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検索結果 1,289 件

  • 1.血液バイオマーカー総論

    岩田 淳 日本老年医学会雑誌 61 (1), 23-27, 2024-01-25

    ...<p>抗Aβ薬の登場によりアルツハイマー病の診断はバイオマーカーを用いた時代へと変遷する.そこで問題となるのは現在gold standardとされるPETや脳脊髄液検査の弱点であり,それを解決する上で血液バイオマーカーの社会実装は是非とも実現させたいところである.しかし,その実現は容易ではない.血液バイオマーカーの登場の背景と,今後の課題について概説する.</p>...

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  • 2.血液バイオマーカーに期待されるもの

    春日 健作 日本老年医学会雑誌 61 (1), 28-33, 2024-01-25

    <p>CSFバイオマーカーは認知症の病因診断および抗Aβ抗体薬の対象選択に有用な検査と考えられるが,腰椎穿刺の侵襲性や被検者の検査に対する恐怖感を考慮すると血液バイオマーカーへの代替が望まれる.</p><p>血漿Aβ42/40比に関してはアミロイド陽性群と陰性群のオーバーラップが小さくないため,腰椎穿刺やPET検査のスクリーナーとしての活用が期待されている.一方,血漿p-tau217はCSFバイ…

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  • Glial fibrillary acidic protein抗体関連疾患の病態と臨床像

    木村 暁夫 臨床神経学 64 (2), 75-84, 2024

    ...線維性酸性蛋白(glial fibrillary acidic protein,以下GFAPと略記)抗体関連疾患は,近年新たに提唱された免疫介在性神経疾患である.病態機序は十分解明されていないが,病理学的に血管周囲を主体とするT細胞の浸潤が報告されており,抗原特異的T細胞の関与が推測されている.主に髄膜脳炎・髄膜脳脊髄炎をきたし,意識障害,排尿障害,運動異常症,髄膜刺激徴候,認知機能障害などを呈する.脳脊髄液検査...

    DOI Web Site PubMed 参考文献49件

  • 重症髄膜炎治療後の脳脊髄液中の糖濃度低値

    田口 慧, 山崎 文之, 木下 康之, 立石 裕一, 出雲 大幹, 小林 良行, 高安 武志, 米澤 潮, 大西 俊平, 堀江 信貴 小児の脳神経 49 (1), 52-56, 2024

    <p>低出生体重児(在胎33週,1828 g).生後36日にGroup B streptococcus(GBS)による髄膜炎を発症しビクシリンにて加療を開始した.生後82日目の髄液所見は糖以外改善したがGd造影FLAIRにおいて髄膜造影効果が出現した.GBSによる莢膜過形成の可能性を考慮しリファンピシンを追加したが髄膜造影効果は改善するも髄液糖所見の改善は乏しく,リネゾリドへ変更した.最終的に糖…

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  • 硬膜外自家血注入療法が奏功した外転神経麻痺を伴う脳脊髄液漏出症の1例

    後藤 克聡, 三木 淳司, 荒木 俊介, 小野 貴暁, 春石 和子, 家木 良彰, 桐生 純一, 高井 洋樹, 宇野 昌明 神経眼科 40 (4), 383-389, 2023-12-25

    ...<p> 硬膜外自家血注入療法が奏功した外転神経麻痺を伴う脳脊髄液漏出症の1例を報告する.症例は40 歳,女性.嘔吐を伴う起立性頭痛で近医を受診し,片頭痛と診断されたが,その 3 週間後に複視が出現した.頭部造影MRIで硬膜下腔のびまん性拡大,びまん性硬膜造影所見を認めた.低髄液圧症を含めた脳脊髄液漏出症の疑いで精査・加療目的で当院脳神経外科へ紹介され,当科受診となった.視力は右(1.0×-18.00D...

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  • 特発性血小板減少性紫斑病を合併した脳脊髄液漏出症の治療経験

    山村 祐司, 渡邉 恵介, 藤原 亜紀, 木本 勝大, 吉村 季恵, 川口 昌彦 日本ペインクリニック学会誌 30 (11), 256-260, 2023-11-25

    ...<p>症例:42歳男性,特発性血小板減少性紫斑病を合併.起立性頭痛で近医を受診し,両側慢性硬膜下血腫にて両側穿頭血腫除去術が施行された.前医の脊椎MRIで硬膜外液体貯留を認め,特発性脳脊髄液漏出症とそれに伴う血腫を疑ったが,軽微な外傷による血腫の可能性もあった.出血のリスクがある脊髄造影CTを避け造影脳MRIで特発性脳脊髄液漏出症と診断した.硬膜外自家血パッチに先立ち血液内科に相談し血小板回復のために...

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  • 対麻痺を合併したStanford A型急性大動脈解離に対し脳脊髄液ドレナージが有効であったと考えられた1症例

    森村 太一, 西澤 英雄, 藤本 潤一, 七尾 大観, 木村 康宏, 大和田 玄, 金子 尚樹, 江島 隆平 Cardiovascular Anesthesia 27 (1), 25-29, 2023-09-01

    ...手術までの間,収縮期血圧の上昇を抑え,脊髄灌流圧を維持する目的で脳脊髄液ドレナージを実施したところ,対麻痺の改善を認めた。翌日上行弓部置換術およびオープンステントグラフト内挿術を施行した。術後も脊髄灌流圧70 mmHgを維持するよう脳脊髄液ドレナージを継続し,最終的には自力で歩行するまで回復した。...

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  • COVID-19脳症の1例

    加納 時定, 藤江 聡, 石北 悠, 竹田津 史野, 八木 雅幸, 今村 藍, 長島 秀明, 園部 浩之, 宮川 赳平, 村田 希吉 日本救急医学会関東地方会雑誌 44 (3), 271-274, 2023-06-30

    ...脳脊髄液所見や, 脳波所見では特記事項はみられなかったが, 頭部MRI検査 (FLAIR, DWI) で脳溝周囲に沿って高信号域がみられた。臨床経過および画像所見からCOVID-19脳症と診断し, ステロイドパルス療法を施行し, 意思疎通を図れるまでに意識レベルが改善した。...

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  • 頭部CT所見が治療方針決定に有用であった切迫性脳ヘルニア合併脳脊髄液漏出症の1例

    井上–山本 汐里, 中尾 謙太, 石尾 純一, 成尾 英和, 宮﨑 信一郎, 南 敏明 日本ペインクリニック学会誌 30 (5), 97-102, 2023-05-25

    ...を施行し,意識障害は改善した.意識障害を呈した両側硬膜下血腫合併脳脊髄液漏出症における治療では,EBPと硬膜下血腫除去術のどちらを優先するかが議論となる.今回,頭部CTが脳ヘルニアの治療方針決定の一助となった重症脳脊髄液漏出症の1症例を経験したので報告する....

    DOI 医中誌

  • 肝細胞癌の多発肺転移に対してアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法を導入し,ギラン・バレー症候群を来した一例

    高橋 実佑, 田中 聡司, 笠倉 至言, 渡邊 和具, 原田 理史, 宮崎 愛理, 上月 美穂, 川端 将生, 津室 悠, 西村 佑子, 松島 健祐, 阿部 友太朗, 福武 伸康, 長谷川 裕子, 山本 俊祐, 榊原 祐子, 山本 司郎, 石田 永, 山上 宏, 三田 英治 肝臓 64 (5), 243-252, 2023-05-01

    ...<p>60歳女性.肝細胞癌多発肺転移に対してアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法を開始した14日後から四肢末梢の感覚障害と四肢の筋力低下が出現した.脳脊髄液検査では蛋白および細胞数の上昇を認め,血清中のGalNAc-GD1a IgG抗体とGal-C IgG抗体が陽性であった.神経伝導速度検査で脱髄型末梢神経障害を認め,アテゾリズマブ関連の薬物性ギラン・バレー症候群と診断した.大量免疫グロブリン療法にて...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献44件

  • 結核性脊椎炎による脊椎変形が基礎にありスポーツ外傷を契機として脳脊髄液漏出が生じた1症例

    林 文昭, 石川 慎一, 南 絵里子, 小橋 真司 日本ペインクリニック学会誌 30 (4), 88-92, 2023-04-25

    ...<p>結核性脊椎炎による脊椎変形が基礎にありスポーツ外傷を契機として脳脊髄液漏出が生じた症例を報告する.症例は結核性脊椎炎による脊椎楔状変形の既往がある10代女性.校内活動中にサッカーボールが頭部に当たり,その後,起立性頭痛が出現し登校困難となった.大学病院脳神経外科を含む4軒以上の病医院を受診し,脳脊髄MRIを含む精査を施行したが確定診断には至らず8カ月間頭痛は継続し,当院へ紹介となった.脊髄MRI...

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  • 中枢神経系を標的としたmRNA医薬のDDSと治療応用

    内田 智士 Drug Delivery System 38 (2), 125-133, 2023-03-25

    ...送達経路として、脳実質や脳脊髄液への局所投与、全身投与からの血液脳関門(BBB)を介した送達、nose-to-brain経路があげられる。高分子ミセルは、中枢神経系への局所投与において、炎症反応を伴うことなく効率的なタンパク質発現を誘導し、モデル動物に対して治療効果を示した。例えば、アミロイドβに対する抗体断片のmRNAのマウス脳室内投与により、脳内アミロイドβ量が減少した。...

