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検索結果 112 件

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  • D-セリンによる生体機能調節

    森 寿 生化学 95 (4), 498-508, 2023-08-25

    地球上の生物は,タンパク質合成にL型アミノ酸のみを使い鏡像異性体のD型アミノ酸は使わない.D型アミノ酸のうちD-Serは,セリン異性化酵素(SRR)によって作られ脳内に豊富に存在している.哺乳類で神経伝達,神経可塑性,脳高次機能,神経精神疾患などのさまざまな場面に中心的に関わるNMDA型グルタミン酸受容体(NMDAR)は,D-Serによって活性が制御されている.SRR/D-Ser/NMDARから…

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  • グルホシネート曝露による発達期シナプス病態の解析

    和泉 宏謙, 出村 舞奈, 今井 彩子, 小川 良平, 大久保 泰策, 吉田 知之, 森 寿 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P2-159-, 2023

    <p>神経発達障害(自閉症や注意欠陥多動性障害など)の病因の一つとして、妊娠母体への農薬曝露が考えられている。特に、神経回路の基盤を成す「シナプス」の形成は脳発達時期の最も重要なステップであるが、農薬曝露による神経シナプスの調節機能への影響については未だ不明のままであり、その定量的評価が求められている。我々は、これまでに脳内遺伝子発現可視化マウスを用いた神経毒性の解析を通して、除草剤のグルホシネ…

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  • マイクロエクソンの取捨選択による中枢シナプス形成の調節

    吉田 知之 生化学 94 (6), 845-851, 2022-12-25

    近年,脊椎動物の神経細胞において選択的にスプライシング調節を受ける3~27ヌクレオチドのマイクロエクソンの存在が明らかになり,神経系で働くタンパク質の機能を修飾する新たな機構として注目されている.受容体チロシン脱リン酸化酵素PTPRDは神経細胞間シナプスの分化誘導を担う主要な細胞接着タンパク質(シナプスオーガナイザー)として知られる.Ptprd遺伝子の持つ三つのマイクロエクソンは脳部位や発達時期…

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  • TNF誘発視神経障害におけるネタルスジルのオートファジー関連因子の検討

    北岡 康史, 塚原 千広, 藤田 直輝, 有薗 生吹, 佐瀬 佳奈 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 2-C-P-082-, 2022

    <p>[目的] 最近我々はROCK阻害剤であるネタルスジルによる視神経軸索保護効果にオートファジーが関与することを報告した。ネタルスジルはさらにリン酸化AMPKを上昇させ、オートファジーを促進させていることも見出した。今回、他のオートファジー関連因子としてmTORに近いRaptorとその下流因子P70S6Kの変化を視神経で検討する。[方法] 8週齢雄性ラットの片眼に10 ng …

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  • 生物発光を利用して脳内分子の発現変化を可視化する

    福地 守 ファルマシア 58 (2), 127-131, 2022

    生命科学研究においてイメージングに利用される生物発光は,ルシフェリンとルシフェラーゼにより生じる.生体動物から発光を検出する場合,ルシフェリンを投与する必要があるが,投与したルシフェリンの生体内分布,さらに生体内で生じた発光の生体組織透過性がしばしば問題となる.本稿では,生きたマウスで脳由来の発光を検出する際に筆者が直面した問題およびその解決方法について,記憶関連分子BDNFを例として紹介する.

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  • 慢性疼痛におけるグルタミン酸輸送体の役割

    田中 光一 日本臨床麻酔学会誌 40 (4), 366-374, 2020-07-15

    <p>グルタミン酸は哺乳類の中枢神経系において脳高次機能に重要な興奮性神経伝達物質である.しかし過剰な細胞外グルタミン酸は,グルタミン酸興奮毒性と呼ばれる神経細胞障害作用を持つ.このため細胞外グルタミン酸濃度は,アストロサイトに存在するグルタミン酸輸送体GLT1により厳密に制御されている.近年,グリア型グルタミン酸輸送体の変異や発現低下が神経障害性疼痛や片頭痛などの慢性疼痛で報告されている.本稿…

    DOI Web Site 被引用文献1件 参考文献17件

  • グルホシネートばく露に伴う中枢神経系への影響評価

    和泉 宏謙, 出村 舞奈, 今井 彩子, 吉田 知之, 小川 良平, 森 寿 日本薬理学会年会要旨集 93 (0), 1-LBS-09-, 2020

    <p>Exposure to pesticides can induce neurobehavioral effects in humans, as well as in other mammals, including rodents. However, the effects of the toxicity of pesticides on the central nervous …

