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検索結果 14,060 件

  • 発達障害のある女子グループ活動の実践報告─居心地のよいこと探しプログラム─

    佐田久 真貴 小児の精神と神経 64 (1), 57-63, 2024-04-01

    自閉スペクトラム症や注意欠如多動症など発達特性のある女子グループを対象に,“居心地のよいこと探しプログラム”を立案・実践した.居心地のよい場所・感覚・環境・会話をテーマにし,日常生活や学校生活がより円滑に居心地よくなるよう,仲間とともに考える場面になるよう設定した.参加者が直面する困難さは個々に異なるが,仲間が定期的に集い,それらを共有して対策の示唆を得ることを促すグループ支援の有用性をQOLや…

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  • 心理即興劇プレイバックシアターを用いたいじめ防止授業─子どもたちが気づき,変わっていくために─

    宗像 佳代 小児の精神と神経 64 (1), 29-35, 2024-04-01

    ...第130回日本小児精神神経学会の教育セミナーにおいて,2011年から実施されているプレイバックシアターを用いた「演劇によるいじめ防止授業」を紹介した.本授業は劇団プレイバッカーズにより小学校4年生を中心に実施されている.所要時間は90分で,いじめに関する体験を思い出す時間,児童が語った実体験を即興劇で再現し学級全体で共有する時間,いじめを止める行動を練習する時間から構成されている.児童が友人の体験を...

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  • 不安の文脈で考えるHPVワクチン副反応騒動とこれから

    柳生 一自 小児の精神と神経 64 (1), 49-56, 2024-04-01

    2013年4月に子宮頸がん予防ワクチン(以下,HPVワクチン)が小学6年から高校1年生までの女子に定期接種化された.しかし,同時期より接種後の疼痛,けいれん,運動障害,記憶障害など「多様な症状」がメディアに多く紹介され,同年6月厚生労働省が「積極的な接種勧奨の差し控え」を宣言し,接種率は激減した.厚生労働省での議論を経て,2022年4月積極的な接種勧奨が再開されたが,わが国の接種者数は増加してい…

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  • 十代における市販薬乱用・依存~自傷と自殺のあいだ

    松本 俊彦 小児の精神と神経 64 (1), 21-28, 2024-04-01

    厚生労働省令和元年版自殺対策白書によれば,年代別の自殺死亡率は,他の年代では2009年以降確実に自殺死亡率が減少傾向を示しているのに対し,十代に限っては横ばいもしくは微増で推移している.特に児童生徒に限定すると事態はいっそう深刻であり,自殺者総数が減少し続けるなか,一貫して増加傾向を示している.厚生労働省「自殺の統計・地域における自殺の基礎資料」によれば,2020年に自殺した小・中・高校生は前年…

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  • ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と子宮頸がん

    小川 千加子 小児の精神と神経 64 (1), 42-48, 2024-04-01

    日本では子宮頸がんに年間約1万人が罹患,約3千人が死亡している.罹患の若年化によりピークは30代で,多くの若い女性が命や妊孕能を失ったり,治療の後遺症を抱えている.子宮頸がんは一次予防(ワクチン)と二次予防(がん検診)が可能で,予防による撲滅が可能ながんである.多くは性交によるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が原因であるため,HPVワクチンは理にかなった方法である.HPVワクチンは小6~…

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  • 脳科学的観点からいじめ当事者のナラティブを考える

    虫明 元 小児の精神と神経 64 (1), 36-41, 2024-04-01

    いじめは複数の当事者が関わる心身の痛みを伴う問題である.学童期はまだ成熟途上で心身のアンバランスになりやすい時期ともいえる.脳科学の観点からは人の前頭葉は発達が遅く青年期まで成熟に時間を要し,アタッチメントやメンタライゼーションも経験を通じて成熟するが,学童期は発達途上であり適切な経験がいじめ防止につながると考えられる.学校で行われるプレイバックシアターでは語りと演技によりいじめの現場でのさまざ…

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  • 訪問看護ステーションにおける医療的ケアのない極低出生体重児の発達支援の取り組み

    川島 瞳, 辻 悦子, 荒川 依子, 伊藤 百合香, 梶原 厚子, 岡崎 薫 小児理学療法学 2 (Supplement_1), 45-45, 2024-03-31

    ...<p>【はじめに】</p> <p> 極低出生体重児の神経学的合併症の頻度は未だ高く、その早期発見とフォローアップのためのシステム作りは重要な課題である。しかしながら、フォローアップに関しては出生した医療機関や小児専門病院の比重が大きい。地域での療育支援の体制は各都道府県や地域間での格差が大きく、支援の充実が図られているとは言い難い。...

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  • 体組成計の機種別測定差について

    井上 和久, 小野塚 雄一 日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 2.Suppl.No.1 (0), 363-363, 2024-03-31

    ...</p><p>【方法】</p><p>対象者は整形外科学的および神経学的疾患の既往がない健常者のデータを得るため、所属機関の18歳以上の健常学生 35名とした (G-Powerによる算出:効果量0.5、有意水準0.05、検定力0.8によって決定)。測定機器は、高額な体組成計 (以下、 A機種)、安価な体組成計3機種 (購入価格が高い順:C機種>B 機種>D機種)を使用。...

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  • 健常若年成人の位置的頭蓋変形と運動パフォーマンスにおける左右差との関連

    内尾 優, 黒米 寛樹, 河野 龍哉, 笹野 真央, 白水 杏奈, 高岡 翼 小児理学療法学 2 (Supplement_1), 148-148, 2024-03-31

    ...</p> <p>【方法】</p> <p> 対象は、現在整形外科的、神経学的疾患等による疼痛のない本 学在学中の大学生57名 (平均年齢20.5±0.7歳)とした。評価は、基本情報、身体機能評価、運動パフォーマンス評価を実施した。基本情報は、性別、年齢、身長、体重、利き足を調査した。また身体機能評価は、足関節背屈可動域、棘果長、握力、等尺性膝伸展筋力、頭部変形評価を実施した。...

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  • Hammersmith乳幼児神経学的検査と新版K式発達検査を行った品胎早産超低出生体重児に関する報告

    西川 良太, 佐藤 紗弥香, 川尻 美和, 田中 明里, 三澤 由佳 小児理学療法学 2 (Supplement_1), 46-46, 2024-03-31

    ...<p>【はじめに,目的】</p> <p> 当院では早産低出生体重児に早期から神経学的評価を行い,定期的なフォローアップを行なっている.新生児期には修正37~ 42週にGeneral Movements評価(GMs)とHammersmith新生児神経学的検査(HNNE)を実施し,修正3ヵ月にもGMsを実施.修正 6ヵ月・1歳6ヵ月・3歳では新版K式発達検査 (K式検査)を実施している.この度...

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  • 健常成人に対するスクワットとストレッチが指床間距離に及ぼす即時的影響

    白谷 智子, 保原 塁, 鈴木 啓太 日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 2.Suppl.No.1 (0), 275-275, 2024-03-31

    ...</p><p>【方法】</p><p> 対象は本研究に同意を得た26名 (男性12名、女性14名、平均年齢 (SD) 34.3 (11.1))の整形外科的・神経学的既往のない健常者とした。 対象者はランダムに、STとRTとしてスクワットの2つの運動を行った。STは、椅子に浅く座り、片足を前方に出し、足関節背屈位・膝関節伸展位で体幹を前屈し、下肢後面筋の持続伸張を行った。...

