルチア Works Discussion Paper 53 (0), 1-17, 2021

    個人の働く期間が延びている。同時に、デジタライゼーションによって事業環境が加速的に変化している。変化に適応しながら働き続けるためには、経験とスキルが蓄積された中高年であっても、新しい領域の知識やスキルを習得することが求められる。本論文では、中高年の学習意欲と学習行動に影響を与える要因の特定を試みた。また、職種ごとにそれら要因の影響の強さを分析し、今後仕事の大きな変化が予想される生産工程・労務職に…

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  • 仕事からの引退は生活満足度を高めるか

    坂本 貴志 Works Discussion Paper 52 (0), 1-11, 2021

    総務省「労働力調査」より、高年齢者の就業率の時系列の変化をみると、2000 年初頭以降、急速に高まっている。こうしたなか、本稿では仕事からの引退が生活満足度に及ぼす影響を分析した。 本分析から得られた結果を要約すると、以下の通りである。まず、通常の OLS で回帰分析をしたところ、引退ダミーは大きくマイナスとなった。次に、パネルデータとして固定効果モデルで推定すると、係数は低下した。最後に、操作…

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  • 介護を担う正社員が経験するワーク・アイデンティティの危機とその対処プロセス

    大嶋 寧子 Works Discussion Paper 56 (0), 1-18, 2021

    本研究は、フルタイムで働く正社員が介護によってどのようなワーク・アイデンティティの危機に直面し、その危機にどう対処しているのかのプロセスを解明することを目的とした。週 40 時間以上就業し、週介護時間が 15 時間以上の 12 名の正社員に対する半構造化インタビューのデータを、データに密着した分析及びそれに基づくプロセスの解明に強みを持つ修正版グラウンデッド・セオリーに基づいて質的に分析した。 …

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  • 〈論文〉テレワークの効果に関する実証研究

    峰滝, 和典 商経学叢 67 (2), 79-95, 2020-12-31

    ...[要旨]本稿では『全国就業実態パネル調査』(東京大学社会科学研究所附属社会調査-データアーカイブ研究センター,寄託者 リクルートワークス研究所)を用いて,テレワークが就労者の幸福感や生活満足度,仕事と家庭の両立ストレス緩和,そして労働生産性にもたらす効果について実証研究を行った。期間は2017年~2019年の3カ年である。...

    機関リポジトリ

  • 新型コロナウイルス感染症の流行への対応が,就労者の心理・行動に与える影響

    江夏 幾多郎, 神吉 直人, 高尾 義明, 服部 泰宏, 麓 仁美, 矢寺 顕行 Works Discussion Paper 31 (0), 1-126, 2020

    本報告書は,新型コロナウイルス感染症の流行に対して,組織や個人がどのような対応をしており,そしてそのことが個人の就労上の心理・行動にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目指す。4 月中旬に 4363 名を対象に行われた質問票調査から,以下に代表される多くの発見事実が見出された。 通勤を含めた就労時間が減少するなど,生活時間配分が大きく変更している。変更そのものに大きな不満はないも…

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  • どのような20代が生き生き働いているのか

    石川 ルチア Works Discussion Paper 35 (0), 1-20, 2020

    ...そこで本研究では、「生き生き働く」20 代に特徴的な要素を把握することを目的とし、リクルートワークス研究所の「働きがいの実態調査2020」のデータを用いて分析した。個人の仕事観、職場環境、生活習慣などを年代別に比較したところ、20 代は「仕事への満足感」「ワーク・エンゲイジメント」と「日常の満足感」が高い人が「生き生き働く」実感を持ちやすいことが示された。...

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  • 新型コロナウイルス流行下での就労者の生活・業務環境と心理・行動

    江夏 幾多郎, 神吉 直人, 高尾 義明, 服部 泰宏, 麓 仁美, 矢寺 顕行 Works Discussion Paper 33 (0), 1-121, 2020

    ...筆者たちは,リクルートワークス研究所と共同して,新型コロナウイルス感染症の流行下における就労者の就労上の心理・行動とそれを取り巻く要因に関する調査を複数回行ってきた。本報告書は,2020年7 月末から8月初旬にかけて行なった調査結果を,前回調査(4 月実施)との比較を適宜行いながら,紹介するものである。分析対象は,2 度にわたる質問票調査の双方に回答を寄せた者のうち,3073人である。...

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  • インターンシップにおける実務体験の教育的効果・リアリティショック軽減効果

    古屋 星斗 Works Discussion Paper 39 (0), 1-18, 2020

    長期化する新卒労働市場の需要過剰の中で、インターンシップが急速に一般化した。本稿では、インターンシップにおいて行われる、自社の業務に関係する職務やプロジェクトの企画・運営、現場での研修・体験等の実務に従事させるプログラムによって構成される実務体験に注目し、企業の日常の業務との関係性の強弱によって分類することで、教育的効果及びリアリティショック軽減効果を検証した。具体的には、両効果に関する因子得点…

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  • 従業員の成長につながるMBOのあり方

    千野 翔平 Works Discussion Paper 37 (0), 1-16, 2020

    MBO(目標管理)は、業績や成果を下支えするシステムであるが、一方で能力開発を支援する機能もある。にもかかわらず、MBO と能力開発の関係についての研究は、これまで多くなされていない。そこで本稿では、MBO を導入している企業で働く個人へのアンケート調査を実施し、MBO の能力開発機能について分析した。 分析の結果、MBO …

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  • 働き方改革が仕事成果や生活時間に与える多様な影響に関する実証分析

    久米 功一, 萩原 牧子 生活経済学研究 51 (0), 63-76, 2020

    本稿では、労働時間の質的な違いを考慮した分析を行い、働き方改革がもたらす効果について議論する。具体的には、総労働時間を本来業務・周辺雑務・手待ち時間の3つに分割して、その違いが仕事満足度、仕事負荷、健康、賃金に与える影響を分析した。59歳以下の正社員約1.7万人の個票データを分析した結果、本来業務時間が37時間のとき、仕事満足度が最大となった。生活時間との関係では、手待ち時間の増加は睡眠時間に、…

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  • 個人の“Voice”と”Exit”が賃上げに与える影響

    中村 天江 Works Discussion Paper 32 (0), 1-32, 2020

    長い人生を送るのにお金は必要不可欠だが、日本の平均賃金は 30 年近く増えていない。高度経済成長期に形成された終身雇用・年功賃金・企業別労働組合で特徴づけられる日本的雇用のもとでは、賃金について個人が企業と交渉する必要はないが、いまや労働組合の組織率は低下し、転職する個人が増えている。個人で賃上げを働きかける必然性が高まっているが、職場で賃上げを要望したことがある個人は 25%に留まっている。 …

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  • 労働時間によらない固定報酬支払いは労働時間や賃金にどのような影響を与えるか

    坂本 貴志 Works Discussion Paper 34 (0), 1-12, 2020

    昨今、裁量労働制をはじめとするみなし労働時間制の適用が労働時間にどのような影響を及ぼすかに、世の中の関心が集まっている。本稿では、こうした世の中の問題意識には、本質的に、労働者が実際に行った労働時間にかかわらず固定の報酬を支払われることに対する是非があると考え、誰がその対象となっているのかなどその実態を明らかにした。 …

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  • ハラスメントはどう職場を蝕むのか

    孫 亜文 Works Discussion Paper 36 (0), 1-26, 2020

    近年、ハラスメントへの関心が高まっており、2020 年 6 月には通称パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行された。ハラスメントへのこれまでそして今後の取り組みは効果的なのか、その評価を行うためには、まずハラスメントが個人や企業にどのような影響を与えているのかを精確に把握する必要がある。本稿では、今後の政策評価に先立ち、ハラスメントが個人や職場にどれだけの影響を与えるのかを明らかにするこ…

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  • 社会人の学習行動尺度ならびに学びへの態度尺度の作成と相互関連性の検討

    高田 治樹, 辰巳 哲子 Works Discussion Paper 22 (0), 1-13, 2019

    本研究は,これまで研修や経験学習などの習得目標のある学習行動への着目が中心だった社会人の学習について,習得目標のない課題に向かうための学習行動に着目し,社会人の日常的な学習行動尺度ならびに学びへの態度尺度を作成し,相互関連性を検討した。分析の結果,社会人の学習行動は,仕事の中での実践による学びを表す「経験型学習」,自分自身の働き方や価値を考える学びを表す「内省型学習」,社内外の人々との交流による…

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  • 管理職による若手社員の自律的行動の促進

    津田 郁 Works Discussion Paper 24 (0), 1-16, 2019

    本研究では、企業で働く 20 代若手社員の自律的行動を促進するためには、どのような要因が影響しており、管理職はどのような行動を実施すべきかについて、職務実行の各段階に応じて定量的に分析を行った。 分析の結果、若手社員の自律的な行動を促進するためには、本人の自律的なパーソナリティ、所属するチームのコンディション、管理職のマネジメント行動といった要因が重要であることが明らかになった。これは、若手社員…

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  • 労働時間と成果の決定メカニズムとその関係性について

    坂本 貴志 Works Discussion Paper 27 (0), 1-14, 2019

    近年、長時間労働の見直しに向けた社会の要請が高まっている。多くの企業で長時間労働の是正策が講じられており、実際の労働時間も縮減傾向にある。 本稿では、あるサービス業の企業の人事データを活用し、営業職の従業員の労働時間が規定される要因を探り、従業員の成果が労働時間の多寡によってどの程度規定されるのかを分析した。 …

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  • 転機による心理的変化がキャリア意識に及ぼす影響の検討

    高田 治樹, 辰巳 哲子 Works Discussion Paper 30 (0), 1-15, 2019

    社会人は人生において多くの出来事を経験しており,それによって価値観や意識などに変化がもたらされる。従来,そのような出来事は転機として検討されていたが,転機の経験パターンや転機によってもたらされる変化がキャリア意識に及ぼす影響について量的に扱った研究は少ない。そのため,本研究では,転機による心理的変化がキャリア意識に及ぼす影響を検討した。 …

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  • テレワークが従業員に与える影響についての予備的研究

