小児におけるB群溶連菌感染症の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Study of Group B Streptococcal Infection in Children
  • ショウニ ニ オケル Bグン ヨウレンキン カンセンショウ ノ リンショウテキ ケントウ

この論文をさがす

抄録

1998年から2007年までに当院に入院した12名のB群溶連菌 (GBS) 感染症の児について臨床的に検討した.診断は敗血症が8名, 髄膜炎が4名であった. 発症日は齢生後7日未満が3名, 7日から27日が4名, 28日から141日が5名であった.早発型感染症の頻度は出生1,000人あたり0.4であった.予後は3名で神経学的後遺症を認めた.母体のGBS保菌状況は11名で調べられており, 4名が陽性であった. 陽性者のうち2名は分娩時に静注で抗菌薬を投与していたが, 児はGBS感染症を発症した.<BR>血清型はIII型が7名で最も多く, ついでIa型とIb型が2名ずつ, II型が1名であった.薬剤感受性ではMIC90の値でみると, panipenemとimipenemが0.015μg/mL, meropenemが0.03μg/mL, cefotaximeとceftriaxoneが0.06μg/mL, ampicillinが0.12μg/mLであった.<BR>2007年5月から2008年2月までにGBSを保菌していた妊婦28名, 新生児11名, 小児19名, 成人30名から検出された株についても血清型と抗菌薬感受性を測定した.III型の頻度について, GBS感染症群と妊婦および成人の間で有意差を認めた (p<0.05). 抗菌薬感受性は感染症群とほぼ同様であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 82 (6), 633-637, 2008

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (8)*注記

もっと見る

参考文献 (13)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