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検索結果 1,209 件

  • 外部講習会を活用した神経生理分野の臨床検査技師教育

    小野澤 裕也 臨床神経生理学 52 (1), 70-72, 2024-02-01

    ...本学会や日本臨床衛生検査技師会など多くの団体が講習会を開催しており, 参加者は数ある講習会の中から, 自らが求める情報を得られる講習会を探し選択している。対面式の講習会が主流であった以前は地域性などの環境要因により, 講習会への参加が困難なことも少なくなかったが, オンライン型講習会やハイブリッド型講習会の普及により講習会の門戸は広がった。...

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  • ID NOWの再検を組み込んだSARS-CoV-2スクリーニング検査フローの構築

    延廣 奈々子, 河内 誠, 飯村 将樹, 沖林 薫, 宮澤 翔吾, 水谷 里佳, 及川 加奈, 左右田 昌彦 医学検査 73 (1), 99-105, 2024-01-25

    <p>ID NOW(Abbott)は遺伝子検査でありながら,検査所要時間(TAT)が15分と極めて短く,一度の検体採取で再検の実施が可能である。今回我々は,早急な対応が必要な場合のSARS-CoV-2スクリーニング検査フローについて評価した。ID NOWで検査を実施した4,507件のうち初回測定陽性であった80件をID NOWおよび他の遺伝子検査法で再検し結果を比較した。ID …

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  • 多項目自動血球分析装置XRシリーズの体液モードの評価と異型細胞検体の検討

    保科 ひづる, 佐藤 さくら, 河西 美保, 林 文明, 浜口 佳子, 折田 茂 医学検査 73 (1), 31-53, 2024-01-25

    <p>近年,髄液・穿刺液検査では技師間差の軽減,簡便かつ迅速に報告できることから,自動分析装置が使用される頻度が増している。今回,我々はシスメックス株式会社より新たに開発された多項目自動血球分析装置XRシリーズを評価する機会を得,その体液モードの基礎性能評価と異型細胞検知能,新規機能である3次元スキャッタグラムと出現細胞との関連性を検討した。実効感度,希釈直線性,目視鏡検法およびXNシリーズ(シ…

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  • 新規変異を伴う家族性protein S欠損症

    佐野 智紀, 千種 恭輔, 宇佐美 真奈, 服部 由香, 久村 千津世, 永春 圭規, 山本 美和 医学検査 73 (1), 142-146, 2024-01-25

    <p>本邦における血栓症の増加が指摘されているが,本邦で頻度が高い先天性の血栓性素因としては,凝固制御系因子であるアンチトロンビン(AT),プロテインC(PC),プロテインS(PS)の欠乏症が知られている。プロテインS(protein S; PS)は分子量84,000のビタミンK依存性の凝固関連タンパク質の一つで,肝臓で産生される。血中では40%が遊離型,60%がC4b-binding …

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  • 腫瘍随伴性が疑われるKL-6異常高値を呈したHHV8陰性primary effusion lymphoma like lymphoma

    赤塚 貴紀, 青田 泰雄, 野口 直樹, 出沢 舞, 西園 明将, 後藤 明彦 医学検査 73 (1), 137-141, 2024-01-25

    <p>症例は64歳女性。2022年2月頃から食欲不振が出現し,その後食事量が減っているにも関わらず腹部膨満が出現。9月に他院を受診し腹部CT検査を実施したところ,肝硬変及び大量の腹水貯留を認めた。腹腔穿刺を実施し,病理組織学的検査からHHV8陰性primary effusion lymphoma (PEL) like …

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  • 尿沈渣中に異型細胞を認めた前立腺導管癌の1例

    内田 大貴, 穐山 祐子, 浅井 雛子, 榊原 早穂, 川村 道広, 錦 淳子, 吉田 恭太郎, 清水 重喜 医学検査 73 (1), 188-194, 2024-01-25

    <p>背景:尿沈渣において見られる前立腺癌の組織型はほとんどが腺房細胞に由来する腺癌細胞であり,導管細胞が由来の前立腺導管癌が出現することは非常に稀である。今回我々は尿沈渣中に前立腺導管癌細胞を認めた症例を経験したので報告する。症例:80歳代,男性。5年前に当院にて低異型度尿路上皮癌(low grade urothelial …

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  • 院内微生物検査室稼働開始前後の比較検討(単施設研究)

    寺山 陽史, 三池 寿明, 古賀 万観子, 齋藤 美恵子, 三苫 朝, 灘吉 幸子, 山中 麻衣, 八板 謙一郎 医学検査 73 (1), 106-114, 2024-01-25

    <p>2019年8月より微生物検査の大部分を外部委託から院内実施に変更した。外部委託1年間と院内実施1年間の微生物検査に関わる項目を比較した。収支比率は101%から125%に増加した。総検体数は6,813件から6,821件とほぼ変化なし。喀痰培養検出菌数はmethicillin-resistant <i>Staphylococcus …

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  • デンシトメトリー分析装置“クイックナビリーダー<sup>TM</sup>2”の有用性評価の検討

    山本 肇, 新田 成菜, 坂井 凌, 齋川 健志, 彌勒 清可, 関本 正泰, 石幡 哲也, 高田 直樹 医学検査 73 (1), 115-122, 2024-01-25

    <p>我々は,デンシトメトリー分析装置“クイックナビリーダー<sup>TM</sup>2”の有用性評価の検討を行った。SARS-CoV-2抗原陽性検体,インフルエンザウイルス抗原陽性検体,陰性対照検体におけるリーダー判定と目視判定の一致率は100%の結果が得られた。ジドウヨミトリモードを使用し,SARS-CoV-2抗原陽性検体における試料滴加から陽性ライン検出にかかる時間を調査したところ,平均で…

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  • ストーマ装具の皮膚保護剤混入が尿沈渣判定に及ぼす影響

    富永 美香, 伊藤 富佐子, 古谷 裕美, 岡山 直子, 西岡 光昭 医学検査 73 (1), 18-24, 2024-01-25

    <p>尿沈渣中には尿路に由来する成分以外に混入物も認めることがある。尿路変向術後に装着するストーマ装具に付着している皮膚保護剤も混入物の一つとして知られているが,その成分の報告については少ない。今回,当院で使用されているCPGFb系,CPGbs系,CPbh系,CPGHbs系の4種類の皮膚保護剤が尿沈渣判定に及ぼす影響について検討した。4種類の皮膚保護剤を生理食塩水で溶解し,共通して出現した成分と…

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  • 全自動尿中有形成分分析装置UF-5000を利用した薬剤感受性推測の可能性

    三輪 佑果, 竹澤 理子, 福田 弥生, 長谷野 優作, 井上 真理奈, 鵜原 日登美, 小野 由可, 石崎 一穂 医学検査 73 (1), 78-84, 2024-01-25

    <p>尿路感染症における薬剤耐性菌への取り組みとして,全自動尿中有形成分分析装置UF-5000で細菌数が測定できることを利用し,原尿に直接感受性ディスクを入れ反応させることによる細菌数の変化から,薬剤感受性結果の推測が可能かを検討した。使用薬剤は,尿路感染症に処方頻度の高いレボフロキサシン(LVFX)と基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)の判定にも用いられるセフォタキシム(CTX)を使用し…

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  • 重症COVID-19患者のECMO稼働時の血液製剤使用状況についての検討

    山田 歩奈, 松浦 秀哲, 阿部 祐子, 中川 理恵, 三浦 康生 医学検査 73 (1), 25-30, 2024-01-25

    <p>体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation; ECMO)を使用する重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例は血液製剤を要するが,その使用状況についての報告は少ない。2019年11月から2021年8月までに当施設でECMO治療を受けた重症COVID-19患者19名の患者背景,血液製剤の使用量,ECMO稼働時間,臨床検査値,転帰を調査し…

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  • 三重県松阪市と東京都および大阪府とのPCRおよびNGSを用いたCOVID-19感染状況の比較

    西尾 美帆, 伊藤 健太郎, 藤原 由妃, 稲垣 早希, 中島 佳那子, 西村 はるか, 宇城 研悟, 畑地 治 医学検査 73 (1), 61-68, 2024-01-25

    <p>【目的】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019年末以降2023年5月8日まで2類感染症として世界に脅威を与え続けた。当院ではリアルタイムPCRとNGS装置を導入し,第二種感染症指定医療機関としてSARS-CoV-2の検査を積極的に行っている。今回約2年間のSARS-CoV-2検査結果を集計し,松阪市の感染状況をまとめたので報告する。【方法】2021年1月から2023年4月…

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  • 甲状腺転移を認めた両側乳癌の1症例

    森下 真由美, 笹井 有美子, 池田 克実, 林 茉里奈, 亀井 佑梨, 金本 巨哲, 小川 佳成, 井上 健 医学検査 73 (1), 180-187, 2024-01-25

    <p>50代の女性。1年前より右乳腺C区域にひきつれとくぼみ,3ヵ月前より左乳腺AC区域に皮膚発赤と疼痛が出現した。乳腺超音波検査で右C区域に大きさ18 × 15 × 14 mmの低エコー腫瘤を認め,浸潤性乳管癌(invasive ductal carcinoma; IDC)硬性型を疑った。左AC区域には大きさ41 × 39 × 31 …

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  • 尿沈渣分析装置AUTION EYE AI-4510における未分類値の検討

    菱木 光太郎, 児島 世梨, 軽部 紀代美, 宮後 とも子, 池田 勇一, 小笠原 洋治, 海渡 健, 越智 小枝 医学検査 73 (1), 85-90, 2024-01-25

    <p>当院では業務の効率化を目的として,2020年4月にアークレイ社の画像解析法を用いた尿沈渣分析装置AUTION EYE AI-4510(以下,AI-4510)を導入した。AI-4510では各種細胞成分に判定できなかった成分を未分類として数値化し分類している。今回,この未分類の測定値(未分類値)と他の細胞成分比率との関係について検討した。尿沈渣の依頼のあった5,616検体をAI-4510と鏡検…

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  • COVID-19罹患後における肺機能検査指標の経時的変化と低下に関連する因子の検討

    濱野 葵, 鳥居 裕太, 宮川 祥治, 菅沼 直生子, 川井 順一 医学検査 73 (1), 1-8, 2024-01-25

    <p>2019年以降世界的大流行をもたらしている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は呼吸器系に多大な影響を及ぼし,特に拘束性換気障害および肺拡散能低下をきたすと報告されている。しかし,本邦における肺機能検査指標の検討についての報告はない。本研究の目的はCOVID-19罹患後における肺機能検査指標の経時的変化および低下に関連する因子について検討することである。対象はCOVID-19と診断…

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  • 深部静脈血栓症における血栓残存のリスク因子の検討

    高森 稔弘, 足立 良行, 河村 浩二, 市川 ひとみ, 本倉 徹 医学検査 73 (1), 9-17, 2024-01-25

    <p>深部静脈血栓症(deep vein thrombosis; DVT)とは静脈に血栓形成が生じる疾患であり,稀な疾患ではなくなっているが,血栓残存リスクに関しては,十分に検討されておらず,報告はほとんど存在しない。今回われわれはDVTにおける血栓残存のリスク因子を解析し,血栓の予後予測が可能か検討した。対象は血栓症が超音波検査にて指摘され,その後再び超音波検査で血栓の有無を確認した114症例…

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  • セフトリアキソン関連結晶による急性腎障害が疑われた成人症例

    新井 未来, 山本 誉, 古谷 善澄, 余根田 直人, 山田 佑真, 畑 久勝 医学検査 73 (1), 154-160, 2024-01-25

    <p>セフトリアキソン関連の尿中結晶または尿路結石症は小児で報告されているが,成人症例の報告は稀である。今回我々は,成人でセフトリアキソン投与中の患者に結晶尿を認めた症例を経験した。症例は90代,女性。左下肢蜂窩織炎に対しセフトリアキソン2 g/日投与中に尿量減少,尿に多量の浮遊物を認めた。尿沈渣検査で多数の黄褐色針状,凝集状,不規則板状の結晶が確認された。患者の臨床経過よりセフトリアキソン関連…

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  • 血液培養から<i>Anaerobiospirillum succiniciproducens</i>が分離された1症例

    竹村 さおり, 永田 肇, 蟹谷 智勝, 金森 李佳, 大楠 清文 医学検査 73 (1), 123-129, 2024-01-25

    <p>今回我々は,本邦で報告例の少ない<i>Anaerobiospirillum succiniciproducens</i>による血流感染症を経験したので報告する。症例は,predonisoloneの内服と糖尿病歴があり,イヌを飼育していた89歳女性。発熱と摂食不能を主訴に,当院を受診した。CTで右肺下葉に浸潤影があり,気管支肺炎の診断で入院した。血液培養を採取後,sulbactam/ampi…

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  • <i>Vibrio mimicus</i>菌血症の一症例

    田口 舜, 山口 健太, 矢野 智彦, 香月 万葉, 佐野 由佳理, 平野 敬之, 安波 道郎, 福岡 麻美 医学検査 73 (1), 168-173, 2024-01-25

    <p><i>Vibrio mimicus</i>は食中毒の原因菌で,海水,海泥,魚介類に分布する。海産物の摂取後に胃腸炎・下痢を引き起こすことが知られているが通常は軽症である。今回,血液培養から<i>V. mimicus</i>が分離された症例を経験した。我々が調べた限り,<i>V. mimicus</i>菌血症の報告は5例目となる極めて稀な症例であった。84歳男性。午前中より腹部膨満感があり,…

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  • マクロTSH血症により複数の測定試薬でTSH偽高値を呈した症例の検討

    中田 瞳美, 阿部 正樹, 俵木 美幸 医学検査 73 (1), 174-179, 2024-01-25

    <p>我々は,IgGの非特異的な反応により甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone; TSH)が偽高値を呈した症例を経験したので報告する。患者は88歳の女性で,初診時の採血結果はTSH 19.66 μIU/mL,遊離トリヨードサイロニン(free triiodothyronine; FT3)2.61 ng/dL,遊離サイロキシン(free thyroxine; …

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  • 大学生の発達面の特性およびストレス反応と唾液中バイオマーカーの関連

