HCV感染者の歯石除去前後の唾液におけるHCV RNAの検出

  • 長尾 由実子
    久留米大学先端癌治療研究センター・肝癌部門 久留米大学医学部口腔外科
  • 関 直子
    久留米大学医学部口腔外科
  • 玉造 滋
    ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社PCR開発部
  • 佐田 通夫
    久留米大学先端癌治療研究センター・肝癌部門 久留米大学医学部第二内科

書誌事項

タイトル別名
  • Detection of Hepatitis C Virus in Saliva Before and After Scaling of Dental Calculus

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抄録

C型肝炎ウイルス (HCV) の感染者では, 唾液中にHCV RNAが検出されることが知られている. 従って歯科医療従事者は, 歯科治療を通じてHCVに感染するリスクが高いことが予想される. そこで歯科医療従事者がどの程度の感染リスクに曝露されているのかを明らかにするために, 6人のHCV持続感染者に対して, 口腔内への出血の誘因となる歯石除去前後の唾液並びに超音波スケーラー使用時のフェイスシールド (顔面全体を覆うプラスチック製ガード) への飛沫サンプルからのHCV RNAの検出を試みた.<BR>歯石除去前後を通じて唾液中からHCV RNAが検出された患者は, 6人中3人であった. 除石前後の両方の唾液にHCV RNAが検出された者は1人, 除石前のみに検出された者が1人, 除石後のみの検出は1人であった. フェイスシールドへの飛沫液からは検出されなかった.<BR>歯科医療従事者は, 歯科治療時の血液や唾液の接触を介してHCVに感染する可能性があることを認識すべきであろう.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (11), 961-965, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (20)*注記

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