急性非リンパ性白血病に合併した肝脾カンジダ症の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Hepatosplenic Candidiasis in Acute Non-Lymphocytic Leukemia
  • キュウセイ ヒ リンパセイ ハッケツビョウ ニ ガッペイシタ カン ヒ カンジ

この論文をさがす

抄録

急性非リンパ性白血病の治療中に肝脾カンジダ症を合併した11例を経験した. 抗真菌剤の経静脈投与を行ない得なかった5例は肝不全死したが, 投与した6例は治癒せしめた.<BR>典型的な肝脾カンジダ症の臨床経過は白血病の化学療法後, 好中球数の回復にもかかわらず抗生剤不応の発熱が続き, 右季肋部を中心とした腹痛を伴う. さらに, 総ビリルビンとアルカリフォスターゼの上昇を主とする肝機能異常と肝腫大が明らかとなる. 腹部CTでは肝脾および腎に1cm程度の, 造影剤で増強されない低吸収域が多発し, USでも同大の低あるいは高エコー帯が多発するが, ときにtarget signを示す. これら特有の臨床症状と腹部画像検査により肝脾カンジダ症の診断は困難ではなく, 抗真菌剤の早期投与により本症は治癒可能である.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 65 (7), 794-798, 1991

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