国産軟質小麦に含まれるフザリウム毒素・ゼアラレノンとデオキシニバレノールの製粉での残存率

  • 久城 真代
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 鄭 雅志
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • Thammawong Manasikan
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 小澤 徹
    地方独立行政法人北海道立総合研究機構十勝農業試験場
  • 中川 博之
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 長嶋 等
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 岡留 博司
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Retention of <i>Fusarium </i> mycotoxins zearalenone and deoxynivalenol during Japanese soft wheat milling
  • Retention of Fusarium mycotoxins zearalenone and deoxynivalenol during Japanese soft wheat milling

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抄録

ゼアラレノン(ZEA)は小麦の主要な自然汚染物質であり、同じくフザリウム属菌産生カビ毒の一種であるデオキシニバレノール(DON)との共汚染が起こりやすい。小麦加工後のZEAの残存率を明らかにし、DONの残存率と比較するため、人工的にフザリウム属菌に罹病させた国産軟質小麦を用いて製粉を行い、小麦半加工製品(小麦粉)でのZEAの濃度変化を解析した。穀粒を製粉に供し、3種類のブレーキ粉(1B、2B、3B)、3種類のミドリング粉(1M、2M、3M)ならびに外皮分画(大ふすま、小ふすま)を得た。ストレート粉は6種全ての粉から調製し、ヒトの可食部となる上質粉は1B、1M、2Bと2Mから調製した。単一試験室で妥当性確認された、多機能カートリッジ精製とHPLC蛍光検出を用いる分析法にて、ストレート粉、上質粉、大ふすま、小ふすまに含まれるZEAを定量した。DONについても同様に定量を行った。ストレート粉におけるZEAの残存率は50%未満であり、DONの残存率より低かった。上質粉でのZEAの残存率はさらに低く、粉の分画によりZEAが効率的に減衰することが示された。

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