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検索結果 91 件

  • パノラマ : エウリピデス『フェニキアの女たち』考

    丹下 和彦 研究論集 95 87-99, 2012-03

    小論はエウリピデスの悲劇『フェニキアの女たち』の作品論である。本篇の上演年代は不明であるが、作者晩年のものと見なされている。古代から人気作品として知られているが、それが作品の完成度と必ずしも一致しない。劇は冒頭から最後に至るまでテバイ攻防戦を巡る各場面が連続してパノラマ的に展開するが、それらを繋ぐ統一的なテーマが見つからない。同時上演の他の作品との関連から、息子たちに対するオイディプスの呪いをそ…

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  • ヘーロース・アントローポス : エウリピデス『ヘラクレス』考

    丹下 和彦 研究論集 91 73-87, 2010-03

    本編は劇の中途に神が顕現するという特異な構造を持ち、そのために起きる主人公ヘラクレスの狂気の解釈と絡めて劇の統一性が問題となっている。また劇の末尾ではアテナイ王テセウスが登場し、ヘラクレスに昔受けた恩義のお返しとして篤い友情を示す。そこではまたヘラクレスを慰撫激励するためにテュケー(運、めぐり合わせ)の概念が呈示される。以上の劇内容を通観しながら、「英雄にして神」という従来のヘラクレス像から「英…

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  • リアリスト・エウリピデス : エウリピデス『嘆願する女たち』考

    丹下 和彦 研究論集 90 33-49, 2009-09

    本篇は、ギリシアの内戦ペロポネソス戦時下に書かれ上演された同工の作品『ヘラクレスの子ら』と同じく、嘆願劇というジャンルに分類される。 素材はアルゴスのテバイ攻めの後日譚であり、作者はそれをアルゴス側の戦死者の遺体収容という観点から捉え、収容を援助するアテナイ軍の旗揚げを義挙として、一篇全体をアテナイ讃歌に作り上げている。 加えてここにはより具体的な現実世界が反映されている。 …

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  • 家庭の悲劇 : エウリピデス『アンドロマケ』考

    丹下 和彦 研究論集 89 103-116, 2009-03

    他の悲劇作品同様、本篇もギリシアの古い伝承をその素材としている。しかしそこに描かれているのは、現代のわたしたちの周囲にもしばしば見られる日常風景、その中でも家庭内不和の物語である。ネオプトレモス家の正妻ヘルミオネと第二夫人アンドロマケとの女たちの葛藤が物語の筋をなすが、作者の意図は彼女らそれぞれの悲劇的人間像を構築することではない。題名となったアンドロマケも、またヘルミオネも劇の中途で舞台から姿…

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