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検索結果 2,378 件

  • 2010-2021年における愛知県豊橋市の土地利用及び高齢化率と熱中症搬送数との関係

    厚海 崇宏, 東海林 孝幸 日本生気象学会雑誌 60 (3-4), 67-74, 2023-12-26

    <p>愛知県豊橋市消防本部からご提供いただいた救急搬送データを基に解析を行い,2010年~2021年の同市における小学校区毎の熱中症搬送数を対象に,1) 土地利用と熱中症搬送者数との関連,2) 高齢化率・高齢独居率と熱中症搬送者との関連を調べた.結果,クラスター分析によって小学校区を代表的な土地利用(「農地」「都市化域」「工場」)で分類したところ,1) …

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  • 「天気痛予報<sup>®</sup>」利用者の症状報告データから分析した天気痛の地域特性および気象的要因に関する考察

    大塚 靖子, 佐藤 純 日本生気象学会雑誌 60 (1), 15-22, 2023-07-30

    <p>気象変化に伴って起こる痛みや体調不良(天気痛)の全国的な地域特性を調査するため,「ウェザーニュース」アプリ内の天気痛予報コンテンツに寄せられた症状報告のデータ(期間:2020年6月1日〜2022年12月31日,報告数:434,409件)から,天気痛を感じた報告の割合を都道府県ごとに算出し,天気痛の痛みが起こりやすいエリアを分析した.また,天気痛に関連すると考えられている3種類の気圧要素(微…

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  • 気象変化により影響を受ける慢性痛に対するリハビリテーションの有効性 -自覚的感覚尺度を用いた評価-

    櫻井 博紀, 佐藤 純, 青野 修一, 牛田 享宏 日本生気象学会雑誌 60 (1), 7-14, 2023-07-30

    <p>気象変化により影響を受ける慢性痛患者を対象として,薬物療法にリハビリテーションを組み合わせた場合の有効性について自覚的感覚尺度を指標として検討した.初診時およびフォローアップ時に自覚的感覚尺度を質問票にて回答を得た.薬物療法のみ,および,薬物療法に加えてリハビリテーションを行った群の両群で,痛みの程度,生活機能障害,破局化思考において同程度の改善がみられた.また、薬物療法に加えてリハビリテ…

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  • 運動課題の違いが運動開始時の脳循環動態に及ぼす影響

    山本 恵子, 牧井 美波, 芝﨑 学 日本生気象学会雑誌 60 (1), 23-30, 2023-07-30

    <p>運動パフォーマンスは、身体的要因、環境的要因、精神的要因などの影響を受ける。そのため脳では状況に合わせて瞬時に運動戦略が練られる。この場合、極めて短時間での変化であるため、関連する脳活動は微小と予測され、評価が困難である。本研究の目的は、脳波事象関連電位(ERPs)と経頭蓋ドップラー法(TCD)を用いて、運動開始時の脳活動を評価することである。被験者(成人男女11名)を対象に、負荷強度と難…

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  • 関東平野における屋敷林の防風効果

    神品 芳孝 日本地理学会発表要旨集 2023a (0), 125-, 2023

    ...日本生気象学会雑誌 52: 185-197.</p><p>橋本 剛, 鈴木 健次, 長野 和雄, 石井 仁, 兼子 朋也, 堀越 哲美 2010. 冬季における連続した屋敷森が集落気候形成に及ぼす影響. 日本建築学会環境系論文集 75: 907-913.</p><p>三浦修 1995. 二次植生の保護と保全―屋敷林景観を保全するために―. 季刊地理学 47: 216-220.</p>...

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  • 一般化加法モデル(GAM)を用いた循環器系疾患の死亡率と気象・気候の関係分析

    大橋 唯太, 井原 智彦 日本生気象学会雑誌 59 (3-4), 101-114, 2022-11-25

    <p>2005~2019年15年間の東京23区・名古屋市・大阪市における循環器系疾患の旬別死亡率と気象条件の統計的関係を調べた.気温や気圧など複数の気象条件の各種疾患死亡率への影響度(死亡リスク)を,一般化加法モデル(GAM)によって評価した.解析した疾患種類の多くで,気象変数のうち日最高(最低)気温に対して死亡率が低温側と高温側で正の極値をもつような非線形効果を示した.現地気圧は,死亡率に対し…

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  • 入浴中の深部温の予測を目的とした改良型Two-nodeモデルの検証

    高田 暁, 野中 隆, 古賀 弘子, 近藤 勲, 藤川 尚也, 三井 大地, 前田 享史 日本生気象学会雑誌 59 (3-4), 79-88, 2022-11-25

    <p>入浴中の熱中症を防止するためには,入浴時の深部体温の上昇を多様な気温条件下で適切に予測可能な人体熱モデルが有用となる.本研究では,既存のTwo-nodeモデルのcore層を2分割するという改良を行ったモデルを開発し,湯温2段階(40℃・42℃),3季節(夏30℃,秋24℃,冬18℃)の計6条件について,男女各6名に対する10分間の入浴実験の結果と比較することで,モデルの妥当性検証を行った.…

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  • 住宅内熱中症の入電時間別搬送件数の調査および空調機器使用による熱中症の重症化抑制効果の定量的評価

    東海林 孝幸, 切通 海斗, 井原 智彦 日本生気象学会雑誌 59 (3-4), 115-122, 2022-11-25

    <p>愛知県豊橋市消防本部より提供を受けた救急搬送データより2013~2019年の6~10月において,熱中症の発生場所区分が「住宅」に分類されている60歳以上の熱中症搬送者を対象とし,1)搬送データに記載されている入電時間から熱中症による搬送件数をエアコン運転・停止別にまとめ,日内における搬送件数分布の特徴を明らかにし,2)熱中症の傷病程度分類(軽症・中等症・重症)よりエアコンの運転・停止と重症…

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  • 東京都における高齢者の熱中症発生に関する地域的特徴

    松本 太 日本生気象学会雑誌 59 (3-4), 67-77, 2022-11-25

    <p>本報では,2010年~2015年の東京都における高齢者の熱中症発生と気候的要因との関係を評価した.高齢者は,暑熱に対して脆弱で,熱中症が重症化する傾向がみられた.また,高齢者の熱中症は日常生活時における発生が多く,居住地域の気候環境に影響を受けている可能性が高い.2010年,2011年,2015年では,高齢者の熱中症発生率が相対的に都区部で高く,多摩部市町村で低い傾向がみられ,日最高WBG…

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  • 跡見花蹊日記を用いた明治・大正期における東京のサクラの開花季節記録のマイニング

    永井 信, 小谷 亜由美, 丸谷 靖幸 日本生気象学会雑誌 59 (3-4), 89-99, 2022-11-25

    <p>春の気候変動と植物季節の対応関係を長期的に評価するためには,気象庁による生物季節観測が行われていない過去におけるサクラの開花季節の記録の発掘(マイニング)は重要な課題である.本研究は,明治から大正期を対象に,教育者である跡見花蹊(あとみ かけい:天保11年 [1840年]〜大正15年・昭和元年 …

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  • ヒトにおける発汗調節の末梢メカニズム

    藤井 直人 日本生気象学会雑誌 59 (1), 3-13, 2022-07-30

    <p>夏の暑い日には汗が出て,不快に思う人も多いかもしれないが,発汗は体温調節反応として重要な役割を果たし,我々にとって欠かせない機能の1つである.発汗研究はin vitroでの実験を中心に行われ,その結果,汗生成の様々なメカニズムが明らかとなった.しかし,in vitroでの汗腺の応答が,体温上昇時のヒトの発汗応答と必ずしも同様であるとは限らない.本総説では,in …

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  • 男子大学生における起床,就寝時刻の週内変動と社会的時差ボケの関係

    西村 一樹, 玉里 祐太郎, 山口 英峰, 小野寺 昇, 長﨑 浩爾 日本生気象学会雑誌 59 (1), 15-24, 2022-07-30

    <p>1週間の睡眠指標の変動が社会的時差ボケを評価する指標に成り得るものと研究仮説を立てた.本研究は1週間の睡眠指標の変動,クロノタイプ,平日と休日の睡眠時間の中央値の差(社会的時差ボケの従前の指標)の関係から明らかにした.対象者は男子大学生1,000名とした.対象者は1週間の起床と就寝時刻を記録した.さらに,睡眠時間と睡眠指標の1週間の変動の指標を算出した.クロノタイプはミュンヘンクロノタイプ…

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 微高気圧暴露と空気質の調整がヒトの精神気分尺度と自律神経活動に与える影響

    櫻井 博紀, 戸田 真弓, 戸田 南帆, 高橋 吾朗, 酒向 慎貴, 久野 祐功, 渡邉 茂樹, 佐藤 純 日本生気象学会雑誌 59 (1), 37-43, 2022-07-30

    <p>高気圧環境によるストレス軽減効果を調査するため,被験者(成人男女16名)を微高気圧(大気圧+10 hPa)と空気質(酸素,二酸化炭素濃度)を調整した空間に短期暴露し,精神気分尺度と自律神経系に与える影響について検討した.微高気圧暴露は,「微高気圧」と,空気質も変化させた「微高気圧+酸素付加」,「微高気圧+酸素付加+二酸化炭素抑制」の3条件で行った.測定項目は,不安・抑うつ尺度および気分尺度…

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  • 冬期における高齢者男性の排尿回数に及ぼす諸条件

    野本 茂樹, 岡島 慶治, 高橋 龍太郎 日本生気象学会雑誌 59 (1), 25-35, 2022-07-30

    <p>冬期において高齢男性の排尿回数に影響を及ぼす諸条件を検討した.インターネットで関東地方在住の65歳以上の高齢男性を研究協力者として募った.約10日間の調査期間中,排尿時間とおおよその尿量の記録,1回のアンケート調査などをお願いした.また居間と寝室の温湿度を10分毎に自動計測した.活動時の居間温が低いか国際前立腺症状スコアが高いと活動時の排尿回数が増加する傾向がみられた.就寝時の寝室温が高い…

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  • 脳性麻痺者の温熱環境に対する意識と住宅熱環境の実測調査

    佐藤 篤史, 三上 功生, 蜂巣 浩生 日本生気象学会雑誌 58 (3-4), 57-73, 2022-03-31

    <p>本研究は脳性麻痺者の至適熱環境研究の基礎資料を得ることを目的として郡山市に居住する脳性麻痺者を対象にインタビューと住宅熱環境実測調査を行い,その結果を報告するものである.男女計11名を対象としたインタビュー調査および6件の住宅熱環境実測調査より以下の結果が得られた.(1)頚髄症等の二次障害の影響および乾燥により冬期を苦手としている者が多い.(2)温冷感覚麻痺や発汗障害は確認出来なかったが,…

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  • 哺乳類の冬眠〜寒冷と飢餓を乗り切る低代謝・低体温戦略

    中川 哲, 山口 良文 日本生気象学会雑誌 58 (3-4), 51-56, 2022-03-31

    <p>哺乳類の冬眠は,体温保持のためのエネルギーコストが増加するにも関わらず食料が不足する寒冷環境を生き延びるための生存戦略である.冬眠の際には熱産生と熱反射を能動的に抑制することで,環境温度付近まで体温が低下した低体温・低代謝状態となる.哺乳類の中で冬眠を行うものを冬眠動物と呼ぶ.冬眠動物は,ヒトやラットなど,冬眠しない哺乳類には備わっていない,低温耐性,季節特異的な脂質代謝増強機構,筋萎縮耐…

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  • 電子式WBGT測定器における測定誤差の要因とその有効かつ簡便な補正方法の検討

    齊藤 宏之, 澤田 晋一 日本生気象学会雑誌 58 (3-4), 87-93, 2022-03-31

    <p>電子式WBGT測定器は安価かつ簡便なため広く普及しており,2017年には電子式WBGT測定器に関する規格であるJIS B 7922が制定されている.その一方で,ISO 7243(JIS Z8504)にて規定されている本来のWBGTとの測定原理の差異に基づく測定誤差の存在が指摘されており,その対策が急務となっている.本研究では,その測定誤差の要因を分析するとともに,有効かつ簡便な補正方法につ…

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  • 芝棟の現存状況と芝棟植物の分布特性について

    山口 隆子 日本生気象学会雑誌 58 (3-4), 75-86, 2022-03-31

    <p>芝棟に関する既往研究を整理し,現地調査により,芝棟の現存状況と芝棟植物の分布特性が明らかとなった.芝棟は,岩手・青森県を中心とした東日本に約600棟が現存しており,そのうちの9割は岩手県に現存している.岩手・青森県を除く都府県では,芝棟の多くが文化財等に指定され,保存されていた.しかし,文化財等に指定されている建造物であっても,芝棟を維持できなくなっているものもあった.芝棟植物の分布につい…

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  • 環境条件が導く食欲および食嗜好

    長阪 玲子 日本生気象学会雑誌 58 (3-4), 45-49, 2022-03-31

    <p>食欲についてはこれまでに多くの研究がなされ,末梢のエネルギー状態を感知し摂取量を制御するホルモンである.レプチンおよびグレリンという食欲制御ホルモンの発見以降,エネルギー代謝との関係については徐々に解明されてきた.哺乳類は体温を一定に保つため,環境温度が低温になると熱産生量を増加させエネルギー消費が亢進される.そのため哺乳類にとって,環境温度の変化に伴い摂食を制御することは非常に重要である…

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  • 福島県の復興に向けた熱環境評価の事例

    平野 勇二郎, 一ノ瀬 俊明, 吉田 友紀子 日本地理学会発表要旨集 2022a (0), 142-, 2022

    ...そこで本研究では国際生気象学会が提唱している温熱環境指標であるUTCI(Universal Thermal Climate Index)を選択した。UTCIは人体熱収支・体温調節モデルを利用し、人体スケールの生気象リスク・シミュレーションにおいて近年利用事例が増えつつある。</p><p> UTCIを算出するために必要な気象要素を得るため簡易の気象シミュレーションを行なった。...