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  • General Movements可聴化の試み

    儀間 裕貴, 藤井 進也, 新屋 裕太, 渡辺 はま, 多賀 厳太郎 小児理学療法学 2 (Supplement_1), 142-142, 2024-03-31

    ...<p>【はじめに、目的】</p> <p> 新生児や乳児が示す多様な自発運動のなかで最も頻繁に出現す るGeneral Movements (GMs)は,脳の自発活動が生み出す運 動であり,ヒトの初期発達過程に重要な役割を担っている.特に GMsの一種であるFidgety Movements (FMs)の質的特性は,後の神経学的発達を予測するマーカーとして注目されている.近年,身体運動学や運動制御研究...

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  • 極低出生体重児における退院前のAPIBと修正1歳6か月の発達指数の関係

    藤本 智久, 皮居 達彦, 田中 正道, 久呉 真章 小児理学療法学 2 (Supplement_1), 36-36, 2024-03-31

    ...2019年8月から2022年1月までに当院NICU・GCUに入院した極低出生体重児のうち,退院前にAPIBを実施でき,退院後のフォローアップで修正1歳6ヶ月時の新版K式発達検査を実施することができた児21例 (男児10例,女児11例,平均出生週数 29.1±3.0週,平均出生体重1144.5±235.5g)である.なお退院前の頭部MRIで低酸素性虚血性脳症 (HIE)や脳室周囲白質軟化症 (PVL)等の神経学的異常...

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  • 生後6ヶ月で上肢リーチング動作が出現した13トリソミー児の一症例

    阿部 純平, 小野 洋子, 楠本 泰士, 飯沼 香織, 宍戸 啓太, 大内 一夫, 佐藤 真理 小児理学療法学 2 (Supplement_1), 70-70, 2024-03-31

    ...生後6ヶ月時では、ハマースミス乳幼児神経学的検査の合計スコアは44点で、 姿勢、筋緊張の項目において顕著に向上し、視性立ち直り反射、体幹に働く体幹の立ち直り反射が出現した。また、頻度は少な く、流動的だがおもちゃへの片手リーチングが出現した。...

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  • 救急救命士による小児院外心停止事案に対するアドレナリン投与の実態

    黒﨑 久訓, 一ノ瀬 佳彦 救急救命士ジャーナル 4 (1), 39-46, 2024-03-20

    ...神経学的転帰良好例の割合は,12歳以上の年齢グループでアドレナリン投与群が非投与群より高い値を認めた。【結論】アドレナリン投与実施事案数は年々増加の傾向がみられ,年齢別では,8歳からアドレナリン投与実施事案数,アドレナリン投与割合が増加していた。</p>...

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  • 回復期リハビリテーション病棟における高齢者頸髄損傷患者の歩行機能及びADL改善度について

    藤井 牧人, 將基面 恵介, 浅山 美穂, 石井 美咲, 小川 浩一 理学療法やまぐち 2 (1), 30-35, 2024-03-15

    ...調査項目は神経学的損傷レベル,改良Frankel分類を用いて麻痺の推移,上下肢運動スコアの推移及び日常生活動作の改善度などについて検討した。</p><p>【結果】 神経学的損傷レベルはC4もしくはC5が88%,改良Frankel分類Cが66%と多かった。歩行獲得率は,B1:0%,C1:18%,C2:77%であった。日常生活動作は,退院時B,C群の改善度は低く,D群では大幅な改善を認めた。...

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  • 発達障害児が安心して受診できる物理的環境の検討 −医療者の視点から−

    石舘,美弥子, 加藤,千明 和洋女子大学紀要 65 15-25, 2024-03-01

    ...日本小児神経学会のHP上で、発達障害児の診療医師、小児専門医として登録されている医師が勤務する292施設の医師・看護師ら876名を対象に、郵送法による自記式質問紙調査を行った。日本全国の各地から221部(回収率25.2%)の返送があり、そのうち欠損値のある1名を除外した220名(有効回答率99.5%)を分析に供した。...

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  • 日本の産業精神保健の歩みと未来

    黒木 宣夫, 荒井 稔 産業精神保健 32 (1), 7-12, 2024-02-20

    ...りながら,勤労者のメンタルヘルスの底上げを図ることが設立趣旨であった.今回,本学会が30回記念を迎えるにあたり,記念シンポジウムとして5人のシンポジストからそれぞれの立場で報告をして頂いた.1)日本産業精神保健学会の歩み,2)日本産業精神保健学会への提言~あり方検討委員会から,3)他職種連携から多職種協働へ,4)法人設立時理事からの提言,5)若手代議員からの提言等を報告,その上で日本医師会,日本精神神経学会...

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  • 自殺総合対策改定にみる産業精神保健の重要性

    張 賢徳 産業精神保健 32 (1), 47-50, 2024-02-20

    ...<p>1998年から14年間も続いた「年間自殺者3万人」時代の中,2006年に自殺対策基本法ができ,2007年にはその法律に基づいた自殺総合対策大綱が策定された.この法律が誕生した時には,自殺は社会全体の問題であるというスタンスが重視され,精神保健の視点が後景に配された.2007年の大綱の重点課題には産業精神保健は取り上げられていない.その後,5年ごとの大綱改定の際に,日本精神神経学会が中心になって...

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  • 運動準備電位の過去, 現在, 未来

    音成 秀一郎, 松橋 眞生, 小林 勝哉, 菊池 隆幸, 池田 昭夫 臨床神経生理学 52 (1), 53-61, 2024-02-01

    <p>ヒトの随意運動に先行して脳内で発生する主に緩電位変化を逆行性加算平均法で脳波記録したものを運動準備電位movement-related cortical potentials (MRCPs) と呼ぶ。その発見は1965年で, その後ヨーロッパでは精神心理研究とも深く結びついて研究の隆盛をもたらした。そして, …

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  • 2.乾皮症・皮膚瘙痒症・結節性痒疹の異同と治療

    波多野 豊 日本皮膚科学会雑誌 134 (1), 69-73, 2024-01-20

    ...<p>乾皮症,皮膚瘙痒症及び結節性痒疹の病態には,角層バリア傷害が何らかの形で関与し得るという共通点があるが,免疫学的異常や神経学的異常の関わり方に大きな違いがある.乾皮症では,基本的に免疫学的異常や神経学的異常の関与はない.皮膚瘙痒症の少なくとも一部では神経系,免疫系の機能的変化が病態に影響し得るが,それらの構造的変化は明確ではない.結節性痒疹では明確な構造的,機能的変化を伴っている.</p>...

