Beutin血液寒天培地での溶血を指標とした腸管出血性大腸菌のスクリーニング

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タイトル別名
  • Selective Screening of Enterohemorrhagic <I>Escherichia coli</I> Depending on Hemolysis on Beutin's Washed Sheep Blood Agar Plates
  • Beutin ケツエキ カンテン バイチ デ ノ ヨウケツ オ シヒョウ ト
  • Selective Screening of Enterohemorrhagic Escherichia coli Depending on Hemolysis on Beutin's Washed Sheep Blood Agar Plates

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抄録

BeutinらはVT産生性と溶血性との間に高い相関性があると報告していることから, 我々はEHECのスクリーニングに溶血を指標と出来ないかどうかについて検討した.自家製のBeutin血液寒天培地と市販の血液寒天培地との比較では, VT産生株4株すべてに溶血を示す一方, VT非産生株8株では溶血株数が最も少なかった自家製培地の方が優れていた.自家製培地については更に株数を増やし, VT1産生株4血清型11株, VT2産生株1血清型1株, VT1 & 2産生株2血清型5株について溶血をみたところ, 全株が陽性を示したほか, 患者由来のVT非産生株18血清型85株では, 4血清型10株に溶血がみられた.また健康人由来の2,036株では10%に相当する204株が溶血を示した.溶血株を同定した結果は, 大腸菌148株, 緑膿菌13株, Citnbacter13株, Aenmonas12株, Proteus5株, Vibno3株, その他10株であった.溶血を示した大腸菌の市販免疫血清を用いての0抗原血清型別では, 57株 (38.5%) が11血清型に該当したが, 残り91株は型別不能であった.血清型で多かったのはO18 (24株), O6 (18株), O1 (3株) で, 他は2株以下であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (3), 223-230, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (11)*注記

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参考文献 (14)*注記

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