    千野 翔平 Works Discussion Paper 25 (0), 1-15, 2019

    本研究の目的は、テレワークが従業員に与える影響について、パネルデータを用いて、テレワーカーの変化をもとに検証することである。特に、テレワーク制度の適用者であるか否かに着目して、テレワークを実施した人の幸福度、生活満足度、週当たりの労働時間に関して分析を行った。 その結果、テレワークが制度適用されていない人、つまり職場外に仕事を持ち出し残業している可能性のある人によるテレワークは、幸福度を下げる、…

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  • 働きがいは定年後の就業継続に影響を与えるのか

    孫 亜文 Works Discussion Paper 29 (0), 1-15, 2019

    日本の高齢者は、諸外国よりも就業率や就業意欲が高い。高齢者の就業決定の主な要因として、生活維持のための経済要因があるといわれるが、日本の高齢者のうち 8 割弱は経済的に困っていない。果たして経済要因は本当に高齢者の就業決定に影響を与えているのだろうか。 本稿では、定年を経験した高齢雇用者を対象に、就業決定の主要因として、経済要因、健康要因、働きがい要因に着目し、定年経験後の就業継続に与える影響を…

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  • 景気循環と大学院進学の関係

    茂木 洋之 Works Discussion Paper 26 (0), 1-14, 2019

    ...リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査」を使用した。これは、20 歳時と初職時の居住地や最終学歴の卒業年に関する回顧情報、また専攻に関する情報を含むデータである。理論的には不景気時は所得が低下するため、流動性制約が強くなり、大学院進学に対して負の影響を及ぼす。一方で、不景時の機会費用の低下は大学院進学に対して正の影響を及ぼす。よって、正負の影響の判定には計量分析を試みる必要がある。...

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  • 再就職した女性の就業継続と仕事満足

    大嶋 寧子 Works Discussion Paper 28 (0), 1-20, 2019

    本稿は、女性の再就職支援としても重視されている離職期間中の学び直し、再就職時点の仕事と家庭の両立負担が、再就職後の離職や仕事満足とどのような関わりを持つのかを検証した。3 年以上の離職期間を経て再就職した経験を持つ、配偶者・子のいる25~54 歳の女性を対象とするアンケート調査の個票データを使用し、再就職後の離職への移行に関するイベントヒストリー分析を行った。また、再就職後に就業継続しているサン…

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  • 初職における起業選択のその後のキャリアへの影響に関する一考察

    古屋 星斗 研究紀要 Works Review 13 (6), 2-13, 2018

    本稿の目的は,初職において起業などの会社役員の就業形態を選択することが,後のキャリアにどう影響するかを検証することである。初職で正規雇用を選択した個人と比較し,年収の値は分散が大きく,経済的リスクの存在を裏付ける一方,年収及び仕事への満足度合いに対して有意に正の影響を与えることが確認された。こうした初職起業選択の積極的な影響が,一部の経済的な失敗によって過剰に覆い隠されている現状が示唆される。

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  • どうすればひとは学ぶのか

    孫 亜文 研究紀要 Works Review 13 (7), 2-13, 2018

    変わりゆく世の中において働き続けるためには,「仕事の学び」を継続していくことが必要不可欠になる。しかし,正社員のたった37.2%しか自己啓発を行っていない。どうすれば多くのひとが学ぶようになるのだろうか。 本研究では,企業の働きに着目し,OJT やOff-JT といった企業が提供する学び機会と,仕事のレベルアップや職務特性といった仕事へのモチベーションを向上させる要因が,正社員の自己啓発促進につ…

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  • 正規雇用者の自己啓発の実施の有無が賃金に及ぼす影響について

    坂本 貴志 研究紀要 Works Review 13 (8), 2-11, 2018

    本研究の目的は,自己啓発の実施の有無が2 年後の正規雇用者の賃金の増減に対して影響を与えているのかを検証することである。本研究において,個人の能力をコントロールすると賃金上昇の効果は消失すること,専門的な技術を有する者がその周縁知識となる知識を身に付けることで業務能力や賃金の上昇につなげていること,資格取得を通じた学びが実際の業務能力向上や賃金の上昇につながっている可能性があることが示された。

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  • テレワークの浸透を促進する人事施策の検討

    城倉 亮 研究紀要 Works Review 13 (2), 2-11, 2018

    本研究では,テレワークの職場への浸透を促進させる人事施策について,「Works 人材マネジメント調査2017」の結果を用いた定量分析を行った。加えて,職場の実態を明らかにするために,企業へのインタビュー調査を実施した。その結果,テレワークが浸透している企業では,上司と部下の定期面談が実施されること,職場ごとの運用が柔軟であること,利用促進の周知活動が取り組まれていることが示された。

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  • 進路指導からキャリア教育への「移行」はどのようにおこなわれたか

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 13 (9), 2-11, 2018

    本研究の目的は,学校から社会への移行に関する教育的な要素が,進路指導からキャリア教育への展開でどのように変化したのか,「活動内容」と「組織支援体制」に着目し,その変化を明らかにすることである。3 時点調査の分析結果から,移行教育の活動内容は,「学習指導」→「働く意識の醸成」→「次の移行段階への準備」へと推移しており,「次の移行段階への準備」では,校外のみならず,校内連携の組織支援体制が影響してい…

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  • 大学教員はどんな行動をしているのか

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 13 (10), 2-15, 2018

    人が育つゼミでは,大学教員は何をしているのか。授業内容ではなく,教員の教育行動に着眼し,23 のゼミの実態を探索した。ゼミの構造は同質的だが,教員個々が掲げる学修ゴール,それに対応した教育行動には特徴があり,それぞれが有機的に連関してゼミの人材育成の品質を高めていた。学修ゴールを4類型に,教育行動を10のカテゴリーにまとめ,その関連性を体系化した。

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  • 妻の就業は夫の転職を支えるか

    大嶋 寧子 研究紀要 Works Review 13 (5), 2-13, 2018

    ...リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査」の3 年分のデータを用いてパネル分析を行った結果,子どもがいる場合に,妻の正規雇用は夫の転職意向に有意な正の差を生じていた。さらに,子どもがいる場合,1 期前の妻の正規雇用は,夫の自発的理由による転職と,弱いながらも有意な正の関係を持っていた。...

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  • 管理職によるジョブ・アサインメントと業績の関係性

    津田 郁 研究紀要 Works Review 13 (3), 2-13, 2018

    本研究の目的は,管理職のジョブ・アサインメントについて,定量的アプローチによってその実態を明らかにすることである。調査の結果,ジョブ・アサインメントがチームの業績に効果があることを示し,管理職の業績の高低によってどのようなジョブ・アサインメント行動の実施に違いがあるかについて明らかにした。さらに,業績が低い管理職がどのようにジョブ・アサインメント行動を習得していくべきかについて手順を示した。

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  • 希望していなかったのにどうして就業したのか

    萩原 牧子 研究紀要 Works Review 13 (4), 2-13, 2018

    本稿では,就業意欲別に非就業者の就業要因や求職行動を分析した。就業非希望者は,配偶者の妊娠や離職,離婚,また,就業を希望しない理由が特にない場合に就業確率があがること,また,極端に短い求職期間で,紹介といった受け身の手段により就職先を見つけていることがわかった。就業意欲が低いほど,柔軟性の高い仕事に就いていることから,そのような選択肢が就業意欲の低い人の労働参加を増やす可能性についても示唆した。

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  • 働き方が仕事満足度・生活満足度に与える影響

    野村 旭 Works Discussion Paper 21 (0), 1-26, 2018

    ...リクルートワークス研究所が実施しているパネル調査「全国就業実態パネル調査」を用いて,雇用者の働き方や仕事の性質に着目し,それらが仕事満足度・生活満足度に与える影響について分析を行った。特に仕事の柔軟性と満足度の関係に関心がある。本分析の特徴は,パネルデータの特徴を生かして,個人レベルの固定効果をコントロールし,個人の主観的指標である質的変数を扱っている点である。...

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  • 呼称・契約期間・時間による「非正規」雇用の再整理と雇用形態間の移動

    小前 和智, 玄田 有史 Works Discussion Paper 20 (0), 1-32, 2018

    本研究は呼称・契約期間・労働時間 3 つの要素によって雇用形態を分類し,各雇用形態の処遇と雇用形態間の移動性についての分析・考察を行った。既存の研究の多くが正規・非正規雇用間の処遇差を説明するにあたって呼称が重要であるとの立場をとっており,本研究においても呼称による説明力の大きさを確認した。 雇用形態間の移動性に関する分析においては,登用(同一企業内での非正規から正規への移動)に着目した。分析の…

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  • 多様な正社員のスキルと生活満足度に関する実証分析

    久米 功一, 鶴 光太郎, 戸田 淳仁 生活経済学研究 45 (0), 25-38, 2017

    本稿では、正社員の多様な働き方が進展している現状に鑑みて、限定的な働き方が労働者に与える厚生について検討した。とくに、制度上の区分ではなく、働き方の実態に着目して分析した。限定的な働き方をしている正社員のスキル形成と満足度の視点から、これらの関係を構造的・立体的に捉えることを試みた。具体的には、限定的な働き方とスキルが仕事・生活満足度に与える影響について金銭的価値から評価した。 …

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  • 家事労働研究の潮流とこれからの課題

    孫 亜文 研究紀要 Works Review 12 (10), 1-10, 2017

    本稿では,働き方も生き方も変わりつつあるこれからの社会において,家事労働への評価の不当性を変えるために,家事労働が個人にもたらす効果に着目し,先行研究を概観した。それをふまえ,今後の研究の発展のために,家事労働にまつわるより詳細なデータの蓄積の必要性を主張する。

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  • テレワークは長時間労働を招くのか

    萩原 牧子, 久米 功一 研究紀要 Works Review 12 (5), 1-10, 2017

    本稿では,テレワークが長時間労働を招くのか,また,家事育児時間を増やすのかを検証するために,勤務先のテレワーク制度を利用するテレワーカーと,それ以外のものの労働時間と家事育児時間を比較した。結果,労働時間は長くならず,男性テレワーカーの家事育児時間が長いことが示された。制度適用者のテレワーク実施要因も分析したところ,自分で仕事のやり方を決められる人ほど,実施確率が高いことがわかった。