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  • 動物福祉を基盤とする畜産の進展

    竹村 勇司 日本生気象学会雑誌 58 (1), 3-15, 2021-07-30

    <p>畜産は人類がいくつかの野生動物種を家畜として飼育繁殖するようになって生まれた.現在の近代的家畜品種は育種改良を経てそれぞれの生産目的に特化した高い生産能力を持っている.20世紀中頃から先進諸国で施設加工型の集約畜産が急速に発達し,消費者と生産現場の家畜との距離が離れ,消費者は専ら畜産製品とのみ接するようになった.1964年のルース・ハリソンの『アニマル・マシーン』の出版を契機に集約畜産にお…

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  • 夜間睡眠中のダンボールベッドとフィットネスマットの使用が生理的および心理的指標に及ぼす影響

    西村 一樹, 玉里 祐太郎, 小野寺 昇, 長﨑 浩爾 日本生気象学会雑誌 58 (1), 17-23, 2021-07-30

    <p>本研究は夜間睡眠中のダンボールベッドおよびフィットネスマットの使用が生理的および心理的指標に及ぼす影響を検討した.対象者は若年男性16名とした.対象者にはインフォームドコンセントを実施した.ダンボールベッド条件とフィットネスマット条件を設定した.睡眠時間は23時から翌朝7時までとした.対象者は19時に同一の夕食を摂取した.測定項目は心拍数,血圧,心臓自律神経系調節,睡眠・覚醒リズムの指標,…

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  • 生活実感に呼応する相対湿度50%を基準としたWBGTの提案

    堀越 哲美, 加藤 里実, 加藤 和雄, 小松 義典, 石松 丈佳 日本生気象学会雑誌 57 (4), 117-126, 2021-03-31

    <p>暑熱環境で,WBGTの示す数値は気温より低く,これは生活実感に合致しない.そこで,人間の感覚に合う新しいWBGT指標の作成を目的とした.Gagge(1976)によれば,湿り空気線図上において等しいWBGTを与える直線が引ける.線図上でWBGTの値は,相対湿度100%の時の温度である.そこで,基準とする湿度を変更し,相対湿度50%の場合の温度を新しい指標WBGT50と定義した.WBGTとWB…

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  • UTCIの開発過程と特徴

    石井 仁, 渡邊 慎一 日本生気象学会雑誌 57 (4), 107-115, 2021-03-31

    ...<p>UTCI(Universal Thermal Climate Index)は,全ての気候,季節,時間的・空間的スケールに適用可能な屋外の熱ストレスや熱環境を評価する指標として開発された.国際生気象学会が構想して開発からおよそ10年が経過しているが日本において普及している指標とはいえない.そこでUTCI開発の経緯,UTCIの定義,人体熱モデルとUTCIの導出,UTCIの算出方法について概説する....

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  • 脳塞栓と脳血栓の発症に関する生気象学的検討

    福永 篤志, 小山 英樹, 布施 孝久, 原口 安佐美 日本生気象学会雑誌 57 (4), 127-133, 2021-03-31

    <p>脳梗塞の発症メカニズムは明らかでなく予防法も確立されていない.今回,rt-PA療法が施行された比較的重症な脳梗塞初発例を対象に脳塞栓(A群)と脳血栓(B群)に分類し,発症時刻と月,当日の気圧配置パターンを調査し,両群の発症の違いを統計学的に分析した.平均気温が最も高かった7~9月は,B群が有意に多かった(p=0.0248,フィッシャーの直接確率法.以下同じ).時間帯は,午前6~7時はB群が…

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  • ツマグロヒョウモンの北上に関する生気候学的研究

    望月 宏美, 山口 隆子 日本生気象学会雑誌 57 (4), 135-141, 2021-03-31

    <p>ツマグロヒョウモンの著しい生息域の拡大は,地球温暖化の影響として広く一般に知られている.一方,近年,本種の食草であるスミレ類(パンジー等)の増加も一要因ではないかと言われているが,実際に双方の関係性に関する研究論文は少ない.本研究では,ツマグロヒョウモンの北上を,冬季の最低気温の上昇とパンジーの栽培地域の拡大という観点から複合的に考察した.その結果,1990年代初頭のガーデニングブームを契…

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  • 暑さは我々に何をもたらすのか-暑熱馴化としての耐性と寛容-

    杉本 直俊 日本生気象学会雑誌 57 (2), 61-65, 2020-11-12

    <p>産業革命以降,平均気温が上昇した.21世紀はさらなる平均気温の上昇が危惧され,同時に新型コロナウイルスの脅威にさらされている.温暖化が進むwith コロナ時代,私たちはどの様な生活をすればよいのだろうか? </p><p>私たちは,細胞レベル,分子レベルまで掘り下げて,暑熱馴化について解明できた.水チャネル,ガスメディエーター,シャペロンタンパク質である熱ショックタンパク質(HSPs),温度…

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  • 各種アスファルト道路舗装材が歩行者の熱ストレスに及ぼす影響

    長野 和雄, 志村 恭子, 三嶋 真名美, 井上 司, 桐山 和也, 須藤 美音, 堀越 哲美 日本生気象学会雑誌 57 (2), 81-94, 2020-11-12

    <p>本研究はアスファルト道路舗装材の改質によって夏季の屋外歩行者への熱的影響を緩和できるかを検討した.密粒,透水性,遮熱性,保水性アスファルト舗装および対照として芝生を加えた5種類の舗装体を豊田市内の屋外試験場に各5m四方の大きさで敷設した.観測項目は,各舗装体における鉛直温度分布・4成分放射量・蒸発水量,代表1点における気温・湿度・風向・風速・降水量・全天日射量,透水性舗装および保水性舗装の…

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  • 高齢者の熱中症が室内で発症し得る室温のIoTを用いた観察研究

    山下 駿, 多胡 雅毅, 織田 良正, 織田 正道, 山下 秀一 日本生気象学会雑誌 57 (2), 95-99, 2020-11-12

    <p>Wet bulb globe temperature (WBGT) ≥28℃では熱中症患者が急増するとされるが,その算出は複雑で,一般家庭では通常の室温の方が室内熱中症予防の指標として利用しやすい.環境省は地球温暖化防止を念頭に推奨室温を28℃としているが,室内熱中症予防を目的とした推奨室温は明らかにしていない.本研究は,訪問看護利用中の65歳以上の患者の自宅において,室内熱中症予防に理想…

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  • アイススラリー摂取時の環境温度の違いが体温と主観的温度感覚に及ぼす影響

    刑部 純平, 松本 孝朗, 梅村 義久 日本生気象学会雑誌 57 (1), 25-31, 2020-07-20

    <p>本研究の目的はアイススラリー摂取時の環境温度の違いが安静時の体温に及ぼす影響を明らかにすることとした. 対象者は男性7名であった. 人工気象室にて以下の3条件で実施した:室温35°C, 相対湿度30%の環境でアイススラリー(−1°C)を摂取する条件(HOT), 室温25°C, 相対湿度30%の環境でアイススラリーを摂取する条件(COOL) および室温35°C, …

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  • 生活環境における紫外線防御の評価方法

    渡邊 慎一, 石井 仁 日本生気象学会雑誌 57 (1), 7-16, 2020-07-20

    <p>過度な紫外線照射は健康リスクを高めることが指摘されている.本総説は,日除け構造物の紫外線防御効果を評価する紫外線防御指数<i>PF</i>および人体各部位に照射する紫外線量を推定するための紫外線照射率<i>ER</i>について,これまでの研究を概観した.日除け構造物の紫外線防御指数<i>PF</i>は,水平面のみの紫外線量に基づいた評価から,垂直面の評価が追加され,さらに6方向の評価へと拡…

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  • 屋根付きテニスコートのWBGT測定

    加治木 政伸, 山下 直之, 稲葉 泰嗣, 中野 匡隆, 渡辺 新大, 刑部 純平, 松岡 大介, 松本 孝朗 日本生気象学会雑誌 57 (1), 17-23, 2020-07-20

    <p>夏季の学校体育や部活動中,地域のスポーツ施設等の暑さ対策は喫緊の課題であるものの,十分に議論されていない.本研究では,岐阜メモリアルセンターにある屋根付きインドアコートのWBGTを実測し,屋根による日射遮蔽効果を評価することを目的とした.岐阜メモリアルセンターにある屋内,屋外コートそれぞれに携帯型WBGT計を設置し,WBGTを1分ごとに記録した.2019年8月14∼19日において,屋内コー…

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  • 大学生アスリートの夏季・秋季の屋外練習中における自由飲水の実施は脱水を抑制するか

    渡辺 新大, 加治木 政伸, 稲葉 泰嗣, 松本 孝朗 日本生気象学会雑誌 57 (1), 33-42, 2020-07-20

    <p>本調査の目的は,1)インカレ・レベルの大学生アスリート(陸上競技部;長距離,ラグビー部,ハンドボール部,硬式庭球部)124名(男性109人,女性15人)を対象に,厳しい暑熱環境下であっても,自由飲水を実施した場合,脱水率が2%未満に収まるかどうかを検証すること,2)各クラブ内の夏季と秋季の発汗量および脱水率を比較することであった.結果として,夏季の平均脱水率はすべてのクラブで2%未満であり…

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  • 日傘による暑熱環境緩和効果の実証的研究

    渡邊 慎一, 石井 仁 日本生気象学会雑誌 56 (4), 133-144, 2020-02-20

    <p>熱中症の予防策の一つとして日傘がある.本研究は,素材・加工および色の異なる7種の日傘のUTCI低減効果を明らかにすることを目的とする.実測は2013年7月及び8月に,大同大学にて実施した.日向及び日傘下において,気温・相対湿度・風速・上向き下向き長短波放射量を測定した.その結果,以下の知見を得た.日傘の日射遮蔽率は,日射量に依らずほぼ一定であった.最も日射遮蔽率が大きい日傘は「ラミネート白…

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  • 薪ストーブ使用時に形成される居間の室内温熱環境の実測調査

    栗原 広佑, 橋本 剛 日本生気象学会雑誌 56 (4), 145-163, 2020-02-20

    <p>本研究の目的は, 薪ストーブを使用する木造戸建住宅に形成される室内温熱環境の実態に関する基礎的知見を得る事である. 山形県最上郡金山町におけるタイプの異なる薪ストーブ使用住宅を調査対象とし, 室内温熱環境の実測調査を2018年の冬季に行った. その結果, 断熱性・気密性が高い現代型の住宅では相対的に高温かつ気温の変動幅が小さい室内温熱環境が形成され, 良好な放射環境が形成された. …

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  • 入浴剤の現状と展望

    渡邊 智, 石澤 太市, 綱川 光男 日本生気象学会雑誌 56 (4), 121-131, 2020-02-20

    <p>入浴剤は,温泉,薬用植物の二つを主なルーツとし,基本的な効果は,入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める,痛みを和らげる,等)と清浄効果(汚れを落とす,皮膚を清浄にする, 等)を高めることであり,この考え方を基本に,医薬品医療機器等法で効能効果が定められている.主な特長として,炭酸ガス系は血行促進効果,無機塩類系は保温効果,スキンケア系は皮膚の保湿作用,清涼系は爽快感 …

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  • 身体加速度ビッグデータに基づく日本人の睡眠問題に関する疫学研究-加齢効果

    李 俐, 中村 亨 生体医工学 Annual58 (Abstract), 320-320, 2020

    ...<p>最近,我々は,約8万人の24時間体幹加速度データベースを用いて,日本人の加齢や性差,生気象学的影響に関する睡眠疫学的知見を報告した.本研究では,不眠症などの睡眠問題と関わる睡眠指標の異常値を有する人口割合,特にその加齢変化についての分析を行った.先行研究において,中高年(40-50代)における有意な平均総睡眠時間の低下を報告したが,さらに総睡眠時間分布の加齢変化を検討したところ,総睡眠時間が9...

