エンドトキシンに特異的なリムルステストを用いた髄液中エンドトキシン定量の化膿性髄膜炎における有用性

書誌事項

タイトル別名
  • Usefulness of Endotoxin-Specific Limulus Test for the Measurement of Endotoxin in Cerebrospinal Fluid in Diagnosis of Bacterial Meningitis
  • エンドトキシン ニ トクイテキ ナ リムルス テスト オ モチイタ ズイエキチ

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抄録

エンドトキシンに特異的な発色合成基質法リムルステスト (エンドスペシーテスト) を用いて, 小児66例の髄液93検体の髄液エンドトキシン測定した. (1) 診断時の測定値の中央値, 最小値~最大値pg/mlは, A群 (グラム陰性菌髄膜炎6例) で115.3, 82~133, B群 (グラム陽性菌と無菌性髄膜炎10例) で2.15, 0.1~3.6, D群 (脳炎4例) で1.45, 0.6~4.0, E群 (非髄膜炎非脳炎45例) で1.00, 0~4.8, であった. (2) 細菌培養で起因菌不明の化膿性髄膜炎C群の2例では100pg/ml以上の高値を示しグラム陰性菌髄膜炎と考えられた. (3) A群 (すべて80pg/ml以上) とB, D, E群 (すべて5pg/m1以下) の問には有意差 (Mann-WhitneyU-test: p<0.01) を認めた. (4) 髄液エンドトキシン値のcut-off値は5pg/mlと考えられた. (5) A群では治療後, 髄液細菌培養, 髄液エンドトキシン, 発熱, CRPの順で改善を認めた. (6) 更に, ラテックス凝集法でA群のインフルエンザ菌髄膜炎5症例の髄液17検体 (5pg/ml以上が12検体) を測定した.陽性は3症例 (3検体) (すべて80pg/ml以上) に過ぎず, エンドスペシーテストの方が測定感度に優れていた.これらの結果から髄液エンドトキシンの測定はグラム陰性菌髄膜炎の診断に有用なだけでなく, 髄液の細菌消失の指標として抗生剤中止の根拠になると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 69 (11), 1227-1234, 1995

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (15)*注記

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