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検索結果 888 件

  • うつ病の神経細胞新生仮説を再考する

    朴 秀賢 日本生物学的精神医学会誌 35 (1), 10-14, 2024

    ...精神科でもっとも患者数が多いうつ病の診療では,有効率が不十分であるにもかかわらずモノアミン仮説に基づく抗うつ薬がいまだ治療の主役であり,診断に有用なバイオマーカーがいまだ存在せず誤診が多いのが現状である。したがって,モノアミン仮説に代わる新たな病態仮説に基づくうつ病の新規治療・診断法開発が望まれている。...

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  • 非定型歯痛に対する漢方薬の有効性に関する研究

    新井 絵理, 横山 亜矢子, 尾崎 公哉, 渡邊 裕, 山崎 裕 日本歯科心身医学会雑誌 38 (1-2), 8-14, 2024

    Atypical odontalgia (AO), which is toothache with no identifiable cause, is a psychosomatic disorder almost as common as burning mouth syndrome and oral dysesthesia. Antidepressants such as …

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  • 歯科における痛覚変調性疼痛

    井川 雅子 日本口腔顔面痛学会雑誌 16 (1), 41-50, 2024

    ...<br>著者らは,特発性口腔顔面痛疾患は抗うつ薬によく反応することから,早期に診断して治療を開始すれば,慢性化させずに治癒に導くことが可能だと考えている....

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  • 長期使用中のオピオイドからミアンセリンへの変更によって間欠性跛行が改善した1例

    藤田 建, 伊藤 浩明, 長谷部 千夏 日本ペインクリニック学会誌 30 (7), 178-181, 2023-07-25

    ...<p>76歳男性が歩行に伴う両足底痛のため間欠性跛行となった.両足底痛はオピオイドの開始後に軽減したが経時的に増悪した.末梢動脈疾患や腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行は否定的であり,足根管部のチネル徴候が陽性であったことから足根管症候群と臨床診断した.オピオイドとデュロキセチンを併用したが間欠性跛行は改善せず,オピオイドから四環系抗うつ薬であるミアンセリンに変更し間欠性跛行が改善した.オピオイドから...

    DOI 医中誌

  • トリプトファン代謝の変容に注目したうつ病の病態解明と治療戦略

    毛利 彰宏, 長谷川 眞也, 國澤 和生, 齋藤 邦明, 鍋島 俊隆 日本薬理学雑誌 158 (3), 233-237, 2023-05-01

    ...<p>うつ病の病態にはモノアミン仮説が提唱されており,抗うつ薬の主流が選択的セロトニン(5-HT)再取り込み阻害薬であることから,特に5-HT神経系の機能低下が広く受け入れられている.しかし,患者の約1/3は既存の抗うつ薬に対して難治性であるため,新しい創薬ターゲットに対する新規抗うつ薬の開発が求められている.トリプトファン(TRP)は5-HT経路だけでなくキヌレニン(KYN)経路においても代謝される...

    DOI Web Site PubMed 参考文献20件

  • 食思不振改善のため処方されたスルピリドの中止により嚥下障害が改善した1 症例

    森田 達, 中澤 悠里, 谷口 裕重 日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 27 (1), 69-74, 2023-04-30

    ...<p> 【緒言】抗精神病薬であるスルピリドは低用量で胃薬や抗うつ薬として用いられ,食思不振の改善のため処方されることもある.一方,スルピリドの副作用で嚥下障害を生じる報告があるが,投与量と嚥下障害の関係性については明らかではない.今回,高齢者に対し食思不振の改善のためスルピリド150 mg/日が処方され,薬剤性嚥下障害を生じた1 例を経験した....

    DOI Web Site 医中誌

  • 三環系抗うつ薬が有効であった脊髄損傷後の痛みに対し脊髄刺激療法が奏功した1症例

    中村 瑞道, 八反丸 善康, 大岩 彩乃, 濱口 孝幸, 川村 大地, 大橋 洋輝, 倉田 二郎 日本ペインクリニック学会誌 30 (4), 79-83, 2023-04-25

    ...<p>脊髄損傷後の難治性慢性疼痛に対して脊髄刺激療法は適応とされるものの,一般論として外傷性の脊髄損傷例に対しては,硬膜外腔の癒着もあるため,脊髄刺激療法自体の施行も難しく,また効果予測は非常に困難である.本報告の症例は交通事故による第12胸髄以下の不全麻痺と両下肢痛のため三環系抗うつ薬を内服していた.薬物治療は効果的であったが副作用による不整脈が出現したため,減薬を目的に脊髄刺激療法を導入した.三環形...

    DOI 医中誌

  • 更年期障害と労働

    小川 真里子 産業精神保健 31 (1), 15-20, 2023-03-30

    ...いとされ,そこに至った原因としては,更年期によくみられる精神的症状が関与している可能性がある.更年期障害は,更年期に現れる症状の中で,器質的変化に起因せず,日常生活に支障をきたす病態と定義される.その症状は,血管運動神経症状に加え,精神的症状,泌尿生殖器症状,その他に大別される.また,女性において更年期はうつ病の好発時期でもある.更年期障害に対する薬物療法としては,漢方療法,ホルモン補充療法(HRT),抗うつ...

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  • REBTの有効性:

    大島 裕子 産業精神保健 31 (1), 57-61, 2023-03-30

    ...Rational Emotive Behavior Therapy)は認知行動療法の主要な心理療法として有名であるが,治療効果はあまり知られていない.そこで本論では,大うつ病性障害(MDD: Major Depression Disorder)に関する代表的な介入研究,介入研究のメタ分析,さらにビリーフと抑うつの関係についてのメタ分析の概要を紹介する.REBTはMDDのマニュアルが作成され,第1選択の治療である抗うつ...

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  • 過敏性腸症候群の病態に応じた段階的治療戦略

    田中 義将, 荻野 治栄, 伊原 栄吉 日本消化器病学会雑誌 120 (3), 218-230, 2023-03-10

    ...消化管主体の治療を行う.第1選択薬として消化管運動機能調節薬,プロバイオティクス,高分子重合体を使用する.また,IBS分類に応じて下痢型には5-HT3拮抗薬,便秘型には粘膜上皮機能変容薬を投与する.症状の改善が不十分な場合は,優勢な症状に対して止痢薬,抗コリン薬,5-HT4刺激薬,下剤を追加する.さらに,漢方薬,抗アレルギー薬,胆汁酸関連薬や抗菌薬を考慮する.これらの薬物療法が無効な場合,第2段階として抗うつ...

    DOI PubMed

  • 当院における主な抗うつ薬の併用薬に関する実態調査

    助川 美月, 坪井 宗二, 藤田 潔 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 44 (0), 1-C-O05-2-, 2023

    ...</p><p>【方法】</p><p>当院の2020年1月1日~2022年12月31日の処方データから、6か月以上当該抗うつ薬を処方されているものを対象とし、当該抗うつ薬毎の使用期間に対する、併用薬の併用期間を割合と、併用の開始、中止について調査した。処方期間については月単位とし、抗うつ薬を2剤以上併用している場合はその期間を除外した。...

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  • レジスタンス運動によるストレス誘発性不安およびうつ様行動の改善

    柴垣 郁弥 ファルマシア 59 (8), 777-777, 2023

    ...大うつ病性障害(Major Depression Disorders: MDD)は,ストレスが原因で発症し,不安や抑うつが引き起こされる精神神経疾患である.MDDの治療には抗うつ薬が使用されるが,奏効率が低いため,非薬物療法や予防法が研究されている.なかでも,適度な運動は多くの病気の発症を防ぐことから,運動によるMDDの改善が着目されている.運動は有酸素運動とレジスタンス運動(Resistance...

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  • 薬物動態―薬力学連関に主眼を置いたうつ病治療薬パロキセチンの治療効果に関するmodeling approach

    江頭 智子, 鷲田 真緒, 重留 啓壱, 森田 和弥, 富田 哲, 土嶺 章子, 岩下 知磨, 西村 美紀, 鬼木 健太郎, 下田 和孝, 猿渡 淳二, 古郡 規雄 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 44 (0), 1-C-O05-1-, 2023

    ...<p>【目的】うつ病治療の中心は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)等の抗うつ薬による薬物療法であるが、その血中薬物濃度や効果に大きな個人差が存在し、その治療反応性の予測が困難である。本研究では、パロキセチン(PAX)の治療効果に影響する各患者因子との関係性を検討することを目的に、薬物動態(PK)―薬力学(PD)連関に着目したモデル構築を試みた。...

