成人麻疹における呼吸器合併症の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Pulmonary Complications in Adult Measles
  • セイジン マシン ニ オケル コキュウキ ガッペイショウ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

成人発症の麻疹15例について呼吸器合併症を中心に臨床的検討を行った. 食事困難, 高熱, 呼吸困難, 咳嗽, 下痢などの症状のため, 12例で入院治療を要した. 全例で血小板の減少 (平均10.5×104/mm3), LDHの上昇 (810IU/ml), 大多数例でトランスアミナーゼの軽度上昇が認められた. 胸部X線で異常陰影の出現例は12例中2例で, びまん性の微細顆粒状影が1例, 限局性の淡い浸潤例が1例であった. しかし, 12例中8例 (67%) でPaO2が70Torr未満の低酸素血症が認められた. 呼吸機能検査では, 肺活量と1秒率が軽度から中程度の低下, およびV50, V25の著しい低下がみられた. ピークフローメーターによる観察では, 肺機能の異常は, 発疹出現後1~5日に最も強いことが示された. 麻疹患者では, 発疹出現後数日間, 低酸素血症と低栄養をきたすため, 二次感染合併等による呼吸不全への進展に細心の注意が必要と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (7), 640-645, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