    内堀 恵美, 大久保 千惠, 米田 孝司 医学検査 72 (4), 513-521, 2023-10-25

    <p>目的:オキシトシンは,精神的な安らぎを与え,ストレス反応を抑え,人と交わったりする社会的行動への不安を減少させることが知られている。本研究では,大学生を対象として,発達面の特性およびストレスの状態と唾液バイオマーカーとの関連について分析し,発達障害の早期発見やストレス状態の把握のためのバイオマーカーとなる可能性を探った。方法:大学生の男女56人(年齢21~23歳)を対象とした。唾液採取を1…

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  • 日本人における人格特性と時計遺伝子多型の関連性についての検討

    青木 理詠, 金剛 左京, 三上 麻里奈, 西澤 大輔, 池田 和隆, 中山 京子, 小野澤 裕也, 岩橋 和彦 医学検査 72 (4), 487-491, 2023-10-25

    <p>時計遺伝子は,概日リズムを調節する遺伝子であり,朝型や夜型といった24時間周期の生体リズムを効率的に調節することが知られているが,精神疾患の危険因子となりうることも確認されている。この研究ではインフォームドコンセントを得た被験者から血液検体を採取した(男性n = 34,女性n = 107)。NEO-FFIパーソナリティおよびSTAIテストを実施し,CLOCK多型が人格の特性に関連しているか…

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  • エクルーシスFT3 III改良試薬を用いた測定干渉の影響検証

    立花 悟, 瀧田 尚子, 山﨑 望, 西原 温子, 吉田 博, 西原 永潤, 宮内 昭, 赤水 尚史 医学検査 72 (4), 549-556, 2023-10-25

    <p>多くの血中ホルモンの測定が免疫学的測定法で行われている。しかし,この測定法は使用する測定試薬により,測定値に乖離がみられる場合がある。その原因のひとつに,検体中のビオチンおよび試薬に含まれるストレプトアビジンに対する検体中の異好性抗体の影響がある。今回,測定値が乖離する原因を検討するため,異好性抗体の干渉を受けないように改良された電気化学発光測定法(以下,ECLIA法)を用いたエクルーシス…

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  • パラフィン包埋組織切片を用いた抗酸菌核酸増幅検査法の検討

    南 智也, 加藤 ゆり, 河村 規子, 赤城 ひろみ, 黒板 敏弘, 曽家 義博, 幸福 淳子, 村山 徹 医学検査 72 (4), 576-582, 2023-10-25

    <p>【目的】パラフィン包埋(FFPE)組織を用いた核酸増幅検査はカラム法での核酸抽出が煩雑で時間を要するため,実臨床であまり実施されないのが現状である。我々はFFPE組織からPCR法による抗酸菌検出・同定を試み,Zirconia beadsによる核酸抽出法(ビーズ法)の有用性についても検討した。【方法】培養,Ziehl-Neelsen(Z-N)染色ともに陽性の11例,培養,Z-N染色ともに陰性…

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  • 濾胞性リンパ腫治療中に骨髄像の鏡検を手がかりに治療関連APLと診断した1例

    小川 有里子, 西尾 美津留, 石井 寿弥, 宮木 祐輝, 上田 格弘, 村瀬 篤史, 綿本 浩一 医学検査 72 (4), 636-642, 2023-10-25

    <p>典型的な急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia; APL)は,t(15;17)(q24.1:q21.2)の染色体転座によって,<i>PML::RARA</i>融合遺伝子が形成される。しかし,稀に<i>RARA</i>遺伝子の微細領域が<i>PML</i>遺伝子に挿入されることにより,<i>PML::RARA</i>融合遺伝子は形成されるが,t(15;…

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  • MALDIバイオタイパーを用いた抗酸菌質量分析同定法における前培養固形培地と培養期間の検討

    猪坂 英里奈, 髙橋 由香, 安藤 ほなみ, 本橋 亜耶乃, 守屋 任, 黒川 正美, 目崎 和久, 荘司 路 医学検査 72 (4), 537-542, 2023-10-25

    <p>抗酸菌同定法において質量分析同定法は有用な方法であり広く活用されているが,前培養培地の種類や前培養期間について明確な推奨方法はない。そこで今回我々は,遅発育性抗酸菌である非結核性抗酸菌(SGM)・結核菌(MTB)グループと迅速発育抗酸菌(RGM)のグループに分けて培地と培養期間について検討を行った。使用培地は極東2%小川培地(小川培地)とバイタルメディア7H11-C寒天培地(7H11C平板…

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  • 当院輸血部での臨床検査技師による成分採血への取り組みについて―タスク・シフト/シェアによる臨床検査技師の診療貢献―

    浅野 栄太, 細野 裕未奈, 日比 由佳, 大橋 葉津希, 佐藤 弦士朗, 菊地 良介, 中村 信彦, 清水 雅仁 医学検査 72 (4), 583-587, 2023-10-25

    <p>成分採血(アフェレーシス)は,患者もしくは健常人ドナーから血液を成分採血装置へと取り込み,血液成分に分離した後,必要とされる血液成分のみを採取する採血方法のひとつとして行われている。これまで臨床検査技師は,成分採血業務に関わることはほとんどなく,その後の細胞調製業務や細胞の保管業務を中心とした業務をするにとどまっていたが,法改正によって臨床検査技師が多様な業務を実施することが可能になった。…

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  • 卓上顕微鏡に代わる病理組織学画像教育のためのスマートフォン撮影技術

    前河 裕一, 棚橋 伸行, 米田 操, 森下 芳孝 医学検査 72 (4), 614-618, 2023-10-25

    <p>近年,学習方法は多様化しており,顕微鏡スケッチからスマートフォン画像や仮想スライドなどのデジタルイメージング手法に移行する大学が増えています。ヘマトキシリン-エオジン染色標本を,光学顕微鏡の接眼レンズにスマートフォンのカメラを置き,距離を変えて異なる条件で撮影し,これらの写真から臓器が識別できるかどうかを検討した。光学顕微鏡倍率×100(低倍率)では,スマートフォンのカメラ倍率×1.0~×…

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  • 法的脳死判定を想定した日常準備の重要性

    伊藤 亜子, 林 智剛, 稲田 隆行, 西村 孝, 中森 恵, 岡 有希, 関根 綾子, 菊地 良介 医学検査 72 (4), 597-604, 2023-10-25

    <p>法的脳死判定は,本人の脳死下で臓器を提供する意思が存在するまたは不明であり,かつ,家族が脳死下臓器提供を承諾した場合において,2名以上の脳死判定医と検査を担当する臨床検査技師とで実施する。今回,当院において約11年ぶりとなる法的脳死判定が行われた。我々は脳波検査と無呼吸テスト時の血液ガス測定を担当したが,その際,法的脳死判定における医療従事者間の準備が極めて重要であったため,その経験を報告…

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  • 微生物感受性分析装置DPS192iXを用いた<i>Aerococcus urinae</i>の薬剤感受性試験の検討

    下地 真里有, 上地 幸平, 中野 安実, 与儀 翔平, 上地 あゆみ, 前田 士郎 医学検査 72 (4), 557-561, 2023-10-25

    <p><i>Aerococcus urinae</i>の薬剤感受性試験に関する検討報告は少ない。本検討では<i>A. urinae</i> 38株及び精度管理用標準菌株2株を対象とし,DPS192iXおよび対照法としたフローズンプレート‘栄研’(栄研化学)により各抗菌薬のMICを測定,その一致率を検討した。全抗菌薬におけるMICの±1管差以内の一致率(±1 Essential …

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  • 呼吸器材料より分離された<i>Streptococcus pneumoniae</i>の肺炎球菌ワクチン導入前後の血清型および薬剤感受性の比較

    鞠子 文香, 小倉 直也, 千島 里佳, 髙橋 敏宏, 武井 理美, 脇田 満, 田部 陽子, 中村 文子 医学検査 72 (4), 499-505, 2023-10-25

    <p><i>Streptococcus pneumoniae</i>は免疫機能が低下した小児や高齢者に重症感染症を引き起こす。本研究は,その侵入門戸となり得る呼吸器材料に限定して,本菌の血清型と薬剤感受性をワクチン導入前後で比較した。2007年から2009年をワクチン導入前,2016年から2018年をワクチン導入後とし,それぞれ375株と150株について解析した。その結果,沈降13価結合型ワクチ…

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  • 末梢血液細胞の形態学的直径の再検討と乾燥方法による直径への影響

    兜森 修 医学検査 72 (4), 570-575, 2023-10-25

    <p>各種書籍記載の末梢血液細胞の赤血球,血小板,白血球5分画の直径と健常人の末梢血液細胞の直径を比較検討した。方法は薄層塗抹標本を対象者8名(21~23歳)についてウエッジ法で作製後,MG染色を行い,その染色標本を用いて各細胞の直径をデジタル画像から計測した。さらに,乾燥方法についても強制乾燥と自然乾燥の2法について各細胞の直径を対象者で比較検討した。結果,末梢血液細胞のデジタル画像解析による…

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  • 半定量的分類と減衰係数を併用した脂肪肝評価

    菅 明子, 中鉢 由香, 森 由美, 永井 俊一 医学検査 72 (4), 532-536, 2023-10-25

    <p>目的:これまで脂肪肝の判定は,Bモード所見のみで行っていたが,Bモードによる半定量法と減衰法を併用して行うことで,脂肪肝の評価がどう変わったか検討を行った。方法:対象は当院で腹部超音波検査を行った1,169名中,減衰係数が測定できた1,039名。Bモードによる半定量法で軽度以上,減衰係数0.62 …

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  • <i>Streptococcus agalactiae</i>菌血症の臨床的特徴の解析

    加藤 雄大, 松本 美咲, 杉山 裕衣, 松久保 修, 永田 悠起, 木村 有里, 田中 浩一 医学検査 72 (4), 605-613, 2023-10-25

    <p><i>Streptococcus agalactiae</i>(Group B streptococcal; GBS)は高齢者や基礎疾患を有する成人の侵襲性感染症の原因菌として報告が増加しており,死亡率は8.47~11.58%程度と報告されている。中でも菌血症患者は非菌血症患者に比較して致死率が高いことが知られているが,GBS菌血症のみに着目した報告は少ないため,GBS菌血症を後方視的に解…

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  • 公開データからの臨床検査技師業務の需給予測

    古賀 秀信, 丸田 秀夫, 深澤 恵治, 益田 泰蔵, 佐藤 正一, 根本 誠一, 白石 元気 医学検査 72 (4), 522-531, 2023-10-25

    <p>我が国の総人口は減少に転じており,2007年に超高齢社会を迎えた。近年では情報技術や人工知能が大きく進歩し,新型コロナの流行も相まって予測不能な時代にいる。2024年度から医師の働き方改革が始まり,我々をとり巻く環境は絶えず,大きく変化している。この激動の中,臨床検査技師という仕事の需要と供給を把握しておくことは将来を見据える上で重要である。需要は2019年10月の推計人口を基準に,NDB…

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  • 臓器移植における補体依存性細胞傷害試験において偽陽性を示す抗CD20モノクローナル抗体の検討

    小林 悠梨, 石塚 敏, 笹野 まゆ, 髙柳 嘉代, 細羽 恵美子, 三浦 ひとみ, 石田 英樹, 江川 裕人 医学検査 72 (4), 492-498, 2023-10-25

    <p>臓器移植において,Rituximabはレシピエントに投薬することでB cell系の一部を枯渇化させ,一時的に抗体産生細胞への分化を抑制する働きがある。そのためドナー特異的抗体(DSA)となる新生抗体の産生抑制や,抗体関連型拒絶(ABMR)の予防および治療を目的に重要な役割を担う治療薬として使用されてきている。しかし,RituximabはDSAを検出する補体依存性細胞傷害試験(CDC-XM)…

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  • グループコミュニケーションアプリで立ち上げた認知症に興味がある臨床検査技師の集いの場の有用性調査

    河月 稔, 松熊 美千代, 新屋敷 紀美代, 西野 真佐美, 宮原 祥子, 深澤 恵治 医学検査 72 (4), 619-627, 2023-10-25

    <p>認知症に関する意見交換や情報共有ができる場としてグループコミュニケーションアプリであるBANDにて“認知症に興味のある臨床検査技師の集い”というグループを立ち上げ,2021年3月から運用を開始した。運用からある程度の年月が経過し,登録者数も増加してきたため,登録者にとって有用なものになっているかどうかをアンケート調査にて検証した。対象は2023年1月31日までにグループに登録している20歳…

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  • 臨床検査システム内物品管理ソフトを用いた管理体制の構築と導入効果

    吉野 歩, 橋本 剛志, 松元 亜由美, 本郷 剛, 一瀬 康浩, 吉原 正保 医学検査 72 (4), 588-596, 2023-10-25

    <p>【背景】在庫管理は診療やコスト管理上重要であるが,臨床検査での在庫管理に関する報告は稀である。本研究は検査システム内物品管理ソフト(管理専用システム)の導入効果を評価した。【方法,結果】2018年12月から2022年3月迄の試薬消耗品の使用履歴を対象とした。記録不備数,年度別の購入額,平均在庫期間(月別),在庫回転率,在庫額を評価した。記録不備は手書き1,465件,FileMaker …

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  • インターロイキン6の早期炎症マーカーとしての臨床的有用性の検討

    西原 ゆり, 佐々木 克幸, 西川 純子, 佐藤 郁美, 阿部 裕子, 藤巻 慎一, 藤原 亨, 張替 秀郎 医学検査 72 (4), 506-512, 2023-10-25

    <p>当院ICU入室患者を対象に,IL-6と他のバイオマーカーの推移を比較し,IL-6の炎症早期マーカーとしての有用性を検討した。ICU入室日から5日間の各マーカーの変動を評価したところ,IL-6はPCT,CRP,SAAに比べICU入室後早期に出現し,その後漸減する傾向を示すことが確認された。この傾向は手術の緊急性や感染の有無に関わらないことから,IL-6は炎症早期マーカーとして有用であることが…

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  • 統合型GISよこはまっぷを利用したインフルエンザ感染症に関する考察

