毒素産生黄色ブドウ球菌の接種マウスにおける致死活性と生体反応の比較

• 小野川 傑

  杏林大学保健学部・免疫学

• 遠藤 宣子

  杏林大学保健学部・免疫学

書誌事項

タイトル別名

• Difference of Host Response in Identical Toxin-produced <I>Staphylococcus aureus</I>-injected Mice
• ドクソ サンセイ オウショクブドウキュウキン ノ セッシュ マウス ニ オケル
• Difference of Host Response in Identical Toxin-produced Staphylococcus aureus-injected Mice

抄録

毒素産生型が同一であるStaphylococcus arueus臨床分離株2株 (KU-1-06-37, KU-1-12-44) を用いて, これらのマウス腹腔への菌接種による生体反応を比較した. LD50量は, KU-1-06-37株では3.8×109 CFU/head, 一方KU-1-12-44株は, ×109CFU/head量接種しても全例生存した. 1/10LD50量を接種し, 生体側の反応を観察したところ, KU-1-06-37株接種マウスには著しい体重の減少や臓器癒着, さらに末梢血白血球数の減少など生体反応が強かったが, KU-1-12-44株接種マウスでは, これらの反応がKU-1-06-37株接種マウスに比べ軽度であった. 血清アミロイドA量は, 両株接種マウスともに接種後5時間目より増加した. KU-1-06-37株接種マウスはその後24時間目までほぼ同値で推移したが, KU-1-12-44株接種マウスは接種後21, 24時間目より減少しはじめた. 臓器からの菌のクリアランスは, KU-1-12-44株がKU-1-06-37株より早く, 株化細胞への付着率もKU-1-06-37株より低かった. 以上のことより, 両株のマウスに対する致死活性が異なる菌側の要因として, 生体内における炎症反応の誘発性および細胞付着性の違いが推測された.

収録刊行物

• 感染症学雑誌

  感染症学雑誌 72 (5), 536-542, 1998

  一般社団法人 日本感染症学会

キーワード

• toxin-produced <I>Staphylococcus aureus</I>
• lethality
• inflammation signs
• mice

詳細情報

• CRID: 1390001205044828032
• NII論文ID: 130004112634
• NII論文ID: 10008718068
• NII書誌ID: AN00047715
• DOI: 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.536
• ISSN: 1884569X
• ISSN: 03875911
• NDL書誌ID: 4482721
• PubMed: 9642944
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I4482721
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1998219150
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可