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  • 稀少疾患の治療開発―疾患研究から創薬研究への橋渡し―

    粟屋 智就 脳と発達 56 (1), 24-32, 2024

    <p> 小児神経診療で遭遇する稀少疾患の患者に対して,私たち小児神経科医が出来ることは,これまでほとんど対症療法のみであった.ここ数年,脊髄性筋萎縮症やDuchenne型筋ジストロフィーなどで画期的な治療法が実用化され,稀少疾患の治療薬開発が注目を集めている.本稿では,近年承認されたそれらの薬剤についてその特長について述べるとともに,従来の薬剤開発とそれらの薬剤開発の手法の違い,稀少疾患研究を実…

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  • 薬剤抵抗性てんかんに対する新しいアプローチ

    本田 涼子 脳と発達 56 (1), 18-23, 2024

    <p> 薬剤抵抗性てんかんは患者や介護者の生活に多くの影響を及ぼし,認知機能やメンタルヘルスなどに副次的な問題を引き起こす可能性がある.市販されている多くの薬剤への反応性が乏しい中,この薬剤抵抗性てんかんに対象を絞った,新しい薬剤(fenfluramine,soticlestat,cannabidiol)の臨床試験が現在行われており,国内での承認に向けた動きがみられている.また,てんかん外科手術…

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  • 序論

    熊田 聡子, 城所 博之 脳と発達 56 (1), 9-10, 2024

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  • 垂直方向に長大な病変を呈し発症早期に中枢性呼吸障害を伴った延髄外側梗塞の1例

    神津 実咲, 佐藤 健朗, 三森 雅広, 奥村 元博, 梅原 淳, 井口 保之 脳卒中 advpub (0), 2024

    ...<p>症例は75歳男性.突然の回転性めまいと歩行障害で来院した.来院時より高CO<sub>2</sub>血症を認め,神経学的には構音障害,左右注視眼振,左顔面麻痺,嚥下障害,左カーテン徴候,左顔面と頸部以下右半身の表在感覚低下,左上下肢小脳性運動失調,左Horner徴候を認めた.頭部MRIでは,延髄左外側から橋下部左背側に及ぶ垂直方向の長大な梗塞を認め,MRAでは左椎骨動脈の閉塞を認めた.発症約9時間後...

    DOI Web Site 参考文献10件

  • Glial fibrillary acidic protein抗体関連疾患の病態と臨床像

    木村 暁夫 臨床神経学 64 (2), 75-84, 2024

    <p>グリア線維性酸性蛋白(glial fibrillary acidic protein,以下GFAPと略記)抗体関連疾患は,近年新たに提唱された免疫介在性神経疾患である.病態機序は十分解明されていないが,病理学的に血管周囲を主体とするT細胞の浸潤が報告されており,抗原特異的T細胞の関与が推測されている.主に髄膜脳炎・髄膜脳脊髄炎をきたし,意識障害,排尿障害,運動異常症,髄膜刺激徴候,認知機能…

    DOI Web Site PubMed 参考文献49件

  • 小児重症筋無力症に対する急性期における免疫グロブリン静注療法の有効性について

    竹内 博一, 松浦 隆樹, 菊池 健二郎, 竹田 里可子, 平田 佑子, 小一原 玲子, 浜野 晋一郎 脳と発達 56 (2), 119-124, 2024

    <p> 【目的】小児重症筋無力症(myasthenia gravis;MG)に対する急性期における免疫グロブリン静注(intravenous immunoglobulin;IVIG)療法の有効性および有効な患者の特徴を明らかにする.【方法】2010年4月1日~2022年3月31日の期間に15歳以下でMGと診断され,MGの急性期におけるIVIGの総投与量が1g/kg以上であった症例17例(うち男児…

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  • 遅発性てんかん発作を呈した非定型Rasmussen脳炎に対して外科的介入を行った1例

    田浦 喜裕, 吉田 健司, 甲良 謙伍, 菊池 隆幸, 高橋 幸利, 長谷川 龍志, 戸澤 雄紀, 家原 知子, 千代延 友裕 脳と発達 56 (2), 125-129, 2024

    <p> Rasmussen脳炎(Rasmussen encephalitis;RE)は,まれな免疫介在性疾患であり,典型的には,焦点性てんかん発作で発症し,その後進行性の片側脳萎縮と機能障害を呈する.非典型例として,てんかん発作を伴わないまたは,後にてんかん発作を伴う例も報告されているが,これらは極めて稀で治療方針についてはほとんど知られていない.症例は3歳の女児で,1か月前から進行性する右上下…

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  • Paroxysmal sympathetic hyperactivityを認めた<i>TUBA1A</i>遺伝子異常による滑脳症の1例

    小林 瑛美子, 赤座 花奈美, 尾﨑 眞人, 加藤 光広, 才津 浩智, 中島 光子, 渡邊 一樹, 今村 淳 脳と発達 56 (2), 130-133, 2024

    <p> 発作的な筋緊張亢進,頻脈,多呼吸,高体温を反復しparoxysmal sympathetic hyperactivity(PSH)と診断した滑脳症の1例を報告する.本例では<i>TUBA1A</i>に新規のバリアント(p.(Ala281Val))を有していた.PSHは頭部外傷後や低酸素性脳症など広範囲な脳損傷後に合併する病態として有名だが,脳形成異常を有する小児でも認識されるべき病態であ…

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  • 発達軸に沿ったコミュニケーション研究:neuroimaging approach

    定藤 規弘 臨床神経学 advpub (0), 2024

    <p>人間のコミュニケーションは「意味の伝達と共有を図る双方向的・循環的・創発的な記号・象徴行為」であることから,その神経基盤探索においては,伝達と共有の両概念を適用する必要がある.対面コミュニケーションは,「情報,観念,あるいは態度を共有することにより相手の心的状態を変えること」と定義できる.対面コミュニケーションは「相互予測性」を特徴としており,これにより生成される行動や神経活動の同期現象か…

    DOI Web Site 参考文献29件

  • 失タイプを来した皮質下梗塞の1例

    山本 和佳奈, 稲富 雄一郎, 松田 実 臨床神経学 64 (3), 163-170, 2024

    <p>58歳,男性,右利き.タイピングが上手くできず,言葉も思うように出なくなったことに気づいた.第3病日の入院時には失行や視知覚障害はなかったが,語列挙障害などの前頭葉機能障害や,近時記憶障害を認めた.またキーボード目視下に可能であったローマ字入力によるタイピングが,特に拗音や促音が混在する語で困難であった.書字障害は軽微であった.MRIでは左内包膝部から後脚に梗塞巣を認め,SPECTでは左前…

    DOI Web Site PubMed 参考文献14件

  • Hot cross bun徴候を認めた橋及び両側中小脳脚梗塞の1例

    葛目 大輔, 森本 優子, 堤 聡, 山﨑 正博, 細見 直永 臨床神経学 64 (3), 190-193, 2024

    ...<p>高血圧,糖尿病で加療中の71歳男性がふらつきと呂律困難を生じ,右橋及び小脳梗塞と診断された.その1ヶ月後,体が左に傾くようになり,神経学的所見として構音障害と小脳性体幹失調が認められた.心電図は心房細動を示した.頭部MRI拡散強調画像では左右小脳半球及び中小脳脚に高信号病変あり.心原性脳塞栓症に対してダビガトラン300 ‍mg/日の内服を行った.発症第12日目に転院した.72歳時に行った頭部MRI...

    DOI Web Site PubMed 参考文献10件

  • 免疫グロブリン大量静注療法後はB型肝炎抗体や各種の自己抗体が一過性に偽陽性を示す

    白石 渉, 稲森 有貴子, 松吉 彩乃, 橋本 哲也 臨床神経学 64 (3), 157-162, 2024

    <p>免疫グロブリン大量静注療法(intravenous immunoglobulin,以下IVIgと略記)後の抗体価の変動について検討した.2020年4月1日から2022年8月31日の間に当院でIVIgを受け,投与前後に抗体測定を行った15例を後方視的に検討した.IVIg後には,抗SS-A抗体,抗サイログロブリン抗体,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体,抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体,HBs,HBc抗…

    DOI Web Site PubMed 参考文献13件

  • 発達と症候学を基盤とする小児神経学へのいざない

    菊池 健二郎 日本小児放射線学会雑誌 40 (1), 2-9, 2024

    ...</p><p>小児神経分野は,神経症候学を基盤とする事に加え,成長・発達という要素が加わることが特徴である.診察に非協力的であり神経学的所見が十分に取れないものの,呈する症状がある意味“素直”であるがゆえにその症状を捉えやすい側面もある....