    青野 実, 横山 涼子, 大久保 一郎, 後藤 寛 医学検査 72 (3), 395-406, 2023-07-25

    <p>横浜市では,新たに統合型GISよこはまっぷ(PasCAL for LGWAN)を2022年3月から公開している。従来からインフルエンザ感染症によるGISの利用を図ってきたが,今回の更新による機能等の追加で,若干の知見が得られたので報告する。本研究の目的は,インフルエンザ感染症の流行の可視化を新規性のあるGISとして実現することである。方法としては,従来の登録システムを改修して,データや運用…

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  • Hybrid closed loop療法により血糖管理を行った暁現象を認める1型糖尿病患者の1症例

    村越 大輝, 大石 祐, 久住 裕俊, 平松 直樹 医学検査 72 (3), 434-439, 2023-07-25

    <p>暁現象は,夜間にインスリン拮抗ホルモンの分泌が増加することで,明け方に血糖値が上昇することであり,内因性インスリン分泌が低下している1型糖尿病患者では高血糖を引き起こす原因となる。暁現象により血糖コントロールが安定しない場合はCSIIでの管理が推奨される。今回,暁現象の影響を軽減するためにSAP療法を行っていた患者のHCL療法への切り替えを経験した。症例は60歳代女性,MDIでは暁現象によ…

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  • 神経耳科学的検査にて上半規管裂隙症候群と診断された1症例

    井下 里香, 園山 徹, 小野田 裕志, 上田 直幸, 森本 恭子, 福井 佳与, 荒瀬 隆司 医学検査 72 (3), 458-464, 2023-07-25

    <p>神経耳科学的検査の結果,上半規管裂隙症候群(superior canal dehiscence syndrome; SCDS)の診断に至った1例を経験したので報告する。SCDSはCTにて上半規管瘻孔の有無を確認することで,疾患を疑うことが可能であるが,上半規管の骨菲薄化は,健常人でも加齢に伴い生じることがある。そのため骨欠損が疑われても,実際は薄い骨壁に覆われており骨欠損が存在しないことも…

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  • 抗リン脂質抗体による炎症性細胞増幅作用の検討

    石丸 春奈, 金重 里沙, 瀬分 望月, 本木 由香里, 野島 順三 医学検査 72 (3), 358-364, 2023-07-25

    <p>抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome; APS)は,患者血中に抗リン脂質抗体群(antiphospholipid antibodies; aPLs)が出現することにより,動・静脈血栓症や妊娠合併症など多彩な合併症を発症する自己免疫疾患であるが詳細な病態発症機序は未だ解明されていない。本研究では,患者血漿から精製したIgG-aPLsを用いて血栓形成や血管炎…

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  • 関節液中結晶の検出・同定に対する保存影響の検討

    片山 裕大, 小笠原 志朗, 吉田 啓一, 口広 智一 医学検査 72 (3), 413-418, 2023-07-25

    <p>結晶誘発性関節炎の代表である尿酸ナトリウム(MSU)結晶による痛風,ピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶による偽痛風は,関節液中結晶鏡検で確定できる。これを目的とした関節液は数日の冷蔵保存が可能との報告はあるが,我々が調査した限り本邦において結晶の経時的変化を述べた文献はなかった。そこで,関節液保存による結晶の経時的変化を検討した。2020年5月~2022年10月の期間に当院検査室に提出さ…

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  • 関節液中に多量のハイドロキシアパタイト結晶を認めた1症例

    橋本 綾, 松本 正美, 田中 佳, 杉永 純一, 吉野 直美, 古市 賢吾, 飯沼 由嗣 医学検査 72 (3), 440-445, 2023-07-25

    <p>関節液中にみられる結晶は尿酸ナトリウム結晶とピロリン酸カルシウム結晶が広く知られているが,まれにハイドロキシアパタイト結晶(以下,HA結晶)などの塩基性リン酸カルシウム結晶により関節炎を引き起こすことがある。今回巨大異所性石灰化を膝関節に認め,関節液検査にて多量のHA結晶を検出した症例を報告する。維持血液透析中の30歳代男性で,1ヶ月前より左膝に認めていた腫瘤が徐々に増大,自壊し白色の膿性…

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  • 血管内溶血を示した<i>Clostridium perfringens</i>による敗血症の1例

    青木 愛子, 石井 里子, 大倉 一晃, 髙橋 真帆, 酒泉 裕 医学検査 72 (3), 446-451, 2023-07-25

    <p>症例は100歳女性。心窩部痛を主訴に当院を受診した。受診時,意識清明だったが,顔面蒼白で血圧低下を認めたため輸液が開始された。血液検査のために提出された採血検体は強い溶血を呈しており,再採血を含め3回の採血を行ったが,いずれも著明な溶血が認められた。また,尿定性で潜血3+,尿沈渣でRBC 1個未満/HPFと溶血の存在が示唆された。その後,症状の改善がみられず,意識レベルの低下,頻呼吸を認め…

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  • 歯性感染症が契機と考えられた<i>Aggregatibacter aphrophilus</i>による脳膿瘍の一症例

    釼 祐一郎, 山﨑 敦子, 阿部 瑛紀子, 澁谷 さやか, 杠 祐樹, 田矢 一帆, 角坂 芳彦, 神田 晃 医学検査 72 (3), 471-475, 2023-07-25

    <p>58歳男性,右大臼歯抜歯1か月後に左上下肢の麻痺と頭痛を認め,近医にて頭部MRI検査を施行したところ,右大脳半球周囲に多発性腫瘤を指摘され,当院に紹介された。穿頭ドレナージ術が施行され,ドレナージ排液よりグラム陰性小桿菌を認めた。グラム染色形態ならびに歯科治療歴から<i>Haemophilus</i>属を疑い,meropenemによる治療が開始された。分離菌は質量分析装置により,<i>Ag…

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  • 当院で経験した重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の8症例

    山谷 由香里, 清重 篤志, 佐々木 瞳, 大井 幸子, 吉岡 豊道, 和田 進 医学検査 72 (3), 374-381, 2023-07-25

    <p>重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome; SFTS)は,マダニが媒介するSFTSウイルスによって引き起こされる新興感染症である。中国をはじめ,東南アジア地域でも感染が確認されるようになり,特に本邦では西日本に偏在し分布している。今回我々は2019年6月から2021年7月の間に,島根県西部地区を医療圏域としている当院に…

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  • 薬剤感受性試験と生化学的性状から<i>Pseudomonas otitidis</i>を推定した菌血症の1症例

    喜納 莉華子, 知花 優香里, 松田 賢也, 八幡 照幸 医学検査 72 (3), 452-457, 2023-07-25

    <p>50歳代女性。乳がん,骨転移のため化学療法中であった。来院1か月前から腹痛を認め,血液検査とCT検査の結果,閉塞性黄疸と診断され入院となった。内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)にて胆管ステントを留置後に発熱を認め,血液培養が採取された。培養18時間後に血液培養からグラム陰性桿菌が検出され,VITEK2により<i>Pseudomonas …

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  • フローサイトメトリークロスマッチにおける2施設間の比較検討

    丸山 美津子, 坂倉 立紀, 金本 人美, 橋口 裕樹, 西川 晃平, 松本 剛史, 大石 晃嗣 医学検査 72 (3), 407-412, 2023-07-25

    <p>フローサイトメトリークロスマッチ(flow cytometry crossmatch; FCXM)は腎移植術前の組織適合性検査として広く行われている。しかしFCXMの操作手順・判定基準は標準化されていないため各施設において異なり,Quality Controlも充分とは言えない。今回,当院におけるFCXMの検査精度を検証し,施設間差を是正するため,当院と福岡赤十字病院にて施行した生体腎移植…

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  • 東北医科薬科大学病院検査部におけるインシデント発生時の取り組み―ISO 15189の活用例―

    三浦 りり佳, 小堺 利恵, 髙橋 伸一郎 医学検査 72 (3), 419-425, 2023-07-25

    <p>医療機関において医療事故防止と医療の質を高めるため,安全管理に関する充実と強化が求められるようになってきている。その中で,国際規格ISO 15189(ISO)が品質改善ならびに検査過誤防止に大きな役割を果たしていることが報告されている(臨病理,2010,2018)。当施設では2019年1月にISOを認定取得した。インシデントの発生件数を年別に調査した結果,2017年27件,2018年30件…

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  • 全自動尿分析装置US-3500における尿色調判定アルゴリズム改良後の性能評価

    岡 有希, 松野 寛子, 加藤 洋平, 石田 真理子, 白上 洋平, 渡邉 崇量, 菊地 良介, 大倉 宏之 医学検査 72 (3), 390-394, 2023-07-25

    <p>尿定性検査における尿色調の判定は,装置判定と実際の色調に差異が生じるケースがある。特に「RED」および「OTHER」と判定される例で実際の色調と異なることが課題となっていた。そこで我々は,栄研化学株式会社が改良した色調判定アルゴリズムを適用した全自動尿分析装置US-3500の色調判定機能の性能評価を行った。当院検査部に提出された1,190検体を対象とし,測定した色調結果の収集および測定後の…

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  • <i>Haemophilus influenzae</i>血清型eによる侵襲性インフルエンザ菌感染症の1症例

    河原 菜摘, 山口 尚子, 上田 かさね, 瀬筒 彩音, 壇 怜哉, 伊藤 達章 医学検査 72 (3), 465-470, 2023-07-25

    <p><i>Haemophilus influenzae</i>血清型e(Hie)による侵襲性インフルエンザ菌感染症の1症例を経験した。患者は80歳代女性。末期腎不全による血液透析のため,当院腎臓内科に外来通院中であった。当院にて血液透析中に発熱し,細菌感染が疑われた。当日採取した血液培養2セット(3本)および喀痰培養より<i>H. …

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  • HbA1cを指標とした糖尿病教室9年間の活動の評価

    澤田 美雪, 兼松 健也, 鈴木 紫帆, 増田 友紀, 中村 文子, 杉原 匡美, 吉井 秀徳 医学検査 72 (3), 325-330, 2023-07-25

    <p>「糖尿病教室」は,患者治療の一環として実施される生活指導の場である。しかし,通院は時間的・身体的な負担が大きく,続かないことも経験される。そこで糖尿病教室の受講状況とヘモグロビンA1c(HbA1c)の関連を後方視的に解析し,有効かつ実践的な糖尿病療養指導のあり方を検証した。対象は2013年から2021年までに当センター糖尿病・内分泌内科主催の糖尿病教室を受講し,HbA1cを測定し得た339…

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  • 子宮頸部擦過細胞診に対する用手法liquid-based cytology導入と適用可能性についての検討

    瀬戸口 知里, 梅澤 敬, 館川 夏那, 山本 容子, 林 榮一, 山村 信一, 熊谷 二朗 医学検査 72 (3), 365-373, 2023-07-25

    <p>目的:子宮頸部擦過細胞診に用手法LBCを導入し,専用機器によらず用手的にてLBCとする方法の確立を試みた。方法:研究実施施設における子宮頸部擦過細胞診3,383件を対象とした。サーベックスブラシ<sup>TM</sup>により採取し専用バイアルに回収した検体を用手法LBCによってLBC標本とした。細胞像をベセスダシステム2014により判定し,標本の品質を評価するとともに,不適正検体率とその…

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  • 滋賀県における細胞検査の現状および法改正から思案する地域サーベイの役割について

    吉田 章子, 田口 一也, 籠谷 亜希子, 山内 盛正, 重野 恭子, 吉田 友理子, 山口 大, 白瀬 智之 医学検査 72 (3), 426-433, 2023-07-25

    <p>背景:滋賀県の細胞検査における実態を知る目的で,地域サーベイによる10年間の外部精度管理結果およびアンケート集計結果を分析した。方法:精度管理は4枚の顕微鏡写真と臨床所見を提示したフォトサーベイにより行った。解答は5個の選択肢より選び,解答へ至った細胞所見の記載も求めた。また,近年の概念である「精度保証」を意識し,直近2年は「検体適否」に関する設問も設けた。アンケートでは各施設に所属する細…

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  • <i>Yersinia enterocolitica</i>の血清型・生物型と選択分離培地における発育コロニー性状の関係

    大野 智子, 末松 寛之, 坂梨 大輔, 山田 敦子, 川本 柚香, 宮﨑 成美, 山岸 由佳, 三鴨 廣繁 医学検査 72 (2), 167-172, 2023-04-25

    <p><i>Yersinia enterocolitica</i>は,乳糖非分解でSS寒天培地上は無色透明の集落を形成する。しかし,2016年に回盲部炎患者の便からSS寒天培地上で乳糖を分解する<i>Y. enterocolitica</i>を分離・同定する経験をした。その後,同様集落を積極的に釣菌・同定した結果,5株の乳糖分解株を分離した。SS寒天培地上に<i>Y. …

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  • 造影超音波検査が有用であった肝原発DLBCLの1例

    手嶋 翔一朗, 西浦 哲哉, 小林 真未, 藤田 寿之, 牧野 謙二, 長岡 進矢, 三浦 史郎, 伊東 正博 医学検査 72 (2), 272-280, 2023-04-25

    <p>症例は70歳代男性。肺炎で前医通院中に肝腫瘤を指摘され,4か月後のCT検査で急速な増大所見を認めたため精査目的で当院紹介となった。腹部超音波検査では,肝S4を主座に最大径8 cmの充実性腫瘍を認め,境界明瞭で,辺縁に切れ込みを有する分葉状を呈していた。内部は低輝度均一で,高輝度領域が混在していた。後方エコーは増強し,腫瘍内部を既存の末梢脈管が走行していた。造影超音波検査では動脈相優位相で腫…

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  • 先天性血友病A患者におけるエミシズマブ投与によるトロンボエラストグラフィ測定結果の変化

    平康 雄大, 岡田 真由美, 箕浦 直人, 原 嘉秀, 市川 貴之, 辻本 弘, 神波 信次, 古田 眞智 医学検査 72 (2), 216-222, 2023-04-25

    <p>血友病Aに対する新規治療薬として用いられているヘムライブラ<sup>®</sup>(エミシズマブ)は,活性型血液凝固第IX因子(FIXa)と血液凝固第X因子(FX)に対する遺伝子組換えヒト化二重特異性モノクローナル抗体(バイスペシフィック抗体)で,凝固第VIII因子(FVIII)の補因子機能を代替することで血液凝固反応を促進させ,出血傾向の抑制をもたらす。エミシズマブは凝血学的検査で一般的…

