Lysis centrifugation法によるカンジダ血症の真菌学的検討

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タイトル別名
  • Basic and Clinical Evaluation of Lysis Centrifugation in Candidemia
  • Lysis centrifugationホウ ニ ヨル カンジダ ケッショウ

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抄録

Isolator10 & reg;を用いたLysis centrifugation法と液体培地を用いたカルチャーボトル法を比較し, 基礎的および臨床的に検討を行った. 基礎的検討では, 当科にて臨床検体より分離されたカンジダ属3菌種9株を用いて実験的に菌血液を作製し, 菌の発育までにかかる日数を観察した.Lysiscentrifugation法ではカルチャーボトル法 (BHIリリース) よりCandida albicans, Candida parapsilosisともに1~2日菌発育までの日数が短かった. カルチャーボトル法 (BHIスーパー) との比較では, Lysis centrifugation法でCandida albicans, Candida parapsilosis, Candida tropicalisの3菌種とも培養後1日ないし2日目から発育がみられたが, カルチャーボトル法 (BHIスーパー) ではC. albicans, C. parapsilosisで培養後4日目から, C. tropicalisは培養後6~8日目から発育を認めた.<BR>臨床的検討では, 平成2年4月~ 平成6年3月の4年間の当科における血液培養総検体数1,370検体のうち, 真菌陽性は60検体 (4.4%) であった. Lysis centrifugation法とカルチャーボトル法の2種の方法で同時に検討された検体数は389検体で, その中で真菌陽性は28検体 (7.2%) であった. この28検体のうち, Lysis centrifugation法とカルチャーボトル法ともに陽性であったのは22検体 (79%) で, Lysiscentrifugation法のみ陽性であったのは6検体 (21%) であった.また, カルチャーボトル法のみの陽性検体はなかった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (2), 145-150, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (18)*注記

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