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  • 妊娠中の精神神経用薬の服用が新生児薬物離脱症候群におよぼす影響

    中川 京, 小西 久美, 梅澤 理恵子, 小畠 真奈, 濱田 洋実, 日高 大介, 宮園 弥生, 土岐 浩介, 本間 真人 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 44 (0), 2-C-P-A3-, 2023

    ...一方で、服用していた精神神経用薬の種類は離脱症状発現のリスク因子ではなかった(抗精神病薬:1.55[0.98-2.86]、抗うつ薬:1.48[0.96-2.75]、抗不安・睡眠薬:0.74[0.48-1.54])。</p><p>【結論】新生児離脱症状の発現には、妊婦が服用している精神神経用薬の種類よりもむしろ、3剤以上の服用薬剤数が関連していた。...

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  • マウスの社会的敗北場面を利用した心理的ストレス負荷モデル

    中武 優子, 古家 宏樹, 山田 光彦 日本薬理学雑誌 158 (1), 39-42, 2023

    ...<p>ストレスへの慢性的な曝露は,うつ病などの精神疾患の発症率を高める.うつ病は従来の抗うつ薬が奏功しない治療抵抗性の症例が少なくなく,病態と病因の理解に基づく新規治療薬の創出が希求されている.げっ歯類では,他個体からの度重なる身体的攻撃を利用した社会的敗北負荷動物が広くうつ病モデルとして研究に利用される.社会的敗北は,ヒトの社会的なストレスの側面を模倣したストレスであるとされる.その一方で,ヒトでは...

    DOI Web Site 参考文献23件

  • 新規ナトリウムチャネル阻害薬(ANP-230)の研究開発の加速を目指したバイオベンチャーの設立

    小山田 義博 日本薬理学会年会要旨集 97 (0), 3-B-S46-3-, 2023

    ...慢性疼痛に用いられる治療薬としてはNSAIDs、抗てんかん薬、抗うつ薬、オピオイド鎮痛薬などがあり、一定の効果が認められているものの、これら既存薬に対する治療満足度は十分ではない。特に神経障害性疼痛に対する治療薬は少なく、臨床現場では効果的な治療法の確立や新薬の登場が期待されている。創薬標的の一つとして、電位依存性ナトリウムチャネル(VGSC)が挙げられる。...

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  • 精神疾患における薬物療法

    古郡 規雄 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 44 (0), 1-C-EL04-, 2023

    ...</p><p> 主要な薬物クラスの特徴とその進化: 抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬などの主要な薬物クラスについて、その特性、適応、副作用、そして近年の進化に関する詳細な考察を展開する。...

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  • 児童思春期における抗うつ薬の臨床試験のプラセボ反応に影響を及ぼす要因の検討

    大久保 理沙, 松井 和浩, 成川 衛 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 44 (0), 1-C-O05-6-, 2023

    ...<p>【目的】児童思春期における抗うつ薬の臨床試験の成功率は低い。試験の失敗の一因として,プラセボ反応の高さが報告されている。本研究では,児童思春期の抗うつ薬の臨床試験の主要評価項目として一般的に用いられるChildren's Depressive Rating Scale-Revised(CDRS-R)スコアのプラセボ反応の大きさに影響を及ぼす要因を検討した。...

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  • 片頭痛発作予防とCGRP関連抗体製剤処方の実際

    竹島 多賀夫 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 44 (0), 2-C-S24-2-, 2023

    ...予防薬は、これまで、Ca拮抗薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、β遮断薬などが使用されてきたが、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした新規治療薬が開発されわが国でも2021年より使用可能となった。現在わが国では抗CGRP抗体薬であるガルカネズマブ、フレマネズマブ、抗CGRP受容体抗体薬であるエレヌマブが使用可能である。...

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  • 前庭性片頭痛の診断治療および前庭神経炎に対する新規治療

    五島 史行 Otology Japan 33 (1), 15-19, 2023

    ...<p>前庭性片頭痛は反復する目眩発作を特徴とする疾患で外来患者の4–10%程度に認められる.メニエール病との鑑別が困難である.本疾患は,いまだ正確に診断されていない症例が多い.その一つの理由として耳鼻咽喉科において頭痛に着目した問診が行われないこと,患者が頭痛について訴えないことが考えられる.薬物治療ではCa拮抗薬,抗うつ薬,抗てんかん薬,ベータブロッカーが用いられる.また重症片頭痛に対して近年発売...

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  • 女性に多い痛みと鎮痛薬の使い方

    中川 貴之 看護薬理学カンファレンス 2023.2 (0), ES-1-, 2023

    ...繊維筋痛症の治療薬としてプレガバリンや抗うつ薬デュロキセチンがあるが、運動療法や認知行動療法なども組み合わせて行われる。</p><p>本講演では、これらの女性に多い痛みと鎮痛薬の使い方について、薬理学的な視点も加えて概説する。</p>...

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  • 腎虚を呈するうつ病患者の舌痛症に牛車腎気丸が奏効した1例

    平良 賢周, 新井 絵理, 三浦 和仁, 山崎 裕 日本東洋医学雑誌 74 (3), 228-232, 2023

    ...舌痛症と診断し,うつ病ですでに長期間にわたり抗うつ薬が投与されていたこと,舌痛以上に腰痛や下肢のしびれなど腎虚を示唆する症状に煩わされていたことから,まずは全身状態の是正を目的に牛車腎気丸を開始したところ,腎虚のみならず舌痛も著明に軽快した。現在は経過観察中であるが,再燃傾向は認めず経過は良好である。漢方治療によって全身状態を整えたことが,舌痛症の改善につながったと思われる。</p>...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 運動による抗うつ効果の分子メカニズム

    近藤, 誠 大阪市医学会雑誌 71 1-7, 2022-12-25

    ...しかし, 現在, 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を主とする既存の抗うつ薬が奏功しない治療抵抗性うつ病の患者が多いという問題があり, 新たな治療薬の開発が必要とされている. 運動には, うつ病の予防改善効果(抗うつ効果)があり, 運動により脳内で遊離が増加するセロトニンが抗うつ効果に関与していることが報告されている. 我々はセロトニンの作用に着目し, ……...

    機関リポジトリ 医中誌

  • わが国の全般不安症の現状と課題

    大坪 天平 不安症研究 14 (1), 2-11, 2022-11-30

    ...このような状況を脱するためには,わが国において,さらなるGADの啓発,GADの適応をもつ抗うつ薬の導入,GADの診療ガイドラインの作成が必要と考えられる。</p>...

    DOI Web Site 参考文献13件

  • 鉄欠乏によると思われたパニック症の1例

    目黒 浩昭, 山口 美佳, 長岡 正範 日本プライマリ・ケア連合学会誌 45 (2), 59-61, 2022-06-20

    ...女性事務職員.頻繁なパニック発作で受診した.氷食症など鉄欠乏を疑うエピソードがあった.貧血はないが血清フェリチン値5.8 ng/mLと高度の鉄欠乏を認めた.鉄剤の補充とともに症状は改善した.血清フェリチン値の再低下の際に軽い発作を認めたが再補充による正常値の維持によりその後の発症を認めていない.若年女性にはかなりの割合で貧血を伴わない潜在的鉄欠乏が存在する.パニック症や抑うつ,不安障害を有する若年女性には抗うつ...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献4件

  • 抗うつ薬ミルタザピンが奏功したMeige症候群の 1 例

    山本 健治 日本病院総合診療医学会雑誌 18 (3), 196-198, 2022-05-31

    Meige症候群は眼瞼痙攣・口腔下顎ジストニアとして特定される限局性ジストニア運動障害である1)2)。原発性では遺伝・ストレス,二次性では薬剤(制吐薬・向精神薬等)が主に上げられる。本症例は躁鬱病で長期にストレス下にあり,15 年以上も向精神薬を投与された症例で,一般薬物治療は無効で 1 回のボツリヌス毒素局注後,うつ状態悪化にてミルタザピン投与され劇的に改善した。若干の考察を含め報告する。

    DOI 医中誌

  • デュロキセチン内服中に褐色細胞腫との鑑別を要する高血圧が生じた1症例

    松岡 豊, 天谷 文昌 日本ペインクリニック学会誌 29 (3), 27-30, 2022-03-25

    ...<p>三環系抗うつ薬やモノアミンオキシダーゼ阻害剤は血中のカテコラミン上昇に伴う薬剤誘発性高血圧症を発症しうる.セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤であるデュロキセチン内服中に高血圧症を呈し,褐色細胞腫との鑑別が必要となった症例を経験したので報告する....