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  • フラグメント解析による<i>CALR</i>遺伝子変異検出の性能評価と変異アリル頻度測定に関する検討

    根岸 達哉, 重藤 翔平, 松田 和之, 宮﨑 あかり, 紺野 沙織, 仁科 さやか, 中澤 英之, 上原 剛 医学検査 72 (2), 182-190, 2023-04-25

    <p>Calreticulin遺伝子(<i>CALR</i>)変異は,本態性血小板血症,原発性骨髄線維症において,Janus kinase 2遺伝子(<i>JAK2</i>)V617F変異に次いで多く認められる遺伝子変異である。本遺伝子変異の検出は,これらの疾患の確定診断に重要なだけでなく,変異の種類から病型や予後の予測に利用できる。今回,フラグメント解析による<i>CALR</i>遺伝子変異検…

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  • 迅速SARS-CoV-2増幅アッセイAbbott ID NOWの性能評価

    岡田 知己, 土屋 浩二, 竹村 浩之, 脇田 満, 藍 智彦, 三澤 成毅, 田部 陽子, 三井田 孝 医学検査 72 (2), 243-247, 2023-04-25

    <p>等温核酸増幅法であるNicking Enzyme Amplification Reaction(NEAR)法を測定原理とする迅速SARS-CoV-2検査「ID NOW新型コロナウイルス2019」(ID NOW)の性能と臨床的有用性を検証した。2021年2月1日~8月25日の間に順天堂大学医学部附属順天堂医院(東京)を受診した救急外来患者および緊急手術患者673例を対象とした。同一症例から同…

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  • SARS-CoV-2抗原定量検査の活用方法と有用性の検証

    村田 竜也, 小原 健吾, 鹿嶋 聖, 平井 未来, 丸山 恭平, 池田 光泰, 福岡 達仁, 湯尻 俊昭 医学検査 72 (2), 205-209, 2023-04-25

    <p>現在,SARS-CoV-2検出において逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(reverse transcription polymerase chain reaction; RT-PCR)検査が最も検出感度に優れていると言われている。一方で,SARS-CoV-2抗原定量検査(以下,抗原定量検査)は,RT-PCR検査に比べ測定時間が短く(約20分),多検体の測定も可能である。今回,当院で実施した抗原定…

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  • メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患患者の尿沈渣中に異型細胞を認めた1症例

    永川 翔吾, 酒井 瑠美子, 石川 道子, 嶋田 裕史, 小川 正浩 医学検査 72 (2), 294-300, 2023-04-25

    <p>関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)患者においてメトトレキサート(methotrexate; MTX)は高い有効性のある薬剤であるが,その一方で様々な副作用も存在する。その一つとしてリンパ増殖性疾患(lymphoproliferative disorders; LPD)が知られており,MTXを中止することで病変部が消失するという特異な特徴がある。今回我々はMTX…

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  • タスク・シフトの一環として始めた輸血関連情報カード説明

    水野 友靖, 西尾 美津留, 上田 知仁, 立花 智子, 川島 大輝, 宮木 祐輝 医学検査 72 (2), 264-271, 2023-04-25

    <p>【はじめに】輸血関連情報カード(以下,カード)は臨床的意義のある抗体を保有する患者に対してその旨を記載したカードを発行し携帯させることで遅発性溶血性輸血反応防止に役立つ。カード導入にあたり,タスク・シフトの一環として検査技師がカード説明をすることを輸血療法委員会へ提案し承認された。導入に至る経緯,準備,導入後の実績について報告する。【決定事項】1.カードは輸血部門システムより発行。2.説明…

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  • 全自動尿中有形成分分析装置UF-5000におけるAtyp.Cと尿細胞診,尿沈渣の比較検討

    酒井 瑠美子, 石川 道子, 松本 慎二, 嶋田 裕史, 小川 正浩 医学検査 72 (2), 210-215, 2023-04-25

    <p>尿検査は代表的な無侵襲検査であり病気を推測するための検査として広く利用されている。最近では尿沈渣検査の効率化,迅速化のために自動分析装置を導入する施設が増えている。使用する際は自動分析装置の検出限界を見極め,結果の信頼性が低い検体は鏡検による尿沈渣検査を実施しなければならない。全自動尿中有形成分分析装置UF-5000におけるAtyp.C(atypical …

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  • 著明な右心不全を呈した劇症型心筋炎の1例

    松田 浩明, 廣井 綾子, 荻野 千尋, 松井 愛良, 羽原 利幸, 中野 学, 戸田 博子, 瀬﨑 伸夫 医学検査 72 (2), 306-312, 2023-04-25

    <p>症例は40代の男性。主訴は悪寒,発熱,呼吸困難,胸部違和感。経胸壁心臓超音波検査(transthoracic echocardiography; TTE)では,左室は壁運動のびまん性高度低収縮と対称性左室肥大を認めた。また,右室にも壁運動低下を認めた。劇症型心筋炎(fulminant myocarditis; …

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  • 改良Meixner試験による自然毒成分α-アマニチンの検出性能に関する基礎的検討

    岡田 光貴, 松尾 佳乃, 福田 篤久, 竹下 仁 医学検査 72 (2), 173-181, 2023-04-25

    <p>α-アマニチン(AMA)は主としてドクツルタケ(AV)等の毒キノコが有する自然毒成分である。我々はAMAの定性法であるMeixner試験の性能を検証した。過去の文献を参照したが,Meixner試験の詳細な手法に関する情報が乏しかった。そこで,我々は本試験の手順書を改めて独自に作製し,これを改良Meixner試験と名付けた。本研究の検体には,AMAを蒸留水(DW),ヒト尿,およびヒト血清にて…

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  • 尿沈渣に中皮細胞を認めたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP)後吻合部尿漏の1例

    松岡 拓也, 八尋 真希子, 杉谷 拓海, 中川 美弥, 神尾 多喜浩, 福井 秀幸 医学検査 72 (2), 287-293, 2023-04-25

    <p>中皮細胞は尿路と腹腔との交通が生じた場合,尿沈渣で認めることがある。今回われわれは,ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP)後に生じた吻合部尿漏により尿が腹腔に貯留し,尿沈渣で中皮細胞を検出した症例を経験したので報告する。症例は前立腺癌でRARPを施行した70代男性で,3日前から食欲不振と嘔気が出現した。退院時の採血結果と比較して血清K,BUN,CRE,CRPの急激な上昇を認め,腹水…

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  • 胆汁培養および血液培養から<i>Haemophilus influenzae</i>(BLNAR)を検出した胆管炎の1例

    大橋 有希子, 畑中 重克, 河村 美里, 竹中 ゆり子, 野中 伸弘 医学検査 72 (2), 301-305, 2023-04-25

    <p>症例は67歳,男性。肝門部胆管癌と診断されており,治療のため当院に通院していたが,今回歩道で倒れているところを発見され緊急搬送となった。胆管炎および敗血症性ショックと診断され,初期治療にMeropenemが投与された。入院時に採取した血液培養のグラム染色ではインフルエンザ桿菌を疑うグラム陰性小桿菌が認められ,内視鏡的胆道ドレナージで採取した胆汁検体からも同様のグラム陰性小桿菌が単独で認めら…

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  • 当院で分離されたマラセチア属の解析

    栁 政希, 山田 明輝, 橋倉 悠輝, 猪﨑 みさき, 川上 恵, 惠 稜也, 梅北 邦彦 医学検査 72 (2), 191-196, 2023-04-25

    <p>マラセチアは皮膚に常在する酵母様真菌で,癜風やマラセチア毛包炎,脂漏性皮膚炎,アトピー性皮膚炎などの起炎菌になりうる。しかしながら,脂質要求性であるため従来の培養法では分離が困難であることやマラセチア属の形態および生化学的所見は類似しており,表現形のみで菌種同定は難しく,菌種同定に至らないことが多い。菌種同定法として分子生物学的手法が用いられるが,利用できる施設が限られている。近年では,専…

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  • 酵素法による尿中馬尿酸測定試薬の実用化検討

    藤本 一満, 馬場 利明, 姫野 美保, 西川 悦司 医学検査 72 (1), 11-18, 2023-01-25

    <p>トルエンの代謝産物である尿中の馬尿酸(hippuric acid; HA)測定は,有機溶剤健康診断の中で最も対象者が多く,最低6ヶ月に1回の検査実施が義務化されている。現在,HA濃度はHPLC法によって測定されているため処理能力が低く,かつ特殊装置と技術が要求される。今回,HA測定の迅速性と簡便性を目的として,汎用生化学自動分析装置で測定できる酵素法試薬を考案した。本試薬をJCA-BM80…

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  • Microsoft Excelを用いた病理染色標本の比較解析アプリケーション開発

    中村 広基 医学検査 72 (1), 43-54, 2023-01-25

    <p>作製した染色標本の再現性や適否の評価は,臨床検査技師や病理医が実際に顕微鏡で確認して判断している。しかし,この方法は個々の経験差や好みなどに大きく依存するため,標準化が非常に困難である。染色標本を標準化するためには,客観的な評価を行う方法を確立する必要があると考えた。そこで,解析アプリケーションを作製し,染色標本の撮影画像から代表する色値を算出して比較する解析方法を考案した。このアプリケー…

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  • 溶血による生化学検査への影響と溶血度判定値の設定

    大倉 一晃, 長部 真帆, 石田 美雪 医学検査 72 (1), 115-122, 2023-01-25

    <p>検体の溶血は検査測定値に影響を与えるため,検体の血清情報を臨床に報告することは検査値を解釈する上で重要である。今回,検体の溶血による生化学検査項目への影響の確認を行い,溶血が検査測定値に影響を与えていることを意味する,溶血コメント付加開始点を定め,生化学自動分析装置の溶血度判定値の設定を検討した。採血及び研究使用に同意を得た5人からヘパリンナトリウム血液と血清を得,10段階の血清溶血液を作…

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  • 尿中のメラニン顆粒含有細胞の形態学的特徴とその鑑別法

    太田 達也, 加藤 節子, 山内 昭浩, 今井 律子, 星 雅人 医学検査 72 (1), 148-154, 2023-01-25

    <p>悪性黒色腫は皮膚や頭頸部に好発し,最も予後の悪い腫瘍の一つである。本腫瘍の尿路生殖器への転移性病変は,生存中に発見されることは比較的稀である。今回,我々は生存中の悪性黒色腫患者で尿沈渣中にメラノーマ細胞およびメラノファージを認め,多発転移を見つける契機となった症例を経験したので報告する。症例は70歳代男性。外来受診時の尿検査で尿沈渣中に特徴的な異型細胞を認めた。尿沈渣に認めた異型細胞は,N…

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  • フローチャートを用いて検者の判断の統一を図った基準嗅力検査の検討

    芳田 梓, 細矢 慶, 加藤 政利, 中島 愛, 中村 利枝, 林 綾子, 秀永 陸奥子, 小伊藤 保雄 医学検査 72 (1), 77-82, 2023-01-25

    <p>基準嗅力検査(T&Tオルファクトメトリー)は,T&Tオルファクトメーター(第一薬品産業株式会社)を用いた検査で,嗅覚障害の程度や治療効果の評価をするために重要である。近年,臨床検査は精度管理や標準化が求められているが,T&Tオルファクトメトリーは,操作が煩雑で,検者の手技や判断により検査結果が異なる可能性が指摘されている。今回我々は,日本医科大学多摩永山病院独自のT&Tオルファクトメトリー…

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  • ハイブリッドクローズドループ療法を用いて血糖管理を行った1型糖尿病の1症例

    久住 裕俊, 大石 祐, 村越 大輝, 平松 直樹 医学検査 72 (1), 135-140, 2023-01-25

    <p>1型糖尿病患者におけるCSII・SAP療法は,個々の必要量に応じた基礎インスリンの調節が可能となるため,生理的インスリン分泌に近いインスリン投与が行える治療法である。2022年1月よりRT-CGMより得られたセンサーグルコース値に基づき,基礎インスリン量を自動調節するテクノロジーであるハイブリッドクローズドループを搭載したインスリンポンプが本邦で認可された。当院では,インスリンポンプの導入…

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  • 頸動脈内膜剥離術における術中モニタリング波形と頭部MRA所見の関係

    橋本 光弘, 近藤 規明, 井澤 和美, 柴田 一泰, 高須 俊太郎 医学検査 72 (1), 55-60, 2023-01-25

    <p>頸動脈内膜剥離術(CEA)中の頸動脈血流遮断時には脳虚血による合併症を生じるリスクが避けられない。術側の内頸動脈血流遮断時の脳虚血の程度は,非術側の血管系からの血流供給の程度に依存すると考えられている。本研究では,頭部磁気共鳴血管撮影(MRA)で描出されるWillis動脈輪前方の画像所見と術中モニタリングとして実施された体性感覚誘発電位(SEP)および運動誘発電位(MEP)の波形との関連に…

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  • 尿中硝子円柱生成機序の解明

    星 雅人, 宇佐美 真奈, 鬼頭 慧, 堺澤 恵子, 松田 唱吾, 下山 祐里奈, 坂野 容菜, 太田 達也 医学検査 72 (1), 33-42, 2023-01-25

    <p>尿中硝子円柱は,円柱類の中で最も遭遇する頻度の高いものであり,健常人でも少量認められることがある。尿中硝子円柱の検出は,近年様々な病態の推定に有用であることが報告されているにも関わらず,その生成機序や構成成分については十分に理解されていない。本研究では,試験管内における様々な硝子円柱生成条件の検討とレーザーマイクロダイセクション法を使用した,硝子円柱構成成分の同定を目的とした。硝子円柱は,…

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  • 急性薬物中毒患者の重症化予測因子の探索

    森永 睦子, 片岡 浩巳, 通山 薫 医学検査 72 (1), 25-32, 2023-01-25

    <p>救急医療の現場では,意識障害,ショック患者に薬物が関与している場合がある。原因検索の一手段として薬物検出検査は有用であるがこれらの分析は精密機器を使用しているため操作が煩雑であり検査結果報告および手技の取得に時間と人員およびコストを要する。そのためどの施設でも直ぐに測定を確立するのは簡単ではない。そこで,一般的に測定される臨床検査項目やバイタルサイン等の病態パラメータ,病歴,薬歴および治療…