    DOI Web Site 参考文献28件

  • 脊髄虚血を合併したStanford A型急性大動脈解離に対する治療経験

    田村 智紀, 大友 有理惠, 宝来 哲也 日本心臓血管外科学会雑誌 52 (2), 103-108, 2023-03-15

    ...ドレナージ,ナロキソン投与,ステロイパルス療法)を施行し不全対麻痺は完全に改善し第32病日に独歩で退院した.症例2: 50歳女性,左下肢完全麻痺で発症したStanford A型急性大動脈解離,偽腔開存型.緊急的に上行大動脈置換術を施行した.術後2時間で覚醒を確認,左下肢完全麻痺は改善なく集学的治療(脳脊髄液ドレナージ,ナロキソン投与,ステロイパルス療法)を施行し左下肢麻痺は部分的に改善し第57病日装具歩行...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献18件

  • 神経リンパ腫症で再発した中枢神経系原発悪性リンパ腫の1症例

    NISHIMURA Rie, KUMODE Mina, ABE Kazuki, IWASA Masaki, FUJISHIRO Aya, KANEKO Shunya, OGAWA Nobuhiro, YOSHIMURA Yayoi, FUKAMI Tadateru, MINAMIGUCHI Hitoshi, URUSHITANI Makoto, MURATA Makoto, 西村 理恵, 口分田 美奈, 阿部 和樹, 岩佐 磨佐紀, 藤城 綾, 金子 隼也, 小川 暢弘, 吉村 弥生, 深見 忠輝, 南口 仁志, 漆谷 真, 村田 誠 滋賀医科大学雑誌 36 (1), 48-51, 2023-03-15

    ...【結論】脳脊髄液細胞診とFCM、FDG-PET/CTを併用することで、神経リンパ腫症の診断が可能となった。中枢神経系原発悪性リンパ腫の再発としての末梢神経の神経リンパ腫症ついては確立された治療法はないことを考えると本症例はR-MVP療法とそれに続くBU/TT併用自己末梢血幹細胞移植の有用性を示唆するものである。...

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • Ehlers-Danlos症候群と体位性頻脈症候群,脳脊髄液減少症の共存

    田村 直俊, 光藤 尚 自律神経 60 (1), 42-48, 2023

    ...<p>Ehlers-Danlos症候群(EDS)・体位性頻脈症候群(PoTS)・脳脊髄液(CSF)減少症が相互に共存するという成績が集積している.EDSとPoTSの共存については,EDSは静脈の伸展性過大があり,起立時に過剰の血液が下半身の静脈系に貯留する,EDSとCSF減少症の共存については,EDSの組織脆弱性がCSF漏出をもたらすとされているが,圧倒的多数のEDSは静脈の伸展性過大,組織の脆弱性...

    DOI 医中誌

  • 非定型パーキンソニズムを呈する自己免疫性脳炎/傍腫瘍性神経症候群―スコーピングレビュー―

    山原 直紀, 木村 暁夫, 下畑 享良 臨床神経学 63 (8), 497-504, 2023

    ...自己免疫性脳炎/傍腫瘍性神経症候群が報告されている.しかしどのような抗神経抗体が関与するのか,またどのようなときにこれらの疾患を疑うべきかは不明である.この臨床疑問を解決するためにスコーピングレビューを行い,38論文を選定した.この結果,進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核症候群,多系統萎縮症のいずれにおいても未知の抗体を含む抗神経抗体が多数報告されていた.また若年発症,急性/亜急性の進行,腫瘍の合併,体重減少,脳脊髄液検査異常...

    DOI Web Site PubMed 参考文献38件

  • 脳梗塞急性期にMRIにて血管壁の造影増強効果を認めた髄膜血管型神経梅毒の1例

    宮武 仁志, 小栗 卓也, 櫻井 圭太, 武藤 義和, 加藤 秀紀, 湯浅 浩之 臨床神経学 63 (9), 588-591, 2023

    ...<p>46歳男性.歩行時のふらつきを主訴に来院し,頭部MRIで多発脳梗塞を認め入院した.42歳頃に梅毒感染リスクを伴う行動歴があり,一過性に皮疹が出現するも医療機関未受診であった.入院時の血清,脳脊髄液の梅毒反応陽性より髄膜血管型神経梅毒と診断した.ペニシリンG大量療法後は再発なく症状も改善した.診断時のMRアンギオグラフィーでは責任血管の1本である右上小脳動脈の近位部に描出低下があり,造影MRIにて...

    DOI Web Site PubMed 参考文献8件

  • 脳室周囲器官の機能とその制御破綻

    平井 利明, 黒岩 義之 自律神経 60 (4), 172-180, 2023

    ...がある.前者には脳弓下器官,終板脈管器官,最後野があり,それらによって感知されるアンギオテンシンIIやNaイオン濃度などの環境ストレスシグナルは,視床下部室傍核に神経伝達される.後者には神経下垂体,松果体,交連下器官,正中隆起があり,ホルモン分泌機能を介して体液・浸透圧,睡眠・性ホルモン,免疫・エネルギー代謝,摂食行動などの調節を担う.脈絡叢は厳密にはCVOsに含まれないが,自律神経の支配によって脳脊髄液...

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  • 脳と脳脊髄液の自動抽出・領域分割とAI-CAD

    山田 茂樹, 伊藤 広貴, 松政 宏典, 伊井 仁志, 前田 修作, 武石 直樹, 大谷 智仁, 谷川 元紀, 渡邉 嘉之, 和田 成生, 大島 まり, 間瀬 光人 生体医工学 Annual61 (Abstract), 122_1-122_1, 2023

    ...2020年に発売されたSYNAPSE VINCENTの脳区域解析アプリは脳と脳脊髄液をAIで26区域に自動分割できる。2022年より運用が始まったクラウド型AI開発支援サービスSYNAPSE Creative Space (CS)は特定関心領域を抽出し、病的所見の有無を自動判定するAIを医療者自らが作成できる。これらを活用した医療・脳ドックの未来を紹介する。...

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  • ラットにおけるCSF採取法比較検討

    Marina TSUGARU, Kenichi NORITAKE, Haruka NISHIYA, Toshio IMADE, Katsuhiko OTSUKA 日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P3-317-, 2023

    ...<p>【序論】</p><p>脳脊髄液(CSF)は薬物の中枢移行性や中枢神経系毒性を評価するうえで重要な生体試料である。本研究では、2種類のCSF採取法(大槽穿刺と頸部切開)でCSFを採取し、CSF中の化合物及び神経伝達物質の濃度を比較した。また、3種類の麻酔が神経伝達物質濃度に及ぼす影響についても比較検討した。...

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  • 胎児期水頭症の診断と治療

    原田 敦子, 宇都宮 英綱 Japanese Journal of Neurosurgery 32 (4), 237-242, 2023

    ...<p> 胎児が水頭症病態 (一次的脳脊髄液循環異常) にあるかどうかの判断は難しく, 水頭症病態にない脳容積減少に伴って二次的に生じる脳室拡大も広義に胎児期水頭症と診断されることが多い. 広義の水頭症の中には, 染色体異常や多発奇形症候群など種々の原疾患が含まれることから, 胎児期水頭症の正確な診断や病態把握は患児の予後予測の意味においてもきわめて重要である....

    DOI Web Site 参考文献10件

  • リンパ腫診療におけるリキッドバイオプシーの有用性

    冨田 章裕 臨床血液 64 (9), 1053-1065, 2023

    ...リキッドバイオプシーは,患者の血漿や脳脊髄液などの体液から腫瘍由来異常遺伝子を検出する新たな腫瘍生検の方法である。遺伝子解析方法の進歩も相まって,現在までにびまん性大細胞型B細胞リンパ腫,中枢神経悪性リンパ腫,ホジキンリンパ腫などにおけるリキッドバイオプシーの有用性についての報告が集積しつつある。...

    DOI Web Site PubMed ほか1件

  • 頭痛診療ガイドラインにおける脳脊髄液減少症の位置付け

    橋本 洋一郎 自律神経 60 (4), 155-160, 2023

    ...,2019年に脳脊髄液漏出症診療指針が出された.頭痛の診療ガイドライン2021に低髄液圧による頭痛はどのように診断し治療するかという項目が取り上げられた.脳脊髄液減少症/脳脊髄液漏出症を低髄液圧による頭痛としてガイドラインに記載され低髄液圧および/または脳脊髄液漏出に続発する起立性頭痛を特徴とする臨床状態と定義して,診断・治療を進めていく道筋が示されている....

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  • 脳と脳脊髄液の自動抽出・領域分割とAI-CAD

    山田 茂樹, 伊藤 広貴, 松政 宏典, 伊井 仁志, 前田 修作, 武石 直樹, 大谷 智仁, 谷川 元紀, 渡邉 嘉之, 和田 成生, 大島 まり, 間瀬 光人 生体医工学 Annual61 (Proc), 319-321, 2023

    ...2020年に発売されたSYNAPSE VINCENTの脳区域解析アプリは脳と脳脊髄液をAIで26区域に自動分割できる。2022年より運用が始まったクラウド型AI開発支援サービスSYNAPSE Creative Space (CS)は特定関心領域を抽出し、病的所見の有無を自動判定するAIを医療者自らが作成できる。これらを活用した医療・脳ドックの未来を紹介する。...

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  • 多巣性運動ニューロパチー8例の臨床的特徴と長期経過

    根本 壌, 清水 文崇, 前田 敏彦, 西原 秀昭, 古賀 道明, 神田 隆 臨床神経学 63 (4), 209-213, 2023

    ...<p>多巣性運動ニューロパチー連続8例の臨床情報を後方視的に収集し,その特徴と長期経過を解析した.全例で一側上肢から発症し,6例で利き手から発症していた.7例で上肢への運動負荷の強い職業もしくは趣味があり,労作との関係が示唆された.脳脊髄液中の蛋白値は全例で正常から軽度高値であり,末梢神経伝導検査で伝導ブロックを4例に認めた.全例で経静脈的免疫グリブリン療法が奏功し,軽症の2例では完全寛解し維持療法...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献13件

  • ウイルス血症陰性移植後ヒトヘルペスウイルス-6B脳炎:foscarnet先行投与との関連

    森 正和, 中瀬 浩一, 渡部 真志, 三瀬 和人, 兵頭 和樹, 上田 怜, 橋田 里妙, 板楠 今日子, 宮﨑 幸大, 名和 由一郎 日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 12 (3), 194-199, 2023

    ...同日に提出されたPCR検査結果は血漿ではHHV-6B DNA陰性で,脳脊髄液からのみHHV-6B DNAが検出されHHV-6B脳炎の診断が確定した。脳脊髄液のPCR陰性化が確認された後,FCVは合計3週間継続して終了となった。</p><p> FCV投与中にHHV-6B脳炎を合併した場合には血漿PCRが陰性化することがあり,血漿検体のみではHHV-6B脳炎を見落とすピットフォールに陥る可能性がある。...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献13件

  • 「HTLV-1関連脊髄症(HAM)診療ガイドライン2019」の活用実態および内容の評価に関する全国アンケート調査

    鷹尾 直誠, 佐藤 知雄, 山内 淳司, 八木下 尚子, 堀部 恵梨佳, 山野 嘉久 臨床神経学 63 (7), 433-440, 2023

    ...に専門医にアンケート調査を行った.ガイドラインの普及度は12%と低くまだ十分活用されていないこと,専門医の25%はヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type I,以下HTLV-1と略記)感染の確認検査を知らずHTLV-1に関する知識は不十分であること,また疾患活動性に応じて治療強度を決定する方針への同意率は90.7%と高いものの,その評価に有用な脳脊髄液...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献6件

  • 髄膜炎・脳炎の急性期診療における脳脊髄液多項目PCRパネル(FilmArray<sup>®</sup> MEパネル)の有用性

    太田 和馬, 藤原 悟, 石井 淳子, 吉村 元, 幸原 伸夫, 川本 未知 臨床神経学 63 (8), 528-531, 2023

    ...<p> 髄膜炎・脳炎の急性期診療における微生物学的検査の重要性は高い.FilmArray<sup>®</sup>髄膜炎・脳炎パネル(MEパネル)は14種類の病原体(ウイルス・細菌・真菌)の脳脊髄液PCRを1時間弱で施行できる検査で,2022年9月に保険収載された.当院ではそれ以前から臨床現場で使用する機会を得たため,成人70例を対象に,同検査の有用性について検討した.何らかの微生物が陽性となったのは...