    DOI 医中誌

  • COVID-19治療薬開発を目指したエコファーマ研究

    加藤 百合, 西山 和宏, 西村 明幸, 西田 基宏 日本薬理学雑誌 157 (2), 119-123, 2022

    ...その結果,心臓のACE2受容体がCOVID-19重症化リスク因子と示唆されている様々な環境ストレス曝露によって増加すること,その分子機構として,心筋リモデリングを制御する膜タンパク質複合体(TRPC3-Nox2)形成が関与することを新たに見いだした.さらに,TRPC3-Nox2タンパク質複合体形成を阻害する既承認薬の中から,Sタンパク質曝露によるACE2内在化を抑制する化合物クロミプラミン(三環系抗うつ...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献16件

  • 慢性疼痛治療薬の整理と知識

    井尻 慎一郎 日本臨床整形外科学会雑誌 47 (1), 87-88, 2022

    ...<p>近年,様々な慢性疼痛治療薬があるが,鎮痛効果の機序と,どこに効果があるかを明確に区別することが大切である.アセトアミノフェンは,大脳で疼痛閾値を上昇,ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液は,脊髄で下行性疼痛抑制系を賦活,オピオイドは,脳・脊髄で上行性疼痛伝導系の抑制と下行性疼痛抑制系の賦活,神経障害性疼痛治療薬は,脊髄後角で上行性疼痛伝導系の抑制,抗うつ薬であるデュロキセチンは,脊髄後角で...

    DOI 医中誌

  • 授乳と薬剤について

    池上 信夫 看護薬理学カンファレンス 2022.2 (0), S1-2-, 2022

    ...(C)</p><p> 4.慎重に検討すべき医薬品(抗てんかん薬、抗うつ薬、炭酸リチウム、抗不安薬 と鎮静薬、鎮痛薬、無機ヨウ素)を使用している授乳婦に対しては、児の飲み具合、眠り方、機嫌、体重増加などを注意するように勧める。...

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  • ケタミンの抗うつ作用におけるBDNFおよびVEGFの役割

    出山 諭司, 金田 勝幸 日本生物学的精神医学会誌 33 (4), 178-182, 2022

    ...「モノアミン仮説」に基づく既存の抗うつ薬は遅効性で,約3割のうつ病患者は治療抵抗性を示す。一方,NMDA受容体拮抗薬ケタミンは,治療抵抗性うつ病患者にも即効性かつ持続性の抗うつ作用を示すことから近年大きな注目を集めている。ケタミンの抗うつ作用には,内側前頭前野(mPFC)での脳由来神経栄養因子(BDNF)遊離を介した錐体ニューロンの可塑的変化が重要であることが知られている。...

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  • スマートな精神科薬物療法とは

    渡邊 衡一郎 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 1-C-S07-1-, 2022

    ...その結果として、ドパミンD2受容体の過剰遮断による錐体外路症状や過鎮静、主観的副作用(ディスフォリア)、そしてメタボリック系副作用や認知機能、QT延長、抗うつ薬ではイライラや離脱、ベンゾジアゼピン受容体作動薬では脱抑制や認知機能障害、転倒、他にも薬物相互作用など多くの問題が生じている可能性が考えられる。...

    DOI 医中誌

  • 行動薬理学から自殺企図を考える:向精神薬との関連性

    野田 幸裕 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S44-5-, 2022

    ...薬剤による自殺念慮については、向精神薬の抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の添付文書には、自殺企図のリスク増加に関する注意が追加されている。これは、両薬剤の副作用のひとつであるアクチベーションシンドローム(賦活症候群)によることが示唆されている。...

    DOI

  • ドラッグリポジショニングによるステロイド抵抗性克服とその臨床応用

    黨 康夫 日本薬理学雑誌 157 (5), 286-292, 2022

    ...ドラッグリポジショニング:DR)試みがなされた.そして,低用量のテオフィリン製剤・長時間作用型交感神経β2刺激薬(long-acting beta-2 agonist:LABA)が候補として同定された.DRによって見出された製剤は,その用法用量内であれば(その処方経験の長さから)安全に処方することができる.殊に,従来の用量よりもより低用量で使用する場合はさらなる安全性すら担保される.DRを用いて,抗うつ...

    DOI Web Site PubMed 参考文献9件

  • 抗うつ薬によるCRACチャネル電流の抑制

    藤村 栞奈, 若森 実 日本薬理学会年会要旨集 95 (0), 1-P-097-, 2022

    <p>Activation of glial cells contributes neural disorders like depression and neuropathic pain through the release of nitric oxide and cytokines. The release depends on intracellular Ca2+ levels. …

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  • うつ病患者の「こころ」「身体」「行動」

    宮岡 等, 宮岡 佳子 心身医学 62 (3), 221-224, 2022

    <p>・ヒトを「こころ」「身体」「行動」という視点からみるとき,行動の評価は慎重にする必要がある.行動の多くは思考,知的能力などの精神症状に起因することが多い.</p><p>・BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)では行動のみから異常と判定される面があり,行動評価における不適切な概念といえるかもしれない.</p><p>・うつ…

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  • 精神科医の立場から

    井上 真一郎 心身医学 62 (4), 315-320, 2022

    ...<p>緩和ケア研修会の研修プログラムにおいて,「気持ちのつらさ」「せん妄」「コミュニケーション(一部)」の3セッションは,いずれもe-learningとなっている.本稿では,e-learningだけでは伝えきれない実践的内容について,精神科医の立場から,筆者自身の臨床経験を踏まえて具体的に解説した.まず「気持ちのつらさ」では,うつ病の過剰診断および過少診断に対する警鐘,そして非専門家でも抗うつ薬を使...

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  • COVID-19心筋重症化のメカニズムとその治療戦略

    加藤 百合, 西山 和宏, 諫田 泰成, 西田 基宏 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S23-1-, 2022

    ...そこで、TRPC3-Nox2複合体形成を抑制する既承認薬上位13種類の中から、SARS-CoV-2の膜表面spikeタンパク質誘発性ACE2内在化も強く抑制しうる薬の探索を行ったところ、三環系抗うつ薬クロミプラミンを同定した。クロミプラミンは、ヒトiPS細胞由来心筋細胞へのSARS-CoV-2感染と心機能障害・心筋代謝機能障害を強く抑制した。...

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  • うつ病患者のω-3多価不飽和脂肪酸レベルは抗うつ薬反応性を予測できる

    大黒 亜美 ファルマシア 58 (11), 1082-1082, 2022

    ...大うつ病性障害(うつ病)の発症は若年層に多く,日常生活に支障をきたすため社会的影響が大きいにもかかわらず,抗うつ薬により効果が得られない患者が一定数おり,その治療抵抗性が問題となっている.Cussottoらは,現在利用されている抗うつ薬であるエスシタロプラム,セルトラリン(選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI))およびベンラファキシン(選択的セトロニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI...

    DOI 医中誌

  • 抗うつ薬の整理及び中止の可能性

    加藤 正樹 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 1-C-S07-2-, 2022

    ...本セッションでは、抗うつ薬寛解後、抗うつ薬は中止できるのか、そのことをどのように患者に説明し、共同意思決定をしていくか、に関して我々の行った世界最大規模のメタ解析や、その結果に基づいて作成したdecision toolを紹介しながら、概説したい。</p>...

    DOI 医中誌

  • パーキンソン病の不安に対する認知行動療法の有効性

    西川 典子, 内田 千枝子, 波田野 琢, 服部 信孝 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 2-C-P-044-, 2022

    ...不安症状に対する治療は抗うつ薬などが推奨されているが、患者は服薬量が増えることを懸念することが多い。対面式の認知行動療法(CBT)はPDのうつ症状治療として有用であることが報告されている。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行発生と研究時期が重なったため、来院せずに自宅で受講可能なオンラインCBTに変更した。...

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  • 心臓病の患者のメンタルヘルス

    伊藤 弘人, 村松 公美子 心身医学 62 (1), 37-44, 2022

    ...,うつ状態と大うつ病性障害)の観点から,冠動脈疾患,心不全,心筋症と不整脈の領域での研究の到達点を概説した.心臓病の患者はうつを高頻度に併発し,併発すると生命予後が悪化する.両者の間には,行動特性とともに,自律神経機能,血小板凝集能亢進,血管内皮機能不全や炎症などの生物学的な要因が介在していると考えられている.2008年にアメリカ心臓協会は,うつのアセスメントを推奨するガイドラインを発表している.抗うつ...

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  • 長寿時代の不眠治療 大田メソッド

    大田 浩右 認知症治療研究会会誌 8 (1), 19-26, 2022

    ...認知症予防のために睡眠は大切だが,高齢者の不眠治療は,加齢による睡眠力の低下と薬による認 知機能障害のジレンマという難しさがある.大田メソッドでは,軽度睡眠障害には,運動習慣と睡眠 環境を含む生活改善を勧め,緩やかな鎮静作用薬を処方する.睡眠障害の原因となる疾患を特定し, それを治療することで不眠が治ることも多い.難治性睡眠障害には,私が長年の不定愁訴治療から体 系づけた抗てんかん薬,抗うつ薬などの...

