集客施設の防犯カメラ映像を利用した地震動映像アーカイブシステムの構築

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抄録

東日本大震災では関連の映像アーカイブシステムが個人・民間・政府機関等の多様な主体によって構築された。映像の内容としては被害を受ける前後の画像や津波の映像は相当量が公開されているが、揺れている最中の映像(以下、地震動映像)については比較的少ない。これは、近年の携帯端末の発達普及に伴い場所や時間に制約されない撮影が可能とはなったが、揺れの発生している最中の撮影行為は物理的かつ安全上難しいことや、固定され常時撮像しているカメラには著作権や個人情報等の問題が存在するため集積が進まない事に起因していると思われる。このため、地震時の室内物品の挙動や人間行動の検証は防災・減災に役立つ重要な知見の一つであるにも関わらず、集積し利用されるのに十分な量のアーカイブがこれまで存在しなかった。本研究ではこうした地震動映像について、大規模集客施設を持つ民間企業の協力を得ることで集積・整理が可能なアーカイブシステムを構築することに成功した。本発表ではその構築手法と、開発を通じて考察した今後のあるべき姿について述べる。

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