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  • 戦略的採用における一貫性を確保するためのハブ機能の考察

    碇 邦生, 中村 天江, 田中 勝章 研究紀要 Works Review 12 (2), 1-14, 2017

    本研究の目的は,戦略的採用における諸活動を統合するハブ機能が2つの一貫性(事業戦略と採用,人材育成・活用と採用)をどのように確保するのかについて,事例研究を通して明らかにすることである。I社におけるIT人材の採用について,6名の主要な関係者に聞き取り調査を実施した。その結果,ハブ機能は特定の部署に帰属するのではなく,採用関係者間で分散・共有されていることが明らかとなった。

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  • 働くイメージが上手く持てない理由

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 12 (7), 1-10, 2017

    本研究の目的は,大学生が「働くイメージが上手く持てない」背景にはどのような要因が考えられるのかを探索的に検討することにある。約1年間にわたる大学生の就職活動のプロセスを支援するキャリアカウンセラー(8名)に対して,働くイメージが上手く持てない学生らの様子を尋ねたところ,親の価値観の押しつけ,断片的な仕事経験,情報の過度な一般化,逃げ癖,リフレクション能力不足,などの要因があることが示された。

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  • 戦略パートナーとしての人事部の機能・役割

    清瀬 一善 研究紀要 Works Review 12 (1), 1-14, 2017

    本研究の目的は,日本企業の人事部が戦略パートナーになるための取り組み内容を,3社の日本企業における事業部人事制から人事ビジネスパートナー(HR-BP)制への変遷の整理とHR-BP制を導入している3社の欧米企業との比較を通じて明らかにすることにある。調査の結果,日本企業におけるHR-BP制は,相応の権限を有し,かつ,複数人の体制で運営されているなど,欧米企業とは異なる形態となっていることを明らかに…

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  • 新卒・中途・有期雇用 採用は同じか?異なるのか?

    中村 天江, 田中 勝章 研究紀要 Works Review 12 (3), 1-14, 2017

    この30年,新卒,中途,有期雇用の採用はいずれも拡大してきた。近年,深刻な人材不足により採用の抜本的見直しが急務となっているが,これら3つの採用の異同を把握する研究は存在しない。そこで,包括的な採用モデルにもとづき,新卒・中途・有期雇用採用の特徴を抽出したところ,7つの観点で違いが観察された。一方で,特定の採用対象に最適な採用は,組織内で「局所的に構築される」という共通点があることも明らかになっ…

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  • 人手不足期における最低賃金引き上げの効果

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 12 (8), 1-10, 2017

    人手不足が続く労働市場において,最低賃金引き上げにより,募集時の時給や企業の求人件数に及ぼす影響があるか検討した。最低賃金の引き上げにより募集時時給の特に分布の下側に影響がみられることが確認された一方,求人件数には有意な効果がみられなかった。最低賃金の引き上げによって企業の求人件数に対しては負の影響がみられておらず,労働市場における需給逼迫により人手不足が続いていることを示唆している。

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  • 企業の採用動向の経年変化2006~2014年度

    戸田 淳仁 Works Discussion Paper 19 (0), 1-16, 2017

    大学生・大学院生の新卒採用と正規社員の中途採用に注目し、それぞれの採用実績人数の決定要因について分析を行った。分析の特徴として、パネル調査の利点を活かし、個別企業の要因である Fixed Effect(固定効果)をコントロールし、個別企業の要因を除去したうえで、どのような要因が影響しているかを見ていくことである。2006~2014 …

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  • 彼らはなぜ自死してしまうのか

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 12 (6), 1-14, 2017

    本研究の目的は,近年増加している若手社員の過労自殺の要因を探索することにある。中高年が中心である過労死に至る要因とは異なる要因があるのではないか,という仮説に基づくものである。先行研究から,イベント型職場ストレッサー,慢性型職場ストレッサー,性格的特徴,認知ギャップに着眼し,過去の5つのケースを分析したところ,慢性型職場ストレッサー,認知ギャップの重要性が確認された。

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  • EU労働法における労使関係システムの総論的考察

    岡村 優希 Works Discussion Paper 17 (0), 1-37, 2017

    本稿の目的は、EU における労使関係がどのように構築されているのかについて、労働条件決定という観点から総論的に考察することで、議論の全体像を明らかにすることにある。 具体的には、EU における労働法体系が EU 法と国内法の二元的構造となっていること、及び、協約には具体的労働条件決定する以外にも立法に関与するといった公的役割があることを前提として、EU …

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  • CEOを育てる

    中尾 隆一郎 研究紀要 Works Review 12 (9), 1-12, 2017

    本研究の目的は,先行事例が限られる大企業(東証一部上場)のサクセッションプラン(CEO継承)について,ITグローバル企業における「育成・選抜メカニズムの現状」と「成立条件と今後のグローバル化にともなう課題」を明らかにすることである。7名のCEOを対象にインタビュー調査を行った結果,日本型雇用慣行を前提とする長期にわたるサクセッションプランは,今後のグローバル化の進展により,変革が必要なことが明ら…

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  • 欧州における賃金設定に関する労使関係

    余田 乙乃 Works Discussion Paper 18 (0), 1-32, 2017

    近年、非正規雇用者の待遇改善対策としての同一価値労働同一賃金が日本における政策プライオリティーの一つとして掲げられているが、適切な賃金設定の形を模索するには他の先進国におけるシステムを把握する必要がある。そこで本稿では欧州の賃金設定に関する労使関係を統計、指標、及びケーススタディを通して体系的に概観した。 …

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  • 管理職の労働時間の長さに影響するメタ認知的方略の習得について

    城倉 亮 研究紀要 Works Review 12 (4), 1-10, 2017

    本研究では,労働時間が長い30代・40代管理職の労働時間に影響を与える要因を明らかにするべく,13名の管理職へのインタビュー調査を行った。その結果,30代・40代でも労働時間が短い管理職は,仕事の進め方におけるメタ認知的方略が実践できていること,また,特定の仕事経験を通じた仕事の見直しが行われることによって,メタ認知的方略が習得されていることが明らかになった。

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  • 人材を競争力の源泉としている企業では,人事戦略をどのように策定しているのか

    清瀬 一善 研究紀要 Works Review 11 (7), 1-10, 2016

    本稿の目的は,戦略人事を実現する人事戦略の策定のあり方を明らかにすることである。そこで,人材を競争力の源泉にできている日英4社を対象にしたインタビュー調査を実施し,人材戦略の範囲およびその策定・遂行プロセスの特徴を比較分析した。その結果,4社に共通するのは,人事戦略を組織設計も含めたものとして捉えていること,および,社内のステークホルダーと公式・非公式なコミュニケーションを駆使して密に連携して人…

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  • 地域移動を伴う転職者の組織への適応プロセス

    城倉 亮 研究紀要 Works Review 11 (9), 1-10, 2016

    地域移動を伴う転職者の組織への適応プロセスの特徴を明らかにするため,14名のインタビューを分析し,「キャリア意識」「行動・学習」「職場・組織」の三つのカテゴリーに整理し,九つのサブカテゴリーを抽出した。その結果,地域移動を伴う転職者に特有な概念として「地域居住志向」「地域特性学習」の二つの特徴がみられた。また,Uターン転職者とIターン転職者の適応プロセスにおける共通点と相違点が確認された。

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  • 大学進学者の就職時期を延ばす選択がその後の就業や年収に及ぼす影響

    萩原 牧子, 太田 聰一 研究紀要 Works Review 11 (1), 1-14, 2016

    本稿では,大学卒業時周辺に行われる就職時期を延ばす選択,すなわち大卒無業,留年,大学院2年進学の就業や年収に与える影響を,大学を4年で卒業後すぐに就職した場合と比較検証した。その結果,大卒無業や留年(理系除く)が,初職の雇用形態やその後の年収水準に負の影響を生じる傾向が示された。在学中に企業による選抜が集中的になされる日本の新卒採用システムは,若年者の学校から職場への移行をスムーズにするという点…

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  • 採用変革に関する考察

    中村 天江 研究紀要 Works Review 11 (4), 1-12, 2016

    構造的人材不足の中,企業は採用活動の変革に迫られている。しかし,採用活動を包括的にとらえ,その変革について探索した研究はほとんど存在しない。そこで本研究では,採用活動の包括的な理論モデルを構築し,そのモデルをもとに採用変革のメカニズムについて検討した。考察を通じ,採用変革のフィードバックループの構造を明らかにし,採用変革を牽引するエージェントの重要性を主張する。

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  • 東京圏への転入者の仕事・所得・Uターン志向

    太田 聰一 Works Discussion Paper 11 (0), 1-25, 2016

    本稿は、「ワーキングパーソン調査 2014」を用いて東京圏に転入した労働者の仕事や年収、さらにはUターン志向について検討した。その結果、大卒以上の男性転入者は、東京圏出身でずっと東京圏で過ごしてきた人に比べて中学 3 年時の成績の自己評価が高く、一般入試経験者で、大学の専攻分野は理系であり、大学院卒の人が相対的に多く、そのことが転入者の高所得のひとつの源泉となっていた。大学卒業後に東京圏に転入し…

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  • 日本の労働市場における二極化と持続性

    照山 博司, 戸田 裕之 Works Discussion Paper 9 (0), 1-35, 2016

    本稿は、日本の正規・非正規労働者の雇用形態における持続性を検証したものである。 とりわけ、持続性の背景にある二つの仮説を検証した。第一に現職の雇用形態が前職の雇用形態に依存すること、第二に現職の雇用形態は初職の雇用形態に依存するという仮説である。 両者の影響を定量的に検証した結果、前者の効果が数量的にみてより本質的であることがわかった。 …

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  • 転職者の希望年収はどう決まるのか

    阿部 正浩 Works Discussion Paper 8 (0), 1-31, 2016

    転職する際、人々はどの程度の年収を希望するのだろうか。そして、その希望賃金の大小にはどのような要因が影響しているのだろうか。この稿は、ワーキング・パーソンが転職にあたって希望した年収について検討する。分析の結果、希望年収には前職の年収が強く影響していること、職探しの方法や退職理由、そして入職経路の違いも影響していること、などが観察された。また、失業期間や転職 1 …