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  • 中枢神経回路の修復を促進する抗体治療薬の開発

    山下 俊英 The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 56 (9), 702-705, 2019-09-18

    <p>さまざまな中枢神経障害による神経症状からの回復を目標として,中枢神経回路の修復を促進する治療薬の開発が進められている.Repulsive guidance molecule(RGM)は免疫系細胞やグリア細胞に発現し,軸索の再生を抑制するタンパク質である.また,免疫制御や細胞死の惹起にも働くなど多様な機能を有し,脊髄損傷や脳卒中,多発性硬化症の発症と病態の増悪にかかわることが報告されている.…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献13件

  • 哺乳類D-セリンの生理機能

    井上 蘭 生化学 91 (3), 329-337, 2019-06-25

    D-セリンはNMDA型グルタミン酸受容体の主要なコ・アゴニストとして,中枢神経系における興奮性神経伝達やシナプス可塑性,神経回路形成,学習・記憶などの脳高次機能の制御において重要な役割を果たしている.一方,D-セリンの機能異常はアルツハイマー病,筋萎縮性側索硬化症,統合失調症,うつ病などの神経精神疾患の病態にも深く関与することが示唆され,これらの疾患の新規診断バイオマーカーの候補として注目されて…

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  • 昆虫脳における匂い情報表現と嗅覚情報処理経路の構成

    関 洋一 比較生理生化学 36 (1), 51-63, 2019-04-15

    <p>昆虫の嗅覚経路は脊椎動物とも多くの共通点をもち,嗅覚情報処理のよいモデルとして研究されてきた。従来の嗅覚研究では,嗅覚受容体の機能同定および嗅覚系一次中枢における糸球体を機能単位とした情報表現の解析から,ラベルドラインや組み合わせコーディングといった情報処理様式について研究が行われてきた。近年,特にキイロショウジョウバエ(<i>Drosophila melanogaster</i>: …

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  • 細胞内Ca<sup>2+</sup>シグナリングを介した発生期神経細胞移動の制御

    堀金 慎一郎, 竹本 さやか 日本生物学的精神医学会誌 30 (1), 19-22, 2019

    発生期において幹細胞から新生した幼若な神経細胞は,生まれた場所から目的地へと移動する。こうした神経細胞の移動は脳構造の構築や神経回路の形成に不可欠であり,その破綻が精神疾患の発症へと結びつくことが示唆されている。移動中の神経細胞は複雑な細胞外環境に適応しながら,適切な移動経路や移動様式を選択する。こうした細胞外環境への適応は各種の細胞内シグナリング経路が協調的に働くことで成立し,特にCa<sup…

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  • シナプスオーガナイザー遺伝子点変異導入マウスを用いた神経発達障害発症機構の解明

    吉田 知之 日本生物学的精神医学会誌 29 (1), 3-6, 2018

    中枢シナプスの分化誘導を担う細胞接着分子であるシナプスオーガナイザーをコードする遺伝子に生じるさまざまな変異が自閉スペクトラム症,知的障害,統合失調症などの神経発達障害の発病にかかわることが明らかになっている。このような変異を再現したヒト型遺伝子改変マウスを用いた研究は発病メカニズムの理解に貢献してきた。最近,いくつかのシナプスオーガナイザー複合体の構造が解明され,さまざまな組み合わせで形成され…

    DOI Web Site 医中誌

  • DEPDC5,様々なてんかん発症を解き明かす新たな鍵

    石田 紗恵子 日本薬理学雑誌 152 (6), 281-285, 2018

    <p>てんかんは,反復性の発作を特徴とする頻度の高い神経疾患の一つである.多くの場合,患者は抗てんかん薬の服用が長期間必要となる.しかしながら,患者の約30%は,抗てんかん薬の効かない難治性を示す.そのため,より効果的な新しい治療法の開発が急務となっている.焦点性てんかんは,神経の異常興奮が特定の脳部位に限局して発生し,その脳部位が司る機能に依存して様々な症状を示すてんかんであり,成人てんかんの…