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  • 広島県極楽寺山周辺におけるオゾン濃度の季節変動と渓流水質

    苗村 晶彦, 奥田 知明, 渡辺 幸一, 福岡 義隆 日本生気象学会雑誌 56 (2), 101-107, 2019-10-01

    <p>森林衰退が報告されている瀬戸内海沿岸部の広島県極楽寺山南側斜面における二十四節気によるO<sub>3</sub>濃度の季節変動と,極楽寺山周辺の渓流水質を調査した.極楽寺山南側斜面のO<sub>3</sub>濃度は3年間の平均で24.6 ppbであり,首都圏の東京タワーと同程度で季節変動もほぼ同様であった.渓流水中の全平均値(<i>n</i>=12)はCl<sup>-</sup>濃度で90…

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  • 我が国における熱中症の死亡統計

    中井 誠一 日本生気象学会雑誌 56 (2), 67-75, 2019-10-01

    <p>人口動態統計では「熱中症」という用語を用いた死亡統計の分類はなく,「傷病および死亡の外因」の中に,1994年までは「過度の高温(E900)」,1995年以降では「自然の過度の高温への曝露(X30)」と「人工の過度の高温への曝露(W92)」の項目があり,これらが外因としての暑熱による死者数と考えられる.厚生労働省 …

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  • 再生林のサップフローと乾期と雨期の差異

    土谷 彰男, 田中 晃 日本生気象学会雑誌 56 (2), 77-88, 2019-10-01

    <p>アマゾナス州マナウス郊外で15年生再生林の先駆種のサップフロー(SF)をグラニエ法で計測し,透水係数と辺材面積から面積あたりの蒸発散に換算して,乾期と雨期(各30日間)で比較した.乾期も雨期も飽差(VPD)とSFはほぼ同位相であったが,雨期の晴天日の日総量は乾期より多く(乾期<雨期),VPD(乾期>雨期)と逆位相であった(個体あたり12.4 l/day(乾期)<14.9 …

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  • コーヒー豆由来クロロゲン酸摂取が冷水負荷後の末梢部皮膚温および皮膚血流に及ぼす効果

    野村 知子, 天野(吉田) 恭子, 中島 幸範, 高妻 和哉, 須摩 茜, 樋口 和彦, 杉山 義宣, 西村 直記 日本生気象学会雑誌 56 (2), 89-99, 2019-10-01

    <p>クロロゲン酸はコーヒー豆に多く含まれ,血管機能改善作用を有することが知られている.本研究では,クロロゲン酸飲料の単回摂取が冷水負荷後の末梢部皮膚温および皮膚血流に及ぼす効果について検討した.健常女性24名を被験者とし,クロロゲン酸飲料(クロロゲン酸270mg含有)あるいはプラセボ飲料を用いたランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験を実施した.試験飲料摂取50分後に水温15℃の水浴に…

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  • 冷え症女性における局所性および全身性皮膚冷却時の脳波の特徴

    山崎 文夫, 飯山 瞳, 岩田 華奈, 加藤 円佳 日本生気象学会雑誌 56 (1), 25-33, 2019-06-01

    <p>冷え症の人の冷覚に関わる脳活動の特徴を明らかにするために, 冷え症とそうではない若年成人女性を対象として, 局所性および全身性皮膚冷却時の脳波 (EEG) 応答を検討した. EEGは閉眼時に頭頂部から導出し, 4周波数帯 (θ, α1, α2, β) のスペクトルパワーを解析した. 局所性皮膚冷却実験では, ペルティエ素子を備えた局所温度調節装置を用いて, …

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  • 日本におけるアジサイの開花日に関する気候学的研究

    華表 正明, 山口 隆子 日本生気象学会雑誌 56 (1), 13-24, 2019-06-01

    <p>日本におけるアジサイの開花日(1987年~2016年)の経年変化と地域差について,近年の春の高温化および暖冬の影響を含め,気候学的観点から検討を行った.開花日の線形回帰分析の結果によれば,30年間の開花日変化率の全国平均(54地点)は,早期化の傾向が見られた.地点別の開花日変化率の分布では,西南太平洋側の地点で晩期化,北日本の地点で早期化という地域差が認められた.1987年~1996年,1…

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  • 認知機能と環境ストレス

    中田 大貴, 芝﨑 学 日本生気象学会雑誌 56 (1), 3-11, 2019-06-01

    <p>環境ストレスは生体機能に様々な変化をもたらし、心理学的な要因にも作用する。シビアな高体温や低酸素刺激は認知機能の低下をもたらすことがある。心理学的に認知機能を評価する方法は様々あるが、本稿では脳からの生体信号から認知機能を評価する方法について特化して解説したい。認知機能を変化させる手法を紹介するとともに、環境ストレスによってもたらされる高体温と低酸素が認知機能へどのように影響を与えるかを紹…

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  • 中年期女性の皮膚潤いに関わる生物物理特性の冬期4年間にわたる経年変化

    大野 秀夫, 西村 直記, 岩瀬 敏, 菅屋 潤壹, 西村 るみ子, 杉山 理 日本生気象学会雑誌 56 (1), 35-42, 2019-06-01

    <p>皮膚の生物物理特性の加齢変化を年代間で比較検討した研究は多いが,同一被験者を経年的に測定したものは極めて少ない.筆者らは40代前半の女性5名の前額,外眼角,頬における皮脂量,経皮水分蒸散量(TEWL)および皮膚コンダクタンスを人工気候室(24℃,相対湿度35%)において冬季4期(2011年~2014年)にわたり測定した.皮脂量は4年間で経年的に減少し,しかも減少率は年とともに大きくなった.…

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  • 高齢者の健康に及ぼす居間の床暖房設置を伴う断熱改修の効果

    野本 茂樹, 小川 まどか, 石岡 良子, 都築 和代, 坂本 雄三, 高橋 龍太郎 日本生気象学会雑誌 55 (4), 135-154, 2019-03-11

    <p>居間の断熱改修が居住者の健康にどのように影響するかを明らかにすることを目的とした.東京都内とその近郊の中古住宅に住んでいる高齢者42名(平均年齢68.7±6.2歳,59~81歳)とその居宅29棟を対象に,居間の床暖房設置を伴う断熱改修を施工し,その前後の住環境と居住者の健康状態を測定した.居間の温度と床表面および床上10cmの温度は工事1年後に有意に上昇した.24時間血圧連続測定では全日と…

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  • 土壁を有する伝統的構法住宅の熱的特徴とこれを活かした自然共生型居住への展開

    宇野 勇治 日本生気象学会雑誌 55 (4), 123-133, 2019-03-11

    <p>和の住まい、伝統的な建築、気候風土に根ざした建築への関心の高まりがみられる中で、木や土や紙などの自然素材を活かした空間をどのようにデザインするのかが問われている。伝統的建築の特徴的な要素である、土壁の熱的な特徴と断熱の効果、針葉樹無垢床材などの体感への影響、開口部を活用した通風効果などについて知見を整理する。</p><p>土壁住宅と非土壁住宅の比較実測では、土壁住宅の室内気温変動は緩やかで…

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  • 大規模加速度データベースを用いた客観的睡眠指標への生気象学的影響の検討

    李 俐, 中村 亨 生体医工学 Annual57 (Abstract), S240_2-S240_2, 2019

    ...<p>我々はこれまでに,日本全国から集められた約8万人の24時間3軸体幹加速度データベースを用いて,加速度データから高精度に睡眠覚醒判定・睡眠指標の導出が可能なアルゴリズムを構築し,日本人の日常生活下における睡眠指標の年齢,性別依存性を明らかにした.本研究では,同データベースを利用し,季節や気温や湿度などの生気象学的要因が日常の睡眠に及ぼす影響を検討した.解析対象データは,71045人(年齢10-89...

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  • 運動器慢性痛における気象の影響

    櫻井 博紀, 佐藤 純, 牛田 享宏 日本生気象学会雑誌 55 (2), 77-81, 2018-09-28

    <p>運動器慢性痛を訴える患者は,様々な症状・複雑な病態を呈するが,その中には気象変化により痛みが変化することを訴える症例がしばしばみられる.このように,慢性痛が天気の影響を受けるという報告は少なくないが,一方で両者の因果関係が見いだせないとするものもあり,一貫した見解はない.我々は天気の影響で痛みが悪化する患者に対して,人工的な気圧・温度環境に曝露することで痛みが変化することを確認してきており…

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  • 中年期女性の頬における皮膚弾力性と老化指標の関連性について

    大野 秀夫, 西村 直記, 岩瀬 敏, 菅屋 潤壹, 西村 るみ子, 杉山 理 日本生気象学会雑誌 55 (2), 107-113, 2018-09-28

    <p>近年,皮膚弾力性の低下は生理機能および血液成分と相関を有し,老化指標となりうるという興味深い研究結果が複数報告されている.筆者らは加齢に伴う皮膚弾力性の変化に焦点をあて,青年期女性(青年群)と中年期女性(中年群)の頬における皮膚弾力性を冬季と夏季に測定し,中年期女性に対する老化指標としての皮膚弾力性の意味を検討した.その結果,冬季には中年群の弾力性が青年群より有意に低かった.青年群の弾力性…

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  • 連続した屋敷森が夏季日中における集落気候形成に及ぼす影響

    橋本 剛, 遠藤 皆美, 今 和俊, 栗原 広佑 日本生気象学会雑誌 55 (2), 91-106, 2018-09-28

    <p>本研究の目的は,連続的に配置された屋敷森が夏季日中の集落気候形成に及ぼす影響を明らかにすることである.茨城県つくば市洞下集落において,2017年の夏季に気温,湿度,風向,風速および日射量の観測調査を行った.その結果,屋敷森内や屋敷森の縁では夏季の暑熱環境を緩和する効果が現れることが明らかになった.また,夏季日中において,連続した屋敷森に囲まれた住宅地では屋敷森が消失した住宅地よりも気温が低…

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  • メニエール病患者におけるメニエール発作と気象状況との関連性について(東京)

    北島 尚治 日本生気象学会雑誌 55 (2), 83-89, 2018-09-28

    ...<p>天候や気圧の変化により,めまい症状が引き起こされる現象は経験談としてよく耳にする.今回,大気状況が,めまいの一大疾患であるメニエール病発作に及ぼす影響を調べるため,生気象学的調査を東京にて行った.症例は2011年1月から2014年12月にかけて当院外来を受診したメニエール病患者16名である.患者には,めまい,難聴,耳鳴などのメニエール症状を記載するための用紙を渡し,症状自覚時に記載するよう指示...