    DOI Web Site PubMed 参考文献9件

  • Naproxen誘発性無菌性髄膜炎を認めたsynovitis–acne–pustulosis–hyperostosis–osteitis(SAPHO)症候群の1例

    岩岡 和博, 工藤 正裕, 鈴木 隆史, 板橋 亮, 前田 哲也 神経治療学 40 (5), 734-738, 2023

    ...synovitis–acne–pustulosis–hyperostosis–osteitis(SAPHO)症候群の診断のもと,発熱や頭痛に対する対症療法としてnaproxenを処方されていた.発症当日,naproxenを頓服した後,頭部全体の非拍動性頭痛が出現し緩徐に悪化.数日の経過で意識障害,悪心,嘔吐が出現したため救急外来を受診した.神経学的には,変動する意識障害,jolt accentuationを認めた.血液検査で高度炎症反応,脳脊髄液検査...

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  • 脳炎脳症の原因究明に役立つショットガンメタゲノム解析

    﨑山 佑介 神経感染症 28 (1), 16-, 2023

    ...わずかなサンプル量から病原体ゲノムを検出できるため、生検脳や脳脊髄液を対象にした本解析は、脳炎や髄膜炎の感染症スクリーニングとして役立つ。一方で、高コストであり、偽陽性や偽陰性の問題もある。</p>...

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  • 水痘が神経症状後に出現した水痘・帯状疱疹ウイルス横断性脊髄炎および馬尾症候群

    島津 匠生, 安富 大悟, 伊藤 規絵, 千葉 進, 南部 明民 臨床神経学 63 (10), 637-642, 2023

    ...<p>症例は74歳男性である.下肢の脱力および排尿困難を発症し,3日後に全身の水疱が出現した.脊椎MRIではTh12~L1レベルの髄内および馬尾に造影効果を認めた.血清および脳脊髄液中の水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus,以下VZVと略記)-IgG抗体価の著明な上昇があり,また脳脊髄液中のVZV-IgM産生を認めた.VZV横断性脊髄炎・馬尾症候群とそれに続発した水痘...

    DOI Web Site PubMed 参考文献25件

  • 頭蓋骨縫合早期癒合症におけるVBMを用いた脳脊髄液灌流障害の定量的評価

    中戸川 裕一, 宮川 正, 山本 貴道, 川路 博史, 山添 知宏, 稲永 親憲 小児の脳神経 48 (3), 256-260, 2023

    ...<p>頭蓋骨縫合早期癒合症(CS)において頭蓋内圧(ICP)の亢進はよく知られているが,脳脊髄液(CSF)灌流障害についての報告は少ない.この研究は,VBMを用いて,CS患者の術前後の頭蓋内容積(灰白質+白質+CSF)に対するCSF体積を解析した.術後におけるCSFの占める体積は,術前と比較して有意に低い結果を得られた.CSにおいて,頭蓋形成術はCSF灌流障害を改善させている可能性が示唆された....

    DOI 医中誌

  • 同種骨髄移植後の慢性移植片対宿主病治療中にEBVおよびCMV再活性化に伴い発症したギラン・バレー症候群

    細井 裕樹, 太根 美聡, 小浴 秀樹, 榊 絢朱, 和田 嘉允, 中山 宜昭, 弘井 孝幸, 堀 善和, 山下 友佑, 蒸野 寿紀, 村田 祥吾, 西川 彰則, 宮本 勝一, 伊東 秀文, 園木 孝志 臨床血液 64 (10), 1280-1285, 2023

    ...脳脊髄液検査で蛋白細胞解離を,神経伝導検査で脱髄所見を認め,ギラン・バレー症候群(GBS)と診断した。同時期にサイトメガロウイルス(CMV)抗原血症とEpstein-Barr virus(EBV)再活性化を認めた。大量γ-globulin療法とリハビリテーションで症状は改善した。同種移植後GBSの発症機序は明らかになっていないが,慢性GVHDの関与が想定されている。...

    DOI Web Site PubMed ほか1件

  • 脳脊髄液減少症の画像診断

    大澤 威一郎 自律神経 60 (4), 161-171, 2023

    ...<p>脳脊髄液減少症の診断は難しく,その理由の1つに多彩な画像所見がある.MRIの進歩は目覚ましく,新たな知見が次々と生まれている.これがまた画像所見の複雑さに拍車をかける要因となっており,過去と最新の知見を今一度整理する必要がある.本疾患のMRI所見は,脊髄と頭部の2つに大きく分けられる.脊髄MRIでは主に脳脊髄液の漏出を,頭部MRIではそれによる2次的変化を評価する.漏出の特徴的なsignとして...

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  • 腹部人工血管置換術後に対麻痺を発症した腎動脈下腹部大動脈瘤の1例

    大野 文也, 永冨 脩二, 寺園 和哉, 立石 直毅, 向原 公介, 金城 玉洋 日本血管外科学会雑誌 31 (6), 343-346, 2022-11-10

    ...<p>症例は72歳,女性.腎動脈下腹部大動脈瘤(最大短径50 mm)に対して,開腹人工血管置換術を施行後,両下肢の運動障害を認め対麻痺が疑われた.緊急で脳脊髄液ドレナージを施行し,平均血圧とPaO<sub>2</sub>を十分に維持した.未分画ヘパリン,ナロキソン,エダラボン投与を行ったが下肢症状の改善は得られなかった.腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術後に発症する対麻痺は稀であるが,起こりうる合併症...

    DOI 医中誌

  • 錐体骨の骨欠損を原因とした難治性頭蓋内感染症に対する経頭蓋的修復術の有用性

    倉田 原哉, 四條 克倫, 大谷 直樹, 大島 秀規, 鴫原 俊太郎, 大島 猛史, 吉野 篤緒 日大医学雑誌 81 (4), 213-218, 2022-08-01

    <p>側頭骨錐体部を介した髄液漏は,稀ではあるものの難治性の頭蓋内感染症を生じることが知られている.その原因には頭部外傷,錐体骨周辺の手術,腫瘍,放射線治療,中耳炎,先天性,特発性などが報告されているが,その原因の如何を問わず,繰り返す髄膜炎や致死的な重症頭蓋内感染症を生じうる.治療には髄液の漏出部位の正確な特定と速やかな閉鎖が推奨されるが,画像診断では同定困難なことが多い.そのため漏出する可能…

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献21件

  • 脳脊髄液圧(頭蓋内圧)の変化による緑内障性視神経症発症メカニズム

    辻 隆宏 神経眼科 39 (1), 10-17, 2022-03-25

    ...</p> <p> 脳脊髄液圧の低下による緑内障の発症機序は,これまでの動物実験の結果から,1)篩状板部での脳脊髄液圧と眼圧の圧較差が篩状板の変形により物理的に軸索流が停滞する,2)低い脳脊髄液圧が直接的に軸索流を停滞させる,3)篩状板後部の脳脊髄液からの排泄機構(glymphatic system)の破綻などが推測される.実験動物として一般的なげっ歯類では篩状板構造が未熟であるものの,急性低脳脊髄液圧...

    DOI

  • 脳脊髄液減少による視機能異常

    山上 明子 神経眼科 39 (1), 26-33, 2022-03-25

    ...今回は,眼科を受診してその後,脳脊髄液漏出症と診断された4例について提示する.眼所見以外の症状にも注目し,事故や外傷の既往を過去にさかのぼって確認し,脳脊髄液減少症が疑われれば専門医に紹介していく必要がある....

