合成培地と複合培地における腸管出血性大腸菌O157の増殖に関する基礎的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Growth of Verotoxin-Producing <I>Escherichia coli</I> (VTEC) O157 in Enrichment Broth and Minimal Broth
  • ゴウセイバイチ ト フクゴウバイチ ニ オケル チョウカン シュッケツセイ ダイチョウキン O157 ノ ゾウショク ニ カンスル キソテキ ケントウ
  • Studies on Growth of Verotoxin-Producing Escherichia coli (VTEC) O157 in Enrichment Broth and Minimal Broth

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抄録

ヒト糞便から分離したベロ毒素産生性大腸菌0157の10株を供試菌として増殖について検討した.複合培地 (TSB) の36℃ では24時間で, 25℃ では48時間でそれぞれ109CFU/mlに達した.<BR>合成培地 (Davis's Minimal Medium) の36℃ では接種6時間までは増殖を認めなかったが, 24時間後で106CFU/ml, 48時間後で108CFU/mlに達した.25℃ では24時間後は1.52×104CFU/ml, 48時間後は1.67×108CFU/ml, 72時間後は6.80×108CFU/mlに達した.<BR>複合培地と合成培地の4℃ での発育は観察した72時間までは増殖は認められなかった.<BR>グルコースを除いた合成培地での発育 (36℃) は供試した10菌株中, 7菌株 (70%) が増殖を認めた (接種48時問後に4菌株, 72時間後に3菌株).<BR>48時間後に増殖を示した4菌株の菌数は105CFU/mlであった.<BR>増殖を認めなかった3菌株の中, 1菌株は接種した179CFUは72時間後29CFUと残存していたが, 他の2菌株は接種した263CFU, 2, 420CFUは48時間後で完全に死滅した.<BR>グルコースを除いた合成培地で増殖できない菌株も所定濃度の1/10 (0.02%) 量のグルコース存在で増殖が支持され, その発育は濃度依存的であった

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (8), 722-727, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (8)*注記

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