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  • 着衣人体に対する日射の影響の理論的・実証的考察

    加藤 雄太, 長野 和雄, 渡邊 慎一 日本生気象学会雑誌 55 (1), 19-31, 2018-06-01

    <p>本研究はNet radiation methodに基づいて,単品衣服の吸収率・反射率・透過率を用いて重ね着衣服の正味の日射吸収率・透過率を推定し,実測値と比較した.また,着衣に吸収された日射熱の一部は皮膚表面へ再放出されるはずだが,従来の研究ではすべて環境側に再放出されると仮定していた.本研究は日射の再放出と人体部位差を考慮して熱収支式を立て,サーマルマネキンを用いた屋外実測を行い,その妥…

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  • 局所皮膚冷却時の温度感覚と脳波の変化

    山崎 文夫, 伊達 侑紀, 曽根 涼子 日本生気象学会雑誌 55 (1), 9-18, 2018-06-01

    <p>健康な男性9名と女性9名との間で体の冷えに係る愁訴の程度に差のないように調整した上で,局所皮膚冷却に対する温度感覚と脳波(EEG)の応答に男女差があるか否かを検討した.また,全被験者を冷え症者と非冷え症者とにグループ化し,2グループ間でこれらの生理的応答の違いについて比較した.両側足背部の局所温度を33℃から23℃へ低下させてから再び33℃へ加温する冷却-再加温負荷を2回繰り返した.温度感…

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  • 建築環境工学からみた文化財保存に及ぼす水分の影響

    鉾井 修一 日本生気象学会雑誌 55 (1), 3-8, 2018-06-01

    <p>埋蔵文化財である住居跡や建物の柱穴などの土遺構に関して、その劣化と保存に水が及ぼす影響を建築環境工学の観点より述べた。平城宮跡遺構展示館の遺構を例として取り上げ、その劣化と周辺環境との関係に関して、劣化の現状、劣化原因、劣化のモデル化、劣化の進行予測、劣化対策の提案と評価について概説した。この展示館においては、土壌の侵食、塩類風化、蘚苔類の生育による汚損、懸濁状の褐色物質による汚損といった…

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  • 高齢者の夏期室内温熱環境実態と熱中症対策

    柴田 祥江, 北村 恵理奈, 松原 斎樹 日本生気象学会雑誌 55 (1), 33-50, 2018-06-01

    <p>高齢者の住宅内での熱中症対策は喫緊の課題である.本研究は,在宅高齢者の(1)夏期の室内温熱環境実態,(2)熱中症対策意識と行動の調査,(3)体感温度の認知による行動変容の可能性を検討した.(1)74軒の住宅内5箇所の温湿度測定(湿度は居間のみ)の結果,熱中症発生が危惧される環境であった.(2) …

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 日本における気象観測―東京都檜原村を事例として

    山口 隆子 日本生気象学会雑誌 54 (4), 101-109, 2018

    <p>日本における公的機関による気象観測状況について概観するとともに,東京都檜原村を事例として,これまでの気象観測状況を明らかにした.日本における気象観測は,気象庁のみならず,国土交通省や海上保安庁,環境省,都道府県,消防署等において実施されている.しかし,それぞれの観測目的が異なることから,データの公開状況も異なり,観測システム間の連携が取れていないことが明らかとなった.東京都檜原村を事例とし…

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  • 高齢者の熱中症予防に向けた夏季日常生活下における温熱環境の月別調査

    上田 博之, 山崎 彩佳, 坂東 沙耶, 戸谷 真理子, 一之瀬 智子, 井上 芳光 日本生気象学会雑誌 54 (4), 135-145, 2018

    <p>本研究では,高齢者と若年成人の日常生活下における温熱環境を 5月から10 月まで毎月 3 日間連続的に調査し,高齢者における夏季温熱環境の月別変化を検討した.その結果,7 月から 9 月の屋内において高齢者は若年成人より高温多湿下で生活していることが認められた.この年齢差はエアコンディショナー使用環境下の高い室内温度に起因する可能性が示唆された.そのため,高齢者の熱中症予防策としてエアコン…

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  • 日本における生活季節期日の全国分布の推定

    住里 公美佳, 長野 和雄 日本生気象学会雑誌 54 (4), 111-134, 2018

    <p>本研究は,生活季節の開始日・終了日の等日線図を導出することを目的とする.京都市域在住の男女各 111 人に対し,毎週日曜日に 21 の行為についてのウェブアンケート調査を 1 年間続けた.アンケート調査と同期間に,京都で気温・湿度・風速・長短波放射量の気象観測を行い,これらのデータを基に体感温度 ETVO を算出した.日平均 ETVO …

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  • 近年におけるサクラの開花と冬季の温暖化

    松本 太 日本生気象学会雑誌 54 (1), 3-11, 2017

    <p>本稿では,近年における温暖化がサクラの開花日に及ぼす影響について,冬季における休眠解除の関与も含め検討を行った.1990 年以前では,殆どの気象官署において,サクラの開花日に影響を与える気象要因は,3 月平均気温のみで説明できたが,1991 年以降では,それに冬季最低気温を加える必要性が示唆された.1991 …

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  • 段ボールベッドが低温環境での入眠過程に及ぼす影響

    水野 一枝, 水野 康, 西山 加奈, 田邊 素子, 水谷 嘉浩, 小林 大介 日本生気象学会雑誌 54 (2), 65-73, 2017

    <p>段ボールベッドが低温環境での入眠過程に及ぼす影響を検討した.対象は成人男性 12 名とし,15℃ RH 60% の環境で床の上(条件 F)と床の上に段ボールベッドを使用(条件 B)した場合の 2 条件で 13:15~15:15 に就寝した.測定項目は睡眠脳波記録,皮膚温,寝床内気候,衣服気候,就寝前後の寝具の評価,温冷感,湿潤感,快適感や睡眠感等の主観申告であった.睡眠には条件間で有意差は…

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  • 高齢者の住まいにおける熱中症対策の試み

    柴田 祥江, 野本 彩, 松原 斎樹 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69 (0), 236-, 2017

    ...WBGT計読み取り記録では,日本生気象学会が警戒域としている25℃で居住者が危険や不快を感じていた。...

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  • 奈良県旧宗檜村における日向地名・日陰地名を持つ土地の日照・日射特性

    長野 和雄, 堀越 哲美 日本生気象学会雑誌 54 (1), 23-34, 2017

    <p>奈良県旧宗檜村の土地台帳に記載されているすべての小字の中から日当たりの良悪を表す日向地名・日陰地名を収集し,その地の日照・日射特性を GIS により検証した.日陰地名は日向地名に比べ標高が低く,天空率が低く,可照時間が短い.日陰地名の傾斜方位は北・北西・北東,日向地名は南西・南に多い.冬至における日陰地名の日積算散乱日射量,直達日射量は日向地名のそれぞれ 81%,21% …

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  • 農業従事者におけるハウス栽培作業時の熱中症および水分補給の実態

    齊藤 雄司, 樫村 修生, 野田 恒行, 桜井 政夫 日本生気象学会雑誌 54 (1), 13-22, 2017

    <p>農作業現場では,毎年熱中症による死亡者や救急搬送者が多くみられている.しかし現状は,農作業時の熱中症予防対策が遅れている.本研究は,ハウス栽培農業従事者の熱中症の予防対策について検討することを目的に,ハウス栽培農業従事者を対象に,熱中症発生の状況と水分補給の実態についてアンケート調査を実施した.</p><p>アンケート調査は,埼玉県春日部市近郊,および山口県宇部市近郊のハウス栽培農業従事者…

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  • 全国の公立小学校の運動会開催時期と熱中症の危険度評価

    渡邊 慎一, 石井 仁 日本生気象学会雑誌 54 (2), 75-86, 2017

    <p>本研究は,全国の公立小学校の運動会開催日を特定し,運動会開催日の熱中症の危険度を評価することを目的とする.運動会開催日は各校が公開しているホームページから特定した.運動会開催日の WBGT は環境省のデータを用い,日本体育協会が規定する指針に基づいて熱中症の危険度を評価した.全国で春期に運動会を開催する小学校は全体の 54.3% であり,秋期は 45.7% …

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  • 体液調節と女性ホルモン

    鷹股 亮 日本生気象学会雑誌 54 (2), 57-64, 2017

    <p>体液の浸透圧と量は浸透圧調節系と容量調節系で調節されている.浸透圧上昇時には口渇とバソプレッシン分泌による腎臓での水の再吸収の亢進により浸透圧が調節される.エストロゲンは,口渇を抑制する作用が報告されているが,浸透圧調節機能に及ぼすエストロゲンの影響についてはわからない部分も多い.容量調節系は主に体内のナトリウム量を調節することにより行われる.エストロゲンとプロゲステロンはともに血漿量を増…

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  • ラグランジアン人間気象学

    仲吉 信人 水文・水資源学会誌 29 (4), 238-250, 2016

    ... 本解説は,個人の動線に沿った微気象変化,およびそれに伴う人体生理応答を計測・評価する都市生気象学の新たな研究手法について紹介するものであり,本手法の根幹技術であるウェアラブルな気象・生理計測システム,およびそれを用いた都市街区での被験者実験に焦点を当て報告する.ウェアラブル計測システムは,微気象因子として全ての熱環境因子(気温,湿度,風速,短波・長波放射),生理因子では皮膚温度,脈拍,活動量指標,...

    DOI Web Site Web Site 参考文献4件

  • 継続的な運動が脊髄損傷者の温熱環境適応能力に及ぼす影響

    三上 功生, 蜂巣 浩生 日本生気象学会雑誌 53 (4), 145-164, 2016

    <p>脊髄損傷者は身体の広範囲に及ぶ発汗障害や血管運動障害などの体温調節障害を有しているが,継続的な運動が脊髄損傷者の暑熱・寒冷ストレスに対する生体負担の軽減や,冷暖房機器への依存度の低下に繋がる手段の一つとして期待できるのではないかと考え,3 名の脊髄損傷者(頸髄損傷者,胸髄損傷者,腰髄損傷者各 1 …

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  • 帯電微細水分粒子(ミスト)が皮膚の潤いと柔らかさに及ぼす効果

    大野 秀夫 日本生気象学会雑誌 53 (4), 113-121, 2016

    <p>近年,噴霧技術の目覚ましい進歩によって実用化に至った帯電微細水分粒子,いわゆるミストは,皮膚表面の細胞間隙へ浸透できるのではないかという期待感をもって美容と健康を謳い文句に,皮膚へ直接吹き付ける小型で個人用のものが家電商品や美容機器として発売されている.さらに皮膚を乾燥から守りながら快適な温湿度環境を提供するというミスト発生機能付き空気清浄機やエアコンも家庭向けに積極的に発売され始めている…

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  • 2020 年東京オリンピックマラソン時の WBGT の予測

    樫村 修生, 南 和広, 星 秋夫 日本生気象学会雑誌 53 (4), 139-144, 2016

    <p>本研究では,2020 年東京オリンピック開催期間と同期間の 2015 年において,暑熱曝露がもっと過酷であると想定されるマラソン選手の立場から,走行中に曝露される WBGT の計測を試みた.期間中にロードバイクに環境温度計を設置し,スタート地点からゴールまでをマラソン競技の走行スピードに相当する時速 20 km 時の WBGT を計測し,熱中症の危険性を評価した.平均 WBGT は 7 …

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献2件

  • 夏期暑熱環境下ハウス栽培作業時における農業従事者の体温調節反応

    齋藤 雄司, 樫村 修生, 野田 恒行, 桜井 政夫 日本生気象学会雑誌 53 (2), 95-103, 2016

    <p>目的は,夏期暑熱下ハウス作業時の体温調節応答を調べ,特に高齢の農業従事者における熱中症の危険性を評価することである.ハウス農業従事者男性(25 名,年齢 59.6±6.7 歳)において,ガラス型ハウス内で花卉栽培および土壌作り作業時の環境温度,鼓膜温,心拍数,発汗量および汗中塩分濃度,水分補給量,口渇感を測定した.WBGT は,27.4 から …

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  • 生活環境と生物時計

    山仲 勇二郎 日本生気象学会雑誌 53 (2), 69-81, 2016

    <p>私たちの行動(睡眠覚醒),血圧,ホルモン分泌などの生理機能を長時間にわたり観察すると明瞭な 24 時間リズム(概日リズム)がみられる.概日リズムの発振源は,内因性の自律振動機構である生物時計である.ヒトを含め哺乳類の生物時計は,視床下部の視交叉上核に存在する中枢時計と肝臓,肺,心臓など全身の末梢組織に存在する末梢時計からなる階層構造をもつ.生物時計の役割は,外部環境への同調と生理機能を時間…

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 熱中症の事前学習が熱中症既往者数に及ぼす影響

    山下 直之, 伊藤 僚, 中野 匡隆, 樊 孟, 田井村 明博, 松本 孝朗 日本生気象学会雑誌 53 (1), 31-38, 2016

    対象者の熱中症への理解度が乏しい場合,自己記入式の調査では熱中症既往者数を過小評価する可能性がある.本研究の目的は熱中症の事前教育が熱中症既往者数に影響するか否かを検討することであった.大学生 90 名を対象に,約 1 時間の熱中症教育の前後で小学校から高等学校までの熱中症既往をアンケートにて調査した.83 名(92.2%)から有効回答を得た.熱中症既往有と回答した者は,講義前 16 …

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  • 瀬戸内海東部の諸都市・島嶼部における夏季暑熱ストレスの地域性について

    大橋 唯太, 鎌倉 正希 日本生気象学会雑誌 53 (4), 123-138, 2016

    <p>本研究では,瀬戸内海東部地域を対象に,地理・地形的環境の違いが夏季暑熱ストレスの分布にどのような影響を及ぼすか,気温と 2 つの暑熱ストレス・インデックス(MDI と ESI)から調べた.2014 年の夏季に,内陸部,平野部,沿岸部,島嶼部にある 7 地域で気象観測を実施した.気温だけから暑熱ストレスを評価した場合,高温の出現頻度は内陸部,平野部,沿岸部,島嶼部の順に多かった.一方,湿度も…

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • アマゾン中部における太陽放射由来と降雨に由来する浅層土壌の CO<sub>2</sub> 濃度変化