    DOI

  • Stanford A型急性大動脈解離に対する部分弓部人工血管置換術の10時間後に生じた右下肢不全麻痺の1例

    塩屋 雅人, 月岡 祐介, 立石 烈, 中原 嘉則, 山名 孝治, 金村 賦之 日本血管外科学会雑誌 31 (1), 27-30, 2022-02-28

    <p>Stanford A型急性大動脈解離に対する部分弓部人工血管置換術後に遅発性片麻痺を生じた症例を経験した.症例は65歳の男性で突然の胸痛のため近医を受診し,偽腔閉塞型のStanford A型急性大動脈解離と診断され当院に搬送された.術前の意識状態は清明で運動障害も認めなかった.左大腿動脈送血,右房脱血で人工心肺を確立し,膀胱温27°Cの中等度低体温循環停止,選択的脳分離灌流下に部分弓部人工…

    DOI 医中誌

  • 術後に対麻痺を発症した Stanford A 型急性大動脈解離に対するオープンステントグラフト併用全弓部置換術の1例

    野村 竜也, 古川 浩二郎, 福田 倫史, 平田 雄一郎, 恩塚 龍士, 田山 栄基, 森田 茂樹 日本心臓血管外科学会雑誌 51 (1), 35-38, 2022-01-15

    ...急性大動脈解離に対するオープンステントグラフト(以下OSG)を併用した全弓部置換術後の脊髄障害は重篤な術後合併症の1つであり,わが国の多施設研究でその発生率は3.5%と報告されている.脊髄障害の原因には多くの要因があると考えられるが,その1つとして肋間動脈閉塞の関与が考えられる.症例は71歳女性.Stanford A型急性大動脈解離に対し弓部大動脈置換+OSG挿入術を施行した.術後より対麻痺を認め,脳脊髄液...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献8件

  • 正常圧水頭症の病態メカニズムとシャント手術

    山田Merrit 昌興, 中根 一, 冨田 雄介, 竹田 理々子, 平井 利明, 馬場 泰尚, 黒岩 義之 自律神経 59 (1), 125-131, 2022

    ...<p>画像技術の進歩により脳脊髄液循環動態に関する新たな事実が判明し,それに伴い特発性正常圧水頭症(iNPH)の病態も盛んに研究されているが未だ不明な点が多い.著者らの施設にてシャント手術を要した続発性正常圧水頭症(sNPH)には,画像上iNPHに特徴的とされるSylvius裂の開大やDESHを認めた症例はない.術後,sNPHは全例で画像所見の改善と臨床症状の回復を認めたのに対し,iNPHでは画像所見...

    DOI

  • カンピロバクター腸炎後の感覚型Guillain–Barré syndromeが疑われた1例

    板村 真司, 出雲 大幹, 小野 浩明 臨床神経学 62 (4), 301-304, 2022

    ...<p>症例は9歳女児.カンピロバクター腸炎発症7日後から激しい両側足底痛を生じて入院した.入院時,四肢筋力は保たれ,深部腱反射正常だが,足底痛のため歩行困難であった.運動神経伝導検査異常なし.脳脊髄液蛋白細胞解離なし.腰椎MRIで第4,5腰椎の神経根造影効果あり.足底痛にはガバペンチンが奏効し退院した.入院時血清から複数の抗ガングリオシド抗体が検出された.発症から半年経過して症状消失しており,感覚型...

    DOI Web Site PubMed 参考文献7件

  • 複視で発症し,多発小脳出血を合併したEpstein–Barr virus関連亜急性運動感覚ニューロパチーの1例

    古谷 真由美, 王子 聡, 杉本 恒平, 木崎 昌弘, 山下 高久, 海田 賢一 臨床神経学 62 (8), 609-614, 2022

    ...<p>症例は82歳男性.複視で発症し,亜急性の四肢運動感覚障害にて歩行不能となり入院した.Epstein–Barr virus(EBV)血症に加え,頸部リンパ節生検でEBV陽性細胞の高頻度発現を認め,EBV再活性化と考えた.神経伝導検査所見は軸索障害と脱髄の混合する運動感覚ニューロパチーであった.脳MRIにて小脳に多発微小出血を認めたが,脳脊髄液EBV-PCRは陰性であり,EBV関連血管炎を考えた....

    DOI Web Site PubMed 参考文献14件

  • ヒト脳脊髄液中topotecan濃度のHPLC分析法構築と髄腔内薬物投与後の排泄評価

    吉川 直樹, 山田 愛, 横田 翼, 山田 侑世, 木下 真理子, 盛武 浩, 池田 龍二 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 3-C-P-110-, 2022

    ...さらに、topotecan髄腔内投与中の1歳児より脳脊髄液を採取し、本法にて脳脊髄液中topotecan濃度をモニタリングした。</p><p>【結果・考察】脳脊髄液中topotecanは試料調製時のシンプルなpH調整により、閉環型および開環型への変換が確認された。この2形態は構築した分析法により明確に分離することができ、開環型と閉環型の保持時間はそれぞれ1.3分と3.2分であった。...

    DOI 医中誌

  • X連鎖性副腎白質ジストロフィー患者由来脳脊髄液のリピドミクスによる脂質プロファイリング

    齋藤 昌良, 明石 知也, 藤谷 直輝, 岡 幸蔵, 守田 雅志 日本臨床薬理学会学術総会抄録集 43 (0), 1-C-P-002-, 2022

    ...に起因する稀な遺伝性神経変性疾患であり,血中や種々の組織において,主としてC26:0のVLCFAの増加,蓄積を認める.遺伝子変異及び血液中のVLCFA濃度はX-ALDの診断に利用されているが,必ずしもそれらとX-ALDの病型や重症度及び表現型は相関しないことが知られている.そこで本研究では,病態メカニズム解明及び新規バイオマーカー探索を目的に,これまで十分に解析されてこなかったX-ALD患者由来の脳脊髄液...

    DOI 医中誌

  • 早産低出生体重児脳出血後水頭症に合併した孤立性第四脳室に対する内視鏡治療

    千葉 晃裕, 宮入 洋祐, 重田 裕明 小児の脳神経 47 (1), 41-46, 2022

    ...<p>孤立性第四脳室は比較的まれな病態であり,第四脳室腹腔シャントの他に近年は神経内視鏡を用いた治療が行われているが,内視鏡下側脳室第四脳室間開窓の報告は少ない.今回我々は,脳室内出血後水頭症の早産超低出生体重児で,頭皮下に設置した小型髄液貯留槽からの間欠的な脳脊髄液の排液管理中に孤立性第四脳室を合併した症例に対し,神経内視鏡下側脳室第四脳室間開窓と側脳室腹腔シャントを一期的に行い,全脳室の良好な縮小...

    DOI 医中誌

  • 薬剤師から見た脳脊髄液減少症の感覚・免疫過敏症―4つの中核症状に関する221例の検討―

    中里 直美, 北條 祥子, 菅野 洋, 鈴木 高弘, 平井 利明, 横田 俊平, 黒岩 義之 自律神経 59 (1), 132-143, 2022

    ...<p>脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)は交通事故やスポーツ外傷のような外傷性の発症イベントに引きつづき,多彩な全身的体調不良がみられる後天的な慢性疾患であるが,発症イベント要因が不明なこともある.本症は脊髄神経根部での脳脊髄液の漏出(吸収過多)で起こるといわれているが,その病態に関しては不明な点が多い.4つの中核症状(自律神経症状,情動・認知症状,疼痛・感覚過敏症状,免疫過敏症状)が個々の患者で重層的...

    DOI

  • 髄液よりH3K27M変異が検出可能なdiffuse midline gliomaの検討

    棗田 学, 温 城太郎, 渡邉 潤, 高橋 陽彦, 塚本 佳広, 岡田 正康, 平石 哲也, 吉村 淳一, 大石 誠, 藤井 幸彦 小児の脳神経 47 (4), 358-364, 2022

    ...<p>Diffuse midline glioma(DMG)の80%以上がヒストンH3K27M変異を有する.橋に局在する病変は摘出術の適応はなく,針生検でも重篤な合併症が生じ得るためDMGに対してliquid biopsyの確立が切望される.我々は初発時に腰椎穿刺で採取した脳脊髄液よりH3K27Mを同定するのは困難と報告した.本稿では,多発病変および播種病変を有しliquid biopsyによりH3K27M...

    DOI 医中誌

  • 菌状息肉症に合併した進行性多巣性白質脳症

    澤山 靖, 加藤 丈晴, 渡辺 春香, 山田 悠一, 藤岡 真知子, 佐藤 信也, 馬場 真紀, 安東 恒史, 宮崎 禎一郎, 神尾 芳幸, 中道 一生, 雪竹 基弘, 今泉 芳孝, 宮﨑 泰司 臨床血液 63 (3), 206-210, 2022

    ...脳脊髄液一般検査は異常なく,JCウイルス(JCV)PCR定量感度以下だったが,進行性多巣性白質脳症(PML)を強く疑い超高感度JCV検査で陽性となったことからPMLと診断した。化学療法を中止したが,中枢神経症状は悪化し第135病日死亡した。原疾患,BV等の化学療法による免疫不全状態を基に発症したPMLと考えられた。</p>...

    DOI Web Site 医中誌

  • 脳脊髄液産生と自律神経

    田村 直俊 自律神経 59 (1), 105-109, 2022

    ...<p>Schaltenbrand(1936,53))は,脳脊髄液(CSF)が脈絡叢由来の液体と血管周囲腔由来の液体の混合物であること(二元産生説),CSF減少症が自律神経の異常によるCSF産生低下で生じることを記述した.Edvinssonら(1972,73)は,脈絡叢におけるadrenaline作動性とcholine作動性の二重神経支配を確認した.Pappenheimerら(1962)はトレーサーを...

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  • 環境過敏症―HANSの症候,自然史,自律神経機能検査等から全体像を考察する―

    平井 利明, 黒岩 義之 自律神経 59 (1), 60-71, 2022

    ...<p>HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)では環境過敏が特徴である.初回接種から8.5年間という世界に類を見ない追跡調査を行った.HANSのADLは3.5~4年で最も悪化し,29%の例が光過敏でサングラスをかけた.ADL重症群では副交感神経機能と血管内皮機能の機能低下を認めた.重度の環境過敏を伴うHANSでは発作的異常運動・頻脈・散瞳,血糖調節障害が著明で,脳脊髄液漏出症に対する治療や免疫治療...

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  • 脳脊髄液漏出症の裁判例

    羽成 守 日本臨床整形外科学会雑誌 47 (1), 1-4, 2022

    ...<p> 脳脊髄液漏出症(脳脊髄液減少症)が損害賠償法の裁判にあらわれ,重要な論点となったのは,2005年が最初である.</p><p> 当時,難治性のむち打ち症を脳脊髄減少症と診断する一部の医師,研究者が精力的に訴訟に証人,鑑定人として参加し,それを裁判所も受け入れて,むち打ち症イコール脳脊髄液減少症と判断する裁判例が増加するに至った....

