リアルタイムPCR法との比較によるA型およびB型インフルエンザ迅速診断キットの評価

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Immunochromatography Test for Rapid Detection of Influenza A and B Viruses Using Real-time PCR
  • リアルタイム PCRホウ ト ノ ヒカク ニ ヨル Aガタ オヨビ Bガタ インフルエンザ ジンソク シンダン キット ノ ヒョウカ

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抄録

A型インフルエンザと比べて, B型の迅速診断キットによる感度が不良であることの原因を調べるために, リアルタイムPCR法による検討を行った. 2004/2005年シーズンに, インフルエンザを疑われた小児の鼻咽腔吸引液の稀釈・遠心上清を用いて迅速診断試験 (エスプラインインフルエンザA & B-Nを含む4キットを使用) とウイルス分離を行った. これらの検査済みの保存検体を用いて, リアルタイムPCRによりウイルス量を測定した.<BR>ウイルス分離によるB型陽性で迅速診断試験陰性12検体でのインフルエンザウイルス量 (RNAコピー数) の平均は, 6.6±0.18 (109 10コピー数/mL), B型陽性迅速診断試験陽性57検体では8.51±0.57, A型陽性 (H3N2) で迅速診断試験陽性36検体のA型RNAコピー数は8.72±0.63であった. B型検体で迅速診断試験陰性群と陽性群の間には, 検体中のウイルス量に有意差がみられ (p<0.0001), B型の迅速診断試験陰性群とA型の迅速診断試験陽性群の間にも有意差が存在した(p<0.0001). B型の迅速試験陽性群とA型の迅速診断試験陽性群の間には, 有意差はみられなかった.<BR>B型に対する迅速診断キットの低感度の原因は, 検体中のウイルス量が少ないことによると思われる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 80 (5), 522-526, 2006

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (11)*注記

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