    土谷 彰男, 田中  晃 日本生気象学会雑誌 53 (2), 83-93, 2016

    <p>アマゾン湿潤熱帯地域の農地と林内で土壌 CO<sub>2</sub> 濃度を計測したところ,晴天の続く乾期では,農地の地下 10 cm の地温が上昇する日没時に土壌水分と CO<sub>2</sub> 濃度の低下が,地温が低下する深夜から朝にかけて土壌水分と CO<sub>2</sub> 濃度の上昇が見られ,温度変化にともなう土壌空隙中の相変化が濃度の変化をもたらした.ただ,熱輸送は地下 …

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  • 東京タワーにおける季節別の夜間高 NO<sub>2</sub> 濃度とポテンシャルオゾン濃度との関係

    苗村 晶彦, 渡邉 善之 日本生気象学会雑誌 53 (1), 39-44, 2016

    東京圏の中心地に位置する東京タワーにおける 2009 年の春季~夏季および秋季~初冬の夜間高 NO<sub>2</sub> 濃度時を解析したところ,ポテンシャルオゾン(以下,PO)濃度について季節別に特徴があり,春季~夏季では時間帯によっては高濃度が確かめられ,秋季~初冬には一様な濃度低下が認められた.また,春季~夏季および秋季~初冬の夜間 PO 濃度が平均 80 ppb …

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  • 動静脈吻合(AVA)血流と四肢からの熱放散調節

    平田 耕造 日本生気象学会雑誌 53 (1), 3-12, 2016

    本研究は熱負荷時に手から還流する皮静脈血流が,どの程度前腕からの蒸散性(E)及び非蒸散性(R+C)熱放散量に影響するか明らかにすることを目的とした.両腕は,一側ずつ手血流量と手からの還流静脈血を手首のカフ加圧(250 mmHg)により 30 分間遮断する加圧側としない対照側とした.食道温が 0.82℃上昇する間,手の血管拡張後,対照側の前腕皮膚温は …

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 居住者視点によるヒートショック対策の検討

    北村 恵理奈, 柴田 祥江, 松原 斎樹 日本生気象学会雑誌 53 (1), 13-29, 2016

    冬期のヒートショックは高齢者に健康被害をもたらす恐れがあるのでその対策は急務である.本研究は居住者視点からヒートショック対策を検討するために,(1)トイレ・脱衣室の温度認知調査,(2)住宅内の温湿度測定,(3)簡易断熱の効果測定を実施した.結果,(1)高齢者の温度認知はあまり正しくなかった.その理由は,高齢者の温熱感覚が低下していることと,滞在時間が短いためと推測される.(2)各住戸の温度の実測…

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  • WBGT 28℃以上の輻射環境下における四肢部露出の有無が運動時の温熱ストレスに与える影響

    辻 道夫, 久米 雅, 芳田 哲也 日本生気象学会雑誌 51 (4), 127-139, 2015

    湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature, WBGT)28℃以上の輻射環境下において,四肢部露出の有無が運動時の温熱ストレスに与える影響を明らかにすることを目的として 7 名の被験者を対象に実験を実施した.輻射環境はスポットライト 2 基を用いて WBGT 28.3±0.1℃を設定し,着衣は長袖・長ズボン(L 条件)と袖なし・半ズボン(S 条件)の 2 …

    DOI 医中誌

  • 屋外の WBGT 式の伝熱工学的解釈とそこから導かれる WBGT の補正量

    佐古井 智紀, 持田 徹 日本生気象学会雑誌 52 (1), 17-28, 2015

    本稿では,中強度の代謝量 174 W/m<sup>2</sup> での作業時,かつ,一般的な透湿性の衣服を着用した条件を対象として,日射のある条件に用いられる WBGT 式の意味合いを伝熱工学の視点から検討した.その結果,1)WBGT の湿球温度とグローブ温度,気温の重み係数の比は,皮膚のぬれ率 0.5 を想定した場合の比に応じること,2)WBGT …

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  • WBGT に基づいた日本の暑熱環境の将来予測

    鈴木パーカー 明日香, 日下 博幸 日本生気象学会雑誌 52 (1), 59-72, 2015

    ...暑熱指標 WBGT(wet-bulb globe temperature)に基づき,将来の日本の暑熱環境予測を行なった.これに先立ち,全国の官署データを基に 1991–2010 年 8 月を対象とした現状把握を行った所,現在の日本はすでに厳しい暑熱環境にあることが示された.特に関東以西の地域では 8 月の日中平均 WBGT 気候値が 26℃以上となっているが,これは日本生気象学会等が定める熱中症指針...

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  • 八ヶ岳山麓の板倉に形成される温熱環境に関する実測調査

    橋本 剛, 樋口 貴彦, 安藤 邦廣 日本生気象学会雑誌 52 (1), 45-58, 2015

    本研究の目的は,板倉の壁構法の違いが室内温熱環境の形成に及ぼす影響を実証的に明らかにすることである.八ヶ岳山麓に現存する落とし板倉,井籠倉および土塗り板倉を調査対象とし,室内温熱環境の実測調査を 2007 年の夏季と 2008 年の冬季に行った.その結果,土塗り板倉には,夏季・冬季ともに極めて安定した室内温熱環境が形成されることが再確認された.そして,その気温変動緩和効果は冬季の特に寒冷な日に日…

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  • 運動時における口渇感と生理的反応の関連性

    鈴木 英悟, 樫村 修生 日本生気象学会雑誌 52 (4), 165-174, 2015

    本研究の目的は,気温 15℃,23℃ および 30℃ 環境下運動時において,口渇感の変化に影響を与える可能性が考えられる体温調節反応について明らかにし,口渇感の変化から熱中症予防の評価が可能かどうかについて検討することである.測定項目および結果は以下に示す.被験者は,健康な年齢 20 歳から 22 歳の男子大学生の 8 名を用い,各被験者について異なる環境条件下で 60 …

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 冷え症体質と倹約遺伝子

    荒川 恭子, 石井 由香, 香川 靖雄 日本生気象学会雑誌 52 (4), 199-211, 2015

    本研究の目的は,健康な若年女性を対象に,冷え症の要因として遺伝子変異が関わっているか否かを明らかにし,冷えの発症機序を自律神経機能から解明することである.女子学生 27 人を冷え症 17 人と非・冷え症 10 人の 2 群に分け,肥満関連遺伝子(UCP-1, β2-AR, β3-AR)と高血圧関連遺伝子(AGT)の変異の出現頻度を検討した.その結果,冷え症体質者では非冷え性体質者に較べ冷水負荷後…

    DOI Web Site 医中誌

  • 仮眠を用いた不安喚起刺激による入眠困難の生理心理学的検討

    成澤 元 日本生気象学会雑誌 51 (4), 151-160, 2015

    就眠時の環境や精神状態は睡眠の質に多大に影響する.しかし Rechtschaffen and Kales による睡眠段階の国際標準判定基準では,入眠困難者の入眠構造に健常者との違いがみられないとの報告がある.入眠困難が主観的な評価だけでなく,客観的な指標の変化を伴うものであるか検討することを目的とした実験を行った.客観的な指標には 9 …

    DOI 医中誌

  • 高齢者における夏季の冷房使用状況と冷房使用時の生理的反応と温熱的快適性に及ぼす気流の影響

    田中 英登, 梅田 奈々 日本生気象学会雑誌 51 (4), 141-150, 2015

    高齢者における屋内熱中症発生の予防策として,冷房の使用が推奨されている.しかし,先行研究より冷房の苦手な高齢者が多く,冷房を使用していないことから,高齢者が好むあるいは苦手とならない冷房環境について,特に冷房気流の影響について明らかにすることを目的として研究を行った.研究調査は,先ず第 1 に高齢者の冷房使用実態を推測するため,生活温度環境の調査を行い,10 人中 3 人は 1 …

    DOI 医中誌

  • 我が国における高濃度酸素吸入の生理的効果に関する研究事例

    垣鍔 直 日本生気象学会雑誌 51 (4), 117-126, 2015

    健常者の日常生活においては高濃度の酸素を呼吸する必要性は少ないが,激しい運動中及び運動後や低酸素になるような状態,例えば長時間作業や加齢などで生理上の障害が予想される場合,適切な高濃度酸素供給が役に立つ可能性がある.本論で紹介したように,運動中の高濃度酸素呼吸による訓練効果や運動後の回復効果を報告した研究例は数多いが,効果の有無に関しては,いまだに賛否両論がある.原因としては,種々な運動に対して…

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  • 長野県諏訪地方の建てぐるみに形成される室内温熱環境の実測調査

    豊川 尚, 橋本  剛, 安藤 邦廣 日本生気象学会雑誌 52 (1), 29-43, 2015

    長野県諏訪地方には倉が主屋に内包されている建てぐるみと呼ばれる伝統民家がある.これらは諏訪地方の厳しい自然環境に適応した気候景観であると考えられているが,これまでに温熱環境の実測調査に基づく研究は行われていない.そこで本研究では,倉が主屋に包まれることが倉の室内温熱環境の形成に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,2008 年及び 2010 …

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  • 飼育動物の健康と福祉―福祉指針,育種に起因する健康問題,および感染症―

    竹村 勇司 日本生気象学会雑誌 52 (1), 3-15, 2015

    20 世紀中期から集約的畜産業が急速に発達すると,農用動物の福祉問題が関心を集め,「5 つの自由」と呼ばれる福祉指針が動物行動学や生理学の研究成果を踏まえて確立された.「5 つの自由」は現在,農用動物に限らず愛玩・伴侶動物,実験動物,さらに動物園等の展示動物といった人の管理下にある飼育動物一般に共通の福祉指針として国際的に普及している.本総説では,初めに「5 …

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  • 気温変化が開花観光に与える影響:ヒガンバナの開花に関した事例研究

    井上 智晴, 永井 信 日本生気象学会雑誌 52 (4), 175-184, 2015

    人々に文化的な生態系サービスを供給する開花や紅葉などの植物の季節変化は,観光資源としての価値を持つ.しかし,気温変化に伴う植物の季節変化の期日の変化は,観光客数に影響を与える可能性がある.そこで,気温変化が開花観光に与える影響の評価を目的とした事例研究として,日本でも有数のヒガンバナの群生地を対象に,ヒガンバナの開花日,気温,観光客の移動の利便性向上を目的とした鉄道の特別運行期間,開花期間中の観…

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  • 季節風と洪水に備えた伝統集落の集落構成原理と屋敷森の防風効果

    佐藤 布武, 橋本 剛, 豊川 尚, 石井 仁 日本生気象学会雑誌 52 (4), 185-197, 2015

    本研究では,複合扇状地上に位置し,洪水履歴を持つ伝統集落における,気候風土に根ざした集落規模での住環境形成手法の実態を明らかとすることを目的とした.屋敷森が集落内に点在する独特の集落景観を持つ福島県会津若松市二日町集落を対象に,集落全体の構成原理を明らかとする集落構成調査と,冬季における防風効果を検証する小気候調査を実施した.集落構成調査の結果,二日町集落の特徴的な集落空間は,水路や石垣,屋敷森…

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  • 経口補水療法

    谷口 英喜 日本生気象学会雑誌 52 (4), 151-164, 2015

    経口補水療法(ORT: oral rehydration therapy)とは,脱水症の改善および治療を目的として水・電解質を経口的に補給する治療方法である.2003 年に公表された米国疾病管理予防センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)のガイドラインでは,小児の軽度~中等度の脱水状態に対して ORS …

    DOI Web Site 医中誌

  • 日本における熱中症予防研究

    芳田 哲也 日本生気象学会雑誌 52 (2), 97-104, 2015

    地球の温暖化を背景として日本では熱中症事故が増加している.特に暑熱に関係する死亡事故は屋外でのスポーツ活動時や運動時または労働時にみられる.熱失神,熱疲労,熱けいれん,熱射病などの熱中症は高体温と脱水が原因であるので,夏季運動時や労働時にこのような生理的歪みを減少させることが熱中症の予防に重要である.日本の公的機関から発表されている熱中症予防に関するガイドラインは,高温環境における生理反応やヒト…

    DOI 医中誌

  • オンラインコミュニティへの質問投稿者が有する熱中症への関心

    飛田 国人, 藏澄 美仁, 大和 義昭, 深川 健太, 佐賀 亮介 日本生気象学会雑誌 52 (2), 105-117, 2015

    熱中症に関する市民の関心特性を示すことを目的として,オンラインコミュニティに投稿された質問を対象に,熱中症用語の投稿数と質問内容の主語,場面,要点の観点から分析した.市民が主に使用する熱中症用語は熱中症,熱射病であった.質問投稿数は日最高 WBGT が 20℃から増加し始め,質問数は年次的に増加傾向であった.質問の要点では対策,症状,診断,対応において 100 …

