河川水における<I>Vibrio cholerae</I>の検出状況

• 山井 志朗

  神奈川県衛生研究所細菌病理部

• 沖津 忠行

  神奈川県衛生研究所細菌病理部

• 勝部 泰次

  日本大学生物資源科学部獣医公衆衛生学研究室

書誌事項

タイトル別名

• Isolation and Incidence of <I>Vibrio cholerae</I> from River Water
• 河川水におけるVibrio choleraeの検出状況
• カセンスイ ニ オケル Vibrio cholerae ノ ケンシュツ ジョウ
• Isolation and Incidence of Vibrio cholerae from River Water

抄録

1987年の夏期 (7～9月) に, 任意に選択した神奈川県内の18河川20地点 (河口: 17, 中流: 1, 上流: 2) から採取した河川水について, Vibrio choleraeの検出状況をMPN法によって定量的に調査した.その結果, 全ての地点の河川水からV. cholerae non-O1が検出され, 定量値は0.9～1,400以上MPN/100mlの範囲であり, 特に河川の河口域で著しい汚染 (1, 100～1,400以上MPN/100ml: 53%) が見られた.さらに1988年8月に, 当該河川の一地点の河川水からV. cholerae O1 (コレラ菌) が検出 (150MPN/100ml) され, 翌1989年2月の冬期にも同じ地点から本菌が微量ではあるが検出 (1.5MPN/100ml) された.1989年以降, 県内の主要10河川の河口部9および中流部1地点から河川水を毎月採取し, V. choleraeの検出を定性的に実施した.1989年～1995年までの7年間のV. cholerae検出率は62.9%(528/840), その内訳はV. cholerae O1およびnon-O1が各々3.6%(30/840) および61.1%(513/840) で, 15検体からは両者が同時に検出され, V. cholerae non-O1の経常的汚染およびV. cholerae O1の散発的検出が経年的に観察された.分離株543株のうち, コレラ毒素 (CT) 産生性陽性株はV. cholerae O1の1株だけであり, V. cholerae non-O1にCT産生株は認められなかった.河川水におけるV. choleraeの検出状況を長期的に調査した結果, 以上のように汚染の実態を把握できた.また本調査の過程において, V.cholerae O1の選択分離培地の性能を比較した結果, PMT寒天培地に高い有用性のあることが示された.

収録刊行物

• 感染症学雑誌

  感染症学雑誌 70 (12), 1234-1241, 1996

  一般社団法人 日本感染症学会

キーワード

• Vibrio cholerae
• river water

詳細情報

• CRID: 1390001205046462720
• NII論文ID: 130004330445
• NII論文ID: 10008721602
• NII論文ID: 10008724252
• NII書誌ID: AN00047715
• DOI: 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.70.1234
• ISSN: 1884569X
• ISSN: 03875911
• NDL書誌ID: 4107996
• PubMed: 9011116
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I4107996
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/1997105422
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • PubMed
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可