    DOI Web Site 医中誌

  • 視床下部性ストレス不耐・疲労症候群としての環境ストレス過敏症(環境ストレス不耐症)

    黒岩 義之, 平井 利明, 水越 厚史, 中里 直美, 鈴木 高弘, 横田 俊平, 北條 祥子 自律神経 59 (1), 72-81, 2022

    ...ストレスがある.環境ストレスに対して生体が過敏症(ストレス感覚入力系の過敏状態)や不耐症(ストレス反応出力系の不全状態)を呈する病態を環境ストレス過敏症(不耐症)と定義した.その病像は視床下部性ストレス不耐・疲労症候群(脳室周囲器官制御破綻症候群)であり,自律神経・内分泌・免疫症状,筋痛,疲労,記憶障害等の多彩な症状が重層的に起こる.基礎疾患が明らかでない特発性タイプと,筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群,脳脊髄液漏出症...

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  • プリオン病の up to date

    浜口 毅, 山田 正仁 神経感染症 27 (1), 15-, 2022

    ...近年、異常型プリオン蛋白高感度増幅法(RT-QuIC)によって微量の異常 PrP の検出が可能となり、新たに報告された国際的な診断基準では進行性の神経症候に脳脊髄液または他の臓器の RT-QuIC が陽性であればsCJD ほぼ確実例と診断できる。わが国に多い非典型例の MM2 型はその病理学的な特徴から皮質型と視床型に分けられる。...

    DOI 医中誌

  • 頸部帯状疱疹罹患後に皮疹を認めた皮膚分節より広範囲な多発脳神経・髄節障害を呈した73歳男性例

    本橋 沙耶, 高橋 潤一郎, 梅原 淳, 小松 鉄平, 村上 秀友, 井口 保之 臨床神経学 62 (5), 380-385, 2022

    ...<p>症例は73歳男性.左頸部C3~4皮膚分節に帯状疱疹を発症し皮疹は痂皮化したが,その翌日から同側第V,VII,VIII脳神経障害と同側C4~Th1髄節支配筋の脱力が出現した.アシクロビルの静注,ステロイドパルス療法,プレドニゾロンの内服治療後に全症状は消失した.当症例では皮疹を認めた皮膚分節より広範囲な神経障害を認めた点が特徴的であった.その機序として,脳脊髄液を介した波及,同時多発的な無疹性帯状疱疹...

    DOI Web Site PubMed 被引用文献1件 参考文献26件

  • 大槽への薬剤到達改善のためのカニクイザルの条件及び髄腔内投与方法の検討

    小林 薫, 吉川 哲也, 松下 聡紀, 永江 陽奈, 有木 裕真, 田之上 誠, 山田 知信, 有馬 昭宏, 角﨑 英志 日本毒性学会学術年会 49.1 (0), P-178-, 2022

    ...<p>【背景】髄腔内投与は,髄腔内へ薬剤を注入することで血液脳関門の影響を受けずに,中枢神経系に薬剤を送達することができる投与手法である.我々のカニクイザルでの旧手法では,投与後の血漿中の薬物濃度に個体差がみられないにも関わらず,大槽脳脊髄液(CSF)中の薬物濃度には顕著な個体差がみられた.また,文献等においても投与後の大槽方向への薬物の到達が不十分な個体がいることが報告されている.そこで我々は,複数...

    DOI

  • 両側動眼神経麻痺で発症し脳動脈瘤と脳出血を合併した髄膜血管型神経梅毒の1例

    添田 眞, 尾上 祐行, 新村 和, 海老原 悟志, 鈴木 利根, 赤岩 靖久, 宮本 智之 臨床神経学 62 (11), 873-876, 2022

    ...<p>症例はHIV非感染の32歳男性である.22歳頃に梅毒感染の機会があった.29歳時に右動眼神経麻痺を発症し前医眼科にて動眼神経麻痺の原因が不明のまま複視に対し斜視手術を受けた.31歳時に左動眼神経麻痺が出現し血清と脳脊髄液の梅毒反応陽性から神経梅毒と診断した.MRIで左動眼神経に造影所見を認め,さらに動脈瘤と無症候性脳出血を認めたことから髄膜血管型神経梅毒と診断した.ペニシリンとステロイドパルス...

    DOI Web Site PubMed 被引用文献1件 参考文献7件

  • Deep Learningを用いたMRI脳区域解析による健常脳の加齢性体積減少

    山田 茂樹, 河野 浩人, 大谷 智仁, 伊井 仁志, 渡邉 嘉之, 和田 成生, 大島 まり, 野崎 和彦 生体医工学 Annual60 (Abstract), 146_1-146_1, 2022

    ...富士フイルムが開発したSYNAPSE VINCENTの脳区域解析は、ADNIが公開する健常脳のMRI画像を深層学習により、脳と脳脊髄液を26区域に自動分割、体積割合が算出されるアプリケーションである。我々はこれを用いて健常脳の脳区域別体積割合を40歳未満と40歳以上に分けて比較検討した。...

    DOI

  • 認知機能と睡眠障害の関連

    橋本 和典 Tenri Medical Bulletin 24 (2), 118-122, 2021-12-25

    ...<p> 高齢者における睡眠障害の影響として,心血管系リスクの上昇,高血圧の発症,耐糖能の低下,抑うつ症状の惹起に関連するとの報告があるが,認知機能低下や認知症発症への影響はどうだろうか.Tsapanouらの報告では睡眠不足と認知症発症との関連が示されており,その機序として,睡眠障害により脳脊髄液中のアミロイドβ(Aβ)のクリアランスが...

    DOI Web Site 参考文献11件

  • 神経サルコイドーシスによる脳神経麻痺をきたした3 症例の検討

    永野, 智浩, 細川, 忍, 佐久川, 亮, 別所, 昭宏, 加藤, 睦子, 池田, 知佳, 田村, 麻衣子, 武久, 康 岡山赤十字病院医学雑誌 32 (1), 32-38, 2021-11-30

    ...,軟膜,硬膜病変,脳実質病変,脊髄症および末梢神経障害に分類することができ,しばしば脳神経麻痺をきたすことが知られている.神経サルコイドーシスの確定診断には神経組織の生検を必要とするが,脳神経麻痺が主体の症例では生検は困難なことが多い.当院で神経サルコイドーシスによる脳神経麻痺と診断した3 例を対象とし,その診断に有用な因子を検討した.全例が他臓器の組織生検からサルコイドーシスと診断確定しており,脳脊髄液...

    機関リポジトリ 医中誌

  • 進行性多巣性白質脳症(PML)の合併が疑われた骨髄異形成症候群(MDS)の剖検例

    竹内 明, 石塚 悠, 村上 正代, 倉橋 保奈実, 加賀 一, 波多野 善明 日本内科学会雑誌 110 (8), 1641-1648, 2021-08-10

    ...をはじめとする中枢神経症状が出現した.頭部MRI(magnetic resonance imaging)検査では大脳白質に病変が多発しており,臨床的に進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy:PML)が疑われた.神経症状出現から62日目に死亡し,病理解剖で脳を含む全身の末梢血管への芽球充満と臓器への芽球浸潤を認め,死因は多臓器不全と診断された.脳脊髄液...

    DOI Web Site 参考文献3件

  • 脳脊髄液減少症症例の眼症状の検討

    山上 明子, 岩佐 真弓, 井上 賢治, 若倉 雅登, 龍井 苑子, 石川 均, 高橋 浩一 神経眼科 38 (2), 162-171, 2021-06-25

    ...<p> 脳脊髄液減少症と診断された28例(男性13例,女性15例)の自覚症状,眼所見,調節力を検討した.また視力・視野障害のない症例に輸液治療施行前後で近見時瞳孔反応と調節をTriIRISとARK-1を用い測定し比較検討した....

    DOI 医中誌

  • 内科的治療によって良好な経過を得た外傷性環軸椎不安定症が疑われた猫の1例

    中本 裕也, 溝口 倫生, 中本 美和 日本獣医師会雑誌 74 (6), 383-387, 2021-06-20

    ...3カ月齢の雄のラグドールが突然の四肢の起立困難を主訴に主治医を受診し,翌日に紹介来院した.麻酔下のX線検査では異常所見が認められなかったが,MRI検査にて環軸椎背側領域の脊髄実質における信号強度異常,脳脊髄液検査にて出血を示唆する所見が認められたことから,外傷性環軸椎不安定症が疑われた.頸部の外固定,運動制限,投薬,理学療法といった内科的治療により,経過は良好であった.経時的なMRI検査にて損傷の疑...

    DOI 日本農学文献記事索引 Web Site ほか2件 参考文献11件

  • 突然の頭重感を主訴に受診した脳脊髄液減少症の 1 例

    石川 彩夏, 加藤 礼乃, 飯田 浩之, 神尾 学, 福味 禎子, 沼田 裕一, 松下 尚 憲 日本病院総合診療医学会雑誌 17 (3), 293-297, 2021-05-31

    ...脳脊髄液減少症は一般に起立性頭痛を主訴とすることが多いが,稀な疾患であり見逃されていることが多い。今回著者らは突然の頭重感を主訴に来院した 26 歳女性が,詳細な問診により脳脊髄液減少症の診断に至った症例を経験したため報告する。症例:26 歳女性,仕事中突然の頭重感が出現し,翌日より手の力の入りにくさや聴力低下を自覚した。...

    DOI 医中誌

  • 高次脳機能の関与が疑われる羞明・眼痛

    若倉 雅登, 曽我部 由香, 原 直人, 山上 明子, 加茂 純子, 福村 美帆, 奥 英弘, 仲泊 聡, 三村 治 神経眼科 38 (1), 7-13, 2021-03-25

    ...>【結果】</b>最終的に対象となった症例は33例(16歳から80歳,男女比(9:24))が収集された.これらの臨床的特徴を解析すると,非眼球性羞明26例,眼痛5例と視覚性感覚過敏が目立った.両者とも有する例が21例,両者ともないものが1例であった.これらの多くは注視努力(企図または遂行)によって症状が悪化する傾向にあった.33症例の報告の内容から,3例以上に共通して随伴していた臨床的特徴としては脳脊髄液減少症...