    DOI 機関リポジトリ 医中誌 研究データあり 参考文献1件

  • 秋の衛星季節学におけるウェブサイト上で公開されている紅葉情報の有用性

    永井 信, 井上 智晴, 鈴木 力英 日本生気象学会雑誌 52 (2), 119-129, 2015

    地上と衛星観測データの解析による紅葉季節の時空間分布の図化に関して,ウェブサイト上で公開されている紅葉情報の有用性を評価した.本研究は,(1)神奈川県を対象に,2014 年 11 月 21 日から 11 月 25 日に発信されたウェブサイト上の紅葉情報を収集した.そして,(2)ウェブサイト上の紅葉情報と Landsat-8 衛星に搭載された OLI センサーで 2014 年の 11 月 23 …

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  • 前腕角層水分量に影響する要因―冬季と夏季の比較―

    岡田 ルリ子, 松川 寛二, 小林 敏生, 宮腰 由紀子 日本生気象学会雑誌 52 (2), 131-137, 2015

    皮膚の保湿性の指標となる角層水分量および経皮水分蒸散量を,皮膚表面温度とともに,冬季(室温 21℃)と夏季(室温 25℃),および冬季の室温 21℃と 25℃という室内温度環境下で測定した.この 3 項目に影響を及ぼす短期的(室温変化)および長期的(季節)要因について検討した.角層水分量および皮膚表面温度は,夏季と比べ,冬季に有意に(P<0.01)減少し,経皮水分蒸散量も低下する傾向にあった.冬…

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  • 夏季における高齢者の冷房装置使用の調査:2010–2011 の比較

    水口 恵美子, 中澤 浩一, 萱場 桃子, 近藤 正英, 本田 靖 日本生気象学会雑誌 51 (1), 9-21, 2014

    冷房装置使用は住宅内の熱中症予防に有効であることが報告されている.2011 年に福島第一原子力発電所事故が発生し,節電対策が冷房装置使用の行動に影響を与えたことが推測される.本研究では,2010 年に調査した夏季における高齢者の冷房装置の使用状況と住宅内熱中症のリスク人口について追跡調査を行い,2011 年夏の冷房装置使用の状況を明らかにした.全国 8 都市(札幌市,仙台市,さいたま市,東京都 …

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  • 関西地域における近年の「猛暑」の評価―電力需給の議論の基礎として―

    小松 光 日本生気象学会雑誌 51 (1), 37-47, 2014

    2011 年以降の関西地域における電力需給の議論で,2010,2012,2013 年が「猛暑」とされてきた.本論は,これらの年を電力需給の観点から「猛暑」とみなす妥当性を検討した.大阪管区気象台の日最高気温(<i>T<sub>o</sub></i>)が,関西地域の電力使用量とよい相関を持つことを確認した上で,2010,2012,2013 年の <i>T<sub>o</sub></i> …

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  • 降雨によってもたらされるサップフローの増減

    土谷 彰男 日本生気象学会雑誌 51 (2), 95-108, 2014

    2009~2011 年,アマゾンの常緑広葉樹ハードウッド(天然林 6 個体,再生林 6 個体)を対象に,グラニエ法でサップフローを,ポテンショメーターで樹幹周囲長を計測し,降雨が発生する際の樹木の反応を調べた.晴天日の午前は蒸散>サップフローで収縮,午後は蒸散<サップフローで膨張に転じ,サップフローと樹幹周囲長はほぼ逆位相の関係にあった.昼間にスコールがあると,蒸散は停止するが,サップフローは鈍…

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  • 山陰地方の気候風土に根ざした環境デザイン

    兼子 朋也 日本生気象学会雑誌 51 (2), 83-94, 2014

    山陰地方には伝統的な暮らしが現在でも色濃く残り,気候風土に根ざした環境デザインの事例が多く存在する.なかでも風,特に冬季の季節風への対処に様々な工夫が見られる.出雲斐川の築地松(ツイジマツ)は黒松を垂直に刈り揃えた独特の形態の屋敷林として広く知られている.隠岐島後,久見集落では松のカキヤネ,イタカベ,タケカベ,ササカベといった植物や自然素材を有効に活用した風よけが存在する.中村集落では防風,防砂…

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  • 通常観測気象要素を用いた WBGT(湿球黒球温度)の推定

    小野 雅司, 登内 道彦 日本生気象学会雑誌 50 (4), 147-157, 2014

    我々は気象庁の協力を得て,国内 6 都市(気象台)において 2007 年より黒球温度の連続観測を行い,WBGT(湿球黒球温度)を算出,ホームページより公開してきた.これらの観測データを元に,黒球温度,湿球温度を使わず通常気象要素のみにより WBGT を簡便に推定する方法を提案する.<br> 乾球温度,相対湿度,全天日射量,風速,及び,これら気象要素を組み合わせた乾球温度 × …

    DOI 被引用文献2件

  • 人間活動で変わるアマゾンの局地気候

    土谷 彰男 日本生気象学会雑誌 50 (4), 135-146, 2014

    ブラジル国内で 620 万 km<sup>2</sup> の面積を持つアマゾン熱帯林は 1970 年代からの開発によって既に 15%が失われ,牧場や農地に変わってしまった.伐採の契機は幹線道路の敷設であった.有用材の伐採の後に焼き払い,牧場にする.山焼きは年間 20 万件に及ぶ.そのためアマゾン南部の一部地域では人為改変率が …

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  • WBGTの気候風土差と熱中症患者実数との違いについて

    福岡 義隆 日本地理学会発表要旨集 2014s (0), 100240-, 2014

    ...<b>方法</b>①、日本生気象学会認定の気温・湿度からWBGT推定する図に、一種のクリモグラフを重ね合わせることで、熱中症発症危険期間と地域を比較考察~沖縄・東京・札幌における実搬送患者数の比較.②熱帯・温帯(モンスーン気候区と西岸気候区)などの違いを考察~マドラス(インド)・ロサンゼルス・東京の比較<b>結果</b> 実際の熱中症発生数は沖縄は東京より少ない。...

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  • 山梨県における熱中症発生の地域特性

    赤塚 慎, 宇野 忠, 堀内 雅弘 日本生気象学会雑誌 51 (1), 23-36, 2014

    本研究は,山梨県における熱中症発生状況の地域特性を明らかにし,地域毎の熱中症対策に役立つ情報を提供することを目的とした.山梨県を 6 地域に区分し,2004 年から 2012 年までの熱中症による救急搬送者データを利用して,各地域における熱中症発生の実態把握を行った.各地域における行動別,年齢別,空間別,月別の人口 10 万人当りの熱中症搬送者数に注目して解析を行った結果,山梨県全体では,19 …

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件

  • 温度不耐性と慢性痛

    青野 修一, 櫻井 博紀, 佐藤 純 日本生気象学会雑誌 51 (1), 3-7, 2014

    外傷によって神経が傷ついたあとに見られる神経障害性疼痛や,腰痛,関節痛などの慢性痛では環境温度の変化に対する耐性が下がり,軽微な温度変化によって痛みが増悪するケースが少なくない.このような病態は「温度不耐性」と呼ばれ,ヒトの場合は主に低温不耐性となって現れる.温度不耐性の病理学的バックグラウンドは未だ不明な点も多く,適切な治療法が未だ確立されていない.これまでの研究報告によれば,皮膚の温度不耐性…

    DOI Web Site 医中誌

  • 森林生産性の傾向変化に寄与する気候的・非気候的要因

    川口 光倫 日本生気象学会雑誌 51 (2), 71-82, 2014

    気候変動の結果によると思われる森林樹木の成長傾向の変化や集団枯死が近年相次いで報告されており,本総説は近年の論文からそれらの現況と要因についてまとめたものである.気温と降水量は森林生産性を制限する主要因であり,これまでの気温上昇により樹木の成長が増加した一方,乾燥ストレスの相対的な増大による成長の低下も観測された.その他の気候的要因である日射量,そして非気候的要因である大気中の二酸化炭素濃度の上…

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  • 温熱環境と睡眠

    都築 和代 日本生気象学会雑誌 50 (4), 125-134, 2014

    温熱環境は人の睡眠に影響を与える最も重要な要因のうちの 1 つである.なぜなら,温熱環境が睡眠段階に及ぼす影響は人の体温調節に密接に関係しており,かつ,その体温調節は睡眠を調節する機構にも影響を与えるからである.また,睡眠は人生の 3 分の 1 を費やし,室内環境で行う多くの生活行動のうちの,誰もが行うもっとも普通の行動である.睡眠中の人体周囲の温熱環境は,たとえ家の中でも季節の気候の影響を受け…

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  • 頸髄損傷者の住宅温熱環境の実態調査

    三上 功生, 蜂巣 浩生 日本生気象学会雑誌 50 (4), 175-187, 2014

    ほぼ全身に及ぶ発汗障害などの重篤な体温調節障害を持つ頸髄損傷者が住んでいる住宅の温熱環境の実態を把握することを目的として,東京都と埼玉県の 4 戸の住宅(木造戸建て住宅 2 戸,集合住宅 2 戸)を対象として調査を行った.その結果,夏季調査では,在室時間が長い寝室と居間の温度がエアコンの設定温度よりも高く推移している傾向にあり,その原因としてエアコンの能力不足,外壁や屋根内部の断熱材の非設置が推…

    DOI Web Site 医中誌

  • 豪雪地帯農村部に暮らす健常高齢者の歩行能力低下の要因に関する研究

    原田 智美, 野田 美保子 日本生気象学会雑誌 50 (4), 159-174, 2014

    豪雪地帯農村部の青森県 T 町の高齢者は 10 m 障害物歩行と 6 分間歩行の得点が低く歩行能力低下が指摘されている.本研究はその要因を調べる目的で T 町健常高齢者 45 名(平均 74 歳)を対象に携帯型活動量計を用いて 2012 年 2 月~2013 年 1 月の歩数および歩行速度の指標としてのエクササイズ(Ex)を測定し,同時期の身体活動実施状況と気象状況を調べた.対象者全体の歩数は平…

    DOI Web Site 医中誌

  • ヒートアイランド対策

    山口 隆子 日本生気象学会雑誌 50 (2), 71-75, 2013

    ヒートアイランド現象に関する研究は,ヨーロッパにおいて 19 世紀初頭からはじめられ,日本においても 20 世紀以降,現在に至るまで多数行われている.それらの研究成果をもとに,国及び東京都において実施されているヒートアイランド対策の施策化状況について概観すると,大きく 3 期(ヒートアイランド対策黎明期・推進期・成熟期)に区分される.ヒートアイランド現象が一般社会に認知され始めた黎明期,国・地方…

    DOI Web Site 被引用文献1件 参考文献38件

  • 山口県祝島集落の気候適応性能評価

    長野 和雄, 堀越 哲美, 石井 仁, 宇野 勇治, 橋本 剛, 兼子 朋也 日本生気象学会雑誌 50 (2), 77-92, 2013

    ネリヘイと呼ばれる石壁を持つ住宅が数多く残る山口県祝島集落において,その気候適応性能を明らかにするため集落・室内気候観測およびアンケート調査を行った.住宅を密に複雑に並べることによって集落内部の風速が弱められていた.ネリヘイや家屋によって囲まれ風速が弱められた場所では気温が高くなり,総合体感指標である ETU …

    DOI 機関リポジトリ Web Site 参考文献35件

  • 中山間地域都市としての郡上市八幡町における山地・河川が市街地の気温分布に及ぼす影響に関する実測調査

    石田 勝美, 宗廣 耕市, 松下 拓真, 堀越 哲美 日本生気象学会雑誌 50 (1), 37-47, 2013

    国土の約 65% を占める中山間地域の都市における,気候特性の観測事例は少なく,地元資源を活かしたまちづくりを行っていく上には,都市気候を知ることは重要と考えられる.本研究は,岐阜県郡上市八幡町においてヒートアイランドの形成,河川・山地の存在が市街地の都市気候に及ぼす影響を明らかにすることを目的とするものである.2007 年 8 月 23 日に気候観測を実施した.観測点 27 …

    DOI Web Site 参考文献24件

  • 都市内の大規模緑地がもたらす大気冷却効果

    重田 祥範, 高岡 利行, 大橋 唯太, 亀卦川 幸浩, 平野 勇二郎 日本生気象学会雑誌 50 (1), 23-35, 2013

    都市内緑地の大気冷却効果を定量的に把握するため,大阪城公園とその周辺都市部を対象とした地上気象観測を 2007 年 8 月 1~15 日にかけて連続的に実施した.その結果,大阪城公園のクールアイランド強度は,午前 4~5 時のあいだに+2.0℃以上(最大+2.8℃)を示した.観測を実施した夜間には,この地域特有の南西寄りの一般風が卓越していたにもかかわらず,公園南側では一般風とは相反する弱い北風…

    DOI Web Site 参考文献23件

  • 下刈り作業における作業員への影響について

    清水 正俊, 吉本 貴久雄, 森口 直哉 日本森林学会大会発表データベース 124 (0), 725-, 2013

    ...日本生気象学会の熱中症予防指針では、31℃以上は危険とされており、標高140mではその基準を上回っていた。下刈り作業後の作業員の運動強度には、標高毎の差は見られなかった。しかし聞き取り調査では標高140mの下刈り作業は、大変不快との回答であった。...