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  • 免疫血清項目の4社機器・試薬の比較―甲状腺関連検査項目:TSH,FT4,FT3―

    笠原 裕子, 石原 有理, 下坂 浩則, 吉川 直之, 小野 佳一, 蔵野 信, 矢冨 裕, 飛田 明子 医学検査 72 (1), 105-114, 2023-01-25

    <p>甲状腺関連検査(TSH, FT4, FT3)は,その検査値のみで治療目標基準を設定しているガイドラインがあることから,試薬間差の軽減・解消が要求される項目である。しかしながら,抗原抗体反応による免疫学的測定法を利用しているため,測定機器や試薬により測定結果に多少の相違が生じうるという問題がある。国際臨床化学連合の甲状腺機能検査標準化委員会(IFCC …

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  • 抗ピロリ抗体検査における偽陰性疑い症例の検討

    井上 鈴花, 湯浅 和久, 小澤 晃, 宮本 卓馬, 丹 美玖, 北爪 洋介, 舩津 知彦, 櫻井 信司 医学検査 72 (1), 123-127, 2023-01-25

    <p>LIA法の抗ピロリ抗体検査試薬(H.ピロリ-ラテックス「生研」)は,カットオフ値が10.0 U/mLに設定されているが,実際は抗体陰性例中にもピロリ菌現感染症例が少数存在することが報告されている。今回,抗体価陰性高値例と低値例における現感染疑い症例の存在について,同時期に実施された内視鏡所見の再評価により検証した。対象は,過去に除菌歴,胃がんの既往がなく,当院の検査で抗ピロリ抗体陰性(< …

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  • <i>Mycobacterium avium</i> complex検出のためのデジタルPCR検査の有用性

    西尾 美帆, 藤原 研太郎, 中村 早希, 辻 佐江子, 宇城 研悟, 伊藤 健太郎, 西井 洋一, 畑地 治 医学検査 72 (1), 61-67, 2023-01-25

    <p>【目的】デジタルPCR(digital PCR; dPCR)は,微細なウェルにサンプルを分配してPCRを行い遺伝子の絶対数を定量する方法である。これまでdPCRを用いた結核菌の検出に関する報告は散見されるものの,<i>Mycobacterium avium</i> complex(MAC)を対象とした報告はない。今回我々は,dPCR法を用いたMAC検出について培養法およびTRC法と比較し,…

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  • 高度の好酸球増多症を伴うIgG4関連疾患の1例

    山本 加菜, 丸田 淳子, 伊藤 有紀子, 横山 繁生 医学検査 72 (1), 141-147, 2023-01-25

    <p>高度の好酸球増多を伴うIgG4関連疾患(IgG4-RD)の1例を報告する。症例は70歳代女性。他院でIgG4-RDが疑われ,経過観察中に両側の顎下腺腫大を認めたため精査目的で当院を受診した。高IgG4血症(3,420 mg/dL)と高度の白血球増多症(115.2 × 10<sup>9</sup>/L)を認めたが,自動血球分析装置では好中球と好酸球を算出できなかった。目視法で好酸球は全白血球…

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  • ファイザー社製新型コロナウイルスワクチン2回接種後の健常者における,副反応の程度と抗体量との関連

    堀 憲治, 広瀬 佳子, 宮原 祥子, 征矢 佳輔, 鈴木 貴典, 北原 早紀, 吉澤 聡美, 竹内 信道 医学検査 72 (1), 128-134, 2023-01-25

    <p>新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の抑止と重症化予防においてワクチン接種が広く進められているが,接種後の発熱,頭痛,倦怠感などの副反応は一般市民の大きな不安要素の1つである。そこでファイザー社製mRNAワクチンを2回目接種した当院職員269名を対象とし,副反応の程度と,接種後一定期間後の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質S1サブユニット受容体…

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  • 簡易紫外線ランプ(ブラックライト)を用いた尿中蛍光物質の検出,確認(IV)―尿沈渣中の蛍光物質(2)―

    滝澤 旭, 佐々木 文雄, 小池 和弘, 奥田 瞬治, 藤原 寛太, 大沢 伸孝 医学検査 72 (1), 90-96, 2023-01-25

    <p>我々は,尿沈渣中に蛍光を持った結晶や外来性物質の存在することについて報告している。今回,核塩基の代謝産物であるキサンチン結晶,2,8-DHA(2,8-dihydroxyadenine)結晶,経口抗菌剤として知られるトスフロキサシン結晶,蛍光を持つ塩類・結晶円柱,また,人毛や爪,皮膚由来の角化細胞なども青白蛍光色を持つことを確認した。市販の尿酸は板状無色に近い結晶で弱い青白蛍光色を示した。今…

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  • 高速液体クロマトグラフィーによるフグ毒テトロドトキシンの検出と定量に関する基礎的検討

    岡田 光貴, 福田 篤久, 竹下 仁 医学検査 72 (1), 1-10, 2023-01-25

    <p>テトロドトキシン(TTX)は主としてフグ科魚類が有する神経毒である。TTXが原因の食中毒は近年でも多く見られるが,医療施設においてそれら食中毒患者の生体試料中TTXの測定はほとんど実施されていない。そこで,我々は陰イオン交換カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を活用して生体試料中のTTXを検出・定量する手法の構築を試みた。我々が構築したHPLC分析系では,保持時間が0…

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  • セルブロックを活用した関節液結晶成分の保存方法と教育への応用

    蜂須賀 大輔, 土井 昭夫, 服部 聡, 平田 基裕, 岩﨑 卓識, 長嶌 和子, 星 雅人 医学検査 72 (1), 83-89, 2023-01-25

    <p>関節液検査は,関節液貯留の原因を特定する目的で実施されており,特に結晶分類は結晶誘発性関節炎の診断に有用である。しかし,関節液検査についての精度管理や教育活動は十分に普及していない。その原因として,関節液検査の依頼件数が少ないことや,検体の保存が困難なことが挙げられる。本研究では,関節液中にピロリン酸カルシウム結晶(以下,CPPD結晶)または尿酸ナトリウム結晶(以下,MSU結晶)を認めた検…

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  • AIA-CL1200を用いた可溶性インターロイキン2受容体(sIL-2R)測定試薬の検討について

    中田 瞳美, 俵木 美幸, 阿部 正樹, 中田 浩二 医学検査 72 (1), 97-104, 2023-01-25

    <p>可溶性インターロイキン2受容体(soluble interleukin-2 receptor; sIL-2R)は,非ホジキンリンパ腫や成人T細胞性白血病の診断補助や治療効果の判定に有用とされている。今回,東ソー株式会社より化学発光酵素免疫測定法を原理とし,15分間で測定可能な試薬が開発された。本研究では,全自動化学発光酵素免疫測定装置AIA<sup>®</sup>-CL1200を用いた本試…

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  • カニクイザルとゲッチンゲンミニブタの骨髄細胞分類へのヒト骨髄細胞分類基準の適用に関する検討

    中村 大地, 大石 桃, 山口 眞生子, 西原 義人, 岡崎 恵美, 水口 浩康, 小林 純, 望月 雅裕, 倉田 昌明 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P3-260-, 2023

    ...<p> ヒト骨髄細胞の顆粒球系と赤芽球系の分化・成熟過程における主要な鑑別点の標準化を目的として、2021年6月に血球形態標準化ワーキンググループ(日本検査血液学会、日本臨床衛生検査技師会)から形態的特徴に基づいた分類基準が発表された。一方、非臨床試験では、げっ歯類や大動物など多様な実験動物が使用されており、骨髄細胞の分化・成熟過程における形態的特徴も動物種によって異なると考えられる。...

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  • 血漿からのエクソソームRNA抽出試薬の比較・検討―CD9 RT-qPCR法にて―

    森田 邦恵, 阿部 拓也, 藤井 豊, 塙 晴雄 医学検査 71 (4), 644-650, 2022-10-25

    <p>近年,体液中でタンパク質や核酸を内包する小胞であるエクソソームが注目され,エクソソーム中のタンパク質,RNAから疾患診断のバイオマーカーが見いだされる期待が高まっている。それに伴い,血液中のエクソソームを抽出する試薬が開発されているが,その抽出効率について統一された結論は出ておらず,超遠心法が依然として信頼性高いという現状である。超遠心法は,設備の準備と技術の習得に高いハードルがあり,効率…

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  • 「将来の臨床検査技師像を見据えたアンケート」調査から考える臨床検査技師教育―現状把握を通して―

    山口 孝一, 長屋 聡美, 谷口 容, 關谷 暁子, 山口 良考, 片山 博徳, 長沢 光章, 森下 英理子 医学検査 71 (4), 681-689, 2022-10-25

    ...<p>日本臨床衛生検査技師会は多様化する医療のニーズに応えるべく,「チーム医療推進に向けた事業展開」を提案している。今回,将来の臨床検査技師像を見据えた教育を行うことで臨床検査技師の更なる発展に貢献するため,アンケート調査を行って教育現場が取り組むべき内容について模索した。アンケートは臨床検査技師および医療従事者を対象とし,グーグルフォームを用いた無記名回答形式で行った。...

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  • SARS-CoV-2を含む多種ウイルス迅速抗原同定定性検査キットの有用性に関する検討

    久末 直子, 坂本 愛子, 柳元 伸太郎, 八尾 厚史 医学検査 71 (4), 712-718, 2022-10-25

    <p>背景・目的:SARS-CoV-2感染症(COVID-19)は,症状による他のウイルス感染症との鑑別,診断が困難である。そこで,1回の検体採取で実施するSARS-CoV-2を含む多種ウイルス抗原同定定性検査の有用性を検討した。方法:2020年11月から2021年7月までの東京大学保健センター受診者で同意が得られた者を対象とした。1回の採取で得た鼻咽頭拭い液検体を用い,5種ウイルス(SARS-…

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  • Daptomycin非感性<i>Staphylococcus capitis</i> subspecies <i>urealyticus</i>による治療に難渋した慢性骨髄炎の一例

    畑中 公基, 山田 景子, 武田 明, 木戸 裕勝, 佐川 美恵, 吉川 誠一, 小野 伸高, 荒川 宜親 医学検査 71 (4), 748-753, 2022-10-25

    <p>症例は60代女性。右下腿開放性骨折受傷後に脛骨慢性骨髄炎を発症した。各種抗菌薬の投与,病巣搔爬,抗菌薬含有人工骨やセメントビーズ留置が5回施行された。受傷4年6ヶ月後,慢性骨髄炎の根治目的に今回の入院となった。病巣搔爬術が施行され,嫌気性菌,ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌を検出。複数の抗菌薬投与の後,第45病日以降の骨周囲培養から,<i>Staphylococcus capitis</i> …

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  • アルコール性心筋症が疑われ,心エコー図検査で経過を追った1例

    宮元 祥平, 久米 江里子, 平井 裕加, 上田 彩未, 清遠 由美 医学検査 71 (4), 759-764, 2022-10-25

    <p>患者は30歳代,女性。嗜好歴としてアルコールを10年以上多量に摂取している。経胸壁心エコー図検査(TTE)では左房と左室が拡大し,左室のびまん性壁運動低下を認めた。また,高度の僧帽弁逆流,中等度の三尖弁逆流を認め,IVCは拡大し呼吸性変動は低下していた。多量の飲酒歴とTTE所見からアルコール性心筋症(ACM)が疑われ,禁酒を指示し,内科的治療を開始した。約2か月後の再診にて,アルコール摂取…

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  • 心臓浸潤を認めた後頸部悪性リンパ腫の1例

    中尾 由佳, 井西 千晶, 錦 沙由理, 坂上 綾華, 植田 七海, 森 雅美 医学検査 71 (4), 754-758, 2022-10-25

    <p>心臓浸潤を認めた後頸部悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する。症例は80代男性。後頸部に腫瘤を自覚し前医を受診,生検にてびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され,化学療法目的で当院へ転院となった。心臓超音波検査では心嚢内に腫瘤と心嚢液貯留,左室の下壁基部から乳頭筋レベルで壁運動低下を認めた。化学療法が施行され,4コース終了後の心臓超音波検査では心嚢内の腫瘤は縮小し,左室壁運動も改善を認…

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  • 日本人に適したreactive hyperemia indexの心血管イベント予測値を再考する

    赤峯 里望, 柴田 香菜子, 鳥塚 純子, 下條 文子, 星野 陽子, 阿部 正樹, 中田 浩二, 芝田 貴裕 医学検査 71 (4), 633-637, 2022-10-25

    <p>血管内皮細胞は生活習慣の乱れや喫煙などによる機能障害により血管に器質的変化をもたらし,動脈硬化へと進展させる。動脈硬化の進展は心筋梗塞などの原因となるため,動脈硬化の前駆段階である血管内皮機能の障害は心血管系のリスク因子といわれている。血管内皮機能を測定する方法として,reactive hyperemia peripheral arterial …

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  • 奈良県におけるSARS-CoV-2核酸増幅検査の外部品質評価

    李 相太, 野口 延由, 龍見 重信, 潮崎 裕也, 中村 彰宏 医学検査 71 (4), 624-632, 2022-10-25

    <p>新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより,核酸増幅検査(NAAT)は多くの施設に普及した。NAATの結果は社会全体に大きな影響を与えるため,高い正確性および精確性が求められる。このため奈良県臨床検査技師会は,2021年7月にSARS-CoV-2 RNAのNAATの外部品質評価(EQA)を行った。EQA試料は,3つの陽性試料と1つの陰性試料で構成した。陽性試料は患者検体を用いて作成した低…

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  • 尿沈渣中にヘマトイジン結晶を継続的に認めた1症例

    猪股 百華, 志賀 麻衣子, 小林 美穂, 山下 亜妃子, 渡邊 千秋, 杉田 純一, 豊嶋 崇徳 医学検査 71 (4), 743-747, 2022-10-25

    <p>ヘマトイジン結晶は,低酸素分圧下の閉塞した部位で出血が起きた際に形成されるヘモグロビン分解産物であり,近年認知度が増加している。ヘマトイジン結晶の形成には特殊な環境が必要なため,継続して尿沈渣中に出現することは稀である。今回,尿沈渣中にヘマトイジン結晶を継続的に認めた1症例を経験した。症例は70歳代男性。前立腺がんの化学療法中であった。繰り返す肉眼的血尿と尿閉により尿沈渣検査が施行され,様…

