東京都多摩地区において過去10年間 (1991-2000) に散発下痢症患者及び健康者から分離されたサルモネラの血清型, 薬剤耐性とDNA解析

書誌事項

タイトル別名
  • Serovar-Distribution, Drug-Resistance, and DNA Analysis of <I>Salmonella</I> Strains Isolated from Sporadic Diarrhea Cases or Healthy Cases in Tama, Tokyo (1991-2000)
  • トウキョウト タマ チク ニ オイテ カコ 10ネンカン 1991 2000 ニ サンパツ ゲリショウ カンジャ オヨビ ケンコウシャ カラ ブンリ サレタ サルモネラ ノ ケッセイガタ ヤクザイ タイセイ ト DNA カイセキ
  • Serovar-Distribution, Drug-Resistance, and DNA Analysis of Salmonella Strains Isolated from Sporadic Diarrhea Cases or Healthy Cases in Tama, Tokyo (1991-2000)

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抄録

1991年~2000年の10年間に, 東京都多摩地区の9医療定点で感染性胃腸炎と診断された患者から分離された下痢症由来98株, 及び同地区の飲食物取扱業者と健康診断の検便で確認された健康者由来323株, 合計421株のサルモネラについて, その血清型と薬剤耐性を検討するとともに一部の血清型についてRAPD法によるDNA解析を試みた.<BR>血清型別試験において, 下痢症由来株は26種の血清型に型別され, その主要血清型はEnteritidisとTyphimuriumで, 両者で分離株の60%を占めた. 一方, 健康者由来株のうち, 飲食物取扱者由来株 (267株) は58種, 健康診断由来株 (56株) は25種に型別され, 前者ではEnteritidis, Hadar, Montevideo, Thompson, 後者ではEnteritidis, Typhimurium, Litchfield, Oranienburgが主要な血清型であった. CP, TC, SM, KM, ABPC, SXT, NA, FOM, 及びNFLXの9薬剤に対する感受性試験の結果, 下痢症由来56株 (57.1%), 飲食物取扱業者由来98株 (36.7%), 健康診断由来21株 (37.5%) は供試薬剤のいずれかに耐性であった. 高耐性率を示した血清型は, 下痢症由来ではInfantis, Typhimurium, Enteritidis, 健康者由来ではHadar, Bredeney, Enteritidis, Typhimuriumであった.耐性菌の耐性パターンは, 下痢症由来株で13種, 健康者由来株で25種であり, 両由来で比較的高頻度, かつ共通の耐性パターンを示したものは, SM耐性Salmonella serovar EnteritidisとCP・TC・SM・ABPC 4剤耐性S. Typhimuriumであり, 後者は全てスルフィソキサゾール (SU) 耐性であった.<BR>両由来SM耐性S. Enteritidisと4剤耐性S. TyphimuriumのRAPD法によるDNA解析において, 両血清型菌とも同一パターンを示すものが, 調査期間を通して両由来に認められた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 75 (10), 837-845, 2001

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (18)*注記

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