    DOI 医中誌

  • 視神経脊髄炎スペクトラム病態の合併が疑われた脊髄梗塞の1例

    刀坂 公崇, 千原 典夫, 赤澤 明香, 上田 健博, 関口 兼司, 松本 理器 臨床神経学 61 (2), 127-131, 2021

    ...<p>症例は60歳代女性,突然の腰痛後,数分の経過で両下肢脱力,尿意消失を呈した.神経所見では対麻痺,第11胸椎髄節レベル以下の痛覚低下,膀胱直腸障害を認めた.胸腰椎MRIの拡散強調画像及びT<sub>2</sub>強調画像で下部胸髄内異常信号を認め,脊髄梗塞(spinal cord infarction,以下SCIと略記)と診断した.その後,血清抗アクアポリン4抗体陽性が判明.脳脊髄液検査での細胞数...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献23件

  • 環軸椎亜脱臼を合併した脳脊髄液漏出症の1例

    山﨑 直也, 土井尻 遼介, 山口 枝里子, 高橋 賢, 高橋 弘明, 菊池 貴彦 臨床神経学 61 (3), 172-176, 2021

    ...<p>症例は54歳の女性,立位で増強し臥位で改善する頭痛と後頸部痛を主訴に来院した.33歳時より関節リウマチと診断され加療中だった.頸椎MRIとMRミエログラフィーより脳脊髄液漏出症と診断した.また,頸部X線で環椎の前方突出所見を認め環軸椎亜脱臼と診断した.環軸椎亜脱臼の部位に一致して画像上脳脊髄液の漏出を認め,物理的圧迫により硬膜が破綻し脳脊髄液漏出症を惹起したと考えた.症状は補液により軽快し第25...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献10件

  • 鼻内内視鏡下髄液漏閉鎖術後に細菌性髄膜炎を再発した76歳女性例

    星野 俊, 佐々木 梨衣, 大塚 快信, 櫻井 謙三, 山野 嘉久 神経治療学 38 (1), 61-64, 2021

    ...<p>症例は76歳女性.左蝶形骨洞の慢性副鼻腔炎を感染源とした細菌性髄膜炎に対して抗菌薬治療後,再発防止目的に内視鏡下副鼻腔手術V型および鼻内内視鏡下髄液漏閉鎖術を施行された.術後1ヶ月で37°C台の発熱と軽度の後頚部痛をきたし,項部硬直,脳脊髄液の多核球優位の細胞数上昇,蛋白の著増,糖の低下,髄液培養からの緑膿菌検出を認め,細菌性髄膜炎の再発と診断した.長期間にわたる抗菌薬治療にて症状は寛解した....

    DOI 医中誌

  • 脳イメージからの脳領域自動抽出と組織分類

    山本 朱音, 島田 尊正 生体医工学 Annual59 (Abstract), 483-483, 2021

    ...つぎに組織ごとの分類であるが、MR画像による脳萎縮の診断では脳脊髄液,灰白質及び白質の判別が必要である。しかしながら白質と灰白質のように境界があいまいな組織をヒストグラムから判別することは困難である。そこで組織を自動で領域分割するため手法として自動組織化マップ(SOM)を適用した。SOMではオペレータによる代表点の設定を必要とせず、自己学習機能を利用して、組織を分類することができる。...

    DOI

  • 気分障害におけるグリア研究と創薬に向けた試み

    竹林 実 日本生物学的精神医学会誌 32 (1), 44-50, 2021

    ...また,LPA1受容体の内因性リガンドLPAの合成酵素であるオートタキシン(ATX)濃度は,うつ病患者の血液および脳脊髄液中では,いずれも有意に低下しており,抑うつ症状スコアおよび治療経過と有意な相関を認めた。...

    DOI 医中誌

  • COVID-19における嗅覚・味覚・免疫の三重同時障害

    平井 利明, 黒岩 義之 自律神経 58 (4), 283-289, 2021

    ...や筋痛性脳脊髄炎に類似するが,この仮説はSARS-CoV-2の感染実験により,ACE2を発現する脈絡叢上皮細胞への障害と,血液-脳脊髄液関門の破壊に伴う免疫異常という所見により支持される....

    DOI

  • 髄膜炎-尿閉症候群:不全型を含めて

    榊原 隆次, 舘野 冬樹, 相羽 陽介 自律神経 58 (4), 299-304, 2021

    <p>髄膜炎-尿閉症候群(meningitis-retention syndrome,MRS,尿閉と無菌性髄膜炎の同時発症)は,原因不明の急性尿閉をみた場合,一度は考慮すると良い疾患と思われる.最近さらに,MRSで髄膜刺激症状が無く,髄液異常のみを呈する不全型も知られるようになってきた.尿閉の病態機序として,脊髄内の排尿下行路の比較的選択的障害が推定されている.多発性硬化症,急性散在性脳脊髄炎,…

    DOI 医中誌

  • 帝王切開分娩後に症状が劇的に改善した特発性脳脊髄液減少症の1例

    林 魅里, 藤原 ありさ, 田浦 裕三子, 杉浦 多佳子, 松本 恵, 蓮尾 泰之 日本周産期・新生児医学会雑誌 57 (1), 209-214, 2021

    ...<p> 妊娠後期に特発性脳脊髄液減少症を発症した1例を経験した.39歳,G1P0,妊娠33週4日に突然の強い頭痛で発症し,入院管理した.臨床症状から脳脊髄液減少症と診断し保存的治療を行った.症状は改善せず,妊娠38週2日に硬膜外麻酔下での帝王切開分娩を行った.硬膜外麻酔時に一時的な呼吸抑制をきたし,術後の頸椎単純MRI検査でC7付近に硬膜穿孔を疑う所見を認め,診断を確定した.児は3,006gの女児で...

    DOI 医中誌

  • 脊髄クモ膜下麻酔による帝王切開術後に急性硬膜下血腫を発症した一例

    市田 啓佑, 古井 俊光, 中尾 優里, 大塚 直紀, 江坂 有希恵, 石井 美佳, 勅使河原 利哉, 水谷 輝之 日本周産期・新生児医学会雑誌 57 (2), 381-384, 2021

    ...<p> 脊髄クモ膜下麻酔後の頭蓋内急性硬膜下血腫の発症率は50万〜100万分の1と非常に稀であるが,重篤な神経症状・後遺症を起こし得る合併症である.頭蓋内急性硬膜下血腫の発生機序は硬膜穿刺後頭痛と同様に,穿刺孔から脳脊髄液が漏出することが原因と考えられており,症状の類似点も多く両者の鑑別が困難である.今回我々は,双胎妊娠に対して,脊髄クモ膜下麻酔で選択的帝王切開術を行った術後2日目に頭痛を訴え,頭部単純...

    DOI 医中誌

  • 脳循環と脳脊髄液の流れを統合した動態解析モデル

    山田 茂樹, 大島 まり, 尹 彰永, 伊藤 広貴, 渡邉 嘉之, 前田 修作, 武石 直樹, 大谷 智仁, 和田 成生, 野崎 和彦 生体医工学 Annual59 (Abstract), 185-185, 2021

    ...新知見を考慮した脳循環と脳脊髄液の動きを統合した動態解析の数理モデルは非常に複雑であり、未だ課題は多い。また、加齢に伴う脳萎縮、脳代謝の低下、動脈硬化は、脳循環と脳脊髄液の動態に大きく影響すると考えられるが、未解明の領域である。</p>...

    DOI DOI 機関リポジトリ

  • 脳イメージからの脳領域自動抽出と組織分類

    山本 朱音, 島田 尊正 生体医工学 Annual59 (Proc), 770-771, 2021

    ...つぎに組織ごとの分類であるが、MR画像による脳萎縮の診断では脳脊髄液,灰白質及び白質の判別が必要である。しかしながら白質と灰白質のように境界があいまいな組織をヒストグラムから判別することは困難である。そこで組織を自動で領域分割するため手法として自動組織化マップ(SOM)を適用した。SOMではオペレータによる代表点の設定を必要とせず、自己学習機能を利用して、組織を分類することができる。...

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  • 造血幹細胞移植後に発症したHHV-6脳脊髄炎による電撃痛にレベチラセタムが有効であった1症例

    丸中 淳, 木村 好江, 西海 嘉能, 池垣 淳一 Palliative Care Research 16 (2), 209-213, 2021

    ...【症例】30代女性.臍帯血移植2週間後に,発作性の下肢の電撃痛・痒み・振戦・発汗と尿閉を生じた.プレガバリン,オピオイドを開始し,脳脊髄液中HHV-6DNA陽性の判明後,ホスカルネットが投与された.レベチラセタム1000 mg/日併用にて,電撃痛の強度・頻度ともに著明に減少した.経過中のせん妄と不安には,向精神薬により対症療法を行った.髄液中ウイルス陰性化の前より著明な傾眠となったが,レベチラセタム...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献2件

  • 安定同位体O17水分子トレーサーによる脳内の水動態の可視化

    工藤 與亮 生体医工学 Annual59 (Abstract), 186-186, 2021

    ...水分子トレーサーを静脈内投与してMRIを経時的に撮像することで、血管内から血管周囲腔、細胞外液に分布する水分子、そして脳脊髄液腔に漏出する水分子によるMRI信号変化を捉えることが可能となった。また、水分子トレーサーを髄腔内投与してMRIを経時的に撮像することで、脳脊髄液のクリアランスを計測することもできる。...

    DOI

  • 抗IgLON5抗体関連疾患の臨床像

    下畑 享良, 木村 暁夫 臨床神経学 61 (12), 825-832, 2021

    ...<p>抗IgLON5抗体関連疾患は,2014年に睡眠時随伴症,閉塞性睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害と,タウオパチーを示唆する病理所見を呈する疾患として報告された.これまで八つの臨床病型が報告されている.睡眠時随伴症と閉塞性睡眠時無呼吸症候群を合併する患者,また運動異常症,運動ニューロン病,認知症患者において特徴的な睡眠時随伴症を合併する場合は,血清ないし脳脊髄液の抗IgLON5抗体を測定することが...

    DOI Web Site PubMed 参考文献32件

  • 慢性上咽頭炎およびその関連疾患の病態

    熊井 琢美 口腔・咽頭科 34 (2), 157-161, 2021

    ...慢性上咽頭炎はいまだその定義が確立していない疾患であるが,後鼻漏や咽頭痛などの局所症状に加えて,IgA腎症を含む自己免疫疾患(TIAS)や慢性疲労症候群などの全身疾患にも関連することが知られている.その病態に関してはいまだに仮説の域を出ない側面が多く,上咽頭を専門領域の一つとして扱う耳鼻咽喉科医がその病態を解明していくことが期待される.本稿では,慢性上咽頭炎の病態を局所の炎症,自律神経のインバランス,脳脊髄液...

