サイトメガロウイルス感染症を合併した同種骨髄移植を受けていない血液疾患患者25例の臨床的検討

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タイトル別名
  • Clinical Features of 25 Patients with Cytomegalovirus Infection Complicating Hematological Diseases Unrelated to Allogeneic Bone Marrow Transplantation
  • サイトメガロウイルス カンセンショウ オ ガッペイ シタ ドウシュ コツズイ イショク オ ウケテ イナイ ケツエキ シッカン カンジャ 25レイ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

血液疾患に合併したサイトメガロウイルス (CMV) 感染症25例の臨床像を検討した. これらの症例は同種骨髄移植を受けていない. 21例 (84%) がリンパ性腫瘍でその中に悪性リンパ腫16例 (64%), 成人T細胞白血病3例が含まれている. 1例を除き全例がCMV感染症発症前にステロイドホルモンか抗癌剤を投与されていた. CMV感染症のタイプは間質性肺炎 (23例), 網膜炎 (2例), 腸炎 (1例), 持続する発熱 (1例) である. 9例は病理組織像で診断され, その内の5例は剖検で初めてCMV感染症が判明した. 20例がCMV感染症に対しganciclovirで治療されたが改善したのは9例のみであった. 1994年後期に導入されたCMV抗原血症法で診断された9例中リンパ性腫瘍が制御された4例はganciclovirに反応して生存したが, 他の制御不能の疾患を持つ症例は死亡した. この検討で, CMV抗原血症法の導入によりCMV感染症の治療は血液疾患がコントロール可能な症例では進歩があったが治療抵抗例では決してそうでないことが示された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (3), 215-220, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (11)*注記

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