<I>Helicobacter pylori</I>感染診断における塗抹捺印細胞診の有用性

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タイトル別名
  • Evaluation of Usefulness of Touch Smear Cytology for the Diagnosis of <I>Helicobacter pylori</I> Infection
  • Helicobacter pylori感染診断における塗抹捺印細胞診の有用性
  • Helicobacter pylori カンセン シンダン ニ オケル トマツ ナツイン サイボウシン ノ ユウヨウセイ
  • Evaluation of Usefulness of Touch Smear Cytology for the Diagnosis of Helicobacter pylori Infection

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抄録

塗抹捺印細胞診によるHelicobacter pylori (H. Pylori) 感染診断の有用性を培養法, 免疫染色及び迅速ウレアーゼテスト (RUT) と比較検討した. 1) 同一生検組織を用いて作製した塗抹捺印細胞診と免疫染色, 及び塗抹捺印細胞診と培養法の診断の一致率はそれぞれ94.2%, 93.8%と高値であった. また塗抹捺印細胞診の診断結果はH. Pyloriの菌量の影響をほとんど受けなかった. 2) 培養法をgold standardとした場合, RUTの感度は85.0%, 特異度96.3%であったが, 塗抹捺印細胞診ではそれぞれ91.2%, 96.3%であった. 3) 胃体部及び前庭部のそれぞれの部位における, 近接2カ所での対生検から作製した塗抹捺印細胞診の診断結果はすべて一致しており, また菌量scoreの点においても, 両者の間には有意な相関関係を認めた.今回の検討より, H. Pylori感染診断において, 塗抹捺印細胞診はすぐれた診断能と安定性があると考えられた. また簡便性, 迅速性及び経済性である特徴を備えていることからも, H. Pylori感染における診断方法の1つとして有用な検査であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 75 (10), 856-862, 2001

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (18)*注記

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