Mupirocin軟膏使用患者におけるMupirocin耐性ブドウ球菌の検出状況

書誌事項

タイトル別名
  • Detection of Mupirocin Resistant Staphylococci from Patients Treated with Mupirocin
  • Mupirocin ナンコウ シヨウ カンジャ ニ オケル Mupirocin タイセイ ブドウ キュウキン ノ ケンシュツ ジョウキョウ

この論文をさがす

抄録

ムピロシン (MUP, バクロトロバン®) 上市前 (1993年) に全国43施設から収集されたMRSA 205株および本剤上市後 (1996年9月~2000年2月) に名古屋大学医学部附属病院にて, 本剤を使用された患者の鼻腔より検出されたブドウ球菌228株 [MRSA185株 (88例), コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (CNS) 43株 (28例)] のMUP感受性測定をNCCLS標準法に準拠し, 寒天平板希釈法により行った. 本剤上市前に収集されたMRSA205株のMIC値はすべて0.5μg/mL以下であった. しかし, 本剤上市後当院にて分離されたブドウ球菌228株では, 高度耐性 (MIC≧512μg/mL) MRSA1株 (1例), staphylococcus hominis 4株 (1例) 及び中等度耐性 (MIC8~128μg/mL) MRSA11株 (1例), staphylococcus chromogenes 1 株 (1例), Staphylococcus epidermidis 5株 (1例) が検出された. また, MUP高度耐性S. hominisでは, MUP耐性遺伝子であるmupAがPCR法で検出されたが, MUP高度耐性MRSA及び中等度耐性菌では検出されなかった. 更にMUP耐性菌が検出された患者の臨床背景を調査した. MUP耐性菌はすべてMUP投与開始後検出されていたが, 幸いにもこれらの患者の菌株は院内感染を起こすことなくほぼ全例が自然消退傾向を示した. MUPの使用は今後とも慎重に行うべきであり, 使用ガイドラインの作成及び遵守と共に, MUP耐性菌の出現に十分な注意を払う必要がある.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 75 (1), 7-13, 2001

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