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  • 中枢自律神経系の系統発生:節前細胞の比較解剖学

    船越 健悟 自律神経 61 (1), 11-15, 2024

    <p>哺乳類の脳幹には,副交感節前細胞からなる脳神経核が存在し,鰓弓運動性の脳神経核とは区別される.一方,魚類や両生類では,脳幹の節前細胞は,鰓や鰓弓由来の筋を支配する運動ニューロンと一体化した神経核を形成するが,核内部では多様な分化傾向がみられる.爬虫類・鳥類の節前細胞は,哺乳類と同様に鰓弓運動性の脳神経核から分離して,迷走神経背側運動核や唾液核を形成している.哺乳類の交感節前細胞は,中間質の…

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  • ATTRvアミロイドーシスの多彩な自律神経障害と新たな検査法の確立

    安東 由喜雄 自律神経 61 (1), 118-122, 2024

    <p>トランスサイレチン型遺伝性アミロイドーシス(ATTRvアミロイドーシス)は,TTRの遺伝子変異が原因となり,アミロイド線維が末梢神経,心臓,消化管,腎臓,眼や自律神経系に沈着し機能障害を起こす遺伝性全身性アミロイドーシスである.本症の多くの症例で,小径線維ニューロパチーを起こすとともに,早期から起立性低血圧,発汗障害,消化管運動異常,勃起不全などの多彩な自律神経障害を認め,患者の生命予後や…

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  • パーキンソン病における睡眠・自律神経障害

    藤田 裕明, 大垣 圭太郎, 野澤 成大, 椎名 智彦, 櫻本 浩隆, 鈴木 圭輔 自律神経 61 (1), 2-6, 2024

    <p>パーキンソン病(Parkinson’s disease, PD)において睡眠障害は6–9割にみられ,脳幹や視床下部の睡眠-覚醒機構の障害,夜間の運動/非運動症状,併存する睡眠障害,治療薬,加齢や合併症などさまざまな要因が影響し得る.レム睡眠行動異常症(rapid eye movement sleep behavior disorder, …

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  • 体性-自律神経反射メカニズムとその高齢者医療・介護への応用

    堀田 晴美, 鈴木 はる江 自律神経 61 (1), 51-55, 2024

    <p>高齢者,特に後期高齢者で急増する骨粗鬆症,頻尿,嚥下困難などの徴候は,日常生活活動度の低下と関連する.日常生活を支える自律神経の機能を解析,評価し,制御することで高齢者の健康維持に効果的なツールを生む可能性があると考え,我々は,日常生活動作に伴う体性-自律神経反射のメカニズムの研究を進めてきた.軽微な皮膚刺激,骨格筋の収縮,食べ物を飲み込むときのような咽頭粘膜の刺激が,体性感覚神経を介して…

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  • 神経症状が先行し,上肢に出現した非典型的な皮疹から診断し得た皮膚動脈炎による血管炎性ニューロパチーの1例

    中村 大和, 宇佐美 清英, 谷口 智彦, 中島 沙恵子, 加来 洋, 髙橋 良輔 臨床神経学 64 (1), 33-38, 2024

    <p>33歳女性.アトピー性皮膚炎に対して加療中に右手掌の異常感覚が出現し,3ヶ月の経過で異常感覚,筋力低下が四肢に拡大し入院した.右三角筋,右第一背側骨間筋,右前脛骨筋などに筋力低下を認め,神経伝導検査では多発性単神経炎が示唆された.入院直前に前腕に小径の皮疹が出現したが,下肢には皮疹を認めず,性状や分布からは血管炎を疑いにくいとされた.しかし神経所見を考慮すれば血管性病態の評価が不可欠であり…

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  • 下位運動ニューロン障害を初発症状とする脊髄小脳失調症2型の1例

    松下 愛実, 中村 善胤, 細川 隆史, 髙橋 祐二, 水澤 英洋, 荒若 繁樹 臨床神経学 64 (1), 28-32, 2024

    <p>症例は36歳男性.35歳時より感覚障害を伴わない左母指筋力低下,左母指球筋と左第一背側骨間筋の萎縮が出現した.神経伝導検査で左正中神経に複合筋活動電位振幅低下とF波出現率低下,針筋電図検査で左短母指外転筋に陽性鋭波を認めた.頭部MRIで両側小脳半球は萎縮し,母方祖母と母の兄弟が脊髄小脳変性症と判明した.その後,両下肢失調が現れ遺伝子検査で<i>ATXN2</i>遺伝子CAGリピート数の伸長…

    DOI Web Site PubMed 参考文献17件

  • 皮質性くも膜下出血により可逆性脳血管れん縮症候群の診断に至った小児の2例

    野中 双葉, 原口 康平, 里 龍晴, 宮﨑 あかね, 渡辺 麻美, 森内 浩幸 脳と発達 56 (1), 53-57, 2024

    ...後部可逆性脳症症候群(posterior reversible encephalopathy syndrome)などを合併することがある.症例は,生来健康な7歳男児と12歳男子である.いずれの症例も雷鳴頭痛で発症し,皮質性くも膜下出血を認めた.その後の頭部CT angiographyや頭部MR angiographyで多発性血管れん縮所見を認め,RCVSの診断に至った.1例にCa拮抗薬の投与を行い,いずれも神経学的...

    DOI 医中誌

  • 有熱時発作群発症例の管理方法の後方視的検討

    土肥 周平, 山田 博之, 藤林 洋美, 上田 雅章, 港 敏則 脳と発達 56 (1), 33-38, 2024

    ...【結果】症例は計223例で,A群169例,B群54例であった.退院時に診察上,神経学的異常所見を認めた症例はなかった.B群ではA群と比較し,低年齢で入院期間が長く,血清ASTとALTは高値で血糖値は低かった(<i>p</i><0.05).Diazepam(DZP)坐薬を2回目発作後と3回目以降の発作後に投与した症例のうち,各々80%と90.9%でそれ以降の発作を認めなかったが,DZP坐薬使用の有無による...

    DOI 医中誌

  • 思春期のWeekend catch-up sleep/Weekend oversleepの現状と課題

    神山 潤, 安西 有紀 脳と発達 56 (2), 106-113, 2024

    <p> 思春期世代のおおよそ25~84%が眠気を訴えている.その主な原因は睡眠不足だが,思春期の睡眠不足の自覚は週前半には低く,後半で高まる.思春期世代は平日に抱えた睡眠不足を週末に取り戻していると考えられる.週末(休日あるいは非登校日)と平日(登校日)の睡眠時間の差異をWeekend catch-up sleep(WeCUS)またはWeekend …

    DOI

  • 自閉スペクトラム症と知的障害,特徴的な乳歯の早期萌出を認めたADNP症候群の1例

    山下 朋代, 田中 裕子, 三輪谷 隆史, 岡本 伸彦, 武内 俊樹, 上原 朋子, 鈴木 寿人, 小崎 健次郎, 西垣 敏紀 脳と発達 56 (2), 142-144, 2024

    <p> ADNP(activity-dependent neuroprotective protein)症候群は自閉スペクトラム症,知的発達症,特徴的な顔貌を呈し,乳歯の早期萌出を特徴とする.症例は13歳男子,全エクソーム解析でNM_001282531.2(ADNP):c.2496_2499delが同定され,同変異の既報より知的発達症は重度であった.今後,症例が集積され遺伝型・表現型相関の解明が…