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  • 戦略的採用における包括モデルの理論的検討

    碇 邦生, 中村 天江, 田中 勝章 Works Discussion Paper 14 (0), 1-21, 2016

    優秀な人材の獲得は組織にとって最も重大な課題の 1 つであり,近年,戦略的採用に関する研究も増えている。本研究の目的は,それらの先行研究の展望を通して,組織の競争優位性の源泉となる人材を採用するための包括的なモデルを描き出すことである。戦略的採用の理論は,戦略的人的資源管理(SHRM: Strategic Human Resource …

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  • 内部制度との整合性を踏まえた採用変革

    田中 勝章, 中村 天江, 碇 邦生 Works Discussion Paper 13 (0), 1-13, 2016

    伝統的な日本組織の人材調達では、内部労働市場からの調達が外部労働市場からの調達よりも重視されてきており、外部労働市場からの調達はほぼ新卒採用に限定されてきた。一方、市場環境の変化により、事業戦略や人材戦略の変革を余儀なくされているにもかかわらず採用活動の変革に成功している組織は少ない。そのひとつの理由に、採用は、人材マネジメントシステムの一部であり、日本の雇用慣行により、既存の人事制度にその活動…

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  • WLBの実現度と生活要因の大切さ

    孫 亜文 研究紀要 Works Review 11 (10), 1-12, 2016

    本研究では,ワーク・ライフ・バランス(WLB)の実現には,仕事だけでなく生活への取り組みも重要であると考え,ワーク・ライフ・バランスの実現度を高めるためには,どのような生活面の課題があるかを分析した。分析結果は,既存の取り組みは仕事しやすい環境づくりという点で重要であり,今後多様な働き方や生活スタイルへの理解を深めることで,さらなるワーク・ライフ・バランスの実現へ近づけることを示唆している。

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  • 人材要件の共有が選抜指標と採用成果に及ぼす影響

    碇 邦生 研究紀要 Works Review 11 (6), 1-14, 2016

    本研究は,採用に関わるメンバー間における人材要件の共有が採用の成果に及ぼす影響について考察している。データは,176社から回収し、重回帰分析の結果,人材要件の共有は,新卒採用における採用者の能力評価と中途採用における採用者の能力評価と適応評価に有意な影響を及ぼすことが分かった。結果の考察や発見については,本文にて議論する。

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  • 大学卒業時の選択の短期的,長期的効果

    太田 聰一, 萩原 牧子 Works Discussion Paper 15 (0), 1-18, 2016

    本稿では,大学卒業時周辺に行われる就職時期を伸ばす選択,すなわち大卒無業(ブランク),留年,大学院進学の就業や年収に与える効果を,大学を 4 年で卒業してすぐに就職した場合と比較検証した。正社員確率については,初職段階でも調査時点段階でも大卒無業が最もネガティブな効果をもっていた。また,無業期間が 3 …

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  • 大学適応に影響する高校時代の経験

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 11 (3), 1-10, 2016

    大学への円滑な移行を課題とした答申が提出されてから8年が経過した。しかし,アウトカム指標の一つである大学在留率は,中ランク大学では低下傾向にある。本研究では,インタビュー調査と4月,7月の定量調査を用い,学校ランク別の分析をおこなったところ,中ランク校における大学適応には,高校での「授業」「友人との交流」「心理的経験」が影響するが,高ランク校では高校経験の直接の影響は確認されないことが示された。

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  • 「35歳転職限界説」の再検討

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 11 (11), 1-12, 2016

    「35歳転職限界説」が崩壊したと言われているが大規模データによって改めて検証を行った。その結果によると転職行動に関して,男性では35歳前後で差が見られ,35歳を超えると転職しなくなる傾向が検出された。また女性については35歳前後で転職行動に差が見られず,離職者に限ると非正社員の仕事にではあるが積極的に就職する傾向が検出された。また,転職前後の賃金変化を見ると,特に女性では35歳前後で差が見られ,…

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  • 採用変革における企業の組織行動

    田中 勝章 研究紀要 Works Review 11 (5), 1-12, 2016

    伝統的な日本組織の人材調達では,内部労働市場からの調達が外部労働市場からの調達よりも重視されてきており,外部労働市場からの調達はほぼ新卒採用に限定されてきた。一方,市場環境の変化により,事業戦略や組織の変革を余儀なくされているにもかかわらず採用活動の変革に成功している組織は少ない。その主な理由として以下の二つに着目した。一つ目の理由は,採用は人材マネジメントシステムの一部であり,日本の雇用慣行に…

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  • 人事の成果は企業の生産性を高める

    久米 功一 研究紀要 Works Review 11 (8), 1-12, 2016

    本稿では,「ワークス人材マネジメント調査2015」の個票データを用いて,人事施策の成果と企業の生産性の関係について考察した。具体的には,生産性関連指標として,「イノベーション」や「時間効率的な働き方」を想定して,人事施策の成果がそれらに与える影響を分析した。その結果,社員に対する仕事のアサインが時間効率的な働き方を,プロフェッショナル人材の育成がイノベーションを促すことがわかった。また,その前提…

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  • Works Index の開発

    久米 功一, 萩原 牧子, 戸田 淳仁, 孫 亜文, 清水 千弘 研究紀要 Works Review 11 (12), 1-14, 2016

    ...本稿では,日本における働き方の質と量を計測・評価する指標として,リクルートワークス研究所が新たに開発した「Works Index(ワークスインデックス)」について,その背景,コンセプト,作成手順,結果の概要を説明する。...

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  • 雇用契約期間不明に関する考察

    玄田 有史 Works Discussion Paper 12 (0), 1-27, 2016

    ...リクルートワークス研究所実施の「全国就業実態パネル調査」(2016 年)を分析したところ、正社員以外の学卒雇用者のなかでも、雇用契約期間の不明者は、時間当たり賃金、新しい知識・技術の習得機会、仕事への満足度など、いずれも劣ることが明らかとなった。さらに女性、未婚、若年、低学歴層、成績下位層など、企業に対する交渉力が相対的に乏しい雇用者ほど、契約期間が不明になる傾向もみられた。...

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  • 「良質な経験・学習」をもたらすもの・阻害するもの

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 11 (2), 1-14, 2016

    大学生の「良質な経験・学習」を阻害する要因と,その打開策として有力な手段の一つである初年次教育の実態について,大学教員を対象に調査を行い,分析,考察した。阻害要因として,「動力欠如」「マニュアル」「将来不信」「教員不全」「学力過信」「失敗恐怖」の6因子が抽出され,大学区分ごとに,阻害構造の違いが観測された。また,初年次教育の成果を生み出すものとして,意欲・動機形成型のコンテンツが有用であることが…

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  • 日本の二重労働市場における賃金プロファイル

    照山 博司, 戸田 裕之 Works Discussion Paper 10 (0), 1-20, 2016

    本研究では、日本の賃金形成の二重構造を正規・非正規という 2 部門に関して分析する。首都圏で 2002 年から 2014 年に実施されたサーベイ調査の結果を利用し、両部門の賃金決定および労働者が 2 部門に分かれる仕組みを同時に推定する。推定の結果、以下のような日本の新たな二重労働市場についての事実が示された。正規労働者の賃金は勤続年数と外部労働市場経験年数とともに上昇するが、非正規労働者の賃金…

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  • 転職が賃金に与える短期的・長期的効果

    萩原 牧子, 照山 博司 Works Discussion Paper 16 (0), 1-21, 2016

    本稿の目的は,転職による短期的・長期的な賃金変化について明らかにすることである。分析に際しては,特に①転職時の年齢と②転職理由の違いに着目し検証を行った。 まず,「短期的」な効果については,転職理由のいかんによらず,40 代より前なら年収の増減率は変わらないことが明らかになった。加えて,労働条件・勤務地・仕事内容に関する不満や会社の将来性の不安を理由とする転職では,40 …

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  • シルバー人材センターの現状と課題

    長島 一由 研究紀要 Works Review 10 (3), 1-14, 2015

    65歳以上の就業者数は2013年に636万人,と就業者全体に占める割合が初めて1割を超えた。年間の仕事の斡旋実績人数がハローワークの4倍にも上るシルバー人材センターだが,ホワイトカラーの受け皿になりきれていないなどの課題がある。11の政令指定都市のシルバー人材センターに対し調査を行い,会員一人あたりの雇用創出コストと仕事の受注先,就業率などの相関関係を見た結果,次のことが明らかになった。まず,自…

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  • 大学中退後のキャリアに影響する大学入学以前の経験

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 10 (1), 1-10, 2015

    大学退学は退学後の個人のキャリアに負の影響を及ぼしているのか。本研究では,これまでに実態が把握されてこなかった大学退学後の学生の行動を明らかにすることによって,大学中退後に転学し,その後卒業をしても,ストレートに大学を卒業した者に比べて正規雇用率は低いこと,しかし,大学中退後のまま就職した者に比べて正規雇用率は高いこと,大学中退後の「やり直し」行動には大学入学前の経験が影響していることが確認され…

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  • マネジャーの仕事配分は何で決まるのか

    久米 功一 研究紀要 Works Review 10 (7), 1-12, 2015

    本稿では,「五カ国マネジャー調査」の個票データを用いて,日本,アメリカ,中国のマネジャーの仕事配分の決定要因を明らかにした。具体的には,マネジメントのコンティンジェンシー理論に基づいて,マネジャーが部下マネジメントとプレイヤー業務のそれぞれにかける時間の決定要因を定量的に探った。その結果,アメリカは部下マネジメント,日本・中国はプレイヤー業務の割合が高く,その仕事配分の決定に対しては,業種と役職…

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  • ミドルマネージャの役割が 組織パフォーマンスに与える影響

    西村 孝史, 西岡 由美 Works Discussion Paper 2 (0), 1-16, 2015

    本研究の目的は,戦略的人的資源管理(以下,SHRM)研究の立場から,ミドルマネー ジャ(以下,ミドル)の役割を明らかにしたうえで,ミドルの役割が組織パフォーマンスに与える影響を検討することである。なお,本研究におけるミドルとは,「現場メンバーを管理している課長クラスの組織長」(35 歳から 45 歳程度の管理職層)を指す。 …

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  • 人材流動性とOn the Job Trainingに関する探索的研究

    佐野 晋平, 久米 功一 Works Discussion Paper 7 (0), 1-28, 2015

    ...具体的には、リクルートワークス研究所「人材マネジメント調査 2013」のデータを用いて、上述の変数間の関係や規定要因を探索した。 その結果、社員の採用・離職割合でみた、人材の外部流動性は 6~8%に、社内異動の割合でみた、人材の内部流動性は 10~25%に分布の山があった。社員の年齢構成がピラミッド型の場合は、外部流動性が高く、つりがね型では内部流動性が高かった。...

