ペニシリン耐性肺炎球菌の疫学的検討

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タイトル別名
  • Epidemiological Study on Penicillin-resistant<I>Streptococcus pneumoniae</I>
  • ペニシリン タイセイ ハイエンキュウキン ノ エキガクテキ ケントウ
  • Epidemiological Study on Penicillin-resistantStreptococcus pneumoniae

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抄録

鳥取大学医学部附属病院第三内科にて1986年6月から1996年5月にかけて呼吸器感染症患者の喀痰から分離されたペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP) についてpbp2b遺伝子のPCRと血清型とパルスフィールドゲル電気泳動法 (PFGE) を用いて疫学的検討をした.<BR>PBP2Bの変異遺伝子がペニシリン耐性株33株のうち26株 (78.8%) にみられ, MICが増加するに従い検出頻度が大きく増加した.<BR>PRSPの血清型は19F, 23F, 6B, 14がそれぞれ54.5%, 18.2%, 9.1%, 9.1%であり, 1991年以降PRSPが急速に増加し, その多くは19Fの増加であった.この19Fの株に他施設で分離された血清型19Fの耐性株4株を加えたPFGEでは当科の18株のうち14株と他施設の4株とが同一であり, 残りの4株もわずかな違いのみであった.したがって当地域で1991年以降呼吸器感染症患者に急速に拡がっているPRSPは同一起源をもっ血清型19Fと考えられる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (5), 475-481, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (20)*注記

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