    DOI

  • 重症心身障がい児施設における短期入所中の早期退所に関する検討と安全への課題

    所 訓子, 赤座 花奈美, 村上 博昭, 小林 瑛美子, 阪下 達哉, 湯澤 壮太郎, 桑原 秀次, 松波 邦洋, 松隈 英治, 金子 英雄, 今村 淳 脳と発達 56 (2), 114-118, 2024

    <p> 【目的】重症心身障がい児施設「すこやか」の短期入所が開設して5年が経過した.短期入所の利用状況と,体調悪化による早期退所の症例を調査した.安全に短期入所利用を行うために何が重要かを検討し,当施設に求められる役割を踏まえ今後の課題を考える.【方法】2022年3月に短期入所の契約を継続している重症心身障がい児99名を対象に年齢・主病名・人工呼吸器,気管切開,経管栄養,てんかんの有無を調査した…

    DOI

  • 遺伝性脊髄小脳変性症の臨床における最近の進歩

    矢部 一郎 臨床神経学 64 (3), 135-147, 2024

    <p>脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration,以下SCDと略記)は,小脳性運動失調を主症状とし,パーキンソン症状,錐体路症状などの小脳系以外の多系統障害も呈することがある神経変性疾患である.現時点で根治療法は見いだされていない.SCDのうちの約3分の1は遺伝性SCD(hSCD)で,残り3分の2は多系統萎縮症を含む孤発性疾患である.本稿ではhSCDについて,臨床像…

    DOI Web Site PubMed 参考文献44件

  • 血液脳関門破綻と自己免疫性小脳性運動失調症

    清水 文崇 臨床神経学 64 (3), 148-156, 2024

    <p>自己免疫機序により小脳障害をきたす自己免疫性小脳性運動失調症は,グルテン失調症,抗グルタミン酸脱炭酸酵素(glutamic acid decarboxylase: GAD)抗体関連小脳失調症,傍腫瘍性小脳変性症,感染後小脳炎などのいくつかの病型がある.それぞれの疾患で免疫学的な病態は異なるが,多くの疾患で分子相同性機序により小脳を標的とすると考えられており,血液脳関門(blood-brai…

    DOI Web Site PubMed 参考文献65件

  • The clinical practice guideline for the management of amyotrophic lateral sclerosis in Japan—update 2023

    M.D., Ph.D. Urushitani Makoto, M.D., Ph.D. Warita Hitoshi, M.D., Ph.D. Atsuta Naoki, M.D., Ph.D. Izumi Yuishin, M.D., Ph.D. Kano Osamu, M.D., Ph.D. Shimizu Toshio, R.N., Ph.D. Nakayama Yuki, M.D., Ph.D. Narita Yugo, M.D., Ph.D. Nodera Hiroyuki, M.D., Ph.D. Fujita Takuji, M.D., Ph.D. Mizoguchi Koichi, M.D., Ph.D. Morita Mitsuya, M.D., Ph.D. Aoki Masashi 臨床神経学 advpub (0), 2024

    <p>Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) is an adult-onset intractable motor neuron disease characterized by selective degeneration of cortical neurons in the frontotemporal lobe and motor neurons in …

    DOI Web Site PubMed 参考文献66件

  • 道具の把握に選択的な失行

    大森 智裕, 船山 道隆, 穴水 幸子, 石川 芽衣 認知リハビリテーション 29 (0), 20-36, 2024

    ...本報告の目的は、我々の症例を含め、これまで報告された道具の把握が選択的に障害された4症例をレビューし、責任病巣や神経学的症状、神経心理学的症状のほか、失行症状の詳細を比較することにより、道具の把握に選択的な失行を体系的に明らかにすることであった。...

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  • 病理からみなおすパーキンソン症候群の鑑別

    内原 俊記 自律神経 61 (1), 40-43, 2024

    <p>αシヌクレイン(αS)病変が好発する系は分岐の豊富な細い軸索が広汎な部位に投射するという共通の構造背景を有する.分岐した軸索末端は外界との接点で,そこに豊富なαSは凝集し,軸索を逆行性に進展し細胞体にレヴィー小体を形成する.レヴィー小体病にみられる様々な症状が局在性に乏しいのは分岐した軸索という構造と関連する.軸索の分岐が最も顕著なのが自律神経系で,心臓交感神経末端の機能を反映するMIBG…

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  • 視覚・嗅覚器の自律神経制御

    内田 さえ 自律神経 61 (1), 57-62, 2024

    <p>視覚器において副交感神経は,瞳孔の縮小,毛様体筋の緊張,脈絡膜血流の増加,涙液分泌を起こす.これらの反応には,アセチルコリン(ACh)のM3受容体,一酸化窒素(NO),血管作動性腸ペプチド(VIP)が関与する.視覚器において交感神経はα受容体を介して瞳孔の散大,脈絡膜血流の減少,涙液の軽度な分泌を起こす.嗅覚器において,副交感神経は粘液分泌の促進,粘膜の血流増加に関わる.交感神経は粘膜の血…

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  • 心拍変動から見た重症心身障害児の楽器に対する生理的レベルの反応 第1報

    村上 純子, 内田 勇人, 北山 真次 小児の精神と神経 63 (4), 339-344, 2024-01-01

    本研究は,重症心身障害児1名を対象として,音楽療法時に「ピアノ伴奏で歌いかけて,保育士が援助したツリーチャイムを児が握った左手で触る」または「児の左手に電子楽器サイミスのスイッチを保育士に握らせてもらい,ピアノ伴奏で歌いかけると,児が左手を約5 mm動かして鳴らす」の2条件のどちらをリラックスして鳴らすことができるのかについて心拍変動をもとに検討することを目的とした.音楽療法時における児の心拍変…

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  • 1994 年から2021年における自閉スペクトラム症児の当院心理・発達外来受診状況の推移

    下里 明日香, 武内 温子, 大橋 圭, 福原 里美, 浅井 朋子, 今枝 正行 小児の精神と神経 63 (4), 361-367, 2024-01-01

    1994年から2021年に名古屋市立大学病院小児科心理・発達外来を新規受診した自閉スペクトラム症児(以下,ASD児)の経年的変遷を,診療録をもとに後方視的に検討した.2012年の報告では初診患者の73.4%が広汎性発達障害児であったが,2021年では初診患者の中のASD児の割合は54.6%であり,減少していた.また,初診時主訴の変化としては「発達や言語の遅れ」は減少した.これらの経年的変化は,発…

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  • 脳生検後に白質病変を呈し,未治療で病変が改善した脳アミロイドアンギオパチーの2例

    浅野 剛平, 細山 幸子, 竹内 有子 臨床神経学 64 (1), 23-27, 2024

    <p>症例1は75歳女性.左手の間欠的な感覚障害が出現,頭部MRIのFLAIR画像で右側頭葉から頭頂葉の軟膜に沿った広範な高信号域と腫脹を認め,微小出血はほとんど認めなかった.症例2は78歳男性.運動性失語で発症し,頭部MRIでは右大脳半球皮質の腫脹とヘモジデリン沈着の所見を認めた.脳生検にて症例1は脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid …

    DOI Web Site PubMed 参考文献13件

  • MR neurographyで正中神経の神経束にくびれを同定した神経痛性筋萎縮症の1例

    川添 僚也, 森島 亮, 中田 安浩, 菅谷 慶三, 清水 俊夫, 高橋 一司 臨床神経学 64 (1), 39-44, 2024

    ...示指遠位指節間関節屈曲5・手関節屈曲4・前腕回内(肘屈曲)3で,神経痛性筋萎縮症とくに前骨間神経症候群と診断した.臨床所見から,円回内筋・撓側手根屈筋への分枝より近位での正中神経の障害が予測された.神経エコーでは明らかな異常を認めず,MR neurographyで肘関節より近位に正中神経 ‘くびれ’ を認め,‘くびれ’ 近位と遠位で正中神経の神経束の腫大と異常信号を認めた.神経束間剝離など手術適応があり,神経学的局所診断...