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  • 成果給が企業のパフォーマンスに与える影響

    齋藤 隆志 Works Discussion Paper 6 (0), 1-15, 2015

    ...本研究では、リクルートワークス研究所「人材マネジメント調査」と、日経 NEEDS から得た財務指標等を組み合わせたデータセットを用いて、成果給やそれを補完する人事施策・制度が生産性、業績、離職率といった企業のパフォーマンスにどのような影響を与えるかについての実証分析を行った。その結果、成果給は単独でこうしたパフォーマンスに対して一定のポジティブな効果を持つことがわかった。...

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  • 人事機能の分権化がもたらす反作用

    西村 孝史 Works Discussion Paper 1 (0), 2-, 2015

    本稿では,採用・配置・処遇の3つの人事機能の分権化を用いて,人事機能を分権化することが必ずしも組織にとって効率的であるばかりではなく,場合によっては負の効果をもたらしうる可能性を検討した。分析から配置機能の分権化を行うことは組織全体にとって不利益(部門優先志向・次世代リーダー候補の不足)を引き起こす可能性があることが明らかになった。また,人的資本の柔軟性を高めることがこうした組織全体の不利益を抑…

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  • 「バブル世代」は,本当に特殊な就業意識を持つのか

    清瀬 一善 研究紀要 Works Review 10 (6), 1-12, 2015

    本稿の目的は,バブル世代の就業意識の特徴を,団塊ジュニア世代との比較を通じて明らかにすることである。大企業に勤務するバブル世代及び団塊ジュニア世代を対象にした調査を実施し,成長実感や仕事・職場満足の要因を世代別に分析した。その結果,仕事を通じた成長実感の要因は「出世志向」や「専門性発揮」などで両世代に共通するが,仕事・職場満足の要因は,バブル世代が「管理職であること」「出世志向」などであるのに対…

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  • 社会リーダーの特性

    石原 直子 研究紀要 Works Review 10 (5), 1-10, 2015

    本稿では,新たな社会価値を創造し,人々の未来を豊かにすることを,自らの使命と自覚している行動者を社会リーダーと定義した。社会リーダーは,一種の変革型リーダーであり,彼らは,カリスマ的リーダーシップの行動特性と,優秀な変革型リーダーの採用する戦略をおおむね備えている。また,「社会課題に気づく力」と「その課題の解決を「我が事」と捉える力」を持つ。社会課題を我が事として考える時の思考経路には,「自分起…

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  • 変容する労働市場下での転職

    中村 天江 研究紀要 Works Review 10 (2), 1-14, 2015

    長期雇用が根づいてきたわが国の,雇用の安定性と流動化が同時発生している労働市場下で,転職はどのように行われているのだろうか。企業の中途採用を4パターンに分け,Person-Environment Fit(個人-環境適合)の尺度を用いて転職結果について分析した。わが国の転職では,職務だけでなく,対人などの適合が重要であり,かつ,採用パターンが日本的か米国的かにより望ましい入職のあり方が異なることが…

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  • 誰が仕事に生きがいを感じているのか

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 10 (8), 1-12, 2015

    インターネット調査を基に,どのような人が仕事に関して生きがいを持っているか分析を行った。その結果,特にシニア層においては,役職などではなく仕事に対する満足度が統計的有意に関係することが分かった。シニアにおいても生活のために働かざるを得ない可能性が高まる中で,仕事に生きがいを持ち,シニア層がさらに活躍できるためにおいても仕事に対する満足度を高めることを追求する必要があるといえる。

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  • 日本企業におけるタレントマネジメントの展開と現状

    柿沼 英樹 Works Discussion Paper 4 (0), 1-28, 2015

    本稿では、人材マネジメントの理論と実践における新たなトピックとして近年注目が高まりつつあるタレントマネジメント論 (Talent Management) について、既存研究を概観したうえで、日本における議論の動向、および日本企業における取り組み状況やその成果を検討した。 その結果、タレントマネジメントへの課題感を示す企業は業種・企業規模を問わずある程度の数が存在する一方で、運用段階に至っている企…

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  • 上司の不適切な仕事の振り方が部署の業績や部下の成長に与える影響

    萩原 牧子 研究紀要 Works Review 10 (9), 1-10, 2015

    本稿では,「些末なことにこだわり仕事量を増やす」「部下に思いつきの仕事を指示する」といった一見すると不適切に思える上司の仕事の振り方が,部署の業績や部下の成長に与える影響について検証した。分析の結果,単独ではマイナスの効果となるこれらの仕事の振り方は,上司のふだんの指導タイプ(PMの組み合わせ)と組み合わさると,そのマイナスの効果がほとんど見出されないことが明らかになった。不適切な仕事を振ること…

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  • 若手の社会貢献意識の底流を探る

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 10 (4), 1-10, 2015

    若手の社会貢献意識が高まっていると指摘されて久しいが,その実態や背景,他年代との比較などを立体的に実証している研究は少ない。そこで,「就業観に関する調査」を活用し,若年からシニアまで幅広い年代の仕事観比較を行った。若年の社会貢献意識は高いが,世代性・時代性よりは年代特性によるものだという結果が導かれた。一方,社会貢献意識と自己目的志向との相関が高いなど,現代の若年特有の特徴も浮かび上がってきた。

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  • 人事施策の同質化と差異化に関するディスカッションノート

    鈴木 竜太, 服部 泰宏, 浦野 充洋, 森永 雄太 Works Discussion Paper 3 (0), 1-18, 2015

    本研究の目的は、それぞれの産業における日本企業の人事施策の同質化と差異化の程度を分析することにある。俗に人事は流行に従うと言われるように、人事は流行の人事施策を採用する傾向が強いと言われる。本研究では、16 業種 209 社の人材育成、採用、キャリア施策、キャリアデザイン研修の施策に関して、産業ごとの同質化と差異化の程度を分析した。分析は、施策採用の傾向を分類するためにクラスター分析を行い、その…

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  • 自己決定的な進路選択における高校での経験学習の検討

    辰巳 哲子 Works Discussion Paper 5 (0), 1-10, 2015

    大学の選択行動について,自分の意志で選択・決断している人は、高校時代にどのような経験をしているのだろうか。本稿では,この問いを解明すべく、大学時代の5 つの行動について,自分の意志による選択の結果かどうかを尋ね,自分の意志による選択経験が多い人は,高校時代にどのような経験学習をしているのか,その影響を確認した。その際,大学時代の5 …

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  • パーソナリティ特性の形成要因—家庭・学校・職場の経験から

    久米 功一, 花岡 智恵, 水谷 徳子, 大竹 文雄, 奥山 尚子 行動経済学 7 (0), 50-54, 2014

    本稿では,子どもの頃の家庭での過ごし方,学校生活,職種・業務のタイプとパーソナリティ特性5大因子との関係について実証的に分析した.その結果,現在のパーソナリティ特性に対して,就学前の読み聞かせや家事手伝いの経験,中学の頃の学業・課外活動が有意に影響する一方,職種や業務のタイプからの影響は比較的弱いことがわかった.

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  • イノベーターを生み出すのは、誰か?

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 9 (3), 1-14, 2014

    ...イノベーターを生み出すメカニズムを解析するために,リクルートワークス研究所の機関誌『Works』の連載「成功の本質」の再分析を行ったところ,イノベーションストーリーには「組織的知識創造型」「ハイパーイノベーター型」「ヒーロー誕生物語型」の3タイプがあること,イノベーションストーリーの登場人物には8類型あること,三つのタイプごとに,イノベーターを生み出すカギとなる登場人物には違いがあることが分かった。...

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  • 専門家の才能開花プロセスにおける介入

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 9 (1), 1-12, 2014

    本研究の主たる目的は,専門家がその才能を開花させるプロセスにおける,ディベロッパーの多様性および支援介入の機能を捉え,個人にとって機能的な育成環境を検討することにある。『私の履歴書』のテキストをM-GTAを用いて分析した結果,先行研究では見られない,否定やあきらめさせないといったカテゴリーが,専門家としてのステージを上げることに寄与すること,発達段階に応じてディベロッパーは多様性を増すことが確認…

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  • 国民経済の強靭性と産業,財政金融政策の関連性についての実証研究

    前岡 健一郎, 神田 佑亮, 中野 剛志, 久米 功一, 藤井 聡 土木学会論文集D3(土木計画学) 70 (5), I_353-I_369, 2014

    現在,世界は数多くのリスクに晒されている.世界経済フォーラムの報告書によると,中でも「システミックな金融危機」は世界に与える影響が最も大きいリスクとされており,発生確率も上昇傾向にある.そこで,本研究では,リーマンショックに端を発した世界金融危機に対して,どのような国民経済が強くしなやかな,高い強靭性を有した国民経済であったかを探索的に分析を行い,我が国の経済を外生的ショックから回復の早い経済に…

    DOI Web Site 参考文献9件

  • ITエンジニアの内発的動機と才能開花との関係

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 9 (5), 1-12, 2014

    本研究では,開発手法の差異に注目し,開発に従事するITエンジニアがどのような条件があるときに内発的動機を持って仕事を行っているのか,また,内発的動機を持ったエンジニアほど才能を開花しているのか,といった点について定量的に検証を行ってきた。その結果,アジャイル型開発に従事するエンジニアは内発的動機を持っている人が才能を開花させていることが分かったが,ウォーターフォール型開発についてはそのような関係…