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  • 血液腫瘍患者の尿中に顆粒状物質の集塊を認め,その後キサンチン結晶が出現した1症例

    吉澤 友章, 早津 かおり, 土谷 こずえ, 筑後 史子, 日高 裕介 医学検査 71 (4), 731-736, 2022-10-25

    <p>キサンチン結晶は腫瘍の化学療法中に出現する稀な結晶として報告されており,板状の結晶が特徴的である。今回我々は,キサンチン結晶の出現を疑ったが板状結晶を認めず,顆粒状物質の集塊のみを認め,その後,典型的なキサンチン結晶が出現した症例を経験した。患者は30代女性。原疾患のPh陰性B-ALL寛解後,非血縁者間末梢血幹細胞移植を行ったが,約2か月後に再発を確認。入院後,化学療法が開始された。腫瘍細…

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  • 日当直を考慮した尿中有形成分分析装置3機種の性能評価

    木下 陽介, 新城 周子, 門脇 朱理, 高橋 すずか, 佐藤 まゆみ 医学検査 71 (4), 667-674, 2022-10-25

    <p>近年,尿沈渣検査においては尿中有形成分分析装置が普及し,尿検査の自動化・迅速化の一翼を担っている。現在,フローサイトメトリー法や画像法を原理とする装置が数種類販売されている。今回,日当直業務に尿中有形成分分析装置が活用できるかという観点に立ち,AUTION EYE AI-4510(以下,AI-4510),Atellica …

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  • 感染症治療後にBlastが著減した急性骨髄性白血病の1例

    森山 保則, 杉原 崇大, 森岡 薫乃, 多和 拓未, 土手内 靖, 高橋 志津, 高石 治彦, 坂本 愛子 医学検査 71 (4), 737-742, 2022-10-25

    <p>患者は60歳代の男性。末梢血で汎血球減少とBlast出現があり,骨髄中にBlastを27.4%認めたためAMLと診断された。しかし左肺炎像およびCRP異常高値を認めたため,肺炎治療を優先し化学療法を延期した。約1ヶ月後,肺炎の改善および白血球と血小板の造血回復を認め,改めて行った骨髄検査の結果,Blastは2.4%と著減していた。この現象は白血病の自然寛解と呼ばれ,感染症や輸血,薬剤など様…

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  • クリオプレシピテートの院内作製導入の効果と課題

    坂本 悠斗, 松浦 秀哲, 矢田 智規, 根岸 巧, 鈴木 良佳, 松野 貴洋, 杉浦 縁, 三浦 康生 医学検査 71 (4), 698-703, 2022-10-25

    <p>クリオプレシピテート(以下,クリオ)はフィブリノゲン(以下,Fib)等の凝固因子を高濃度に含むため,大量出血時に使用することで凝固能を早期に回復させ,出血量や輸血量の減少に繋がるとされている。当院でも心臓血管外科(以下,心外)からの要望でクリオの院内作製を開始したので導入経緯と使用実績及び課題について報告する。対象はクリオを使用した心外の手術51症例(以下,投与群)とクリオ未使用の心外の手…

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  • GENECUBE<sup>®</sup>モデルCの異なる核酸抽出法によるSARS-CoV-2核酸検出能の比較

    亀井 直樹, 田口 愛海, 石橋 万亀朗 医学検査 71 (4), 638-643, 2022-10-25

    <p>目的:SARS-CoV-2の新しい検査法は開発・普及が急速に進んでいる。当院では鼻咽頭ぬぐい液を検体とする検査は自動遺伝子解析装置のGeneXpertシステムを用いて実施していた。2020年7月以降より唾液検体が新型コロナウイルス核酸検出における正式な検体として認められたことから検体採取時における医療従事者への2次感染の防止などを考慮し,唾液検体での検査を要望された。これを受け新たにGEN…

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  • 採血室の受付業務効率化に伴うシステム構築

    樋口 昌哉, 左右田 昌彦, 山口 桂, 伊藤 直之, 宮田 栄三, 服部 晋也 医学検査 71 (4), 690-697, 2022-10-25

    <p>採血・注射処置室の受付は無人受付を導入していたが,無人受付のみで対応できないことや注射処置室の受付ができないなどの問題点があった。今回,電子カルテシステムの更新に伴い,これらの問題点の解消に加えて採血・注射処置室の受付方法の見直し,受診者サービスの向上や受付業務の効率化を目指して無人受付から有人受付へと変更した。主なシステムの改善点は,1.異なるオーダ種を同一画面で確認して受付できる統合受…

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  • 多項目自動血球分析装置XRシリーズの基礎的検討

    鯉田 祐佳里, 岡崎 葉子, 菊間 知恵, 山下 智江, 湊 由理, 野原 圭一郎, 仲井 里枝, 三枝 淳 医学検査 71 (4), 657-666, 2022-10-25

    <p>近年,自動血球分析装置において,処理能力や性能,ユーザビリティの向上が図られた装置が開発されている。今回,我々はシスメックス社より新たに開発された多項目自動血球分析装置XRシリーズを評価する機会を得たため,基礎的性能評価に加え,XRシリーズより測定項目となった幼若顆粒球(IG),幼若血小板比率(IPF)の性能評価,ならびに異常細胞検出能の評価を行った。CBC(complete blood …

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  • 肥満と遺伝子多型(<i>ADRB3</i>, <i>HTR2A</i>, <i>NOS1</i>)の関連性についての検討

    金剛 左京, 三上 麻里奈, 青木 理詠, 永谷(沼尻) 真貴, 西澤 大輔, 池田 和隆, 岩橋 和彦, 小野澤 裕也 医学検査 71 (4), 651-656, 2022-10-25

    <p>肥満は糖尿病を含め,多くの疾患を引き起こす危険因子である。1975年以降3倍近い増加の傾向を示しており,発症原因として食生活をはじめとする生活習慣病の他,遺伝的な要因の関与が知られてきた。本研究では,肥満脆弱性の個人差に及ぼす影響を明らかにするために,4つのSNP(<i>ADRB3</i>(rs4994),<i>HTR2A</i>(rs6311およびrs6313),および<i>NOS1</…

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  • 脾臓低形成を認めた<i>Lactococcus lactis</i>敗血症の1症例

    山下 貴哉, 山木 陽平, 水澤 広樹, 松本 早紀, 松本 克也 医学検査 71 (4), 725-730, 2022-10-25

    <p>【はじめに】<i>Lactococcus lactis</i>(以下<i>L. lactis</i>)は通性嫌気性グラム陽性球菌でプロバイオティクスなど健康食品として用いられる。我々は意識低下を主訴とし循環不全,細菌性肺炎の疑いで緊急入院となった脾臓低形成患者から<i>L. lactis</i>による敗血症を経験したので報告する。【症例】74歳男性,意識低下のため,救急搬送。臨床経過より細…

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  • 孤立性長期心房細動に対するカテーテルアブレーション治療が成功してから1年後の僧帽弁逆流の重症度予測

    春木 康伸, 村上 弘則, 大野 誠子, 櫻井 聖一郎, 堀田 大介, 野島 正寛, W. RUHNKE Gregory 医学検査 71 (4), 617-623, 2022-10-25

    <p>背景:長期持続性心房細動(LSAF)は,僧帽弁逆流(MR)の増悪因子である。高周波カテーテルアブレーション(RFCA)により洞調律に復帰することで,左心房(LA)と僧帽弁下組織の逆リモデリングを介したMR重症度の軽減が期待される。しかし,RFCAの1年後のMR重症度を予測することは難しい。今回,RFCAを施行後,洞調律が維持された基礎疾患のないLSAF患者で,1年後のMR重症度が予測可能か…

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  • MicroScanWalkAwayを用いた血液培養陽性検体における薬剤感受性検査迅速法の検討

    喜多 晃子, 竹澤 理子, 鵜原 日登美, 寿賀 敏光, 福田 弥生, 土屋 智之, 竹端 菜々美, 小野 由可 医学検査 71 (4), 675-680, 2022-10-25

    <p>当院では,血液培養陽性時の薬剤感受性検査直接法は,ボトル内容液からディスク拡散法で行っているが,最終的な結果報告には間接法で実施する必要があり,数日を要する。そこで今回,turn around time(TAT)の短縮を目的に内容液から直接自動機器による同定・感受性検査を行う方法を検討した。当院で期間中に血液培養陽性となった353件(グラム陽性球菌140件,グラム陰性桿菌213件)を対象と…

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  • Donath-Landsteiner試験が7カ月間以上陽性を示した発作性寒冷ヘモグロビン尿症の1症例

    中島 久晴, 髙木 豊雅, 北川 大輔, 津田 勝代, 橋本 直樹, 吉田 さやか, 中村 文彦 医学検査 71 (3), 549-553, 2022-07-25

    <p>3歳,男児。20XX年12月,発熱および赤色尿のため当院を受診した。初診時検査成績はHb 9.0 g/dL,網状赤血球1.6%,LD 850 U/L,haptoglobin 2 mg/dL未満であった。直接抗グロブリン試験およびDonath-Landsteiner(D-L)試験が陽性であったため,発作性寒冷ヘモグロビン尿症(paroxysmal cold hemoglobinuria; …

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  • 自己免疫性溶血性貧血の改善に血漿交換が有効であった一例

    髙垣 和也, 古賀 光, 伊藤 野利子, 羽原 利幸, 杉浦 弘幸, 黒井 大雅, 瀬﨑 伸夫 医学検査 71 (3), 544-548, 2022-07-25

    <p>自己免疫性溶血性貧血はステロイドによる治療を第一選択とし,重度の貧血の場合は同種血を輸血することもある。今回ステロイドと輸血療法で治療効果が得られず,血漿交換により貧血が改善された症例を経験したため報告する。患者は当院紹介後,ステロイドと輸血療法で治療を行ったが,治療効果が認められなかったため,血漿中の自己抗体を取り除く目的で血漿交換が実施された。血漿交換実施後はHbの上昇など溶血所見の改…

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  • 筋力評価への筋放電-負荷指数適用の試み

    片山 雅史, 髙野 吉朗 医学検査 71 (3), 417-423, 2022-07-25

    <p>表面筋電図は非侵襲的に実施できる一方で,記録位置や負荷のかけ方で大きく変化し,安定した評価がやや困難である。本研究では表面筋電図を用いて,筋力を発揮する際の筋放電量変化を数値化し,筋力の増強や減退の評価に利用可能かを検証した。評価には,我々が独自に設定した筋放電-負荷指数(discharge-load …

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  • 骨髄標本のスマッジ細胞集簇像が診断の契機となった血管内大細胞型B細胞リンパ腫

    河野 克海, 橋倉 悠輝, 髙木 覚, 松浦 成美, 長安 真由美, 久冨木 庸子, 梅北 邦彦 医学検査 71 (3), 574-580, 2022-07-25

    <p>塗抹標本作製時に壊れた細胞であるスマッジ細胞は,慢性リンパ性白血病をはじめとするリンパ系腫瘍に多くみられ,これらの疾患を疑うきっかけとなりうる所見である。今回,骨髄像検査におけるスマッジ細胞の集簇像から,血管内大細胞型B細胞リンパ腫の診断にいたった症例を経験した。症例は50歳代女性。不明熱の精査目的で当院転院となった。血液検査では,赤血球数と血小板数の2系統の低下が認められた。生化学・免疫…

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  • 病理検体を用いた遺伝子検査における作業効率化・標準化のための取り組み―チェックシートによる情報管理の有用性―

    遠峰 由希恵, 大久保 文彦, 山元 英崇, 山口 知彦, 野上 美和子, 中附 加奈子, 仲 正喜, 小田 義直 医学検査 71 (3), 528-537, 2022-07-25

    <p>本邦において,分子標的治療やがんゲノム医療が推進され,病理検体を用いたコンパニオン診断・遺伝子検査(以下,病理検体遺伝子検査)の項目数と出検数が著しく増加しており,検体要件も検査ごとに異なる。これに伴い臨床検査技師への負担は大きくなっており,作業効率化や標準化への取り組みが急務である。今回,当院における病理検体遺伝子検査の現状と作業効率化のための取り組みを報告する。過去5年間(2016年~…

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  • 抗リン脂質抗体による単球表面組織因子発現に対するCD14抗原の関与

    金重 里沙, 三島 千穂, 長谷川 真梨, 清水 直人, 三島 健太郎, 本木 由香里, 野島 順三 医学検査 71 (3), 397-403, 2022-07-25

    <p>抗リン脂質抗体症候群(anti-phospholipid syndrome; APS)は,血液中に多種多様な抗リン脂質抗体群(antiphospholipid antibodies; aPLs)が出現することにより多彩な血栓性合併症を呈する自己免疫疾患であるが,その病態発症機序は明らかになっていない。私達はaPLsの血栓形成作用として,単球表面の組織因子(tissue factor; …

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  • 回腸利用膀胱拡大術後の53年目に腺癌を発症した1例

    内田 大貴, 穐山 祐子, 榊原 早穂, 熊谷 明子, 川村 道広, 錦 淳子, 吉田 恭太郎, 清水 重喜 医学検査 71 (3), 581-586, 2022-07-25

    <p>背景:尿沈渣において検出する腺癌は原発性,転移性,コンタミネーションによるものなどが挙げられるが,今回我々は53年前に回腸利用膀胱拡大術を行った患者において稀な腺癌を検出した症例を経験したので報告する。症例:70歳代,男性。53年前に腎結核,膀胱結核にて左腎臓摘出術および回腸利用膀胱拡大術を実施。3年前から肉眼的血尿を自覚し近医にて経過観察。膀胱内凝血塊,右水腎症を認め当院紹介受診。尿検査…

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  • 臨床検査技師として参画した医療機器開発人材育成共学講座「雲水コース」の活動報告

    遠藤 由香利, 古賀 敦朗, 木村 勝典, 磯尾 信行, 岡田 啓, 今川 治信, 才木 直史, 大野 千恵子 医学検査 71 (3), 501-509, 2022-07-25

