本邦小児より分離された<I>Chlamydia pneumoniae</I>, AC-43株の性状について

  • 山崎 勉
    ワシントン大学病原生物学教室 千葉大学看護学部病態学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Morphology and Immunotyping of AC-43 Strain of <I>Chlamydia pneumoniae</I> Isolated from a Japanese Child
  • 本邦小児より分離されたChlamydia pneumoniae,AC-43株の性状について
  • ホンポウ ショウニ ヨリ ブンリサレタ Chlamydia pneumonia
  • Morphology and Immunotyping of AC-43 Strain of Chlamydia pneumoniae Isolated from a Japanese Child

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抄録

本邦小児より分離されたChlamydia pneumoniae (C. pneumoniae), AC-43株の性状につき検討した.AC-43株の封入体はC.pneumoniae特異モノクローナル抗体を用いた間接蛍光抗体法にて染色され, C.pneumoniaeに特徴的とされる密な卵型を呈した.電顕ではminiature bodyを含むperiplasmic spaceの広い西洋梨状のElementary body (EB) が観察され, これまでのC. pneumoniaeの電顕所見と合致した.AC-43株のEBを精製し, これを免疫源としてエチレングリコールを用いた細胞融合法にて, C.pneumoniae特異モノクローナル抗体を作製した.得られたクローンの培養上清を用いて, AC-43株および米国より分離されたC.pneumoniae株であるAR-39を抗原としてmicro-immunofluorescence (micro-IF) 法を施行したところ各抗原に対してほぼ同じ抗体価を示したが, Chlamydia trachomatis, Chlamydia psitiaciには反応しなかった.AR-39およびTW-183株 (C. pneumoniae) を用いて作製したモノクローナル抗体は, micro-IF法にてAR-39およびAC43株に同じ反応を示した.AC-43株は, 形態学的所見やmicro.IF法における反応性において, 他のC. pneumoniae分離株と明らかな違いはみられなかった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 66 (5), 632-636, 1992

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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