    DOI

  • 特発性正常圧水頭症:臨床症候群として

    數井 裕光 神経心理学 36 (3), 109-118, 2020-09-25

    ...<p>特発性正常圧水頭症は,加齢,動脈系および静脈系の危険因子,さらに近年,関連遺伝子が発見され,脳脊髄液循環・吸収にかかわる多様な要因によって,頭蓋内に過剰な脳脊髄液が貯留して,認知障害,歩行障害,排尿障害を呈する臨床症候群である.我が国では,脳室,シルビウス裂が拡大する一方で,高位円蓋部・正中部のクモ膜下腔が狭小化するDESHが重視されているが,DESHは地域在住高齢者の1.4~2.8%に存在する...

    DOI 医中誌

  • 術中に硬膜損傷を確認できなかった腰椎手術の一例

    田中 哲也, 齊藤 太一, 糸川 高史, 入江 努, 中原 寛之, 青野 誠, 山手 智志 整形外科と災害外科 69 (3), 639-643, 2020-09-25

    ...術中の硬膜損傷は明らかでなく術後の両下肢痛などは認めなかったが,手術当日の深夜に仙骨部や両臀部,大腿部の強い放散痛が出現した.MRIにて血腫が疑われた為,緊急で血腫除去を行い,2本の吸引ドレナージチューブを設置した.術後排液は淡血性で多く,血腫除去2日目より無圧とした後にチューブを抜去した.その後,低髄圧症状や創部の腫脹,波動が見られ徐々に増大してきた為,髄液漏の診断で再々手術を施行した.創内には脳脊髄液...

    DOI Web Site 参考文献4件

  • PRESに伴う脳浮腫に対して五苓散を使用した1例

    西岡 和輝, 肥後 拓磨, 菅 康郎, 吉田 賢作, 三島 有美子 脳神経外科と漢方 6 (1), 50-54, 2020-09-10

    ...今回,腰椎穿刺に伴う脳脊髄液減少症,頭蓋内圧低下によってPRESを発症したと考えられた患者に対して,五苓散を使用し脳浮腫の改善が得られた一例を経験したので報告する。</p>...

    DOI Web Site 医中誌

  • 膵癌化学療法中にTrousseau症候群及び癌性髄膜炎を発症した1例

    佐野 裕亮, 上野 誠, 長島 周平, 河野 邦幸, 田中 聡, 福島 泰斗, 浅間 宏之, 小林 智, 森本 学 膵臓 35 (4), 336-343, 2020-08-31

    ...nab-paclitaxel(GnP)療法を開始したが,治療開始後8日目に右不全麻痺,構音障害が出現し,頭部MRIで脳梗塞を認めた.その後,症状は自然に改善し,GnP療法再開後も,脳梗塞の再燃は認めなかった.GnP療法開始4ヶ月後,腫瘍マーカーの再上昇,脊椎転移が出現し,二次治療としてmodified FOLFIRINOX(mFOLFIRINOX)療法を施行した.同療法開始3ヶ月後,嘔気,食欲低下,膀胱直腸障害が出現した.脳脊髄液検査...

    DOI Web Site 参考文献6件

  • Dye injectionを併用し手術治療を行った症候性脊髄硬膜内くも膜囊胞の一例

    松本 洋明, 下川 宣幸, 佐藤 英俊, 高見 俊宏 Journal of Spine Research 11 (7), 980-984, 2020-07-20

    <p><b>はじめに:</b>我々は脊髄硬膜内くも膜囊胞内にピオクタニンを注入して手術を行っている.</p><p><b>症例:</b>症例は76歳男性,両下肢痛の精査でTh5~7高位に脊髄を後方から圧迫する囊胞性病変を認めた.くも膜囊胞の診断のもと手術加療を行う方針とし囊胞内に5倍希釈したピオクタニンを注入し囊胞全摘出を施行した.</p><p><b>結語:</b>ピオクタニンの囊胞内注入は囊胞の…

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  • バイオマーカーがもたらすアルツハイマー病診断のパラダイムシフト

    池内 健 神経心理学 36 (1), 20-24, 2020-03-25

    ...<p>アルツハイマー病(AD)を定義付ける病理学的変化はアミロイドβ,リン酸化タウの蓄積,神経細胞脱落である.これらの病理変化は,ADの臨床症状が出現する10年以上遡って出現する.脳脊髄液バイオマーカーや分子イメージング等の新しい技術が診断ツールとして臨床応用され始めており,背景病理を加味した臨床診断が行われている.さらに,無症候期に脳内病理をバイオマーカーにより確認することで,ADの最早期をプレクリニカル...

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  • 中枢神経ループスとの鑑別を要した水痘帯状疱疹ウイルス血管症の1例

    徳島 礼実, 龍溪 智史, 猪口 翔一朗, 有信 洋二郎, 後藤 健志, 三嶋 耕司, 長崎 洋司, 赤司 浩一, 新納 宏昭 日本内科学会雑誌 109 (3), 603-610, 2020-03-10

    ...<p>全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)で長期加療中の18歳,女性.発熱・頭痛を主訴にA病院を受診し,中枢神経ループスと診断され,加療開始された.しかし,網膜滲出斑が出現し,精査目的に当院へ転院したが,翌日に脳出血を発症した.脳血管造影検査で多発脳動脈瘤があり,脳脊髄液で水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献10件

  • 結核性髄膜炎との鑑別を要した中枢神経限局性神経サルコイドーシスの1例

    出口 一郎, 長田 高志, 鈴木 智成, 田端 晋也, 新井 栄一, 内野 晃, 林 健, 髙橋 愼一, 百島 祐貴, 髙尾 昌樹 臨床神経学 60 (3), 213-218, 2020

    ...<p>症例は62歳女性.全身性間代性痙攣で当院へ搬送された.脳脊髄液検査で単核球優位の細胞数の軽度増多,著明な蛋白上昇および糖低下(血糖の17%)を認め,頭部Gd造影MRIにて軟髄膜の瀰漫性,多発結節状増強効果を認めた.結核性髄膜炎,サルコイドーシス,悪性リンパ腫,癌性髄膜炎,中枢神経系血管炎などを疑い精査したが,いずれも積極的に支持する所見は得られなかった.第13病日に硬膜および脳生検を行い,神経...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 被引用文献1件 参考文献10件

  • 脳脊髄液減少症の診断と治療

    橋本 洋一郎 自律神経 57 (1), 51-55, 2020

    ...<p>脳脊髄液減少症の診断の第一歩は,病歴の詳細な聴取である.特に片頭痛,緊張型頭痛,薬物乱用頭痛をベースに脳脊髄液減少症を発症してきた場合には,複数の頭痛について根気強く病歴を聞いて,解きほぐして,ベースにある頭痛とともに新たに発症した脳脊髄液減少症(通常,鎮痛薬が効かない慢性連日性頭痛,起立性頭痛)を病歴で疑う必要がある.起立性頭痛を呈する体位性頻脈症候群の鑑別でも病歴は重要である.脳脊髄液減少症...

    DOI

  • 体位性頻脈症候群と低髄液圧症の関係 ―交感神経機能亢進に注目して―

    光藤 尚 自律神経 57 (1), 56-57, 2020

    ...<p>起立性頭痛の鑑別診断として脳脊髄液減少症と体位性頻脈症候群が挙げられる.体位性頻脈症候群の起立性頭痛の機序は不明である.我々は体位性頻脈症候群患者6例に脳槽シンチグラフィーを施行し,6例全例に低髄液圧を確認した.体位性頻脈症候群は交感神経機能亢進のために低髄液圧を来すことが推定された.</p>...

    DOI

  • 脊髄萎縮と脳脊髄液オリゴクローナルIgGバンドを認めた慢性トルエン中毒の1例

    坂井 利行 臨床神経学 60 (4), 285-288, 2020

    ...<p>患者は54歳男性で高純度トルエンを15歳時から25年間吸入した.28歳頃から歩行障害が出現し53歳時に独歩が困難になった.神経学的所見では軽度認知障害,聴力低下,構音障害,著明な四肢腱反射亢進,痙性対麻痺,軽度深部覚障害と排尿障害を認めた.脳脊髄液検査で細胞数と蛋白は正常,オリゴクローナルIgGバンドが陽性でIgG indexは軽度上昇を示した.頭部MRIでは両側大脳白質病変,脳梁菲薄化,及び...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献6件

  • HIV 関連 Burkitt lymphoma の 1 例

    本山 高啓, 松田 勝也, 上木 望, 里 翼, 穴見 正信, 新野 大介, 中島 正洋 日本臨床細胞学会雑誌 59 (2), 92-98, 2020

    ...剖検時に採取した脳脊髄液細胞診では中型〜大型細胞が孤在性に出現し, 核の多形性を認めた. ギムザ染色では腫瘍細胞の 59%に細胞質内空胞が認められ, BL が示唆された. </p><p><b>結論</b> : 本邦での HIV 関連 BL は非典型的な細胞像を示すことが多いため, ギムザ染色での細胞所見が重要となる. </p>...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献3件

  • 移植後HHV-6B脳炎

    緒方 正男 臨床血液 61 (8), 945-952, 2020

    ...HHV-6B脳炎は1)症状,2)脳脊髄液HHV-6 DNA陽性,3)他に中枢神経系症状を来す明確な原因が確認されない,の3条件で診断される。診断においては脳脊髄液の細胞増加は多くの症例で認めないこと,脳脊髄液のHHV-6 DNAには偽陽性があること,辺縁系脳炎所見は発症時には認めないことが多いことに留意する。...