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  • 企業人としての開成学園卒業生

    濱中 淳子 研究紀要 Works Review 9 (6), 1-12, 2014

    本稿は,開成学園の卒業生に実施した質問紙調査のデータを用いて,高い認知能力を有する層を対象としつつ,学校時代をどのように過ごした者が企業人として成功するかという問いについて検討を加えたものである。所得に対する学習とリーダー経験それぞれの効果を描き出し,効果のありようが異なっていた背景について,能力特性の観点から解釈を加えた。さらに非経済的な効果の分析も行い,より広い視野から学校経験の意味を論じた。

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  • 日本企業の昇進・選抜基準とその合理性

    石原 直子 研究紀要 Works Review 9 (2), 1-10, 2014

    日本企業では誰がどのような基準で昇進し,幹部人材となるのかを,日本企業13社へのヒアリングを通じてあきらかにした。日本企業における昇進・選抜基準において重視される「評判」の働きを検証し,評判を類型化した。また,その評判の基準の合理性について、各社が置かれている事業環境を分析し、コンティンジェンシー理論の観点から説明した。

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  • 女性トップランナーの昇格の実態

    白石 久喜 研究紀要 Works Review 9 (7), 1-14, 2014

    11人の女性リーダーへのインタビューをもとに,彼女たちの昇格の実態を探った。女性トップランナーたちは,それまでの業績そのものがきちんと評価されてきたことが明らかになった。また,その業績は必ずしもホームランである必要はなく,むしろヒットの連続性が評価されていることもわかった。この事実を踏まえて,女性リーダーの誕生を促すことができるのかという実践的なインプリケーションを4点導出した。

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  • コーポレートスタッフの才能開花

    城倉 亮 研究紀要 Works Review 9 (8), 1-10, 2014

    コーポレートスタッフ部門のキャリアを通じた「才能開花」について着目し,インタビュー調査,アンケート調査を実施し,求められる要件について調査した。本研究では,コーポレート部門での業務特性を明らかにし,そこにおける業務特性を乗り越えて才能開花させた人材がどのような要素が有効であったと認識しているかを明らかにすることでコーポレートスタッフキャリアでの「才能開花」につながる人材の特性を導き出した。

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  • 人材開発に関する実態・風土と企業実績

    久米 功一 研究紀要 Works Review 9 (4), 1-10, 2014

    本稿では,「ワークス人材マネジメント調査2013」の個票データを用いて,日本企業における個の才能の活用や人材開発に関する風土が企業業績に与える影響を分析した。その結果,挑戦・革新型人材よりも,高い専門性と市場価値のある人材の方が,新しい製品やサービスの創出に寄与しており,そのためには,人材育成やダイバーシティの組織風土を醸成する人事施策が有効であることがわかった。

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  • 企業の価格づけ行動と賃金・雇用調整

    久米 功一, 小林 庸平, 及川 景太, 曽根 哲郎 行動経済学 6 (0), 93-96, 2013

    本稿では,仮想的な質問で得られた,法人税の増税や減税に対する企業行動の違いについて,リスクシェアリング,調整・取引コスト,法規制,赤字企業,非流動資産比率に着目して探索的に分析した.その結果,企業と従業員はリスクをシェアしており,売上高が大きく,流動資産が低く,赤字であり,労働法制を配慮している企業ほど,法人税の増減に対する対応に非対称性があることがわかった.

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  • 海外拠点の経営を担う人材の採用プロセス

    中村 天江 研究紀要 Works Review 8 (2), 1-14, 2013

    日系企業の海外拠点の経営を担う人材の採用についてインタビュー調査を実施した。採用プロセスは「人材要件の設定」から「企業・個人の合意の成立」までの5段階に分解され,各段階で発生する計14の「摩擦」と抽出した。分析の結果,採用基準や採用体制だけでなく経営戦略の明確化が重要であることが明らかになった。採用条件の設定において,個別的な条件ではなく,既存の人事制度の枠内で処遇を設定する傾向が観察された。

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  • 日本の大卒就職市場の真の課題は何か?

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 8 (3), 1-14, 2013

    アジア主要国およびアメリカの大卒者を対象とした調査セットを用いて,各国のキャリア選択行動の特徴を分析したところ,日本の大卒就職市場の抱える構造的課題の根源は,「大学前期までに進路決定する比率が他国に比べて著しく低いが,大学卒業までに進路決定している比率はいずれの国よりも極めて高いこと」「幹部候補対象の大卒採用市場とエントリーレベル採用市場が一体になってしまっていること」であることが見えてきた。

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  • 外国人留学生の就職・採用に関する研究

    德永 英子 研究紀要 Works Review 8 (5), 1-12, 2013

    企業の外国人留学生採用では,日本人と同様に採用されることに好感をもつ留学生もいる。しかし,入社後の状況では,日本人基準での人事諸制度となっているため,不公平感をもつ。また,長期的な視野で日本での就業を考えることは難しいため,キャリアパスの提示を求めるが,提示はされないなど,企業と留学生とにおいてギャップを生じている状況は解消されていない。

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  • 顧客接点人材マネジメントの海外現法における適応と合理性

    白石 久喜 研究紀要 Works Review 8 (7), 1-14, 2013

    ヤマト運輸の上海現地法人である雅瑪多(中国)運輸有限公司の人材マネジメントの事例分析を通じて,日本企業が自社のモデルを海外で用いることの可能性を明らかにした。またそれは抜本的な改変ではなく,従業員の就業価値観や経験の違い,事業環境の違いに適合させた微修正であることも発見し,それが,ヤマト運輸のサービスを現地で実現するための重要な機能である自律的な現場の組織活動を支援するものであるという知見を得た。

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  • 彼らは本当に転職を繰り返すのか

    萩原 牧子 研究紀要 Works Review 8 (1), 1-14, 2013

    本稿の目的は,アジアの転職実態について多国間で比較検証することである。具体的には,中国,韓国,インド,タイ,マレーシア,インドネシア,ベトナム,日本,参照国としてアメリカに,就業に関する調査を実施し,転職実態や転職要因・効果を実証分析した。結果,転職を繰り返すひとは一部であること,日本を除くアジアでは「賃金への不満」で離職し,転職により管理職ポストを得たり,年収を上昇させていることが明らかになっ…

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  • どのような外国人が日系企業で働きたいと思うのか

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 8 (6), 1-12, 2013

    本研究は,インド,タイ,マレーシア,インドネシア,ベトナムを対象に,どのような人が日系企業で働きたいと思うのか,その要因を定量的に明らかにした。その結果,勤務先の場所が居住地ではないことによるリスクや,年齢が高くなり家族を養うことに伴うリスクは働きたくないというネガティブなイメージを高めていることがわかった。

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  • 国内の外国人顧客にうまく対処できる,高卒就職者の特徴についての考察

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 8 (4), 1-12, 2013

    本稿の目的は,日本国内において外国人顧客と接点のある高卒就職者について,うまく働ける人の特徴を取り出し,その特徴を育んだ学校時代の経験を検討することにある。結果,英語力を補うのは,「自分の仕事が好き」「自分の基準だけで相手を評価しない」「相手が理解できるやり方で伝える」ことであり,小中学校時代の障害を持つ子どもや外国人との接触など,「同型の帰属」に困難さを伴う他者との交流が影響していることが示さ…

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  • 大卒新卒採用の展望

    德永 英子 研究紀要 Works Review 7 (6), 1-10, 2012

    内定辞退者の有無により、内定辞退者がいない企業では、採用予定とおりに内定を出し、採用できている一方で、内定辞退者がいた企業では、採用予定数よりも多く内定を出しているが、予定とおりに採用できていない状況である。内定辞退者がいた企業のなかでも、従業員規模にかかわらず、採用予定とおり採用できている企業とできていない企業がある。

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  • 産業構造の変化に伴う労働市場の課題

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 7 (7), 1-14, 2012

    2020年の産業別就業者数の予測を通じて,今後の日本の労働市場の課題について指摘した。2020年にかけて製造業や建設業が雇用を減らし,サービス業が雇用を増やす状況は引き続きみられる。その中で男性ミドル層(45~54歳)については50万人以上が雇用を失うと予測された。日本の労働市場におけるミドル層の流動性が高くないため,彼/彼女らの産業間労働移動が実現するような政策が今後求められるといえる。

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  • 定年後の雇用におけるモチベーションに関係する要因の探索

    笠井 恵美 研究紀要 Works Review 7 (8), 1-14, 2012

    60代就業者への調査をもとに,定年後の雇用形態別にモチベーションに関係する要因の探索を行った。その結果,モチベーションに関係する8つの因子が抽出され,再雇用は「収入への不満」,勤務延長は「仕事負荷」,勤務延長・元の会社の斡旋で転職・関連会社転籍では「仕事とのミスマッチング」がモチベーションに負の相関があった。また,関連会社への転籍で「自律性」「世代継承性行動」がモチベーションに正の相関であった。

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  • 勉強会は「成長の危機」を救えるか?

