飼育イヌにおける<I>Strongyloides</I>属糞線虫の感染状況

書誌事項

タイトル別名
  • Prevalence of <I>Strongyloides</I> spp. Infection in Household Dogs
  • 飼育イヌにおけるStrongyloides属糞線虫の感染状況
  • シイク イヌ ニ オケル Strongyloidesゾク フン センチュウ ノ カンセン ジョウキョウ
  • Prevalence of Strongyloides spp. Infection in Household Dogs

この論文をさがす

抄録

一般家庭で飼育されているイヌ1,505頭について, Strongyloides属糞線虫の感染状況を糞便検査で調査するとともに糞便性状, 飼育環境, 由来, 年齢, 性別および品種についても調査した. その結果, 1,505頭中29頭 (1.93%) でStrongyloides属の感染が確認され, 28頭はS.stercoralisの感染であり, 1頭はS. planicepsの感染であると考えられた.Strongyloides属の感染率は, 室内で飼育されているペットショップ・ブリーダーケンネル由来の1~6カ月齢のイヌで高かった. 糞便の性状に関しては, 軟便のイヌで感染率が高かった. 性別による感染率の違いは認められなかった. 品種ではポメラニアンで感染率が高く, 雑種で低かった. 人獣共通の寄生虫であるS. stercoralisの感染が, ヒトとの接触機会が多い室内飼育の幼齢イヌで認められたことから, ヒトへの感染を防止するため, 飼育者やペットショップ・ブリーダーケンネル従事者に対する衛生指導の徹底や感染イヌに対する積極的な治療などが必要であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 77 (6), 430-435, 2003

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (19)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