    DOI Web Site PubMed

  • 咽頭痛で初発し髄膜脳炎に至った帯状疱疹症例

    田宮 亜希子, 立川 麻也子, 山村 幸江, 野中 学 口腔・咽頭科 33 (2), 111-117, 2020

    ...<br>症例は69歳の男性.6日前からの咽頭痛を訴えて来院した.咽頭の左側に水疱性粘膜疹を認め,水痘帯状疱疹咽頭炎と診断した.脳神経障害はなかったが,左耳介と外耳道にも水疱性粘膜疹があった.入院の上,減圧室管理で1日当たり1,500mgのAcicrobilを7日間投与した.入院6日目に左声帯麻痺が生じ,7日目以降からⅦ,Ⅸ,ⅩおよびⅪ脳神経麻痺も出現した.脳脊髄液検査の結果,VZV髄膜脳炎と診断され...

    DOI Web Site 医中誌

  • 腰椎穿刺後に血腫との鑑別を要した脊髄硬膜外液体貯留の一例

    永井 由紗, 内田 佳子, 堤 義之, 野坂 俊介, 植松 悟子, 窪田 満, 石黒 精 日本小児放射線学会雑誌 36 (1), 59-65, 2020

    ...症候性脊髄硬膜外液体貯留が知られているが,理学所見が類似するため,鑑別が困難である.一方で,この二つの疾患の予後や治療方針は大きく異なる.今回,有熱性痙攣重積の鑑別のために実施した腰椎穿刺後に,背部痛,歩行障害そして立位不能がみられ,血腫との鑑別を要した脊髄硬膜外液体貯留の2歳男児例を経験した.超音波検査では脊柱管内に高エコー輝度の構造物を認め,血腫を疑った.鎮静の上実施したMRI検査において,硬膜嚢周囲に脳脊髄液...

    DOI 医中誌

  • 合併した二次性水頭症により抗結核治療の有効性判断に苦慮した髄膜炎の1例

    萩原 真斗, 岸田 日帯, 堀口 遼平, 山下 亮太郎, 木村 活生, 上田 直久, 田中 章景 神経感染症 25 (1), 139-, 2020

    ...意識障害、項部硬直から髄膜炎が疑われ、背景としての易感染性、長期間続く症状、画像所見、脳脊髄液所見から、結核性髄膜炎と考えた。しかし各種培養検査・Nested PCR・細胞診、生検でも病原体の同定にいたらなかった。抗結核治療で脳脊髄液細胞数は減少したが、意識障害等の改善は乏しく、水頭症に対する VP シャント術施行後に徐々に症状は改善した。...

    DOI 医中誌

  • 脳脊髄液からエンテロウイルスD68が検出された急性弛緩性脊髄炎の1例

    東條 達也, 根岸 豊, 田中 元, 石田 敦士, 荒川 武 脳と発達 52 (4), 266-268, 2020

    ...エンテロウイルスD68 (enterovirus D68 ; EV-D68) との関連が強く疑われているが, EV-D68は主に呼吸器検体から検出され, 脳脊髄液から検出される症例は非常にまれであり, 本疾患の発症原因は不明な点も多い. 今回脳脊髄液のみからEV-D68を検出したAFMの1例を経験した. EV-D68の直接侵襲がAFMの発症機序の1つである可能性が示唆された. </p>...

    DOI 医中誌

  • 軽度外傷性脳損傷後8年経過した症例に対する認知リハビリテーションの効果について

    伊佐治 友梨, 豊倉 穣, 上間 貴史 認知リハビリテーション 25 (1), 30-37, 2020

    受傷後2年4ヵ月を経て軽度外傷性脳損傷による高次脳機能障害と診断され,受傷8年後に開始した認知リハビリテーション(以下,認知リハ)が泰効した症例を経験した。認知リハは生活上の失敗を減らし家庭内の役割が担えることを目的に代償・再組織化の訓練を実施し,その効果を高めるため自己教示法や行動変容アプローチも併用した。また,外的補助手段を利用し行動管理をするなど環境整備をした。訓練開始1年半後には,繰り返…

    DOI 医中誌

  • 脳脊髄液産生の自律神経支配 ―歴史的展望―

    田村 直俊, 光藤 尚 自律神経 57 (1), 79-85, 2020

    ...<p>脳脊髄液(CSF)産生の自律神経支配に関する研究史を述べる.脈絡叢が交感・副交感神経の二重支配であることはBenedikt(1875),Stöhr(1922),Tsuker(1947)ら,adrenaline作動性・choline作動性線維が存在することはEdvinssonら(1972,73)によって示された.交感神経切除でCSF産生が一過性に上昇すること(von Bakay,1941;Hegedus...

    DOI

  • PML について

    中道 一生 神経感染症 25 (1), 133-, 2020

    <p>【要旨】進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy、以下 PML)は JC ウイルス(以下 JCV)に起因する予後不良の中枢神経脱髄疾患である。多くのヒトにおいて幼少期にアーキタイプ(原型)の JCV が感染し、持続感染および潜伏感染が成立する。T細胞系の免疫が低下した患者等においてはプロトタイプ(変異型)の JCV …

    DOI 医中誌

  • 小児期脳脊髄液漏出症診療の現況

    守山 英二, 石川 慎一, 藤原 倫昌 小児の脳神経 45 (4), 332-339, 2020

    ...<p>小児期の脳脊髄液漏出症はまれではない.典型的な特発性低髄液圧症候群のような明白な起立性頭痛,MRI所見を呈することは少なく,頭痛,立ちくらみ,起立性低血圧,起立性頻脈症候群,睡眠覚醒障害などのために就学,日常生活に支障がある場合,本症を疑う必要がある.脊髄MRI(脂肪抑制T<sub>2</sub>強調画像)が診断に有用であり,上部~中部胸椎レベルの硬膜外高信号が特徴的である.硬膜外ブラッドパッチ...

    DOI 医中誌

  • 脳神経麻痺を呈した水痘−帯状疱疹血管症による多発性脳出血

    向井 達也, 雜賀 徹, 荒木 武尚 臨床神経学 60 (12), 861-864, 2020

    ...<p>再生不良性貧血加療中の72歳男性.左肩から上腕部にかけて帯状疱疹を認め,13日後に右末梢性顔面神経麻痺および左動眼神経不全麻痺を認めた.脳脊髄液検査では,水痘−帯状疱疹ウィルス(varicella-zoster virus,以下VZVと略記)抗体価指数が25.6と高値であった.頭部CTにて,右橋背側,左中脳内腹側,右視床,左前頭葉から側頭葉に皮質下出血を認めた.MR angiographyでは...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 被引用文献1件 参考文献9件

  • 急性呼吸障害を来した単純ヘルペス脳炎において脳幹病変が病理学的に確認できた89歳男性の1例

    林 友豊, 荒木 克哉, 井上 貴美子, 安藤 紘花, 藤村 晴俊, 巽 千賀夫 臨床神経学 60 (12), 840-845, 2020

    ...<p>症例は89歳男性.38°C台の発熱が持続し意識障害が出現したため入院となった.血液検査で低Na血症を認め,頭部MRIの拡散強調画像で両側帯状回皮質に高信号を認めたが,脳脊髄液中の細胞数上昇を認めなかった.血液検査で抗単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus)IgM抗体陽性が判明したのちに,アシクロビルを投与したものの呼吸状態が急速に悪化し第8病日に死亡した.剖検では急性壊死性脳炎...

    DOI Web Site PubMed ほか1件 参考文献19件

  • 認知症の分子細胞病態の解明と治療法の開発

    富田 泰輔 Drug Delivery System 34 (5), 346-351, 2019-11-25

    ...その一方で、脳脊髄液バイオマーカーの同定、そして脳内イメージング技術の進歩と、臨床観察研究から、ADが慢性的な脳内タンパク質代謝疾患であることも明らかとなり、これら発症原因分子に対する創薬アプローチは予防的な観点で進められるようになった。...

    DOI Web Site Web Site ほか1件 参考文献14件

  • 大血管手術における運動誘発電位モニタリング

    和泉 俊輔 日本臨床麻酔学会誌 39 (7), 721-729, 2019-11-15

    ...ドレナージについても概説する.MEPモニタリングや脳脊髄液ドレナージの情報を共有することで,大血管手術における脊髄保護の麻酔管理の一助となり,患者予後の向上に資することを目標とする....

    DOI Web Site 医中誌 参考文献31件

  • 脳脊髄液減少症に対する漢方薬治療

    佐山 徹郎, 秋山 智明, 山口 慎也 脳神経外科と漢方 5 (1), 24-28, 2019-10-30

    ...<p>脊髄液減少症は,脳脊髄液腔から脳脊髄液 (髄液) が持続的ないし断続的に漏出することによって脳脊髄液が減少し,さまざまな症状を呈する疾患である。脳脊髄液減少症は,脳脊髄液漏出症としてブラッドパッチ治療が保険適応認められたが,診断,治療においてまだまだ問題点の多い疾患である。...

    DOI Web Site 医中誌

  • 多項目自動血球分析装置XE-5000で測定した髄液細胞数の小児参考基準値

    新井 菜津子, 田中 伸久 医学検査 68 (4), 728-730, 2019-10-25

    <p>現在当院では,多項目自動血球分析装置XE-5000(シスメックス,以下XE5000)を用いて,髄液中の細胞数を測定している。通常の基準値は目視法をベースとしたものであるため,XE5000を使用した際の小児における参考基準値の設定を試みた。2009~2018年に当院でXE5000を用いて測定した髄液検査データを対象とし,異常値につながる脳脊髄の疾患や血流感染,白血病などが確認できた例は除外し…

    DOI 医中誌

  • 脳脊髄液ドレナージ抜去時に生じた穿刺部の硬膜下血腫の症例

    成谷 俊輝, 郷 律子, 郷 正憲, 湊 文昭, 若松 成知, 加藤 道久 日本臨床麻酔学会誌 39 (5), 510-515, 2019-09-15

    ...<p>80歳,女性.血栓閉鎖型スタンフォードB型大動脈解離に対して上行全弓部置換術の後,二期的に胸部大動脈ステントグラフト内挿術(TEVAR)を計画した.脊髄梗塞のリスクが高く,脳脊髄液ドレナージ(CSFD)を挿入し,全身麻酔下にTEVARを行った.透明だった脳脊髄液がヘパリン投与後に一時淡血性となった.術後2日目にCSFDを抜去した.その際の凝固能は正常範囲内であったが血小板数は4.8万/μLであった...

    DOI Web Site 医中誌 参考文献5件

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