    DOI Web Site Web Site ほか2件 参考文献25件

  • 脊髄損傷後のリハビリテーションが皮質脊髄路の再編を促すメカニズムの解明

    中西 徹, 藤田 幸, 山下 俊英 理学療法学Supplement 2016 (0), 0631-, 2017

    <p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>近年,脊髄損傷モデル動物を用いた実験により,皮質脊髄路から発芽した側枝が,損傷を免れた脊髄固有ニューロンに接続し新たな神経回路を形成することで,脊髄損傷後の運動機能回復に寄与することが明らかとなった。この過程で,皮質脊髄路軸索は一度過剰な側枝を伸長した後,標的細胞とシナプスを形成した側枝のみが残り,神経回路に組み込まれなかった余分な側枝は刈り込…

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  • 脊椎脊髄疾患患者の日常生活活動制限には痛み対する自己効力感も影響している

    新田 元, 平賀 慎一郎, 瀧野 皓哉, 松原 崇紀, 増田 洵也, 肥田 朋子 理学療法学Supplement 2016 (0), 0548-, 2017

    <p>【はじめに,目的】痛みによる日常生活活動(ADL)制限は身体活動量,下肢筋力や複合動作能力などの運動機能,うつ状態や転倒恐怖感といった精神・心理機能に影響することが報告されている。しかし,疼痛が慢性化しやすく,術後の治療も長期化する脊椎脊髄疾患患者のADL制限に影響を及ぼす因子についての検討は行われていない。そこで,我々は慢性疼痛を訴える脊椎脊髄疾患患者に対して多面的な調査を行った。</p…

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  • グリア型グルタミン酸トランスポーター機能障害と精神疾患

    田中 光一 日本生物学的精神医学会誌 28 (2), 77-83, 2017

    グルタミン酸は哺乳類の中枢神経系において記憶・学習などの脳高次機能に重要な興奮性神経伝達物質である。しかし,過剰な細胞外グルタミン酸は,グルタミン酸興奮毒性と呼ばれる神経細胞障害作用を持つことが知られている。このため細胞外グルタミン酸濃度は厳密に制御される必要があり,グルタミン酸トランスポーターがその役割を担う。これまで5種類のグルタミン酸トランスポーターサブファミリーが同定されているが,シナプ…

    DOI Web Site 医中誌

  • サル脊髄損傷後の皮質脊髄路再編メカニズムと運動機能回復について

    中川 浩, 二宮 太平, 髙田 裕生, 山下 俊英, 高田 昌彦 理学療法学Supplement 2015 (0), 0393-, 2016

    【はじめに】外傷や梗塞といった要因により中枢神経が傷害をうけると,運動感覚麻痺が生じ日常生活に大きな支障をきたす。特に,手指の巧緻動作などは運動障害が残存しやすく,日常生活を制限する大きな要因のひとつとなる。中枢神経損傷後の運動機能を回復させるには,新たな神経回路を形成するもしくは,既存回路を活用するなどの方法が考えられるが,未だ効果的な治療法は確立されていない。われわれは,これまでサル脊髄損傷…

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  • IL1RAPL1欠損マウスの表現型解析

    安村 美里, 吉田 知之, 三品 昌美 日本薬理学雑誌 145 (4), 187-192, 2015

    Interleukin-1 receptor accessory protein-like 1(IL1RAPL1)は非症候性のX染色体連鎖型知的障害の原因遺伝子の1つであり,自閉症の発症にも関連している.最近我々は,後シナプス膜に発現するIL1RAPL1が前シナプス膜に発現する受容体型チロシン脱リン酸化酵素PTPδと結合することで,興奮性シナプスの形成を制御していることを明らかにした.このことか…

    DOI Web Site Web Site ほか2件 参考文献18件

  • 脊髄損傷後の皮質脊髄路再編成におけるリハビリテーションの効果

    中西 徹, 藤田 幸, 山下 俊英 理学療法学Supplement 2014 (0), 0518-, 2015

    【はじめに,目的】近年,脊髄不完全損傷モデル動物を使った実験により,皮質脊髄路から発芽した側枝が,損傷を免れた脊髄固有ニューロンに接続して代償的な神経回路を形成することで,脊髄損傷後の運動機能回復に寄与することが明らかとなった。この過程で,皮質脊髄路軸索は損傷後に過剰な側枝を伸長するが,標的細胞とシナプスを形成した側枝のみが残り,神経回路に組み込まれなかった余分な側枝は刈り込みを受ける。本研究で…

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  • 軸索再生阻害因子を標的とした中枢神経回路の再生と細胞保護

