並列処理システム : 晴における条件分岐文の並列処理とその効果

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  • A Parallel Execution Scheme of Conditional Branches and its Evaluation for the Parallel Processing Sustem : Harray

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抄録

本報告では,プログラム内の条件分岐を並列処理することによるプログラム実行時間の短縮について述べ,我々の提案している並列処理システム-晴-上での条件分岐並列処理手法の性能予測を示す.プログラム中の条件分岐を並列処理しようという試みは,VLIW型計算機を中心にこれまでに数多く行われている.しかし,これらの方式は,大規模な並列処理計算機を対象とした方式ではないため,条件分岐の先行評価段数が小さく,得られる並列性も小さい.これに対して,-晴-は1000台規模の要素プロセッサを持つため,先行評価段数を大きくし,十分な並列性をプログラムから抽出する.先行評価段数を大きくする手法として,我々はこれまでにフローグラフ展開を提案している.フローグラフ展開とは,条件分岐点における同期をとらず,条件の成立・不成立によって分かれる全ての制御フローについて演算を同時に実行し,後で制御に基づいて有効となったフローを選択する手法である.これまでの評価では,フローグラフ展開の対象となる部分について,1.5倍-5.2倍の処理速度の向上を確認している.本稿では,まず,(1)条件分岐の並列処理による処理速度向上をいくつかの科学技術計算プログラムのシミュレーション結果を用いて示し,次に(2)フローグラフ展開による処理速度の向上が,プログラム全体として考えた時に,どの程度期待できるかについて評価した結果を示す.

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