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  • 精神疾患合併糖尿病における治療・薬物療法の現状

    原 広一郎, 大内 基司, 目澤 守人, 福尾 ゆかり, 秀野 武彦 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 1-C-S16-2-, 2022

    ...糖尿病の発症や進行に関連する因子として、精神疾患の症状、抗うつ薬や抗精神病薬など向精神薬の副作用(食欲亢進、寡動)、偏食・運動不足などの生活習慣、身体的ケアの不足や服薬管理の問題など、複数の対策すべきポイントが指摘されている。</p><p>当院は精神科主体の病院であるが、内科および糖尿病外来を併設しており、精神疾患と糖尿病の併存例が少なくない。...

    DOI 医中誌

  • 持続性知覚性姿勢誘発めまい (Persistent Postural-Perceptual Dizziness: PPPD) に対する抗うつ薬の効果について

    八木 千裕, 森田 由香, 北澤 明子, 山岸 達矢, 大島 伸介, 泉 修司, 高橋 邦行, 堀井 新 日本耳鼻咽喉科学会会報 124 (7), 998-1004, 2021-07-20

    ...抗うつ薬を用いた薬物療法, 前庭リハビリテーション, 認知行動療法が三大治療とされている. 本研究では, PPPD 90例を対象に, 抗うつ薬の治療効果を検討した. 使用した薬剤は, 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI), セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI), ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSA) である....

    DOI Web Site Web Site ほか1件 被引用文献1件 参考文献15件

  • 片頭痛の薬物治療

    柴田 護 日本口腔顔面痛学会雑誌 13 (1), 21-27, 2021

    ...皮質拡延性抑制/脱分極が関与すると考えられている.しかし,頭痛発生時には三叉神経系の異常活性化が存在し,カルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP)が末梢性感作誘導に中心的な役割を果たしている.片頭痛急性期治療薬の主役は5-HT<sub>1B/1D/1F</sub>作動薬であるトリプタンである.その作用機序はCGRP放出抑制と考えられている.片頭痛予防薬としては,カルシウム拮抗薬,抗てんかん薬,三環系抗うつ...

    DOI 医中誌

  • うつ病の病態に基づくニューロフィードバック治療開発におけるNIRSの有用性について

    横山 仁史, 山脇 成人, 岡田 剛, 岡本 泰昌 生体医工学 Annual59 (Abstract), 246-246, 2021

    ...演者らはうつ病患者のfMRI脳機能解析から、意欲低下に関連する背外側前頭前野(DLPFC)の機能低下、反芻症状(くよくよと反復考える)に関連する後部帯状回(PCC)の機能亢進を認め、これが抗うつ薬(SSRI)治療によって改善すること、およびDLPFC-PCCの機能的結合がうつ病のバイオマーカー候補となることを報告した。...

    DOI

  • 眠るための薬、眠らせるための薬 〜睡眠・鎮静・麻酔〜

    中村 正帆 看護薬理学カンファレンス 2021.3 (0), ES-2-, 2021

    ...このうち薬物療法では、ベンゾジアゼピン、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などが用 いられます[7]。</p><p>本セミナーでは、上記のこれまで明らかになっている睡眠の仕組みや疾患との関わりと合わせて、睡眠障害の治療に用いられる薬物の薬理作用について概説します。...

    DOI

  • 女性のライフステージと薬理学~子育てから閉経まで~

    衣斐 大祐 看護薬理学カンファレンス 2021.2 (0), ES-1-, 2021

    ...更年期障害で認められるホットフラッシュなどホルモン減少が直接的な引き金になるものに対しては、エストロ ゲンのホルモン補充療法が、うつ様症状など精神神経症状には抗うつ薬・抗不安薬が、その他の様々な症状に対して漢方薬が、それぞれ用いられている。本セ ミナーでは更年期障害で使用される各薬物について薬理学的に解説し、更年期障害の治療に関する理解を深めたい。...

    DOI

  • うつ病分子病態におけるグリア細胞の異常

    小泉 修一, 木下 真直 日本生物学的精神医学会誌 32 (1), 6-12, 2021

    ...まったく異なる抗うつ薬であるが,アストロサイトに作用することで神経‐グリア連関を正常化させる作用が認められ,一部のメカニズムは共通していた。以上アストロサイトがうつ病の治療標的として有望である可能性が示唆された。...

    DOI 医中誌

  • 気分障害におけるグリア研究と創薬に向けた試み

    竹林 実 日本生物学的精神医学会誌 32 (1), 44-50, 2021

    ...さらに,その抗うつ薬ターゲット分子は,リゾリン脂質のG蛋白結合型受容体の一つであるリゾフォスファチジン酸(LPA)1受容体であることを見いだした。三環系抗うつ薬は,1950年代に偶然見つかった抗うつ薬のプロトタイプであり,未だに重症例や難治例患者にSSRIやSNRIを凌ぐ臨床効果を示す場合や,躁転のリスクも高いことから,その薬理作用は強力な抗うつ作用と関連する可能性がある。...

    DOI 医中誌

  • 大腿骨骨折患者の服用薬剤の検討

    原田 和博, 橋詰 博行 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 42 (0), 3-P-R-1-, 2021

    ...中枢神経作動薬(認知症治療薬を除く)が処方されていた患者は39名(1剤22名、2剤13名、5~6剤4名)で、うちベンゾ系睡眠薬は18名(ブロチゾラム6名、ゾルピデム5名、アルプラゾラム2名、エスゾピクロン2名など)、抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウムなど)7名、抗パーキンソン薬(レボドパなど)7名、抗うつ薬(セルトラリンなど)4名、トラゾドン5名、チアプリド4名、スボレキサント3名、プレガバリン3名...

    DOI 医中誌

  • 電気けいれん療法の新規治療標的としてのグリア

    橋岡 禎征 日本生物学的精神医学会誌 32 (1), 26-32, 2021

    ...筆者らはこれまで抗うつ薬,抗精神病薬とも<i>in vitro</i>で活性化ミクログリアを抑制することを明らかにしてきたが,近年,活性化グリアと内因性精神疾患の症状に類似した異常行動を呈するGunnラットを用いて,ECTは治療効果発現の際,活性化ミクログリアに加え,活性化アストロサイトも抑制することを見いだした。...

    DOI 医中誌

  • 注意欠如多動性障害スクリーニング及び精神科医との連携が舌痛症の改善に寄与した1例

    髙橋 香央里, 笠原 諭, 福田 謙一, 一戸 達也 日本口腔顔面痛学会雑誌 13 (1), 85-90, 2021

    ...<br>症状が長期に渡っていたことや,診察中に注意欠如多動性障害(ADHD)の行動所見を認めたためADHD尺度によるスクリーニング検査を行ったところADHDの可能性が示された.患者の希望もあり精神科医へ加療を依頼したところ,身体症状症と混合型ADHDの診断がなされた.診断により,日常生活で自覚している自責感が減り薬物療法を受け入れることが可能となり抗うつ薬の内服により疼痛軽減の効果が得られて経過良好...

    DOI 医中誌

  • 精神神経疾患の精密医療を実現するための臨床薬理学的検討抗てんかん薬の薬物動態解析の観点から

    金子 哲也, 鬼木 健太郎, 古郡 規雄, 石津 棟暎, 猿渡 淳二 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 42 (0), 1-S17-4-, 2021

    ...</p><p>これまで我々は、抗てんかん薬や抗うつ薬、抗精神病薬といった様々な精神神経疾患治療薬のPK-PD解析を進めてきた。その中で、成人焦点発作の第一選択薬である抗てんかん薬ゾニサミド(ZNS)について、母集団PKモデルを構築し、カルバマゼピン等の併用薬の有無で2倍弱の投与量調整により、適切に治療血中濃度域(10-30 μg/mL)に到達できることを示した。...

    DOI 医中誌

  • 変動性の抑うつ症状から診断に至った周期性Cushing病の 1 例

    澤村 俊孝, 林 義大, 大森 亜衣, 澤田 慧, 杉山 賢郎, 武田 仁勇 日本病院総合診療医学会雑誌 16 (6), 430-436, 2020-11-30

    ...入院の上,抗うつ薬および抗精神病薬の内服を行い症状は改善した。症状改善後に器質性精神疾患の除外のため内科に紹介されCushing症候群を含めた評価を施行されたが,異常は認めなかった。薬物療法にて抑うつ気分の改善も認めたことより退院したが,退院 2 週間後に抑うつ気分の再燃を認め再入院した。抑うつ気分に加え,血液検査にて前回入院時と比較して血清カリウム値の低下および空腹時血糖値の上昇を認めた。...