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 7 (3), 1-14, 2012

    25-34歳の社会人の社外の勉強会・交流会への参加の発端と,そこで得たもの,仕事・キャリアへの影響について,定量調査,定性調査を実施して探索したところ,「キャリア不安/自分らしさ追求」を発端に,参加を果たし,「仲間」「視野の拡大」「仕事に臨む姿勢」を獲得し,仕事,キャリアに自律的になり,主体的にキャリア選択していく,という職業的態度の形成が観測・抽出された。

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  • 日本的雇用システムは外国人の増加に対処できるのか

    白石 久喜 研究紀要 Works Review 7 (4), 1-14, 2012

    将来の労働市場では外国人労働者が増加するという予測がある。その環境において日本的雇用システムはどうあるべきかを企業調査と企業インタビューをもとに考察した。調査では,グローバル化に対峙している日本企業は,日本的雇用システムへの改定の必要性を認めていないことがわかった。さらにインタビューから,雇用システムの運用の鍵として,HQによる強いコントロールの非合理性と統制の最小化という示唆を得た。

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  • 「人材のグローバル化」は進むのか

    石原 直子 研究紀要 Works Review 7 (1), 1-14, 2012

    人材のグローバル化課題の1つに,不足する日本の労働力を補いグローバル競争に打ち克つために,日本に高度外国人材を呼び込む必要がある,というものがある。しかし,現実には日本企業における本社での外国人活用の進展は微々たるものでしかない。本稿では,特に「優れたプロフェッショナル」としての高度外国人材へのヒアリングを通じて,そうした人々の持つ自由かつ自律的な職業観・労働観を明らかにし,日本企業の持つ閉鎖的…

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  • 環境変化に適応できる,高卒就職者の「初期条件」の検討

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 7 (5), 1-12, 2012

    本稿の目的は,地方に住む就職後5年目までの高卒就職者への調査を用い,彼ら・彼女たちが,激変する環境の中,満足な選択をおこなうために必要な高校時代の経験からの学び,それを促進する予期せぬ経験を示すことである。結果,環境変化への適応を高める予期せぬ経験は,非安定・難局・実現・直観の4因子構造であること,キャリアパス満足度に影響を与えるのは,就業形態や年収ではなく,高校時代の内的学習であることが示され…

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  • 留学生との交流による日本人学生の変容

    茂戸藤 恵 研究紀要 Works Review 7 (2), 1-14, 2012

    本研究は,留学生との交流による日本人学生の変容を明らかにし,どのような留学生との交流が海外勤務志向へ影響するのか,考察することが目的である。変容は,活動の進め方に困難を感じ(前提),価値観が変化すると(過程),海外勤務志向へ変化する(結果)プロセスで,留学生と対等な関係を築いた自信が広義に解釈され,外国人と働く自信につながっており,留学生との交流に対等な関係を求めることが重要であると考察した。

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  • シニアの学び行動の考察と定年後のキャリア形成

    兵藤 郷 研究紀要 Works Review 7 (9), 1-12, 2012

    高齢化が加速する中,シニアの就労を後押しする手段としてシニアの学び,なかでも,大学院を活用した学びが注目されている。そこで,シニアは学びに対してどのようなニーズを持ち,大学院はそのニーズへどのように受け止めようとしているのかを明らかにするために,調査分析を行った。結果,キャリアにつながるような投資的な学びニーズがあることが分かった。

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  • 管理職ポスト減少社会の前向きなキャリア

    萩原 牧子 研究紀要 Works Review 6 (7), 1-10, 2011

    本稿の目的は,昇進によらない前向きなキャリアのありかたを探索することである。大手企業の従業員に対する調査データから,キャリア満足や展望の影響要因を実証分析により検証した。その結果,管理職ポストはもはやキャリア展望に大きな影響を与えていないこと,「価値を発揮したい」「社会のために次の世代のために」という仕事観や,キャリアに対して主体的であることのほうが,キャリア展望につながっていることが示された。

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  • まったく異なる職務への異動が企業における熟達を促す可能性の検討

    笠井 恵美 研究紀要 Works Review 6 (5), 1-12, 2011

    インタビュー調査の結果,異動者の認識するまったく異なる職務とは,①仕事の領域,②高度な専門性,③仕事の基準,④役職,⑤組織文化が異なるものであることがわかった。さらに,7名中2名にこれまでの熟達領域を越えた異動先で,自分の知識を再構造化し,領域を自分のものにしつつあるプロセスが認められた。この結果をもとに,まったく異なる職務への異動が,企業で働く人の熟達を促す可能性について検討する。

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  • キャンパスライフに埋め込まれた学習

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 6 (1), 1-14, 2011

    新人・若手の初期適応と,キャンパスライフでの学習の関係を,特定大学卒業生へのインタビューによって探索した。初期適応者と不適応者では,キャンパスライフでの主要項目への注力状況には大きな差はないが,「PDSサイクル」「異なる価値観受容」「挫折・葛藤」などの学習結果に大きな差が見られた。その結果として,就職時に重視する視点に大きな差が生じ,適応・不適応に繋がるという経路が観測された。

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  • 自立型転職と支援型転職で転職結果は違うのか?

    中村 天江 研究紀要 Works Review 6 (4), 1-14, 2011

    キャリア・コンサルタントが活躍するようになって久しい。ハローワークではキャリア・コンサルタントらに相談しながら転職する者がいる一方,IT化によって職員の手を一切介さずに転職する者も生まれている。このような利用深度の違いを『支援型』『自立型』と定義した。『支援型』転職は「動機づけ」や「賃金変化」に効果があり,とくに窓口でのやりとりは「動機づけ」に,キャリア面談は「賃金維持」に正の影響を及ぼす。求職…

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  • 企業内事業創造人材の特性と成長(前編)

    石原 直子, 白石 久喜 研究紀要 Works Review 6 (2), 1-12, 2011

    企業内事業創造人材15名への定性的調査をもとに,その思考や行動の特性と,それらを獲得することになった経験の内容の解明を試みた。思考特性として「信念・自負・ゴール志向・前進志向・粘り強さ」の5要件を,行動特性として「枠を超える・手に入れる・捨てる・決める・宣言する・やめない」の6要件を抽出した。特に行動要件については,経験による学習を経て,獲得・強化が行われていることが見て取れる。

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  • キャリア教育を通じた生徒の成長

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 6 (6), 1-12, 2011

    本稿の主たる目的は,「ライフキャリア」の視点から生徒の高校3年間の自己効力感の変化を実証的に検討し,その要因間の影響構造を明確化することによって生徒への介入方法を検討することにある。具体的には対人自己効力感からキャリアプランニング自己効力感への影響に着目し3年間の縦断データを分析したところ,対人自己効力感は「目的理解の自己効力感」を介してキャリアプランニングの自己効力感に影響していることが示され…

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  • 企業内事業創造人材の特性と成長(後編)

    白石 久喜, 石原 直子 研究紀要 Works Review 6 (3), 1-14, 2011

    15人の企業内事業創造者のインタビューより,事業創造人材の思考特性・行動特性を明らかにし,そのうちに6個の行動特性に焦点を当て,どのように身につけたのか強化したのかを,キャリアに関する発言から探った。行動特性のうち「枠を超える」「手に入れる」「捨てる」「決める」の4要素については経験によって獲得し強化されることを明らかにした。またその経験は,必ずしも特殊な経験ではないことが合わせて明らかになった。

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  • 「スペシャリスト」の実態

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 6 (8), 1-12, 2011

    本研究では,専門職ほど高度でない職種において,特定の専門能力を活かす仕事と定義したスペシャリストはどのような人か,そしてスペシャリストは年収がどれだけ高いのかについて分析した。人的資本理論に基づいた年収関数に,スペシャリストと職種経験年数の交互作用を考慮したモデルを推定したところ,スペシャリストは職種経験が長くなるほど年収が高まることが確認できた。同じような仕事を続けることにより効率性が高まると…

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  • 国内の経営学系大学院における社会人の学び直し

    兵藤 郷 研究紀要 Works Review 6 (10), 1-10, 2011

    国内経営学系大学院における社会人の学び直しの実態を明らかにするため,大学院の卒業生への調査を実施した。社会人入学者は処遇よりも能力・知識の習得等を期待し,特に経営専攻者は財務・会計・金融専攻者に比べて,論理的思考力の向上を期待する者が多かった。大学院での学習の成果として,処遇の向上よりも能力・知識等の習得とする社会人入学者が多く,さらに役職別に得られる成果が異なることが分かった。

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  • 若手社員をどのような「壁」を超えさせることで成長を感じさせられるか

    德永 英子 研究紀要 Works Review 6 (9), 1-14, 2011

    入社3年までに,仕事上の「壁」を経験し,乗り越えることにより,「成長実感」を感じられることが明らかとなった。そのうち,「仕事内容関連」の「壁」を経験することにより,「成長実感」をより感じている傾向が見られるが,「仕事上の人間関係」については,「成長実感」を感じられない状況も明らかとなった。入社間もない1年目では,入社前後のギャップが影響している。

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  • 非正規という働き方は本当にリスクか

    萩原 牧子 研究紀要 Works Review 5 (6), 1-14, 2010

    本稿の目的は,男性非正規の継続的なキャリア形成の可能性について検証することである。具体的には,非正規という働き方が(1)多様化する就業意識に対する選択肢になりえているのか,また,(2)(仕事,生活が)継続しうるのか,に注目して,フルタイム常用非正規と正社員を比較検証した。その結果,フルタイム常用非正規という働き方がその両方を満たし,(正社員に移行を前提としない)キャリア形成の可能性が示された。

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  • 入社後3年間の上司が,新入社員のその後の成長を阻害するリスク

    笠井 恵美 研究紀要 Works Review 5 (5), 1-14, 2010

    本研究は,新入社員に対する上司の影響を,新入社員の成長へのリスクという観点で検討するものである。インタビュー調査の結果,66.7%が成長への上司のマイナス影響を認識し,マイナス影響を被った時期は1年目が多かった。成長へのリスクにつながる上司の対応は,「育成が組織的に意図されない」「成長のための負荷をかけない」「個人をみない」「個人を活かさない」「人や組織を動かすことについて教育をしない」であった。

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  • 労働・雇用区分の転換とリスク

    石原 直子 研究紀要 Works Review 5 (7), 1-14, 2010

    派遣労働者の直接雇用への切替や非正規労働者の正社員等への登用といった労働・雇用区分の転換が活発になっている。背後には,短期的な労働力不足への対応や法的規制・社会的批判への即応的な対応といった,あまり戦略的とは言えない企業の人材活用の実態がある。このような労働・雇用区分の転換は,正社員に特別のメンバーシップを与えてきた日本の雇用システムとうまく合致していないということを理論的に明確にし,事例研究に…

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  • キャリア教育を推進する小中連携の考察

    茂戸藤 恵 研究紀要 Works Review 5 (13), 1-14, 2010

    キャリア教育の推進に際し,小中学校における連携は重要視されているが,どのようにして連携に着手するのか,困難を感じる教員は少なくない。本研究は小中教員の協働に焦点をあて,調査対象である10名の話し合いの内容から協働プロセスの検討を行った。分析の結果,【授業実践プロセス】,【子どもの現実をふまえた改善プロセス】,【合意形成プロセス】の3つのプロセスが相互に影響しあっていることが明らかになった。