    DOI Web Site PubMed 参考文献22件

  • 免疫介在性ニューロパチーの新規治療展望

    桑原 基 臨床神経学 64 (1), 1-7, 2024

    <p>免疫介在性ニューロパチーでは副腎皮質ステロイド,血漿浄化療法,経静脈的免疫グロブリン療法が長らく治療の中心となっている.しかしながら,これらの治療においても治療抵抗例が一定数存在し,さらにmyelin associated glycoprotein(MAG)抗体関連ニューロパチーは未だ有効な治療が確立していない.近年,病態機序に直接関わる分子を標的とした新規治療の開発がすすんでいる.免疫性…

    DOI Web Site PubMed 参考文献49件

  • 外来でできる心理社会的治療―評価法と行動処方―

    小沢 浩 脳と発達 56 (1), 11-17, 2024

    <p> 医師が外来で実践できる評価法や外来で行える心理社会的治療「行動処方」を紹介した.学校自己採点法は,子どもに学校を100点満点で自己採点してもらい,マイナスの理由を聞く.生活環境採点法は,学校だけでなく,家庭や自分自身についての評価,家族の評価など環境を知ることが大切であるため,生活環境採点法を作り,子どもと保護者において点数化をしてもらう.大人ごっこは,からかってくる子を無視して無言で離…

    DOI

  • 神経発達症児に対する医療資源の配分に関する一般小児科医と専門医師の認識―厚生労働省調査研究から

    鈴木 浩太, 加賀 佳美, 稲垣 真澄 脳と発達 56 (1), 39-46, 2024

    <p> 【目的】神経発達症児に関わる専門医師が不足し,初診待機期間の長期化が問題になっている.本研究では,一般小児科医と神経発達症専門医師(専門医師)が感じている現状と理想の医療体制を明らかにし,適切な医療資源の配分や初診待機の問題について検討することを目的とした.【方法】一般小児科医と専門医師を対象にして,オンライン調査を実施し,808名から回答を得た.医療資源の配分の認識について,一般小児科…

    DOI 医中誌

  • 8歳で睡眠関連呼吸障害を認めた脊髄髄膜瘤の1例

    吉田 真衣, 野崎 章仁, 寺﨑 英佑, 森 篤志, 石原 万理子, 井上 賢治, 柴田 実, 加藤 竹雄 脳と発達 56 (1), 47-52, 2024

    <p> 脊髄髄膜瘤(myelomeningocele;MMC)は二分脊椎の最重症型であり,症状はMMCの存在部位,水頭症やキアリ奇形II型の程度などにより多彩である.呼吸合併症は小児期の生命予後にとって重要である.MMCでは睡眠関連呼吸障害の合併を認め,近年その有病率が高いことが報告されている.症例は胸部から腰仙部にMMCを認めた8歳女児.6歳と7歳時にキアリ奇形II型の治療のため脳外科手術が行…

    DOI 医中誌

  • 会告

    臨床神経学 64 (2), 126-131, 2024

    <p>2023年度第4回理事会議事要旨</p><p>2023年11月18日(土)</p>

    DOI Web Site PubMed

  • CTアンギオグラフィーによってvertebral artery stump syndromeを疑った1例

    栁田 美晴, 細井 泰志, 河野 達啓, 大竹 悠介, 平松 久弥, 伊藤 充子 臨床神経学 advpub (0), 2024

    <p>症例は55歳男性.17か月前に両側小脳半球・両側後頭葉の脳梗塞の既往があった.某日めまいを発症し,後方循環の脳梗塞を認めた.MRAでは左椎骨動脈が描出されなかったが,連続3相撮影によるCTアンギオグラフィー(CT Angiography,以下CTAと略記)で頭蓋外左椎骨動脈が遅延して描出された.血管造影検査で左VA遠位端のto-and-froの血流パターンを確認し,vertebral …

    DOI Web Site 参考文献2件

  • 抗AChR抗体及び抗P/Q型VGCC抗体が共に陽性を示した重症筋無力症の1例

    武田 侑己, 野田 佳克, 清家 尚彦, 石原 広之 臨床神経学 advpub (0), 2024

    <p>症例は79歳女性.嚥下障害,両側眼瞼下垂を来し入院した.抗アセチルコリン受容体(抗AChR抗体)と共に抗P/Q型電位依存性カルシウムチャネル抗体(抗P/Q型VGCC抗体)陽性が判明した.低頻度反復刺激試験で有意なdecrementを認めたが,高頻度反復刺激試験と単線維筋電図ではLambart-Eaton筋無力症候群として特徴的な所見を認めず,重症筋無力症と診断した.両抗体が共存する症例にお…

    DOI Web Site 参考文献9件

  • 腱反射亢進を呈したhereditary sensory and autonomic neuropathy 1Eの1例

    林田 仁志, 有田 行正, 髙 紀信, 瀧山 嘉久, 池添 浩二 臨床神経学 advpub (0), 2024

    <p>症例は52歳男性.小児期より難聴,40歳代より下肢遠位の潰瘍や骨髄炎を繰り返した.4年前より歩行障害,1ヶ月前より構音障害が出現した.認知機能低下,両下肢近位筋の筋力低下,四肢の腱反射亢進,小脳失調,両下肢深部覚優位の感覚障害,排尿障害を認め,神経伝導検査ではSNAPが導出不能だった.祖母に同様の症状があり,DNA methyltransferase …

    DOI Web Site 参考文献15件

  • 抗凝固療法中に発症したCapsular warning syndromeに対してシロスタゾール追加が有効であった1例

    川竹 彩音, 河野 浩之, 本田 有子, 海野 佳子, 平野 照之 臨床神経学 64 (3), 181-184, 2024

    <p>心房細動を有する88歳女性が右片麻痺と失語を主訴に緊急搬送された.MRAで左中大脳動脈M2閉塞を認めた.rt-PA静注療法により閉塞血管は再開通し,右片麻痺と失語は改善した.心房細動の既往があり,心原性脳塞栓症と診断し,抗凝固療法による再発予防を行った.しかし,day 6から右上下肢の運動麻痺の悪化と軽快を繰り返した.Capsular warning …

    DOI Web Site PubMed 参考文献14件

  • 精神症状で発症し,頭部MRIにてびまん性深部白質病変を呈した橋本脳症の1例

    高橋 なおみ, 鹿間 幸弘, 川原 光瑠, 岡部 裕真, 栗村 正之, 太田 康之 臨床神経学 64 (3), 171-175, 2024

    <p>症例は51歳男性.X−1月,急性の意識障害と精神症状で発症し,X月当院精神科に入院した.頭部MRIでびまん性白質病変を認め当科に紹介された.<sup>123</sup>I-IMP-SPECTでは前頭葉中心に広範な脳血流低下を認めた.抗Tg抗体,抗TPO抗体,抗NAE抗体が陽性であり橋本脳症と診断した.ステロイドパルス療法,ステロイド後療法,免疫グロブリン大量静注療法に反応し,症状,画像所見…

