水痘ワクチンの初回接種後 3~5 年における追加接種の免疫原性

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タイトル別名
  • Immunogenicity of Additional Varicella Vaccination 3-5 years after the Initial Vaccination
  • スイトウ ワクチン ノ ショカイ セッシュ ゴ 3~5ネン ニ オケル ツイカ セッシュ ノ メンエキ ゲンセイ

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抄録

初回水痘ワクチン接種による immune adherence hemagglutination (IAHA) 抗体陽転とその後の水痘未罹患が確認されている 16 名を対象に,水痘ワクチンの追加接種を施行した.初回と追加接種時の年齢の中央値は,それぞれ 2.1(1.1~6.9)歳と 6.1(4.4~10.5)歳,初回と追加接種の平均接種間隔は 4.0(3.2~5.2) 年であった.追加接種直前および接種後 4~6 週の IAHA 抗体価と glycoprotein-based enzyme-linked immunosorbent assay (gpELISA) 抗体価を測定すると共に接種後 4 週間の副反応を調査し,それらを初回接種時の成績と比較した. 初回接種の IAHA 抗体陽転率は 100%,gpELISA 抗体陽転率は 88% であった.追加接種前 IAHA 抗体価は,50% が初回接種後より有意に低下し,38% が陰転化していた.一方,25% が IAHA 抗体価の有意上昇を認めており,初回接種後の不顕性感染によると思われた.追加接種後の両抗体陽性率は 100% であり,抗体陽性者の初回接種後/追加接種後の平均 IAHA 抗体価 (Log2) は 4.6/6.5,平均 gpELISA 抗体価 (Log10) は 2.3/4.0 であった.IAHA および gpELISA の平均抗体価は追加接種後が初回接種後より高く (p<0.01,p<0.01),追加接種によるブースター効果と考えられた.追加接種後 0~2 日において注射部位の発赤が 56% に認められ,初回接種後の発生率 (13%) より高かったが (p<0.05),重篤な全身性副反応は初回および追加接種の双方で認められなかった.結論として,水痘ワクチン初回接種後 3~5 年での追加接種は免疫原性が高く有用と思われた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 87 (4), 409-414, 2013

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (30)*注記

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