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  • 大卒新卒者採用を抑制すると「リスク」となるのか

    德永 英子 研究紀要 Works Review 5 (2), 1-12, 2010

    新卒大卒者の新卒採用を抑制することにより,企業の組織上のマイナスの影響(リスク)が見られるかどうかを検証した。その結果,各年において採用数のばらつきや大幅な抑制により,「人材の質的面」にマイナスの影響が生じることがわかり,また,大幅な抑制をしなくても,ばらつきが見られると,同様にマイナスの影響が生じることもわかった。過去の学習をし,景況感が不透明な現状,「長期的な視点」にて新卒採用を行う意向が見…

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  • 就活に潜むリスク

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 5 (4), 1-14, 2010

    就職活動を満足する結果で終えた大卒者が,入社後に挫折・迷走するケースが増えている。その要因として,大学生時代に形成される「自分探し志向」に着目し,若手社会人へのリサーチを行った。その結果,「フィット志向」「ゴール志向」が高いほど,現在の仕事満足度・自我アイデンティティ確立が低くなる傾向が観測された。また,この傾向は,「自己信頼」「不信」の双方が高い群に,顕著であった。

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  • 生徒のニーズ別キャリア教育の展開方法の差異に関する考察

    辰巳 哲子 研究紀要 Works Review 5 (12), 1-14, 2010

    本稿では,22年度学習指導要領の改訂により,キャリア教育が義務化される高等学校について,生徒の実像によるキャリア教育の目的と進め方の差異を検討した。その結果,他校に比して下位校で,より基礎的な社会性の向上が目的とされ,進め方については,上位校で「興味・関心」と「進路決定」が分離された状態でキャリア教育が展開されていること,下位校では,進路指導と生徒指導を融合した展開が見られることが明らかになった。

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  • 有期雇用契約の雇止め無効リスクに関する分析

    戸田 淳仁 研究紀要 Works Review 5 (1), 1-12, 2010

    有期雇用者の雇止めは法律に明文の規定はないが,判例法理によって制限される場合がある。そして,その結果の予見可能性が低いため,企業による有期雇用の活用に悪影響を及ぼしていると考えられる。雇止め無効のリスクを生み出す判例法理に注目し,どのような条件で雇止めが無効となるのか,判例をデータ化することにより実証分析を行った。その結果,契約更新回数の多さよりも,契約の手続きや業務内容,雇用継続を抱かせる使用…

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  • 売上減少期の人事施策変更が職場モラールに与える影響

    西村 孝史 研究紀要 Works Review 5 (10), 1-12, 2010

    インターネット調査を用いて売上減少期の人事施策変更が職場モラールに与える影響を検討した。分析から企業規模や産業に応じて変更された人事施策も人事施策の数も異なることが明らかになった。さらに「2重の剥奪」という概念を用いて,企業の売上減少期における人事施策の変更が,従業員に単なるコスト削減以上に否定的な印象を与え,職場モラールに負の影響を与えることを説明する。

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  • フラット化による管理人数の拡大が従業員の能力開発に及ぼす影響

    白石 久喜 研究紀要 Works Review 5 (9), 1-12, 2010

    フラット化による管理人数(部下人数)の拡大が組織活動に与える影響を分析した。近年行われた経営改革による課長の管理人数の拡大には,良かれと思って実施した施策が,意図せざる結果として悪影響を招くというリスクを内包していることがわかった。また,既存のスパンオブコントロール研究においては影響の対象に想定されていなかった「従業員の能力開発」に,その拡大が負の影響を与える事実が確認された。

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  • 課長任用の分権によるリスクはいかに回避されているのか

    兵藤 郷 研究紀要 Works Review 5 (8), 1-12, 2010

    課長任用を分権し,行き過ぎた運用がなされるとリスクが生じうる。しかし,迅速な意思決定や戦略遂行の徹底を重視する企業では,課長任用の分権は避けることは難しい。そこで,本社人事の介入とその機能を分析したところ,課長任用の分権の裏側には,本社人事部が介入することでリスクが回避されている構造があることが分かった。

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  • 登録型派遣労働者の再就業に関する実証分析

    中村 天江 研究紀要 Works Review 5 (3), 1-14, 2010

    登録型派遣労働者の雇用の安定は政策的な課題である。しかし,派遣契約終了後の再就業についてはほとんど解明されていない。複数の既存研究が実証の必要性を指摘する。本研究では,登録型派遣で最も大きな群を占める事務系職種に焦点をあて,定量データから再就業の構造とその影響要因を明らかにする。労働者派遣制度特有の職業紹介機能をもつ派遣会社が果たしている役割を明らかにし,派遣会社のあるべき姿について考察する。

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  • 報告行動に影響を与える組織風土の分類

    村上 恭一 研究紀要 Works Review 5 (11), 1-14, 2010

    不祥事を防止する施策立案時の人間観は「他律的人間」なのか「啓蒙された人」なのか。この問題は、組織環境の問題なのか、個人の意識の問題なのか。製品の品質問題に止まらず、不祥事や品質低下を未然に防ぐには従業員による報告が重要である。しかし現実としては報告されていれば未然に防げた事故が報告されず問題が発露する。そうすると、従業員の報告意図を左右する原因の追求と対策は重要な探求課題である。そこで、報告意図…

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  • 中国で長期雇用は実現できるか

    田中 信彦 研究紀要 Works Review 4 (7), 1-14, 2009

    上海の大卒ホワイトカラーは,自らのキャリアの価値を高めるためには,転職の繰り返しより長期雇用が有効と考える人が多いことがわかった。また在中国日系企業の9割以上が「長期雇用と内部育成が望ましい」と考え,「中国でも長期雇用は可能」とする企業も8割を超える。中国でも長期雇用を実現するには,資格等級の増加などこまめに成果を認知する仕組みの構築や,求めるスキルの明確化などの施策が有効であることがわかった。

    DOI Web Site 被引用文献1件

  • 外国人研修・技能実習制度の「職業能力開発権」促進型再構成

    佐藤 義明 研究紀要 Works Review 4 (10), 1-14, 2009

    外国人研修・技能実習制度は、研修生等の権利侵害を受けて2009年に法改正が予定されている。本稿は濫用の防止を最低限の条件として検討したうえで、研修生等のエンプロイアビリティの向上という観点から、送出し国、わが国および設立が検討されている東アジア共同体で通用性を認められる技能評価の整備や、在留資格「技能」の緩和によるわが国での就労の許可などの措置を考察し、この制度を発展的に再構成する手段を提言する。

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  • 外国人留学生の日本における就職は促進できるのか

    志甫 啓 研究紀要 Works Review 4 (16), 1-14, 2009

    本稿は,外国人留学生の日本における就職の実態を量的・質的に分析し,留学生の就職を促進することは可能か検討することを目的とする。量的調査により,どのような属性を持つ留学生が日本での就職を希望する傾向にあるのか,また,留学生を採用する企業の特徴はどのようなものかを把握し,アンケート調査では捕捉が困難な実態を明らかにすべく取り組んだ質的調査の結果を併用して,留学生の就職の促進に資する政策提言を行う。

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  • 国際的な就労意識に影響を与える就業価値観の探索

    兵藤 郷 研究紀要 Works Review 4 (6), 1-12, 2009

    本稿では,「海外で働くこと」と「自国内で外国人と働くこと」という就労意識の国際性について,日本人が国際的かどうかを国際比較した。他国と比べて日本は悲観的になるほど国際性が低いわけではなく,海外就業にはネガティブだが,外国人労働者にはポジティブだった。さらに,就労意識の国際性を規定する要素を回帰分析により探索した。国ごとに就労意識の国際性が異なり,日本は能動的就労意欲が国際性を高めることが分かった。

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  • 中国人と日本人は,なぜ,うまくいかないのか?

    豊田 義博 研究紀要 Works Review 4 (2), 1-14, 2009

    中国進出企業の多くが人材マネジメントに苦戦している。その要因として中国人と日本人の職業価値観の違いに着眼し、差異の実態・要因の明確化を試みた。その結果,経済の発展段階の差異により,価値観の優先順位と価値観概念の差異が,社会観・自己観の差異からは両国の必要条件の違いが明示された。「中国人の組織帰属意識は薄い」という先行研究は否定され,会社との一体感をもつホワイトカラーが多くいることが明示された。

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  • 初等・中等教育段階の活動経験の豊かさが大学生の職業進路成熟に与える影響

    望月 由起 研究紀要 Works Review 4 (12), 1-14, 2009

    本研究では,広義のキャリア教育の実証として,初等・中等教育段階での活動経験が大学生の職業進路成熟に及ぼす影響を長期的なスパンで捉えた。その結果,初等教育段階での「学校行事」や中等教育段階での「教科学習」経験の豊かさが,大学生の職業進路成熟に強く影響する点や,大学生の職業進路成熟に影響する活動には性差もあり,男子は「現在(日常)」,女子は「将来」にかかわる活動である傾向がある点などを明らかにした。

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  • 雇用区分の決定要因と転換の壁

    西村 孝史 研究紀要 Works Review 4 (11), 1-14, 2009

    正規従業員に焦点を当てて企業内労働市場を分析する。正規従業員の雇用区分数とコア従業員への転換可能性という2軸を用いて企業内労働市場を類型化した。類型化された企業内労働市場を手がかりに従業員の雇用区分の規定要因について考察し,企業内労働市場の分化を主張する。また転換制度が雇用区分のモジュール化を規定する可能性があり,雇用区分のデザインに影響を与えることが示される。

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  • インターネットモニター調査はどのように偏っているのか

    萩原 牧子 研究紀要 Works Review 4 (1), 1-12, 2009

    本稿の目的は,複数の調査手法で実施した回答の比較より,各調査の偏りについて検証することである。特に,インターネットモニター調査と従来型調査の回答属性と,公による代表性が高い調査データとの詳細の比較を行った。その結果,調査回答者の偏りはインターネットモニターだけの問題ではなく,もはや,従来型調査手法でも発生していることが明らかになった。また,設問のタイプによっては,調査間で差がないことも検証した。

    DOI Web Site 被引用文献1件

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