    DOI Web Site PubMed 参考文献2件

  • <sup>123</sup>I-IMP SPECTとMRIの所見から小脳視床路と歯状核赤核オリーブ路の障害が示唆されたHolmes振戦の1例

    石丸 誠己, 布村 菫, 脇田 雅大, 浦 茂久 臨床神経学 advpub (0), 2024

    <p>症例は75歳女性.2021年3月に左橋出血を発症した.保存的加療を行ったが,右上下肢の不全麻痺が残存した.2022年10月より右上下肢の運動失調と不随意運動を認め当科紹介となった.診察上,右上下肢の小脳性運動失調に加えて2 ‍Hz程度の静止時振戦を認め,姿勢時,企図時に増強された.病歴と画像所見より橋出血に起因するHolmes振戦と診断した.Holmes振戦は脳幹や視床の病変に続発する稀な…

    DOI Web Site PubMed 参考文献22件

  • 下部尿路機能障害と性機能障害の診方

    内山 智之, 山本 達也, 榊原 隆次, 村井 弘之 自律神経 61 (1), 46-50, 2024

    <p>自律神経障害の代表的なものとして,下部尿路機能障害(旧排尿障害)や性機能障害がある.下部尿路症状には蓄尿症状と尿の排出症状(排尿症状・排尿後症状)がある.下部尿路症状とその原因の把握には,質問票などの活用のほか,医療者側からの積極的な病歴聴取が有用である.下部尿路機能障害の病型の正確な把握は非専門医には難しいが,排尿日誌や残尿測定の活用は病型や原因の推察と適切な診療に役立つ.性機能症状には…

    DOI

  • 急性肝性ポルフィリン症:急性発作の発症機序と病態生理

    安田 真紀子 臨床神経学 64 (1), 8-16, 2024

    <p>ヘムはほぼ全ての生物にとって必須の鉄含有分子であるが,ヘム過多は細胞毒性を起こすため,ヘムの細胞内濃度は厳密に制御されている.急性肝性ポルフィリン症(acute hepatic porphyrias,以下AHPと略記)はヘム生合成酵素のいずれかの活性低下により発症する稀少遺伝性疾患であり,様々な誘因により急性神経発作を呈する.AHPの急性発作の症状は非特異的であるため,他疾患と誤診されるこ…

    DOI Web Site PubMed 参考文献35件

  • 小児神経と生命倫理学 生命倫理学と小児神経学のトランスレーション

    笹月 桃子, トカン ヴラッド, 酒井 康成, 吉良 龍太郎, 大賀 正一 脳と発達 56 (1), 5-8, 2024

    <p> 近年,神経・筋疾患,小児がん,造血器疾患に対する新しい遺伝学的解析法と治療薬が次々に開発され,これらは難治疾患を抱える子どもと家族に大きな希望を与えた.一方,小児科医が判断すべき治療法とその選択過程は複雑・多様化した.小児科医が子どもの代弁者として決断すべき選択肢は,法的・倫理的妥当性が許容される範囲内で,今後さらに多様化すると予測される.患児の利益をどのように擁護し,何を守るべきかに関…

    DOI

  • 脳症とICU-acquired weaknessを合併した毒素性ショック症候群の1例

    木島 英美, 横山 はるな, 岡田 麻理, 山村 悠, 中谷 久恵, 今井 雅子, 鈴木 奈都子, 金子 修也, 水野 朋子, 清水 正樹, 長澤 正之, 大柴 晃洋 脳と発達 56 (1), 58-62, 2024

    <p> 症例はII度熱傷でICU入院となった8歳ネパール人男児.第1病日から発熱,下痢,眼球結膜充血,全身性紅斑を認め,第3病日に急激に意識障害,けいれん群発,血圧低下,多臓器不全をきたした.人工呼吸器管理および抗菌薬や免疫グロブリン製剤などで救命した.熱傷創部浸出液からTSST-1産生株のMRSAが同定され,毒素性ショック症候群(toxic shock …

    DOI 医中誌

  • Tリンパ芽球性リンパ腫の臍帯血移植後に見られた高度意識障害

    中村 直和, 水本 智咲, 杉本 曉彦, 藤本 正数, 綾木 孝, 高折 晃史 臨床血液 65 (1), 47-51, 2024

    <p>Tリンパ芽球性白血病/リンパ腫(T-ALL/LBL)は急性白血病・悪性リンパ腫の中でも予後不良の疾患として知られている。Nelarabineは再発難治性T-ALL/LBLに対し良好な臨床成績が報告される治療選択肢の一つである一方で,神経障害の合併症に注意を要する。今回,T-LBL移植後早期再発に対しnelarabine単剤で完全寛解を達成し臍帯血移植を行ったが,高度意識障害を来し多臓器不全…

    DOI Web Site PubMed

  • A case of spinal cord infarction presenting with unilateral C5 palsy

    M.D. Matsuda Tatsuki, M.D. Taniguchi Takahiko, M.D. Hanya Misaki, M.D. Kitani Keisuke, M.D. Takahashi Hisashi, M.D., Ph.D. Kasai Takashi 臨床神経学 64 (2), 105-108, 2024

    <p>A 75-year-old man developed sudden-onset tetraparesis preceded by chest pain. MRI of the cervical spine on the day of onset showed no abnormalities. Although his motor symptoms improved …

    DOI Web Site PubMed 参考文献12件

  • 治療抵抗性の潰瘍性大腸炎に上行大動脈内血栓と塞栓性脳梗塞を合併した1例

    井上 賢一, 緒方 利安, 三嶋 崇靖, 石橋 英樹, 平井 郁仁, 坪井 義夫 臨床神経学 64 (2), 93-98, 2024

    <p>症例は49歳男性で,活動性の高い潰瘍性大腸炎で下血を繰り返していた.某日に左口角下垂,構音障害が出現し,翌日に左上下肢の脱力がみられ救急搬送された.左半側空間無視,構音障害,顔面を含む左片麻痺を呈し,脳MRIで右前・中大脳動脈領域に拡散制限を認めた.造影CTで右内頸動脈起始部閉塞と上行大動脈血栓を認めたため,大動脈病変を塞栓源とする脳梗塞と診断した.抗血栓療法により,48病日に大動脈血栓は…

    DOI Web Site PubMed 参考文献12件

  • 組織球症に続発する中枢神経障害:改善が期待できる中枢神経変性症

    森本 哲, 坂本 謙一, 工藤 耕, 塩田 曜子 臨床神経学 64 (2), 85-92, 2024

    <p>組織球症(histiocytosis,以下HCと略記)は単球系細胞が様々な臓器に集簇し傷害する炎症性骨髄腫瘍で,ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis,以下LCHと略記)やエルドハイム-チェスター病(Erdheim–Chester disease,以下ECDと略記)が含まれ,<i>BRAF</i><sup>V600E</sup>を代表とする分…

    DOI Web Site PubMed 参考文献55件

  • Epstein–Barrウイルス脳炎後に間欠的に「不思議の国のアリス症候群」を生じ,てんかん発作との鑑別を要した成人例

    細川 恭子, 大井 和起, 人見 健文, 三枝 隆博, 中川 朋一, 池田 昭夫 臨床神経学 64 (2), 99-104, 2024

    <p>症例は30歳男性.クローン病に対してインフリキシマブで治療中にけいれん重積発作を生じ,Epstein–Barrウイルス脳炎の診断で加療され,症状改善後左同名性下四分盲が残存した.脳炎の9ヶ月後から,自身の手や物が大きくまたは小さく見える,動いているものが速くあるいは遅く見える,コマ送りで見える,視界に霧がかかって見えにくいという視覚症状,身体浮遊感が出現し,その後も約10年間にわたり主に疲…