    山下 俊英 神経眼科 32 (3), 255-262, 2015

    視神経や脳・脊髄などの中枢神経は,いったん損傷すると回復が困難となる.神経回路の再生を抑制する機能をもつ軸索再生阻害因子と呼ばれる一群の膜蛋白質の存在が,その原因のひとつであると考えられている.これらの蛋白質は,中枢神経の神経細胞の周りを取り巻くミエリンやアストロサイト,ミクログリアなどに発現し,損傷した神経回路の再生を阻止している.最近の研究の進歩によって,再生阻害現象のシグナル伝達機構が明ら…

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  • 手指屈筋由来の運動ニューロン分布とサル脊髄損傷後の手指機能回復について

    中川 浩, 二宮 太平, 高田 昌彦, 山下 俊英 理学療法学Supplement 2013 (0), 0006-, 2014

    【はじめに】物をつかむなどの手指巧緻動作は,自立した日常生活活動を行ううえで重要な要素のひとつであり,その動きは主に皮質脊髄路によって制御されている。そのため,皮質脊髄路の損傷を引き起こす脊髄損傷においては,どの髄節で損傷されたかがその後の日常生活活動に大きな影響をおよぼす。損傷レベルと可能な日常生活活動の関係については,追跡研究よりその関係性は示されているが,手指機能改善に焦点をあてた報告はほ…

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  • 『グルタミン酸と精神疾患:モノアミンを超えて』 グルタミン酸トランスポーターと精神疾患

    田中 光一 日本薬理学雑誌 142 (6), 291-296, 2013

    グルタミン酸は,中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質であり,記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている.しかし,その機能的な重要性の反面,興奮毒性という概念で表されるように,過剰なグルタミン酸は神経細胞障害作用を持ち,主要な精神疾患に関与すると考えられている.我々は,グルタミン酸の細胞外濃度を制御するグリア型グルタミン酸トランスポーターの機能を阻害したマウスを作製し,そのマウスに…

    DOI Web Site Web Site ほか2件 被引用文献1件 参考文献26件

  • ホンモロコ(Gnathopogon caerulescens)由来Sertoli細胞株を用いたホルモン作用解析系の開発

    檜垣 彰吾, 小山 芳江, 島田 愛美, 小野 友梨子, 遠山 育夫, 藤岡 康弘, 酒井 則良, 池内 俊貴, 高田 達之 日本繁殖生物学会 講演要旨集 106 (0), P-40-P-40, 2013

    【目的】琵琶湖には多くの貴重な固有種が生息しているが,近年それら固有種の個体数が激減している。琵琶湖では,ノニルフェノール(NP)やビスフェノールA(BPA)などの内分泌かく乱物質が検出されており,魚類繁殖性への影響が懸念される。本研究では,琵琶湖に生息する固有魚類の細胞を用い,それら化学物質が固有種に与える影響を検出,解析することが可能な実験系の確立を目的とした。【方法】ホンモロコより精巣を摘…

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  • 精神疾患におけるグルタミン酸トランスポーターの役割

    田中 光一 日本生物学的精神医学会誌 24 (3), 157-161, 2013

    グルタミン酸は,哺乳類中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質であり,記憶・学習などの脳高次機能に重要な役割を果たしている。しかし,その機能的な重要性の反面,興奮毒性という概念で表されるように,過剰なグルタミン酸は神経細胞障害作用を持ち,様々な精神疾患に関与すると考えられている。我々は,グルタミン酸の細胞外濃度の制御にとって最も重要なグリア型グルタミン酸トランスポーターGLAST …

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  • サル脊髄損傷後の自然回復機構による皮質脊髄路網再編と運動機能変化

    中川 浩, 二宮 太平, 高田 昌彦, 山下 俊英 理学療法学Supplement 2012 (0), 48100372-48100372, 2013

    【はじめに】ヒトの皮質脊髄路は,手指の巧緻動作をはじめとする四肢の動きを司る神経回路として重要な役割を担っている。脊髄損傷により皮質脊髄路が損傷されると,四肢の麻痺や運動機能障害が生じる。成熟した中枢神経が一度損傷されれば,その後の再生は極めて困難であると考えられている。しかし,自然経過とともに徐々に機能回復がみられることがある。この回復機序には,残存した神経回路(網様体脊髄路,赤核脊髄路,脊髄…

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  • 脳損傷後の皮質脊髄路再編成におけるSHP-1シグナル抑制の効果