    DOI Web Site 医中誌

  • 情動,心理面から見た遷延性術後痛

    須藤 貴史 日本臨床麻酔学会誌 40 (7), 604-608, 2020-11-15

    ...<p>情動,心理は遷延性術後痛と関連することはよく知られている.特に術前からの抑うつや不安は発症リスクファクターと認められている.動物実験では心理的ストレスが抑うつ症状をもたらすとともに,脊髄のマイクログリアなどの神経炎症や中枢性感作に関与する細胞群を活性化し,その後の術後痛の増強や,回復遅延に関与すると報告されている.周術期の認知行動療法は遷延性術後痛の予防策として一定の効果を示す可能性がある.抗うつ...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献13件

  • ペインクリニックで診る遷延性術後痛

    濱口 眞輔 日本臨床麻酔学会誌 40 (7), 609-613, 2020-11-15

    ...<p>遷延性術後痛は患者の生活の質を損なう深刻な手術合併症であり,その治療では,疼痛治療医の参画した集学的治療が重要とされている.遷延性術後痛が侵害受容性疼痛の場合はアセトアミノフェン,非ステロイド性抗炎症薬,オピオイド鎮痛薬などを選択して処方する.神経障害性疼痛の場合は,ガバペンチノイド(Caチャネルα2δリガンド),抗うつ薬,オピオイド鎮痛薬を選択して処方する.また,神経支配に一致した部位に手術侵襲...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献18件

  • 機能性ディスペプシア治療の最前線

    北條 麻理子, 永原 章仁 日本消化器病学会雑誌 117 (10), 866-875, 2020-10-10

    ...<p>生活習慣指導や食事療法が機能性ディスペプシア(FD)の治療として有用かどうかは十分に検討されていないため,まだ不明である.FDに対して酸分泌抑制薬は有用であるが,その効果は酸分泌抑制以外の作用によってもたらされているのかもしれない.消化管運動機能改善薬はアコチアミド以外には十分なエビデンスがない.抗うつ薬・抗不安薬の中では三環系抗うつ薬とタンドスピロンの有用性が示されている.ミルタザピンは治療薬...

    DOI PubMed

  • 精神科病院と身体科医院との病診連携の微妙さ

    宇都宮 和則 Kyushu Neuropsychiatry 66 (2), 54-57, 2020-08-15

    ...抗うつ薬,精神療法,認知行動療法を中心とした治療で寛解したものの,季節性の増悪,再燃を繰り返したため長期の治療継続が必要になった。経過中に全身倦怠感や易疲労感が出現したが筆者はこれをうつ病に基づく症状ではないと判断した。身体疾患はかかりつけ内科に任せていたが患者はこれらの症状を内科医には全く伝えてなかった。約5ヶ月後には息切れや足のしびれも加わってきた。この時点で患者に内科での精査を指示した。...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献5件

  • 本邦救急医療施設における薬物分析環境の現状と課題(Current state of drug analysis in Japanese emergency departments – a nationwide survey)

    大谷 典生 (Norio Otani), 一二三 亨 (Toru Hifumi), 北元 健 (Takeshi Kitamoto), 小林 憲太郎 (Kentaro Kobayashi), 中谷 宣章 (Nobuaki Nakaya), 冨岡 譲二 (Joji Tomioka) Nihon Kyukyu Igakukai Zasshi: Journal of Japanese Association for Acute Medicine 31 (8), 278-286, 2020-08

    ...即時分析可能施設は,メタノール 2.8%,バルビツール酸系薬物 19.5%,ベンゾジアゼピン系薬物 2.4%,ブロムワレリル尿素 0.8%,三環系抗うつ薬 1.2%,アセトアミノフェン 12.2%,サリチル酸 4.1%,テオフィリン 44.3%,有機リン系農薬 2.0%,カーバメート系農薬 1.6%,グルホシネート 1.2%,パラコート 2.4%,ヒ素 0.8%,シアン化合物 1.2%,メタンフェタミン...

    DOI Web Site Web Site 被引用文献1件

  • 当院外来患者のアミトリプチリンとノルトリプチリンの副作用による内服中断の検討

    桑原 沙代子, 佐伯 美奈子 日本ペインクリニック学会誌 27 (2), 143-148, 2020-06-25

    ...<p>【目的】三環系抗うつ薬は,神経障害性疼痛に対する有効性が高いが,鎮静・抗コリン作用などの副作用がある.アミトリプチリン(amitriptyline:AT)とノルトリプチリン(nortriptyline:NT)の鎮痛効果は同等で,忍容性はNTのほうが高いと報告されている.当院外来のAT・NTの副作用による内服中断症例数および副作用の種類を検討する....

    DOI Web Site 医中誌

  • 外傷による左上肢切断後の幻肢痛に対しミルタザピンが有効であった1例

    堀川 英世, 服部 瑞樹, 竹村 佳記, 日比 大亮, 山崎 光章 日本ペインクリニック学会誌 27 (2), 167-171, 2020-06-25

    ...めるようになり,NRS(numerical rating scale)は5であった.入院中に,持続腕神経叢ブロックと薬物療法を開始した.ブロック施行中はNRSが2に低下したが,ブロック中止後痛みはもとに戻った.ミルタザピンを15 mg 1日1回投与から開始し,その後1日2回投与に増量した.ミルタザピン内服後約8時間はNRSが3に低下した.他の薬物は内服しても痛みの改善を認めなかった.ミルタザピンは,他の抗うつ...

    DOI Web Site 医中誌

  • 痛み診療の現場における2015年および2016年の有害事象について―日本ペインクリニック学会安全委員会・有害事象調査報告と課題―

    日本ペインクリニック学会安全委員会, 田中 信彦, 山蔭 道明, 具志堅 隆, 關山 裕詩, 中塚 秀輝, 益田 律子, 山浦 健 日本ペインクリニック学会誌 27 (2), 133-142, 2020-06-25

    ...2015年の1年間を対象とした第5回調査および2016年の1年間を対象とした第6回調査の結果について報告する.第5回調査では350施設中162施設(46%),第6回調査では348施設中197施設(57%)から回答が得られた.これまでの調査結果と同様に,有害事象のほとんどが鎮痛薬・鎮痛補助薬の副作用と神経ブロック・インターベンショナル治療の合併症であった.鎮痛薬・鎮痛補助薬に関しては,プレガバリン,三環系抗うつ...

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 東北福祉大学せんだんホスピタル精神科病棟における廃棄薬の要因検討

    小野木 弘志, 高根 秀成, 佐藤 慎 東北福祉大学研究紀要 44 207-217, 2020-03-19

    ...その結果,廃棄薬は中枢神経作用薬,消化器系作用薬,抗炎症・鎮痛・抗アレルギー薬の順に多く,そのうち中枢神経作用薬は抗精神病薬,睡眠薬,抗不安薬,抗うつ薬の順に多かった。病棟別比較の結果,急性期病棟では中枢神経作用薬の廃棄が多く,静養病棟では中枢神経作用薬と消化器系作用薬の廃棄割合が同程度であった。児童思春期病棟では他の病棟に比べ抗炎症・鎮痛・抗アレルギー薬の廃棄が多かった。...

    DOI 機関リポジトリ Web Site

  • サルトジェネシス(健康創成論)と患者力

    青山 幸生, 牧 裕一, 山本 達夫, 広門 靖正, 永田 勝太郎 全人的医療 18 (1), 22-28, 2020-01-25

    ...</p><p>今回,45歳女性で,抗うつ薬離脱時,その副作用により約10年間にわたり心身ともに苦しめられ,その間もともとあった多くの資源をベースに,家族や友人などの暖かい傾聴,受容,支えにより自身の患者力をさらに伸ばすことができた結果,ゆっくりではあるが夢に向かっての一歩を踏み出せた症例を経験したので合わせて報告したい.</p>...

    DOI 医中誌

  • 内分泌・代謝領域の心身症再考

    深尾 篤嗣, 高松 順太, 花房 俊昭, 今川 彰久 心身医学 60 (2), 142-149, 2020

    ...また, 心身医学的アプローチとしては, うつ病合併例では抗うつ薬が有効なほか, エンパワーメント, アクセプタンス&コミットメントセラピー, 解決志向アプローチ, コーチング, ナラティブ・アプローチなどが有用である. クッシング症候群ではうつ病との鑑別がしばしば問題となる (偽性クッシング症候群). また, Soninoらの一連の研究は, 下垂体性のクッシング病の心身症的側面を示唆している....