    DOI Web Site PubMed 参考文献13件

  • 重症心身障害児施設入所者における水痘・ムンプス・麻疹・風疹ウイルス抗体価の推移

    河合 泰寛, 辻 恵, 井合 瑞江 脳と発達 56 (2), 139-141, 2024

    <p> 重症心身障害児施設長期入所者は,ブースター効果の機会が乏しく予防接種後も抗体が維持されにくいことが推察される.自施設内で18歳未満の水痘,ムンプス,麻疹,風疹ウイルスの酵素免疫法(enzyme immunoassay;EIA)のIgGの3年間の推移を検討した.調査期間の予防接種なしの群では,抗体価は減衰傾向を示し,特に水痘では平均抗体価が47%の減少と顕著であった.必要回数の予防接種を確…

    DOI

  • 小脳腫大により脳ヘルニア徴候を認めた劇症型片側小脳炎の1例

    藤本 貢輔, 江間 達哉, 村上 智美, 奥村 良法, 高橋 幸利, 松林 朋子 脳と発達 56 (2), 134-138, 2024

    <p> 急性小脳炎は比較的予後良好な疾患であるが,ときに脳ヘルニアを来たす劇症型小脳炎を呈することがある.我々は片側小脳炎により切迫脳ヘルニアを来たし,髄液中抗グルタミン酸受容体(glutamate receptor;GluR)抗体が陽性となった劇症型小脳炎を経験した.症例は5歳6か月女児,発熱と嘔吐で発症し,第2病日に偏視と意識障害が出現した.頭部MRIで右小脳の腫脹と脳幹圧迫所見を認め当院に…

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  • 病院前治療におけるmidazolam口腔用液使用の有害事象に関する全国調査

    星出 まどか, 是松 聖悟, 伊藤 進, 下川 尚子, 宮田 理英, 井原 哲, 石井 光子, 渡辺 好宏, 福井 美保, 里 龍晴, 守本 倫子, 宮本 雄策, 三牧 正和, 山中 岳, 山内 秀雄, 村松 一洋, 竹島 泰弘 脳と発達 56 (2), 145-147, 2024

    ...<p> てんかん重積状態時の病院前治療として使用したmidazolam(MDL)口腔用液の有害事象について日本小児神経学会会員にアンケート調査した.回答数は431人(回答率12.0%)であった.MDL口腔用液総投与例580例中,有害事象(呼吸抑制,ふらつきによる転倒・外傷,1時間以上の鎮静)は14例(2.4%)であった.14例中,呼吸抑制が7例であった.てんかん重積状態時にMDL口腔用液投与の際には...

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  • 肺腺癌に対してDurvalumabを使用後に四肢・頸部の筋強直で発症したStiff-person症候群の1例

    井上 貴司, 大岩 慧, 堀内 一宏 臨床神経学 64 (3), 176-180, 2024

    <p>症例は74歳女性.肺腺癌に対してDurvalumabを使用中に,四肢・体幹部の筋強直が出現した.発作性有痛性筋痙攣と,表面筋電図での主働筋と拮抗筋の持続的な筋収縮を認めた.血液検査ではamphiphysin抗体が強陽性であり,stiff-person症候群(stiff-person syndrome,以下SPSと略記)と診断した.免疫グロブリン大量静注療法やクロナゼパムを開始し,発作性有痛…

    DOI Web Site PubMed 参考文献14件

  • 小脳歯状核出血とともにパーキンソン病による静止時振戦が消失した後Holmes‍振戦が出現した1例

    中村 匡宏, 磯野 理, 那須 徹也, 日沼 雄二, 中村 紀子 臨床神経学 64 (3), 185-189, 2024

    <p>症例は71歳男性.2年前に発症したHoehn-Yahr III度のパーキンソン病患者.右上肢に6~7 ‍Hzの静止時振戦を認めていた.突然のめまいで受診.頭部CTで右小脳歯状核出血を認め,右上肢の静止時振戦は消失した.第6病日の頭部MRIで右歯状核-赤核-視床路のWaller変性を認めた.発症5カ月頃よりHolmes振戦が右上肢に出現した.Holmes振戦はL-dopa増量で改善した.小脳…

    DOI Web Site PubMed 参考文献22件

  • 中枢性自律神経回路網は交叉するか

    平井 利明, 黒岩 義之 自律神経 61 (1), 16-25, 2024

    <p>視床下部は前頭前野や辺縁系の神経回路網を経て,外界ストレス情報を受ける.脳幹・脊髄の自律神経回路網には視床下部から節前神経細胞への下行性投射路と内臓情報を伝える上行性投射路がある.本稿では視床下部に投射する大脳の神経回路網を中枢性自律神経回路網(central autonomic network, …

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  • Fight or flightと視床下部

    黒岩 義之, 平井 利明, 横田 俊平, 藤野 公裕, 北條 祥子 自律神経 61 (1), 26-37, 2024

    <p>Fight or flightの場面ではストレス反応が連鎖的に起きる(発熱,頻脈,逃避行動).頻脈反応には心筋のミトコンドリアカルシウム単一輸送体が関与している.自律性の交感神経反応は危機的状況を切り抜ける上で有利に働く.心理ストレスに暴露されると内側前頭前野→視床下部背内側部→吻側延髄縫線核→褐色脂肪細胞を介して,発熱が惹起される.褐色脂肪はミトコンドリア蛋白質の活性化を経て,熱を産生す…

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  • 快情動による体温調節の神経回路解明に向けて

    桑木 共之 自律神経 61 (1), 67-72, 2024

    <p>情動は自律神経の活動変化を介して心拍数や体温などの身体状況に影響を及ぼす.また,快情動が精神だけでなく身体の健康にも良い効果をもたらす事は経験的に誰もが知っている.その中枢神経メカニズムを解明するべく著者らが取り組んできた,マウスにおける快情動研究のための方法論開発について解説する.また,予備的な成果の一部を紹介する.</p>

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  • ドーパミン神経伝達と運動抑制に関わる神経活動が協調運動機能に与える影響

    白川 由佳, 北 洋輔, 鈴木 浩太, 加賀 佳美, 北村 柚葵, 奥住 秀之, 稲垣 真澄 生理心理学と精神生理学 41 (2), 120-131, 2023-12-31

    ...本研究では,DCDにおける協調運動障害の神経学的な機序の解明を目指し,遺伝子多型に基づく脳内DA濃度と,運動反応抑制に関わる神経活動の両者が,協調運動機能に及ぼす影響を検討した。成人97名を対象に,DA関連遺伝子多型,運動反応抑制にかかわる事象関連電位および協調運動機能を評価した。その結果,脳内DA濃度の高い場合には,協調運動機能の低下が認められなかった。...

    DOI Web Site 被引用文献1件 参考文献58件

  • 神経変性疾患への対応の道しるべ:神経心理学的視点から

    池田 学, 石丸 大貴, 永田 優馬, 堀田 牧, 髙﨑 昭博, 中牟田 なおみ, 鈴木 麻希 神経心理学 39 (4), 299-307, 2023-12-25

    <p>神経心理学的ないし神経精神医学的根拠を活用した,神経変性疾患による認知症への対応を中心に論じた.神経変性疾患による認知障害は,基本的に進行性である.したがって,診察時に保たれている機能をいかに維持するか,低下が始まっている機能をいかに補助するかという点が介入の原則にある.一方,精神症状・行動異常は認知障害や神経症状と異なり,進行性に重症化するわけではなく,病期によって増悪したり消退したりす…

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