    <p>医療分野で使用される製品開発は,医療現場で評価されることで製品化が可能となるため,医療従事者がアイデア提案や課題抽出の段階から関わる真の医工連携が求められている。これまでに医工連携により製品化に至った事例には,看護用品,診断装置,及び治療装置等挙げられるが,臨床検査技師が製品化に関与した製品数は他の医療職と比較すると少ない。当院では,医療機器開発人材育成共学講座を開講し,医療ニーズに応える…

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  • 血液培養から<i>Granulicatella adiacens</i>が検出された1症例

    里吉 和也, 服部 亮輔, 安藤 秀実, 下口 和雄, 原 美津夫, 荒木 秀夫, 中山 智祥 医学検査 71 (3), 560-566, 2022-07-25

    <p>今回我々は,夜間帯に陽転した血液培養より<i>Granulicatella adiacens</i>を分離し,感染性心内膜炎と診断された1症例を経験したので報告する。症例は50歳代男性。数日前から37~38℃台の発熱と倦怠感を認め,意識障害,構音障害がみられ当院に搬送された。脳病変を検索するため,頭部MRIを実施し,左後頭葉を中心に梗塞を認めた。各種培養検体の採取後,TAZ/PIPCが投与…

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  • 肝炎ウィルス検査陽性患者における院内紹介連携システムの構築

    前山 宏太, 三浦 創 医学検査 71 (3), 493-500, 2022-07-25

    <p>【目的】当院臨床検査科では2017年11月より,血液検査で肝炎ウィルス検査陽性が判明した場合に消化器内科への院内紹介を促す院内連携を開始した。また2020年7月からは電子カルテ自動肝炎アラートシステムを構築した。4年間の活動とその効果について検証する。【方法】2017年11月から2020年6月まで以下の院内連携(検査科アラートシステム)を実施した。①臨床検査技師:HBs抗原またはHCV抗体…

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  • COVID-19に対するイムノクロマト法による迅速抗体検査の適応と有用性の検討

    佐藤 桃子, 北川 裕太朗, 窪田 勝己, 髙田 友仁, 野口 彩紀子, 松岡 優, 武内 信一, 前田 卓哉 医学検査 71 (3), 465-469, 2022-07-25

    <p>新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク(S)蛋白に対するIgG抗体(IgG-S抗体)を検出するイムノクロマト法(ICT)検査キットである「新型コロナウイルス中和抗体スクリーニングキット;NOZOMI<sup>®</sup>」を用い,その基礎的性能評価を行った。COVID-19発症後7日以上が経過した患者血清(92例)およびCOVID-19が否定された発熱患者の血清(50例)を…

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  • 血液から<i>Trueperella bernardiae</i>が検出された閉塞性腎盂腎炎の1例

    関 元気, 安藤 嵩, 今村 正亮, 高橋 優希, 東 美幸, 渡辺 直樹 医学検査 71 (3), 538-543, 2022-07-25

    <p>本邦2例目にあたる<i>Trueperella bernardiae</i>による菌血症例を経験した。患者は80歳代女性。既往歴は認知症,脳梗塞後の廃用症候群,誤嚥性肺炎である。発熱,呼吸不全,意識障害で当院に救急搬送され,左閉塞性腎盂腎炎,それに伴う敗血症性ショックと診断された。即日,経尿道的に尿管ステントを留置し,同時に腎盂尿検体と2セットの血液培養検体が採取された。腎盂尿から<i>P…

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  • ルミパルスプレスト アルドステロンの妥当性評価

    度會 理佳, 菊地 良介, 後藤 香緒里, 金 貞姫, 鈴木 敦夫, 小島 哲, 松下 正 医学検査 71 (3), 450-456, 2022-07-25

    <p>従来,血中アルドステロン濃度測定は放射免疫測定法(radioimmunoassay; RIA法)が用いられてきたが,RIA法による測定値は液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS/MS法)による測定値との乖離が指摘されている。近年,LC-MS/MS法にトレーサブルなnon-RIA法による測定試薬が開発された。診断基準はRIA法で設定されているため,それぞれの測定法における測定値の互換性…

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  • 九州沖縄および近畿地区の外部委託施設における微生物検査の現状調査報告

    清祐 麻紀子, 木部 泰志, 口広 智一, 堀田 多恵子, 康 東天 医学検査 71 (3), 485-492, 2022-07-25

    <p>国内の多くの医療機関が微生物検査を外部委託に依頼しているが,感染症専門医および微生物検査技師が不在な施設では検査結果を十分に利用できていない可能性が考えられる。2021年4~9月の期間,九州沖縄と近畿地区において外部委託施設の微生物検査に関し,E-mailを介したアンケート調査を行った。九州沖縄地区からは8県77施設,近畿地区からは6府県51施設の回答が得られた。集計対象施設は200床未満…

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  • 臨床検査技師からの情報提供が迅速な同定に繋がった<i>Streptobacillus moniliformis</i>菌血症の1例

    太田 晃成, 永井 美佐子, 井上 正朗, 生田 幸江, 天野 哲史, 稲塚 信郎, 杉浦 誠治, 佐藤 良 医学検査 71 (3), 594-598, 2022-07-25

    <p>臨床検査技師からの情報提供が,迅速な菌種同定および適切な抗菌薬選択に繋がった<i>Streptobacillus moniliformis</i>による菌血症例を経験した。患者は糖尿病既往歴のある50代男性。全身の関節痛を主訴に当院を受診し,炎症反応上昇を認めたため精査目的で入院となった。入院時に採取した血液培養および関節液よりフィラメント状のグラム陰性桿菌を認め,分離培養を実施したところ…

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  • 無症候で発見された頸動脈プラーク潰瘍形成と以後の神経学的症状出現との関連

    湯浅 麻美, 西尾 進, 平田 有紀奈, 大櫛 祐一郎, 荒瀬 美晴, 楠瀬 賢也, 山田 博胤, 佐田 政隆 医学検査 71 (3), 404-411, 2022-07-25

    <p>目的:潰瘍形成を伴うプラークは,要注意プラークとして脳梗塞発症のリスクを有するとされている。また,頸動脈エコー検査時に偶然発見される無症候性の潰瘍形成を伴うプラークは少なくない。本研究の目的は,頸動脈エコー検査において無症候で発見された潰瘍形成を伴うプラークが,同様のリスクを有する潰瘍形成のないプラークと比べ,経過観察中に脳梗塞を疑うような神経学的症状(以下,神経学的症状)出現が多いか否か…

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  • 日本人におけるミューオピオイド受容体遺伝子多型とアルコール依存症の関連研究

    三上 麻里奈, 金剛 左京, 青木 理詠, 川合 厚子, 西澤 大輔, 池田 和隆, 小野澤 裕也, 岩橋 和彦 医学検査 71 (3), 424-430, 2022-07-25

    <p>アルコール依存症とは,飲酒の自制が困難となる薬物中毒であり,オピオイド受容体との関連が考えられている。μオピオイド受容体欠損マウスは,アルコール自己投与の減少とアルコールに対する嫌悪を示すことが確認されている。本研究では,μオピオイド受容体(<i>OPRM1</i>)遺伝子多型IVS2+691C/G,−172G/Tおよび …

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  • <i>Mycobacterium mageritense</i>による腹膜透析関連腹膜炎の一症例

    鈴木 まりな, 武藤 沙起里, 野崎 裕美, 河野 洋平, 奥津 恵理, 足立 拓也, 根岸 真利子, 鎌田 啓佑 医学検査 71 (3), 587-593, 2022-07-25

    <p>60歳代,女性。腹膜透析中,下痢と倦怠感持続のため腹膜透析(peritoneal dialysis; PD)関連腹膜炎を疑い,入院加療となった。採取されたCAPD排液を血液培養ボトルで培養したところ,42時間後に陽転化し,Ziehl-Neelsen染色で抗酸性に染まる桿菌を確認した。発育したコロニーは,外注の検査会社に委託し,質量分析装置MALDI …

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  • <i>Moraxella nonliquefaciens</i>による角膜潰瘍の1例

    鈴木 崇真, 丸岡 真治, 北川 大輔, 古森 円香, 新谷 祐衣, 枡尾 和江, 矢野 寿一, 中村 文彦 医学検査 71 (3), 554-559, 2022-07-25

    <p><i>Moraxella nonliquefaciens</i>はヒトの上気道に常在するグラム陰性桿菌で,小児の気管支炎や副鼻腔炎の原因となることが知られているが,角膜材料からの検出例は少ない。今回,<i>M. nonliquefaciens</i>による角膜潰瘍の1例を経験したので報告する。患者は70歳代男性。左眼痛のため受診し,左眼角膜輪部の菲薄化を認め,感染性角膜潰瘍,前房蓄膿,眼内…

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  • 当院で経験したUS-3500における尿糖異常発色フラグについての検討

    小幡 奏子, 馬渕 邦子, 石橋 直美, 絹田 陽子, 赤石 優 医学検査 71 (3), 436-442, 2022-07-25

    <p>尿試験紙による尿定性検査は,目視法と尿自動分析装置による装置判定法があり,装置判定は濃度判定と同時に異常発色の判定を行う付加機能も有している。今回我々は,全自動尿分析装置US-3500を用いた尿糖の測定で異常発色フラグが表示されたが,目視判定では異常発色を認めない検体を複数経験し,乖離原因の検討を行った。尿糖定量値との比較や数種類のLotの試験紙を用いた測定を行った結果,異常は確認されなか…

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  • マウス<i>Tm2d3</i>遺伝子は劣性致死遺伝子である

    板橋 匠美, 北川 元生, 増田 渉, 安島 理恵子, 相賀 裕美子, 梅宮 敏文 医学検査 71 (3), 412-416, 2022-07-25

    <p>【目的】Notchシグナルやアルツハイマー病発症に関与することが示唆されているTransmembrane domain containing 3遺伝子(<i>Tm2d3</i>)について研究するため,Clustered Regulatory Interspaced Short Palindromic Repeats (CRISPR)-CRISPR-associated (Cas) …

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  • <i>Mycobacteroides abscessus</i> complexによる頸髄硬膜外膿瘍のため呼吸停止に至った一例

    安藤 真帆, 清水 綾子, 岸田 帆乃か, 榊原 千紘, 染谷 友紀, 藏前 仁, 中村 清忠, 岡 圭輔 医学検査 71 (3), 599-605, 2022-07-25

    <p>血液培養より<i>Mycobacteroides abscessus</i> complexを分離した頸髄硬膜外膿瘍の1症例を経験した。患者は67歳男性で,糖尿病性腎症,末期腎不全のため血液透析を実施していた。当院受診3週間以上前から右前腕皮下動静脈瘻部の感染徴候があり,近医で3回培養検査を実施していたがいずれも陰性だった。血液透析中に頸部痛が出現し,当院に救急搬送された。救急外来で頸部C…

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  • 病理検査におけるタスクシフト・シェアに関する意識調査―日臨技精度管理調査アンケートによる報告―

    東 学, 古屋 周一郎, 石田 克成, 山下 和也, 浅野 敦, 滝野 寿 医学検査 71 (3), 510-522, 2022-07-25

    <p>2024年度より執行される『良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法などの一部を改正する法律』に先駆けて,病理検査の業務移管に関するアンケート調査を実施した。病理診断は,医療において最終診断を担う重責を果たすことから,その一端を臨床検査技師が担うことへの慎重な対応が求められる。一方で,国内における慢性的な病理医不足を解消するうえで,病理医から臨床検査技師への業務…

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  • 肝エキノコックス症の1例

    森 栄, 後藤 なつ美, 桑原 啓伍, 畑中 佑惟, 古池 美奈子, 小林 泰樹, 仲上 毅文 医学検査 71 (3), 567-573, 2022-07-25

    <p>症例は中部地区在住の20歳代女性,外国籍,発熱と倦怠感のために近医を受診。腹部単純CT検査で肝内に嚢胞性病変を認めたため,肝膿瘍の疑いにて精査加療目的で当院紹介となった。嚢胞はS4/S8境界部に厚い被膜形成を伴った45 mm大の単嚢胞性病変であった。嚢胞内容液を超音波ガイド下で穿刺吸引し一般検査,細胞診検査を行い,原頭節や鉤を認めた。本症例は中部地区在住であるが,2年前にボリビア多民族国よ…

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  • 血中薬物濃度測定における血清分離剤入り採血管の検討

    福島 紘子, 大野 一彦, 市村 直也, 東田 修二 医学検査 71 (2), 263-269, 2022-04-25

    <p>採血管に添加されている分離剤には一部薬物の吸着作用が知られている。今回,血中薬物濃度測定における各社採血管の影響度合いを比較した。採血管製造メーカー4社の分離剤入り採血管における経時的な薬物濃度の変動を確認したところ,測定した8種の薬物中3種で測定値の減少を認めた。採血管への添加量や保存条件が同じであるにも関わらず,減少の程度に差を認めたことから,影響を及ぼす要因の一つとして分離剤の材質の…

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  • アブレーション直前に心嚢水の有無を確認することの有用性

    小河 純, 山内 康照, 木下 朋幸, 熊谷 正純, 熊谷 二朗 医学検査 71 (2), 318-323, 2022-04-25

    <p>【はじめに】不整脈治療としてのカテーテルアブレーション(CA)の合併症の1つに心嚢水貯留がある。外来やCA後に心嚢水の有無を確認することは多くの施設で行われているが,CA直前に確認している施設は多くはない。今回我々は,CA直前に心嚢水の確認を行うことの有用性を検討したので報告する。【対象と方法】対象は2019年4月から9月にCAを施行した連続327例(平均年齢64.0歳,男性230名)。C…

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  • 頭頸部脱分化型腺様嚢胞癌の4例

    神月 梓, 原田 博史, 龍 あゆみ, 棚田 諭, 井戸田 篤, 山﨑 知行, 中塚 伸一, 本間 圭一郎 医学検査 71 (2), 356-361, 2022-04-25