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  • 異なる入浴様式による加齢臭の除去・抑制効果

    西村 直記, 岩瀬 敏, 菅屋 潤壹, 河原 ゆう子 日本生気象学会雑誌 50 (2), 107-115, 2013

    本研究は,身体を擦ることなく 2-ノネナールや皮膚の汚れを除去し,入浴後の加齢臭の発生を効果的に抑制できる入浴様式について,マイクロバブル浴,さら湯浴およびシャワー浴の 3 条件で比較・検討した.8 名の健常男性(40~44 歳)に,10 分間のマイクロバブル浴またはさら湯浴,5 分間のシャワー浴のいずれかをそれぞれ日を変えて行わせ,入浴前後の …

    DOI Web Site 医中誌 参考文献18件

  • 夏季と冬季における名古屋市茶屋新田地区の水田を有する市街地の小気候調査

    松本 太, 堀越 哲美 日本生気象学会雑誌 50 (2), 93-106, 2013

    本研究では,水田が存在する臨海部市街地の気候環境を評価し,土地利用の影響も明らかにすることを目的として,名古屋市茶屋新田地区を対象として気候観測を行った.その結果,夏季日中の海風の吹走が確認され,水田域から市街地にかけて,低温多湿な空気の移流が示唆された.水田域での低温は,水田からの蒸発散や水体の熱容量の影響によるものと考察された.それに対し,市街地での高温には人工被覆面の熱容量や,建物による日…

    DOI Web Site 参考文献11件

  • 衣服の湿潤をめぐる展開

    潮田 ひとみ 日本生気象学会雑誌 50 (1), 3-9, 2013

    衣服の湿潤は衣服着用時の快適感を大きく左右する要因である.衣服の湿潤感に関する研究を概説し,その要因について報告する.衣服素材が湿潤すると,それに伴って物性が変化する.湿潤した衣服を着用したときの体温調節反応は,吸湿しているか,吸水しているかによって異なる.湿潤感に影響を与える衣服素材の物性について示す.湿潤感は,衣服素材の吸水・吸湿による温度変化だけではなく,衣服素材の表面の形状や衣服素材中に…

    DOI Web Site 参考文献45件

  • 京都市の戸建住宅における夏期の涼しさを得るための行為の実態調査

    福坂 誠, 松原 斎樹, 澤島 智明, 大和 義昭, 松原 小夜子, 飛田 国人, 藏澄 美仁, 合掌 顕, 柴田 祥江 日本生気象学会雑誌 50 (1), 11-21, 2013

    本研究は,住宅における涼しさを得るための行為の実施状況を調査する中から,特に視覚や聴覚要因等の活用による暑熱感の緩和などへの影響について考察することを目的とする.本報では京都市の夏期の実態調査を行い,以下のことを明らかにした.<br> 1)居住者の環境に対する認知・評価と対処の過程を用いて,夏期の暑熱環境に対する許容温熱環境と涼しさを得るための体温調節行動の多様性についての解釈を試みた.<br…

    DOI Web Site 参考文献37件

  • 紅葉の季節学

    松本 太 日本生気象学会雑誌 49 (4), 141-148, 2013

    Leaf coloring is indicator of climate change and so on. In this report, the chemical mechanism and impacts of climate change on leaf coloring were reviewed. Firstly the accumulated daily minimum …

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  • 熱中症気候論文にみる地域調査士の可能性と問題点

    福岡 義隆 日本地理学会発表要旨集 2013s (0), 221-, 2013

    ...実例としての論文引用1 熱中症発症の地域性~疾病地理学こそ地理的地域研究の一つ、横山・福岡(立正大)から、日本生気象学会誌(2006)発表2 地域間移動に伴う熱的ストレス~福岡・丸本論文から、「地球環境研究」発表(2008)3 独居老人の室内における熱中症発生気候~一軒の家にも、居室にも微気候差がある、平沼(いであKK)・福岡ら、日本生気象学会(2012)4 都市地域内における熱中症激増~日本一高温...

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  • 夏の涼のとり方に影響する要因の考察?西日本 4 地域における実態調査より?

    宮田 希, 松原 斎樹, 大和 義昭, 澤島 智明, 合掌 顕, 藏澄 美仁, 飛田 国人 日本生気象学会雑誌 49 (1), 23-30, 2012

    本研究の目的は,西日本の 4 地域で調査した夏の涼のとり方の実態に基づいて,地域差や涼のとり方の変化の要因について考察を行うことである.その結果,以下の知見が得られた.<br> 1)打ち水,すだれ,夕涼み,夏の敷物,風鈴の実施状況は,地域や伝統・新興別の住宅地,年齢,居住年数と関連があった.2)これらの行為は「物理環境」や「生活スタイル・住まい方」など様々な要因が影響するものと,居住者の「意識・…

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  • シンポジウム 若手から見た生気象学?建築分野から?

    渡邊 慎一 日本生気象学会雑誌 Suppl. (0), 53-55, 2012

    風土に適応した伝統的な建築は様々な環境調節手法を有している.これらの手法を現代建築に取り入れることは,消費エネルギーを押さえながら快適な環境を創り出すことに貢献する.洗練された建築には,風土に適応した基本的な建築デザインと機械設備とを融合させることが必要である.これからの室内環境は,均一な環境を求めるのではなく,滞在者が不均一な環境を楽しむ方向に向かうであろう.<br>

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  • 公開講座 監察医からみた暑さ寒さとヒトの死因

    福永 龍繁 日本生気象学会雑誌 Suppl. (0), 45-47, 2012

    異状死の発生は,冬季に多く,春から夏季にかけては少なくなる.例年の冬季の増加は,高齢者の入浴中やトイレ内での死亡が多くを占め,寒冷環境の影響が大きい.しかしながら,2007(平成 19)年 8 月及び 2010(平成 22)年 7 月に検案数の異常な増加があった.この原因は,梅雨明け後の小雨,かつ記録的な猛暑の影響から熱中症による死亡の急増であると判断されたので,監察医務院から関係省庁及び報道関…

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  • 家事作業時の暑さ感と防暑行為に関する調査研究 その 2

    松原 小夜子, 青山 真夕, 山田 愛巳 日本生気象学会雑誌 49 (2), 71-82, 2012

    既存住宅と高断熱住宅の比較を念頭において,日常生活における自然な方法による防暑の工夫と各種家事作業時の防暑行為との関係を分析した結果,以下の知見を得た.1)防暑の工夫を 3 段階に類型化し,住宅区分との関係をみたところ,既存住宅では「工夫中」と「工夫高」が多く,高断熱住宅では「工夫中」と「工夫低」が多かった.2)高断熱住宅においても家事作業時の冷房利用はくつろぎ時に比べると少なく,冷房利用によっ…

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  • 高位頸髄損傷者の身体状況に及ぼす他動的運動訓練の影響について

    三上 功生, 蜂巣 浩生 日本生気象学会雑誌 49 (2), 93-102, 2012

    ほぼ全身の運動機能が麻痺しているある高位頸髄損傷者(男性,60 代,2004 年 1 月受傷,損傷レベル C4,完全麻痺)は,一般的な理学療法と共に「上肢を動かす運動」,「前屈運動」といった他動的運動訓練を長期間にわたり毎日行っている.その他動的運動訓練が高位頸髄損傷者の身体状況に及ぼしている影響を,体調管理日誌の記録内容より分析した.その結果,以下のことを体調管理日誌から読み取ることができた.…

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  • 測定に基づいた屋外における平均放射温度の算出方法

    渡邊 慎一, 堀越 哲美 日本生気象学会雑誌 49 (2), 49-59, 2012

    屋外の温熱環境を評価する際,日射は極めて重要な要素である.多くの温熱指標は,その算出において平均放射温度を入力値として要求している.本報では,長波長および短波長放射を考慮した屋外における平均放射温度の算出方法を概説した.まず,屋外における平均放射温度の算出理論を記述した.そして,長短波放射計を用いた 6 方向および上下 2 …

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  • 微気候形成に及ぼす要因の分析に関する研究

    垣鍔 直 日本生気象学会雑誌 49 (1), 31-37, 2012

    前報で,名古屋市付近の団地内の微気候においてスポットが形成され,それらが発現・消失を繰り返すことを報告した.その結果に注目し,本研究では微気候の形成に及ぼす影響要因に関してさらなる調査を実施した.観測結果から,局地風の性状及び風温によって局地の気温が影響を受けることを確かめた.また,風温は局地風の流れに沿った地物の表面温度の影響を受け,地物と風の間の熱交換が風温を変化させることを確かめた.さらに…

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  • 気候療法

    大塚 吉則 日本生気象学会雑誌 49 (1), 5-10, 2012

    日常生活とは異なった気候環境に転地し,病気の治療や保養を行う自然療法を気候療法という.心身に作用する気候要素には,気温・湿度・風・気圧・日光そして森林内環境ではフィトンチッド(芳香性テルペン類)などがある.地形分類上は海岸,森林,平地,高山などがあり,それぞれ特色のある保養地気候を呈している.気候療法には,転地により有害な気候環境から心身を保護する作用と,新しい気候刺激に心身が反応して疾病の治癒…

    DOI Web Site 医中誌 参考文献12件

  • 家事作業時の暑さ感と防暑行為に関する調査研究

    松原 小夜子, 高田 直美, 松原 早紀 日本生気象学会雑誌 49 (1), 11-21, 2012

    日常生活における自然な方法による防暑の工夫と各種家事作業時の防暑行為との関係を分析した結果,以下の知見が得られた.1)防暑の工夫を 3 段階に類型化した.「工夫高」では,くつろぎ時の冷房利用は少なく,「工夫低」では多かった.2)家事作業時の冷房利用は,くつろぎ時に比べると少なく,家事作業の特性を反映した結果となった.3)家事作業時に「暑さで困る」との回答は多く,困る家事は,「調理」「掃除機かけ」…

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  • シンポジウム 若手から見た生気象学?生理学分野から?

    芝﨑 学 日本生気象学会雑誌 Suppl. (0), 59-61, 2012

    ...生気象学は,ヒポクラテスの概念「Man-Environment」を踏襲したグローバルな研究分野である.体温調節を研究する若手研究者として,生気象学と自分の研究の関わり再確認しつつ,次の 50 年に向けて本学会がさらに発展するために,若手研究者に望まれるものと,日本生気象学会に望むものという視点から一石を投じたい.<br>...

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  • シンポジウム 若手から見た生気象学?衣服設計における生気象学?

    深沢 太香子 日本生気象学会雑誌 Suppl. (0), 56-58, 2012

    ...低温・低圧を示す高所という厳しい自然環境下での低体温症を防ぐための衣服について,被服学的観点に偏らず生気象学的観点から研究を行ってきた.それらの結果,低温・低圧環境でのヒトの生理反応と着衣における熱・水分移動性能は,平地でのそれらとは著しく異なり,衣服内の濡れが発生しやすい状況となることがわかってきた.このように,安全で快適な衣服設計において,着衣にあるヒトと周囲環境との関係を明らかとする生気象学は...

