バングラデシュにおける洪水後のコレラ発生状況

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タイトル別名
  • Bacteriological Survey of Diarrheal Epidemics in the 1998 Bangladesh Floods
  • バングラデシュ ニ オケル コウズイ ゴ ノ コレラ ハッセイ ジョウキョウ

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抄録

1998年, バングラデシュは大洪水に見舞われ, 下痢症患者が急増したため, 日本から災害医療調査チームが派遣された.調査した入院中の下痢症患者, 76例のうち25例 (33%) から01コレラ菌 (Vibriochol-eraeO1 E1 Tor Ogawa) が, また14例 (18%) から0139コレラ菌 (V.choleraeO139 Bengal) が分離された.O1コレラ菌の分離は小児からが多かったが, Ol39コレラ菌は成人からも多く分離された.分離株の抗生物質感受性試験では01コレラ菌はTC (テトラサイクリン), DOXY (ドキシサイクリン), CPFX (シプロフロキサシン) に感性, NA (ナリジクス酸), PL-B (ポリミキシンB) に耐性であった.また, 0139コレラ菌の成績は01コレラ菌のパターンとNA以外は同じで, NAには感性を示した.TC耐性株は分離されなかった.O139コレラ菌による新型コレラは最近, 流行の報告がなく沈静化していると考えられているが, 洪水後においても患者が散発的に発生していることから今後とも調査が必要であると考えられる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (9), 918-922, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (7)*注記

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