3年間における<I>Streptococcus milleri</I>group呼吸器感染症の臨床検討

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タイトル別名
  • A Three-year Review of Acute Respiratory Tract Infections Caused by <I>Streptococcus Milleri</I> Group
  • 3年間におけるStreptococcus milleri group呼吸器感染症の臨床検討(第70回日本感染症学会西日本地方会会長推薦論文)
  • 3ネンカン ニ オケル Streptococcus milleri group コキュウキ カンセンショウ ノ リンショウ ケントウ ダイ70カイ ニホン カンセンショウ ガッカイ ニシニホン チホウカイ カイチョウ スイセン ロンブン
  • A Three-year Review of Acute Respiratory Tract Infections Caused by Streptococcus Milleri Group

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抄録

Streptococcus milleri group (SMG) 呼吸器感染症の臨床的特徴を明らかにする目的で1997年から2000年に当院を受診したSMG急性呼吸器感染症15例を対象とした. その内訳は肺炎, 肺化膿症, 膿胸および急性気管支炎がそれぞれ7例, 2例, 3例および3例であった. 自験例の平均年齢は578歳 (16~87歳) で, 15例中12例が男性であった. 15例中13例 (8a7%) に感染症に影響を及ぼす中等度から重症の基礎疾患があり, 慢性呼吸器疾患 (20.0%), 食道または胃の手術の既往 (26.7%), 中枢神経障害 (13.3%), アルコール常用者 (60.0%), 肝炎および膵炎 (33.3%), 糖尿病 (13.3%) および悪性疾患 (6.7%) が含まれた.検出されたSMGは, S. constellatus, S. anginosus およびS. intermedius がそれぞれ8例, 6例および1例であった. 複合菌感染が15例中5例にみられた. 死亡例は1例で, 食道癌の手術歴があるSMG院内肺炎例であった. 治療として, 外科的処置がなされた例はなく, ドレナージ, 抗菌剤ではカルバペネム系薬剤を中心とした併用化学療法が有用で, 15例中14例 (933%) が治癒した.今回検出されたSMG臨床分離株ではpenicillin Gで33.3%, ampicillinで53.3%, cefmetazoleで80.0%に中間感受性および耐性株が存在した. 近年, 中等度以上の基礎疾患を有する患者においてSMGによる急性呼吸器感染症は増加傾向にあり, SMG臨床分離株に耐性化が認められるようになってきていると思われる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 76 (3), 174-179, 2002

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (16)*注記

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