    DOI Web Site 医中誌

  • レゾルビン類の抗うつ作用の機序解明と創薬応用に向けた薬理学的研究

    出山 諭司 日本薬理学会年会要旨集 93 (0), 3-YAL-2-, 2020

    ...モノアミン神経系に作用する既存の抗うつ薬は、効果発現までに数週間以上を要し、約3割の患者には無効である(治療抵抗性うつ病)。一方、近年の研究により、NMDA受容体拮抗薬ケタミンが、治療抵抗性うつ病患者に即効性の抗うつ作用を示すことが明らかにされているが、依存性や統合失調症様症状の惹起などの重大な副作用のため、ケタミン自体の抗うつ薬としての使用には大きな制約がある。...

    DOI Web Site

  • 私の考える疼痛分類と疼痛治療薬の使い方

    井尻 慎一郎 日本臨床整形外科学会雑誌 45 (1), 79-80, 2020

    ...</p><p>疼痛治療薬はNSAIDS,アセトアミノフェン,ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液,オピオイド,神経障害性疼痛治療薬,デュロキセチンなどの抗うつ薬と分類できる.</p><p>急性,慢性,神経障害性のそれぞれに対応した疼痛治療薬を使い分けることが大切である.</p>...

    DOI

  • 月経と心身症

    郷久 鉞二, 佐野 敬夫, 清水 順子, 伊藤 絵里香, 松本 真穂, 磯山 響子 心身医学 60 (6), 488-494, 2020

    ...治療は続発性無月経ではホルモン療法27例 (40.9%), 面接主体25例 (37.9%) が多く, 月経痛ではホルモン療法31例 (26.3%), PMS & PMDDでは漢方薬投与例257例 (91.5%) と抗うつ薬投与53例 (18.9%) が多かった....

    DOI Web Site

  • 水系暴露濃度予測モデルを用いたヒト用医薬品の河川中濃度の推定

    内野 正, 小林 憲弘, 五十嵐 良明 日本毒性学会学術年会 47.1 (0), P-250-, 2020

    ...</p><p>【方法】医薬品は、国内出荷量が多く、かつ河川からの検出頻度や検出濃度の高いもののうち、解熱鎮痛消炎剤のアセトアミノフェン、消化性潰瘍用剤及び抗うつ薬のスルピリドを対象とした。予測モデルは河川水中のLAS等において精度の良い濃度予測が報告されているAIST-SHANELVer.3.0を用い、対象医薬品の濃度が報告されている20河川50地点の計算を行った。...

    DOI

  • 精神疾患の病態形成に関与する脳内炎症の解明および疾患モデル細胞を用いた創薬基盤の開発

    北岡 志保 日本薬理学雑誌 155 (6), 390-394, 2020

    ...<p>既存の抗うつ薬の多くはモノアミンなどの神経伝達物質の作用を調節するが,一部の患者で十分な効果が得られないため,新たな創薬標的の開発が期待されている.近年,うつ病患者の血中で炎症関連物質が高値を示すことから炎症の関与が注目されるものの,うつ病発症と炎症との因果関係は不明であった.社会や環境から受けるストレスは精神疾患のリスク因子であることから,動物に繰り返しストレスを与える反復社会挫折ストレスがうつ...

    DOI Web Site Web Site ほか2件 参考文献10件

  • 双極性障害の診断と薬物治療

    久住 一郎 心身医学 60 (8), 707-712, 2020

    ...特に双極性障害の家族歴や抗うつ薬によって惹起される軽躁・躁症状がある場合には, 発揚性パーソナリティ, 若年発症, 反復性の大うつ病エピソード, 短い大うつ病エピソード, 非定型うつ症状, 精神病性うつ病, 産後うつ病, 抗うつ薬の効果減弱, 抗うつ薬治療への非反応などの双極性障害を示唆する徴候 (bipolarity) を注意深くとらえることで, 潜在する双極性障害を見つけ出すことが可能になる....

    DOI Web Site 医中誌

  • バルプロ酸ナトリウムとクロナゼパムの併用療法が有効であった男性の舌痛症の1例

    須賀 隆行, 髙尾 千紘, 渡邉 素子, 竹之下 美穂, 豊福 明 日本歯科心身医学会雑誌 35 (1-2), 37-40, 2020

    ...舌痛症の治療としては抗うつ薬の有効性が古くから知られているが,十分に服用できず,治療に難渋することがしばしばある.その他の治療法として,抗てんかん薬等の神経障害性疼痛治療薬の有効性が示唆されている.今回,抗うつ薬抵抗性の本症にバルプロ酸ナトリウムが奏功した1例を経験したので報告する.患者は61歳の会社員,男性.主訴は舌背中央部と両側舌縁の灼熱感と味覚障害であった.不眠症のためトリアゾラムを服用していた...

    DOI 医中誌

  • うつ病の除外診断と併存疾患

    竹内 武昭 心身医学 60 (1), 44-49, 2020

    ...脳卒中との併存では希死念慮に特に注意が必要で, 三環系抗うつ薬やSSRI (selective serotonin reuptake inhibitors), SNRI (serotonin and norepinephrine reuptake inhibitors) に運動療法の追加が効果的とされています. 糖尿病との併存では薬物療法に認知行動療法を追加すると効果的とされています....

    DOI Web Site 医中誌

  • 脳卒中後のうつとアパシー

    木村 真人 国際生命情報科学会誌 38 (1), 17-, 2020

    ...PSDに対する抗うつ薬治療としてはSSRI、SNRI、NaSSAなどの忍容性に優れた薬剤が第一選択薬となる。アパシーが目立つときには、SSRIなどの抗うつ薬の効果は乏しく、ドパミン作動薬やアセチルコリン作動薬が有効の場合がある。リハビリテーションでは、うつ状態が重度の場合には休養や、軽い負荷の他動的運動療法を考慮し、軽度から中程度の場合には、ある程度の強度を持った有酸素運動が有効である。...

    DOI 医中誌

  • うつ病の病態に基づくニューロフィードバック治療開発におけるNIRSの有用性について

    山脇 成人 生体医工学 Annual58 (Abstract), 123-123, 2020

    ...演者らはうつ病患者のfMRI脳機能解析から、意欲低下に関連する背外側前頭前野(DLPFC)の機能低下、反芻症状(くよくよと反復考える)に関連する後部帯状回(PCC)の機能亢進を認め、これが抗うつ薬(SSRI)治療によって改善すること、およびDLPFC-PCCの機能的結合がうつ病のバイオマーカー候補となることを報告した。...

    DOI

  • 薬剤性無月経

    小川 真里子, 髙松 潔 心身医学 60 (6), 509-514, 2020

    ...</p><p>高PRL血症をきたす薬剤としては, ドパミン拮抗薬, 三環系抗うつ薬など向精神薬に分類されるものが多く含まれる. 薬剤性高PRL血症による無月経の治療の原則は, 減薬または変薬であるため, その必要性や方法などについて患者の状態に応じ, 担当科と産婦人科で連携し, 個別的に対応する必要がある.</p><p>抗がん剤による無月経は, アルキル化薬などにより生じることが知られている....

    DOI Web Site

  • うつの報酬予期障害に関する脳機能画像研究

    森 麻子, 岡田 剛, 高村 真広, 高垣 耕企, 横山 仁史, 市川 奈穂, 吉野 敦雄, 岡本 泰昌 日本生物学的精神医学会誌 31 (3), 112-116, 2020

    ...その結果,うつ病患者では,健常者で見られる報酬額に応じた線条体の活動上昇がみられないこと,閾値下うつでは健常と比べて金銭報酬予期時に前頭・頭頂領域の機能変化を認めること,これらの脳機能変化は抗うつ薬や精神療法といった介入により回復することなどが明らかになった。...

    DOI 医中誌

  • 心身医学を専門とする医師に知ってもらいたいこと

    宮岡 等 心身医学 60 (8), 703-706, 2020

    ...そのような混乱の中で心身医学の実践に必要な精神医学の知識を提示するとすれば, 「症状を系統的に評価する」 「心理職の役割や心理検査の意義を明確にする」 「抗うつ薬の本当の効果を知って, 適切に用いる」 などであろうか. 今後専門医制度が固まっていく中で, 何ができるのが心身医学専門医かという議論を深めていくことが不可欠である.</p>...

    DOI Web Site 医中誌

  • 新たな即効性抗うつ薬候補としてのレゾルビン類

    出山 諭司 日本薬理学雑誌 155 (6), 381-385, 2020

    ...<p>モノアミン再取り込み阻害作用を有する既存の抗うつ薬は,遅効性で治療効果が不十分であることが問題となっている.近年,NMDA受容体拮抗薬のケタミンが,治療抵抗性うつ病患者にも即効性かつ持続性の抗うつ作用を示すことが明らかになり,その抗うつ作用は過去60年にわたるうつ病研究のなかで最も画期的な発見として大きな注目を集めている.ケタミンには,薬物依存の懸念や幻覚・妄想などの副作用があるため,抗うつ薬...

