血液培養からの<I>Helicobacter cinaedi</I>及びその類縁菌の分離培養と簡便同定法に関する検討

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タイトル別名
  • Isolation and Identification of <I>Helicobacter cinaedi</I> and <I>H. cinaedi</I>-like Organisms Isolated from Blood Culture in Practical Laboratory Procedures
  • 血液培養からのHelicobacter cinaedi及びその類縁菌の分離培養と簡便同定法に関する検討
  • ケツエキ バイヨウ カラノ Helicobacter cinaedi オヨビ ソノ ルイエンキン ノ ブンリ バイヨウ ト カンベン ドウテイホウ ニ カンスル ケントウ
  • Isolation and Identification of Helicobacter cinaedi and H. cinaedi-like Organisms Isolated from Blood Culture in Practical Laboratory Procedures
  • Isolation and identification of Helicobacter cinaedi-like organisms isolated from blood culture in practical laboratory procedures

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抄録

Helicobacter cinaediは, 本邦でも免疫不全患者からの分離例が報告されている.今回, 専門機関の解析でH. cinaediと同定された国内分離28株の微生物検査手順の調査と分離菌を用いて, 本菌種の分離培養の特徴と日常検査で可能な簡便同定法を検討した.<BR>分離例は全自動血液培養装置BACTECシステムの好気ボトルで4-9日の培養後に陽性シグナルを示した.培養液のグラム染色所見は, 3巻以上の繊細な長めのグラム陰性螺旋菌を呈した.培養液の継代培養は陽性シグナル後, 直ちに5%血液寒天培地などにて培養容器内を湿潤にした35℃の微好気培養を行うことが重要であり, 3-4日後にthin spread colonyの集落が見られることが特徴であった.<BR>簡便な同定試験として, 全株で硝酸塩還元試験陽性, インドキシル酢酸加水分解試験とウレアーゼ産生試験が陰性を示し, 有用性が示された.アルカリフォスファターゼ産生試験, 温度発育試験1%グリシン抵抗性試験は判断上参考となる検査法であった. 簡易同定キットのアピヘリコではH. cinaedi推定同定のプロファイルが得られた.<BR>以上より, H. cinaediとその類縁菌の判別推定同定として, 微好気培養下で特徴的なthin spread colonyを示す点や今回検討した簡便な同定試験項目結果及びアピヘリコによるプロファイルを併用することの有用性が示唆される.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 81 (6), 700-706, 2007

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (16)*注記

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