    <p>背景:腺様嚢胞癌は緩慢な発育と長い臨床経過を特徴とするが,脱分化を伴う腺様嚢胞癌は急激な経過を辿り,その予後は低悪性や高悪性症例と比較して不良である。今回,当院で経験した頭頸部脱分化型腺様嚢胞癌4例について報告する。症例:患者は38~78歳の男女で,組織診材料では低悪性成分と著しい異型や多形性,壊死を伴う高悪性成分が混在しながら単一の病変を形成する像を認め,広範な壊死を伴う大型の充実性胞巣…

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  • COVID-19患者における抗原定量検査による陰性確認と感染力の推測の検討

    嘉瀬 文孝, 太田 智裕, 太田 宏樹, 青山 寿美香, 大内 和真, 星 晴彦, 飯田 泰明 医学検査 71 (2), 250-256, 2022-04-25

    <p>目的と方法:抗原定量検査(LUMIPULSE SARS-CoV-2 Ag)は,SARS-CoV-2の検査において無症候性患者のスクリーニング検査,および退院時の陰性確認検査として使用することが可能である。今回,我々はCOVID-19と診断された入院患者のうち,同時に2本の鼻咽頭ぬぐい液検体が採取された患者(n = …

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  • MRCPにおける膵管描出能と膵サーカディアンリズムの関連性

    蓮見 悠 医学検査 71 (2), 313-317, 2022-04-25

    <p>今日,磁気共鳴断層画像診断装置の発達により磁気共鳴胆管膵管撮像(magnetic resonance cholangiopancreatography; MRCP)は胆管膵管像を高分解能で描出することが可能になり,更に低侵襲であることからその臨床的意義は非常に大きなものとなった。MRCPの原理はT2強調画像により,T2値が長い水を対象として撮像を行うhydrographyを基本とした方法で…

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  • 2型糖尿病患者におけるMac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)の測定意義

    古川 聡子, 河口 豊, 通山 薫 医学検査 71 (2), 301-306, 2022-04-25

    <p>生活習慣病の増加に伴い,非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease; NAFLD),非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis; NASH)の患者は増加しており,肝細胞癌や肝硬変の主な原因となりつつある。NAFLD/NASHは肥満,インスリン抵抗性など2型糖尿病と共通リスク因子をもつため,2型糖尿病との合…

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  • 超音波検査による腱板脂肪浸潤の簡易評価と断裂サイズの関連性

    林 智剛, 渡邉 恒夫, 浅野 博美, 寺林 伸夫, 高田 彩永, 中山 純里, 篠田 貢一, 野久 謙 医学検査 71 (2), 217-221, 2022-04-25

    <p>腱板断裂(rotator cuff tear; RCT)は,整形外科の領域において高頻度の疾患であり,症状としては強い痛みと機能障害がある。本研究の目的は,超音波検査(ultrasonography; US)を用いた簡易的に評価した腱板脂肪浸潤の程度と断裂サイズの関連性を解析し検討することである。対象は,2018年10月から2019年8月までに関節鏡視下腱板修復術の術前にUSを施行した22…

    DOI Web Site 医中誌

  • 新型コロナウイルスワクチン接種後に獲得される抗体価に影響を与えうる因子の解析

    大枝 昭平, 木村 洋介, 二木 友子, 鳩貝 名津紀, 本橋 直美, 宍戸 衛, 山口 龍志郎, 中川 裕司 医学検査 71 (2), 231-237, 2022-04-25

    <p>Pfizer社製新型コロナウイルスワクチン「コミナティ筋注」を接種した当法人の医療従事者56名を対象として抗新型コロナウイルスIgG抗体の測定を行った。測定は全自動化学発光酵素免疫測定システム ルミパルス<sup>®</sup>G1200および,化学発光酵素免疫測定法試薬SARS-CoV-2 …

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • Sensor Augmented Pumpを用いて血糖管理を行った1型糖尿病合併妊婦の1症例

    村越 大輝, 大石 祐, 久住 裕俊, 平松 直樹 医学検査 71 (2), 375-380, 2022-04-25

    <p>糖尿病合併妊婦における血糖管理は母児合併症予防のために重要であり,妊娠中の血糖管理目標は厳格な基準が設けられているが,1型糖尿病合併妊婦では重症低血糖などの不安定な血糖変動を示すことが多く問題となりやすい。SAPは,CSIIとCGMを合わせたデバイスで,2018年4月より低血糖時に基礎インスリン注入を停止させるLGS機能が搭載された。当院ではSAP導入・継続指導を臨床検査技師が担当しており…

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  • e-learningシステムを用いた外来採血室の業務改善―e-learning問題の実施状況および実施効果の分析を通して―

    中野 裕樹, 小野 佳一, 西森 まどか, 岩田 公野, 三澤 慶樹, 盛田 和治, 蔵野 信, 矢冨 裕 医学検査 71 (2), 201-209, 2022-04-25

    <p>外来採血室の運営には,安全な採血や待ち時間短縮および接遇をはじめとした患者サービス,正確な検査を行うための検査前プロセスの品質管理,患者とり違いなどの重大なインシデントの防止など,多数の課題解決が求められている。当院では,毎月の採血ミーティングで運用変更点の周知や注意喚起を行うとともに採血業務従事者を対象としてe-learningを用いた確認テストを行っている。今回,2016年4月から20…

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 採血管不良によるAPTT延長事例から得られた教訓

    近藤 宏皓, 桝谷 亮太, 森田 一馬, 久保田 芽里, 大坂 直文 医学検査 71 (2), 330-334, 2022-04-25

    <p>活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time; APTT)は日常診療で測定される項目であり,APTTを含む凝固検査は採血や遠心分離条件などが影響することが知られている。そのため,日本検査血液学会標準化委員会凝固検査用サンプル取扱い標準化ワーキンググループが提唱する“凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス”に準じて検査を行うこと…

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  • 当院で経験したたこつぼ症候群における心電図の経時的変化

    岩﨑 早耶, 鈴木 千代子, 尾方 美幸, 井手口 武史, 佐伯 裕二, 岡山 昭彦 医学検査 71 (2), 307-312, 2022-04-25

    <p>たこつぼ症候群の急性期では,心電図変化が急性冠動脈症候群に類似しており,鑑別のためには冠動脈造影が必要である。今回,我々は冠動脈造影検査でたこつぼ症候群と診断された1例を経験した。生化学検査における心筋逸脱酵素およびトロポニンTの軽度上昇,経胸壁心エコー図検査における心尖部側の全周性壁運動低下および基部の過収縮,左室駆出率の低下の所見であった。また,心電図検査の経時的特徴について検討したと…

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  • 当院における標準採血ガイドラインの遵守率

    杉浦 慎, 早川 敏, 藤田 孝 医学検査 71 (2), 381-385, 2022-04-25

    <p>採血では,採取が容易な患者から困難な患者など様々である。標準採血ガイドラインによると駆血後に手を握ることが推奨されているが,実際の採血業務に当たり,採血時の駆血条件が異なることが多々ある。採血時の駆血条件を集計分析することにより,推奨法の遵守率や駆血条件の統一化,採血の効率向上に繋げられるかを検討した。対象は,採血を行った患者1,353名(男性591名,女性762名,平均年齢60.0歳)と…

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  • 全自動血液凝固検査システムSTACIA CN10の検体処理能力の評価

    及川 真依, 近藤 崇, 中振 大貴, 盛合 亮介, 鳴海 菜月, 遠藤 明美, 淺沼 康一, 髙橋 聡 医学検査 71 (2), 288-293, 2022-04-25

    <p>凝固検査は自動分析装置による測定が普及しているが,原理の異なる多項目の測定を行うことで,検体処理能力が低下することがあった。この点を改善するために,原理ごとに測定部を独立させた全自動血液凝固検査システム「STACIA CN10」が開発されたので,検体処理能力を評価した。凝固検査項目を不作為に依頼した50検体の測定時間は,STACIA …

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  • 鳥取県内の一般診療所における生理機能検査を担当する臨床検査技師の実態調査

    大栗 聖由, 上原 一剛, 池亀 彰茂, 小河 佳織, 樋本 尚志, 前垣 義弘, 吉岡 伸一 医学検査 71 (2), 342-348, 2022-04-25

    <p>本研究では,鳥取県の一般診療所における生理機能検査を担当する臨床検査技師(以下,検査技師)の実態調査と将来の検査技師雇用についてアンケート調査を行い,一般診療所における検査技師の現状を明らかにすることを目的とした。アンケート調査票を鳥取県に所属する421施設の一般診療所に送付した。アンケート内容は雇用状況,生理機能検査の担当職種,実施項目,実施項目ごとの月平均検査件数,将来検査技師の雇用予…

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  • 病態からみた胸水検体の判断基準の比較検討―細胞数と分類,TP比,Lightの基準,pH―

    保科 ひづる, 森 栄 医学検査 71 (2), 238-244, 2022-04-25

    <p>胸水検体の検査項目細胞数と分類,Lightの基準のTP比・LD,pH各々判断を行い,結果と貯留原因病態①心不全,②腫瘍性,③肺炎,④膿胸,⑤結核,⑥腎不全・肝硬変・低栄養726件と比較検討を行った。細胞数のcut off値は,漏出性と滲出性に区分した病態のROC曲線からYouden Indexを用いた結果,1,000/μLだった。この結果,漏出性と滲出性の病態を識別するための細胞数基準値と…

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  • 当院健診センターにおける乳がん検診結果の分析―マンモグラフィと超音波検査の比較を中心に―

    戸田 小弥可, 丹 美玖, 星野 友美, 品川 佳央里, 竹内 麻, 佐藤 麻里, 長谷川 宏美, 櫻井 信司 医学検査 71 (2), 210-216, 2022-04-25

    <p>がん検診の結果を各々の実施施設で分析を行うことは,検診の精度,有用性を検証する上で重要である。今回,当院健診センターで実施された乳がん検診の分析を行った。対象は2015年4月1日から2018年3月31日の3年間に,当院健診センターで乳がん検診を受診した延べ18,971人で,がん検診の管理指標項目,陽性者の最終診断,検診時マンモグラフィ(MG)と精密検査(精検)で施行された乳腺超音波検査(U…

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  • 妊孕性温存療法における通常法とランダムスタート法の胚質の比較

    渡邉 鈴美香, 古澤 直美, 小林 晴美, 加藤 克幸, 安藤 善孝 医学検査 71 (2), 245-249, 2022-04-25

    <p>近年,がん治療の進歩は目覚しく,患者の予後は著しく向上した。しかし,その一方,生殖可能年齢層の悪性腫瘍の罹患率が増加し,がん治療によって生殖機能の低下もしくは喪失する医原性不妊患者のための妊孕性温存療法が増加している。妊孕性温存療法の胚凍結を行う際には,調節卵巣刺激を行う。ホルモン製剤を約2週間投与することで,通常1ヶ月に1個発育する卵胞を一度に複数個発育させる。この卵巣刺激法には通常法(…

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  • COVID-19中等症患者における急性期と回復期の心機能に関する4症例の比較

    屋良 朝仁, 葉山 裕真, 廣井 透雄, 川口 港, 小関 満 医学検査 71 (2), 362-368, 2022-04-25

    <p>COVID-19において,心筋傷害や血栓塞栓症などの心血管合併症を有する症例が問題となっている。しかしながら,本邦では急性期と回復期における心機能評価に関する報告はまだない。今回我々は,COVID-19で入院となった患者のうち急性期と回復期に心エコー図検査を施行できた中等症患者4症例に対し,血液検査としてhsTnT,hsTnI,D-dimer,IL-6の比較を実施した。4症例ともに循環器・…

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  • 日本人覚醒剤乱用者での摂取からの経過日数推定について

    牧野 由紀子, 平井 愼二, 小柳 一洋, 山崎 正明 医学検査 71 (2), 284-287, 2022-04-25

    <p>覚醒剤乱用者の治療の一環として,再乱用防止を目的に,下総精神医療センターでは外来及び入院患者の尿中薬物検査を尿中簡易薬物検査キットで行っている。本研究では,キットでのスクリーニング検査後の残尿を利用し,メタンフェタミンとその代謝物アンフェタミンの存在比を液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)で,検討したところ,日を追うごとに存在比(ピーク面積比較)は摂取時期と一次相関を持って上昇…

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  • グリコヘモグロビン分析装置The Lab 001の基礎的検討

    宮下 大地, 永井 夏海, 佐藤 美翔, 神山 恵多, 中嶋 清美, 村上 正巳 医学検査 71 (2), 277-283, 2022-04-25

    <p>キャピラリー電気泳動法を用いたHbA1c分析装置The Lab 001(アークレイ株式会社)の基礎的検討を行った。併行精度,室内間精度,正確性は良好な結果が得られた。HPLC法との相関性も良好で相関係数(r)は0.996であった。また,The Lab 001は,変異Hbの検出において,各主要変異Hbの分離・検出が可能であることが示された。さらに,HbFの影響も回避した正確なHbA1cが得ら…

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  • メソトレキセート使用患者における骨髄形態異常の解析

    森山 保則, 杉原 崇大, 森岡 薫乃, 多和 拓未, 田原 綾, 土手内 靖, 高橋 志津 医学検査 71 (2), 324-329, 2022-04-25

    <p>メソトレキセート(MTX)は関節リウマチ治療のキードラッグであるが,時に形態異常を伴った造血障害を引き起こし,MDSとの鑑別が困難なことがある。本来ならこの時期に骨髄検査を行うべきではないが,実際には時折検体が提出される。しかしどの程度の形態異常が出現するのか詳細な文献は少ないため,MTX使用患者12例の骨髄細胞形態を解析した。その結果,7例に1系統以上の形態異常を認め,うち3例には環状鉄…

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  • ARCHITECT<sup>®</sup> CA72-4の基礎性能評価

    岡本 愛, 谷口 裕美, 村上 晶子, 森本 麻里, 川野 由季, 西村 真智子, 宮本 仁志, 大澤 春彦 医学検査 71 (2), 270-276, 2022-04-25

    <p>Cancer Antigen 72-4(CA72-4)は,胃癌をはじめとする消化器癌,およびムチン性卵巣癌の患者モニタリングとして使用されてきた腫瘍マーカーである。今回我々はアボットジャパン合同会社より,2021年1月に新規発売されたARCHITECT<sup>®</sup> CA72-4(販売名:CA72-4・アボット)について基礎性能評価を行った。本試薬の基礎性能は同時再現性,日差再現…

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