    田中 貴士, 藤田 幸, 上野 将紀, 山下 俊英 理学療法学Supplement 2011 (0), Ab0460-Ab0460, 2012

    【目的】 脳損傷後の機能回復は、中枢神経の軸索再生能力が低いため非常に限定的である。しかし、損傷を免れた皮質脊髄路軸索からの側枝形成(Sprouting)により代償的な神経回路の再構築が一部おこり、運動機能の回復がもたらされることがある。この代償性回路形成の促進が中枢神経再生への有効な手段になると期待されるが、効率的な神経回路の再構築には、神経細胞自体の軸索伸長能力を増強することが重要である。本…

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  • 脳損傷後の協調的トレーニングは代償性神経回路網形成を促進し機能回復に寄与する

    中川 浩, 上野 将紀, 山下 俊英 理学療法学Supplement 2011 (0), Ac0399-Ac0399, 2012

    【はじめに】 脳損傷をはじめとする中枢神経障害では,細胞死や軸索損傷により四肢に麻痺が生じ運動障害を引き起こす。しかし,脳損傷後のリハビリテーションによって一定の機能回復がみられることがある。齧歯類モデルでは,脳損傷後にリーチ動作を反復訓練することによって,シナプスの可塑性および神経樹状突起の形態学的変化による神経回路の再構成が起こることが知られており,これらが機能回復の一要因として考えられてい…

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  • シンポジウム32‐4 神経疾患に対する抗体療法 筋萎縮性側索硬化症に対する抗体療法

    漆谷 真 臨床神経学 51 (11), 1162-1164, 2011

    筋萎縮性側索硬化症amyotrophic lateral sclerosis;ALS)は他の神経変性疾患同様,病態関連タンパクの構造異常に基づくコンフォメーション病であり,多彩な病態の分子基盤と考えられている.われわれは家族性ALSの主な原因タンパク質である変異SOD1に対する特異認識抗体の作製に成功した.それらの一部は脳室内,髄腔内の持続注入療法によって進行抑制効果をみとめている.しかし変異S…

    DOI 参考文献5件

  • 抗NMDA受容体抗体の減少と並行して神経症状の改善をみとめた抗NMDA受容体脳炎の1例

    田口 芳治, 高嶋 修太郎, 高野 志保, 森 寿, 田中 耕太郎 臨床神経学 51 (7), 499-504, 2011

    症例は17歳女性である.異常行動が出現し,精神科に入院した.発症26日目に当科に紹介され,卵巣奇形腫にともなう抗NMDA受容体(NMDAR)脳炎がうたがわれたため,翌日に右卵巣腫瘍摘除術を施行した.手術後も意識障害が遷延したため,発症34日目より計4回の二重濾過血漿交換とステロイドパルス療法を施行した.治療後,急速に意識障害は改善し,後遺症なく退院した.病理学的に卵巣腫瘍は未熟奇形腫であった.血…

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  • 中大脳動脈アテローム血栓性梗塞における線条体内包梗塞のメカニズム

    田邑 愛子, 山本 康正, 尾原 知行, 大原 亮, 濱中 正嗣, 中川 正法 脳卒中 32 (4), 325-333, 2010

    【背景および目的】線条体内包梗塞(striatocapsular infarction:SCI)は,多くは塞栓機序によるが,中大脳動脈アテローム血栓性梗塞(MCA-ATBI)としてのSCIの系統的な報告はみられない.今回,MCA-ATBIとSCIについて,その臨床的特徴,梗塞メカニズムに対する考察を行った.【対象と方法】連続症例よりMCAアテローム血栓性病変が閉塞または50%以上の狭窄を示す56…

    DOI 医中誌 参考文献28件

  • 神経回路修復の分子機構とリハビリテーションへの期待

    山下 俊英 脳科学とリハビリテーション 8 (0), 1-6, 2008

    中枢神経損傷による神経症状の治療を目指した基礎研究は, 近年めざましい発展を遂げた. 特に脊髄損傷後の機能回復を高めるさまざまな治療法が動物実験で試みられており, すでに臨床応用されているものもある. 失われた細胞を補充する細胞治療法や, 破壊された神経ネットワークを再生する治療法, あるいは新しいリハビリテーションの方法などである. さらに, …

    DOI 医中誌

  • グルタミン酸トランスポーターと脳形成

    田中 光一 日本薬理学雑誌 130 (6), 455-457, 2007

    グルタミン酸は,神経幹細胞の増殖,神経細胞の移動・成熟にとって重要な役割を果たすことがin vitroの実験から示唆されてきた.しかし,グルタミン酸受容体欠損マウスなどのグルタミン酸のloss-of-functionモデルでは,脳の形成異常を示さない.我々は,グルタミン酸トランスポーター欠損マウスを用いグルタミン酸のgain-of-functionモデルを作成した.そのモデルの一つに,大脳皮質・…