    DOI Web Site Web Site ほか2件 被引用文献1件 参考文献47件

  • 抗うつ薬によるcollagenous colitisの1例

    八木 純子, 鈴木 隆三, 中島 陽子, 草栁 聡, 野津 史彦, 高橋 学 Progress of Digestive Endoscopy 95 (1), 90-91, 2019-12-20

    <p>A 54-year-old woman presented to our hospital with watery diarrhea and abdominal pain for 1 month since she started escitalopram for depression. Physical and laboratory examinations were normal. …

    DOI Web Site 医中誌 参考文献3件

  • 抗うつ薬による治療に同意しないうつ病の乳がん患者に行動活性化療法が奏効した1 例

    平山 貴敏, 小川 祐子, 鈴木 伸一, 清水 研 総合病院精神医学 31 (2), 199-206, 2019-04-15

    ...しかし,抗うつ薬による治療に同意しないがん患者に対する有効なアプローチとしての可能性を示した報告はない。本症例報告は,患者本来の「自分らしさ」を大切にして日々を過ごす行動活性化療法が有効なアプローチであることを示すことが目的である。</p><p>われわれは,抗うつ薬による治療に同意しないうつ病の乳がん患者に対し,計8セッションの行動活性化療法を行った。...

    DOI 医中誌

  • 大うつ病性障害に対する電気けいれん療法と維持療法のあるべき姿

    栗本 直樹, 栗山 健一 総合病院精神医学 31 (1), 31-37, 2019-01-15

    ...ECT後の維持薬に関する主要なRCTでは抗うつ薬とLithiumの併用が再発予防に有効としているが,メタ解析では薬物療法単独よりも維持ECTの併用がより有効とされている。</p><p>一方で,うつ病がECT後に再発する要因は詳細に検討されていない。有効性の低いECTや,併用薬物により症状評価が不十分で寛解に至っていない場合,そして誤診がその理由にあげられる。...

    DOI

  • 修正型電気けいれん療法(m-ECT)が著効したステロイド性うつ病の1例

    沖野 和麿, 富岡 大, 黒沢 顕三, 野崎 伸次, 菊池 優, 鈴木 洋久, 岩波 明, 稲本 淳子 総合病院精神医学 31 (1), 74-81, 2019-01-15

    ...ステロイド中止後も抑うつ症状が遷延化し,抗うつ薬や抗精神病薬を内服加療したが改善しなかった。そのため,m-ECTを施行したところ著効した。</p><p>本症例は,ステロイド中止後も抑うつ症状が遷延化したステロイド精神病に対して,m-ECTが著効した貴重な症例であった。抑うつ症状が遷延化したステロイド精神病の治療にm-ECTが有効である可能性が示され,治療戦略として選択する価値があると考えられた。...

    DOI 医中誌

  • 慢性疼痛の機序と薬物治療

    南 雅文 看護薬理学カンファレンス 2019.2 (0), ES-2-, 2019

    ...神経障害性疼痛には、NSAIDs やオピオイド鎮痛薬が奏効しないこと が多いとされ、鎮痛補助薬として抗うつ薬や抗てんかん薬などが用いられる。本 セミナーでは、がん性疼痛の治療に用いられる治療薬、特に、オピオイド鎮痛薬と、 鎮痛補助薬として用いられる抗うつ薬や抗てんかん薬のうちガバペンチン類と デュロキセチンについて、薬理作用の機序および特徴を解説する。...

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  • うつ様行動を制御するアラキドン酸代謝物

    久保山 友晴 ファルマシア 55 (12), 1169-1169, 2019

    ...現在,全世界で3.5億人もの人々がうつ病に罹患していると推測されている.うつ病の治療には,シナプス間隙のセロトニンやノルアドレナリンの量を増加させる薬物が主として用いられる.しかし既存の抗うつ薬では,約3割の患者において十分な治療効果が得られないとの報告がある.したがって,新たな機序を有する抗うつ薬の開発が望まれている.うつ病の発症には,前頭前皮質のアストロサイトが関与することが示唆されていたが,その...

    DOI 医中誌

  • 乱数生成課題時の自律神経応答のロジスティック回帰分析を用いた年代別うつ病スクリーニング法の開発

    林原 史明, 松井 岳巳, 榛葉 俊一, 孫 光鎬, 仮屋 暢聡 生体医工学 Annual57 (Abstract), S52_2-S52_2, 2019

    ...反映する心拍数変動指標や心拍数の変化が健常者とうつ病患者で異なることを利用して,うつ傾向の有無を客観的に判定するための研究を行い80%のスクリーニング感度(Sun,Shinba,Matsui, Front Psychiatry 2016)を得た.更なる感度向上を目指し,加齢による自律神経機能の変化に着目して,精神負荷に対する自律神経応答を用いた年代別うつ病スクリーニング法を開発した.精神科を受診した抗うつ...

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  • タペンタドールと選択的セロトニン再取り込み阻害薬の併用でセロトニン症候群を発症した1例

    金島 正幸, 余宮 きのみ Palliative Care Research 14 (3), 203-207, 2019

    ...を開始したところ,内服当日より,静坐不能となり,悪心,めまい,不眠が出現し,さらに翌日には,発熱,発汗,上肢を中心とするミオクローヌス,四肢の振戦,頻脈を認めた症例を経験した.3つの診断基準に照らし合わせて,セロトニン症候群と診断した.タペンタドールの中止とベンゾジアゼピン系薬の開始にて,速やかに症状は消失した.本邦において,タペンタドールは,がん疼痛治療に用いられているオピオイド鎮痛薬であるが,抗うつ...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献10件

  • 障害児者の睡眠について

    福水 道郎 日本重症心身障害学会誌 44 (1), 75-80, 2019

    ...特にてんかんと鑑別すべきレム睡眠行動障害は小児での報告もあり、自閉症や、SSRI、三環系抗うつ薬内服、またはバルビツール系薬・カフェイン等の離脱症状などでもみられる。...

    DOI Web Site 医中誌

  • 慢性外陰部痛と不眠が柴胡剤によって軽快した2症例

    梶本 めぐみ, 生田 明子, 三谷 和男, 安田 勝彦 日本東洋医学雑誌 70 (4), 392-398, 2019

    ...柴胡加竜骨牡蛎湯と抗うつ薬と,睡眠導入薬にて,不眠の軽快を認めてから約2週間後に外陰部痛が軽快した。不眠を合併している慢性外陰部痛の症例には柴胡剤が有効であることが示唆された。</p>...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献7件

  • 嗅覚刺激による睡眠時ブラキシズムの抑制

    大川 穣, 松本 大慶, 大川 周治 日本顎口腔機能学会雑誌 25 (2), 87-101, 2019

    ...<p>睡眠時ブラキシズム(Sleep Bruxism:SB)は睡眠障害の一病態とされている.また,SBは睡眠障害に関連して発症する顎運動異常であることから,睡眠障害を改善することによりSBは改善されるのではないかと考えた.睡眠障害に対する治療には,一般的に薬物療法(睡眠薬や抗うつ薬など)が実施されている.しかし,薬物療法は副作用が強いことから,補完療法である香りによる嗅覚刺激に注目した.本研究の目的...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献29件

  • 閉経周辺期の抑うつ状態を対象とした動物モデルの開発

    別宮, 直子, 吉村, 裕之 健康生活と看護研究:人間環境大学松山看護学部紀要 1 (1), 1-6, 2018-10-30

    ...閉経周辺期の女性は,程度に個人差はあるが,劇的な身体的変化あるいは抑うつ気分や意欲の低下など不定愁訴と総称される多様な行動変容を経験する.医療的には,エストロゲン補充療法が広く適用されてきたが,生殖器や心機能に対する危険性が警告され,補完代替医療を含めた新たな治療法の科学的検証が課題となっている.抑うつ状態の罹患率は男性より女性に高く,抗うつ薬の改善効果にも性差があるにも関わらず,抗うつ薬の前臨床評価...

    機関リポジトリ Web Site 医中誌

  • 慢性痛患者における眠気についてのアンケート調査

    山田 直人, 大畑 光彦, 高橋 裕也, 三浦 皓子, 鈴木 翼, 青木 優子, 宮田 美智子, 水間 謙三, 鈴木 健二 日本ペインクリニック学会誌 25 (4), 244-250, 2018-10-25

    ...使用が眠気VAS≧50のリスク因子と判明した.Epworth眠気尺度の点数はB群で高かったが,慢性痛と睡眠時無呼吸症候群との関連性は明らかにならなかった.アテネ不眠尺度に群間差はなかったが,両群とも中央値は6点以上であり,夜間の睡眠障害が疑われた.慢性痛患者は不眠傾向にあり,帯状疱疹後神経痛・抗うつ薬使用は日中の強い眠気を引き起こす可能性が示唆された....