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  • 公開講座 天候の変化と気象情報に関する話題

    南 利幸 日本生気象学会雑誌 Suppl. (0), 43-44, 2012

    1980 年代と比べると 2000 年以降は,全国的に気温が 1℃ほど上昇している.地方都市の上がり方が大きく,猛暑日や熱帯夜の増加,冬日の減少も著しい.また,雨の降る時期も変化している.<br>

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  • 気候と衣服

    田村 照子 日本生気象学会雑誌 49 (2), 61-70, 2012

    衣服は持ち運び可能な微小環境である.本稿ではまず,衣服が人間の環境適応のためのいかに有効な装置であるかを概観した.空間的観点からは世界の気候と民族服の特徴の関係にそれを見ることができる.時間的視点からは,日本の気候変化に対する現代人の着衣量変化をカメラによる定点観測法を用いて研究した事例を紹介した.また,時代変化に伴う着衣量の変化については,その時代の住居構造,空調システム,さらに社会的な省エネ…

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  • 衣服内空気循環が夏季暑熱環境下農作業時の体温調節反応に及ぼす影響

    鈴木 英悟, 樫村 修生, 高橋 弘彦, 南 和広, 中井 誠一 日本生気象学会雑誌 49 (2), 83-92, 2012

    研究の目的は,夏季暑熱環境下における農作業において,衣服内空気循環が体温調節反応に及ぼす影響について検討することである.被験者は,健康な年齢 19 歳から 20 歳の男子大学生の 10 名を用い,60 分間の農作業を行った.被験者はエコファン群と作業着群の 2 群に分け,各群 5 名ずつとした.測定項目は,環境温度,体重,心拍数,エネルギー消費量,総発汗量,水分補給量,鼓膜温,口渇感,衣服内温度…

    DOI 被引用文献1件

  • 学校建築の教室内温熱環境・空気環境

    石井 仁 日本生気象学会雑誌 48 (2), 47-56, 2011

    学習活動の過半の時間を過ごす教室内の温熱環境・空気環境は,児童生徒等の健康・快適さ・学習意欲に影響を及ぼすことが懸念され,適切な室温,清浄な空気を保つために注意を払う必要がある.しかし,アンケート調査から推察すると教室内の温熱環境・空気環境は必ずしも適切に維持管理されていない.学校保健法の制定前後から現在まで教室内の温熱環境・空気環境を調査対象とした研究の蓄積は少ないとは言えず,示唆に富む研究報…

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  • 人工炭酸泉浴が関節可動域と筋の弾性に与える影響

    水野 貴正, 中野 匡隆, 松本 実, 松本 孝朗, 梅村 義久 日本生気象学会雑誌 48 (1), 15-22, 2011

    本研究の目的は人工炭酸泉浴が筋の弾性に影響を与えるかどうか腓腹筋内側頭において明らかにする事とした.被験者は男性 10 名であった.始めに足関節の受動背屈中の測定として,足関節を底屈位から最大背屈位まで 1°/s の速度で受動的に背屈させながら,受動トルク,足関節角度,腓腹筋の EMG,腓腹筋内側頭の筋腱移行部伸長量を測定した.その後,人工炭酸泉(CO<sub>2</sub>≥1,000 …

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  • 天候変化と気分障害

    佐藤 純, 溝口 博之, 深谷 佳乃子 日本生気象学会雑誌 48 (1), 3-7, 2011

    うつ病性障害に代表される気分障害の出現頻度は増加しており,現代社会での大きな問題となっている.以前より天候変化が気分障害の発症と悪化に影響すると考えられているが,実証研究は行われていない.そこで,筆者らは気分障害が前線通過や悪天候の際に悪化する現象の科学的実証とそのメカニズムを明らかにする目的で,抑うつモデルラットを用いて人工環境暴露実験を行ってきた.これまでに,天気変化で見られる程度の気圧低下…

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  • 熱中症予防対策の歴史

    中井 誠一 日本生気象学会雑誌 48 (1), 9-14, 2011

    熱中症は古くは坑内労働などの労働場面と軍隊で発生していた.熱中症予防に関する歴史を辿ってみた.最近では,熱中症を暑熱障害の総称として用いているが,明治以前は暑熱による病気は霍乱,中暑,暍病,暍死などの語が用いられた.1950 年代以降は,炭坑等で多発するため,熱中症が用いられている.日光照射がある屋外の労働や軍隊では日射病が用いられた.<br> 1926~1940 年代の坑内では気温 …

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  • 熱流補償法を用いて測定した運動時の前額部深部温と食道温との関係

    出町 耕一, 芳田 哲也, 常岡 秀行 日本生気象学会雑誌 48 (4), 119-127, 2011

    熱流補償法を用いて測定した前額部深部温(Tch)から中枢温の指標である食道温(Tes)を運動時に推定する精度について検討するため,7 名の被験者を対象に最大酸素摂取量の 20%および 50%の負荷にて 30 分間の自転車運動を 28℃,24℃,20℃の環境温度下にて実施した.Tch は熱流補償法を用いた深部温度計(Coretemp)を前額部に装着し,Tes …

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  • 屋外空間における環境刺激が人体の温熱感覚に与える影響

    藏澄 美仁, 松原 斎樹, 土川 忠浩, 近藤 恵美, 石井 仁, 深川 健太, 安藤 由佳, 大和 義昭, 飛田 国人, 堀越 哲美 日本生気象学会雑誌 48 (4), 129-144, 2011

    本研究の目的は,夏季の屋外空間における環境刺激が人体に及ぼす影響を明らかにすることである.測定は,地表面が砂利や土などの裸地,コンクリートやアスファルト,ブロックなどの舗装地,緑で覆われている緑被地,水面などの地表面の状態と,建物や樹木などによる天空率を考慮した観測点にておこなった.樹木などの自然物要因で覆われている観測点を自然景観観測点とした.次に,建物やコンクリート・ブロック舗装などの人工物…

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  • 中高齢者における夏季暑熱環境下農作業時の体温調節反応の特性

    鈴木 英悟, 樫村 修生, 寄本 明, 中井 誠一 日本生気象学会雑誌 48 (2), 69-77, 2011

    この研究の目的は,中高齢者において夏季暑熱環境下で農作業を実施した際の体温調節反応について検討した.結果は以下に示す.<br> 農作業時の心拍数は,若齢者に比較して中高齢者で有意に高かった.農作業時の体温上昇量は,若齢者に比較して中高齢者で有意に大きかった.農作業時の総発汗量は,若齢者に比較して中高齢者で有意に少なかった.農作業時の水分補給量は,若齢者に比較して中高齢者で有意に少なかった.農作業…

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  • 家畜の生産と福祉をめぐる最近の展開

    竹村 勇司 日本生気象学会雑誌 48 (2), 57-68, 2011

    20 世紀中期からの集約畜産の急発達にともない家畜福祉問題が深刻化した.育種改良による家畜の高い生産機能と生産効率を優先する施設加工型の家畜生産方式によって家畜の行動,代謝,繁殖に障害が生じている.また苦痛をともなう外科処置も実施されている.1964 年の Ruth Harrison 著 Animal Machines …

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  • 中央日本,山梨県甲府盆地における卓越風の局地的分布

    吉村 稔, 吉野 正敏 日本生気象学会雑誌 48 (2), 79-89, 2011

    甲府盆地における夏と冬の卓越風の局地的な分布をアンケート調査によって明らかにすることを試みた 940 の回答(1 km<sup>2</sup> あたり平均 3.4 地点の回答)に基づいてまず卓越風の状態を地図上にプロットした.夏と冬について,卓越風向の分布から推定した気候学的な流線図を作成し,風系を捉えた.その結果,以下のことが明らかになった.(1)夏には比較的弱い南よりの卓越風が盆地に侵入する…

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  • 複合環境に用いる評価語の妥当性の考察

    小東 敬典, 松原 斎樹 日本生気象学会雑誌 48 (1), 23-34, 2011

    本研究の目的は,実験における評価語の妥当性を検討すること,および複合環境評価において尺度付言語選択法を適用することの妥当性を検討することを目的としている.実験は,2 段階の照度(50, 1000 lx)と 4 段階の室温(21, 24, 27, 30℃)の組み合わせによる複合環境の実験を行った.主観評価には尺度付言語選択法を使用した.本研究の結果以下のことが明らかにされた.<br> …

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  • 暑熱順化の程度が高温環境下農作業時の体温調節反応に与える影響

    柏木 朋也, 樫村 修生, 高橋 久光 日本生気象学会雑誌 48 (4), 111-117, 2011

    本研究は,暑熱順化の程度が農作業時の体温調節反応に与える影響について調べるため,暑熱に未順化な温帯生育者と暑熱順化した温帯生育者および亜熱帯生育者が夏季の高温環境下において農作業を行った際の深部体温,脱水状態,作業時間および作業強度の違いを調査した.調査は,2004 年および 2005 年の 6 月から 8 …

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  • WBGT 指標の科学

    持田 徹, 佐古井 智紀 日本生気象学会雑誌 48 (4), 103-110, 2011

    Yaglou らの WBGT 指標は実験式であり,人体に関する熱平衡式から導かれた式ではない.WBGT は被験者実験から得られた式であるから信頼性はあるが,実験をした時の状況や実験データのばらつきなどを考慮すれば,実験式だからと言って必ずしも全面的に信じられるとは限らない.<br> 人は発熱体であり放熱体でもあるので,人体に伝熱理論を適用すれば WBGT と同型の式を導くことが出来る.<br> …

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  • 中年ランナーにおける夏期ウルトラマラソンレース時の直腸温,心拍数および体重減少

    樫村 修生, 中井 誠一, 澤井 睦美, 星 秋夫 日本生気象学会雑誌 48 (4), 145-151, 2011

    本研究は,夏期の 77 km ウルトラマラソン時における 50 歳の男性ランナーの直腸温,心拍数,体重減少量,水分および食物摂取量を測定した.マラソン中の平均乾球温度,相対湿度および WBGT は,28.5±1.4℃, 53.8±5.2% and 28.9±2.1℃ であった.10 時間 45 分間走行時の平均心拍数および推定総エネルギー消費量は,133±17 拍/分および 6,475 …

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  • 屋外における被験者を用いた着衣時人体の日射吸収率の実測

    渡邊 慎一, 堀越 哲美, 冨田 明美 日本生気象学会雑誌 47 (4), 165-173, 2010

    屋外における熱的快適性および熱的危険性を評価する際,人体の日射吸収率は重要な要素である.著者らは前報において,黒色および白色の平面布の日射吸収率を,それぞれ0.67と0.21と報告した.本研究では,複雑な形状を有する人体に衣服を着用させた状態で日射吸収率を測定した.測定には長短波放射計および日射計を用いた.測定に用いた衣服は,黒色および白色の布生地から製作された上衣および下衣である.これらを組み…

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  • 人体の熱平衡式から導かれる WBGT とその特性

    持田 徹, 佐古井 智紀 日本生気象学会雑誌 47 (4), 139-148, 2010

    Yaglou らが創案した WBGT(Wet Bulb Globe Temperature,湿球グローブ温度)は,米国陸軍の兵士を被験者として得たデータに基づく実験式であり,熱中症の予防に広く使用されている.<br> 著者らはこれまでに,湿球温度計として熱放射の影響を無視できる断熱飽和温度の使用を前提として,熱平衡式を基に,日射下の戸外で使用する WBGT 式として …

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  • 住宅内の熱中症に対する高齢者の認知度と暑熱対策の実態

    柴田 祥江, 飛田 国人, 松原 斎樹, 藏澄 美仁 日本生気象学会雑誌 47 (2), 119-129, 2010

    近年,高齢者が住宅内で熱中症を発症する事例が報告されている.重症の場合には命にかかわるため,予防策は緊急の課題となっている.本研究は,高齢者の住宅内での熱中症予防を目的として,高齢者を対象に熱中症の認知度と住宅内における暑熱障害の体験,予防策,夏期の住まい方についてアンケート調査を行い,高齢者の意識について分析した.本調査の対象者は生涯学習講座受講生であるが,調査の結果,熱中症の認知度は …

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  • 日射を考慮した WBGT 熱平衡理論式の導出

    佐古井 智紀, 持田 徹, 桒原 浩平 日本生気象学会雑誌 47 (2), 107-118, 2010

    著者らは WBGT の特性を検討した既往研究において,皮膚の飽和度合と湿球温度 <i>T</sub>w</sub></i>,黒色グローブ温度 <i>T<sub>gB</sub></i>,気温 <i>T<sub>a</sub></i> を用いて人体の熱平衡式を記述し,皮膚温 <i>T<sub>sk</sub></i> を <i>T<sub>w</sub></i>, …

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  • 中性温環境下における降雨と風が歩行運動中のヒトの体温反応及びエネルギー代謝に及ぼす影響

    伊藤 僚, 山下 直之, 中野 匡隆, 山本 彩未, 松本 孝朗, 北川 薫 日本生気象学会雑誌 47 (4), 149-156, 2010

    雨や風に暴露されると体温低下やエネルギー消費量が増加することが考えられる.そこで歩行運動中の雨と風がヒトの体温反応および代謝反応に及ぼす影響について検討した.7名の男性が歩行速度 1 m/s のトレッドミル歩行運動を中性温環境(CON),中性温+降雨環境(RAIN),中性温+風環境(WIND)でそれぞれ30分間実施した.3条件の環境温は24℃に設定した.相対湿度は …

    DOI Web Site 医中誌 被引用文献1件 参考文献31件

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