    DOI Web Site 医中誌 参考文献25件

  • HPC-1/syntaxin1A ノックアウトマウスにおける自閉症様行動異常

    藤原 智徳, 菅 理江, 小藤 剛史, 三嶋 竜弥, 渡辺 明子, 吉川 武男, 野村 正彦, 赤川 公朗 日本生理学会大会発表要旨集 2007 (0), 134-134, 2007

    Williams syndrome which exhibited unique neuropsychological profile including partial autistic-like behavioral property is caused by hemizygous deletion of 7q11.23. This region contains the gene for …

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  • 側頭葉てんかんにおける海馬歯状回か粒細胞新生の病態意義―カイニン酸モデルを用いた実験的研究

    二宮 貴至, 森本 清, 渡辺 岳海, 平尾 徹, 安原 治, 木村 宏, 洲脇 寛 てんかん研究 21 (2), 157-166, 2003

    側頭葉てんかんにおける海馬歯状回顆粒細胞新生の病理学的意義に関して、ラットのカイニン酸扁桃核局所注入モデルを用いて研究した。海馬歯状回顆粒細胞層におけるbromodeoxyuridine陽性細胞数を免疫組織化学法で検出し、CA1、CA3領域における細胞脱落も評価した。カイニン酸投与による辺縁系発作重積の5日後には両側海馬における歯状回前駆細胞の分裂が著明に増加し、その後のシナプス再構成などてんか…

    DOI 医中誌 参考文献59件

  • 肝腫瘍マイクロ波凝固治療におけるMR温度モニタリングの改良

    森川 茂廣, 犬伏 俊郎, 来見 良誠, 仲 成幸, 佐藤 浩一郎, 出村 公一, 谷 徹, 脇海道 孝一, Haque Hasnine A. Journal of Microwave Surgery 21 43-47, 2003

    Respiratory movement disturbed MR temperature monitoring during microwave thermocoagulation of liver tumors, because MR temperature map was highly susceptible to motion. To obtain reliable MR …

    DOI 医中誌 被引用文献2件 参考文献10件

  • 音声外科術中の画像評価-開放型MRIを用いて-

    片岡 英幸, 森川 茂廣 Koutou (THE LARYNX JAPAN) 14 (1), 1-4, 2002

    The Shiga University of Medical Science installed the first intraoperative MR unit in Japan, the GE SIGNA SP/i 0.5 T, and began clinical studies starting January 2000. This system, called a …

    DOI

  • 酵素組織化学染色を用いたマイクロ波照射後の肝組織の評価

    向所 賢一, 杉原 洋行, 来見 良誠, 神谷 純広, 徳川 奉樹, 仲 成幸, 遠藤 善裕, 花澤 一芳, 森川 茂廣, 犬伏 俊郎, 服部 隆則, 谷 徹 Journal of Microwave Surgery 19 39-42, 2001

    Tabuse reported that the microwave ablation elicited thermal damage of tissue that resulted in coagulation necrosis. While some researchers pointed out the possibility that some tumor cells remain …

    DOI 医中誌 被引用文献1件 参考文献6件

  • MRガイド下microwave surgeryにおけるノイズの問題とその対策

    森川 茂廣, 犬伏 俊郎, 来見 良誠, 仲 成幸, 谷 徹, 手塚 圭, 脇海道 孝一, Seshan Viswanathan Journal of Microwave Surgery 19 35-38, 2001

    For the image guidance in the interventional microwave surgery, ultrasonography has mainly been utilized. Recently, MR-guided thermotherapy has developed, because MRI can be used not only for image …

    DOI 医中誌 被引用文献7件 参考文献7件

  • 多方向アクセスによるMRガイド下肝腫瘍マイクロ波凝固療法

    来見 良誠, 谷 徹, 仲 成幸, 佐藤 浩一郎, 遠藤 善裕, 花澤 一芳, 森川 茂廣, 犬伏 俊郎, 野坂 修一, 村田 喜代史 Journal of Microwave Surgery 19 99-103, 2001

    Microwave Ablation is one of the useful treatments of hepatic tumor. It has been used as an interventional device for thermoablation therapy under ultrasonographic or laparoscopic guidance. We have …

    DOI 医中誌 被引用文献3件 参考文献2件

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