    DOI Web Site 医中誌

  • ベンラファキシンを投与した結果,抑うつ症状と神経障害性疼痛の改善を認めた慢性腰痛患者の1症例

    寺田 忠徳, 中西 司, 北村 典章 日本ペインクリニック学会誌 25 (4), 268-272, 2018-10-25

    ...<p>新規抗うつ薬であるベンラファキシ(イフェクサー<sup>®</sup>)を投与した結果,抑うつ症状ならびに神経障害性疼痛の改善を認めた慢性腰痛患者の症例を経験した.症例は80歳代の女性.10年前より腰部脊柱管狭窄症による腰痛症にて近医で投薬,リハビリテーションを施行されていたが改善せず,抑うつ状態も認められ当科に入院加療となった.トラマドールに加え,ベンラファキシンを投与した結果,抑うつ状態の...

    DOI Web Site 医中誌

  • 身体症状症

    吉原 一文, 須藤 信行 日本内科学会雑誌 107 (8), 1558-1565, 2018-08-10

    ...Manual of Mental Disorders(DSM)-5)(アメリカ精神医学会,2014年)の診断基準を用いて診断する.身体症状症には不安や抑うつが併存している割合が高い.身体症状症の治療には,医師との信頼関係が重要である.また,病因・病態の推定には心理社会的背景の聴取が必要になる.病因・病態に応じて治療を行うため,治療法は多岐にわたり,効果も一様ではない.身体症状症に効果のある薬物療法には抗うつ...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献7件

  • 2 耳鳴について (シンポジウム 耳鼻咽喉科領域における心身相関,第726回新潟医学会)

    野々村, 頼子 新潟医学会雑誌 132 (6), 213-216, 2018-06

    ...,漢方などが用いられてきたが,特効薬がないのが現状であった.しかし,近年,耳鳴の病態解明が少しずつ進むとともに,耳鳴と不安,抑うつなど情動の関連が報告されるようになった.それに伴い,治療法についても新たな選択肢が増え,指示的カウンセリングと音響療法を組み合わせて行うTinnitus Retraining Therapy : TRTが考案され,代表的な治療の一つとなっている.また,薬物治療としては,抗うつ...

    機関リポジトリ HANDLE

  • アンチエイジングへの挑戦

    任 智美 日本耳鼻咽喉科学会会報 121 (5), 633-638, 2018-05-20

    ...時にうつに伴う味覚低下から食欲低下を訴える症例にはベンゾジアゼピン系や NaSSA などの抗うつ薬を考慮する. 精神症状が前面に出ている場合は速やかな精神科へのコンサルトが必要となる.</p><p></p><p> 時に味覚障害からさまざまな全身疾患が発見される場合もある. 味覚障害をまずは全身疾患として捉えることが必要で, 他科との連携が重要となる....

    DOI Web Site Web Site ほか1件 被引用文献1件 参考文献15件

  • 骨盤臓器脱の術式別にみた術後慢性疼痛の検討

    加藤 久美子, 鈴木 省治, 川西 秀治, 松井 宏考, 永山 洵, 佐野 友康, 平林 裕樹, 山本 茂樹, 鈴木 弘一, 服部 良平 日本泌尿器科学会雑誌 109 (2), 90-95, 2018-04-20

    ...慢性疼痛発生率は各々12/2,457(0.49%),1/402(0.26%),0/29(0%)で有意差はなかった.他院手術後8名を合わせた計21名の慢性疼痛患者(53~81歳)の術式詳細は,TVMがProlift型12名,脚なし2名,Elevate型1名,NTRが腟式子宮摘除3名,腟壁形成2名,マンチェスター手術1名であった.発症は直後から84カ月後で,術前骨盤痛が7名(33%)にあった.19名で三環系抗うつ...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献8件

  • 頭頸部がん術後せん妄に対する睡眠マネジメント効果の検討

    上條 朋之, 松本 晃明, 鬼塚 哲郎, 今井 篤志, 飯田 善幸, 長岡 真人, 木谷 卓史 日本耳鼻咽喉科学会会報 121 (1), 31-37, 2018

    ...ベンゾジアゼピン系睡眠薬を徹底的に排除し代わりに鎮静系抗うつ薬とラメルテオン, スボレキサントといった新規睡眠薬を積極的に使用した. この対策によるせん妄抑制効果について65歳以上かつ6時間以上の手術患者を対象に術後せん妄の発生状況について検討した....

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献16件

  • うつ病の運動療法

    西多 昌規 The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 55 (3), 189-192, 2018

    ...<p>うつ病は主要な精神疾患であり,抗うつ薬を中心とする薬物療法が主流である.しかし現在では,身体運動の抗うつ効果を用いた運動療法も研究が進んでいる.過去の研究では,うつ病患者や比較対照群の統制が不十分であり,結果が一貫しないものが多かった.質の高い論文に絞ったメタ解析では,運動は非介入群に比べて有意な抗うつ効果があり,薬物療法の補助療法としても効果があることが示されている.しかし,運動療法が対象・...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献16件

  • 腸管ガスに関連する症状を主訴とする病態と治療法の研究の動向

    河西 ひとみ, 船場 美佐子, 富田 吉敏, 藤井 靖, 関口 敦, 安藤 哲也 心身医学 58 (6), 488-497, 2018

    ...それらの文献では, 薬物療法では抗うつ薬を有効とする報告が, 心理療法では行動的介入の有効性の報告が多かった. 行動的介入の有効性の報告からは, わが国で自己臭症患者に適用されてきた森田療法や, 第三世代の認知行動療法のacceptance and commitment therapy (ACT) と治療構成要素の共通性が見出される. 腸管ガスに関連する症状には, 多様な病態が関与しうる....

    DOI Web Site 医中誌

  • うつと唾液分泌減退

    山本 健, 山近 重生, 中村 幸香, 野村 義明, 斎藤 一郎, 中川 洋一 歯科薬物療法 37 (3), 93-100, 2018

    ...の3群に分け,さらにそれぞれ抗うつ薬を服用している群と服用していない群に分け検討した.さらに,唾液分泌量に及ぼす性,年齢,抗うつ薬抗うつ薬以外の常用薬,不安・うつ尺度の影響をロジスティック回帰分析で解析した....

    DOI 医中誌

  • 味覚障害の診断と治療

    任 智美 口腔・咽頭科 31 (1), 97-102, 2018

    ...味覚障害の受診患者は増加している.味覚異常の訴えは量的異常と質的異常に分けられ,電気味覚検査と濾紙ディスク法で機能評価を行う.現行の原因分類は障害部位と原因が混合しているため再考が必要である.治療は亜鉛内服療法がエビデンスを持つ治療だがビタミンや鉄欠乏症には補充療法,口腔乾燥症例には唾液分泌促進剤,心因性には抗不安薬抗うつ薬など併用する.時に漢方が著効する場合もあるので随証に合わせた処方を選択する....

    DOI 医中誌

  • 漢方薬と心身医学的アプローチが有効であったvulvodyniaの1例

    塚本 路子, 村上 正人, 松野 俊夫, 塚本 克彦, 縄田 昌子 心身医学 58 (4), 347-351, 2018

    ...Vulvodyniaは西洋医学的には外陰部の血流障害や筋肉の攣縮としてとらえられ, 治療薬として抗うつ薬や抗けいれん薬などが用いられる. またvulvodyniaには今回の症例のように心理療法を含む心身医学的なアプローチも大切である.</p>...

    DOI Web Site 医中誌

  • 歯科口腔外科領域の慢性疼痛

    豊福 明 心身医学 58 (5), 384-389, 2018

    ...「神経障害性疼痛」 の概念は抗うつ薬療法の認知度向上には一役買ったが, 機械的な処方では十分な効果は引き出せない. 慢性疼痛は 「こころ」 抜きでは本質的な治療にならないからである. 他の外科系診療科と共有する臨床的問題を検討し, 身体科に適した心身医療の可能性を論じた.</p>...

    DOI Web Site 医中誌

  • 女性の骨盤痛に対する対角線上の穴の鍼治療

    佐野 敬夫 心身医学 58 (8), 703-707, 2018

    ...骨盤内うっ血症候群もその代表的な疾患であるが漢方薬や抗うつ薬の投与でほとんどの症例が改善する. しかし, 疼痛部位が坐骨神経, 恥骨結合部などに限局した下腹部痛では治療が困難である. このような症例には対角線上にある経絡に治療穴を取る陰陽太極鍼による鍼治療が有効である. 延べ100例の限局した骨盤痛の患者に対して鍼治療を施行したところ95例がほぼ即効的に痛みは消失した....

    DOI Web Site 医中誌

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